JP6699264B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、導電性基体上に直接または下引き層を介して単層の有機感光層を設けてなり、該感光層は少なくとも粒子状で分散された電荷発生顔料と特定のフルオレノン構造を有する有機アクセプタ性化合物を含有する潜像転写用電子写真感光体が開示されている。
特許文献2には、導電性基体上に感光層を形成し、前記感光層が電化発生剤としてフタロシアニン系化合物、電子輸送剤として特定の構造を有するターフェニル化合物を含有することを特徴とする正帯電単層型電子写真感光体が開示されている。
特許文献3には、導電性基体上に、直接あるいは下引き層を介して、少なくとも樹脂バインダーと電荷発生物質と正孔輸送物質と電子輸送物質とを含有する単層型感光層を有する電子写真用感光体において、該感光層中に、ビフェニル誘導体を含有することを特徴とする電子写真用感光体が開示されている。
特許文献4には、支持基体と支持基体上の単層とを含む光導電性撮像部材であって、前記単層が、光発生成分、電荷輸送成分、電子輸送成分、及びバインダーの混合物を含み、前記電子輸送成分が、(4−カルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルの2−エチルヘキサノール誘導体を含むことを特徴とする光導電性撮像部材が開示されている。
特開平07−287407号公報 特開2001−242656号公報 特開2000−314969号公報 特開2005−215677号公報
単層型の感光層を有する単層型の感光体では、1層(単層型の感光層)に、正孔を輸送する機能と電子を輸送する機能との両方の機能を持たせる必要があるため、例えば、単層型の感光層に正孔輸送材料と電子輸送材料との両方を含有させる。この場合、1層(単層型の感光層)に複数種の材料が含まれるため、含まれる材料すべてを、単層型の感光層に結着樹脂として用いる樹脂と相溶させることは難しい。特に、電子輸送材料が結着樹脂と相溶しにくいことが多く、その場合、電子写真感光体を使用するにつれて電子輸送材料の凝集や局所的な結晶化が起こり、それに伴って感光層に割れが生じることがある。
本発明の課題は、結着樹脂であるポリカーボネートZ樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料である一般式(B−2)で表される化合物の例示化合物(HT−1)と、電子輸送材料と、のみを含む単層型の感光層を有する電子写真感光体に比べ、感光層の割れの発生を抑制した電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、電荷発生材料と下記一般式(1)で表される化合物と電子輸送材料とを含む感光層と、
を有する電子写真感光体である。
前記一般式(1)中、Aは、各々独立に、下記一般式(1−1)又は下記一般式(1−2)で示される基を示し、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアラルキル基を示し、Yは、各々独立に、置換又は未置換の2価の炭化水素基を示し、mは、各々独立に、1以上5以下の整数を示し、pは、5以上5000以下の整数を示す。
前記一般式(1−1)及び前記一般式(1−2)中、Arは、各々独立に、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換の1価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の1価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の1価の芳香族複素環基を示し、Xは、置換若しくは未置換のフェニレン基、置換若しくは未置換の2価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の2価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環基を示し、Tは、各々独立に、炭素数1以上6以下の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数2以上10以下の2価の分枝鎖状炭化水素基を示し、nは、各々独立に、0以上3以下の整数を示し、kは、各々独立に、0又は1を示す。
に係る発明は、
前記電子輸送材料は、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、及び下記一般式(5)で表される化合物の少なくとも1種を含む、に記載の電子写真感光体である。
前記一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L41−O−R42、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L41はアルキレン基を示し、R42はアルキル基を示す。
前記一般式(3)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、及びR27は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R28は、アルキル基、−L51−O−R52、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L51はアルキレン基を示し、R52はアルキル基を示す。
前記一般式(4)中、R29、R30、R31、及びR32は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
前記一般式(5)中、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、及びR40は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を示す。
に係る発明は、
前記感光層は、前記一般式(1)で表される化合物以外の正孔輸送材料をさらに含む又はに記載の電子写真感光体である。
に係る発明は、
前記感光層は、前記一般式(1)で表される化合物以外の樹脂をさらに含むのいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
に係る発明は、
のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
に係る発明は、
のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
、又はに係る発明によれば、結着樹脂であるポリカーボネートZ樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料である一般式(B−2)で表される化合物の例示化合物(HT−1)と、電子輸送材料と、のみを含む単層型の感光層を有する電子写真感光体に比べ、感光層の割れの発生を抑制した電子写真感光体が提供される。
に係る発明によれば、結着樹脂であるポリカーボネートZ樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料である一般式(B−2)で表される化合物の例示化合物(HT−1)と、電子輸送材料である一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物、及び一般式(5)で表される化合物の少なくとも1種と、のみを含む単層型の感光層を有する電子写真感光体に比べ、感光層の割れの発生を抑制した電子写真感光体が提供される。
又はに係る発明によれば、結着樹脂であるポリカーボネートZ樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料である一般式(B−2)で表される化合物の例示化合物(HT−1)と、電子輸送材料と、のみを含む単層型の感光層を有する電子写真感光体を備える場合に比べ、電子写真感光体の感光層の割れに起因する画像欠陥を抑制したプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体を備え、導電性基体上に単層型の感光層を有する正帯電有機感光体(以下、単に「感光体」又は「単層型感光体」と称することがある)である。
そして単層型の感光層は、電荷発生材料と、一般式(1)で表される化合物(以下「式(1)の電荷輸送材料」ともいう)と、電子輸送材料と、を含む。
なお、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
本実施形態に係る感光体は、上記構成により、感光層の割れの発生が抑制される。この理由は、次のように推測される。
単層型の感光層を有する単層型感光体では、1層(単層型の感光層)に、正孔を輸送する機能と電子を輸送する機能との両方の機能を持たせる必要がある。そして、両方の機能を発揮させるためには、例えば、単層型の感光層に、正孔輸送材料と電子輸送材料との両方を当量に近い割合で含有させる。このように、1層(単層型の感光層)に複数種の材料を含有させると、これらの材料すべてを、単層型の感光層に結着樹脂として用いる樹脂と相溶させることが難しくなる。
特に、単層型の感光層に含有させる材料の中でも、電子輸送材料が結着樹脂と相溶しにくいことが多い。電子輸送材料が結着樹脂と相溶しにくい場合、感光層の内部に電子輸送材料が多く含まれていると、電子写真感光体を使用するにつれて電子輸送材料が感光層の内部で電場の影響を受け、電子輸送材料の凝集や局所的な結晶化が起こることが考えられる。そして、感光層の内部で電子輸送材料が凝集したり結晶化したりした状態で感光体を使用し続けると、例えば感光体の表面で膜化(フィルミング)したトナーに含まれる添加剤や水分等の影響で、感光体の感光層に割れ(以下「クラック」ともいう)が生じやすくなる。さらに、感光層にクラックが生じた感光体を用いて画像形成を行うと、クラックがさらに成長したり、クラックを起点として他の傷が発生したりすることで、成長したクラックに起因する黒点や、発生した他の傷に起因するかすれ等の画像欠陥が生じる場合がある。
これに対して本実施形態では、単層型の感光層が式(1)の電荷輸送材料(一般式(1)で表される化合物)を含む。
ここで、式(1)の電荷輸送材料は、正孔輸送能を有する高分子化合物(すなわち正孔輸送性樹脂)であり、結着樹脂としての機能と正孔輸送材料としての機能とを兼ね備えた化合物である。
すなわち、本実施形態では、結着樹脂の少なくとも一部として正孔輸送能を有する式(1)の電荷輸送材料を用いているため、正孔輸送能を有さない樹脂のみを用いた場合に比べ、電子輸送材料の樹脂への親和性が高い。そのため、感光層の内部において、電子輸送材料の分散性が高く、電子輸送材料の凝集及び結晶化が抑制され、これに起因した感光層の割れが生じにくくなると考えられる。
