JP6840967B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1には、導電性基体と、導電性基体上に設けられた単層型の感光層であり、結着樹脂と電荷発生材料と正孔輸送材料と電子輸送材料とを含んで構成され、且つ正帯電時の半減露光量が0.18μJ/cm以下、負帯電時の半減露光量が前記正帯電時の半減露光量の2倍以上12倍以下である感光層と、を有する電子写真感光体を用いた画像形成装置が開示されている。
特開2013−231866号公報
近年、製造コストを抑えた廉価帯の画像形成装置として、単層型の感光層を有する電子写真感光体(以下「単層型感光体」ともいう)を備えた画像形成装置が注目されている。また、さらに製造コストを抑えた画像形成装置として、単層型感光体を備え、かつ、電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段及び電子写真感光体の表面の残留電位を除電する除電手段を備えていない画像形成装置が挙げられる。
しかしながら、上記画像形成装置は除電手段を備えていないため、特に帯電手段としてコロナ放電を利用した帯電手段(以下「コロナ方式の帯電手段」ともいう)を用いると、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象が発生しやすくなる。
本発明の課題は、単層型感光体及びコロナ方式の帯電手段を備え、かつ、クリーニング手段及び除電手段を備えていない画像形成装置に比べ、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象の発生を抑制した画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>導電性基体と導電性基体上に設けられ電荷発生材料及び電荷輸送材料を含有する単層型の感光層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体から離間して配置された帯電部材と前記帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、電圧が印加された前記帯電部材により前記電子写真感光体の表面を帯電する近接帯電方式の帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備え、
前記転写の後に前記電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、前記電子写真感光体の表面における残留電荷を除電する除電手段と、を備えない画像形成装置である。
<2>前記単層型の感光層全体に対する前記電荷発生材料の含有量は0.5質量%以上5質量%以下である<1>に記載の画像形成装置である。
<3>前記電子写真感光体の表面と前記帯電部材の表面との距離が5μm以上80μm以下である<1>又は<2>に記載の画像形成装置である。
<1>に係る発明によれば、単層型感光体及びコロナ方式の帯電手段を備え、かつ、クリーニング手段及び除電手段を備えていない画像形成装置に比べ、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象の発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<2>に係る発明によれば、電荷発生材料の含有量が5質量%を超える場合に比べ、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象の発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<3>に係る発明によれば、電子写真感光体の表面と帯電部材の表面との距離が5μm未満又は80μmを超える場合に比べ、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象の発生を抑制した画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する近接帯電方式の帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
上記の電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)は、導電性基体と、導電性基体上に設けられ、電荷発生材料及び電荷輸送材料を含有する単層型の感光層と、を有する単層型感光体である。
また、上記帯電手段は、電子写真感光体から離間して配置された帯電部材と、帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段と、を有し、電圧が印加された帯電部材により電子写真感光体の表面を帯電する近接帯電方式の帯電手段(以下、単に「近接帯電方式の帯電手段」ともいう)である。
さらに、本実施形態に係る画像形成装置は、転写の後に電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、電子写真感光体の表面における残留電荷を除電する除電手段と、を備えていない。
本実施形態に係る画像形成装置は、帯電手段として近接帯電方式の帯電手段を用いることで、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象(以下「ゴースト」ともいう)の発生を抑制する。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
単層型感光体を用い、かつ、クリーニング手段及び除電手段を備えていない画像形成装置は、製造コストは抑えられるが、ゴースト(その中でも特に、前画像の画像部が次に形成された画像に濃く表れるポジゴースト)が発生しやすい。
