JP2010113117A - 電子写真感光体と画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体作製時もしくは画像形成装置内の環境において、電子写真感光体が高温環境下におかれても電荷輸送物質の熱劣化を引き起こさず、両面コピー時においても、フィルミング、カブリの少ない、オゾン、窒素酸化物に対する影響を受けにくく、結果として耐久性が極めて高い電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性基体上に有機感光層と硬化型表面層を積層した電子写真感光体において、窒素雰囲気下、熱重量分析(TGA)での減量開始温度が200℃以上である酸化防止剤が、有機感光層中に含まれていることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし
【解決手段】導電性基体上に有機感光層と硬化型表面層を積層した電子写真感光体において、窒素雰囲気下、熱重量分析(TGA)での減量開始温度が200℃以上である酸化防止剤が、有機感光層中に含まれていることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置に関するものである。
近年、印刷分野やカラー印刷の分野において、高速化した電子写真方式の複写機やプリンターが使用されることが多い。このような分野においては、高いコピー生産性が求められるため、電子写真感光体(以後、単に感光体ということもある)の高耐久化、画像形成装置の高速化や、両面印刷時の効率化が求められる。
感光体の耐久性の向上を目的としては、感光層上に硬化型表面層を設置した電子写真感光体が提案されている。この表面層の硬化は光や熱などによって行われるが、いずれの硬化手段においても反応性化合物を充分に反応させることができないと、望みどおりの膜強度が得られなかったり、残留する未反応の官能基によって画像ボケなどの画像欠陥を生じる。架橋反応性を高めるためには従来の塗布膜の溶媒乾燥条件よりも高温に加熱するのが効果的である。
又、高速、高生産性を狙った画像形成装置においては、速度増による定着熱の増加等により、感光体は従来よりも高温環境下にさらされる状態になる。特に両面印刷時においては、一度定着器を通過した紙が装置内部に保持され、再び搬送されることになるため、より内部温度が上昇することになる。このような環境下において感光体は従来よりも激しい熱履歴を受けることになり、その対応策が求められてきた(特許文献1〜3参照)。
特開平5−323632号公報
特開昭62−53391号公報
特開昭62−227988号公報
本発明の発明者らの検討によっても、感光体作製時もしくは画像形成装置内の環境において、電子写真感光体は高温環境下におかれるため電荷輸送物質の熱劣化を引き起こし、結果として耐久性が損なわれる結果を招くことが明らかとなった。
本発明は上記の如き課題を解決するためになされた。
即ち、本発明の目的は、感光体作製時もしくは画像形成装置内の環境において、電子写真感光体が高温環境下におかれても電荷輸送物質の熱劣化を引き起こさず、両面コピー時においても、オゾン、窒素酸化物に対する影響を受けにくく、フィルミング、カブリの少ない、結果として耐久性が極めて高い電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、上記課題への対応策として、熱重量分析(TGA)での減量開始温度が、電荷輸送物質よりも一定温度以上高い酸化防止剤を使用すると、耐久性の高い電子写真感光体を作製することが可能となることがわかり以下の本発明に至った。
(1)
導電性基体上に有機感光層と硬化型表面層を積層した電子写真感光体において、窒素雰囲気下、熱重量分析(TGA)での減量開始温度が200℃以上である酸化防止剤が、有機感光層中に含まれていることを特徴とする電子写真感光体。
導電性基体上に有機感光層と硬化型表面層を積層した電子写真感光体において、窒素雰囲気下、熱重量分析(TGA)での減量開始温度が200℃以上である酸化防止剤が、有機感光層中に含まれていることを特徴とする電子写真感光体。
(2)
前記硬化型表面層が、重合性基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなることを特徴とする(1)記載の電子写真感光体。
前記硬化型表面層が、重合性基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなることを特徴とする(1)記載の電子写真感光体。
(3)
前記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする(1)記載の電子写真感光体。
前記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする(1)記載の電子写真感光体。
(4)
前記酸化防止剤が下記一般式(1)又は(2)で表されるフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項記載の電子写真感光体。
前記酸化防止剤が下記一般式(1)又は(2)で表されるフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項記載の電子写真感光体。
