JP2011107363A - 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明の目的は、短波長のレーザー光を用い、且つマルチビーム方式の像露光を用いて、高密度のドット画像を形成しても、ページ内の画像ムラが発生しない有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【解決手段】導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を有し、を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を有し、を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は、短波長光源を露光光源として高画質化を実現した電子写真用の有機感光体に関する。また、該有機感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成技術では、デジタル技術の進展に伴い、画像書き込み密度が1200dpi、あるいは、2400dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの微細な画像形成も可能になってきた。この様な微細ドット画像を電子写真感光体(以下、簡単に感光体ともいう)上に形成する際、露光光源として半導体レーザーを用いることがきわめて有効な方法である。さらに、高精細画像とするために、マルチビーム方式を使用する画像形成方法が有効である。マルチビーム隣接走査の光学素子は、主にレーザーダイオード(LD)を複数組み合わせたり、複数LDを1つのチップに内蔵したレーザーダイオードアレイ(LDA)を用いたり、面発光レーザーダイオード(VCSEL)を用いており、数本から数十本のレーザーで書込みを行う。
近年では、発光ダイオード技術の発展に伴い、短波長の半導体レーザー光も開発され、ブルーレーザー光に代表される発振波長380〜450nmのレーザー光を露光光に使用できる様になってきた。具体的には、短波長半導体レーザーを露光光源に用いた画像形成装置の登場により、デジタル画像対応の微細ドット潜像を感光体上に形成し、小径トナーにより精細で解像度の高いトナー画像を形成することができる様になっている(たとえば、特許文献1参照)。また、発振波長380〜450nmの短波長レーザー光に適した感光体の開発も進められ、たとえば、特定の多環キノン化合物やペリレン化合物を電荷発生物質に用いて、短波長レーザー光に対して良好な感度特性を示す有機感光体が作製される様になった(たとえば、特許文献2参照)。
しかしながら、有機感光体の課題としては、感光体の表面摩耗が大きく、該表面摩耗の発生に伴うハーフトーンムラ等の画像不良発生を防ぐ技術が必要である。このために、熱や光のエネルギーにより硬化性の官能基を有する化合物を重合させて感光体の表面に表面保護層を形成する技術も検討された。硬化反応による表面保護層形成技術では、架橋反応の制御性等の観点により光エネルギーを用いた架橋反応が特に好ましく用いられている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、前記マルチビーム方式の像露光(書き込み露光)を適用すると、摩耗に強い保護層を持った有機感光体を用いても、画像ムラが発生しやすいと云う課題が発生している。
確かに、マルチビーム方式にすると、各発光点の露光強度のバラツキや多重露光による画像ムラがあるが、これらの画像ムラは、ほとんどは光走査装置技術の向上により改善が図られている。また、レーザー照射を行う画素の周囲画素を考慮して画像形成を行う画像形成処理は、例えば、特開2004−336487号公報に開示されている。このように光学技術上で発生する画像ムラの改善は、改善が進んでいるのであるが、その反面、前記したように、有機感光体に、マルチビーム方式の像露光(書き込み露光)を適用するとページ内の画像ムラが発生しやすいと云う課題が発生している。特に、短波長のレーザー光を用い、且つマルチビーム方式の像露光(書き込み露光)を適用するとページ内の画像ムラが発生しやすいと云う課題が発生している。
本願発明は、上記問題点を解決するためになされた。即ち、本願発明の目的は、短波長のレーザー光を用い、且つマルチビーム方式の像露光を用いて、高密度のドット画像を形成しても、ページ内の画像ムラが発生しない有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
本発明者らは、上記のようなページ内の画像ムラの発生原因は、電子写真感光体の構成とも関連しているとの仮説に基づき、有機感光体中の電荷発生物質の分散性のレベルを変えたり、膜厚ムラとの関連性等を解析した結果、有機感光体の摩耗も含めた膜厚ムラがページ内の画像ムラの発生と強い相関性を有することを見出し、本願発明を達成した。
即ち、本願発明は、以下のような構成を有する有機感光体を用いることにより達成される。
1.導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする有機感光体。
2.前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂が少なくとも下記一般式(1)の繰り返し構造を含むことを特徴とする前記1記載の有機感光体。
3.前記電荷輸送層中に下記一般式(2)の電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記1又は2に記載の有機感光体。
(R1〜R6は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数4以下のアルキル基又はアルコキシ基を表す。)
4.前記電荷発生層中にピランスロン顔料の電荷発生物質を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
4.前記電荷発生層中にピランスロン顔料の電荷発生物質を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
5.有機感光体上に帯電手段により帯電電位を付与し、続いて380nm以上、450nm以下の短波長光源を露光光とする露光手段により800dpi以上のデジタル静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段による現像によりトナー像を形成し、該トナー像を転写手段により記録媒体に転写し、その後、記録媒体に転写されたトナー像を定着手段により定着する画像形成方法において、前記有機感光体が、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする画像形成方法。
6.前記短波長光源が、発振波長が380nm以上450nm以下の半導体レーザー光であることを特徴とする前記5に記載の画像形成方法。
7.前記露光光が、複数本の半導体レーザー光を有機感光体上に同時に走査させるマルチビーム方式であることを特徴とする前記6に記載の画像形成方法。
8.有機感光体上に帯電電位を付与する帯電手段、380nm以上、450nm以下の短波長光源を露光光とし、800dpi以上のデジタル静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像を現像によりトナー像に変換する現像手段、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段、該記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段を有する画像形成装置において、前記有機感光体が、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする画像形成装置。
