JP2019105739A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単層型の感光層を備える電子写真感光体において、感光層に含まれる電荷発生材料が、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%未満である場合に比べて、高感度な電子写真感光体を提供する。【解決手段】導電性基体と、前記導電性基体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層とを有し、前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である電子写真感光体。【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、基体上に、少なくとも電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及び結着樹脂を含む単層構造の感光層を備えた電子写真感光体であって、前記感光層が、粒子状のキナクリドン顔料を含むとともに、前記電荷発生剤として、オキソチタニルフタロシアニン結晶を含み、かつ、前記キナクリドン顔料における平均粒径を30〜150nmの範囲内の値とすることを特徴とする電子写真感光体が開示されている。
特許文献2には、少なくとも感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する接触方式の帯電装置と、一様帯電後に像露光を行い静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像を現像する現像装置と、現像像を転写する装置とを有する電子写真装置において、前記感光体が少なくとも導電性支持体上に感光層を有し、該感光層中に少なくとも電荷発生材料と下記一般式1で表される電子輸送材料を含むことを特徴とする電子写真装置が開示されている。
{但し、上記一般式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。}
特許文献3には、導電性支持体上に、感光層を形成してなる電子写真感光体において、該感光層が、電荷発生物質として粒径分布が0.1μm以上、0.5μm未満のものが全体の60vol%以上の分布を占めるフタロシアニン化合物、下記一般式(I)、又は一般式(IV)で表される有機アクセプター性化合物のうちの少なくとも1種、及び結着樹脂を含有する単層からなることを特徴とする電子写真感光体が開示されている。
(式中、R1、R2、R3、及びR4は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、シアノ基、ニトロ基よりなる群から選ばれた基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。Xは=0、下記一般式(II)及び(III)で表される基よりなる群から選ばれた基を表す。
=C(A)(B)(II)
=N−R9(III)
前記一般式(II)において、A、Bは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の芳香族基、及び−COOR10よりなる群から選ばれた基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。但しR10はアルキル基を表す。前記一般式(III)において、R9は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族基よりなる群から選ばれた基を表す。)
=C(A)(B)(II)
=N−R9(III)
前記一般式(II)において、A、Bは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは無置換の芳香族基、及び−COOR10よりなる群から選ばれた基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。但しR10はアルキル基を表す。前記一般式(III)において、R9は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換の芳香族基よりなる群から選ばれた基を表す。)
(式中、R5、R6、R7、R8はアルキル基、又はアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。)
本発明が解決しようとする課題は、単層型の感光層を備える電子写真感光体において、感光層に含まれる電荷発生材料が、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%未満である場合に比べて、高感度な電子写真感光体を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層とを有し、前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である電子写真感光体。
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層とを有し、前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である電子写真感光体。
請求項2に係る発明は、
前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の85個数%以上である請求項1に記載の電子写真感光体である。
前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の85個数%以上である請求項1に記載の電子写真感光体である。
請求項3に係る発明は、
前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の10個数%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体である。
前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の10個数%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体である。
請求項4に係る発明は、
前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の8個数%以下である請求項3に記載の電子写真感光体である。
前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の8個数%以下である請求項3に記載の電子写真感光体である。
請求項5に係る発明は、
前記電荷発生材料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、及びクロロガリウムフタロシアニン顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の電荷発生材料である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
前記電荷発生材料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、及びクロロガリウムフタロシアニン顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の電荷発生材料である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
請求項6に係る発明は、
前記電荷発生材料が、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料である請求項5に記載の電子写真感光体である。
前記電荷発生材料が、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料である請求項5に記載の電子写真感光体である。
請求項7に係る発明は、
前記正孔輸送材料が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
前記正孔輸送材料が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基又はフェノキシ基を表し、m及びnはそれぞれ独立に、0又は1を表す。
請求項8に係る発明は、
