JP6520191B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents
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Description
即ち、<1>に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、感光層中の含有量が0.5質量%以上2.0質量%未満であり、感光層の膜厚方向における分布が下記(1)式を満たす電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含む感光層と、
を有する電子写真感光体である。
式(1) 30≦a/b
(式(1)中、aは、前記感光層の膜厚の表面側から1/3までの領域における単位断面積当たりの電荷発生材料の個数、bは、前記感光層の膜厚の導電性基体側から2/3までの領域における単位断面積当たりの電荷発生材料の個数を表す。ただし、bは0である場合を含む。)
<1>に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<1>に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、「感光体」と称することがある)は、導電性基体を備え、導電性基体上に単層型の感光層を有する正帯電有機感光体(以下、「単層型感光体」と称することがある)である。
そして、単層型の感光層(以下、単に「感光層」と称することがある)は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含んでいる。さらに、電荷発生材料は、感光層中の含有量が0.5質量%以上2.0質量%未満であり、膜厚方向における分布が下記(1)式を満たすように構成されている。
式(1) 30≦a/b
式(1)中、aは、前記感光層の膜厚の表面側から1/3までの領域における単位断面積当たりの電荷発生材料の個数、bは、前記感光層の膜厚の導電性基体側から2/3までの領域における単位断面積当たりの電荷発生材料の個数を表す。ただし、bは0である場合を含む。
なお、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
「感光層の膜厚の表面側から1/3までの領域」とは、感光層の膜厚において、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、膜厚の1/3までの領域のことを示す。
「感光層の膜厚の導電性基体側から2/3までの領域」とは、感光層の膜厚において、導電性基体側から最表面側に向かって、膜厚の2/3までの領域のことを示す。つまり、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、膜厚の1/3までの領域を除く領域のことを示す。
「単位断面積当たりの電荷発生材料の個数」とは、感光層の膜厚の断面を観察したときの断面に存在する電荷発生材料の個数を、平方マイクロメートル(μm2)当たりの個数として表したものである。
単層型感光体は、その単層型の感光層内に、電荷発生材料と正孔輸送材料と電子輸送材料とを含有する構成であり、帯電の機能と光感度発現の機能とを同一層内で行う。一方、積層型の感光層を有する有機感光体(以下「積層型感光体」と称する)は帯電の機能と光感度発現の機能とを機能別に特化させることができる。そのため、単層型感光体は、原理上、帯電性および光感度の点で、積層型感光体と同等以上の特性を得ることは難しい。
単層型感光体において、感光層に光が照射されると、電荷発生材料は光を吸収して電荷を発生するため、感光層の表面側の領域で、より電荷が発生しやすい。そして、電荷が発生しやすくなると、電子の輸送距離を短くし得る。電子の輸送距離を短くすることは、電子輸送能が向上し、光感度が向上し得ると考えられる。
なお、本実施形態に係る電子写真感光体により、高帯電性を有し、かつ高感度の電子写真感光体が得られるため、長期の使用においても電気的特性の変化が抑制され得る。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体10の一部の断面を概略的に示している。
図1に示した電子写真感光体10は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、下引層1及び単層型の感光層2がこの順で設けられて構成されている。
なお、下引層1は、必要に応じて設けられる層である。即ち、単層型の感光層2は、導電性基体3上に直接設けられていてもよく、下引層1を介して設けられてもよい。
また、必要に応じてその他の層を設けてもよい。具体的には、例えば、必要に応じて、単層型の感光層2上に保護層を設けてもよい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
本実施形態の単層型の感光層は、単層型の感光層に含有する電荷発生材料のうち、感光層の膜厚方向の表面側の領域に偏在している。そして、感光層の膜厚方向における電荷発生材料の分布を表す式が、30≦a/bの関係を満たすように構成されている。