9.前記8に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、少なくとも前記1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電手段、像露光手段、現像手段の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本願発明の有機感光体を用いることにより、短波長レーザー光等による像露光で発生しやすいページ内の画像ムラが改善され、高精細の電子写真画像を形成できる有機感光体を提供することができる。
本願発明の有機感光体は、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする。
本願発明の有機感光体が上記構成を有することにより、短波長レーザー光による像露光により形成される800dpi以上の高精細の画像がページ内の画像ムラの発生等もなく、高精細のトナー画像として再現することができる。
本願発明のこの効果は、前記有機感光体の中で、最も膜厚の寄与率が高い電荷輸送層の膜厚の均一性を高くし、その上に、高強度の保護層を設けることにより、画像ムラの発生を防止し、高精細のトナー画像を得ることにより達成される。
この理由は、電荷輸送層に低分子量のバインダーを用いることにより、電荷輸送層塗布液の溶媒溶解性を改善して、電荷輸送層製膜時の塗布ムラを改善し、均一な電荷輸送層を得、更に、その上に、連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物を含有する塗布液から高強度の保護層を形成することにより、耐摩耗性にも強い、均一膜厚の有機感光体を達成し、この感光体を短波長レーザー等の光源を用いた画像形成方法に適用することにより、耐久特性も含めて、画像ムラの発生を防止し、高精細のトナー画像を得ることができたものである。
先ず、本願発明の有機感光体が用いられる画像形成方法について、説明する。
本願発明に係わる画像形成方法のプロセスを下記図1で例示する画像形成装置を用いて説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写材搬送手段としての転写材搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光除電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザーダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成方法においては、感光体上に800dpi以上のデジタル静電潜像を形成するに際し、発振波長が380〜450nmの半導体レーザー又を像露光光源として用いる。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜40μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、800dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザーを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
像露光光源(書き込み光源)は、高速露光を行うために、複数のレーザー光源を用いてもよく、アレイ状に配置されたレーザー光源を用いてもよい。このような該複数のレーザー光を用いたマルチビーム方式の像露光の場合に、本願発明のページ内画像ムラの改善効果が顕著に表れる。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
〈トナー〉
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
〈現像剤〉
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
転写材搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写材Pが収納された転写材収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写材Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写材Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写材Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25、爪分離手段250等によって、転写材P上に転写され、該転写材Pも感光体から分離され、その後、転写材Pは転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送され、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写材Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写材Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写材の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写材案内部177が開放され、転写材Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写材Pは下方に搬送され、転写材反転部179によりスイッチバックさせられ、転写材Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写材Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写材Pを再給紙し、転写材Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写材Pを搬送し、転写材Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向に図1の像露光手段で説明した380〜450nmのレーザー光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
以下、本願発明の有機感光体について詳しく説明する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の感光層の構成は、導電性支持体上に、少なくとも中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層した構成を有しする。尚、本発明の有機感光体の層構成は、前記した各層の他に、更に、他の層、例えば、電荷発生層と電荷輸送層の間に、電荷注入層等とかを付加してもよい。
以下、これらの構成について、記載する。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。本発明の導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって残電上昇が発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通してドット画像が劣化しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、その結果、ドット画像が劣化しやすい。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、ドット画像の劣化を防止することができ、本発明のN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はシランカップリング剤や下式で表される反応性有機ケイ素化合物で表面処理したものが好ましい。
