JP2010128057A - 電子写真感光体、画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高温高湿下等で発生しやすい画像流れや画像ボケを改善し、かつ短波光源による露光においても極めて高い細線再現性に優れた高画質画像が得られる電子写真感光体、画像形成方法および画像形成装置を提供する。
【解決手段】電子写真感光体において、電荷輸送層は、下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有し、かつその保護層は、少なくとも反応性有機基を有する金属酸化物粒子と硬化性化合物とを含有する塗布液を塗布後、硬化して形成されるものであることを特徴とする電子写真感光体。
【化1】
Figure 2010128057

【選択図】なし

Description

本発明は電子写真方式の画像形成装置等に用いられる電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレーザープリンタやデジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。さらに、高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザープリンタあるいはデジタル複写機へと適用されてきている。そのような背景から、電子写真感光体(以下、単に感光体と言うことがある)の機能としては、より一層の高耐久化と高画質化が求められている。
従来の感光体では、繰り返し使用によって膜削れが発生しやすく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、地肌汚れの増加、画像濃度低下等の画質劣化が起こり、感光体の耐摩耗性が大きな課題として挙げられていた。さらに、近年では画像形成装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。
上記のような高耐久化の課題に対し、例えば、感光体の表面層として、コロイダルシリカ含有硬化性シロキサン樹脂を用いることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。該コロイダルシリカ含有硬化性シロキサン樹脂は、シロキサン結合(Si−O−Si結合)の硬化性樹脂も、コロイダルシリカも吸湿性が高く、例えば、高温高湿環境下などでは表面層の電気抵抗が低下しやすく、画像ボケや画像流れが発生しやすい。
又、保護層に適用する硬化性樹脂としては、アクリロイル基等を有する化合物を用いて光重合させて得られる硬化性樹脂の保護層が提案されている(例えば、特許文献2参照)。該保護層にも硬化性樹脂中に金属酸化物等のフィラーを含有させているが、これらフィラーと硬化性樹脂間の結合が弱く、保護層としての強度が不十分であり、又、画像ボケや画像流れに対しても、尚、十分に解決し得ていない。
一方、近年印刷分野、特にカラー印刷の分野では、デジタル画像の高画質化を求める傾向が極めて強く、露光光源として短波長のレーザー光を用い、高精細のデジタル画像を形成することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
現在、レーザープリンタ等に代表される分野の光源としては、主に780〜800nm又は680nmの波長の光を出す半導体レーザーが用いられている。近年、通常のプリンタにおいても出力画像の高画質、高解像度化の要望が強くなっており、これに対応すべく種々の試みがなされている。書き込み光のスポット径の小径化はその1つであり、スポット径の小径化には、書き込み光源を短波長化することで、理論上かなり小さくすることが可能である。潜像の書き込み密度、すなわち解像度を上げるには非常に有利であり、そのため、350〜500nmの領域のLDもしくはLED発振光源に対応した高感度、高安定な電子写真感光体の開発が望まれている。
しかし、感光体技術という点からは書込光源を短波長化すると、書込光に対する電荷輸送層の光透過性が問題となり、かつ、従来の近赤外線領域に対応した有機感光体と同様の電位安定性、および感度が求められる。これまでも短波長領域に感度を有する有機感光体が提案されているが、必ずしも上記課題を満足するものはなかった(例えば、特許文献4参照)。
特開平6−118681号公報 特開2001−125297号公報 特開2000−250239号公報 特開2002−55463号公報
本発明の目的は、高温高湿下等で発生しやすい画像流れや画像ボケを改善し、かつ短波光源による露光においても問題を生ぜず、極めて高い細線再現性に優れた高画質画像が得られ、耐摩耗特性に優れた電子写真感光体および画像形成装置を提供することである。
本願発明者等は、有機感光体に適用される保護層について、従来の保護層の問題点を洗い出した結果、保護層中の硬化性樹脂と反応性有機基を有する金属酸化物粒子が相互により強く、結合していること及び該硬化性樹脂が疎水性であることが、細線再現性に優れ、且つ耐摩耗性と高温高湿条件での画像流れや画像ボケを同時に解決する為に必要であることを見いだし、本願発明を完成した。
即ち、本願発明は、以下のような構成を有することにより達成される。
1.導電性支持体上に直接又は中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する電子写真感光体において、前記電荷輸送層は、下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有し、かつ前記保護層は、少なくとも反応性有機基を有する金属酸化物粒子と硬化性化合物とを含有する塗布液を塗布後、硬化して形成されるものであることを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2010128057
〔式中、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を表すものであり、ArとAr、ArとArは結合して環状構造を形成するものであってもよい。R、R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基を表すものであり、RとRは一体となって環状構造を形成するものでもよい。また、mとnはそれぞれ0〜4の整数を表す。〕
2.前記反応性有機基が炭素−炭素二重結合を有する基であることを特徴とする1に記載の電子写真感光体。
3.前記硬化性化合物が炭素−炭素二重結合を有する化合物であることを特徴とする1または2に記載の電子写真感光体。
4.前記炭素−炭素二重結合を有する化合物がアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする2または3に記載の電子写真感光体。
