JP2015141249A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】画像濃度が得られやすく、かつ、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくい画像形成装置を提供する。
【解決手段】ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される電荷発生材料と正孔輸送材料と特定の構造を有するフルオレン化合物の電子輸送材料とフェノール系酸化防止剤とを含む感光層を有する感光体10と、感光体10の表面を800V以上1200V以下に帯電する帯電装置20と、を備えた画像形成装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関するものである。
特許文献1、特許文献2、及び特許文献3には、それぞれ、特定の構造を有するジフェノキノン系化合物、ナフタレン時カルボン酸イミド化合物、及びナフタレンテトラカルボン酸時イミド化合物が開示されている。
特許文献4には、導電性基体上に少なくとも感光層を設けてなる電子写真感光体において、該感光層が特定の構造を有するフルオレン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体が開示されている
特許文献5には、支持基体と支持基体上の単層とを含む光導電性撮像部材であって、前記単層が、光発生成分、電荷輸送成分、電子輸送成分、及びバインダーの混合物を含み、前記電子輸送成分が、特定の構造を有する(4−カルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルの2−エチルヘキサノール誘導体を含むことを特徴とする光導電性撮像部材が開示されている。
特許文献6には、導電性基体上に、直接あるいは下引き層を介して、少なくとも樹脂バインダーと電荷発生物質と正孔輸送物質と電子輸送物質とを含有する単層型感光層を有する電子写真用感光体において、該感光層中に、ビフェニル誘導体を含有することを特徴とする電子写真用感光体が開示されている。
特許文献7には、導電性基体上に感光層を形成し、前記感光層が電荷発生剤としてフタロシアニン系化合物、電子輸送剤としてターフェニル化合物を含有することを特徴とする正帯電単層型電子写真感光体が開示されている。
特開平4−285670号公報 特開平5−25136号公報 特開平5−25174号公報 特開平9−43876号公報 特開2005−215677号公報 特開2000−314969号公報 特開2001−242656号公報
本発明の課題は、目的とする画像濃度が得られやすく、かつ、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくい画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
導電性基体と前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層とを有し、前記感光層が結着樹脂とヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と正孔輸送材料と下記一般式(1)で表される電子輸送材料とフェノール系酸化防止剤とを含む電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を800V以上1200V以下に帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備えた画像形成装置。
(一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
請求項2に係る発明は、
前記フェノール系酸化防止剤は、下記式(2)で表される酸化防止剤を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
請求項3に係る発明は、
前記フェノール系酸化防止剤は、下記式(3)で表される酸化防止剤を含む、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
請求項4に係る発明は、
前記正孔輸送材料は、下記一般式(4)で表される正孔輸送材料である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(一般式(4)中、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を示す。m及びnは、各々独立に、0又は1を示す。)
請求項5に係る発明は、
導電性基体と前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層とを有し、前記感光層が結着樹脂とヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と正孔輸送材料と下記一般式(1)で表される電子輸送材料とフェノール系酸化防止剤とを含む電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を800V以上1200V以下に帯電する帯電手段と、
を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
(一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
請求項1に係る発明によれば、帯電手段が電子写真感光体の表面を800V以上1200V以下に帯電する手段であり、かつ、酸化防止剤としてホスファイト系酸化防止剤を用いた場合に比べ、目的とする画像濃度が得られやすく、かつ、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくい画像形成装置が提供される。
