JP2016062061A - 電子輸送材料、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項1に係る発明は、
下記一般式(1)で示される電子輸送材料。
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、請求項1に記載の電子輸送材料を含有する感光層と、を有する電子写真感光体。
請求項2に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
本実施形態に係る電子輸送材料は、下記一般式(1)で示される電子輸送材料である。
外部からの刺激による影響とは、例えば、フルオレノン誘導体を含む組成物の系に外部から熱や圧力等の刺激を与えることにより、フルオレノン誘導体の分子が系内で凝集や拡散すること等が挙げられる。そして、フルオレノン誘導体の分子が系内で凝集や拡散しやすい場合は、外部からの熱や圧力等の刺激に応じて系内におけるフルオレノン誘導体の分布が偏ることが考えられる。
すなわち、本実施形態の電子輸送材料によれば、電子輸送能に加えて、樹脂への相溶性向上及び膜のモルホロジー変化抑制が共に実現される。そして、本実施形態の電子輸送材料を含む樹脂層を感光層として用いた電子写真感光体を用いると、画像のかすれが生じにくく、帯電維持性も良好となる。
以下、本実施形態の電子輸送材料について詳細に説明する。
Ar16が示す置換又は未置換のアリール基は、前記一般式(1)中、R1〜R7が示すアリール基と同様のものが挙げられ、アリール基が有する置換基についても同様である。
また一般式(1)中のR1〜R7の組み合わせとしては、例えば、R1〜R7のすべてが水素原子である組み合わせ、R1〜R7のうち6つが水素原子であり1つが水素原子以外の基である組み合わせ、R1〜R7のうち5つが水素原子であり2つが水素原子以外の基である組み合わせ等が挙げられる。
R17が示すアルキレン基としては、前記−R15−Ar16で示される基のR15と同様のものが挙げられる。R17が示すアルキレン基の炭素数は、膜のモルホロジー変化抑制の観点で、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。
Ar18が示すアリール基としては、前記−R15−Ar16で示される基のAr16と同様のものが挙げられる。
一般式(1)中、R8〜R10が示すアラルキル基の具体的も、前記R1〜R7が示すアラルキル基の具体例と同様である。
R11が示す炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン基は、例えば、前記−R15−Ar16で示される基のR15が示すアルキレン基の具体例と同様のものが挙げられる。R11が示すアルキレン基の炭素数は、1以上10以下が好ましい。また、R11が示すアルキレン基は、炭素数1以上10以下の分岐状のアルキレン基が好ましい。
R8〜R10が示す−R11−O−R12で示される基としては、これらの中でも、メトキシメチル基、エトシキメチル基、フェノキシメチル基が好ましい。
R13が示す炭素数1以上10以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基は、例えば、前記−R15−Ar16で示される基のR15が示すアルキレン基の具体例と同様のものが挙げられる。R13が示すアルキレン基の炭素数は、1以上10以下が好ましい。また、R13が示すアルキレン基は、炭素数1以上6以下の分岐状のアルキレン基が好ましい。
R14が示すアリール基は、例えば、前記−R15−Ar16で示される基のAr16が示すアリール基の具体例と同様のものが挙げられる。アリール基に導入される置換基、好ましい基等についても、前記−R15−Ar16で示される基のAr16が示すアリール基と同様である。
R14が示すアラルキル基は、例えば、R8〜R10が示すアラルキル基の具体例と同様のものが挙げられる。好ましい基についても前記R8〜R10が示すアラルキル基と同様である。
R8〜R10が示す−R13−CO−O−R14で示される基としては、これらの中でも、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル基、が好ましい。
また、一般式(1)中のR8及びR9が水素原子以外の基(R10は水素原子又は水素原子以外の基)であることが好ましく、R10が水素原子でありR8及びR9が水素原子以外の基であることがより好ましい。
なお、下記表中の「R10の位置」における「o−位」は、R10がベンゼン環の6位に結合していることを示し、「R10の位置」における「m−位」は、R10がベンゼン環の5位に結合していることを示す。
一般式(1)で表される電子輸送材料は、公知の方法によって合成される。
一例として、一般式(1)で表される電子輸送材料のうち、Xが酸素原子又は=C(CN)2であり、R1〜R7がいずれも水素原子であり、R8及びR9がメチル基であり、R10が水素原子である化合物の合成方法を以下に示すが、これに限られるものではない。
・経路2):得られた酸クロリドに、フェノール誘導体(例えば、2,4−キシレノール)を塩基触媒(例えばピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン等)存在下で反応させることにより、一般式(1)のXが酸素原子である化合物が得られる。
・経路3)一般式(1)のXが酸素原子である化合物にマロノニトリルを添加し、上記経路2)と同様の塩基触媒存在下で反応させることで、一般式(1)のXがジジアノメチレン基(=C(CN)2)である化合物が得られる。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層と、を有し、感光層が前記一般式(1)で示される電子輸送材料(以下、「特定電子輸送材料」と称することがある)を含有する。