前記一般式(1)において、m及びnが共に0又は共に1である請求項7に記載の電子写真感光体である。
前記一般式(1)において、m及びnが共に0又は共に1である請求項7に記載の電子写真感光体である。
請求項9に係る発明は、
前記電子輸送材料が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
前記電子輸送材料が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を表し、R18は、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は−L19−O−R20を表し、L19はアルキレン基を表し、R20はアルキル基を表す。
請求項10に係る発明は、
前記一般式(2)において、R18が、炭素数4以上10以下のアルキル基である請求項9に記載の電子写真感光体である。
前記一般式(2)において、R18が、炭素数4以上10以下のアルキル基である請求項9に記載の電子写真感光体である。
請求項11に係る発明は、
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
請求項12に係る発明は、
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える画像形成装置である。
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える画像形成装置である。
請求項1、5、6、7、8、9及び10に係る発明によれば、単層型の感光層を備える電子写真感光体において、感光層に含まれる電荷発生材料が、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%未満である場合に比べて、高感度な電子写真感光体が提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の85個数%未満である場合と比べて、色点を抑制した電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の10個数%を超える場合に比べて、より高感度な電子写真感光体が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の8個数%を超える場合に比べて、より高感度な電子写真感光体が提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の85個数%未満である場合と比べて、色点を抑制した電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の10個数%を超える場合に比べて、より高感度な電子写真感光体が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の8個数%を超える場合に比べて、より高感度な電子写真感光体が提供される。
請求項11又は12に係る発明によれば、単層型の感光層を備える電子写真感光体において、感光層に含まれる電荷発生材料が、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%未満である場合に比べて、高感度な電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、単層型の感光層を「単層型感光層」といい、電子写真感光体を「感光体」ということがある。単層型感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送能及び電子輸送能を有する感光層である。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層とを有し、前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である。
本実施形態に係る感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層とを有し、前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である。
感光体が備える感光層においては、電荷発生材料は結晶構造を有することでその機能を発現するが、それ故に感光層中に分子分散され難く、感光層において分布の均一性が低い傾向がある。電荷発生材料の分布の均一性が低い場合、特に電荷発生材料が凝集体を形成している場合、感光層の光に対する感度が低下する。
これに対し、本実施形態に係る感光体は、上記構成により、高感度を示す。この理由は、次のように推測される。
感光層中に含有される電荷発生材料が、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である場合、感光層に含有している電荷発生材料による光の散乱が少なくなり、光が透過しやすくなっている。これは、感光層中の電荷発生材料が、粒径が小さく、比表面積が増大しており、分散状態が高まっているためである。そして、感光層中の電荷発生材料の分散性が高まっていることにより、光感度が高まりやすく、電荷発生効率が向上する。その結果、上記構成を有する感光体では、高感度であると考えられる。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る感光体を説明する。
図1は、本実施形態に係る感光体7の一部の断面を概略的に示している。図1に示した感光体7は、導電性基体1を備え、導電性基体1上に単層型感光層2が配置されている。感光体7は、必要に応じてその他の層を備えていてもよく、例えば、導電性基体1と単層型感光層2との間に下引層が配置されていてもよい。
図1は、本実施形態に係る感光体7の一部の断面を概略的に示している。図1に示した感光体7は、導電性基体1を備え、導電性基体1上に単層型感光層2が配置されている。感光体7は、必要に応じてその他の層を備えていてもよく、例えば、導電性基体1と単層型感光層2との間に下引層が配置されていてもよい。
以下、本実施形態に係る感光体の各層について詳細に説明する。
[導電性基体]
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1×1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1×1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
[単層型感光層]
本実施形態において単層型感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料とを含有する。
本実施形態において単層型感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料とを含有する。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、感光層の機械的強度の観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。結着樹脂としては、感光層の成膜性の観点から、粘度平均分子量30,000以上80,000以下のポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量30,000以上80,000以下のポリアリレート樹脂が好ましい。
感光層全体に占める結着樹脂の質量割合は、35質量%以上60質量%以下が好ましく、40質量%以上55質量%以下がより好ましい。
−電荷発生材料−
本実施形態における感光層に含有される電荷発生材料は、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である。
また、感光層の色点抑制の観点から、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、電荷発生材料全体の、85個数%以上であることが好ましい。
本実施形態における感光層に含有される電荷発生材料は、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である。
また、感光層の色点抑制の観点から、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、電荷発生材料全体の、85個数%以上であることが好ましい。