(R)n−Si−(X)4−n
(上式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
上式で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
(上式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
上式で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、上式で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、上式で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、上式で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で0.5〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やドット画像の劣化を効果的に防止でき、良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を50〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これ以外にも下記のようなポリアミドも好ましく用いることができる。
又、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチの発生やドット画像の劣化を起こしやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチ等が発生しやすく、ドット画像の劣化を起こしやすい。10μmを超えると、残留電位の上昇が発生しやすく、ドット画像が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108Ω・cm以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108Ω・cm未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108Ω・cm未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとる。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとる。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。
電荷発生層
本願発明は電荷発生層はバインダー樹脂及び電荷発生物質を含有する。
本願発明は電荷発生層はバインダー樹脂及び電荷発生物質を含有する。
電荷発生層の電荷発生物質(CGM)としては、短波長レーザー光に対して高感度の電荷輸送物質が好ましい。
短波長レーザー光に対して高感度の電荷輸送物質としては、フタロシアニン顔料、ハロゲン置換縮合多環顔料等が挙げられるが、中でも、ピランスロン系顔料が短波長光源の波長が380〜450nmの範囲内の半導体レーザー又は発光ダイオードの像露光に十分な感度を有し、好ましい。
次に、前記ピランスロン系顔料について記載する。
ピランスロン系顔料としては、下記一般式(3)の化合物が挙げられる。
(一般式(3)中、nは1〜6の整数)
一般式(3)の化合物で、置換Brの数、nは1〜6個であり、これらBrの置換位置は下記一般式(4)のR1〜R14の位置に置換可能である。
一般式(3)の化合物で、置換Brの数、nは1〜6個であり、これらBrの置換位置は下記一般式(4)のR1〜R14の位置に置換可能である。
しかしながら、Brの置換位置を正確に特定する手段は、確立されておらず、置換位置の正確な特定は困難である。
又、前記一般式(3)の化合物は下記の合成例で示すように、置換Brの数、nが複数の混合体として得られ、これら混合体を電荷発生層の電荷発生物質として使用することが好ましい。
以下に、本発明に係わる前記一般式(3)で表される化合物の合成例を記載する。
合成例1
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1のマススペクトル測定の結果、n=1〜3の混合物であり、n=1/n=2/n=3のピーク強度比は11/59/30であった。
合成例2
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物3.3gを得た。
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物3.3gを得た。
マススペクトル測定の結果、n=3〜5の混合物であり、n=3/n=4/n=5のピーク強度比は16/67/17であった。
合成例3
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3のマススペクトル測定の結果、n=3〜6の混合物であり、n=3/n=4/n=5/n=6のピーク強度比は17/51/27/5であった。
本願発明に係わる縮合多環顔料で、上記一般式(3)以外の電荷発生物質としては、下記に例示するような化合物が挙げられる。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として上記のように、ハロゲン置換縮合多環顔料を用いる。特に、前記一般式(3)のピランスロン系化合物を電荷発生物質を用いることが好ましい。このハロゲン置換縮合多環系顔料の電荷発生物質以外に、必要により、他の電荷発生物質を併用してもよいが、併用の場合でも、少なくとも50質量%以上はハロゲン置換縮合多環系顔料を用いることが好ましい。
一方、電荷発生層のバインダー樹脂として、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が用いられるが、中でも、ポリビニルブチラールと塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体を併用することが好ましい。
バインダー樹脂と電荷発生物質の顔料との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し、顔料100〜500質量部が好ましく、100〜300質量部が特に好ましい。又、電荷発生層の膜厚は0.2μm〜2μmが好ましい。
電荷発生層の分散塗布溶媒としては、ケトン系溶媒が好ましい。例えば、2−ブタノン、シクロヘキサン、アセトン、メチルイソブチルケトン等が好ましい。また、これら溶媒にエステル系溶媒、或いはエーテル系溶媒を混合して用いてもよい。例えば、酢酸エチル、酢酸t−ブチル等或いはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により無機微粒子や酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により無機微粒子や酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては平均分子量が1万以上、2.5万以下の熱可塑性樹脂が用いられる。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が用いられるが、中でも、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましく、更には、前記一般式(1)の繰り返し構造を含むポリカーボネートが好ましい。