また、本実施形態では、高分子化合物である式(1)の電荷輸送材料が正孔輸送材料の少なくとも一部として用いられているため、正孔輸送材料として低分子化合物のみを用いた場合に比べて感光層の機械的耐久性が高くなると考えられる。そのため、感光層の割れが抑制されると考えられる。
以上の理由により、本実施形態に係る電子写真感光体は、感光層の割れの発生を抑制すると推測される。
そして本実施形態では、上記のように、感光層に含まれる電荷輸送材料の凝集や結晶化に起因した感光層における割れが抑制されるため、感光層の割れに起因した画像欠陥も抑制される。
また、式(1)の電荷輸送材料は嵩高い分子構造を有している。そのため、特に感光層が他の正孔輸送材料を含む場合、式(1)の電荷輸送材料が存在することで、他の正孔輸送材料と電子輸送材料との複合体(他の正孔輸送材料と電子輸送材料との錯体)が形成されにくくなる。正孔輸送材料と電子輸送材料との複合体が形成されると、局所的な通電による画像欠陥が生じる場合がある。しかし、本実施形態では、式(1)の電荷輸送材料を含むことにより、上記複合体の形成が抑制され、複合体に起因する画像欠陥も抑制されていると考えられる。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る電子写真感光体を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例として、電子写真感光体7Aの一部の断面を概略的に示す概略部分断面図である。
図1に示した電子写真感光体7Aは、例えば、導電性基体1を備え、導電性基体1上に単層型の感光層2が設けられて構成されている。
なお、電子写真感光体7Aは、必要に応じてその他の層を設けてもよい。必要に応じて設けられる層としては、例えば、導電性基体1と単層型の感光層2との間に設けられる下引層、単層型の感光層2上に更に設けられる保護層等が挙げられる。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
図示は省略するが、導電性基体と感光層との間に下引層をさらに設けてもよい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは18μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(単層型感光層)
単層型感光層は、電荷発生材料と、式(1)の電荷輸送材料(一般式(1)で表される化合物)と、電子輸送材料と、を含む。単層型感光層は、必要に応じて、式(1)の電荷輸送材料以外の正孔輸送材料(以下「他の正孔輸送材料」ともいう)を含んでもよく、式(1)の電荷輸送材料以外の樹脂(以下「他の樹脂」ともいう)を含んでもよく、その他添加剤を含んでもよい。すなわち、単層型感光層は、電荷発生材料、式(1)の電荷輸送材料、及び電子輸送材料に加えて、他の正孔輸送材料及び他の樹脂の少なくとも一方を含んでもよく、他の正孔輸送材料及び他の樹脂の両方を含んでもよい。
−電荷発生材料−
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
すなわち、電荷発生材料としては、例えば380nm以上500nm以下の露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm以上800nm以下の露光波長の光源を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。
なお、式(1)の電荷輸送材料は、フタロシアニン化合物から正孔及び電子を受け取りやすいという特徴を有する。その観点から、本実施形態では、電荷発生材料としてフタロシアニン化合物(すなわち、金属フタロシアニン顔料又は無金属フタロシアニン顔料)を用いることが好ましい。
また本実施形態では、電荷発生材料として、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
電荷発生材料としては、これら顔料を単独で用いてもよいが、必要に応じて併用してもよい。そして、電荷発生材料としては、感光体の高感度化、及び画像の点欠陥抑制の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、感光体の高感度化及び画像の色点発生抑制の観点から、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がさらに好ましい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。一方、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される場合がある。そして、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい場合があり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.3μm以下である。かかる最大粒径が上記範囲を超えると、黒点が発生しやすい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、感光体が蛍光灯などに暴露されたことに起因する濃度ムラを抑制する観点から、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
一方、クロロガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、電子写真感光体材料として優れた感度が得られる、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有するものであることが好ましい。
クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
感光層の全固形分に対する電荷発生材料の含有量は、1質量%以上5質量%以下がよく、好ましくは1.2質量%以上4.5質量%以下である。
−式(1)の電荷輸送材料−
下記式(1)の電荷輸送材料(下記一般式(1)で表される化合物)について、詳細に説明する。
前記一般式(1)中、Aは、各々独立に、下記一般式(1−1)又は下記一般式(1−2)で示される基を示し、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアラルキル基を示し、Yは、各々独立に、置換又は未置換の2価の炭化水素基を示し、mは、各々独立に、1以上5以下の整数を示し、pは、5以上5000以下の整数を示す。
一般式(1)中のAについて説明する。
前記一般式(1)中、Aは、各々独立に、一般式(1−1)又は一般式(1−2)で示される基を示す。
なお、一般式(1)で表される化合物1分子中に複数存在するAは、同一であっても異なっていても構わないが、同一である方が製造容易である。
前記一般式(1−1)及び前記一般式(1−2)中、Arは、各々独立に、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換の1価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の1価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の1価の芳香族複素環基を示し、Xは、置換若しくは未置換のフェニレン基、置換若しくは未置換の2価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の2価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環基を示し、Tは、各々独立に、炭素数1以上6以下の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数2以上10以下の2価の分枝鎖状炭化水素基を示し、nは、各々独立に、0以上3以下の整数を示し、kは、各々独立に、0又は1を示す。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のArについて説明する。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、Arは、各々独立に、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換の1価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の1価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の1価の芳香族複素環基を示す。
なお、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中に2つ存在するArは、同一であっても異なっていても構わないが、同一である方が製造容易である。
ここで、当該多核芳香族炭化水素基及び縮合芳香族炭化水素基とは、本実施形態においては、具体的には以下に定義される多環式芳香環(すなわち、多核芳香族炭化水素又は縮合芳香族炭化水素)を有する基のことを意味する。
すなわち、「多核芳香族炭化水素」とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が炭素−炭素結合によって結合している炭化水素を表す。具体的には、芳香環を構成する炭素同士が直接炭素−炭素結合によって結合している炭化水素や、芳香環を構成する炭素同士が炭素数1以上18以下の炭素鎖(アルキル鎖又はアルキレン鎖)によって連結されている炭化水素等が挙げられる。
多核芳香族炭化水素としては、具体的には、例えば、ビフェニル、ターフェニル、スチルベン、トリフェニルエチレン等が挙げられる。そして、「多核芳香族炭化水素基」は、多核芳香族炭化水素を有する置換基(例えば、ビフェニル構造を有する置換基等)であり、具体的には、多核芳香族炭化水素からなる置換基(例えば、ビフェニルからなる置換基、すなわちビフェニレン基等)が挙げられる。
なお、上記多核芳香族炭化水素基を構成する芳香環は、後述する縮合芳香族炭化水素であってもよく、芳香族複素環であってもよい。多核芳香族炭化水素基を構成する縮合芳香族炭化水素及び芳香族複素環の具体例としては、例えば後述する具体例の化合物と同様のものが挙げられる。
また、「縮合芳香族炭化水素」とは、炭素と水素から構成される芳香環が2個以上存在し、これらの芳香環同士が隣接して結合する1対の炭素原子を共有している炭化水素を表す。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、フルオレン等が挙げられる。そして、「縮合芳香族炭化水素基」は、縮合芳香族炭化水素を有する置換基(例えば、ナフタレン構造を有する置換基等)であり、具体的には、縮合芳香族炭化水素からなる置換基(例えば、ナフタレンからなる置換基、すなわちナフチル基等)が挙げられる。