5.前記電荷発生層は、縮合多環系の電荷発生物質を含有することを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
6.少なくとも、1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体表面を帯電する帯電工程と、前記帯電工程により帯電された前記電子写真感光体表面に発光ピーク波長が350nm以上500nm以下のLEDアレイまたは発振波長が350nm以上500nm以下の半導体レーザーを用いて像露光を行って潜像形成を行う露光工程と、前記露光工程により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像工程と、前記現像工程により前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像の転写を行う転写工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
7.少なくとも、1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、電子写真感光体表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体表面に像露光を行う露光手段と、前記露光手段により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給する現像手段と、前記現像手段が、発光ピーク波長が350nm以上500nm以下のLEDアレイまたは発振波長が350nm以上500nm以下の半導体レーザーであることを特徴とする画像形成装置。
本願発明の有機感光体を用いることにより、書込光源の短波長化に対応して、細線再現性の向上や、感光体表面の摩耗や擦過に対する強度が顕著に改善され、感光体表面の耐表面傷や、減耗量が改善され、高温高湿環境下での画像ボケ等も顕著に改善される。
本発明は、導電性支持体上に感光層、保護層の順に層を形成してなる電子写真感光体に関する。本発明者等は、保護層が反応性有機基を有する金属酸化物粒子と、該金属酸化物粒子と化学結合を形成可能な反応性基を有する有機化合物を反応させて得られる組成物を含有することにより本発明の課題が解消することを見出した。すなわち、本発明によれば、保護層に金属酸化物粒子を含有させても高温高湿環境下で画像欠陥が発生せず、耐久性、耐傷性に優れ、さらには、転写性に優れる電子写真感光体が得られることを見出した。
上記構成の保護層を有する電子写真感光体により本発明の課題を解消できた理由としては以下のことが考えられる。すなわち、金属酸化物粒子表面に反応性有機基を導入することで、金属酸化物粒子周りの未反応アクリロイル基が、金属酸化物粒子表面の反応性有機基と反応し、オゾンや窒素酸化物などの放電生成物が吸着し難くなり、画像欠陥が改善されたと考えられる。さらに、転写性が向上した理由としては、金属酸化物粒子表面に反応性有機基を導入することで、架橋密度が高くなったことが要因の1つとして考えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び保護層を順次積層した構造を有するもので、前記保護層が反応性有機基を有する金属酸化物粒子と、該金属酸化物粒子と化学結合を形成可能な反応性基を有する有機化合物を反応させて得られる組成物を含有することにより本発明の課題が解消することを見出した。
本願発明の電荷輸送物質は下記一般式(1)で表わされる。
Figure 2010128057
前記一般式(1)で示される電荷輸送物質は、露光の光源として用いる波長350〜500の波長に対して吸収が小さく、単位露光量に対する電位減衰値が大きく、繰り返し特性も良好で、小径のドット潜像をシャープに形成することができ、且つ溶媒に対する溶解性、ポリカーボネート等とのバインダとの相溶性が改善され、電子写真感光体の電荷輸送物質として用いた場合に、塗布後の電荷輸送層の膜物性が改善される。
その結果、前記一般式(1)を電荷輸送物質として用いた電子写真感光体を用い、350〜500nmと短波長の光源を用いることにより、画像欠陥が無く、鮮鋭度に優れたプリント画像を作製することができる。
前記一般式(1)の電荷輸送物質の具体例を下記に例示するが、本願発明の電荷輸送物質はこれら具体例には限定されない。
Figure 2010128057
Figure 2010128057
Figure 2010128057
Figure 2010128057
次に、本発明で用いられる反応性有機基を有する金属酸化物粒子について、説明する。
反応性有機基を有する金属酸化物粒子は、従来公知のものを使用することが可能で例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、酸化亜鉛のいずれかを用いることができる。
本発明に用いられる反応性有機基とは、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性官能基が挙げられる。また、エポキシ、オキセタンなどの環状エーテル構造もカチオン重合性官能基として挙げることができる。
以下、本発明に係る電子写真感光体を構成する保護層について説明する。なお、本発明に係る電子写真感光体を構成する感光層については後述する。
本発明では、保護層中に反応性有機基を有する金属酸化物粒子と、該金属酸化物粒子と化学結合を形成可能な硬化性化合物を含有するものである。
本発明で用いられる反応性有機基を有する金属酸化物粒子は以下のようにして、製造することができる。
即ち、下記一般式(2);
Figure 2010128057
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアラルキル基、Rは重合性二重結合を有する有機基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基を示し、nは1〜3の整数である。)で表されるシラン化合物と金属酸化物粒子とを反応させることにより製造することができる。
又、金属酸化物粒子と反応させるシラン化合物としては、シリル基、特に加水分解性を有するシリル基を有し、その後、ラジカル重合が可能な化合物であれば特に制限されない。
以下に、上記一般式(2)で示される化合物例を挙げる。
S−1 CH=CHSi(CH)(OCH
S−2 CH=CHSi(OCH
S−3 CH=CHSiCl
S−4 CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5 CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6 CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7 CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8 CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9 CH=CHCOO(CHSiCl