上記ゴースト(特にポジゴースト)が発生する原因のひとつとして、前画像を形成する過程で生じた画像部と非画像部との電位差が、次の画像形成で感光体の帯電を行っても残り、電位の低い領域が履歴画像として現れてしまうことが挙げられる。特に、単層型感光体を用いた画像形成装置では、一般的に帯電手段としてコロナ方式の帯電手段を用いていることが多い。そして、コロナ方式の帯電手段は帯電能力が高くないため、感光体の表面を帯電しても、前画像における画像部と非画像部との電位差が解消されきらずに残りやすく、ゴーストが発生しやすい。
これに対して、本実施形態では、帯電手段として近接帯電方式の帯電手段を用いている。
近接帯電方式の帯電手段は、コロナ方式の帯電手段に比べて帯電能力に優れるため、感光体の表面を帯電することで、前画像における画像部と非画像部との電位差が減少しやすい。そのため、近接帯電方式の帯電手段を用いた画像形成装置では、コロナ方式の帯電手段を用いた場合に比べ、単層型感光体を用いクリーニング手段及び除電手段を備えていなくても、ゴーストの発生が抑制されると推測される。
また、本実施形態では、帯電手段として近接帯電方式の帯電手段を用いているため、感光体に接触した帯電部材により感光体の表面を帯電する帯電手段(以下「接触帯電方式の帯電手段」ともいう)を用いた場合に比べても、ゴーストの発生が抑制される。
近接帯電方式の帯電手段は、感光体の表面と帯電部材の表面との距離の調整により、接触帯電方式の帯電手段よりも高い帯電能力が発揮されやすい。一方、例えばクリーニングブレードで感光体の表面を清掃するクリーニング手段を備えた画像形成装置に近接帯電方式の帯電手段を適用すると、感光体表面の摩耗により感光体と帯電部材との距離が変化するため、使用とともに帯電能力が低下していく場合がある。これに対して、クリーニング手段を有していない本実施形態の画像形成装置では、感光体表面の摩耗に起因した感光体と帯電部材との距離の変化が起こりにくいため、近接帯電方式の帯電手段の帯電能力が発揮されやすい。そのため、本実施形態の画像形成装置では、接触帯電方式の帯電手段を用いた場合に比べても、ゴーストの発生が抑制されると推測される。
以上のように、本実施形態では、単層型感光体を用い、かつ、クリーニング手段及び除電手段を備えていない画像形成装置に、近接帯電方式の帯電手段を適用することで、ゴーストの発生が抑制されると推測される。
なお、本実施形態では、近接帯電方式の帯電手段を用いているため、接触帯電方式の帯電手段を用いた場合に比べて、トナーによる帯電部材の汚染も抑制される。特にクリーニング手段を備えていない画像形成装置では、トナー像が転写された後に感光体表面に残留したトナーが、次の画像形成において帯電部材との接触位置に到達しやすく、帯電部材がトナーによって汚染されやすい。しかしながら、感光体表面と帯電部材の表面とが離間した近接帯電方式の帯電手段を用いている本実施形態では、感光体表面に残留したトナーが帯電位置に到達してもトナーが帯電部材に移行しにくいため、トナーによる帯電部材の汚染が抑制される。
また、本実施形態では、近接帯電方式の帯電手段を用いているため、接触帯電方式の帯電手段を用いた場合に比べて、電荷漏れ(以下「リーク」ともいう)に起因する色点の発生も抑制される。
上記リークに起因する色点の発生は、感光体を帯電させる工程で感光体と帯電部材が接触した際に、局所的な放電が起こることで電荷が導電性基体に漏れ、電位が下がった領域が色点として画像に表れるために起こると考えられる。そのため、感光体と帯電部材が離間して配置された近接帯電方式の帯電手段を用いた本実施形態では、接触帯電方式の帯電手段を用いた場合に比べ、上記リークに起因する色点の発生が抑制される。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体及び帯電手段を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体及び帯電手段以外に、例えば、静電潜像形成手段、現像手段、及び転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置では、電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、を有する画像形成方法が実施される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、電子写真感光体7及び帯電装置8を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図1におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、及び現像装置11(現像手段の一例)を一体に支持している。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−電子写真感光体−
電子写真感光体7として、導電性基体上に、単層型の感光層が設けられた感光体が適用される。単層型の感光層は、少なくとも電荷発生材料及び電荷輸送材料を含有し、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る電子写真感光体を詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る電子写真感光体7の一部の断面を概略的に示している。
図2に示した電子写真感光体7は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、単層型の感光層2が直接設けられて構成されている。
電子写真感光体7は、必要に応じてその他の層を設けてもよい。その他の層としては、例えば、導電性基体3と単層型の感光層2との間に設けられる下引層、単層型の感光層2上に設けられる保護層等が挙げられる。