さらに一般式(1−1)及び一般式(1−2)中において、Arを示す構造として選択される芳香族複素環基とは、本実施形態においては、以下に定義される芳香族複素環を有する基のことを意味し、例えば、芳香族複素環からなる置換基が挙げられる。
すなわち、「芳香族複素環」とは、炭素と水素以外の元素も含む芳香環を表し、例えば、その環骨格を構成する原子数(Nr)が、5及び6の少なくともいずれかであるものが挙げられる。また、環骨格を構成する炭素原子以外の原子(異種原子)の種類及び数は特に限定されない。異種原子の種類としては、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子等が挙げられる。また芳香族複素環は、環骨格中に2個以上の異種原子が含まれていてもよく、2種以上の異種原子が含まれていてもよい。
特に、Nr=5の環骨格構造(すなわち5員環構造)を有する複素環としては、例えば、チオフェン、チオフィン、ピロール、フラン、又はこれらの3位及び4位の炭素をさらに窒素で置換した複素環等が挙げられる。またNr=6の環骨格構造(すなわち6員環構造)を有する複素環としては、例えば、ピリジン等が挙げられる。
また、上述の多核芳香族炭化水素基において、1つ以上の芳香環が芳香族複素環に置き換えられた基としては、具体的には、例えば、チオフェニルフェニル基、フェニルピリジン基、フェニルピロール基等が挙げられる。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、Arで示されるフェニル基、多核芳香族炭化水素基、縮合芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基を更に置換する置換基としては、例えば、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。その中でも特に、例えば水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基等が好ましく挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば炭素数1以上10以下のものが挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば炭素数1以上10以下のものが挙げられ、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
前記置換アミノ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基が挙げられ、アルキル基の具体例は前述の通りである。
置換アミノ基を置換するアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下のものが挙げられ、具体的には、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。
置換アミノ基を置換するアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下のものが挙げられ、具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
また置換アミノ基の具体例としては、例えば、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のArとしては、上記の中でも、移動度及び取り扱い容易性の観点から、置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換の多核芳香族炭化水素基が好ましく、置換若しくは未置換のフェニル基、又は縮合芳香族炭化水素及び芳香族複素環を含まない置換若しくは未置換の多核芳香族炭化水素基がより好ましく、置換若しくは未置換のフェニル基、又は芳香環を構成する炭素同士が直接炭素−炭素結合によって結合した置換若しくは未置換の多核芳香族炭化水素基がさらに好ましい。
また一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のArにおける芳香環数としては、樹脂との相溶性の観点から、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましく、1以上3以下がさらに好ましく、1又は2が特に好ましい。
また、上記一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のArとしては、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のビフェニレン基、置換若しくは未置換のナフチル基、又は置換若しくは未置換のフルオレニル基がより好ましく、未置換のフェニル基又は未置換のビフェニレン基がさらに好ましい。
なお、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中に複数存在するArは、同一でも異なっていてもよいが、製造上の観点から同一であることが好ましい。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のXについて説明する。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のXは、置換若しくは未置換のフェニレン基、置換若しくは未置換の2価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の2価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環基を示す。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のXで示される多核芳香族炭化水素基、縮合芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基の具体例としては、例えば、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のArで示される多核芳香族炭化水素基、縮合芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基の具体例からそれぞれ水素原子を除いた2価の基が挙げられる。
また、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のXで示されるフェニレン基、多核芳香族炭化水素基、縮合芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基を更に置換する置換基については、上述した一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のArで示されるフェニル基、多核芳香族炭化水素基、縮合芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基を更に置換する置換基と同様である。
なお、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のXで示される芳香族複素環基及び芳香族複素環基を有する多核芳香族炭化水素基の具体例として、例えば下記構造式(X−1)〜(X−5)が挙げられる。ただし下記構造式(X−4)中、aは1又は2を示す。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のXとしては、上記の中でも、電気特性および成膜性の観点から、(X−1)、(X−3)および(X−4)が好ましく、(X−3)および(X−4)がより好ましく、(X−4)がさらに好ましい。
また上記一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のXにおける芳香環数としては、成膜性、電気特性の観点から、1以上7以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、1以上3以下がさらに好ましく、1又は2が特に好ましい。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のTについて説明する。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のTは、各々独立に、炭素数1以上6以下の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数2以上10以下の2価の分枝鎖状炭化水素基を示す。
なお、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中に複数存在するTは、同一でも異なっていてもよいが、製造上の観点から同一であることが好ましい。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のTは、各々独立に、炭素数2以上6以下の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数3以上7以下の2価の分枝鎖状炭化水素基が好ましい。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のTとしては、これらの中でもより具体的には、例えば以下に示す2価の炭化水素基が特に挙げられる。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のnについて説明する。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のnは、各々独立に、0以上3以下の整数を示し、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
なお、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中に複数存在するnは、同一でも異なっていてもよいが、製造上の観点から同一であることが好ましい。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のkについて説明する。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のkは、各々独立に、0又は1を示し、1が好ましい。
一般式(1)中のAの具体例としては、例えば、後述する一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーの具体例に由来する構造が挙げられる。
次に、一般式(1)中のRについて説明する。
前記一般式(1)中、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアラルキル基を示す。