S−10 CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11 CH=CHCOO(CHSiCl
S−12 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13 CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15 CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17 CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl2
S−19 CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20 CH=CHSi(C)(OCH
S−21 CH=C(CH)Si(OCH
S−22 CH=C(CH)Si(OC
S−23 CH=CHSi(OCH
S−24 CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25 CH=CHSi(CH)Cl
S−26 CH=CHCOOSi(OCH
S−27 CH=CHCOOSi(OC
S−28 CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29 CH=C(CH)COOSi(OC
S−30 CH=C(CH)COO(CHSi(OC
又、前記一般式(2)の化合物以外でも、下記のようなラジカル重合可能な反応性有機
基を有するシラン化合物を用いてもよい。
Figure 2010128057
Figure 2010128057
これらのシラン化合物は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
「反応性有機基を有する金属酸化物粒子の製法」
本発明に係わる反応性有機基を有する金属酸化物粒子は、前記した一般式(2)等で表されるシラン化合物を用いて表面処理することにより、得ることが出来る。
該表面被覆処理するに際し、金属酸化物粒子100質量部に対し、シラン化合物を表面処理剤として0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。
以下に、均一でしかもより微細にシラン化合物で表面被覆処理された金属酸化物粒子を製造する表面処理方法を述べる。
即ち、金属酸化物粒子とシラン化合物の表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、金属酸化物粒子を微細化すると同時に金属酸化物粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化するので、均一でしかもより微細なシラン化合物により表面処理された金属酸化物粒子を得ることができる。
本発明において用いられる表面処理装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた攪拌ディスクを高速回転させることにより、アルミナの凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、アルミナ粒子に表面処理を行う際にアルミナ粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、たとえば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、専断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
上記サンドグラインダーミルで用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以上のような湿式処理により、一般式(2)のシラン化合物による表面処理により、反応性有機基を有する金属酸化物粒子を得ることができる。
こうして得られた反応性有機基を有する金属酸化物粒子は粒子間の相互の反応により保護層を形成できるが、より好ましくは、以下に記す硬化性化合物との反応により保護層を形成する。
即ち、金属酸化物粒子の反応性有機基と反応する化合物(本願発明に係わる硬化性化合物)としては、炭素=炭素の二重結合を有する各種化合物や環状エーテル構造を有するエポキシ化合物、オキセタン化合物を用いることが出来る。
上記硬化性化合物は、紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダ樹脂として用いられる樹脂となるモノマーが好適であり、ラジカル重合性モノマーでは特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するアクリル系化合物が特に好ましい。
また、カチオン重合性モノマーでは特にエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられるが、オキセタン化合物が好ましい。
本発明では、これらのモノマーを単独で用いても、あるいは混合して用いることも可能で、いずれの場合でも本発明の効果を発現することができる。
以下に、硬化性化合物の例を示す。
本発明においてアクリル系化合物とは、アクリロイル基(CH=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を有する化合物である。また、以下にいうAc基数(アクリロイル基数)とはアクリロイル基またはメタクリロイル基の数を表す。
Figure 2010128057
Figure 2010128057
Figure 2010128057
Figure 2010128057
Figure 2010128057
Figure 2010128057
Figure 2010128057
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
Figure 2010128057
また、好ましいオキセタン化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2010128057
Figure 2010128057
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドを挙げることができる。
さらに、各種の反応性オリゴマーを使用することもできる。例えば、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステル樹脂である。