本願発明に係わるポリカーボネートとしては、下記に例示するようなポリカーボネートが好ましい。
上記ポリカーボネートの内でも、前記一般式(1)の繰り返し構造を含むポリカーボネートのP−1、P−5、P−6、P−7が最も好ましく用いられる。
尚、本願発明に係わる平均分子量は、重量平均分子量Mwを表し、該重量平均分子量Mwは下記のようにして測定する。
重量平均分子量Mwの測定方法
本発明の樹脂の重量平均分子量Mwの測定は、次の条件で行い、標準ポリスチレン換算した値を求めた。
・測定装置:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置 HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
・カラム:TSKgel SuperH2500(東ソー株式会社製)
・移動相:テトラヒドロフラン
・温度:40℃
・流速:0.35ml/min
・注入量:10μl
・濃度:0.1質量%
尚、重量平均分子量Mwは以下のように定義される。
本発明の樹脂の重量平均分子量Mwの測定は、次の条件で行い、標準ポリスチレン換算した値を求めた。
・測定装置:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置 HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
・カラム:TSKgel SuperH2500(東ソー株式会社製)
・移動相:テトラヒドロフラン
・温度:40℃
・流速:0.35ml/min
・注入量:10μl
・濃度:0.1質量%
尚、重量平均分子量Mwは以下のように定義される。
重量平均分子量 Mw=(ΣNi・Mi 2)/(ΣNi・Mi)
ここで、Niはi番目の分子の個数を示し、Miはi番目の分子の分子量を示す。iは、カラム段数である。
ここで、Niはi番目の分子の個数を示し、Miはi番目の分子の分子量を示す。iは、カラム段数である。
電荷輸送物質(CTM)としては、公知の電荷発生物質を用いることができるが、本願発明では、短波長のレーザー光等に対し、透過性のよい電荷輸送物質を用いることが好ましい。短波長のレーザー光等に対し、透過性のよい電荷輸送物質として、前記一般式(2)の化合物を用いることが好ましい。該電荷輸送物質は、380〜450nmの波長領域に吸収を有しないので、380〜450nmの波長領域の像露光の露光光を遮ることなく電荷発生層に到達させ、又、電荷輸送層中で、光露光による電荷トラップの発生もなく、電荷発生層からの正孔キャリアを効率よく感光体の表面まで輸送することができる。
一般式(2)中、(R1〜R6は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数4以下のアルキル基又はアルコキシ基を表すが、中でも、R5が炭素数4以下のアルキル基が好ましい。
前記一般式(2)の電荷輸送物質の具体例としては、下記のような化合物例が挙げられる。
尚、上記一般式(2)以外でも、本願発明に係わる電荷輸送物質としては、下記のような化合物も好ましく用いられる。
一般式(2)で表される化合物を合成するには、ビフェニル基を有するトリフェニルアミンを種々のケトン化合物と酸触媒にて反応することにより、合成する事ができる。また、下記一般式(5)で表されるジアミノ体とハロゲン化アリールを種々の合成法によって合成することもできる。
一般式(5)中、Ar1は、置換基を有しても良いフェニル基又はビフェニル基を表す。
これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、10〜25μmが好ましい。該合計膜厚が10μm未満では、現像時の潜像電位を十分に獲得しにくく、画像濃度の低下やドット再現性の劣化が発生しやすく、又、25μmを超えると、電荷キャリアの拡散(電荷発生層で発生した電荷キャリアの拡散)が大きくなり、ドット再現性が劣化しやすい。
保護層
本願発明に係わる保護層は、連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有する。
保護層
本願発明に係わる保護層は、連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有する。
以下、本願発明に係わる保護層の構成について記載する。
本願発明に係わる保護層としては、連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物を含有した保護層塗布液を電荷輸送層上に塗布し、紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して保護層を形成する。
連鎖重合性化合物とは、一般的な連鎖重合性化合物であり、紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂を形成できるモノマー等の低分子化合物を意味する。特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。
中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基(CH2=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2=CCH3CO−)を有する連鎖重合性化合物が特に好ましい。
以下に好ましい連鎖重合性化合物の例を示す。以下にいうAc基数(アクリロイル基数)又はMc基数(メタクリロイル基数)とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基の数を表す。
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子は、連鎖重合性官能基を有するシランカップリング剤或いは連鎖重合性官能基を有するチタネートカップリング剤等で、金属酸化物粒子を表面処理することにより得ることが出来る。
例として、連鎖重合性官能基を有するシランカップリング剤で表面被覆処理された酸化チタン粒子を製造する表面処理方法を述べる。
即ち、酸化チタン粒子とシランカップリング剤の表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、酸化チタン粒子を微細化すると同時に酸化チタン粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化するので、均一でしかもより微細な連鎖重合性官能基を有するシランカップリング剤により表面処理された酸化チタン粒子を得ることができる。
以下に、連鎖重合性官能基を有するシランカップリング剤の化合物例を挙げる。
S−1 CH2=CHSi(CH3)(OCH3)2
S−2 CH2=CHSi(OCH3)3
S−3 CH2=CHSiCl3
S−4 CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5 CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6 CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−7 CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8 CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9 CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10 CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11 CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17 CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19 CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20 CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