なお、一般式(1)中に複数存在するRは、同一であっても異なっていても構わないが、同一である方が製造容易である。
前記アルキル基としては、例えば炭素数1以上10以下のものが挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
前記置換若しくは未置換のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下のものが挙げられ、具体的には、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。
前記置換若しくは未置換のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下のものが挙げられ、具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
一般式(1)中のRとしては、上記の中でも、製造容易性の観点から、水素原子又はフェニル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(1)中のYについて説明する。
前記一般式(1)中、Yは、各々独立に、置換又は未置換の2価の炭化水素基を示す。
なお、一般式(1)で表される化合物1分子中に複数存在するYは、同一であっても異なっていても構わないが、同一である方が製造容易である。
で示される2価の炭化水素基は、2価のアルコール残基であり、アルキレン基、(ポリ)エチレンオキシ基、(ポリ)プロピレンオキシ基、アリーレン基、2価の複素環基又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
で示される2価の炭化水素基は、電荷輸送性の観点から、炭素数の少ない連結基が好ましい。具体的には炭素数1以上18以下の範囲が好ましく、炭素数1以上6以下の範囲がより好ましい。
またYで示される2価の炭化水素基は、電荷輸送性の観点から双極子モーメントの小さな連結基が好ましい。具体的には、炭素原子及び水素原子以外の原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等)を含まない連結基が好ましい。
すなわち、Yで示される2価の炭化水素基としては、炭素数1以上10以下のアルキレン基、又は炭素数6以上18以下のアリーレン基が好ましく、炭素数1以上6以下のアルキレン基がより好ましい。
またYで示される2価の炭化水素基は、感光層が他の樹脂を含む場合、前記他の樹脂との相溶性の観点から、立体的な嵩高さが小さい基がより好ましい。立体的な嵩高さが小さい2価の炭化水素基としては、例えば環構造を有さない基が挙げられ、具体的には、例えば、炭素数1以上10以下のアルキレン基が挙げられ、炭素数1以上5以下のアルキレン基がさらに好ましい。また前記他の樹脂との相溶性に加えて、分子量の大きな高分子化合物を合成しやすい観点から、炭素数2のアルキレン基が最も好ましい。
一般式(1)におけるYは、具体的には下記の式(Y−1)から(Y−6)から選択される基が挙げられる。
式(Y−1)及び(Y−2)中、a、b、及びcは、各々独立に、1以上10以下の整数を示す。
式(Y−5)及び(Y−6)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、置換若しくは未置換の炭素数1以上4以下のアルキル基、置換若しくは未置換の炭素数1以上4以下のアルコキシル基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を示す。
式(Y−5)及び(Y−6)中、eは、各々独立に0以上2以下の整数を示し、d及びfは、各々独立に0又は1を示し、Vは、下記式(V−1)から(V−12)より選択される基を示す。
式(V−1)中、gは1以上20以下の整数を示し、好ましくは1以上10以下の整数を示し、より好ましくは1以上6以下の整数を示し、さらに好ましくは1以上4以下の整数を示す。
式(V−10)、(V−11)、及び(V−12)中、hは0以上10以下の整数を示す。
一般式(1)中のmについて説明する。
一般式(1)中のmは、各々独立に1以上5以下の整数である。一般式(1)で表される化合物1分子中に複数存在するmは、同一であってもよく、異なっていてもよいが、製造上の観点から同一であることが好ましい。
一般式(1)中のmは、電気特性、相容性の観点から1以上5以下が好ましく、1以上3以下がより好ましい。
一般式(1)中のpについて説明する。
一般式(1)中のpは、5以上5000以下の整数を示し、10以上1000以下の整数が好ましい。
また、一般式(1)中のpは、式(1)の電荷輸送材料全体の重量平均分子量Mwが5000以上300000以下となる範囲がより好ましく、10000以上100000以下となる範囲がさらに好ましい。
上記重量平均分子量Mwの測定方法は、以下の通りである。具体的には、測定対象の化合物(式(1)の電荷輸送材料)の1.0質量%THF(テトラヒドロフラン)溶液を調製し、示差屈折率検出器(RI)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準サンプルとしてスチレンポリマーを用いて測定する。
式(1)の電荷輸送材料のガラス転移温度(Tg)としては、例えば60℃以上300℃以下が挙げられ、100℃以上200℃以下がより好適である。
なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量計によりα−Alをリファレンスとし、サンプルをゴム状態になるまで昇温し、液体窒素に浸し急冷した後、再度昇温速度10℃/分の条件で昇温して測定する。
式(1)の電荷輸送材料は、例えば、下記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーを、例えば第4版実験化学講座28巻(日本化学会編、丸善、1992)などに記載された公知の方法で重合することにより合成される。
一般式(6−1)及び(6−2)中、Ar、X、T、n、及びkは、それぞれ前記一般式(1−1)及び(1−2)におけるAr、X、T、n、及びkと同一である。一般式(6−1)及び(6−2)中のA’は、水酸基、ハロゲン原子、又は−O−R(Rは、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアラルキル基を示す)を示す。
なお、上記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーの合成方法としては、例えば、クロスカップリングビアリール合成を利用する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。クロスカップリングビアリール合成の具体例としては、例えば、Suzuki反応、Kharasch反応、Negishi反応、Stille反応、Grignard反応、又はUllmann反応等が挙げられる。
以下、前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーの具体例を、表1に示す。
なお、下記表において、「一般式」の欄における番号は、前記一般式(6−1)で表される電荷輸送性モノマー又は一般式(6−2)で表される電荷輸送性モノマーのいずれであるかを示す。また、「配置」の欄における番号は、一般式(6−1)又は一般式(6−2)におけるT又はフェニレン基が、ベンゼン環のどの位置に結合するかを示す。
また、下記表において、化合物番号を付した電荷輸送性モノマーの各具体例に関し、例えば、5の番号を付した具体例については「モノマー化合物(5)」という。
前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーを用いて、公知の方法で重合することにより、式(1)の電荷輸送材料が合成される。
具体的には、例えば、前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーの末端(A’で示される基)に、後述する置換基を導入する方法が挙げられ、具体的には以下の合成方法が挙げられる。
[1]A’が水酸基の場合
A’が水酸基の場合、前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーに、HO−(Y−O)−Hで示される2価アルコール類を例えば当量(質量比)混合し、酸触媒を用いて重合する。
なお、上記Y及びmは、前記一般式(1)におけるY及びmと同義である。
上記酸触媒としては、例えば、硫酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等、通常のエステル化反応に用いるものが挙げられる。酸触媒の使用量としては、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、例えば、1/10,000質量部以上1/10質量部以下、好ましくは1/1,000質量部以上1/50質量部以下の範囲で用いられる。
重合中に生成する水を除去するために、水と共沸する溶剤を用いることが好ましい。水と共沸する溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が挙げられる。共沸する溶剤の使用量としては、例えば、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下が挙げられ、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
重合における反応温度は条件に応じて設定されるが、重合中に生成する水を除去するために、溶剤の沸点で反応させることが好ましい。
重合反応終了後、溶剤を用いなかった場合には、溶解する溶剤に溶解させる。溶剤を用いた場合には、反応溶液をそのまま、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等の重合で得られたポリマーが溶解しにくい貧溶剤中に滴下し、ポリマーを析出させ、ポリマーを分離した後、水や有機溶剤で洗浄し、乾燥させる。
更に、必要であれば、分離したポリマーを有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、ポリマーを析出させる再沈殿処理を繰り返してもよい。再沈殿処理の際には、メカニカルスターラー等で、効率よく攪拌しながら行うことが好ましい。再沈殿処理の際にポリマーを溶解させる溶剤は、ポリマー1質量部に対して、例えば1質量部以上100質量部以下、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。また、貧溶剤は、ポリマー1質量部に対して、例えば1質量部以上1,000質量部以下、好適には10質量部以上500質量部以下の範囲で用いられる。
[2]A’がハロゲンの場合