本発明の硬化性化合物は、官能基が3以上であること好ましく、5以上が特に好ましい。又、硬化性反応基等量、即ち「硬化性化合物分子量/官能基数」は1000以下であることが好ましく、500以下が特に好ましい。これにより、架橋密度が高くなり、感光体の耐摩耗性が向上する。
本発明においては、硬化性反応基当量の異なる2種類以上の硬化性化合物を混合して使用してもよい。
また、本発明では保護層を形成する際、上述した反応性有機基を有する金属酸化物粒子と、該金属酸化物粒子と硬化性化合物を反応させて得られる組成物とともに公知の樹脂を併用して保護層を形成することも可能である。すなわち、上述した硬化性化合物を反応させて得られる成分に、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂等の公知の樹脂を混合させて保護層を形成することができる。
本発明に係る電子写真感光体を構成する保護層は、上述の様に、反応性有機基を有する金属酸化物粒子と、該金属酸化物粒子と化学結合を形成可能な反応性基を有する硬化性化合物を反応させて得られる組成物を含有するものである。本発明で用いられる保護層には、これらの他に必要に応じてフィラー、滑剤粒子、酸化防止剤等を含有させることが可能である。また、硬化性化合物を反応させるために保護層内に重合開始剤を添加しておくこともできる。
(重合開始剤)
本発明の硬化性化合物を反応させる際には、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤あるいはカチオン重合性開始剤を添加して、光、熱で反応する方法などが用いられる。重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
これら光硬化性化合物のラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、或いはフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、或いはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。また、カチオン重合を開始させる化合物としては、例えば、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩などのイオン系重合開始剤やスルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物或いは、鉄アレン錯体等の非イオン系重合開始剤を挙げることができる。特に、非イオン系重合開始剤であるスルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物が好ましい。
下記に好ましく用いられる光重合開始剤を例示する。
α−アミノアセトフェノン系の例
Figure 2010128057
α−ヒドロキシアセトフェノン系化合物の例
Figure 2010128057
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の例
Figure 2010128057
その他のラジカル重合開始剤の例
Figure 2010128057
カチオン重合開始剤(非イオン系)の例
Figure 2010128057
カチオン重合開始剤(イオン系)の例
Figure 2010128057
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、硬化性化合物100質量部に対し0.1〜40質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。
(フィラー)
また、保護層の機械的強度向上や電気特性(抵抗)調整のために公知のフィラーを添加することも可能である。フィラーとしてはシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。
(滑剤粒子)
また、保護層に各種の滑剤粒子を含有させることも可能である。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
(酸化防止剤)
本発明では、前記保護層中に耐候性を向上させる目的で酸化防止剤を添加することが可能である。酸化防止剤は後述する電荷輸送層に添加するものと同様のものが使用できる。
(溶媒)
保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(保護層の形成方法)
本発明では、公知の方法で保護層を形成することができるが、その中でも、公知の方法による塗布を実施後に自然乾燥または熱乾燥を行い、その後で紫外線に代表される活性線を照射して前記硬化性化合物を反応させる手順のものが好ましい。
塗布方法は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などの公知の方法を用いることができる。
保護層の膜厚は、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜6μmがより好ましい。
本発明の感光体は、塗膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては、紫外線や電子線が好ましく、使い易さ等の見地から紫外線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm、好ましくは5〜100mJ/cmである。ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であり、具体的には0.1秒〜10分が好ましく、アクリル系化合物の硬化効率または作業効率の観点から0.1秒〜5分がより好ましいとされる。
本発明では、活性線の照射前後、及び、活性線を照射中に保護層を乾燥処理することができ、乾燥を行うタイミングは活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。保護層の乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や保護層の膜厚などにより適宜選択することが可能である。また、乾燥温度は、室温〜180℃が好ましく、80℃〜140℃が特に好ましい。また、乾燥時間は、1分〜200分が好ましく、5分〜100分が特に好ましい。
以上の様な条件により、反応性有機基を有する金属酸化物粒子と、該金属酸化物粒子と化学結合を形成可能な反応性基を有する有機化合物を反応させて得られる組成物を含有する保護層を形成することができる。
〔感光層〕
次に、本発明に係る電子写真感光体を構成する感光層について説明する。本発明に係る電子写真感光体では、感光層の層構成を特に限定するものではなく、公知の層構成のものを選択することができ、特に、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層の順に層形成を行った積層構造のものが好ましい。この様な感光層上に前述した保護層を形成することにより本発明に係る電子写真感光体が形成される。