(一般式(1)中、Xは置換基を有してもよいメチレン鎖、または2価の硫黄鎖を示す。R1は置換基を有してもよいアルキル基、カルボニル基、フェニル基を示す。R2、R3は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、またはフェニル基を示す。lは2〜4の整数を示す。)
(一般式(2)中、Xは置換基を有してもよいメチレン鎖、または2価の硫黄鎖を示す。R4は置換基を有してもよいアルキル基、カルボニル基、フェニル基を示す。R5、R6は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、またはフェニル基を示す。mは1〜6の整数、nは2〜6の整数を示す。但し、m+nは、4、5、6又は8のいずれかの整数である。)
(5)
前記酸化防止剤が下記一般式(3)で表されることを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項記載の電子写真感光体。
(5)
前記酸化防止剤が下記一般式(3)で表されることを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項記載の電子写真感光体。
(一般式(3)中、R7、R8は水素、置換基を有してもよいアルキル基、またはフェニル基を示す。R9は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、フェニル基を示す。)
(6)
(1)〜(5)の何れか1項に記載の電子写真感光体を用い、書込み光源により静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有することを特徴とする画像形成装置。
(6)
(1)〜(5)の何れか1項に記載の電子写真感光体を用い、書込み光源により静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明により、感光体作製時もしくは画像形成装置内の環境において、電子写真感光体が高温環境下におかれても電荷輸送物質の熱劣化を引き起こさず、両面コピー時においても、オゾン、窒素酸化物に対する影響を受けにくく、フィルミング、カブリの少ない、結果として耐久性が極めて高い電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
本発明は、従来よりも劣化安定性に優れた酸化防止剤を見いだし、特に機内温度の上昇する両面コピー時においても、オゾン、窒素酸化物による影響を受けにくく、耐久性に優れた電子写真感光体と画像形成装置を提供するための発明である。
熱重量分析(TGA)での減量開始温度の測定法については、例えば以下の条件にて測定することが出来る。
測定装置は示差熱重量同時測定装置 TG/DTA6200 (セイコーインスツルメンツ株式会社製)を使用して、アルミサンプルパンに測定試料5mgを秤量し、窒素ガス雰囲気下(導入量150〜200ml/min)、昇温温度20℃/minにて熱重量分析を実施した。
測定結果より、質量(重量)減小し始めたときの温度を接線法にて求め、減量開始温度とする。
本発明の目的に対し、窒素雰囲気下、熱重量分析(TGA)での減量開始温度が200℃以上である酸化防止剤が、如何なる理由により有効であるのかは詳しく解析されたわけではない。
しかし、推測するにこの様な高い減量開始温度を有する酸化防止剤は、熱に対しては酸化防止剤自体が極めて強固なため少々の温度に成っても分解や変質することがない。本発明の課題の如く、特に加熱による障害に対しては有効なのであろう。
本発明における熱重量分析(TGA)での測定法については、窒素雰囲気下中、昇温温度20℃/minにて熱重量分析を実施し、質量(重量)減小し始めたときの温度を接線法にて求め、減量開始温度とした。
〔本発明に用いられるフェノール系酸化防止剤〕
上記した如く一般式1又は2で表されるフェノール系の酸化防止剤がよく、特に一般式3で表されるものがよい。
上記した如く一般式1又は2で表されるフェノール系の酸化防止剤がよく、特に一般式3で表されるものがよい。
具体的には、下記構造を有するものがある。
(上記「化4・5」中に記載された温度は、減量開始温度を示す。)
その他の本発明に用いられる酸化防止剤としては、市販のスミライザーGA−80、サノールLS2626等がある。
その他の本発明に用いられる酸化防止剤としては、市販のスミライザーGA−80、サノールLS2626等がある。
(上記「化6」中に記載された温度は、減量開始温度を示す。)
これら本発明の酸化防止剤は、後記する有機感光層中の電荷輸送物質を含有する層に3〜12質量%添加するのが好ましい。又、合成は以下の文献を参考にして行うことができる。
これら本発明の酸化防止剤は、後記する有機感光層中の電荷輸送物質を含有する層に3〜12質量%添加するのが好ましい。又、合成は以下の文献を参考にして行うことができる。
Loon,J−D;Arduini,A.;Coppi,L.;Verboom,W.;Pochini,A.;Ungaro,P.;Harkema,S.;Reinhoudt,N.;J.Org.Chem.,1990,55,5639.
K.M.;Fronczek,F.R.;Watson,W.H.;Kashyap,R.P.;Gutche,C.D.;J.Org.Chem.,1991,56,7256.
Stewart,D.R;Krawiec,M.;Kashyap,R.P;Watson,W.H.;Gutche,C.D.;J.Am.Chem.Soc.,1995,117,586.