なお、下引層を有さない感光体は、下引層を有する場合に比べてリークが起こりやすいが、前記の通り、本実施形態では近接帯電方式の帯電手段を用いているため、感光体が下引層を有していなくても、リークに起因する色点の発生は抑制される。
また、保護層を有さない感光体は、前記の通り、例えばクリーニングブレードで感光体の表面を清掃するクリーニング手段を備えた画像形成装置に適用すると、使用とともに感光体の表面が摩耗する場合がある。しかし、前記の通り、本実施形態ではクリーニング手段を備えていないため、感光体が保護層を有していなくても、感光体の表面における摩耗は起こりにくい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(単層型の感光層)
単層型の感光層は、例えば、結着樹脂と、電荷発生材料と、電荷輸送材料として正孔輸送材料及び電子輸送材料と、を含み、必要に応じてその他添加剤を含んでもよい。
<結着樹脂>
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上混合して用いてもよい。
これら結着樹脂の中でも、感光層の機械的強度等の観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。
また、感光層の成膜性の観点から、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂、及び粘度平均分子量30000以上80000以下のポリアリレート樹脂の少なくとも1種を用いることがよい。
なお、粘度平均分子量は、下記の方法により測定される値である。樹脂1gをメチレンクロライド100cmに溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、比粘度ηspを測定する。そして、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕cの関係式(但しcは濃度(g/cm))から極限粘度〔η〕(cm/g)を求め、H.Schnellによって与えられている関係式〔η〕=1.23×10−4Mv0.83から粘度平均分子量Mvを求める。
感光層の全固形分に対する結着樹脂の含有量は、例えば、35質量%以上60質量%以下、望ましくは40質量%以上55質量%以下である。
−電荷発生材料−
電荷発生材料としては、前述のΔEa−Ipの範囲内を満たすものであれば、特に限定されるものでない。
電荷発生材料の電子親和力(Ea)は、電荷漏れを抑制し、色点の発生を抑制する点で、例えば、3.8eV以上4.0eV以下(好ましくは、3.8eV以上3.9eV以下)であることがよい。
なお、電荷発生材料は、電子親和力(Ea)の異なる電荷発生材料を2種以上用いてもよい。この場合、電荷発生材料の電子親和力(Ea)は、感光層に含まれる電荷発生材料のうち、最も含有比率(質量比)の高い電荷発生材料の電子親和力(Ea)を示す。一方、含有比率が同じ場合は、各々の電荷発生材料の電子親和力(Ea)の平均値を表す。
以下、電荷発生材料について詳細に説明する。
電荷発生材料としては、例えば、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることがよい。具体的には、例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン;クロロガリウムフタロシアニン;ジクロロスズフタロシアニン;チタニルフタロシアニンが挙げられる。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;ビスアゾ顔料等を用いることがよい。
すなわち、電荷発生材料としては、例えば380nm以上500nm以下の露光波長の光源を用いる場合には無機顔料を用いることがよく、700nm以上800nm以下の露光波長の光源を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料を用いことがよい。
中でも、電荷発生材料としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種を用いることが望ましい。これらの電荷発生材料としては、単独又は2種以上混合して用いてもよい。感光体の高感度化の点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
なお、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料を併用する場合には、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とクロロガリウムフタロシアニン顔料との比率は、質量比で、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:クロロガリウムフタロシアニン顔料=9:1乃至3:7(好ましくは9:1乃至6:4)であることがよい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。一方、BET比表面積は45m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましく、55m/g以上120m/g以下であることがさらに好ましい。平均粒径は、体積平均粒径であり、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所LA−700)にて測定した値である。BET比表面積は、流動式比表面積自動測定装置(島津製作所フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒径の最大値)は、1.2μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.2μm以下であり、且つ、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