ここで、上記感光層は、電荷輸送能と電荷発生能とを併せ持つ機能一体型の感光層(単層型の感光層)であってもよいし、電荷輸送層と電荷発生層とを含む機能分離型の感光層であってもよい。なお、機能分離型の感光層においては、電荷輸送層に特定電子輸送材料が含まれる。
図1に示した電子写真感光体10は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、下引層1及び単層型の感光層2がこの順で設けられて構成されている。
なお、下引層1は、必要に応じて設けられる層である。すなわち、単層型の感光層2は、導電性基体3上に直接設けられていてもよく、下引層1を介して設けられてもよい。
また、必要に応じてその他の層を設けてもよい。具体的には、例えば、必要に応じて、単層型の感光層2上に保護層を設けてもよい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
単層型の感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含み、必要に応じてその他添加剤を含んでもよい。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
更に、感光層の成膜性の観点から、結着樹脂として、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂及び粘度平均分子量30000以上80000以下のポリアリレート樹脂がよい。
電荷発生材料としては、これら顔料を単独で用いてもよいが、必要に応じて併用してもよい。そして、電荷発生材料としては、感光体の高感度化、及び画像の点欠陥抑制の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m2/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される場合がある。そして、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい場合があり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
正孔輸送材料としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の化合物が挙げられる。これらの正孔輸送材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
電子輸送材料としては、少なくとも前記一般式(1)で表される電子輸送材料が用いられるが、単独で用いてもよく、機能を損ねない範囲で、必要に応じてその他の電子輸送材料と併用してもよい。
感光層の全固形分に対する前記一般式(1)で表される電子輸送材料の含有量は、1質量%以上30質量%以下がよく、望ましくは5質量%以上20質量%以下である。感光体の全固形分に対する前記一般式(1)で表される電子輸送材料の含有量が前記範囲であることにより、前記範囲よりも少ない場合に比べて感光体の電気特性が良好となり、前記範囲よりも多い場合に比べて、形成された画像にかぶりや色点が生じにくくなる。
なお、電子輸送材料としてその他の電子輸送材料を用いる場合は、その他の電子輸送材料を電子輸送材料全体に対して50質量%以下で併用することがよい。
その他の電子輸送材料の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
なお、本比率における「電子輸送材料」とは、他の電子輸送材料を併用した場合、その合計である。
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
<合成例1>
・例示化合物(1−36)の合成
9−フルオレノン−4−カルボン酸25gに塩化チオニル150mlを加え、80℃にて6時間加熱撹拌をした。室温(25℃)まで冷却後、n−ヘキサン150mlを加え、析出した結晶をろ過し、9−フルオレノン−4−カルボン酸クロリドを23g(収率86%)得た。次に、2,4−ジ−t−ペンチルフェノール15.5g、トルエン150ml、トリエチルアミン6.7gを混合した溶液に、先で得られた9−フルオレノン−4−カルボン酸クロリド14.5gを加え、室温(25℃)で48時間撹拌した。反応物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物である例示化合物(1−36)22gを得た。得られた例示化合物(1−36)の融点は164〜167℃であった。また、得られた例示化合物(1−36)のIRスペクトル(赤外吸収スペクトル)を図4に示す。
・例示化合物(1−37)の合成
合成例1の2,4−ジ−t−ペンチルフェノール15.5gを、2,4−ビス(α,α―ジメチルベンジル)フェノール21.8gに変えた以外は、合成例1と同様に合成し、目的物である例示化合物(1−37)22gを得た。得られた例示化合物(1−37)の融点は174〜175℃であった。また、得られた例示化合物(1−37)のIRスペクトル(赤外吸収スペクトル)を図5に示す。
・例示化合物(1−11)の合成
合成例1で得られた例示化合物(1−36)9.9gを酢酸エチル150mlに加温溶解し、マロノニトリル2.3g、ピペリジン0.2gを加え、50℃にて5時間撹拌した。析出した結晶をろ過し、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物である例示化合物(1−11)9.0gを得た。得られた例示化合物(1−11)の融点は198〜200℃であった。また、得られた例示化合物(1−11)のIRスペクトル(赤外吸収スペクトル)を図6に示す。
・例示化合物(1−12)の合成
合成例2で得られた例示化合物(1−37)8.8gを酢酸エチル150mlに加温溶解し、マロノニトリル2.3g、ピペリジン0.2gを加え、50℃にて5時間撹拌した。析出した結晶をろ過し、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物である例示化合物(1−12)9.2gを得た。得られた例示化合物(1−12)の融点は227〜230℃であった。また、得られた例示化合物(1−12)のIRスペクトル(赤外吸収スペクトル)を図7に示す。