具体的には、例えば下記方法により合成することが出来る。
K.M.;Fronczek,F.R.;Watson,W.H.;Kashyap,R.P.;Gutche,C.D.;J.Org.Chem.,1991,56,7256.
Stewart,D.R;Krawiec,M.;Kashyap,R.P;Watson,W.H.;Gutche,C.D.;J.Am.Chem.Soc.,1995,117,586.
具体的には、例えば下記方法により合成することが出来る。
A1の合成法:1,3−ジアセトキシ−p−t−ブチルカリックス[4]アレーンの合成
p−t−ブチルカリックス[4]アレーントルエン懸濁液(10g、13.5mmol)、炭酸カリウム(37.3g,270mmol),酢酸クロライド(2.12g、27mmol)を脱水アセトニトリル600ml中に加え、20hrリフラックスする。減圧下溶媒留去した後、4モル/リットル(L)水酸化カリウム溶液中にて2hr煮沸する。室温まで冷却後、ろ別し、エタノール/クロロホルムから再結晶した。収量7.91g(収率80%)、
A3の合成法:1,3−ビスエチルアセトキシ−p−メチルカリックス[4]アレーンの合成
p−メチルカリックス[4]アレーン(6.45g、13.5mmol)、炭酸カリウム(37.3g,270mmol),ブロモ酢酸エチル(4.51g、27mmol)を脱水アセトニトリル600ml中に加え、20hrリフラックスする。減圧下溶媒留去した後、4N水酸化カリウム溶液中にて2hr煮沸する。室温まで冷却後、ろ別し、エタノール/クロロホルムから再結晶した。収量6.68g(収率76%)、
A7の合成法:5,11,17,23,29−ペンタ−t−ブチル−31−エトキシ−32,33,34,35−テトラヒドロキシカリックス[5]アレーンの合成
p−t−ブチルカリックス[5]アレーン1.00gと無水炭酸水素カリウム0.495gをアセトニトリル50ml中にて不活性ガス雰囲気下リフラックスさせる。1hr後加熱を停止して、エチルトシレート0.251gを10mlのアセトニトリル溶液にして添加し、再加熱、リフラックスする。36hr後反応停止し、溶剤を減圧蒸留後、クロロホルム/(1モル/L)塩酸にて処理、クロロホルム層を分離する。水洗、乾燥後フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ/トルエン)で分離後、クロロホルム・メタノールにて再結晶し、目的物のA7を0.92g得ることができた。
p−t−ブチルカリックス[4]アレーントルエン懸濁液(10g、13.5mmol)、炭酸カリウム(37.3g,270mmol),酢酸クロライド(2.12g、27mmol)を脱水アセトニトリル600ml中に加え、20hrリフラックスする。減圧下溶媒留去した後、4モル/リットル(L)水酸化カリウム溶液中にて2hr煮沸する。室温まで冷却後、ろ別し、エタノール/クロロホルムから再結晶した。収量7.91g(収率80%)、
A3の合成法:1,3−ビスエチルアセトキシ−p−メチルカリックス[4]アレーンの合成
p−メチルカリックス[4]アレーン(6.45g、13.5mmol)、炭酸カリウム(37.3g,270mmol),ブロモ酢酸エチル(4.51g、27mmol)を脱水アセトニトリル600ml中に加え、20hrリフラックスする。減圧下溶媒留去した後、4N水酸化カリウム溶液中にて2hr煮沸する。室温まで冷却後、ろ別し、エタノール/クロロホルムから再結晶した。収量6.68g(収率76%)、
A7の合成法:5,11,17,23,29−ペンタ−t−ブチル−31−エトキシ−32,33,34,35−テトラヒドロキシカリックス[5]アレーンの合成
p−t−ブチルカリックス[5]アレーン1.00gと無水炭酸水素カリウム0.495gをアセトニトリル50ml中にて不活性ガス雰囲気下リフラックスさせる。1hr後加熱を停止して、エチルトシレート0.251gを10mlのアセトニトリル溶液にして添加し、再加熱、リフラックスする。36hr後反応停止し、溶剤を減圧蒸留後、クロロホルム/(1モル/L)塩酸にて処理、クロロホルム層を分離する。水洗、乾燥後フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ/トルエン)で分離後、クロロホルム・メタノールにて再結晶し、目的物のA7を0.92g得ることができた。
A8の合成法:1,3−ビスフェニルメトキシーp−メチルカリックス[4]アレーンの合成
p−メチルカリックス[4]アレーン(3.41g,7.1mmol)、炭酸カリウム(1.12g、8.1mmol)、臭化ベンジル(2.48g、14.2mmol)をアセトニトリル100mlに懸濁し、加熱、12hrリフラックスする。溶剤の減圧留去後クロロホルムに溶かし、(1モル/L)塩酸、ついで食塩水で洗浄する。有機層を脱水後、エタノール/クロロホルムにて再結晶して目的物A8を得た。収量3.91g(収率87%)
〔硬化型表面層〕
本発明の構成は、導電性支持体上に感光層、硬化型表面層を順次積層してなる電子写真感光体において、該表面層が、少なくとも重合性基を有する化合物を反応させて得られる組成物からなる電子写真感光体であり、該電子写真感光体を用いた画像形成装置である。
p−メチルカリックス[4]アレーン(3.41g,7.1mmol)、炭酸カリウム(1.12g、8.1mmol)、臭化ベンジル(2.48g、14.2mmol)をアセトニトリル100mlに懸濁し、加熱、12hrリフラックスする。溶剤の減圧留去後クロロホルムに溶かし、(1モル/L)塩酸、ついで食塩水で洗浄する。有機層を脱水後、エタノール/クロロホルムにて再結晶して目的物A8を得た。収量3.91g(収率87%)
〔硬化型表面層〕
本発明の構成は、導電性支持体上に感光層、硬化型表面層を順次積層してなる電子写真感光体において、該表面層が、少なくとも重合性基を有する化合物を反応させて得られる組成物からなる電子写真感光体であり、該電子写真感光体を用いた画像形成装置である。