一方、クロロガリウムフタロシアニン顔料としては、感光層の感度の点から、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に回折ピークを有する化合物が好ましい。クロロガリウムフタロシアニン顔料の最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及びBET比表面積の好ましい範囲は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
電荷発生材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
単層型の感光層の全固形分に対する電荷発生材料の含有量は、ゴーストの発生を抑制する観点から、0.8質量%以上5質量%以下が好ましく、0.8質量%以上4質量%以下がより好ましく、0.8質量%以上3質量%以下がさらに好ましい。
ゴースト(特にポジゴースト)が発生するもう1つの原因として、感光体の表面を露光する工程で発生した電荷が単層型の感光層に蓄積し、次の画像形成で感光体の帯電を行った際に蓄積した電荷が開放され、表面の電位を低下させてしまうことが挙げられる。つまり、ゴースト(特にポジゴースト)は、前述した前画像の形成で生じた画像部と非画像部との電位差と、上記前画像の形成で蓄積された電荷と、の足し合わせによって発生すると考えられる。そのため、感光体として機能する範囲で電荷発生材料の含有量を少なくして単層型の感光層に蓄積する電荷の量を抑えつつ、帯電能力の高い近接帯電方式の帯電手段を用いて電位差を減少することで、さらにゴーストの発生が抑制されると推測される。
なお、電荷発生材料を複数種用いた場合、上記電荷発生材料の含有量は、用いたすべての電荷発生材料における合計含有量を意味する。
<正孔輸送材料>
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正孔輸送材料の具体例としては、例えば、下記一般式(B−1)で示される化合物及び下記一般式(B−2)で示される化合物が挙げられる。さらに、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、電荷移動度の観点から、下記一般式(1)で表される正孔輸送材料が適用されることが好ましい。
一般式(B−1)中、RB1は、水素原子またはメチル基を示す。n11は1または2を示す。ArB1およびArB2は各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(RB3)=C(RB4)(RB5)、または−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)を示し、RB3乃至RB7はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、または炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。
一般式(B−2)中、RB8およびRB8’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RB9、RB9’、RB10、およびRB10’は同一でも異なってもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB11)=C(RB12)(RB13)、または−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)を示し、RB11乃至RB15は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を表す。m12、m13、n12およびn13は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
ここで、一般式(B−1)で示される化合物及び一般式(B−2)で示される化合物のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)」を有する一般式(B−1)で示される化合物、及び「−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)」を有する一般式(B−2)で示される化合物が好ましい。
以下、一般式(B−1)で示される化合物及び一般式(B−2)で示される化合物の具体例として、下記構造式(HT−A)〜(HT−G)を挙げるが、正孔輸送材料は、これらに限られるものではない。
一般式(1)中、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を示す。m及びnは、各々独立に、0又は1を示す。
一般式(1)中、R〜Rが示す低級アルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
これらの中でも、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式(1)中、R〜Rが示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(1)中、R〜Rが示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(1)中、R〜Rが示すフェニル基としては、例えば、未置換のフェニル基;p−トリル基、2,4−ジメチルフェニル基等の低級アルキル基置換のフェニル基;p−メトキシフェニル基等の低級アルコキシ基置換のフェニル基;p−クロロフェニル基等のハロゲン原子置換のフェニル基等が挙げられる。
