JP6544994B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置および電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置、電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真装置に用いられる電子写真感光体として、金属酸化物粒子を含有する下引き層が支持体と感光層との間に設けられている。これらの金属酸化物粒子は、支持体から感光層側への電荷注入による黒点状の画像欠陥を抑制するため、シランカップリング剤で表面処理が行われている。
特許文献1には、電子写真感光体の下引き層に、アミノ基を有するシランカップリング剤で表面処理した金属酸化物粒子とウレタン樹脂を含有することが記載されている。
また、下引き層に用いる結着樹脂(樹脂)として、硬化性樹脂であるウレタン樹脂が用いられている。そして、下引き層の結着樹脂として硬化性樹脂を用いる場合は、電子写真感光体の生産性の観点から、低温での硬化(低温での硬化性樹脂の生成)が可能であることが求められている。そこで、特許文献2には、下引き層にジエチルマロネート構造でイソシアネート基がブロック化された化合物とポリビニルブチラール樹脂とを反応させて得られる硬化性樹脂を含有させることが記載されている。
特開2004−191868号公報 特開2004−198734号公報
シランカップリング剤は、一つの分子中に、金属酸化物粒子と反応してその表面を修飾する加水分解性基と、結着樹脂と相互作用する有機官能基を併せ持つ。有機官能基の種類によって結着樹脂との反応性が変化するため、下引き層に用いる結着樹脂に適した有機官能基を選択することが求められる。有機官能基の種類によって結着樹脂との反応性が変化すると、表面処理された金属酸化物粒子が凝集し、黒ポチが起こりやすくなる場合がある。
本発明者らは、下引き層に下記式(2)で示される基を有する化合物とポリオールとを反応させて得られる硬化性樹脂(ウレタン樹脂)を用いて、検討を行った結果、以下のような課題があることがわかった。すなわち、アミノ基やメルカプト基を有するシランカップリング剤を用いて表面処理した金属酸化物粒子と上記のウレタン樹脂を下引き層に用いた場合、高温高湿環境において明部電位変動が大きくなりやすいことが分かった。
(式(2)中、Xは、単結合または酸素原子を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を示す。なお、上記式(2)中のXが酸素原子であり、RおよびRがエチル基の場合がジエチルマロネート構造である。)
本発明の目的は、高温高湿環境における明部電位変動の抑制と、黒ポチの抑制とを高いレベルで両立する電子写真感光体を提供することである。また、本発明の別の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法を提供することである。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
本発明は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
該下引き層が、
樹脂、および
下記式(1)で示される化合物で表面処理された金属酸化物粒子
を含有し、
該樹脂が、上記式(2)で示される基を有する化合物およびポリオールを含む組成物の重合物であり、
上記式(2)で示される基を有する化合物が、下記式(2)で示される基を有し、中心骨格がイソシアヌレート型トリイソシアヌレート(5量体以上の重合体も含む)である化合物であり、
該ポリオールが、ポリビニルアセタール(ブチラール樹脂)またはポリアクリルポリオールであ
ことを特徴とする電子写真感光体に関する。
(式(1)中、R、Rは、それぞれ、炭素数1から2のアルキル基、またはフェニル基を示す。Rは、炭素数1から10のアルキル基、ビニル基、メタクロイルオキシ基、または、アクリロイルオキシ基から選択される基を示す。m、nは、整数を示し、m+n=3、m=0、1、2である。)
また、本発明は、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジが、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを有し、上記電子写真感光体と上記少なくとも1つの手段とが一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置に関する。
また、本発明は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、
上記式(1)で示される化合物で表面処理された金属酸化物粒子、上記式(2)で示される基を有する化合物、およびポリオールを含有する下引き層用塗布液を調製する工程、
該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および硬化させて該下引き層を形成する工程、
を有し、
下記式(2)で示される基を有する化合物が、下記式(2)で示される基を有し、中心骨格がイソシアヌレート型トリイソシアヌレート(5量体以上の重合体も含む)である化合物であり、
該ポリオールが、ポリビニルアセタール(ブチラール樹脂)またはポリアクリルポリオールであ
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明によれば、高温高湿環境における明部電位変動の抑制と、黒ポチの抑制とを高いレベルで両立する電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。また、本発明によれば、上記電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
電子写真感光体の層構成の例を示す図である。 電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、該下引き層上に形成された感光層を有する。下引き層が、樹脂、および下記式(1)で示される化合物で表面処理された金属酸化物粒子を含有し、樹脂が、下記式(2)で示される基を有する化合物およびポリオールを含む組成物の重合物であることを特徴とする。
(式(1)中、R、Rは、それぞれ、炭素数1から2のアルキル基、またはフェニル基を示す。Rは、炭素数1から10のアルキル基、ビニル基、メタクロイルオキシ基、または、アクリロイルオキシ基から選択される基を示す。m、nは、整数を示し、m+n=3、m=0、1、2である。)
式(2)中、Xは、単結合または酸素原子を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を示す。好ましくは、Xが単結合である。
本発明者らは、電子写真感光体の下引き層が上記特徴を有することにより、高温高湿環境における明部電位変動の抑制と、黒ポチの抑制とを高いレベルで両立する理由を、以下のように推測している。