重合性基を有する化合物(硬化性化合物)としては、炭素=炭素二重結合を有する各種化合物や環状エーテル構造を有するエポキシ化合物、オキセタン化合物を用いることが出来る。
上記化合物は、熱、光や放射線、即ち紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となるモノマーが好適であり、ラジカル重合性モノマーでは特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性化合物が特に好ましい。
また、カチオン重合性モノマーでは特にエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられるが、オキセタン化合物が好ましい。
本発明においては、これら本発明に係わる硬化性化合物を単独で用いても、混合して用いてもよい。
以下に本発明に係わる硬化性化合物の例を示す。
本発明において硬化性化合物の代表的な例は、アクリロイル基(CH2=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2=CCH3CO−)を有する化合物である。なお、以下にいうAc基数(アクリロイル基数)とはアクリロイル基またはメタクリロイル基の数を表す。
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
また、好ましいオキセタン化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドを挙げることができる。
本発明においては、硬化型アクリル系モノマーまたはオリゴマー等の硬化性化合物は官能基が2以上であること好ましく、4以上が特に好ましい。尚、本発明においては、官能基密度の異なる2種類以上の硬化性化合物を混合して使用してもよい。
表面層は、上記硬化性化合物の他に、必要に応じて重合開始剤、滑剤粒子及び酸化防止剤等を配合した塗布液を塗布し、反応させて硬化膜を形成できる。
本発明の硬化性化合物を反応させる際には、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤あるいはカチオン重合性開始剤を添加して、光、熱で反応する方法などが用いられる。重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
これら光硬化性化合物のラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、或いはフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、或いはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。また、カチオン重合を開始させる化合物としては、例えば、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、CF3SO3 −塩などのイオン系重合開始剤やスルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物或いは、鉄アレン錯体等の非イオン系重合開始剤を挙げることができる。特に、非イオン系重合開始剤であるスルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物が好ましい。
光硬化性樹脂の表面層を形成するには、表面層の塗布液(上記組成物)を感光層上に塗布した後、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、紫外線を照射して表面層を硬化し、更に塗膜中の揮発性物質の量を規定量にするため2次乾燥を行って作製する方法が好ましい。
紫外線を照射する装置としては、紫外線硬化樹脂を硬化させるのに用いられている公知の装置を用いることができる。
樹脂を紫外線硬化させる紫外線の量(mJ/cm2)は、紫外線照射強度と照射時間で制御することが好ましい。
一方、熱重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド系化合物、パーオキシケタール系化合物、ハイドロパーオキサイド系化合物、ジアルキルパオキサイド系化合物、ジアシルパーオキサイド系化合物、パーオキシジカーボネート系化合物、パーオキシエステル系化合物等が用いられ、これらの熱重合開始剤は企業の製品カタログ等で公開されている。
本発明には、これらの熱重合開始剤を、前記の光重合開始剤と同様に硬化性化合物等と混合して、表面層の塗布液を作製し、該塗布液を感光層の上に塗布後、加熱乾燥して、本発明に係わる表面層を形成する。熱重合開始剤としては、前記その他のラジカル重合開始剤等を用いることができる。
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、硬化性化合物の100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
表面層の塗布方法は、感光体全体を表面層塗布液に浸漬する浸漬塗布は、重合開始剤の下層への拡散を増大させるので、表面層の下の感光層の膜を極力溶解させないため、円形量規制型(円形スライドホッパー型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
又、本発明の表面層には、さらに各種の電荷輸送物質を含有させることも出来る。
本発明に用いる表面層において、各種の滑剤粒子を加えることもできる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。表面層中の滑剤粒子の割合は、アクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜60質量%である。滑剤粒子の粒径は、平均一次粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。特に好ましくは、0.05μm〜0.5μmのものである。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