A’がハロゲンの場合には、前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーに、HO−(Y−O)−Hで示される2価アルコール類を例えば当量(質量比)混合し、ピリジンやトリエチルアミン等の有機塩基性触媒を用いて重合する。
なお、上記Y及びmは、前記一般式(1)におけるY及びmと同義である。
上記有機塩基性触媒は、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、例えば1質量部以上10質量部以下、好ましくは2質量部以上5質量部以下の範囲で用いられる。
溶剤としては、例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が挙げられる。溶剤の使用量としては、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、例えば1質量部以上100質量部以下、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
重合における反応温度は条件に応じて設定される。
重合反応終了後、前記[1]の場合に準じて再沈殿処理し、精製する。
また、ビスフェノール等の酸性度の高い2価のアルコール類を用いる場合には、界面重合法を用いてもよい。すなわち、2価のアルコール類に水を加え、当量(質量比)の塩基を加えて、溶解させた後、激しく攪拌しながら2価のアルコール類と当量の電荷輸送性モノマー溶液を加えることによって重合する。この際、水は2価アルコール類1質量部に対して、1質量部以上1,000質量部以下、好ましくは2質量部以上500質量部以下の範囲で用いられる。電荷輸送性モノマーを溶解させる溶剤としては、例えば、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が挙げられる。
反応温度は条件に応じて設定され、反応を促進するために、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の相間移動触媒を用いてもよい。相間移動触媒は、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下、好ましくは0.2質量部以上5質量部以下の範囲で用いられる。
[3]A’が−O−Rの場合
A’が−O−Rの場合には、前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーに、HO−(Y−O)−Hで示される2価アルコール類を過剰に加え、触媒として、硫酸、リン酸等の無機酸;チタンアルコキシド、カルシウム、コバルト等の酢酸塩又は炭酸塩;亜鉛等の酸化物;等を添加して加熱し、エステル交換により合成する。尚、上記Y及びmは、前記一般式(1)におけるY及びmと同義である。
2価アルコール類は、前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマー1質量部に対して、2質量部以上100質量部以下、好適には3質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
触媒は、前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマー1質量部に対して、1/1,000質量部以上1質量部以下、好適には1/100質量部以上1/2質量部以下の範囲で用いられる。
反応は、反応温度200℃以上300℃以下で行い、−O−Rから−O−(Y−O)−Hへのエステル交換終了後は、HO−(Y−O)−Hの脱離による重合反応を促進するため、減圧下で反応させることが好ましい。また、HO−(Y−O)−Hと共沸する1−クロロナフタレン等の高沸点溶剤を用いて、減圧下でHO−(Y−O)−Hを共沸で除きながら反応させてもよい。
以下に、一般式(1)で表される化合物(以下「ポリマー」ともいう)の具体例を示すが、本実施形態はこれらの具体例に限定されるものではない。
なお、下記表において、「Aの構造」の欄における番号は、前記一般式(6−1)又は(6−2)で表される電荷輸送性モノマーの具体例の化合物番号に対応している。例えば、15の番号を付したAの構造は、モノマー化合物(15)に由来する構造を意味する。
以下、下記表において化合物番号を付したポリマーの各具体例に関し、例えば、25の番号を付した具体例については「例示化合物(1−25)」という。また、ポリマーにおけるY、m、R、及びpは、それぞれ一般式(1)におけるY、m、R、及びpを示す。
感光層が他の樹脂及び他の正孔輸送材料を含まない場合、感光層の全固形分に対する式(1)の電荷輸送材料の含有量は、5質量%以上60質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。
なお、前述の通り、感光層は必要に応じて、他の樹脂を含んでもよく、他の正孔輸送材料を含んでもよい。
感光層が他の樹脂を含む場合、感光層の全固形分に対する、式(1)の電荷輸送材料と他の樹脂との合計の含有量は、35質量%以上95質量%以下がよく、好ましくは50質量%以上90質量%以下である。ただし、感光層に含まれる式(1)の電荷輸送材料と他の樹脂との合計の含有量に対する、式(1)の電荷輸送材料の割合としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が挙げられ、10質量%以上30質量%以下が好ましい。
また、感光層が他の正孔輸送材料を含む場合は、感光層の全固形分に対する、式(1)の電荷輸送材料と正孔輸送材料との合計の含有量が、10質量%以上80質量%以下がよく、好ましくは15質量%以上45質量%以下である。ただし、感光層に含まれる式(1)の電荷輸送材料と他の正孔輸送材料との合計の含有量に対する、式(1)の電荷輸送材料の割合としては、例えば、10質量%以上80質量%以下が挙げられ、20質量%以上70質量%以下が好ましい。
−電子輸送材料−
電子輸送材料としては、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;ジシアノメチレンフルオレン等のフルオレン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。これらの電子輸送材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
電子輸送材料としては、電荷移動度の観点から、フルオレノン化合物及びフルオレン化合物等のフルオレン骨格を有する化合物、並びにキノン系化合物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、フルオレノン誘導体、ジシアノメチレン基を有するフルオレン誘導体、ジフェノキノン化合物、及びジナフトキノン化合物から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、その中でも一般式(2)で表される化合物(以下「式(2)の電子輸送材料」ともいう)、一般式(3)で表される化合物(以下「式(3)の電子輸送材料」ともいう)、一般式(4)で表される化合物(以下「式(4)の電子輸送材料」ともいう)、及び一般式(5)で表される化合物(以下「式(5)の電子輸送材料」ともいう)の少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
式(2)の電子輸送材料、式(3)の電子輸送材料、式(4)の電子輸送材料、及び式(5)の電子輸送材料は、電子輸送材料の中でも電子輸送性に優れる化合物であるが、樹脂中において凝集や結晶化が起こりやすい化合物でもある。そこで、式(1)の電荷輸送材料と、式(2)の電子輸送材料、式(3)の電子輸送材料、式(4)の電子輸送材料、及び式(5)の電子輸送材料の少なくとも1種と、を併用することで、特に良好な電気特性を得つつ、電子輸送材料の凝集や結晶化に起因する割れの発生が抑制される。
感光層に含まれる電子輸送材料全体に対する、式(2)の電子輸送材料、式(3)の電子輸送材料、式(4)の電子輸送材料、及び式(5)の電子輸送材料の含有量の合計としては、例えば80質量%以上100質量%以下が挙げられ、90質量%以上100質量%以下が好ましい。
まず、式(2)の電子輸送材料(一般式(2)で表される化合物)について説明する。
一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L41−O−R42、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L41はアルキレン基を示し、R42はアルキル基を示す。
一般式(2)中、R11〜R17が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。これらの中でも、R11〜R17が示すアリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアラルキル基としては、例えば後述するR18が示すアラルキル基と同様の基が挙げられ、具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示す−L41−O−R42で示される基は、L41がアルキレン基を示し、R42は、アルキル基を示す。
41が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
42が示すアルキル基としては、上記R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
なお、R18が示すアリール基は、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基であることが、溶解性の観点で好ましい。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアラルキル基としては、−R18A−Arで示される基が挙げられる。但し、R18Aは、アルキレン基を示す、Arは、アリール基を示す。
18Aが示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基エチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアラルキル基として具体的には、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
式(2)の電子輸送材料としては、高感度化及び色点の発生抑制の観点から、R18が炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましく、特に、R11〜R17が各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、かつ、R18が炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましい。