(感光体の層構成)
本発明に係る電子写真感光体を構成する感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、保護層を含めた具体的な層構成として、たとえば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層、及び、保護層を順次積層した層構成(2)導電性支持体上に、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する単層、及び、保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、及び、保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する単層、及び、保護層を順次積層した層構成
本発明に係る電子写真感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
次に、本発明に係る電子写真感光体を構成する導電性支持体、感光層(中間層、電荷発生層、電荷輸送層)について、及び、感光層を構成する部材について説明する。
(導電性支持体)
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダ樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
(中間層)
本発明では、導電性支持体と感光層の中間にバリア機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等のバインダ樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダ樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層には抵抗調整の目的で各種導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いることができる。2種類以上混合して用いる場合には、固溶体または融着の形態をとってもよい。この様な金属酸化物は、数平均一次粒径が0.3μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。
中間層の形成に使用可能な溶媒としては、前述した導電性微粒子や金属酸化物等の無機粒子を良好に分散させ、ポリアミド樹脂をはじめとするバインダ樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、バインダ樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから好ましい。また、保存性や無機粒子の分散性を向上させるために、前記溶媒に対して以下の様な助溶剤を併用することができる。好ましい効果が得られる助溶媒としては、たとえば、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
塗布液形成時のバインダ樹脂濃度は、中間層の膜厚や生産速度に合わせて適宜選択することができる。また、無機粒子等を分散させたとき、バインダ樹脂に対する無機粒子の混合割合は、バインダ樹脂100質量部に対して無機粒子を20〜400質量部とすることが好ましく、50〜200部とすることがより好ましい。
無機粒子の分散手段は、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダ、及び、ホモミキサ等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、中間層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
(感光層)
前述した様に、本発明に係る電子写真感光体を構成する感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に付与した単層構造の他に、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。この様に、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御し易いメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は前記層構成の順が負帯電性感光体と逆の構成となる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
以下に、感光層の具体例として機能分離型の負帯電感光体の感光層の各層について説明する。
電荷発生層
本発明の有機感光体には、縮合多環系化合物を含有することを特徴とするが、電荷発生物質として390nm〜500nmの波長領域に高感度特性を有する電荷発生物質を用いることが好ましい。このような電荷発生物質としてはアゾ顔料、ペリレン顔料、多感キノン顔料等が好ましく用いられる。
特に、市販の405mm近辺に発振波長を有する短波長レーザーに対し、高感度を有する、ジブロムアンスアンスロン等の多環キノン系顔料、あるいは、具体例を下記に例示する化合物で表されるアゾ顔料等が好ましく用いられる。
Figure 2010128057
Figure 2010128057
また、これらの顔料を併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダを用いる場合、バインダとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダ樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダ樹脂100質量部に対し20〜800質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