上述のように、下引き層に式(2)で示される基を有する化合物とポリオールを含む組成物の重合物(ウレタン樹脂)と、アミノ基やメルカプト基を有するシランカップリング剤で表面処理した金属酸化物粒子を用いると明部電位変動が大きくなりやすい。この理由としては、アミノ基やメルカプト基は親水性基であるため、水分子との親和性が高いことにより、シランカップリング剤で表面処理された金属酸化物粒子の酸素欠損部に水分子が吸着しやすくなると考えている。これに伴い、下引き層の抵抗が上昇し、電荷が下引き層中に滞留しやすくなり、明部電位変動が大きくなると考えられる。
そこで、高温高湿環境下での明部電位変動の抑制のため、シランカップリング剤の有機官能基を親水性基から疎水性基に変更することが有効であることが、本発明者らの検討の結果わかった。具体的には、有機官能基である式(1)中のRを、炭素数1から2のアルキル基、またはフェニル基にすることである。このシランカップリング剤を用いることにより、金属酸化物粒子の酸素欠損部に吸着する水分子を抑制して、上述の明部電位変動を抑制していると考えている。
さらに、本発明の構成により、明部電位変動の抑制に加えて、黒ポチも抑制することができる。一般的に、シランカップリング剤の有機官能基を親水性基から疎水性基に変更すると、金属酸化物粒子の分散性が低下しやすく、黒ポチが発生しやすいことがわかっている。本発明では、式(2)で示される基を有する化合物とポリオールが反応して得られたウレタン樹脂と、金属酸化物粒子とが相互作用(配位)して、金属酸化物粒子が下引き層中に均一に分散されやすくなると推測している。具体的には、ウレタン樹脂と金属酸化物粒子との相互作用により、式(3)に示すような構造を形成していると考えている。このような作用により、黒ポチも抑制していると考えている。
(式(3)中、Rは式(2)とポリオールがエステル交換反応したポリオール側の構造を示す。Mは、金属酸化物の金属元素を示す。XおよびRは、上記式(2)と同様である。)
上記式(2)中のRおよびRの炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基)が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましい。また、上記式(2)中のXが単結合である場合は、上記式(2)中のXの左隣のCと右隣のRとが直結していることを意味する。
金属酸化物粒子を表面処理する式(1)で示される化合物(シランカップリング剤)としては、以下のものが挙げられる。すなわち、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
また、金属酸化物粒子を表面処理する式(1)で示される化合物(シラン剤)としては、以下のものが挙げられる。すなわち、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランが挙げられる。
上述の式(1)で示される化合物の中でも、下引き層に用いる樹脂との反応性の観点から、上記のシラン剤が好ましい。より好ましくは、Rが炭素数1から10のアルキル基を示すシラン剤である。
金属酸化物粒子は、下引き層に導電性を付与する目的で用いられるものであれば特に限定されない。中でも、酸化亜鉛、酸化チタンおよび酸化スズからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物を含む粒子が好ましい。
金属酸化物粒子を表面処理する方法は、公知の方法であればどのような方法でもよい。たとえば、乾式法や湿式法が挙げられる。乾式法は、金属酸化物粒子をヘンシェルミキサーのような高速攪拌可能なミキサーの中で攪拌しながら、シランカップリング剤のアルコール水溶液、有機溶媒溶液または水溶液を添加し、均一に分散させた後に乾燥を行う方法である。また、湿式法は、金属酸化物粒子とシランカップリング剤を溶剤中で攪拌、またはガラスビーズ等を用いてサンドミル等を用いて分散するものであり、分散後、ろ過、または減圧留去により溶剤除去が行われる。溶剤の除去後は、さらに100℃以上で焼き付けを行うことが好ましい。
上記式(2)で示される基を有する化合物は、イソシアネート化合物のイソシアネート基と、例えば、ジアルキルマロネート、アセト酢酸エステルなどを反応することで得られる。
イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソフォロンジイソシアネート、IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDI−トリメチロールプロパンアダクト体、HDI−イソシアヌレート体、HDI−ビウレット体が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物粒子への水分子の吸着を抑制する観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが好ましい。また、中心骨格が、イソシアヌレートであるものが好ましい。また、これらのイソシアネート化合物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ジアルキルマロネートとしては、例えば、ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジ(イソプロピル)マロネート、ジ(n−プロピル)マロネート、ジ(n−ブチル)マロネート、ジ(t−ブチル)マロネート、t−ブチルエチルマロネートなどが挙げられる。また、アセト酢酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸t−ブチルなどが挙げられる。
また、ポリオールとしては、例えば、ポリビニルアセタール、ポリフェノール、ポリエチレンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアセタールが好ましい。また、これらのポリオール樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
下引き層に含有させる金属酸化物粒子の質量(Mm)と、式(2)で示される基を有する化合物およびポリオールを含む組成物の合計質量(Mu)との質量比(Mm/Mu)は、電気特性の観点から、1/1以上(質量比)であることが好ましい。より好ましくは、2/1以上(質量比)である。一方、下引き層のクラック(ひび割れ)の発生を抑制する観点から、上記質量比(Mm/Mu)は、4/1以下(質量比)であることが好ましい。したがって、上記質量比(Mm/Mu)は、2/1以上4/1以下(質量比)であることが好ましい。
また、下引き層には、下引き層の表面粗さを調整する観点や下引き層のクラックの発生を抑制する観点から、有機樹脂粒子、レベリング剤などを含有させてもよい。
有機樹脂粒子としては、例えば、シリコーン粒子などの疎水性有機樹脂粒子や、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子などの親水性有機樹脂粒子などが挙げられる。