なお、フェニル基に置換し得る置換基としては、例えば、R〜Rが示す低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
一般式(1)の正孔輸送材料の中でも、高感度化の点から、m及びnが1を示す正孔輸送材料が好ましく、R〜Rが各々独立に、水素原子、炭素数1以上4以下の低級アルキル基、又はアルコキシ基を示し、m及びnが1を示す正孔輸送材料がより好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の例示として化合物(1−1)〜(1−64)を挙げるが、これに限定されるわけではない。置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示す。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・4−Me:フェニル基の4−位に置換するメチル基
・3−Me:フェニル基の3−位に置換するメチル基
・4−Cl:フェニル基の4−位に置換する塩素原子
・4−MeO:フェニル基の4−位に置換するメトキシ基
・4−F:フェニル基の4−位に置換するフッ素原子
・4−Pr:フェニル基の4−位に置換するプロピル基
・4−PhO:フェニル基の4−位に置換するフェノキシ基
<電子輸送材料>
電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、9−ジシアノメチレン−9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル等のフルオレノン系化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン系化合物;3,3’−ジ−tert−ペンチル−ジナフトキノン等のジナフトキノン系化合物;3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン系化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子輸送材料としては、高感度の点から、下記の一般式(2)で表される化合物が好ましい。
一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L19−O−R20、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を表す。
一般式(2)中、R11〜R17が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。これらの中でも、R11〜R17が示すアリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(2)中、R11〜R17が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示す−L19−O−R20で示される基は、L19がアルキレン基を示し、R20は、アルキル基を示す。
19が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
20が示すアルキル基としては、上記R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
なお、R18が示すアリール基は、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基であることが、溶解性の観点で好ましい。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアラルキル基としては、−L21−Arで示される基が挙げられる。但し、L21は、アルキレン基を示す、Arは、アリール基を示す。
21が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示すアラルキル基として具体的には、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
一般式(2)の電子輸送材料としては、高感度化の点から、R18が炭素数5以上10以下のアルキル基又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましく、特に、R11〜R17が各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、かつ、R18が炭素数5以上10以下のアルキル基又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましい。
以下、一般式(2)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(2−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(2−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・Ph:フェニル基
電子輸送材料の具体例としては、一般式(2)で表される電子輸送材料の他に、その他の電子輸送材料として、例えば、下記構造式(ET−A)〜(ET−E)で示される化合物も挙げられる。
一般式(2)の電子輸送材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、一般式(2)で表される電子輸送材料を用いる場合、一般式(2)で表される電子輸送材料と、一般式(2)で表される電子輸送材料以外の電子輸送材料(例えば、上記の構造式(ET−A)〜(ET−E)で示される化合物の電子輸送材料)とを併用してもよい。