本発明の電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)、バインダおよび可塑剤を含有する。その他の物質としては必要によりシリカやアルミナ等の無機微粒子、フッ素樹脂微粒子等の有機微粒子または酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、前記一般式(1)の電荷輸送物質が用いられるが、これ以外に、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を併用してもよい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダ樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダ樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダ樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダ樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、10〜30μmが好ましい。該合計膜厚が10μm未満では、現像時の潜像電位を十分に獲得しにくく、画像濃度の低下が発生しやすく、又、30μmを超えると、電荷キャリアの拡散(電荷発生層で発生した電荷キャリアの拡散)が大きくなり、ドット再現性が悪化しやすい。
また、本発明に係る感光体の表面層に酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は、感光体の帯電時にNOxやオゾン等の活性ガスにより酸化されやすく、画像ボケを発生させ易いが、酸化防止剤を共存させることで画像ボケの発生を防止できる。
酸化防止剤の具体例としては、たとえば、以下に示す公知の酸化防止剤が挙げられる。すなわち、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)、アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)、ハイドロキノン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)、燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)等が挙げられる。
前記酸化防止剤の中でも、特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤は、高温高湿時のカブリ発生や画像ボケの防止に効果的である。
また、中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に使用される溶媒または分散媒としては、例えば以下のものが挙げられる。すなわち、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
本発明に係る電子写真感光体を製造するために使用される塗布方法としては、公知の塗布法が挙げられ、具体的には、円形スライドホッパー型塗布装置による塗布の他に浸漬塗布法やスプレー塗布法等が挙げられる。
次に、本発明に係る電子写真感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプおよび第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラーおよび第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルター処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26および光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。又、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、露光手段(露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書込み手段である露光手段30としての露光光学系は図示しない半導体レーザーを書込み光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が390〜500nmの半導体レーザー又はピーク波長が390〜500nmの発光ダイオードを書込み光源として用いる。これらの書込み光源を用いて、書込み光源の電子写真感光体表面上における露光スポット径を10〜50μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光スポット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザーを用いた走査光学系および発光ダイオードの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布およびローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光スポット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、又側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46および進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24および分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段の少なくとも1つを本発明の電子写真感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21および定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、1次転写手段(1次転写工程)としての1次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、1次転写手段としての1次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、および、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。
また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列した発光ダイオードと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、半導体レーザー光学系などが用いられる。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、1次転写手段としての1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に2次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、2次転写手段としての2次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の1次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