一方で、本実施形態の単層型の感光層は、上記のとおり、bが0である場合でも、電荷発生材料が存在する表面側の領域と、電荷発生材料が存在しない導電性基体側の領域との境界が曖昧である。したがって、本実施形態の単層型の感光層と、従来の積層型の感光層とは、明確に区別されるものである。
bが0である場合、感光層の表面側から1/4までの領域にのみ電荷発生材料が存在し、感光層の導電性基体側から膜厚の3/4までの領域には電荷発生材料が存在しない態様;感光層の表面側から1/3までの領域にのみ電荷発生材料が存在し、感光層の導電性基体側から膜厚の2/3までの領域には電荷発生材料が存在しない態様;感光層の表面側から1/2までの領域にのみ電荷発生材料が存在し、感光層の導電性基体側から膜厚の1/2までの領域には電荷発生材料が存在しない態様;などが挙げられる。
bが0を超える場合(つまり、感光層全体に電荷発生材料が存在する場合)、感光層の表面側から1/2までの領域には電荷発生材料の存在量が多く、感光層の導電性基体側から膜厚の1/2までの領域には、表面側から1/2までの領域に比べて、電荷発生材料の存在量が少ない態様;感光層の表面側から1/3までの領域には電荷発生材料の存在量が多く、感光層の導電性基体側から膜厚の2/3までの領域には、表面側から1/3までの領域に比べて、電荷発生材料の存在量が少ない態様;感光層の表面側から1/3までの領域には電荷発生材料の存在量が多く、感光層の膜厚方向において、導電性基体側に向かって、段階的に電荷発生材料の存在量が減少するように形成した態様;などが挙げられる。
これらの態様の中でも、電荷発生材料の光感度発現の機能をより有効に発揮させる点で、bが0である場合の態様が好ましい。
具体的には、測定対象となる感光体から感光層を剥がし取り、小片を切り出してエポキシ樹脂に包埋・固化させ、ミクロトームにより切片を調製して、aおよびbの測定用試料とする。そして、SEMの装置としてJSM−6700F/JED−2300F(日本電子社製)を用い、上記測定用試料を3箇所観察して、aおよびbを測定する(3箇所平均値でa、b算出)。
なお、上記のSEM画像の観察は、感光層の導電性基体の表面と平行な方向の距離として、40μmの範囲で行う。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、特に、感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂がよい。
感光層の全固形分に対する結着樹脂の含有量は、35質量%以上60質量%以下、望ましくは20質量%以上35質量%以下である。
電荷発生材料としては、特に制限はないが、例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、チタニルフタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、感光体の高感度化の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよく、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がさらに望ましい。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積が45m2/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される傾向がある。さらに、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい傾向にあり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、9−ジシアノメチレン−9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’−ジ−tert−ペンチル-ジナフトキノン等のジナフトキノン化合物;3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
構造式(b−1)中、R111、及びR112が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、フェニル基が望ましい。
炭素数1以上10以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
L114が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
R115が示すアルキル基としては、上記R111、及びR112が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
なお、構造式(b−1)中、R113がアリール基である場合、アリール基がさらにアルキル基で置換されていることが、溶解性の観点で好ましい。アリール基に置換されるアルキル基としては、R111、及びR112が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。また、さらにアルキル基で置換されたアリール基の具体例としては、上記メチルフェニル基及びジメチルフェニル基のほか、エチルフェニル基等が挙げられる。