なお、一般式(2)で表される電子輸送材料以外の電子輸送材料を含有させる場合の含有量としては、電子輸送材料全体に対し、10質量%以下の範囲であることが好ましい。
感光層の全固形分に対する全電子輸送材料の含有量は、4質量%以上30質量%以下がよく、好ましくは6質量%以上20質量%以下である。
<正孔輸送材料と電子輸送材料との質量比>
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が望ましく、より望ましくは60/40以上80/20以下である。
<その他添加剤>
単層型の感光層は、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
本実施形態に係る感光体は、色点の発生を抑制する点で、単層型の感光層が、前述のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送剤と、前述の一般式(2)で表される電子輸送材料とを含むことが好ましい。また、同様の点で、単層型の感光層は、これらの電荷発生材料と電子輸送材料とを含むことに加えて、さらに、前述の一般式(1)で表される正孔輸送材料とを含むことが好ましい。
<単層型の感光層の形成>
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
感光層形成用塗布液を塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
単層型の感光層の膜厚は、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下、さらに好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
なお、感光層形成用塗布液を調製する際に、電荷発生材料の分散性を高めるための操作を行ってもよい。電荷発生材料の分散性を高めるための操作としては、例えば、感光層形成用塗布液を調製する際に、電荷発生材料を溶剤に分散させた溶液(以下、「電荷発生材料分散溶液」とも称する)を別途調製し、それを感光層形成用塗布液に添加する方法(電荷発生材料の予備混合方法);が挙げられる。電荷発生材料を溶剤に分散させるためには、下記分散手段を用いればよい。
上記分散手段としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー(衝突方式、貫通方式等)、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー分散機等のメディアレス分散機などが挙げられる。これらの中でも、電荷発生材料の分散性を高める観点から、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー分散機、超音波分散機が好ましい。
また、電荷発生材料の分散性をより高めるため、上記電荷発生材料分散溶液を調製する際に、分散助剤(例えばアミン化合物)を用いてもよい。さらに、感光層形成用塗布液に上記電荷発生材料分散溶液を添加した後、感光層形成用塗布液中に含まれる他の感光層成分(正孔輸送材料、電子輸送材料、結着樹脂等)と共に電荷発生材料を分散させることが好ましい。このとき用いる分散手段としては、上述した分散手段が挙げられるが、電荷発生材料の分散性をより高める観点から、ナノマイザー分散機が好ましい。
上記操作により、感光層形成用塗布液中での電荷発生材料の分散性は高まる。よって、この感光層形成用塗布液を用いて形成された感光層は、電荷発生材料が均一に近い状態で分散された状態となり、単層型の感光層の表面(外周面)側に近い位置で電荷が発生しやすくなると考えられる。これにより、電子が感光層の表面側で効率よく発生しやすくなり、発生した電子の移動効率も高まる。この結果、単層型の感光層における電荷の蓄積が抑制され、蓄積した電荷の開放に起因するゴーストの発生が抑制されると推測される。
なお、上記観点から、単層型の感光層における「露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置」は、「感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置」にあることが好ましい。ここで、「露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置」とは、感光層中において電荷が発生する平均位置のことを示す。具体的には、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、感光層全体の膜厚(深さ)に対する透過率を100%としたときに、その透過率が50%となる位置を感光層の最表面側からの深さの割合で表したものである。また、「感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置」とは、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、感光層の膜厚の25%の厚さ(深さ)以内に相当する領域のことを示す。
−帯電装置−
帯電装置8は、例えば、帯電ロール81(帯電部材の一例)と、帯電ロール81に電圧を印加する電源82(電圧印加手段の一例)と、で構成されている。
帯電ロール81は、例えば不図示の固定手段により、電子写真感光体7から離間して設けられている。
電子写真感光体7の表面と帯電ロール81の表面との距離(以下「離間距離」ともいう)は、ゴーストの発生を抑制する観点から、5μm以上80μm以下が好ましく、10μm以上70μm以下がより好ましく、20μm以上60μm以下がさらに好ましい。離間距離が上記範囲であることにより、上記範囲よりも短い場合及び上記範囲よりも長い場合に比べ、帯電装置の帯電能力が高いため、ゴーストの発生がさらに抑制されると考えられる。