表面層を形成するための溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗布方法は、中間層、感光層と同様の、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の感光体は、塗膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては紫外線や電子線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2、好ましくは5〜100mJ/cm2である。ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒〜10分が好ましく、作業効率の観点から0.1秒〜5分がより好ましい。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などによって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80℃〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分〜200分であり、特に好ましくは5分〜100分である。
表面層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
〔感光体の構成〕
本発明の有機感光層(以下、単に感光層ということもある)とは感光層を構成する主要な材料が有機化合物であるものをいう。
本発明の有機感光層(以下、単に感光層ということもある)とは感光層を構成する主要な材料が有機化合物であるものをいう。
感光体の層構成は特に限定されないが、負帯電感光体においては、導電性基体上に下引層(UCL)、その上に機能分離した有機感光層を構成する電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)を順に設けた上に表面層として保護層を塗設した構成を採るのが好ましい。正帯電感光体では、前記負帯電感光体層構成の内、電荷発生層と電荷輸送層の順を逆にした構成を採ることが好ましい。
又、単層構造の感光体では、導電性基体上に、下引層、有機感光層(電荷発生+電荷輸送の機能を有する)、次いで硬化型表面層(保護層)を塗設した構成を採用している。更に、硬化型表面層が電荷輸送物質を含有し、前記感光層を兼ねた構成を採ることも可能である。即ち、硬化型表面層が電荷輸送層機能あるいは電荷発生層機能を有することもできる。この場合の具体的な構成として、例えば硬化型表面層に電荷発生物質、電荷輸送物質を添加するか、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を塗布液に含有させ、UV光による硬化時に膜中に組み込む等が挙げられる。
有機感光層に含有される電荷発生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素等が挙げられ、これらのCGMは単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われる。
電荷発生層の膜厚は好ましくは5μm以下、より好ましくは0.05〜3μmである。尚、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
感光層に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられ、これらのCTMは通常バインダーと共に層形成が行われる。
電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特に10〜40μmが好ましい。又、電荷輸送層が複数設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
単層構成の感光層及び積層構成の場合の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
本発明の導電性基体としては、導電性を有するものであれば如何なるものでもよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。これらの中でも、コストや加工の容易さからアルミニウムドラムが好適である。
支持体基体上に、下引層を介して電荷発生物質、電荷輸送物質及び光硬化性樹脂等を含有する感光層を塗布するが、これには浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられる。均一塗布加工を達成するためにはスプレー塗布又は円形量規制型塗布(円形スライドホッパーで代表される)を用いるのが好ましい。尚、上記スプレー塗布については例えば特開平3−269238号に、円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号に詳細に記載される。
〔画像形成装置〕
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジについて説明する。