R116が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基エチルフェニル基等が挙げられる。
「番号−」は、フルオレン環の番号の位置に置換する置換基を表す。例えば、「1−Cl」は、フルオレン環の1位に置換するCl(塩素原子)を、4−CO(=O)−R113は、フルオレン環の4位に置換する−CO(=O)−R113を、それぞれ表す。
また、「1〜3−」は、1位〜3位のすべての位置に置換基が置換していることを、「5−8−」は5位〜8位のすべての位置に置換基が置換していることを、それぞれ表す。
「Ph」はフェニル基を表す。
構造式(b−2)中、R221、R222、R223、及びR224が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
「t−Bu」は、tert−ブチル基を、「i−Pr」はイソプロピル基を、「Me」はメチル基を、「MeO」はメトキシ基を、「Ph」はフェニル基を、それぞれ表す。
構造式(b−3)中、R331、R332、R333、及びR334が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
「t−Pen」は、tert−ペンチル基を、「t−Bu」は、tert−ブチル基を、「i−Pr」はイソプロピル基を、「Me」はメチル基を、「MeO」はメトキシ基を、「Ph」はフェニル基を、それぞれ表す。
なお、電子輸送材料は、高感度化の観点から、電荷発生材料が存在する領域に含有していることが好ましい。また、感光層中に、電荷発生材料の存在が無い領域を形成する場合、この領域に電子輸送材料を含有させてもよいが、電子輸送材料を含有させなくてもよい。つまり、電荷発生材料を含む領域には、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含み、電荷発生材料を含まない領域には、結着樹脂、及び正孔輸送材料を含む(すなわち、電荷発生材料と電子輸送材料とを含まない)感光層を形成してもよい。
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が望ましく、より望ましくは60/40以上80/20以下である。
単層型の感光層には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
本実施形態の単層型の感光層を形成する方法について説明する。
単層型の感光層を形成する方法は、特に限定されない。例えば、導電性基体上に、又は、下引層を形成する場合は、導電性基体上に設けられた下引層上に、単層型の感光層を形成する。一例としては、電荷発生材料を含有する感光層形成用塗布液を準備する工程、導電性基体上に、感光層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成する工程、塗膜を加熱乾燥して単層型の感光層を形成する感光層形成工程を含む方法が挙げられる。
また、感光層形成用塗布液を準備する工程には、電荷発生材料を含有する第1の感光層形成用塗布液を準備する工程、第1の感光層形成用塗布液よりも少ない量で電荷発生材料を含有する(含有しない場合も含む)第2の感光層形成用塗布液を準備する工程を含む。
さらに、塗膜形成工程には、導電性基体上に、第2の感光層形成用塗布液および第1の感光層塗布液を塗布して、第2の塗膜と第1の塗膜とを形成する塗膜形成工程を含む。より具体的には、導電性基体上に、第2の感光層形成用塗布液を塗布して第2の塗膜を形成する第2の塗膜形成工程と、第2の塗膜上に、第1の感光層塗布液を塗布して第1の塗膜を形成する第1の塗膜形成工程を含む。
以下、単層型の感光層を形成する具体的な方法について説明する。
まず、感光層形成用塗布液を準備する。例えば、電荷発生材料等の各成分を溶剤に加えた第1の感光層形成用塗布液と、第1の感光層形成用塗布液に含有する量よりも少ない量で電荷発生材料を含有する第2の感光層形成用塗布液とを準備する。ただし、感光層の導電性基体側に電荷発生材料を存在しない領域を形成させる場合、第2の感光層形成用塗布液には、電荷発生材料を含有しない塗布液を準備する。また、感光層の膜厚方向に対して、電荷発生材料の含有量を段階的に減少させて傾斜を持たせる場合には、電荷発生材料の含有量が、第1の感光層形成用塗布液よりも少なく、第2の感光層形成用塗布液よりも多い、第3の感光層形成用塗布液を準備してもよい。
なお、例えば、第2の感光層形成用塗布液に電荷発生材料を含まない場合、結着樹脂と、電子輸送材料と、正孔輸送材料とを含む第2の感光層形成用塗布液を調整してもよく、結着樹脂と正孔輸送材料とを含む第2の感光層形成用塗布液(つまり、電荷発生材料と電子輸送材料とを含まない塗布液)を準備してもよい。
上記の各感光層形成用塗布液に用いる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン、メチルエチルケトン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類;2-メチルペンタン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素;等の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