S−2 CH2=CHSi(OCH3)3
S−3 CH2=CHSiCl3
S−4 CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5 CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6 CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−7 CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8 CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9 CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10 CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11 CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17 CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19 CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20 CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
又、チタネートカップリング剤としては、下記のような化合物が例示される。
(金属酸化物粒子)
本発明で用いられる連鎖重合性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理された金属酸化物粒子に用いられる金属酸化物粒子は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物粒子が例示されるが、中でも、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫等の粒子が好ましい。
本発明で用いられる連鎖重合性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理された金属酸化物粒子に用いられる金属酸化物粒子は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物粒子が例示されるが、中でも、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫等の粒子が好ましい。
さらに上記金属酸化物粒子は、公知の方法、例えば気相法、塩素法、硫酸法、プラズマ法、電解法等の一般的な製造法で作製されたものが好ましい。
上記金属酸化物の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲が好ましい。特に好ましくは3〜100nmである。
上記金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ)ソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出した。
光硬化性樹脂の保護層を形成するには、保護層の塗布液(連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物を含有する組成物)を感光層上に塗布した後、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、紫外線を照射して保護層を硬化し、更に塗膜中の揮発性物質の量を規定量にするため2次乾燥を行って作製する方法が好ましい。
紫外線を照射する装置としては、紫外線硬化樹脂を硬化させるのに用いられている公知の装置を用いることができる。
樹脂を紫外線硬化させる紫外線の量(mJ/cm2)は、紫外線照射強度と照射時間で制御することが好ましい。
一方、熱重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド系化合物、パーオキシケタール系化合物、ハイドロパーオキサイド系化合物、ジアルキルパオキサイド系化合物、ジアシルパーオキサイド系化合物、パーオキシジカーボネート系化合物、パーオキシエステル系化合物等が用いられ、これらの熱重合開始剤は企業の製品カタログ等で公開されている。又、熱重合開始剤としては、前記その他のラジカル重合開始剤で例示した化合物も用いることができる。
これらの熱重合開始剤を、前記の光重合開始剤と同様に、連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物等と混合して、保護層の塗布液を作製し、該塗布液を感光層の上に塗布後、加熱乾燥して、本発明に係わる保護層を形成する。
又、保護層の塗布方法も、感光体全体を保護層塗布液に浸漬する浸漬塗布は、重合開始剤の下層への拡散を増大させるので、保護層の下の感光層の膜を極力溶解させないため、量規制型(円形スライドホッパー型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、連鎖重合性化合物の100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
又、本発明の保護層には、さらに各種の電荷輸送物質や酸化防止剤を含有させることも出来るし、各種の滑剤粒子を加えることができる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。保護層中の滑剤粒子の割合は、アクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜60質量%である。滑剤粒子の粒径は、平均一次粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。特に好ましくは、0.05μm〜0.5μmのものである。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
保護層を形成するための溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の保護層は、塗布後、自然乾燥または熱乾燥を行った後、活性線を照射して反応させることが好ましい。
塗布方法は、中間層、感光層と同様の、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の感光体は、塗膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては紫外線や電子線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2、好ましくは5〜100mJ/cm2である。ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒〜10分が好ましく、作業効率の観点から0.1秒〜5分がより好ましい。
活性線としては、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