請求項2又は請求項3に係る発明によれば、酸化防止剤として下記フェノール系酸化防止剤の例示化合物(P−1)を用いた場合に比べ、目的とする画像濃度が得られやすく、かつ、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくい画像形成装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、正孔輸送材料として下記トリアリールアミン誘導体を用いた場合に比べ、目的とする画像濃度が得られやすく、かつ、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくい画像形成装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、帯電手段が電子写真感光体の表面を800V以上1200V以下に帯電する手段であり、かつ、単層型の感光層における酸化防止剤としてホスファイト系酸化防止剤を用いた場合に比べ、目的とする画像濃度が得られやすく、かつ、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくいプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る電子写真感光体を示す概略部分断面図である。 他の本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
本実施形態の画像形成装置に備えられた電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に単層型の感光層と、を有する正帯電有機感光体(以下、「単層型感光体」と称することがある)である。
そして、単層型の感光層は、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、一般式(1)で表される電子輸送材料と、フェノール系酸化防止剤と、を含む。
なお、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
また本実施形態の画像形成装置に備えられた帯電手段は、前記電子写真感光体の表面を800V以上1200V以下に帯電する帯電手段である。つまり、帯電手段によって帯電された電子写真感光体の表面電位(帯電電位)が800V以上1200V以下である。
ここで、従来、電子写真感光体としては、製造コスト、画質安定性の観点から、単層型感光体が望ましい。
一方で、単層型感光体は、その単層型の感光層内に、電荷発生材料と正孔輸送材料と電子輸送材料とを含有する構成である。このため、感光層が機能分離されていない単層型感光体は、機能分離型の感光層を有する有機感光体(積層型感光体)に比べると、電荷の輸送制御が難しい。
目的とする画像濃度を得やすくする方法として、電子写真感光体の表面に高い電位をかけて帯電して画像形成を行い、画像の階調性を高めて出力の再現性を良くする方法が挙げられる。しかしながら、単層型感光体に高い電位をかけて帯電して画像形成を行うと、積層型感光体を用いた場合に比べ、画像形成を繰り返した後に、画像に意図しない黒点が発生しやすい。
一方、本実施形態では、前記特定の電荷発生材料、前記特定の電子輸送材料、及びフェノール系酸化防止剤を組み合わせて単層型の感光層に含有させ、かつ、単層型感光体の表面電位が前記範囲となるように帯電する帯電手段と併用している。
そのため、帯電手段により帯電された感光体の表面電位が前記範囲よりも低い場合に比べて目的とする画像濃度が得られやすく、かつ、感光層に含有させる材料が前記組み合わせ以外の場合(例えばフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤を用いた場合、酸化防止剤を用いなかった場合、又は一般式(1)で表される電子輸送材料以外の電子輸送材料を用いた場合等)に比べて、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくい。
つまり、単層型の感光層に含ませる材料として、前記特定の電荷発生材料、前記特定の電子輸送材料、及びフェノール系酸化防止剤を組み合わせてはじめて、感光体の表面に高い電位をかけて繰り返し画像形成を行っても、意図しない黒点の発生が抑制される。その理由は定かではないが、以下の通りであると推測される。
前記意図しない黒点の発生は、以下のようにして起こると推測される。具体的には、単層型の感光層に含まれる複数の機能性材料(電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料)のうち少なくともいずれかが偏在すると、感光体の表面を帯電したときに、前記機能性材料が偏在した領域に電荷が集中することが考えられる。そして、高い電位をかけて感光体の表面を繰り返し帯電すると、感光層の電荷が集中する領域が破壊され、形成された画像内に意図しない黒点として表れると推測される。
これに対して本実施形態では、前記特定の電荷発生材料、正孔輸送材料、及び前記特定の電子輸送材料に、フェノール系酸化防止剤を組み合わせることで、個々の材料の偏在が抑制されるとともに感光層の酸化も抑制される。すなわち本実施形態では、フェノール系酸化防止剤が、従来の酸化防止機能に加えて、単層型の感光層に含まれる各材料(一般式(1)で表される電子輸送材料等)を互いに相溶しやすくし、良好に分散させる役割(分散助剤的な役割)をも果たしているのではないかと推測される。そのため、感光体の表面電位が前記範囲となるように帯電させる帯電手段と併用することで、目的とする画像濃度が得られやすく、かつ、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくいのであると推測される。
なお、帯電手段によって帯電された電子写真感光体の表面電位は、前記の通り800V以上1200V以下であり、階調再現性と黒点発生の抑制とを両立する観点から800V以上1000V以下が好ましい。