次に、導電性基体上に感光層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成する。例えば、導電性基体上に、第2の感光層形成用塗布液を塗布して第2の塗膜を形成した後、第2の塗膜上に、第1の感光層形成用塗布液を塗布して第1の塗膜を形成する。
なお、上記の第3の感光層形成用塗布液を用いて第3の塗膜を形成する場合には、第1の塗膜を形成する前に、第2の塗膜上に、上記の第3の感光層塗布液を塗布して第3の塗膜を形成する第3の塗膜形成工程を含む。この場合、感光層の膜厚方向に対して、第1の塗膜から第2の塗膜に向かって、電荷発生材料の含有量が段階的に減少する塗膜が形成され得る。
そこで、感光層の表面側に電荷発生材料を偏在する感光層を形成するためには、第1の感光層形成用塗布液と第2の塗膜成分との全体が混ざり合わない塗布方法を採用することが望ましい。このような塗布方法としては、例えば、インクジェット塗布法、スプレー塗布法などの方法が挙げられる。これらの塗布方法のうち、感光層を効率的に形成する観点から、インクジェット塗布法を採用することが好ましい。
なお、これらの方法によって、電荷発生材料の存在量が少ない導電性基体側の領域との境界には、明確な界面が存在しない単層型の感光層が形成され得る。
図2及び図3はインクジェット塗布法によって塗膜を形成する方法の一例を概略的に示している。図2(B)に示すように、液滴吐出部200を導電性基体206の軸に対して傾斜させて設置している。そして、液滴吐出部200の各ノズル202から噴射された感光層形成用塗布液は、導電性基体206の表面に着弾した後、隣り合う液滴204同士が接して塗布される。つまり、図2(A)に示すように、噴射した直後の液滴の大きさは、点線で示すようにノズル径と同程度であるが、導電性基体206の表面に着弾した後は実線に示すように拡がって隣り合う液滴と接触して塗膜を形成する。
または、第1の液滴吐出部200Aに、電荷発生材料等を含む第1の感光層形成用塗布液を充填し、第2の液滴吐出部200Bおよび第3の液滴吐出部200Cに、第1の感光層形成用塗布液よりも少ない量で電荷発生材料を含有する(又は、含有しない)第2の感光層形成用塗布液を充填する。
そして、上記のように塗膜を形成することで、電荷発生層の含有量が少ない導電性基体側の領域と、電荷発生層の含有量が多い表面側の領域とを有する単層型の感光層が形成される。
さらに、保護層を形成する場合、第3の液滴吐出部200Cに第2の感光層形成用塗布液を充填し、第2の液滴吐出部200Bに第1の感光層形成用塗布液を充填し、第1液滴吐出部200Aに、保護層形成用塗布液を充填して、感光層を設け、さらに、保護層を設けることもできる。
塗膜形成工程で形成した塗膜を熱風乾燥等の方法により加熱乾燥して、本実施形態の単層型の感光層が形成される。塗膜を乾燥条件としては、塗膜が乾燥硬化できれば、特に制限されず、例えば、溶剤の種類等によって設定され得る。具体的には、例えば、乾燥温度として、100℃以上170℃以下の範囲、乾燥時間として、10分以上120分以下の範囲が挙げられる。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図5に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
<実施例1>
結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万):50質量部と、表1に示す正孔輸送材料:40質量部とを、テトラヒドロフラン:250質量部と、トルエン:250質量部に溶解した感光層形成用塗布液Aを得た。
電荷発生材料としてCuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:1.5質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万):50質量部と、表1に示す電子輸送材料:11.5質量部と、表1に示す正孔輸送材料:37質量部と、溶剤としてテトラヒドロフラン:250質量部と、トルエン:250質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてダイノーミルにて4時間分散し、感光層形成用塗布液B1を得た。
その後、140℃、30分の乾燥を行い、厚さ30μmの単層型の感光層を形成し、実施例1の電子写真感光体(1)を作製した。
ノズルの配列/数;直列/7個
ノズル間距離;0.5mm
ノズルとドラムとの距離;1mm
チルト角;80°
ピエゾ素子の周波数;75kHz
プランジャーポンプの周波数;5.58Hz
ドラム回転数;715rpm
表1に従って、電荷発生材料の量、電子輸送材料、正孔輸送材料、溶剤の種類を変更して調製した感光層形成用塗布液B2〜B6、及びC3を用いて感光層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜7の電子写真感光体(2〜7)、比較例3の電子写真感光体(C3)及び比較例4の電子写真感光体(C4)を作製した。