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジについて説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルター処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜800nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることが好ましい。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜100μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。ここで、「一体に支持して」とは、プロセスカートリッジの着脱時に、プロセスカートリッジ単位で、1つの塊として、取り付けたり、外したりできることを意味する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写紙Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写紙P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写紙Pにカラー画像を転写した後、転写紙Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
〔トナーと現像剤〕
本発明の有機感光層上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
本発明の有機感光層上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積メディアン径(Dv50)は2.0〜9.0μm、より好ましくは3.0〜7.0μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、文中の「部」は「質量部」を表す。
実施例1
(N型半導性粒子の表面処理)
メチルハイドロジェンポリシロキサン0.2部をエタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(45:20:35容量比)10部に溶解分散した中に、ルチル型酸化チタン(数平均1次粒径35nm,アルミナによる5%1次表面処理がされている)3.5部を添加した後、1時間撹拌して2次表面処理を行い、溶媒から分離後、加熱乾燥して表面処理済みN型半導性粒子を得た。
〈電子写真感光体の作製〉
以下の手順で電子写真感光体を作製した。
以下の手順で電子写真感光体を作製した。
(中間層の形成)
バインダー樹脂(N−1)1部をエタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(45:20:35容量比)20部に加え撹拌溶解後、上記表面処理済みN型半導性粒子の4.2部を混合し、該混合液をビーズミルを用い分散した。この際、平均粒径0.1〜0.5mmのイットリア含有酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ニッカトー製YTZボール)を用い、充填率:80%、周速設定4m/sec、ミル滞留時間3時間で分散し、中間層塗布液を作製した。同液を5μmフィルターで濾過した後、洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚およそ2μmの中間層を形成した。
バインダー樹脂(N−1)1部をエタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(45:20:35容量比)20部に加え撹拌溶解後、上記表面処理済みN型半導性粒子の4.2部を混合し、該混合液をビーズミルを用い分散した。この際、平均粒径0.1〜0.5mmのイットリア含有酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ニッカトー製YTZボール)を用い、充填率:80%、周速設定4m/sec、ミル滞留時間3時間で分散し、中間層塗布液を作製した。同液を5μmフィルターで濾過した後、洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚およそ2μmの中間層を形成した。
(電荷発生層の形成)
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で前記中間層の上に塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で前記中間層の上に塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20部
ポリビニルブチラール(BX−1:積水化学社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
(電荷輸送層の形成)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、120℃で70分乾燥して乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
ポリビニルブチラール(BX−1:積水化学社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
(電荷輸送層の形成)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、120℃で70分乾燥して乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質(CT−1) 50部
ポリカーボネート樹脂(ユーピロン−Z300:三菱ガス化学社製) 100部
例示化合物例A1 8部
テトラヒドロフラン(THF)/トルエン(体積比8/2) 750部
(保護層(硬化型表面層)の形成)
下記成分を混合し、溶解して保護層塗布液を調製した。この塗布液を上記電荷輸送層の上に円型スライドホッパーで硬化後の膜厚が2.0μmになるように塗布した。塗布後の感光体にキセノンランプにて20mWで1,000sec照射し、120℃で30分乾燥することで実施例感光体1を作製した。
ポリカーボネート樹脂(ユーピロン−Z300:三菱ガス化学社製) 100部
例示化合物例A1 8部
テトラヒドロフラン(THF)/トルエン(体積比8/2) 750部
(保護層(硬化型表面層)の形成)