また、下引き層には、膜形状安定性の向上、画質向上などを目的として、各種の添加物をさらに含有させてもよい。
添加物としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム粒子、銅粒子などの金属粒子、カーボンブラックなどの導電性粒子、キノン化合物、フルオレノン化合物、オキサジアゾール化合物、ジフェノキノン化合物、アリザリン化合物、ベンゾフェノン化合物、多環縮合化合物、アゾ化合物、金属キレート化合物、シランカップリング剤が挙げられる。
本発明の下引き層は、以下に示す工程を経て形成することができる。まず、式(1)で示される化合物で表面処理された金属酸化物粒子、式(2)で示される基を有する化合物、およびポリオールを含有する下引き層用塗布液を調製する。次に、下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および硬化させて下引き層を形成する。
塗布液の保存安定性の観点から、下引き層用塗布液に用いる溶剤として、アルコールを含有することが好ましい。
下引き層用塗布液に含有させるアルコールとしては、1価アルコールが望ましい。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール(1−プロパノールなど)、ブタノール(1−ブタノールなど)、メトキシプロパノール(1−メトキシ−2−プロパノールなど)、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。これらの中でも、エタノール、プロパノール、ブタノール、メトキシプロパノール、シクロヘキサノールが好ましい。これらのアルコールは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルコールの含有量としては、保存安定性の観点から、式(2)で示される基に対して1当量以上含有することが好ましい。また、金属酸化物粒子の分散性の観点から、アルコールの含有量は、下引き層用塗布液中の全溶媒に対して、90質量%以下の割合で含有することが好ましい。特には、50質量%以下が好ましい。
下引き層用塗布液の溶剤として、アルコールと併用する溶剤としては、金属酸化物粒子の分散性を満たし、かつ下引き層の材料を良く溶解する溶媒であれば特に限定されない。ケトン溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、及び芳香族溶剤等から任意に選択することができる。例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジオキサンが挙げられる。また、これらの下引き層用塗布液に用いる溶剤は、単独、あるいは2種以上のものを混合して用いることができる。
下引き層用塗布液の塗膜の乾燥温度(加熱温度)としては、100℃以上190℃以下であることが好ましい。上記範囲内であると、下引き層のクラック(ひび割れ)を抑制し、式(2)で示される基を有する化合物とポリオールを含む組成物との重合反応(硬化反応)が進みやすい。さらには、130℃以上155℃以下であることが好ましい。また、下引き層用塗布液の塗膜の乾燥時間(加熱時間)は10分間以上120分間以下であることが好ましく、10分間以上60分間以下であることがより好ましい。
下引き層用塗布液は、金属酸化物粒子、ポリオール、式(2)で示される基を有する化合物、および、溶剤を分散処理することによって調製することができる。分散処理方法としては、例えば、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、ロールミルなどの分散処理装置を使用した方法が挙げられる。これらの分散処理装置に用いられる分散媒体としては、例えば、球状のガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズなどが挙げられる。また、これらのビーズの粒径(直径)は、0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
下引き層の膜厚は、電子写真感光体の繰り返し使用による明部電位の変動を抑制する観点から、0.5μm以上40μm以下が好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。
また、上記導電層を設けない場合には、支持体の傷を隠蔽(被覆)する観点から、下引き層の膜厚は、10μm以上40μm以下であることが好ましく、15μm以上35μm以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体は、支持体、支持体上に形成された下引き層および下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体である。好ましくは、感光層として、下引き層上に設けられた電荷発生層および電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する積層型の感光層を有する電子写真感光体である。また、電荷輸送層に含有させる電荷輸送物質としては、正孔輸送物質が好ましい。
図1に、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。図1(a)において、101は支持体であり、102は下引き層であり、103は単層型の感光層である。図1(b)において、101は支持体であり、102は下引き層であり、103は電荷発生層であり、104は電荷輸送層である。
支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル、亜鉛などの金属製(合金製)の支持体などが挙げられる。また、アルミニウム製の支持体やアルミニウム合金製の支持体を用いる場合は、ED管、EI管などを用いることができる。
また、金属製支持体、樹脂製支持体上に、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などの導電性材料の薄膜を形成したものも支持体として用いることができる。
また、支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理、電解複合研磨処理、湿式ホーニング処理、乾式ホーニング処理などを施してもよい。電解複合研磨とは、電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨である。
