JP6724655B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、導電性基体と感光層とを備えた電子写真感光体であって、前記感光層が、特定の一般式で表されるアントラキノン誘導体を含有する電子写真感光体が開示されている。
<1>
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料と、水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物と、を含む感光層と、
を有する電子写真感光体である。
前記水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物が、下記一般式(1−1)で表されるプルプリン誘導体である<1>に記載の電子写真感光体である。
前記電荷発生材料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含む<1>又は<2>に記載の電子写真感光体である。
<1>〜<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
<1>〜<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体を備え、導電性基体上に単層型の感光層を有する正帯電有機感光体(以下、単に「感光体」又は「単層型感光体」と称することがある)である。
そして、単層型の感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料とを含有し、さらに、水酸基を有するアントラキノン構造を有する化合物を含有する。
単層型感光体は、その単層型の感光層内に、電荷発生材料と正孔輸送材料と電子輸送材料とを含有する構成であり、帯電の機能と光感度発現の機能とを同一層内で行うため、積層型感光体ほどの光感度は得られにくい。しかしながら、従来よりも高画質化が求められていることに伴い、単層型感光体にはさらなる高い光感度が求められている。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体7の一部の断面を概略的に示している。
図1に示した電子写真感光体7は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、下引層1及び単層型の感光層2がこの順で設けられて構成されている。
なお、下引層1は、必要に応じて設けられる層である。すなわち、単層型の感光層2は、導電性基体3上に直接設けられていてもよく、下引層1を介して設けられてもよい。
また、必要に応じてその他の層を設けてもよい。具体的には、例えば、必要に応じて、単層型の感光層2上に保護層を設けてもよい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
単層型の感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料と、水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物とを含む。単層型の感光層は、必要に応じてその他添加剤を含んでもよい。
水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物中の水素の少なくとも一つが水酸基に置換されている化合物であれば、特に限定されるものではない。例えば、水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物としては、アリザリン構造を有する化合物(アリザリン誘導体)、キニザリン構造を有する化合物(キニザリン誘導体)、アントラルフィン構造を有する化合物(アントラルフィン誘導体)、プルプリン構造を有する化合物(プルプリン誘導体)等の水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物(水酸基を持つアントラキノン誘導体)が挙げられる。水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、一般式(1)で表される水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物であることがよい。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
L9が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
R10が示すアルキル基としては、上記R1〜R7が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
なお、R8が示すアリール基は、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基であることが、溶解性の観点で好ましい。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、R1〜R7が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
L91が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基エチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(1−1)で表されるプルプリン誘導体のうち、R11が炭素数1以上10以下の直鎖状または分岐状のアルキル基、又は−L9−O−R10で示される基である化合物が、高感度化の点でより好ましい。
・Ph:フェニル基
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、特に、感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂がよい。
なお、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の測定方法としては、例えば、次の方法により測定される。樹脂1gをメチレンクロライド100cm3に溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、その比粘度ηspを測定し、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕2cの関係式(ただしcは濃度(g/cm3)より極限粘度〔η〕(cm3/g)をもとめ、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10−4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
電荷発生材料としては、特に制限はないが、例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、チタニルフタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、感光体の高感度化の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよく、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がさらに好ましい。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積が45m2/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される場合がある。そして、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい場合があり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子輸送材料は、電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、9−ジシアノメチレン−9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル、9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’−ジ−tert−ペンチル-ジナフトキノン等のジナフトキノン化合物;3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、この電子輸送材料の含有量は、2種以上の電子輸送材料を併用した場合、それらの電子輸送材料全体の含有量である。