上記表面電位の測定は、現像装置の代わりに電子写真感光体と正対するように表面電位測定プローブを設置し、表面電位計(例えば、トレック社製、トレック334)を用いて行う。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る画像形成装置を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置101は、図1に示すように、例えば、矢印Aで示すように、時計回り方向に回転する電子写真感光体10と、電子写真感光体10の上方に、電子写真感光体10に相対して設けられ、電子写真感光体10の表面を帯電させる帯電装置20(帯電手段の一例)と、帯電装置20により帯電した電子写真感光体10の表面に露光して、静電潜像を形成する露光装置30(静電潜像形成手段の一例)と、露光装置30により形成された静電潜像に現像剤に含まれるトナーを付着させて電子写真感光体10の表面にトナー像を形成する現像装置40(現像手段の一例)と、記録紙P(記録媒体の一例)をトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて記録紙Pに電子写真感光体10上のトナー像を転写させる転写装置50と、電子写真感光体10の表面をクリーニングするクリーニング装置70(クリーニング手段の一例)と、を備える。そして、本実施形態に係る画像形成装置101は、トナー像が形成された記録紙Pを搬送しつつ、トナー像を定着させる定着装置60を備える。
以下、本実施形態に係る画像形成装置101における主な構成部材の詳細について説明する。
[電子写真感光体]
図2は、本実施形態に係る電子写真感光体10の一部の断面を概略的に示している。
図2に示した電子写真感光体10は、例えば、導電性基体4を備え、導電性基体4上に、下引層1、単層型の感光層2、及び保護層3がこの順で設けられて構成されている。
なお、下引層1、及び保護層3は、必要に応じて、設けられる層である。
以下、電子写真感光体10の各要素について説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着せる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引き層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(単層型の感光層)
単層型の感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、酸化防止剤と、必要に応じて、その他添加剤と、を含んで構成される。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、特に、感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂がよい。
結着樹脂の感光層の全固形分に対する含有量は、20質量%以上70質量%以下であることがよく、好ましくは35質量%以上60質量%以下である。
−電荷発生材料−
電荷発生材料としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種が適用される。
電荷発生材料としては、これら顔料を単独で用いてもよいが、必要に応じて併用してもよい。そして、電荷発生材料としては、感光体の高感度化、及び画像の点欠陥抑制の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましく、一方、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される傾向があり、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい傾向にあり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.3μm以下である。かかる最大粒径が上記範囲を超えると、黒点が発生しやすい傾向にある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、感光体が蛍光灯などに暴露されたことに起因する濃度ムラを抑制する観点から、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m2/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
一方、クロロガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、電子写真感光体材料として優れた感度が得られる、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有するものであることが好ましい。
クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
電荷発生材料の感光層の全固形分に対する含有量は、1質量%以上5質量%以下がよく、望ましくは1.2質量%以上4.5質量%以下である。
−正孔輸送材料−
正孔輸送材料は、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の化合物が挙げられる。これらの正孔輸送材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
正孔輸送材料としては、電荷移動度の観点から、例えば、下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(B−1)で表される化合物、及び下記一般式(B−2)で表される化合物が望ましい。また正孔輸送材料としては、感光層内における分散性の観点から、下記一般式(4)で表される化合物が特に望ましい。
まず、下記一般式(4)で表される化合物について説明する。
一般式(4)中、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を示す。m及びnは。各々独立に、0又は1を示す。
一般式(4)中、R〜Rが示す低級アルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