本実施形態における感光層に含有される電荷発生材料は、感光層の高感度化の観点から、粒径1.0μm以上の粒子が、電荷発生材料全体の10個数%以下であることが好ましく、電荷発生材料全体の8個数%以下であることがより好ましく、電荷発生材料全体の5個数%以下であることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、感光層中での電荷発生材料の分散状態を良化し、電荷発生材料による光の散乱が少なくなるため、感光層は光が透過しやすくなり、より高感度である感光層が得られる。
また、感光層の高感度化の観点から、粒径550nmを超え1.0μm未満の粒子が、電荷発生材料全体の、10個数%以下であることが好ましく、7個数%以下であることがより好ましい。
なお、上記粒径1.0μm以上の粒子、及び、粒径550nmを超え1.0μm未満の粒子の量の下限値は、0個数%である。
また、感光層の高感度化の観点から、粒径550nmを超え1.0μm未満の粒子が、電荷発生材料全体の、10個数%以下であることが好ましく、7個数%以下であることがより好ましい。
なお、上記粒径1.0μm以上の粒子、及び、粒径550nmを超え1.0μm未満の粒子の量の下限値は、0個数%である。
感光層中の電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子、粒径550nmを超え1.0μm未満の粒子、又は、粒径1.0μm以上の粒子の割合は、導電性基材から感光層を剥離しエポキシ樹脂に包埋及び固化させ、ミクロトーム及びダイヤモンドナイフにより切片を調製して、測定用試料とする。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、JSM−6700F、日本電子(株)製)により感光層断面を観察し、上記断面における10μm×10μm内の粒子毎の最大径と粒子数とをカウントし算出する。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
電荷発生材料としては、感光層の高感度化の観点から、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料としては、具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンが挙げられる。
電荷発生材料としては、電荷発生効率の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン及びクロロガリウムフタロシアニンの少なくともいずれかが好ましく、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましく、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニンが更に好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、600nmから900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810nmから839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンが、電荷発生効率の観点から好ましい。
810nmから839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンは、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.15μm以下であることがより好ましく、BET比表面積が45m2/g以上であることが好ましく、50m2/g以上であることがより好ましく、55m2/g以上120m2/g以下であることが更に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径であり、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製LA−700)にて測定した値である。BET比表面積は、流動式比表面積自動測定装置((株)島津製作所製フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンの最大粒径(一次粒径の最大値)は、1.2μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、平均粒径が0.2μm以下であり、且つ、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、BET比表面積が45m2/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、感光層の高感度化の観点から、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に回折ピークを有する化合物が好ましい。クロロガリウムフタロシアニンの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及びBET比表面積の好ましい範囲は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと同様である。
電荷発生材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
単層型感光層に含まれる電荷発生材料の量は、感光層の全質量に対し、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量部以上5質量部以下がより好ましく、1質量部以上3質量部以下が特に好ましい。
−正孔輸送材料−
正孔輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等が挙げられる。正孔輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
正孔輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等が挙げられる。正孔輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
正孔輸送材料としては、一般式(B−1)で表される化合物、一般式(B−2)で表される化合物、一般式(B−3)で表される化合物、一般式(1)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、感光層の高感度化の観点から、一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(B−1)中、RB1はメチル基を表し、n11は0以上2以下の整数を表す。ArB1及びArB2は各々独立に、置換若しくは無置換のアリール基、−C6H4−C(RB3)=C(RB4)(RB5)、又は−C6H4−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)を表し、RB3乃至RB7は各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
一般式(B−2)中、RB8及びRB8’は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基を表す。RB9、RB9’、RB10及びRB10’は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(RB11)=C(RB12)(RB13)又は−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)を表し、RB11乃至RB15は各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。m12、m13、n12及びn13は各々独立に、0以上2以下の整数を表す。上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
一般式(B−3)中、RB16及びRB16’は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基を表す。RB17、RB17’、RB18及びRB18’は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(RB19)=C(RB20)(RB21)又は−CH=CH−CH=C(RB22)(RB23)を表し、RB19乃至RB23は各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。m14、m15、n14及びn15は各々独立に、0以上2以下の整数を表す。上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