下記成分を混合し、溶解して保護層塗布液を調製した。この塗布液を上記電荷輸送層の上に円型スライドホッパーで硬化後の膜厚が2.0μmになるように塗布した。塗布後の感光体にキセノンランプにて20mWで1,000sec照射し、120℃で30分乾燥することで実施例感光体1を作製した。
硬化性材料A(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)0.3部と硬化性材料B(KAYARAD PEG400DA,分子量522)0.7部をn−プロパノール5.1部とメチル−i−ブチルケトン2.4部に溶解した。更に、粒径約300nmの弗素樹脂微粒子0.6部とアナターゼ型酸化チタン微粒子(粒径約6nm,表面処理メチル水素シリコーンオイル20質量%)0.8部を加え、超音波ホモジナイザーで15分間分散して硬化性材料と弗素樹脂微粒子、酸化チタン微粒子を含有する分散液を得た。同分散液にラジカル硬化開始剤(D−1)0.05部を加え、保護層塗布液とした。
実施例感光体2〜12の作製
電荷輸送層中に添加される例示化合物A1に変えて、表1に示す例示化合物に変えたほかは、実施例感光体1と同様にして、実施例感光体2〜12を作製した。
電荷輸送層中に添加される例示化合物A1に変えて、表1に示す例示化合物に変えたほかは、実施例感光体1と同様にして、実施例感光体2〜12を作製した。
比較例感光体1〜3の作製
例示化合物に変えて表1に示す比較化合物1〜3を加えたほかは、実施例感光体1と同様にして比較例感光体1を作製した。
例示化合物に変えて表1に示す比較化合物1〜3を加えたほかは、実施例感光体1と同様にして比較例感光体1を作製した。
(上記「化18」中に記載された温度は、減量開始温度を示す。)
比較例感光体4の作製
例示化合物に変えて表1に示す比較化合物1を加え、保護層の硬化条件を以下のように変更したほかは、実施例感光体1と同様にして比較例感光体4を作製した。
比較例感光体4の作製
例示化合物に変えて表1に示す比較化合物1を加え、保護層の硬化条件を以下のように変更したほかは、実施例感光体1と同様にして比較例感光体4を作製した。
(保護層の硬化条件)
未硬化感光体をキセノンランプにて20mWで1,000sec照射し、120℃で30分乾燥する。
未硬化感光体をキセノンランプにて20mWで1,000sec照射し、120℃で30分乾燥する。
(減量開始温度の測定法)
熱重量分析(TGA)での減量開始温度の測定法については、以下の条件にて測定した。
熱重量分析(TGA)での減量開始温度の測定法については、以下の条件にて測定した。
測定装置は示差熱重量同時測定装置 TG/DTA6200 (セイコーインスツルメンツ株式会社製)を使用した。
アルミサンプルパンに測定試料5mgを秤量し、窒素ガス雰囲気下(導入量200ml/min)、昇温温度20℃/minにて熱重量分析を実施した。測定結果より、質量(重量)減小し始めたときの温度を接線法にて求め、減量開始温度とした。
〈性能評価〉
各感光体をMagiColor2300(A4紙16枚/分のプリンター:コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に、それぞれ装着し初期の画像評価、及び23℃・50%RH(相対湿度)環境にて5万プリント実写後の感光体特性評価を実施した。
各感光体をMagiColor2300(A4紙16枚/分のプリンター:コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に、それぞれ装着し初期の画像評価、及び23℃・50%RH(相対湿度)環境にて5万プリント実写後の感光体特性評価を実施した。
《画像鮮鋭性》
画像の鮮鋭度は、高温常湿環境下(30℃、80%RH)においてオリジナル画像(3、5ポイント文字画像)をプリントし、3ポイント及び5ポイントの文字画像の文字潰れで評価した。
◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭であり、容易に判読可能
○:3ポイントは一部判読不能、5ポイントは明瞭であり、容易に判読可能
△:3ポイントは殆ど判読不能、5ポイントも一部或が判読不能。
×:3ポイント、5ポイントともに判読不能。
画像の鮮鋭度は、高温常湿環境下(30℃、80%RH)においてオリジナル画像(3、5ポイント文字画像)をプリントし、3ポイント及び5ポイントの文字画像の文字潰れで評価した。
◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭であり、容易に判読可能
○:3ポイントは一部判読不能、5ポイントは明瞭であり、容易に判読可能
△:3ポイントは殆ど判読不能、5ポイントも一部或が判読不能。
×:3ポイント、5ポイントともに判読不能。
《画像濃度》
23℃・50%RHの環境下で、白地部、ベタ黒部及びR、G、Bのソリッド画像部、文字画像部を1/4ずつ有するA4サイズの原稿を、上質紙(64g/m2)に5枚のプリントをサンプリングし、そのベタ黒部の5箇所の濃度を測定した(合計25箇所)。
23℃・50%RHの環境下で、白地部、ベタ黒部及びR、G、Bのソリッド画像部、文字画像部を1/4ずつ有するA4サイズの原稿を、上質紙(64g/m2)に5枚のプリントをサンプリングし、そのベタ黒部の5箇所の濃度を測定した(合計25箇所)。
濃度測定は反射濃度計RD−918(マクベス社製)を用いた。
◎:25画像の全部が1.3以上
○:25画像の90%以上で1.3以上、残りも1.0以上で実用上問題ないレベル
△:25画像の全部が1.0以上で実用上ぎりぎり合格のレベル
×:25画像の一部が1.0未満となり実用上問題となるレベル。
◎:25画像の全部が1.3以上
○:25画像の90%以上で1.3以上、残りも1.0以上で実用上問題ないレベル
△:25画像の全部が1.0以上で実用上ぎりぎり合格のレベル
×:25画像の一部が1.0未満となり実用上問題となるレベル。
《カブリ》
画像濃度評価と同条件でプリントを行い、無地画像のカブリ濃度を測定した。