これらの中でも、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式(4)中、R〜Rが示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(4)中、R〜Rが示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(4)中、R〜Rが示すフェニル基としては、例えば、未置換のフェニル基;p−トリル基、2,4−ジメチルフェニル基等の低級アルキル基置換のフェニル基;p−メトキシフェニル基等の低級アルコキシ基置換のフェニル基;p−クロロフェニル基等のハロゲン原子置換のフェニル基等が挙げられる。
なお、フェニル基に置換し得る置換基としては、例えば、R〜Rが示す低級アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
一般式(4)で表される正孔輸送材料として、高感度化、及び画像の点欠陥抑制の観点から、m及びnが1を示す正孔輸送材料がよく、特に、R〜Rが各々独立に、水素原子、低級アルキル基、又はアルコキシ基を示し、m及びnが1を示す正孔輸送材料が好ましい。
以下、一般式(4)で表される正孔輸送材料の例示化合物を示すがこれに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(4−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(4−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・4−Me:フェニル基の4−位に置換するメチル基
・3−Me:フェニル基の3−位に置換するメチル基
・4−Cl:フェニル基の4−位に置換する塩素原子
・4−MeO:フェニル基の4−位に置換するメトキシ基
・4−F:フェニル基の4−位に置換するフッ素原子
・4−Pr:フェニル基の4−位に置換するプロピル基
・4−PhO:フェニル基の4−位に置換するフェノキシ基
次に、下記一般式(B−1)で表される化合物(トリアリールアミン誘導体)および下記一般式(B−2)で表される化合物(ベンジジン誘導体)について説明する。
一般式(B−1)中、RB1は、水素原子またはメチル基を示す。n11は1または2を示す。ArB1およびArB2は各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(RB3)=C(RB4)(RB5)、または−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)を示し、RB3乃至RB7はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、または炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。
(一般式(B−2)中、RB8およびRB8’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RB9、RB9’、RB10、およびRB10’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB11)=C(RB12)(RB13)、または−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)を示し、RB11乃至RB15は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を表す。m12、m13、n12およびn13は各々独立に0以上2以下の整数を示す。)
ここで、一般式(B−1)で表されるトリアリールアミン誘導体、および一般式(B−2)で表されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)」を有するトリアリールアミン誘導体、および「−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)」を有するベンジジン誘導体が好ましい。
一般式(B−1)で表されるトリアリールアミン誘導体及び一般式(B−2)で表されるベンジジン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。

感光層の全固形分に対する正孔輸送材料の含有量は、10質量%以上50質量%以下がよく、望ましくは20質量%以上40質量%以下である。
なお、この正孔輸送材料の含有量は、複数種の正孔輸送材料を併用した場合、その正孔輸送材料全体の含有量である。
−電子輸送材料−
電子輸送材料としては、一般式(1)で表される電子輸送材料が適用される。
一般式(1)中、R11、R12.R13.R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
一般式(1)中、R11〜R17が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基等が挙げられる。
これらの中でも、フェニル基が好ましい。
一般式(1)中、R18が示すアルキル基としては、例えば、炭素数5以上10以下の直鎖状のアルキル基、炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数5以上10以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すが示すアラルキル基としては、−R19−Arで示される基が挙げられる。但し、R19は、アルキレン基を示す、Arは、アリール基を示す。
19が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロビレン基、イソプロビレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すが示すアラルキル基として具体的には、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される電子輸送材料として、高感度化、及び黒点の発生を抑制する観点から、R18が炭素数5以上10以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す電子輸送材料が好ましく、特に、R11〜R17が各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、かつ、R18が炭素数5以上10以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す電子輸送材料が好ましい。