帯電ロール81としては、例えば、円筒状又は円柱状の導電性基材と、導電性基材の外周面に配設された導電性弾性層と、導電性弾性層の外周面に配設された導電性最外層と、を有するロール部材が挙げられるが、これに限定されるものではない。
なお、帯電装置8では、帯電部材としてロール状の帯電ロール81を用いているが、帯電部材の形状は電子写真感光体7の表面を帯電する形状であればこれに限られず、ブラシ状、ベルト状、チューブ状、ブレード状等のその他の形状であってもよい。
電源82は、帯電ロール81に電圧を印加するものであれば特に限定されず、例えば、公知の高圧電源装置が挙げられる。
電源82が帯電ロール81に印加する電圧(以下「印加電圧」ともいう)は、直流電圧又は交流電圧のみでもよいが、帯電ムラ抑制の観点から、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることが好ましい。
帯電装置8は、帯電ロール81の表面をクリーニングするクリーニング部材を備えてもよい。ただし本実施形態では、帯電ロール81が電子写真感光体7から離間して設けられており、残留トナーによる帯電ロール81の汚染が抑制されているため、上記クリーニング部材を備えていない構成でもよい。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
次に、画像形成装置100の画像形成動作について説明する。
まず、回転する電子写真感光体7の表面が帯電装置8により帯電される。露光装置9は、帯電された電子写真感光体7の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、電子写真感光体7上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。現像装置11では、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体7の表面に形成された静電潜像が現像される。これにより、電子写真感光体7の表面に、トナー像が形成される。電子写真感光体7の表面に形成されたトナー像が中間転写体50へ転写される。そして、中間転写体50へ転写されたトナー像は、図示しない二次転写装置で、記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、図示しない定着装置により定着される。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
なお、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限られず、周知の構成、例えば、電子写真感光体7に形成したトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の画像形成装置を採用してもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<電子写真感光体の作製>
(電子写真感光体(1)の作製)
電荷発生材料としてCuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(以下「電荷発生材料CG1」ともいう)を1質量部、及びCuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(以下「電荷発生材料CG2」ともいう)を1質量部(すなわち、電荷発生材料の合計添加量が2質量部)と、前記一般式(2)で表される電子輸送材料の例示化合物(2−2)8質量部と、前記構造式(HT−D)で表される正孔輸送材料14質量部と、前記一般式(1)で表される正孔輸送材料の例示化合物(1−1)22質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4.5万)54質量部と、溶剤としてテトラヒドロフラン250質量部と、を混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散処理を行い、感光層形成用塗布液を得た。
アルミニウム製基体(直径30mm、長さ244.5mm、肉厚0.7mmの管状)を用意した。このアルミニウム製基体を、pH8.1の水を入れた水槽に浸してアルミニウム製基体の洗浄を行った。水槽から出したアルミニウム製基体を乾燥させた後、感光層形成用塗布液をアルミニウム製基体に浸漬塗布し、125℃で24分間の乾燥を行い、層厚22μmの単層型の感光層を形成して、電子写真感光体(1)を作製した。
得られた感光体について、感度の評価を行った。具体的には、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電気社製)を用いて、20℃、40%RHの環境下、+800Vに帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cmになるように調整して、照射した。そして、帯電直後における感光体表面の表面電位Vo(V)、感光体表面の光照射により表面電位が1/2×Vo(V)となる半減露光量E1/2(μJ/cm)を測定した。その結果、半減露光量が0.35μJ/cm以下であり、感度が許容範囲であった。
(電子写真感光体(2)の作製)
電荷発生材料CG1の添加量を1質量部から2.5質量部、電荷発生材料CG2の添加量を1質量部から2.5質量部(すなわち、電荷発生材料の合計添加量が5質量部)に変更した以外は、電子写真感光体(1)と同様にして、電子写真感光体(2)を得た。
電子写真感光体(1)と同様にして感度の評価を行ったところ、半減露光量が0.35μJ/cm以下であり、感度が許容範囲であった。
(電子写真感光体(3)の作製)