2次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、およびクリーニング手段6bとから成る。
本発明に係る画像形成装置は、電子写真複写機、レーザープリンタ、LEDプリンタおよび液晶シャッタ式プリンタ等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版およびファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
(感光体1の作製)
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂X1010(ダイセルデグサ株式会社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 1.1部
エタノール 20部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、110℃で20分乾燥後の膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質:例示化合物のCG18
50部
ポリビニルブチラール樹脂(#3000−K:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて15時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質:例示化合物のCTM6 150部
バインダ:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000部
シリコンオイル(KF−96:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法を用いて、110℃で60分乾燥後膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〈保護層〉
反応性有機基を有するアルミナ粒子
(同一質量のメタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理した数平均一次粒径6nmのアルミナ粒子) 100部
硬化性化合物(例示化合物No.(31)) 100部
イソプロピルアルコール 500部
上記成分をサンドミルを用いて10時間分散した後、
重合開始剤1−6 30部
を加え、遮光下で混合攪拌して溶解し保護層塗布液を作製した(保存中は遮光)。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、高圧水銀ランプ(3kW)を用いて100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して(紫外線硬化工程)、膜厚2μmの保護層を得た。
(感光体2〜25の作製)
感光体1の電荷輸送層に使用するCTM、保護層に使用する材料、硬化条件を表1、表2の一覧表のように変更した以外は、同様にして感光体2〜25を作製した。
硬化条件:高圧水銀ランプ(3kW)より100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して膜厚2μmの保護層を得た。
(比較用感光体の作製)
(感光体26の作製)
感光体1の作製において、電荷輸送層の形成までは同様にして中間層、電荷発生層、電荷輸送層の積層感光体を形成する。しかし、保護層は設置しない。
(感光体27の作製)
感光体1と同様に中間層、電荷発生層、電荷輸送層の積層感光体を形成した。反応性有機基を有するシリカ粒子ではなく、同一質量のイソブチルトリメトキシシランで表面処理したシリカ粒子とした他は実施例1と同様にして保護層を設置した。
保護層に使用する材料、硬化条件は表1、表2に示す内容とした。
(感光体28の作製)
感光体1と同様に中間層、電荷発生層、電荷輸送層の積層感光体を形成した。電荷輸送層上に以下の材料を混合溶解した塗布液を円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布し、140℃で30分加熱乾燥後、2μmの保護層を設置した。
テトラエトキシシラン 10部
エタノール 100部
(感光体29の作製)
感光体1と同様に中間層、電荷発生層、電荷輸送層の積層感光体を形成した。
反応性有機基を有する金属酸化物粒子を除いた他は実施例1と同様にして保護層を設置した。
(感光体30の作製)
感光体1の電荷輸送物質を下記化合物に変えた以外は全て感光体1同様に形成した。
Figure 2010128057
(感光体31の作製)
感光体1と同様に中間層、電荷発生層、電荷輸送層の積層感光体を形成した。保護層に使用する材料、硬化条件は表1、表2に示す内容とした。
〔感光体の評価〕
以上のようにして得た感光体を基本的に、図2の構成を有する市販のフルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)の書き込みドット径可変改造機に搭載し、像露光光源として405nmの短波長レーザー光源を用い、書き込み光源の主査方向の露光径を30μmで、1000dpiとし、該露光径のスポット露光が感光体面上で0.5mWになるように設定した。
(表面傷)
感光体を23℃、50%RH環境下でYMCK各色印字率2.5%のA4画像を中性紙に100万枚印刷出力前後に感光体の表面状態を観察し傷の状態を評価した。評価感光体はブラック位置に設置。
◎:100万枚印字後に表面傷なし(良好)
○:100万枚印字後に表面傷1〜10箇所発生(実用上問題なし)
×:100万枚印字後に表面傷11箇所以上発生(実用上問題有り)。
(感光体の減耗量)
上記評価で100万の画出しを行い、初期膜厚と100万枚後の膜厚さで評価した。感光層の膜厚は均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとも両端3cmは除く)をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
◎:減耗量が 1μm以下(良好)
○:減耗量が 1μm〜3μm(実用上問題なし)
×:減耗量が 3μmより大きい(実用上問題有り)。
(細線再現性)
23℃、50%RH環境下、白黒画像で評価した。
(評価基準)
1ドットラインの評価
白地のA4紙に1ドットラインと黒べた画像を作製し、下記の基準で評価した。
◎:1ドットラインが連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:1ドットラインは連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1 .0以上(実用性に問題なし)
×:1ドットラインが切断されて再現されているか、又は1ドットラインが連続して再 現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