・下記比較化合物1の合成
合成例1の2,4−ジ−t−ペンチルフェノールを、フェノールに変えた以外は、合成例1と同様に合成し、比較化合物1を得た。得られた比較化合物1の融点は198〜199℃であった。また、得られた比較化合物1の赤外吸収スペクトルを図8に示す。
・下記比較化合物2〜5の合成
比較合成例1のフェノールを、それぞれ対応する化合物に代えた以外は、比較合成例1と同様に合成し、それぞれ比較化合物2〜5を得た。
<実施例1>
−下引層の形成−
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBE502:信越化学工業製)1.2質量部を添加し、2時間攪拌した。その後テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
電荷発生物質として下記表1に示すヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料2質量部と、結着樹脂として下記構造を有する共重合型ポリカーボネート樹脂(A)(粘度平均分子量:5万)49質量部と、溶媒としてテトラヒドロフラン200質量部と、溶媒としてモノクロロベンゼン100質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて3時間分散し、分散液を得た。
以上の工程を経て、電子写真感光体を作製した。
表1に従って、下引層の有無、感光層形成用塗布液に用いる電荷発生材料の種類、正孔輸送材料の種類、及び電子輸送材料の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電荷発生材料−
・HOGaPC:ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型):Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m2/g)
・HT−7: 一般式(B−1)で表される化合物の例示化合物(HT−7)
・HT−4: 一般式(B−1)で表される化合物の例示化合物(HT−4)
・HT−1: 一般式(B−2)で表される化合物の例示化合物(HT−1)
・1−11: 合成例3で得られた例示化合物(1−11)
・1−12: 合成例4で得られた例示化合物(1−12)
・1−36: 合成例1で得られた例示化合物(1−36)
・1−37: 合成例2で得られた例示化合物(1−37)
・比較化合物1: 比較合成例1で得られた比較化合物1
・比較化合物2: 比較合成例2で得られた比較化合物2
・比較化合物3: 比較合成例3で得られた比較化合物3
・比較化合物4: 比較合成例4で得られた比較化合物4
・比較化合物5: 比較合成例5で得られた比較化合物5
得られた各電子写真感光体について、以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
室温28℃、湿度85%の環境下で、Brother社製HL2270DWを用い、100%黒ベタ画像を5000枚形成し、5000枚目の画像のかすれ発生の有無を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:かすれ発生なし(目視でかすれが確認されない)
B:用紙横短部に若干のかすれが目視で確認される
C:明らかに白いかすれが発生
室温28℃、湿度85%の環境下で、Brother社製HL2270DWを用い、100%黒ベタ画像を2万枚形成し、2万枚の画像を形成する前後において帯電電位を測定し、画像形成による帯電電位の降下を以下の基準で評価した。
なお、上記帯電電位は、HL2270DW内部の現像器を電位プローブに付け替える改良を加えた装置によって帯電され露光される前における電子写真感光体表面の電位を測定することで求めた。
A:帯電電位の降下が35V以下である
B:帯電電位の降下が35Vより大きく50V以下である
C:帯電電位の降下が50Vより大きい
Claims (4)
- 下記一般式(1)で示される電子輸送材料。
(一般式(1)中、Xは、酸素原子又は=C(CN)2を示す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R8、R9、及びR10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−R11−O−R12、又は−R13−CO−O−R14を示す。R11は、炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R12は、炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。R13は、単結合又は炭素数1以上10以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。R14は、炭素数1以上10以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。但し、R8、R9、及びR10のうち少なくとも2つ以上は、水素原子以外の基を示す。) - 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、請求項1に記載の電子輸送材料を含有する感光層と、を有する電子写真感光体。
- 請求項2に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項2に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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