正孔輸送材料としては、感光層の高感度化の観点から、一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基又はフェノキシ基を表し、m及びnは各々独立に0又は1を表す。
一般式(1)中、R1〜R6が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(1)中、R1〜R6が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下、更に好ましくは1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。直鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式(1)中、R1〜R6が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下、更に好ましくは1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。直鎖状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。分岐状のアルコキシ基としては、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(1)中、R1〜R6が表すフェニル基は、1個乃至5個(好ましくは1個又は2個)の置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基(メチル基、エチル基等);炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等);が挙げられる。
一般式(1)中、R1〜R6が表すフェノキシ基は、ベンゼン環に1個乃至5個(好ましくは1個又は2個)の置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基(メチル基、エチル基等);炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等);が挙げられる。
一般式(1)中、m及びnは各々独立に0又は1であり、感光層の高感度化の観点から、m及びnが共に0又1であることが好ましく、m及びnが共に1であることがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、感光層の高感度化の観点から、R1〜R6が各々独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は炭素数1以上4以下のアルコキシ基を表し、m及びnが共に0又1を表す化合物が好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の例示化合物を示す。一般式(1)で表される化合物は、これに限定されるわけではない。置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示す。
一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。一般式(1)で表される化合物を用いる場合、一般式(1)で表される化合物以外の他の正孔輸送材料と併用してもよい。一般式(1)で表される化合物とそれ以外の他の正孔輸送材料を併用する場合、正孔輸送材料全量に対して、一般式(1)で表される化合物を75質量%以上とすることが好ましい。
正孔輸送材料の含有量は、感光層の全質量に対し、20質量部以上40質量部以下が好ましく、25質量部以上30質量部以下がより好ましい。
−電子輸送材料−
電子輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物;などが挙げられる。電子輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電子輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物;などが挙げられる。電子輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電子輸送材料としては、感光層の高感度化の観点から、フルオレノン化合物が好ましく、フルオレノン化合物の中でも、一般式(2)で表される化合物が好ましい。
一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を表し、R18は、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は−L19−O−R20(但し、L19はアルキレン基を表し、R20はアルキル基を表す。)を表す。
一般式(2)中、R11〜R17が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(2)中、R11〜R17が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下、更に好ましくは1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。直鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式(2)中、R11〜R17が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下、更に好ましくは1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。直鎖状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。分岐状のアルコキシ基としては、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(2)中、R11〜R17が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。具体的には、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましい。これらアリール基は、1個乃至5個(好ましくは1個又は2個)の置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基(メチル基、エチル基等);炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等);が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が表すアラルキル基としては、炭素数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン基(メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等)にフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基等が結合した基が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基が好ましい。これらアラルキル基のベンゼン環は、1個乃至5個(好ましくは1個又は2個)の置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基(メチル基、エチル基等);炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等);が挙げられる。
一般式(2)中、R18が表すアルキル基としては、R11〜R17が表すアルキル基と同様の基が挙げられる。R18が表すアルキル基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基が好ましく、炭素数4以上10以下のアルキル基がより好ましく、炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基が更に好ましい。