以下、一般式(1)で表される電子輸送材料の例示化合物を示すがこれに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(1−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(1−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・Ph:フェニル基
電子輸送材料の感光層の全固形分に対する含有量は、7質量%以上22質量%以下がよく、望ましくは10質量%以上16質量%以下である。
なお、この電子輸送材料の含有量は、一般式(1)で表される電子輸送材料と他の電子輸送材料を併用した場合、その電子輸送材料全体の含有量である。
−その他電荷輸送材料−
上記正孔輸送材料及び特定の電子輸送材料以外にも、機能を損ねない範囲で、他の電荷輸送材料(他の電子輸送材料)を併用してもよい。但し、他の電荷輸送材料は、正孔輸送材料及び電子輸送材料全体に対して10質量%以下で併用することがよい。
他の電荷輸送材料としては、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。これらの他の電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
−正孔輸送材料と電子輸送材料との質量比−
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が望ましく、より望ましくは60/40以上80/20以下である。
なお、本比率は、他の電荷輸送材料を併用した場合、その合計での比率である。
−酸化防止剤−
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤が適用される。フェノール系酸化防止剤は、フェノール環を有する酸化防止剤である。
フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール環を有する酸化防止剤が好適に挙げられる。つまり、フェノール系酸化防止剤としては、例えば、次のものが挙げられる。
1)炭素数4以上8以下のアルキル基(例えば炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基)が少なくとも一つ置換されたフェノール環を一つ有する酸化防止剤。
2)炭素数4以上8以下のアルキル基(例えば炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基)が少なくとも一つ置換されたフェノール環を2つ以上4つ以下有し、且つ直鎖又は分岐状の2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基からなる連結基、又は2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素の結合間に、エステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方が介在した連結基で、2つ以上4つ以下のフェノール環が連結された酸化防止剤。
またフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール環として、フェノール性水酸基に対してオルトの位置が三級アルキル基で置換されたフェノール環を有する化合物が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤が有する前記ヒンダードフェノール環の数としては、例えば1以上4以下が挙げられ、2以上4以下が好ましく、2が最も好ましい。
前記ヒンダードフェノール環を有するフェノール系酸化防止剤としては、例えば、下記一般式(A−1)〜(A−5)で表される化合物等が挙げられる
一般式(A−1)中、R21は炭素数4以上7以下の3級アルキル基を示す。R22及びR23は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状のアルキル基、又は炭素数4以上7以下の3級アルキル基を示す。ただしR22及びR23の少なくとも一方は水素原子である。R24は、置換若しくは無置換の炭素数1以上4以下の直鎖状のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1以上4以下の直鎖状のアルコキシ基、又はヒドロキシ基を示す。
なお、R24における直鎖状のアルキル基及びアルコキシ基を置換する置換基としては、例えば、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、炭素数1以上20以下のアルコキシカルボニル基、フェニル基等が挙げられる。
一般式(A−2)〜(A−4)中、R31は炭素数4以上7以下の3級アルキル基を示す。R32及びR33は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状のアルキル基、又は炭素数4以上7以下の3級アルキル基を示す。ただしR32及びR33の少なくとも一方は水素原子である。L及びLは、各々独立に、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上4以下のアルキレン基、又は2以上の前記直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上7以下のアルキレン基がエステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方を介在して連結された連結基である。