本発明の感光体は、活性線を照射する前後、及び活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などのよって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80℃〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分〜200分であり、特に好ましくは5分〜100分である。
保護層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の地球環境に優しい溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、スライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布加工法が用いられる。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
又、本発明に係わる感光体の表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することが出来る。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。なお、文中の「部」は質量部を表す。
感光体1の作製
下記手順により、感光体1を作製した。
感光体1の作製
下記手順により、感光体1を作製した。
先ず、円筒形アルミニウム支持体(長さ:362mm、直径:60Φ)の表面を切削加工し、10点表面粗さRz=0.6(μm)の導電性支持体を用意した。
中間層
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 10部
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行なった酸化チタン) 30部
メタノール 100部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒であるメタノールにより2倍に希釈し、一夜静置後に日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 10部
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行なった酸化チタン) 30部
メタノール 100部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒であるメタノールにより2倍に希釈し、一夜静置後に日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
上記塗布液を前記支持体上に乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布して中間層を形成した。
電荷発生層:CGL
電荷発生物質(CGM):例示化合物CGM−6 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBX−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質(CGM):例示化合物CGM−6 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBX−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層:CTL
電荷輸送物質(例示化合物(CTM−2) 2部
バインダー:ポリカーボネート(P−2:Mw=25000) 2.7部
紫外線吸収剤(TinuvinP(チバ・ジャパン社製)) 0.1部
酸化防止剤(Irganox1010(チバ・ジャパン社製)) 0.1部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比4/1)混合液 30部
シリコーンオイル(KF−96(信越シリコーン(株)製)) 0.005部
上記組成物を混合、撹拌して電荷輸送層塗布液を作製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に乾燥膜厚18μmとなる様に浸漬塗布法で塗布後、120℃で70分間の乾燥処理を行って電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質(例示化合物(CTM−2) 2部
バインダー:ポリカーボネート(P−2:Mw=25000) 2.7部
紫外線吸収剤(TinuvinP(チバ・ジャパン社製)) 0.1部
酸化防止剤(Irganox1010(チバ・ジャパン社製)) 0.1部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比4/1)混合液 30部
シリコーンオイル(KF−96(信越シリコーン(株)製)) 0.005部
上記組成物を混合、撹拌して電荷輸送層塗布液を作製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に乾燥膜厚18μmとなる様に浸漬塗布法で塗布後、120℃で70分間の乾燥処理を行って電荷輸送層を形成した。
保護層
連鎖重合性官能基を有する酸化チタン粒子
(同一質量の例示化合物S−15で表面処理した個数基準の50%粒径が31nmの酸化チタン) 100部
連鎖重合性化合物(例示化合物No.31) 100部
イソプロピルアルコール 500部
上記成分をサンドミルを用いて10時間分散した後、
重合開始剤(下記化合物を用いた) 30部
を加え、遮光下で混合攪拌して溶解し保護層塗布液を作製した(保存中は遮光)。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、メタルハライドランプ(500W)を用いて100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して(紫外線硬化工程)、膜厚3μmの保護層を得た。以上のようにして、感光体1を作製した。
連鎖重合性官能基を有する酸化チタン粒子
(同一質量の例示化合物S−15で表面処理した個数基準の50%粒径が31nmの酸化チタン) 100部
連鎖重合性化合物(例示化合物No.31) 100部
イソプロピルアルコール 500部
上記成分をサンドミルを用いて10時間分散した後、
重合開始剤(下記化合物を用いた) 30部
を加え、遮光下で混合攪拌して溶解し保護層塗布液を作製した(保存中は遮光)。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、メタルハライドランプ(500W)を用いて100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して(紫外線硬化工程)、膜厚3μmの保護層を得た。以上のようにして、感光体1を作製した。
感光体2〜15の作製
感光体1の作製において、電荷発生層の電荷発生物質、電荷輸送層の電荷輸送物質、バインダー樹脂の種類、分子量(Mw)、保護層の成分等を表1のように、変更した以外は同様にして、感光体2〜15を作製した。
感光体1の作製において、電荷発生層の電荷発生物質、電荷輸送層の電荷輸送物質、バインダー樹脂の種類、分子量(Mw)、保護層の成分等を表1のように、変更した以外は同様にして、感光体2〜15を作製した。
重合開始剤の化合物を示す。
評価
基本的に図2の構成を有する市販のプリンタ「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザーを4個使用したマルチビーム像露光方式に改造し、基準のビーム径を30μmで、800dpiの露光を行うプロセス条件に改造した。)に感光体を搭載した。