支持体と下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の隠蔽(被覆)などを目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、まず、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子、結着樹脂(あるいは、そのモノマーおよび/またはオリゴマー)、および、溶剤を分散処理することによって得られる導電層用塗布液の塗膜を形成する。そして、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル溶剤、アルコール溶剤、ケトン溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。また、これらの溶剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
導電層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、上述の下引き層が設けられる。
下引き層上には、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)が設けられる。
感光層が積層型の感光層である場合、下引き層上には、電荷発生層が形成される。電荷発生層は、電荷発生物質、結着樹脂および溶剤を分散処理することによって得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクアリウム色素、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。これらの中でも、感度の観点から、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましく、これらの中でもヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましい。また、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。また、これらの電荷発生物質は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。また、これらの結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合または共重合体として2種以上を併用してもよい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。また、これらの溶剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、必要に応じて、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを含有させることもできる。
積層型の感光層を有する電子写真感光体において、電荷発生層上には、電荷輸送層が形成される。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送物質(正孔輸送物質)としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物が好ましい。また、これらの電荷輸送物質は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ウレタン樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリアリレート、ポリカーボネートが好ましい。また、これらの結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合または共重合体として2種以上を併用してもよい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。また、これらの溶剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電荷輸送層に含有させる電荷輸送物質および結着樹脂の質量比率(電荷輸送物質/結着樹脂)は、0.3/1以上10/1以下であることが好ましい。
電荷輸送層用塗布液の塗膜の加熱温度(乾燥温度)としては、60℃以上150℃以下であることが好ましく、80℃以上130℃以下であることがより好ましい。また、加熱時間(乾燥時間)としては、10分間以上60分間以下であることが好ましい。
電子写真感光体が有する電荷輸送層が1層である場合、その電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、8μm以上30μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層を積層構成とした場合、支持体側の電荷輸送層の膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましく、表面側の電荷輸送層の膜厚は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを含有させてもよい。
また、本発明においては、感光層(電荷輸送層)上に、電子写真感光体の耐久性やクリーニング性の向上などを目的として、保護層を設けてもよい。
保護層は、樹脂(あるいは、そのモノマーおよび/またはオリゴマー)を溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
保護層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂、メタクリル樹脂が好ましい。また、これらの樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能(正孔輸送能)を有するモノマーを種々の重合反応、架橋反応を用いて硬化させることによって保護層(第二電荷輸送層)を形成してもよい。具体的には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質(正孔輸送物質)を重合または架橋させ、硬化させることによって保護層(第二電荷輸送層)を形成することが好ましい。
連鎖重合性官能基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。硬化させる反応としては、例えば、ラジカル重合反応、イオン重合反応などが挙げられる。また、硬化反応の際には、熱、紫外線などの光、電子線などの放射線などを用いることができる。
さらに、保護層には、必要に応じて、導電性粒子、紫外線吸収剤、耐摩耗性改良剤などを含有させることもできる。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が挙げられる。耐摩耗性改良剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン粒子などのフッ素原子含有樹脂粒子や、アルミナ、シリカなどが挙げられる。
保護層の膜厚は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図2に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図2において、円筒状(ドラム状)の本発明の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