2ドットラインの評価
べた黒の画像の中に、2ドットラインの白線を作製し、下記の基準で評価した。
◎:2ドットラインの白線が連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:2ドットラインの白線は連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未 満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:2ドットラインの白線が切断されて再現されているか、又は2ドットラインの白線 は連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
上記のべた画像濃度は、マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
(画像ボケ)
環境条件を30℃、80%RHに変更した以外は、表面傷の評価条件でA4画像を中性紙に2.5万枚の印刷を行い、印刷終了後60秒で実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ印字可能状態になった後直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ボケ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
×:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)
評価結果を表1、表2に示す。
Figure 2010128057
Figure 2010128057
表1、表2から明らかなように、本願発明の感光体1〜25、31は、各評価項目において、実用性が高く、十分満足いく評価が得られている。一方、比較例の感光体26〜30ではいずれも、何れかの評価項目において、満足する結果は得られていない事が解る。
(感光体32の作製)
下記の電荷発生層塗布液に変えた以外は感光体1同様に形成した。
<電荷発生層塗布液>
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料)
30部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
評価結果を表3に示す。
Figure 2010128057
その結果、本発明の感光体は、電荷発生物質が縮合多環物質で露光波長が短波である時に、特に優れた細線再現性を示す事が解る。
画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 カラー画像形成装置の断面構成図である。
符号の説明
1 画像形成装置
21 感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング装置
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
250 分離爪ユニット

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に直接又は中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する電子写真感光体において、前記電荷輸送層は、下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有し、かつ前記保護層は、少なくとも反応性有機基を有する金属酸化物粒子と硬化性化合物とを含有する塗布液を塗布後、硬化して形成されるものであることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2010128057
    〔式中、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を表すものであり、ArとAr、ArとArは結合して環状構造を形成するものであってもよい。R、R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基を表すものであり、RとRは一体となって環状構造を形成するものでもよい。また、mとnはそれぞれ0〜4の整数を表す。〕
  2. 前記反応性有機基が炭素−炭素二重結合を有する基であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記硬化性化合物が炭素−炭素二重結合を有する化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記炭素−炭素二重結合を有する化合物がアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする請求項2または3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記電荷発生層は、縮合多環系の電荷発生物質を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  6. 少なくとも、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体表面を帯電する帯電工程と、前記帯電工程により帯電された前記電子写真感光体表面に発光ピーク波長が350nm以上500nm以下のLEDアレイまたは発振波長が350nm以上500nm以下の半導体レーザーを用いて像露光を行って潜像形成を行う露光工程と、前記露光工程により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像工程と、前記現像工程により前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像の転写を行う転写工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
  7. 少なくとも、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、電子写真感光体表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体表面に像露光を行う露光手段と、前記露光手段により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給する現像手段と、前記現像手段が、発光ピーク波長が350nm以上500nm以下のLEDアレイまたは発振波長が350nm以上500nm以下の半導体レーザーであることを特徴とする画像形成装置。
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