一般式(A−5)中、R41は炭素数4以上7以下の3級アルキル基を示す。R42は、水素原子又は炭素数1以上4以下の直鎖状のアルキル基である。Lは、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上4以下のアルキレン基、又は2以上の前記直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上7以下のアルキレン基がエステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方を介在して連結された連結基である。
一般式(A−2)〜(A−5)中、L〜Lが示す、2以上の前記直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上7以下のアルキレン基がエステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方を介在して連結された連結基としては、例えば、下記一般式(A−6)で表される連結基が挙げられる。
一般式(A−6)中、R51〜R54は、それぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上7以下のアルキレン基を示す。*は連結部を示す。
以下、フェノール系酸化防止剤の例示化合物を示すが、これに限られるわけではない。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、「SUMILIER(登録商標) MDP−S(住友化学(株)製)」、「SUMILIZER(登録商標) GS(住友化学(株)製)、「アデカスタブ A0−30(旭電化工業(株)製)」、「アデカスタブ A0−60(旭電化工業(株)製)」等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤の添加量としては、前記黒点の発生を抑制し易くする点から、電子輸送材料100質量部に対し、1質量部以上100質量部以下が好ましく、5質量部以上50質量部以下がより好ましい。
また、感光層の固形分に対するフェノール系酸化防止剤の含有量は、前記黒点の発生を抑制し易くする点から、例えば、0.5質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは1質量%以上5質量%以下、より好ましくは1質量%以上3質量%以下である。
このフェノール系酸化防止剤の含有量を上記範囲とすることで、黒点の発生を抑制しつつ、前記含有量が多すぎる場合に比べて電子写真感光体の電気特性の低下も抑制される。
−その他添加剤−
単層型の感光層には、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
−単層型の感光層の形成−
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
感光層形成用塗布液を下引層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
単層型の感光層の膜厚は、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下の範囲に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
[帯電装置]
帯電装置20は、電子写真感光体10の表面の電位が前記範囲となるように帯電するものであれば特に限定されない。
帯電装置20としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が挙げられる。また、帯電装置20としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。帯電装置20としては、接触帯電の場合、その押圧により黒点の発生が促進されることがあるため、非接触型帯電器のほうが望ましい。
[露光装置]
露光装置30としては、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体10の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、露光装置30としては、例えばカラー画像形成のためにはマルチビーム出力するタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
[現像装置]
現像装置40は、例えば、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を収容する容器内に、現像領域で電子写真感光体10に対向して配置された現像ロール41が備えられた構成が挙げられる。現像装置40としては、2成分現像剤により現像する装置であれば、特に制限はなく、周知の構成が採用される。
ここで、現像装置40に使用される現像剤は、トナーからなる一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤であってもよい。
[転写装置]
転写装置50としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
[クリーニング装置]
クリーニング装置70は、例えば、筐体71と、クリーニングブレード72と、クリーニングブレード72の電子写真感光体10回転方向下流側に配置されるクリーニングブラシ73と、を含んで構成されている。また、クリーニングブラシ73には、例えば、固形状の潤滑剤74が接触して配置されている。
以下、本実施形態に係る画像形成装置101の動作について説明する。まず、電子写真感光体10が矢印aで示される方向に沿って回転すると同時に、帯電装置20により正に帯電する。
帯電装置20によって表面が正に帯電した電子写真感光体10は、露光装置30により露光され、表面に潜像が形成される。
電子写真感光体10における潜像の形成された部分が現像装置40に近づくと、現像装置40(現像ロール41)により、潜像にトナーが付着し、トナー像が形成される。
トナー像が形成された電子写真感光体10が矢印aに方向にさらに回転すると、転写装置50によりトナー像は記録紙Pに転写される。これにより、記録紙Pにトナー像が形成される。