電子写真感光体1の表面(周面)は、回転過程において、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラなど)により、正または負の所定の電位に帯電される。
次いで、電子写真感光体1の表面には、露光手段(像露光手段)(不図示)から露光光(像露光光)4が照射される。
こうして電子写真感光体1の表面には、静電潜像が形成される。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで、現像手段5内の現像剤(トナー)で現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面には、トナー像が形成される。
次いで、電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6(転写ローラーなど)によって、転写材7に転写される。
ここで、転写材7は、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送される。
また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性の電圧(転写バイアス)が印加される。
トナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離され、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
転写手段6は、一次転写部材、中間転写体および二次転写部材などからなる中間転写方式の転写手段であってもよい。
トナー像が転写材7に転写された後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9(クリーニングブレードなど)によってクリーニングされ、転写残りの現像剤(転写残トナー)などの付着物が除去される。
また、転写残トナーを現像手段などで回収することもできる(クリーナーレスシステム)。
さらに、電子写真感光体1の表面には、前露光手段(不図示)から前露光光10が照射され、除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
なお、図2に示すように、帯電手段3が帯電ローラなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9などから選択される構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。
そして、このプロセスカートリッジを、電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つの手段とを一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
露光光4としては、例えば、原稿からの反射光や透過光や、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光などが挙げられる。
以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
・下引き層用塗布液1の調製
酸化亜鉛粒子(平均粒径:50nm,比表面積(以下、BET値):19m/g、粉体抵抗:3.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌しながら混合した。これに表面処理剤であるイソブチルトリメトキシシラン(商品名:Z−2306、東レダウコーニング(株)製)0.75部を添加し、6時間攪拌しながら混合した。その後、トルエンを減圧留去して、6時間140℃で乾燥させることによって、表面処理剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオールとしてのポリビニルアセタール(ブチラール樹脂、商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)18部、および上記式(2)で示される基(X:単結合、R:エチル基、R:メチル基)を有する化合物の溶液(中心骨格はイソシアヌレート型トリイソシアヌレート(5量体以上の重合体も含む)、該化合物の含有量:60質量%(残りは溶剤))20部を、メチルエチルケトン70部/1−ブタノール70部の混合溶剤に溶解させて溶液を得た。
この溶液に、上記表面処理された酸化亜鉛粒子81部、および、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部を加え、分散媒体として平均粒径1.0mmのガラスビーズ200部を用いた縦型サンドミルに入れた。そして、温度23±3℃雰囲気下において回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理した。
分散処理後、分散液にシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部を加えた。さらに、架橋型のポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMERSSX−102、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径:3.0μm)を6.4部加えて攪拌して、下引き層用塗布液1を得た。
・電子写真感光体1の作製
温度23℃/湿度60%RHの環境下で熱間押し出しすることにより得られた、長さ357.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金のED管、昭和アルミニウム(株)製)を支持体として用いた。
次に、上述の下引き層用塗布液1を1日間毎秒1回転のロール架台で回転攪拌し、その後、この下引き層用塗布液を、上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成した。得られた下引き層用塗布液の塗膜を30分間150℃で加熱し、下引き層用塗布液の塗膜を乾燥および硬化させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。
次に、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部をシクロヘキサノン100部に溶解させた。この溶液に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、および、下記式(A)で示される化合物0.04部
を加えた。これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理した。分散処理後、これに酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(B)で示されるアミン化合物50部(電荷輸送物質(正孔輸送物質))、