電荷発生材料CG1の添加量を1質量部から3質量部、電荷発生材料CG2の添加量を1質量部から3質量部(すなわち、電荷発生材料の合計添加量が6質量部)に変更した以外は、電子写真感光体(1)と同様にして、電子写真感光体(3)を得た。
電子写真感光体(1)と同様にして感度の評価を行ったところ、半減露光量が0.35μJ/cm以下であり、感度が許容範囲であった。
(電子写真感光体(4)の作製)
電荷発生材料CG1の添加量を1質量部から0.4質量部、電荷発生材料CG2の添加量を1質量部から0.4部(すなわち、電荷発生材料の合計添加量が0.8質量部)に変更した以外は、電子写真感光体(1)と同様にして、電子写真感光体(4)を得た。
電子写真感光体(1)と同様にして感度の評価を行ったところ、半減露光量が0.35μJ/cm以下であり、感度が許容範囲であった。
(電子写真感光体(5)の作製)
電荷発生材料CG1の添加量を1質量部から0.25部、電荷発生材料CG2の添加量を1質量部から0.25部(すなわち、電荷発生材料の合計添加量が0.5質量部)に変更した以外は、電子写真感光体(1)と同様にして、電子写真感光体(5)を得た。
電子写真感光体(1)と同様にして感度の評価を行ったところ、半減露光量が0.35μJ/cmを超えていた。なお、半減露光量が0.35μJ/cmを超えており、下記ゴーストの評価、リークに起因する色点の評価、及び帯電ロール汚染の評価は困難であった。
[実施例1〜5、比較例1〜4]
表1に従って、得られた電子写真感光体(表1中の「感光体 種類」)を、画像形成装置(クリーニング手段及び除電手段を備えていない画像形成装置、ブラザー社製、型番:HL−L2360DN)に組み込み、帯電装置を表1に示す方式(表1中の「帯電装置 方式」)及び種類(表1中の「帯電装置 種類」)の帯電装置に改造した改造機を用いて、以下の評価を行った。
なお、帯電装置として近接帯電方式の帯電装置を用いた例においては、電子写真感光体の表面と帯電装置の帯電ロールの表面との離間距離(表1中の「離間距離」)を、表1に示す通りに設定した。
(ゴーストの評価)
温度28℃湿度85%の環境下において、A4サイズの用紙に画像密度100%の20mm×20mm画像を出力し、さらに連続して画像密度30%のA4ハーフトーン画像を出力し、感光体一週後のハーフトーン画像上の濃度変動を目視評価した。評価基準は以下の通りであり、結果を表1(表1中の「ゴースト」)に示す。
−ゴーストの評価基準−
A(◎):濃度変動無し
B(○):わずかに濃度変動有り
C(△):濃度変動有り
D(×):明らかな濃度変動有り
(リークに起因する色点の評価)
温度28℃湿度85%の環境下において、A4サイズの用紙に画像密度50%のハーフトーン画像を2000枚出力し、一晩装置を停止、翌朝白紙を装置内搬送した際に白紙上に発生した色点の数を数えた。評価基準は以下の通りであり、結果を表1(表1中の「色点」)に示す。
−色点の評価基準−
A(○): 色点未発生。
B(△): 色点数が1個以上9個以下。
C(×): 色点数が10個以上。
(帯電ロール汚染の評価)
上記リークに起因する色点の評価の後、接触帯電方式の帯電装置及び近接帯電方式の帯電装置における帯電ロールの表面を目視及びルーペで観察し、帯電ロール汚染の評価を行った。評価基準は以下の通りであり、評価結果を表1(表1中の「汚染」)に示す。
なお、表1中の「−」は、コロナ帯電方式の帯電装置における汚染の評価を行っていないことを意味する。
−帯電ロール汚染の評価基準−
A(◎): 帯電ロール表面の汚れは確認されない。
B(○): 目視ではわからないがルーペでは汚れているのが確認される。
C(△): 目視でも汚れがわかるが、許容されるものである。
D(×): 許容されないほど明らかな汚れがある。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、ゴーストの発生が抑制されていることがわかる。
2 単層型の感光層、3 導電性基体、7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、40 転写装置、50 中間転写体、81 帯電ロール、82 電源、100 画像形成装置、120 画像形成装置、300 プロセスカートリッジ

Claims (3)

  1. 導電性基体と導電性基体上に設けられ電荷発生材料及び電荷輸送材料を含有する単層型の感光層とを有し、前記電荷発生材料がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種を含む電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体から離間して配置された帯電部材と前記帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、電圧が印加された前記帯電部材により前記電子写真感光体の表面を帯電する近接帯電方式の帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備え、
    前記転写の後に前記電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、前記電子写真感光体の表面における残留電荷を除電する除電手段と、を備えない画像形成装置。
  2. 前記単層型の感光層全体に対する前記電荷発生材料の含有量は0.8質量%以上5質量%以下である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記電子写真感光体の表面と前記帯電部材の表面との距離が5μm以上80μm以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
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