以下、式(2)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(2−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(2−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号等は、以下の意味を示す。
・Cl:塩素原子
・CHO:メトキシ基
・Ph:フェニル基
次に、式(3)の電子輸送材料(一般式(3)で表される化合物)について説明する。
一般式(3)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、及びR27は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R28は、アルキル基、−L51−O−R52、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L51はアルキレン基を示し、R52はアルキル基を示す。
一般式(3)中、R21〜R27が示すハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及びアラルキル基としては、それぞれ、一般式(2)中、R11〜R17が示すハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及びアラルキル基と同様の基が挙げられ、好ましい基についても同様である。
一般式(3)中、R28が示すアルキル基、−L51−O−R52で示される基、アリール基、及びアラルキル基としては、それぞれ、一般式(2)中、R18が示すアルキル基、−L41−O−R42で示される基、アリール基、及びアラルキル基と同様の基が挙げられ、好ましい基についても同様である。
以下、式(3)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(3−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(3−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号等は、以下の意味を示す。
・Cl:塩素原子
・CHO:メトキシ基
・Ph:フェニル基
次に、式(4)の電子輸送材料(一般式(4)で表される化合物)について説明する。
一般式(4)中、R29、R30、R31、及びR32は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
一般式(4)中、R29、R30、R31、及びR32が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(4)中、R29、R30、R31、及びR32が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上6以下(好ましくは1以上5以下)のアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が挙げられる。
一般式(4)中、R29、R30、R31、及びR32が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(4)中、R29、R30、R31、及びR32が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
一般式(4)中、R29、R30、R31、及びR32が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
以下、式(4)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(4−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(4−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号等は、以下の意味を示す。
・Cl:塩素原子
・CHO:メトキシ基
次に、式(5)の電子輸送材料(一般式(5)で表される化合物)について説明する。
一般式(5)中、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、及びR40は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を示す。
一般式(5)中、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、及びR40が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上6以下(好ましくは1以上4以下)のアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
一般式(5)中、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、及びR40が示すアリール基は、置換基を有してもよく、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
一般式(5)中、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、及びR40が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(5)中、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、及びR40が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
以下、式(5)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(5−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(5−15)」と以下表記する。
感光層が他の正孔輸送材料を含まない場合、感光層に含まれる式(1)の電荷輸送材料100質量部に対する電子輸送材料の含有量としては、例えば10質量部以上50質量部以下が挙げられ、15質量部以上45質量部以下が好ましい。
なお、上記電子輸送材料の含有量は、2種以上の電子輸送材料を併用した場合、それらの電子輸送材料全体の含有量である。
また、感光層が他の正孔輸送材料を含む場合、感光層に含まれる式(1)の電荷輸送材料と他の正孔輸送材料との合計100質量部に対する電子輸送材料の含有量は、例えば10質量部以上80質量部以下が挙げられ、15質量部以上60質量部以下が好ましい。
感光層全体に占める、電子輸送材料の含有量としては、感光層中の固形分比で1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
電子輸送材料の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも多い場合に比べて、電子輸送材料の凝集や結晶化に起因する感光層の割れが抑制される。さらに、電子輸送材料の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも少ない場合に比べて、良好な電気特性が得られる。
−他の樹脂−
他の樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの樹脂の中でも、特に、感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂がよい。
また、式(1)の電荷輸送材料との相溶性の観点から、他の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
−他の正孔輸送材料−
他の正孔輸送材料としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の化合物が挙げられる。
他の正孔輸送材料の具体例としては、例えば、下記一般式(B−1)で表される化合物(トリアリールアミン誘導体)、下記一般式(B−2)で表される化合物(ベンジジン誘導体)、及び下記一般式(B−3)で表される化合物が挙げられる。
一般式(B−1)中、RB1は、水素原子またはメチル基を示す。n11は1または2を示す。ArB1およびArB2は各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(RB3)=C(RB4)(RB5)、または−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)を示し、RB3乃至RB7はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を示す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、または炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。
一般式(B−2)中、RB8およびRB8’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RB9、RB9’、RB10、およびRB10’は同一でも異なってもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB11)=C(RB12)(RB13)、または−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)を示し、RB11乃至RB15は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を示す。m12、m13、n12およびn13は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
一般式(B−3)中、RB16およびRB16’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RB17、RB17’、RB18、およびRB18’は同一でも異なってもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB19)=C(RB20)(RB21)、または−CH=CH−CH=C(RB22)(RB23)を示し、RB19乃至RB23は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を示す。m14、m15、n14およびn15は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