下記式(C)で示されるアミン化合物50部(電荷輸送物質(正孔輸送物質))、
および、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)100部を、クロロベンゼン650部/ジメトキシメタン150部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を1日間放置した後、この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が21μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記式(D)で示される化合物36部、
ポリテトラフルオロエチレン粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)4部、および、n−プロピルアルコール 60部を混合した後、これを超高圧分散機に入れ、分散処理することによって、保護層用塗布液(第二電荷輸送層用塗布液)を調製した。
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間、支持体を回転させながら電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が130℃になる条件で3分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が100℃になる条件で30分加熱処理を行うことによって、膜厚が5μmである保護層(第二電荷輸送層)を形成した。
このようにして、支持体、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層をこの順に有するドラム状の電子写真感光体(感光ドラム)1を製造した。
次に、評価について説明する。
・繰り返し使用時の明部電位変動の評価
評価装置としては、キヤノン(株)製の複写機(商品名:GP405)の改造機(プロセススピードは300mm/sになるように改造、帯電手段は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電ローラに印加する方式)を用いた。この評価装置用のドラムカートリッジに、上述の製造した電子写真感光体を装着して、以下のように評価した。
常温常湿(23℃/50%RH)環境下、および、高温高湿(30℃/85%RH)環境下に上記評価装置を設置した。帯電条件としては、帯電ローラに印加する電圧の交流成分のピーク間電圧を1500Vとし、周波数を1500Hzとし、直流成分を−850Vとした。また、露光条件としては、像露光光としてのレーザー光を電子写真感光体の表面に照射した場合の初期(繰り返し使用前)の明部電位(Vl)が、−200Vになるように露光条件を調整した。この露光条件の調整は、後述の実施例および比較例の電子写真感光体を含め、電子写真感光体ごとに行った。
電子写真感光体の表面電位は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック社製)を固定し、これに表面電位計(商品名:model344、トレック社製)を接続して測定した。電子写真感光体に対する電位プローブの位置は、電子写真感光体の軸方向の中央、かつ、電子写真感光体の表面から3mm離れた位置とした。
次に、常温常湿環境下における繰り返し使用時の明部電位変動の評価について説明する。なお、評価は、初期に設定した帯電条件および露光条件は変えずに行った。
電子写真感光体を常温常湿(23℃/50%RH)環境下で24時間放置した。その後、その電子写真感光体をドラムカートリッジに装着し、このドラムカートリッジを上記評価装置に取り付け、50000枚の画像出力(通紙による電子写真感光体の繰り返し使用)を行った。
50000枚の画像出力後、5分間放置し、現像用カートリッジを上記電位プローブおよび表面電位計からなる電位測定装置に付け替え、50000枚の画像出力後(繰り返し使用後)における電子写真感光体の表面の明部電位(VlNB)を測定した。そして、繰り返し使用時の電子写真感光体の表面の明部電位変動量ΔVl(ΔVl=|VlNB|−|VlNA|)を算出した。VlNAは、繰り返し使用前の明部電位(Vl)であり、−200Vである。ここで、VlNAは、繰り返し使用前(初期)における電子写真感光体の表面の明部電位である。また、|VlNB|および|VlNA|は、それぞれ、VlNBおよびVlNAの絶対値を表す。
次に、高温高湿環境下における繰り返し使用時の明部電位変動の評価について説明する。なお、評価は、初期に設定した帯電条件および露光条件は変えずに行った。
上記と同一の条件で製造した電子写真感光体を高温高湿(30℃/85%RH)環境下で72時間放置した。その後、その電子写真感光体をドラムカートリッジに装着し、このドラムカートリッジを上記評価装置に取り付け、50000枚の画像出力(通紙による電子写真感光体の繰り返し使用)を行った。
50000枚の画像出力後、5分間放置し、現像用カートリッジを上記電位プローブおよび表面電位計からなる電位測定装置に付け替え、50000枚の画像出力後(繰り返し使用後)における電子写真感光体の表面の明部電位(VlHB)を測定した。そして、繰り返し使用時の電子写真感光体の表面の明部電位変動量ΔVl(ΔVl=|VlHB|−|VlHA|)を算出した。VlHAは、繰り返し使用前の明部電位(Vl)であり、−200Vである。ここで、VlHAは繰り返し使用前(初期)における電子写真感光体の表面の明部電位である。また、|VlHB|および|VlHA|は、それぞれ、VlHBおよびVlHAの絶対値を表す。
上記2つの環境における明部電位変動量(ΔVl、ΔVl)から、繰り返し使用後の明部電位変動の環境変動を評価する指標であるΔVlを算出した。すなわち、常温常湿環境下での繰り返し使用時の明部電位変動量(ΔVl)と、高温高湿環境下での繰り返し使用時の明部電位変動量(ΔVl)の差ΔVl(ΔVl=|ΔVl|−|ΔVl|)の大小により、電子写真感光体の耐環境性を評価する。ここで、|ΔVl|および|ΔVl|は、それぞれ、ΔVlおよびΔVlの絶対値を表す。結果を表2に示す。
さらに、製造した電子写真感光体1を、キヤノン(株)製の複写機(商品名:GP405)に装着してベタ白画像(A4紙)を出力し、黒ポチの評価を行った。A4紙の出力方向はA4紙の短辺方向に搬送した。この複写機の帯電手段は、帯電ローラを備えた接触帯電手段であり、帯電ローラには直流電圧に交流電圧が重畳された電圧が印加される。
出力したベタ白画像中の黒ポチの評価基準(ランクと数)は以下のとおりである。
出力したベタ白画像において、縦をA4用紙の長辺長である297mm、横をドラム状の電子写真感光体の1周分である94.2mmとした長方形の領域(以下、電子写真感光体1周分の面積と呼ぶ)に含まれる黒ポチの数を評価した。
A:ベタ白画像中、電子写真感光体の1周分の面積あたり直径0.3mm以上の黒ポチが0個。
B:ベタ白画像中、電子写真感光体の1周分の面積あたり直径0.3mm以上の黒ポチが1個以上3個以下。