一般式(2)中、R18が表すアリール基としては、R11〜R17が表すアリール基と同様の基が挙げられる。R18が表すアリール基としては、有機溶剤への溶解性の観点からは、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基が好ましい。R18が表すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基が好ましい。
一般式(2)中、R18が表すアラルキル基としては、R11〜R17が表すアラルキル基と同様の基が挙げられる。R18が表すアラルキル基としては、有機溶剤への溶解性の観点からは、アルキル基で置換されたアルキル置換アラルキル基が好ましい。R18が表すアラルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基が好ましい。
一般式(2)中、R18が表す−L19−O−R20(但し、L19はアルキレン基を表し、R20はアルキル基を表す。)において、L19としては、炭素数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン基(メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等)が挙げられ、R20としては、R11〜R17が表すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物としては、感光層の高感度化の観点から、R11〜R17が各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基であり、R18が炭素数4以上10以下のアルキル基である化合物が好ましい。
以下に、一般式(2)で表される化合物の例示化合物を示す。一般式(2)で表される化合物は、これに限定されるわけではない。
一般式(2)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。一般式(2)で表される化合物を用いる場合、一般式(2)で表される化合物以外の他の電子輸送材料と併用してもよい。一般式(2)で表される化合物とそれ以外の他の電子輸送材料を併用する場合、電子輸送材料全量に対して、一般式(2)で表される化合物を90質量%以上とすることが好ましい。
電子輸送材料の含有量は、感光層の全質量に対し、5質量部以上20質量部以下が好ましく、10質量部以上25質量部以下がより好ましく、15質量部以上20質量部以下が更に好ましい。
−その他の成分−
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤が含まれていてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、単層型の感光層には、フッ素樹脂粒子、シリコーンポリマー等の離型剤が含まれていてもよい。
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤が含まれていてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、単層型の感光層には、フッ素樹脂粒子、シリコーンポリマー等の離型剤が含まれていてもよい。
[単層型感光層の形成方法]
単層型感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料とを含む感光層形成用塗布液を準備し、この感光層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、塗布膜を乾燥させて形成することが好ましい。
単層型感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料とを含む感光層形成用塗布液を準備し、この感光層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、塗布膜を乾燥させて形成することが好ましい。
感光層形成用塗布液は、例えば、結着樹脂と電荷発生材料と正孔輸送材料と電子輸送材料とを、溶剤に溶解又は分散させた液状組成物である。
感光層形成用塗布液中の電荷発生材料は、粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上であり、感光層の高感度化の観点から、全体の85個数%以上であることが好ましい。
感光層形成用塗布液中の電荷発生材料は、感光層の高感度化の観点から、粒径1.0μm以上の粒子が、電荷発生材料全体の、10個数%以下であることが好ましく、全体の8個数%以下であることがより好ましく、5個数%以下であることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、感光層形成用塗布液中での電荷発生材料の分散状態が良化し、電荷発生材料の粒径が小さくなり、顔料による光の散乱が少なくなる故、感光層形成用塗布液は光が透過しやすくなる。
感光層形成用塗布液中の電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子、粒径550nmを超え1.0μm未満の粒子、又は、粒径1.0μm以上の粒子の割合は、次のようにして求める。感光層形成用塗布液を波長830nmにおける吸光度が、0.95以上1.05以下となるように希釈し、粒度分布計(例えば、マルバーン社製ゼータサイザーナノZSP)にて測定する。次いで、測定データより、各粒径範囲の頻度データを合算し、各粒径範囲の割合を求める。
感光層形成用組成物を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類;などの有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
感光層形成用組成物中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
感光層形成用組成物を導電性基体上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
導電性基体上に塗布された感光層形成用組成物を乾燥することによって、導電性基体上に感光層が形成される。感光層形成用組成物の乾燥のために、加熱処理(例えば、120℃乃至150℃、10分間乃至60分間)を行ってもよい。
単層型感光層の層厚は、5μm以上60μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましく、20μm以上40μm以下が更に好ましい。
[下引層]
導電性基体と感光層との間には、下引層を設けてもよい。下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
導電性基体と感光層との間には、下引層を設けてもよい。下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)1×102Ωcm以上1×1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。無機粒子の中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子が好ましく、酸化亜鉛粒子が特に好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m2/g以上が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2,000nm以下が好ましく、60nm以上1,000nm以下がより好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2,000nm以下が好ましく、60nm以上1,000nm以下がより好ましい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法又は湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤を除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤の除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤の除去後には、さらに100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として、溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して、0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.01質量%以上10質量%以下がより好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに下引層に添加してもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、公知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性支持体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