ここで、一般式(B−1)で表される化合物、一般式(B−2)で表される化合物、及び一般式(B−3)で表される化合物のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)」を有する一般式(B−1)で表される化合物及び「−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)」を有する一般式(B−2)で表される化合物が好ましい。
一般式(B−1)で表される化合物、一般式(B−2)で表される化合物、及び一般式(B−3)で表される化合物の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
−その他添加剤−
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
−単層型の感光層の形成−
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
感光層形成用塗布液を下引層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
単層型の感光層の膜厚は、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下、さらに好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
なお、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限られず、例えば、電子写真感光体7の周囲であって、転写装置40よりも電子写真感光体7の回転方向下流側でクリーニング装置13よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、残留したトナーの極性を揃え、クリーニングブラシで除去しやすくするための第1除電装置を設けた形態であってもよいし、クリーニング装置13よりも電子写真感光体の回転方向下流側で帯電装置8よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、電子写真感光体7の表面を除電する第2除電装置を設けた形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限れず、周知の構成、例えば、電子写真感光体7に形成したトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の画像形成装置を採用してもよい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、特に断りがないかぎり、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」であることを示す。
<実施例1>
−下引層の形成−
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBE502:信越化学工業製)1.2質量部を添加し、2時間攪拌した。その後テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
得られたシランカップリング剤表面処理酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.7質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて4時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに65℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン30質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間30分の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製):40質量部と、を添加し、下引層用塗布液を得た。
得られた下引層用塗布液を、浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃において40分間の乾燥硬化を行い、厚さ21μmの下引層を得た。
−感光層の形成−
電荷発生材料としての下記表1に示すヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料2質量部と、他の樹脂としてのポリカーボネートZ樹脂(三菱ガス化学製、粘度平均分子量:4万)49質量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン300質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて6時間分散し、分散液を得た。
得られた分散液に、表1に示す他の正孔輸送材料、表1に示す式(1)の電荷輸送材料、及び表1に示す電子輸送材料(式(2)の電子輸送材料)を、それぞれ表1に示す添加量で添加し、さらにシリコーンオイルKP340(信越化学工業製)0.001質量を添加し、一晩攪拌して感光層形成用塗布液を得た。
得られた感光層形成用塗布液を、浸漬塗布法にて、上記アルミニウム基体上に形成された下引層上に塗布し、135℃で、1時間乾燥して、膜厚が28μmの単層型の感光層を形成した。
以上の工程を経て、電子写真感光体(感光体1)を作製した。
<実施例2〜16、18、比較例1〜4>
表1及び表2に従って、下引層の有無、感光層形成用塗布液に用いる電荷発生材料の種類、他の正孔輸送材料の種類及び添加量、式(1)の電荷輸送材料の種類及び添加量、並びに電子輸送材料(式(2)の電子輸送材料、式(3)の電子輸送材料、式(4)の電子輸送材料、式(5)の電子輸送材料、及び他の電子輸送材料)の種類及び添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ電子写真感光体(感光体2〜感光体10、比較感光体11〜比較感光体12、感光体13〜感光体16、比較感光体17、感光体18〜感光体19、比較感光体20、及び感光体22)を作製した。なお表1及び表2中の「量」は添加量(質量部)を表し、「−」は添加していないことを表す。
<実施例17>
−感光層の形成−
電荷発生材料としての下記表1に示すヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料2質量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン300質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて6時間分散し、分散液を得た。
得られた分散液に、表1に示す他の正孔輸送材料、表1に示す式(1)の電荷輸送材料、及び表1に示す電子輸送材料(式(2)の電子輸送材料)を、それぞれ表1に示す添加量で添加し、さらにシリコーンオイルKP340(信越化学工業製)0.001質量を添加し、一晩攪拌して感光層形成用塗布液を得た。
得られた感光層形成用塗布液を、浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、135℃で、1時間乾燥して、膜厚が28μmの単層型の感光層を形成した。
以上の工程を経て、電子写真感光体(感光体21)を作製した。
<評価>
得られた各電子写真感光体について、以下の評価を行った。その結果を表3に示す。
−耐クラック性評価−
感光体の外周面に、オレイン酸1質量%ヘキサン溶液を0.5ml噴霧し、室温(25℃)で2週間放置し、感光層の表面における割れ(クラック)を以下の基準で評価した。なお、用いた顕微鏡はデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、型番:VHX−700)であり、700倍に拡大して観察した。
A:顕微鏡で観察して問題なし(クラックが観察されない)
B:顕微鏡観察で微細なクラック発生するが実用上問題なし(目視でクラックが観察されない)
C:目視で1個以上3個未満のクラックが確認される
D:目視で3個以上のクラックが観測される
−初期画質評価−
初期画質評価は、室温28℃、湿度85%の環境下で、Brother社製HL5340Dを用い、50%ハーフトーン画像を形成し、画像の黒点発生の有無を以下の基準で評価した。
A:黒点発生なし(目視で黒点が確認されない)
B:目視で1個以上3個未満の黒点が確認されるが、画質上問題なし
C:目視で3個以上10個未満の黒点が確認され、実用上問題となる
D:目視で10個以上の黒点が観測され、問題となる
−画質維持性評価−
上記初期画質評価と同じ条件で1万枚の画像形成を行った後、上記初期画質評価と同様にして50%ハーフトーン画像を形成し、画像の黒点発生の有無を以下の基準で評価した。
A:黒点発生なし(目視で黒点が確認されない)
B:目視で1個以上3個未満の黒点が確認されるが、画質上問題なし
C:目視で3個以上10個未満の黒点が確認され、実用上問題となる
D:目視で10個以上の黒点が観測され、問題となる
−耐傷性評価−
上記初期画質評価と同じ条件で1万枚の画像形成を行った後、感光体の表面を顕微鏡(デジタルマイクロスコープ、キーエンス社製、型番:VHX−700)で500倍に拡大して観察し、以下の基準で評価した。
A:感光体表面の傷は観察されないか、又は微小な傷がわずかに観察されるレベル
B:感光体表面に明らかな傷が発生しているものの、許容レベル
C:感光体表面に傷も多く、目視で変色している所が1箇所以上10箇所未満見られ、問題となるレベル
D:感光体表面に傷も多く、目視で変色している所が10箇所以上見られ、問題となるレベル
−電気特性維持評価−
上記画像形成装置を電位測定用に改造した。具体的には、現像装置の代わりに電子写真感光体と正対するように表面電位測定プローブ(トレック社、Model 555P−1)を設置し、表面電位計(トレック社製、トレック334)と接続し電位測定を行った。次に、室温28℃湿度85%の環境下で、ベタ濃度出力時の感光体表面電位(露光装置によってベタ濃度の潜像が形成された感光体の表面電位)を測定し、これを露光後電位VLとした。
上記露光後電位VLの測定を、50%ハーフトーン画像を1万枚形成する前後において行い、その差ΔVLを求め、以下の基準で評価した。
A:ΔVL≦15V
B:15V<ΔVL≦20V
C:20V<ΔVL≦25V
D:25V<ΔVL
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、感光層の割れの発生が抑制されていることがわかる。
なお、表1及び表2の略称等の詳細は以下の通りである。
−電荷発生材料−