その後、クリーニング装置70により電子写真感光体10の表面をクリーニングされる。そして、再び、帯電装置20によって、帯電がなされて、次のサイクル(画像プロセス)が行われる。
画像が形成された記録紙Pは、定着装置60でトナー像が定着される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置101は、例えば、図3に示すように、筐体11内に、電子写真感光体10、帯電装置20、露光装置30、現像装置40、及びクリーニング装置70を一体に収容させたプロセスカートリッジ101Aを備えた形態であってもよい。このプロセスカートリッジ101Aは、複数の部材を一体的に収容し、画像形成装置101に脱着させるものである。
プロセスカートリッジ101Aの構成は、これに限られず、例えば、少なくとも、電子写真感光体10を備えてえればよく、その他、例えば、帯電装置20、露光装置30、現像装置40、及びクリーニング装置70から選択される少なくとも一つを備えていてもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限られず、例えば、電子写真感光体10の周囲であって、転写装置50よりも電子写真感光体10の回転方向下流側でクリーニング装置70よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、残留したトナーの極性を揃え、クリーニングブラシで除去しやすくするための第1除電装置を設けた形態であってもよいし、クリーニング装置70よりも電子写真感光体の回転方向下流側で帯電装置20よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、電子写真感光体10の表面を除電する第2除電装置を設けた形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限れず、周知の構成、例えば、電子写真感光体10に形成したトナー像を中間転写体に転写した後、記録紙Pに転写する中間転写方式の画像形成装置を採用してもよいし、タンデム方式の画像形成装置を採用してもよい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<感光体1の作製>
電荷発生材料としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料 2質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万) 53質量部と、酸化防止剤として前記式(2)で表される化合物 1質量部と、テトラヒドロフラン
250質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて5時間分散し、分散液を得た。
得られた分散液に、正孔輸送材料として一般式(4)で表される例示化合物(4−1)(表1及び表2中「T−1」と表記) 32質量部と、電子輸送材料として一般式(1)で表される例示化合物(1−2)(表1及び表2中「I−1」と表記) 14質量部と、を添加し、さらに12時間攪拌して、感光層形成用塗布液を得た。
この感光層形成用塗布液を浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ244.5mmのアルミニウム基材上に塗布し、140℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ26μmの単層型の感光層を形成した。
以上の工程を経て、電子写真感光体(感光体1)を作製した。
<感光体2〜20の作製>
表1〜表2に従って、電荷発生材料、結着樹脂、酸化防止剤、正孔輸送材料、及び電子輸送材料の種類及び量を変更した以外は、感光体1と同様にして、感光体2〜20を作製した。
なお、表1中の「部」は質量部を示している。
<実施例1〜18、比較例1〜5>
(初期画像評価)
表3に従って、得られた電子写真感光体(感光体1〜感光体20)をBrother社製の画像形成装置(JUSTIO HL2270DW)に搭載し、帯電電位(帯電装置によって帯電された電子写真感光体の表面における電位)及び現像電位(現像ロールに印加される電位で、露光された後の電子写真感光体の表面電位と現像電位の電位差によって現像されるトナー量がコントロールされる電位)が表3に示す値になるように電位設定を行った画像形成装置について、以下の初期画像評価を行った。結果を表3に示す。
具体的には、上記画像形成装置を用い、室温22℃湿度55%の環境下で20%ハーフトーン及びベタ黒の画像を形成し、分光測色計(X−Rite938)を用いて画像濃度(Dout)を測定し、以下の基準で評価した。
−20%ハーフトーン画像の評価基準−
A:0.15<Dout≦0.25
B:0.1<Dout≦0.15 又は 0.25<Dout≦0.3
C:Dout≦0.1 又は 0.3<Dout
−ベタ黒画像の評価基準−
A:1.4≦Dout
B:1.35≦Dout<1.4
C:1.3≦Dout<1.35
D:Dout<1.3
(維持性評価)
表3に従って、得られた電子写真感光体(感光体1〜感光体20)をBrother社製の画像形成装置(HL2270DW)に搭載し、帯電電位及び現像電位が表3に示す値になるように電位設定を行った画像形成装置について、以下の維持性評価を行った。結果を表3に示す。
−画質維持性評価−
具体的には、上記画像形成装置を用い、室温28℃湿度85%の環境下で、画像密度4%の画像を2000枚形成し、その後12時間放置した後、50%ハーフトーン画像を形成し、画像の黒点発生個数を数え、以下の基準で評価を行った。なお、黒点の個数については、電子写真感光体1週分の画像における黒点の個数を数え、以下の基準で評価した。
−画質維持性(黒点)の評価基準−
A:Φ0.3mm未満の黒点が5個以下、かつ、Φ0.3mm以上の黒点未発生
B:Φ0.3mm未満の黒点が5個以下、かつ、Φ0.3mm以上0.5mm以下の黒点が1個以下
C:Φ0.3mm未満の黒点が8個以下、かつ、Φ0.3mm以上0.5mm以下の黒点が3個以下
D:Φ0.3mm未満の黒点が0個以上、Φ0.3mm以上0.5mm未満の黒点が4個以上、又はΦ0.5mm以上の黒点が発生