C:ベタ白画像中、電子写真感光体の1周分の面積あたり直径0.3mm以上の黒ポチが4個。
D:ベタ白画像中、電子写真感光体の1周分の面積あたり直径0.3mm以上の黒ポチが5個。
E:ベタ白画像中、電子写真感光体の1周分の面積あたり直径0.3mm以上の黒ポチが6個以上。
結果(黒ポチのランク)を表2に示す。
〔実施例2〜5〕
実施例1において、下引き層用塗布液の調製に用いた酸化亜鉛粒子のBET値と酸化亜鉛粒子の表面処理剤であるイソブチルトリメトキシシランの処理量を表1に示すように変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例6〕
実施例1において、金属酸化物粒子の表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランからジメチルジメトキシシラン(商品名:Z−6329、東レダウコーニング(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランからジイソブチルジメトキシシラン(商品名:Z−6275、東レダウコーニング(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例8〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランからn−ヘキシルトリメトキシシラン(商品名:Z−6583、東レダウコーニング(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例9〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランからn−オクチルトリエトキシシラン(商品名:Z−6341、東レダウコーニング(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例10〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランからn−デシルトリメトキシシラン(商品名:Z−6210、東レダウコーニング(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例11〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランからビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1003、信越化学工業(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例12〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランから3−メタクロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM−502、信越化学工業(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例13〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランから3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−5103、信越化学工業(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例14、15〕
実施例1において、下引き層用塗布液の調製に用いたイソブチルトリメトキシシランで表面処理された酸化亜鉛粒子の添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例16〕
実施例1において、下引き層用塗布液の調製に用いたポリビニルアセタール18部をポリアクリルポリオール(商品名:バーノックWE−300、DIC(株)製)18部に変更した。さらに、式(2)で示される基を有する化合物の溶液20部を、式(2)で示される基(X:酸素原子、R:エチル基、R:エチル基)を有する化合物の溶液(中心骨格はイソシアヌレート型トリイソシアヌレート(5量体以上の重合体も含む。)、該化合物の含有量:75質量%(残りは溶剤))16部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例17〕
実施例1において、酸化亜鉛粒子を、酸化チタン粒子(平均粒径:70nm、BET値:15m/g、粉体抵抗:3.2×10Ω・cm)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例18〕
実施例1において、酸化亜鉛粒子を、アンチモンがドープされている酸化スズ粒子(平均粒径:50nm、比表面積:20m/g、粉体抵抗:6.9×10Ω・cm)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例19〕
実施例1において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン0.8部を添加しなかった以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例20〕
実施例1において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン0.8部を、アリザリン(1,2−ジヒドロキシアントラキノン)(東京化成工業(株)製)0.8部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例21、22〕
実施例1において、下引き層用塗布液に用いた1−ブタノールを表1に示すアルコールに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランからN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−603、信越化学工業(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例17において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランからN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−603)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
実施例1において、表面処理剤をイソブチルトリメトキシシランから3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−803、信越化学工業(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
実施例1において、酸化亜鉛の表面処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