基本的に図2の構成を有する市販のプリンタ「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザーを4個使用したマルチビーム像露光方式に改造し、基準のビーム径を30μmで、800dpiの露光を行うプロセス条件に改造した。)に感光体を搭載した。
尚、上記フルカラー複合機は画像形成ユニットを4組有しているので、それぞれの画像形成ユニットの感光体を同一種類の感光体(例えば、感光体1の場合は、4本の感光体1を用意して)で統一して、評価を行った。各評価は、30℃80%RHの条件で、YMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙のA4紙に5万枚等の画出し耐刷試験を行い、その後、下記の個別の環境条件下で評価した。
「評価1」(感光体の膜厚偏差)
感光体の膜厚偏差は、感光体の円筒状の両端5cmを除き、ランダムに20ケ所測定し、その最大膜厚と最小膜厚の差を膜厚偏差とした。平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いた。
感光体の膜厚偏差は、感光体の円筒状の両端5cmを除き、ランダムに20ケ所測定し、その最大膜厚と最小膜厚の差を膜厚偏差とした。平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いた。
「評価2」(ページ内画像ムラ)
上記「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザーを使用)のビーム径を15μmにし、以下のようにして評価した。
上記「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザーを使用)のビーム径を15μmにし、以下のようにして評価した。
全画面の10%、30%を被覆する2400dpiの網状スクリーン画像を作製し、以下の評価基準により評価した。評価環境は、30℃80%RHの条件で、YMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙のA4紙に5万枚等の画出し耐刷試験を行なった。
◎:画像ムラの発生がみられず問題なし
○:画像ムラの発生が部分的にみられるが、濃度差も小さく、実用上問題ないレベル
×:画像ムラが全面にみられ、実用上問題となるレベル
「評価3」(ドット画像の再現性)
上記「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザーを使用)のビーム径を、30μm、15μm、10μmと変化させ、各々、800dpi、1600dpi、2400dpiの露光を行なって、各感光体の高密度のドット再現性(トナー像)を評価した。
○:画像ムラの発生が部分的にみられるが、濃度差も小さく、実用上問題ないレベル
×:画像ムラが全面にみられ、実用上問題となるレベル
「評価3」(ドット画像の再現性)
上記「フルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザーを使用)のビーム径を、30μm、15μm、10μmと変化させ、各々、800dpi、1600dpi、2400dpiの露光を行なって、各感光体の高密度のドット再現性(トナー像)を評価した。
評価基準は下記で行なった。
ハーフトーン画像を作製し、5万枚の印刷を通して、評価した。
◎:800dpi〜2400dpi迄、各dpiのハーフトーン画像が明瞭に(各ドットが独立して)再現されている(高画質特性が非常に良好)。
○:800dpi〜1200dpi迄、各dpiのハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、2400dpiのハーフトーン画像は明瞭さ(各ドットの独立性)が不十分(高画質特性が良好)。
△:800dpiのハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、1200及び2400dpiのハーフトーン画像は明瞭さが不十分(高画質特性がやや不十分)。
×:800dpi、1200及び2400dpiのハーフトーン画像は明瞭さが不十分(高画質特性が不十分)。
以上の結果を表2に示す。
表2の結果より、本発明の構成を有する有機感光体の感光体1〜12は、各評価において良好な評価結果を得ているが、本願発明外の感光体13〜15では、いずれかの評価項目に対し、劣化した評価結果を示している。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
Claims (9)
- 導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする有機感光体。
- 前記電荷発生層中にピランスロン顔料の電荷発生物質を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
- 有機感光体上に帯電手段により帯電電位を付与し、続いて380nm以上、450nm以下の短波長光源を露光光とする露光手段により800dpi以上のデジタル静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段による現像によりトナー像を形成し、該トナー像を転写手段により記録媒体に転写し、その後、記録媒体に転写されたトナー像を定着手段により定着する画像形成方法において、前記有機感光体が、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする画像形成方法。
- 前記短波長光源が、発振波長が380nm以上450nm以下の半導体レーザー光であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
- 前記露光光が、複数本の半導体レーザー光を有機感光体上に同時に走査させるマルチビーム方式であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
- 有機感光体上に帯電電位を付与する帯電手段、380nm以上、450nm以下の短波長光源を露光光とし、800dpi以上のデジタル静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像を現像によりトナー像に変換する現像手段、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段、該記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段を有する画像形成装置において、前記有機感光体が、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層し、前記電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂の平均分子量が1万以上、2.5万以下であり、前記保護層が連鎖重合性官能基を有する金属酸化物粒子と連鎖重合性化合物の反応生成物を含有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項8に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、少なくとも請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電手段、像露光手段、現像手段の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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