−電位維持性評価−
上記画像形成装置をさらに電位測定用に改造した。具体的には、現像装置の代わりに電子写真感光体と正対するように表面電位測定プローブ(トレック社、Model 555P−1)を設置し、表面電位計(トレック社製、トレック334)と接続し電位測定を行った。次に、室温28℃湿度85%の環境下で、ベタ濃度出力時の感光体表面電位(露光装置によってベタ濃度の潜像が形成された感光体の表面電位)を測定し、これを露光後電位VLとした。
上記露光後電位VLの測定を、前記画像維持性評価の前後において行い、その差ΔVLを求め、以下の基準で評価した。
−電位維持性の評価基準−
A:ΔVL≦10V
B:10V<ΔVL≦20V
C:20V<ΔVL


上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、初期画質評価及び画質の維持性評価について良好な結果が得られていることがわかる。
これにより、本実施例では、比較例に比べ、目的とする画像濃度が得られやすく、かつ、繰り返し使用しても画像に意図しない黒点が発生しにくいことがわかる。
以下、表1〜表2中の略称の詳細について示す。
−電荷発生材料−
・ヒドロキシガリウムフタロシアニン: Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m/g)
・クロロガリウムフタロシアニン: Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=780nm、平均粒径=0.15μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=56m/g)
−結着樹脂−
・ビスフェノールZポリカーボネート: ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万)
−酸化防止剤−
・式(2): 前記式(2)で表される化合物(MDPS)
・式(3): 前記式(3)で表される化合物(SUMILIER(登録商標) GA−80、住友化学(株)製)
・P−1: 前記フェノール系酸化防止剤の例示化合物(P−1)
・P−4: 前記フェノール系酸化防止剤の例示化合物(P−4)
・P−3: 前記フェノール系酸化防止剤の例示化合物(P−3)
・式(C−1): 下記式(C−1)で表される化合物
・式(C−2): 下記式(C−2)で表される化合物
−正孔輸送材料−
・T−1: 前記一般式(4)で表される正孔輸送材料の例示化合物(4−1)
・T−2: 前記一般式(B−2)で表されるベンジジン誘導体の例示化合物(HT−1)
・T−3: 前記一般式(B−1)で表されるトリアリールアミン誘導体の例示化合物(HT−4)
−電子輸送材料−
・I−1: 一般式(1)で表される電子輸送材料の例示化合物(1−2)
・I−2: 一般式(1)で表される電子輸送材料の例示化合物(1−14)
・I−3: 一般式(1)で表される電子輸送材料の例示化合物(1−15)
・I−4: 下記式(C−3)で表される電子輸送材料
1 下引層、2 感光層、3 保護層、4 導電性基体、10 電子写真感光体、11 筐体、20 帯電装置、30 露光装置、40 現像装置、41 現像ロール、50 転写装置、60 定着装置、70 クリーニング装置、71 筐体、72 クリーニングブレード、73 クリーニングブラシ、74 潤滑剤、101A プロセスカートリッジ、101 画像形成装置、P 記録紙

Claims (5)

  1. 導電性基体と前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層とを有し、前記感光層が結着樹脂とヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と正孔輸送材料と下記一般式(1)で表される電子輸送材料とフェノール系酸化防止剤とを含む電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を800V以上1200V以下に帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備えた画像形成装置。

    (一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
  2. 前記フェノール系酸化防止剤は、下記式(2)で表される酸化防止剤を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記フェノール系酸化防止剤は、下記式(3)で表される酸化防止剤を含む、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記正孔輸送材料は、下記一般式(4)で表される正孔輸送材料である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

    (一般式(4)中、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を示す。m及びnは、各々独立に、0又は1を示す。)
  5. 導電性基体と前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層とを有し、前記感光層が結着樹脂とヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と正孔輸送材料と下記一般式(1)で表される電子輸送材料とフェノール系酸化防止剤とを含む電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を800V以上1200V以下に帯電する帯電手段と、
    を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。

    (一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
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