画像濃度評価と同条件でプリントを行い、無地画像のカブリ濃度を測定した。
無地画像のカブリ濃度は、A4サイズの20カ所を測定し、その平均値をカブリ濃度とする。濃度測定は反射濃度計RD−918(前出)である。
◎:カブリ濃度が0.003未満で良好
○:カブリ濃度が0.003以上0.010未満で、最大カブリ濃度が0.013未満で実用上問題ないレベル
△:カブリ濃度が0.003以上0.010未満だが、最大カブリ濃度が0.013以上で実用上ぎりぎりOKのレベル
×:カブリ濃度が0.010以上で実用上問題となるレベル
《膜減耗量》
5万プリント実写後のドラム減耗量を測定した。測定器はフィッシャースコープMMSを用い、押当て接触式の渦電流方式にて初期と実写後ドラム(保護層)の減耗量を測定した。1.0μm以下であれば実用可能である。
◎:減耗0.5μm未満
○:減耗0.5μm〜1μm未満
×:減耗1μm以上
《画像鮮鋭性》
5万プリント実写後の画像鮮鋭性を評価し結果を示した。測定方法は初期画像と同様である。
◎:カブリ濃度が0.003未満で良好
○:カブリ濃度が0.003以上0.010未満で、最大カブリ濃度が0.013未満で実用上問題ないレベル
△:カブリ濃度が0.003以上0.010未満だが、最大カブリ濃度が0.013以上で実用上ぎりぎりOKのレベル
×:カブリ濃度が0.010以上で実用上問題となるレベル
《膜減耗量》
5万プリント実写後のドラム減耗量を測定した。測定器はフィッシャースコープMMSを用い、押当て接触式の渦電流方式にて初期と実写後ドラム(保護層)の減耗量を測定した。1.0μm以下であれば実用可能である。
◎:減耗0.5μm未満
○:減耗0.5μm〜1μm未満
×:減耗1μm以上
《画像鮮鋭性》
5万プリント実写後の画像鮮鋭性を評価し結果を示した。測定方法は初期画像と同様である。
《電気特性》
5万プリント実写後の残留電位の変化を30℃・80%RH環境にて測定した。実写後の変化(初期との偏差)が100V未満であれば実用可能である。
◎:実写後の残留電位の変化が+50V未満
○:実写後の残留電位の変化が+50〜+75V未満
△:実写後の残留電位の変化が+75〜+100V未満
×:実写後の残留電位の変化が+100V以上
結果を纏めて表1に示す。
5万プリント実写後の残留電位の変化を30℃・80%RH環境にて測定した。実写後の変化(初期との偏差)が100V未満であれば実用可能である。
◎:実写後の残留電位の変化が+50V未満
○:実写後の残留電位の変化が+50〜+75V未満
△:実写後の残留電位の変化が+75〜+100V未満
×:実写後の残留電位の変化が+100V以上
結果を纏めて表1に示す。
結果から明らかなように、本発明の化合物を含有する感光体(実施例1〜12)は、画像性能が良好であり、且つ膜減耗が少ない。これに対し、比較例(1〜3)のように減量開始温度の低い化合物を酸化防止剤として添加した場合では、画像特性の劣化が顕著となり問題である。
又、比較例4のように画像特性を改善する為に硬化条件を調節した場合、保護層としての耐久性が大きく劣り、且つ初期画像先鋭性が低下することが判る。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
Claims (6)
- 導電性基体上に有機感光層と硬化型表面層を積層した電子写真感光体において、窒素雰囲気下、熱重量分析(TGA)での減量開始温度が200℃以上である酸化防止剤が、有機感光層中に含まれていることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記硬化型表面層が、重合性基を有する化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合又は架橋することにより硬化させた樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記酸化防止剤が下記一般式(1)又は(2)で表されるフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の電子写真感光体を用い、書込み光源により静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008285175A JP2010113117A (ja) | 2008-11-06 | 2008-11-06 | 電子写真感光体と画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008285175A JP2010113117A (ja) | 2008-11-06 | 2008-11-06 | 電子写真感光体と画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010113117A true JP2010113117A (ja) | 2010-05-20 |
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ID=42301722
Family Applications (1)
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JP2008285175A Pending JP2010113117A (ja) | 2008-11-06 | 2008-11-06 | 電子写真感光体と画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010113117A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2008
- 2008-11-06 JP JP2008285175A patent/JP2010113117A/ja active Pending
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