電荷発生材料としてCuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:1.5質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万):50質量部と、表1に示す電子輸送材料 10質量部と、表1に示す正孔輸送材料:37質量部と、溶剤としてテトラヒドロフラン:250質量部と、トルエン:50質量部と、からなる混合物を、分散処理前の感光層形成用塗布液と混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いてダイノーミルにて4時間分散し、感光層形成用塗布液C1を得た。
電荷発生材料の量を変更して調製した感光層形成用塗布液C2を用いて感光層を形成したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体(C2)を作製した。
各例で得られた電子写真感光体について、以下の評価を行った。その結果を表に示す。
各例で得られた感光層について、既述の方法に従って、感光層の膜厚における電荷発生材料の分布を表す式a/bの値を算出した。結果を表2に示す。
感光体の感度の評価は、+800Vに帯電させたときの半減露光量として評価した。具体的には、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電機製作所社製)を用いて、20℃、40%RHの環境下、+800に帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2になるように調整して、照射した。
そして、帯電直後における感光体表面の表面電位V0(V)、感光体表面の光照射により表面電位が1/2×V0(V)となる半減露光量E1/2(μJ/cm2)を測定した。
なお、感光体の感度の評価基準は、0.2μJ/cm2以下の半減露光量が得られたとき、高感度化されたと評価した。結果を表2に示す。
A(○):0.2μJ/cm2 以下
B(×):0.2μJ/cm2 超
感光体の帯電性の評価は、暗条件下の直流IV測定により求めた電気伝導度σ[1/Ω・cm]で評価した。
帯電性評価用の測定試料は、感光体表面に金をスパッタして(3連電極面積0.92cm2)作製した。金側をプラスとして電圧を段階的に印加し、そのときの電流値を測定し、27V/μmにおける電気伝導度を算出した。結果を表2に示す。
なお、感光体の帯電性の評価基準は、σが1.0×10−13[1/Ω・cm]以下のとき帯電性が高いと評価した。
A(○):1.0×10−13[1/Ω・cm] 以下
B(×):1.0×10−13[1/Ω・cm] 超
「IJ」:インクジェット塗布法
「CGM−1」:CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料
「ETM−1」:3,3’−ジ−tert−ペンチル−ジナフトキノン
「ETM−2」:3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン
「ETM−3」:9−ジシアノメチレン−9−フルオレノン−2−カルボン酸ベンジル
「HTM−1」:N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン
「HTM−2」:4−(2,2−ジフェニルエテニル)−N,N’−ビス(4−メチルフェニル)ベンゼンアミン
「THF」:テトラヒドロフラン
「Tol」:トルエン
「CPN」:シクロペンタノン
Claims (4)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、感光層中の含有量が0.5質量%以上2.0質量%未満であり、感光層の膜厚方向における分布が下記(1)式を満たす電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含み、電荷発生材料の存在量が多い表面側の領域と、前記表面側よりも電荷発生材料の存在量が少ない導電性基体側の領域との境界が形成されていない感光層と、
を有する電子写真感光体。
式(1) 30≦a/b
(式(1)中、aは、前記感光層の膜厚の表面側から1/3までの領域における単位断面積当たりの電荷発生材料の個数、bは、前記感光層の膜厚の導電性基体側から2/3までの領域における単位断面積当たりの電荷発生材料の個数を表す。ただし、bは0である場合を含む。) - 前記電荷発生材料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、及びチタニルフタロシアニン顔料の1種又は2種以上を含む請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1又は2に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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