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が好ましく、より好ましくは60/40以上80/20以下である。
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
−感光層の形成−
電荷発生材料として下記表1、表2に示す電荷発生材料1.5質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万)54.5質量部と、電子輸送材料として下記表1に示す電子輸送材料8.0質量部と、正孔輸送材料として下記表1に示す正孔輸送材料36質量部と、水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物(表1中、AQ化合物と表記)として、下記表1に示す水酸基を有するアントラキノン構造を有する化合物0.075質量部(電荷発生材料の固形分に対して5質量%)と、溶媒としてのテトラヒドロフラン250質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散し、感光層形成用塗布液を得た。
以上の工程を経て、実施例1の電子写真感光体を作製した。
表1、表2にしたがって、電荷発生材料の種類、電子輸送材料の種類、水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物の種類と量を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の電子写真感光体を作製した。ただし、各成分の量の変更を変更する場合、感光層の固形分が100質量部となるように各種材料の量(部数)を増減した。
得られた各電子写真感光体について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
感光層の形成に用いた感光層形成用塗布液30mlを透明瓶に入れ、密栓状態で静置保管した。1週間後、目視にて液面を観察して以下の基準で分散液の安定性を評価した。
A:目視で観察して電荷発生材料の沈降もガラス壁面のザラつきもなく良好
B:上澄み部分が僅かに透明感があり若干の沈降が見られるものの、ガラス壁面のザラつきは無く実用上問題なし
C:沈降により明らかに上澄みが透明で、ガラス壁面にザラつきがある
得られ
た電子写真感光体の表面(外周面)を、キーエンス(株)製デジタルマイクロスコープVHX−200を用い、倍率700倍で観察を行い、下記写真の指標で電荷発生材料の分散性を評価した。
A:均一に電荷発生材料が分散しており、全く問題ないレベル
B:写真Aに比べるとやや電荷発生材料の凝集が確認されるものの許容されるレベル
C:明らかな電荷発生材料の凝集が見られるレベル
感光体の感度の評価は、+800Vに帯電させた時の半減露光量として、評価した。具体的には、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電気社製)を用いて、20℃、40%RHの環境下、+800Vに帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2になるように調整して、照射した。そして、帯電直後における感光体表面の表面電位Vo(V)、感光体表面の光照射により表面電位が1/2×Vo(V)となる半減露光量E1/2(μJ/cm2)を測定した。評価基準は、以下の通りである。
A:半減露光量が0.15μJ/cm2以下であった。
B:半減露光量が0.15μJ/cm2を超え0.18μJ/cm2以下であった。
C:半減露光量が0.18μJ/cm2を超え0.20μJ/cm2以下であった。
D:半減露光量が0.20μJ/cm2を超えていた。
得られた電子写真感光体を画像形成装置(Brother社製、HL-2240D)に搭載し、A3サイズの用紙に、画像濃度50%の全面ハーフトーン画像(Cyan)を1枚出力した。そして、出力した全面ハーフトーン画像を観察し、目的とする画像濃度が出力されているかを調べ、下記基準で評価した。画像出力は全て28℃、85%RHの環境下で実施した。
A:良好
B:僅かに薄い
C:やや薄い
D:薄い
・CG−2:クロロガリウムフタロシアニン顔料。CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有する。600nmから900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長780nm、平均粒径0.15μm、最大粒径0.2μm、BET比表面積56m2/g。
・ET−2: 下記構造の電子輸送材料ETM2
・ET−3: 下記構造の電子輸送材料ETM3
・HT−12:下記構造の正孔輸送材料HTM
・AQ−2: 一般式(1)で表される水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物の例示化合物(1−2)
・AQ−3: 一般式(1)で表される水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物の例示化合物(1−3)
・AQ−4: 一般式(1)で表される水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物の例示化合物(1−4)
・AQ−13: 一般式(1)で表される水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物の例示化合物(1−13)
・AQ: アントラキノン(下記構造で表される化合物)
Claims (5)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料と、下記一般式(1−1)で表されるプルプリン誘導体と、を含む感光層と、
を有する電子写真感光体。
(一般式(1−1)中、R11 は炭素数2以上12以下の直鎖状アルキル基、炭素数3以上10以下の分岐状アルキル基、−L9−O−R10、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、L9はアルキレン基を示し、R10はアルキル基を表す。) - 前記一般式(1−1)中、R11 は炭素数2以上12以下の直鎖状アルキル基、炭素数3以上10以下の分岐状アルキル基、−L9−O−R10 、又はアラルキル基を表し、L 9 はアルキレン基を示し、R10はアルキル基を表す、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生材料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含む請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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