〔比較例5〕
実施例1において、式(2)で示される基を有する化合物の溶液20部を、式(2)で示される基を有さず、イソシアネート基がメチルエチルケトンオキシムでブロックされたブロック化イソシアネートの溶液(中心骨格はイソシアヌレート型トリイソシアヌレート(5量体以上の重合体も含む。)、該イソシアネートの含有量:75質量%(残りは溶剤)、以下イソシアネート1と称する。)16部に変更した。さらに、下引き層用塗布液の塗膜の乾燥条件を150℃30分間から165℃30分間に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
〔比較例6〕
実施例1において、式(2)で示される基を有する化合物の溶液20部を、式(2)で示される基を有さず、イソシアネート基がジメチルピラゾールでブロックされたブロック化イソシアネートの溶液(中心骨格はイソシアヌレート型トリイソシアヌレート(5量体以上の重合体も含む。)、該イソシアネートの含有量:75質量%(残りは溶剤)、以下イソシアネート2と称する。)16部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
〔比較例7〕
実施例1において、ポリビニルアセタール(商品名:BM−1)18部および式(2)で示される基を有する化合物の溶液20部を、フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ325、大日本インキ(株)製)30部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
〔比較例8〕
実施例1において、ポリビニルアセタール(商品名:BM−1)18部および式(2)で示される基を有する化合物の溶液20部を、N−メトキシナイロン15部および共重合ナイロン3部に変更した。さらに、下引き層用塗布液の塗膜の乾燥条件を150℃30分間から100℃20分間に変更し、下引き層の膜厚を2.0μmに変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
表1および2から、式(1)で示される化合物で表面処理された金属酸化物と、式(2)で示される基を有する化合物及びポリオールを含む組成物の重合体を用いることで、高温高湿環境における明部電位変動の抑制と、黒ポチの抑制が両立できることがわかる。

Claims (9)

  1. 支持体、該支持体上に形成された下引き層、該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
    該下引き層が、
    樹脂、および
    下記式(1)で示される化合物で表面処理された金属酸化物粒子
    を含有し、
    該樹脂が、下記式(2)で示される基を有する化合物およびポリオールを含む組成物の重合物であり、
    下記式(2)で示される基を有する化合物が、下記式(2)で示される基を有し、中心骨格がイソシアヌレート型トリイソシアヌレート(5量体以上の重合体も含む)である化合物であり、
    該ポリオールが、ポリビニルアセタール(ブチラール樹脂)またはポリアクリルポリオールであ
    ことを特徴とする電子写真感光体。

    (式(1)中、R、Rは、それぞれ、炭素数1から2のアルキル基、またはフェニル基を示す。Rは、炭素数1から10のアルキル基、ビニル基、メタクロイルオキシ基、または、アクリロイルオキシ基である。m、nは、整数を示し、m+n=3、m=0、1、2である。)

    (式(2)中、Xは、単結合または酸素原子を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
  2. 前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛、酸化チタンおよび酸化スズからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物を含む粒子である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記式(2)中、Xが単結合である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジが、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と
    を有し、
    該電子写真感光体と該なくとも1つの手段とが一体に支持されている
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  6. 支持体、該支持体上に形成された下引き層、該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    該製造方法が、
    下記式(1)で示される化合物で表面処理された金属酸化物粒子、下記式(2)で示される基を有する化合物、およびポリオールを含有する下引き層用塗布液を調製する工程、
    該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および硬化させて該下引き層を形成する工程、
    を有し、
    下記式(2)で示される基を有する化合物が、下記式(2)で示される基を有し、中心骨格がイソシアヌレート型トリイソシアヌレート(5量体以上の重合体も含む)である化合物であり、
    該ポリオールが、ポリビニルアセタール(ブチラール樹脂)またはポリアクリルポリオールであ
    ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

    (式(1)中、R、Rは、それぞれ、炭素数1から2のアルキル基、またはフェニル基を示す。Rは、炭素数1から10のアルキル基、ビニル基、メタクロイルオキシ基、または、アクリロイルオキシ基である。m、nは、整数を示し、m+n=3、m=0、1、2である。)

    (式(2)中、Xは、単結合または酸素原子を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
  7. 前記下引き層用塗布液に、アルコールを含有する請求項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛、酸化チタンおよび酸化スズからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物を含む粒子である請求項6または7に記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 前記式(2)中、Xが単結合である請求項6〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法
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