[中間層]
下引層と感光層との間には、中間層を設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層と感光層との間には、中間層を設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、公知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。中間層を下引層としてもよい。
[保護層]
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を表す。]、−NH2、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2)Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す。]等の公知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基が好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、感光体の技術分野における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、公知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、公知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、公知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
<画像形成装置、プロセスカートリッジ>
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と、感光体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電した感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、感光体として、本実施形態に係る感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と、感光体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電した感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、感光体として、本実施形態に係る感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための感光体加熱部材を備える装置等の公知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。プロセスカートリッジは、感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば紙)に転写する二次転写装置も有している。中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば紙)に転写する二次転写装置も有している。中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、感光体7の表面に接触するように配置されている。クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
図2には、画像形成装置として、潤滑剤14を感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
[帯電装置]
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
[露光装置]
露光装置9としては、例えば、感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
露光装置9としては、例えば、感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
[現像装置]
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、公知のものが適用される。
[クリーニング装置]
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
[転写装置]
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
[中間転写体]
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの感光体が使用される構成となっている。画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの感光体が使用される構成となっている。画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<感光体の製造>
[実施例1]
電荷発生材料1.0質量部と、テトラヒドロフラン15質量部との混合物を超音波ホモジナイザーにて0.5時間分散し、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量5万)55質量部と、正孔輸送材料28質量部と、電子輸送材料16質量部と、テトラヒドロフラン385質量部と混合して高圧ホモジナイザーにて6回分散し、感光層形成用塗布液を得た。電荷発生材料などの化合物種は、表6に記載のとおりである。
[実施例1]
電荷発生材料1.0質量部と、テトラヒドロフラン15質量部との混合物を超音波ホモジナイザーにて0.5時間分散し、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量5万)55質量部と、正孔輸送材料28質量部と、電子輸送材料16質量部と、テトラヒドロフラン385質量部と混合して高圧ホモジナイザーにて6回分散し、感光層形成用塗布液を得た。電荷発生材料などの化合物種は、表6に記載のとおりである。
導電性基体として、直径30mm、長さ244.5mm、肉厚1mmのアルミニウム基材を用意した。感光層形成用塗布液を浸漬塗布法にてアルミニウム基材上に塗布し、温度135℃において35分間の乾燥硬化を行い、厚さ30μmの単層型感光層をアルミニウム基材上に形成した。こうして、実施例1の感光体を得た。
[実施例1〜13、及び、比較例1〜3]
表6に記載の組成となるように、電荷発生材料の種類、正孔輸送材料の種類、電子輸送材料の種類、超音波ホモジナイザーの照射時間、及び、高圧ホモジナイザーによる分散回数を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の感光体を作製した。
表6に記載の組成となるように、電荷発生材料の種類、正孔輸送材料の種類、電子輸送材料の種類、超音波ホモジナイザーの照射時間、及び、高圧ホモジナイザーによる分散回数を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の感光体を作製した。
表6中の略称は以下の化学物質を意味する。
−電荷発生材料−
・CGM1:下記構造のアゾ顔料。
・CGM1:下記構造のアゾ顔料。
・CGM2:チタニルフタロシアニン。
・CGM3:クロロガリウムフタロシアニン。CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有する。600nmから900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長780nm、平均粒径0.15μm、最大粒径0.2μm、BET比表面積56m2/g。