・ヒドロキシガリウムフタロシアニン:HOGaPC(V型):Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m/g)
・クロロガリウムフタロシアニン:ClGaPC:Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=780nm、平均粒径=0.15μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=56m/g)
・X型無金属フタロシアニン:HPC:無金属フタロシアニン顔料(フタロシアニン骨格の中心に2個の水素原子が配位したフタロシアニン)
−他の正孔輸送材料−
・HT−1:一般式(B−2)で表される化合物の例示化合物(HT−1)
・HT−4:一般式(B−1)で表される化合物の例示化合物(HT−4)
・HT−7:一般式(B−1)で表される化合物の例示化合物(HT−7)
−式(1)の電荷輸送材料−
・1−2:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−2)
・1−5:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−5)
・1−14:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−14)
・1−15:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−15)
・1−22:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−22)
・1−24:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−24)
・1−28:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−28)
・1−38:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−38)
・1−39:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−39)
・1−45:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−45)
・1−58:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−58)
・1−62:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−62)
・1−72:式(1)の電荷輸送材料の例示化合物(1−72)
−式(2)の電子輸送材料−
・2−2:式(2)の電子輸送材料の例示化合物(2−2)
・2−3:式(2)の電子輸送材料の例示化合物(2−3)
・2−6:式(2)の電子輸送材料の例示化合物(2−6)
・2−10:式(2)の電子輸送材料の例示化合物(2−10)
−式(3)の電子輸送材料−
・3−2:式(3)の電子輸送材料の例示化合物(3−2)
・3−3:式(3)の電子輸送材料の例示化合物(3−3)
・3−8:式(3)の電子輸送材料の例示化合物(3−8)
−式(4)の電子輸送材料−
・4−3:式(4)の電子輸送材料の例示化合物(4−3)
・4−4:式(4)の電子輸送材料の例示化合物(4−4)
・4−5:式(4)の電子輸送材料の例示化合物(4−5)
・4−8:式(4)の電子輸送材料の例示化合物(4−8)
−式(5)の電子輸送材料−
・5−2:式(5)の電子輸送材料の例示化合物(5−2)
・5−3:式(5)の電子輸送材料の例示化合物(5−3)
・5−8:式(5)の電子輸送材料の例示化合物(5−8)
−他の電子輸送材料−
・6−1:下記構造式(6−1)で表される電子輸送材料
1 導電性基体、2 単層型の感光層、7 電子写真感光体、7A 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ

Claims (4)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、電荷発生材料と下記一般式(1)で表される化合物と電子輸送材料と下記一般式(1)で表される化合物以外の正孔輸送材料とを含む感光層と、を有し、
    前記電子輸送材料が、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、及び下記一般式(5)で表される化合物の少なくとも1種であり、
    前記正孔輸送材料が、下記一般式(B−1)で表される化合物、下記一般式(B−2)で表される化合物、及び下記一般式(B−3)で表される化合物の少なくとも1種の化合物であり、
    前記感光層全体に占める、電子輸送材料の含有量が、感光層中の固形分比で1質量%以上30質量%以下であり、
    前記感光層に含まれる下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(1)で表される化合物以外の正孔輸送材料との合計100質量部に対する電子輸送材料の含有量が20.51質量部以上35.29質量部以下である、
    電子写真感光体。

    (前記一般式(1)中、Aは、各々独立に、下記一般式(1−1)又は下記一般式(1−2)で示される基を示し、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアラルキル基を示し、Yは、各々独立に、置換又は未置換の2価の炭化水素基を示し、mは、各々独立に、1以上5以下の整数を示し、pは、5以上5000以下の整数を示す。)

    (前記一般式(1−1)及び前記一般式(1−2)中、Arは、各々独立に、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換の1価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の1価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の1価の芳香族複素環基を示し、Xは、置換若しくは未置換のフェニレン基、置換若しくは未置換の2価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の2価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環基を示し、Tは、各々独立に、炭素数1以上6以下の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数2以上10以下の2価の分枝鎖状炭化水素基を示し、nは、各々独立に、0以上3以下の整数を示し、kは、0又は1を示す。)

    (前記一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L41−O−R42、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L41はアルキレン基を示し、R42はアルキル基を示す。)

    (前記一般式(3)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、及びR27は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R28は、アルキル基、−L51−O−R52、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L51はアルキレン基を示し、R52はアルキル基を示す。)

    (前記一般式(4)中、R29、R30、R31、及びR32は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)

    (前記一般式(5)中、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、及びR40は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を示す。)

    (一般式(B−1)中、RB1は、水素原子またはメチル基を示す。n11は1または2を示す。ArB1およびArB2は各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(RB3)=C(RB4)(RB5)、または−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)を示し、RB3乃至RB7はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を示す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、または炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。)

    (一般式(B−2)中、RB8およびRB8’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RB9、RB9’、RB10、およびRB10’は同一でも異なってもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB11)=C(RB12)(RB13)、または−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)を示し、RB11乃至RB15は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を示す。m12、m13、n12およびn13は各々独立に0以上2以下の整数を示す。)

    (一般式(B−3)中、RB16およびRB16’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RB17、RB17’、RB18、およびRB18’は同一でも異なってもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB19)=C(RB20)(RB21)、または−CH=CH−CH=C(RB22)(RB23)を示し、RB19乃至RB23は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を示す。m14、m15、n14およびn15は各々独立に0以上2以下の整数を示す。)
  2. 前記感光層は、前記一般式(1)で表される化合物以外の樹脂をさらに含む請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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