・CGM4:V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン。CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有する。600nmから900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長820nm、平均粒径0.12μm、最大粒径0.2μm、BET比表面積60m2/g。
・CGM3:クロロガリウムフタロシアニン。CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有する。600nmから900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長780nm、平均粒径0.15μm、最大粒径0.2μm、BET比表面積56m2/g。
・CGM4:V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン。CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有する。600nmから900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長820nm、平均粒径0.12μm、最大粒径0.2μm、BET比表面積60m2/g。
−正孔輸送材料−
・HTM1:下記構造の化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン。
・HTM1:下記構造の化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン。
・HTM2:下記構造の化合物。
・HTM3:一般式(1)で表される化合物の例示化合物(1−41)。
・HTM4:一般式(1)で表される化合物の例示化合物(1−21)。
・HTM5:一般式(1)で表される化合物の例示化合物(1−1)。
・HTM4:一般式(1)で表される化合物の例示化合物(1−21)。
・HTM5:一般式(1)で表される化合物の例示化合物(1−1)。
−電子輸送材料−
・ETM1:下記構造の化合物、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン。
・ETM1:下記構造の化合物、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン。
・ETM2:下記構造の化合物。
・ETM3:一般式(2)で表される化合物の例示化合物(2−3)。
・ETM4:一般式(2)で表される化合物の例示化合物(2−2)。
・ETM4:一般式(2)で表される化合物の例示化合物(2−2)。
<評価>
[感光体の感度]
感光体の感度の評価は、+800Vに帯電させたときの半減露光量として評価した。具体的には、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、(株)川口電機製作所製)を用いて、温度20℃/相対湿度40%の環境下、+800Vに帯電させた後、タングステンランプの光をモノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2になるように調整して照射した。帯電直後における感光体表面電位Vo(V)が、光照射により2分の1となる半減露光量(μJ/cm2)を測定し、下記のとおり分類した。
G1:半減露光量が0.10μJ/cm2以下であった。
G2:半減露光量が0.10μJ/cm2を超え0.15μJ/cm2以下であった。
G3:半減露光量が0.15μJ/cm2を超え0.18μJ/cm2以下であった。
G4:半減露光量が0.18μJ/cm2を超えていた。
[感光体の感度]
感光体の感度の評価は、+800Vに帯電させたときの半減露光量として評価した。具体的には、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、(株)川口電機製作所製)を用いて、温度20℃/相対湿度40%の環境下、+800Vに帯電させた後、タングステンランプの光をモノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2になるように調整して照射した。帯電直後における感光体表面電位Vo(V)が、光照射により2分の1となる半減露光量(μJ/cm2)を測定し、下記のとおり分類した。
G1:半減露光量が0.10μJ/cm2以下であった。
G2:半減露光量が0.10μJ/cm2を超え0.15μJ/cm2以下であった。
G3:半減露光量が0.15μJ/cm2を超え0.18μJ/cm2以下であった。
G4:半減露光量が0.18μJ/cm2を超えていた。
[色点]
色点の評価は、感光体を搭載したブラザー工業(株)製HL2360DNの改造機を用い、28℃、85RH%の高温高湿環境下、帯電電圧+600Vにてハーフトーン50%を2,000枚プリントし、一晩装置を停止、翌朝白紙を装置内搬送した際に用紙上に発生した色点の数をカウントし、以下の基準で評価した。
A:色点未発生。
B:色点数が1個乃至5個。
C:色点数が6個以上。
色点の評価は、感光体を搭載したブラザー工業(株)製HL2360DNの改造機を用い、28℃、85RH%の高温高湿環境下、帯電電圧+600Vにてハーフトーン50%を2,000枚プリントし、一晩装置を停止、翌朝白紙を装置内搬送した際に用紙上に発生した色点の数をカウントし、以下の基準で評価した。
A:色点未発生。
B:色点数が1個乃至5個。
C:色点数が6個以上。
1 導電性基体、2 単層型感光層、7 感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑剤、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材、133 繊維状部材、300 プロセスカートリッジ
Claims (12)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層とを有し、
前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の80個数%以上である
電子写真感光体。 - 前記電荷発生材料における粒径100nm以上550nm以下の粒子が、全体の85個数%以上である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の10個数%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生材料における粒径1.0μm以上の粒子が、全体の8個数%以下である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生材料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、及びクロロガリウムフタロシアニン顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の電荷発生材料である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生材料が、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料である請求項5に記載の電子写真感光体。
- 前記正孔輸送材料が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基又はフェノキシ基を表し、m及びnはそれぞれ独立に、0又は1を表す。 - 前記一般式(1)において、m及びnが共に0又は共に1である請求項7に記載の電子写真感光体。
- 前記電子輸送材料が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を表し、R18は、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は−L19−O−R20を表し、L19はアルキレン基を表し、R20はアルキル基を表す。 - 前記一般式(2)において、R18が、炭素数4以上10以下のアルキル基である請求項9に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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