JP2022008025A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Yukimi Kawabata
奈都実 兼子
Natsumi Kaneko
秀弥 勝原
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Abstract

Figure 2022008025000001
【課題】高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂と電荷発生材料と正孔輸送材料と 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層と、を有し、摩耗後の前記感光層の厚さと摩耗前の前記感光層の厚さとの比(摩耗後の前記感光層の厚さ/摩耗前の前記感光層の厚さ)が0.8であるときの、摩耗後の前記感光層の体積抵抗率が5.0×1010Ωcm以上2.0×1011Ωcm以下である電子写真感光体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来の電子写真方式の画像形成装置においては、帯電、静電潜像形成、現像、転写のプロセスを通じて電子写真感光体の表面上に形成したトナー像を記録媒体に転写させる。
例えば、特許文献1には、「導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料と、を含み、体積抵抗率(GΩ・m)と弾性率(GPa)との積が90以上である感光層と、を有する電子写真感光体」が開示されている。
また、特許文献2には、「導電性支持体上に電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、有機結着樹脂を含む光導電層を備え、光導電層の抵抗率ρがρ<1011Ωm(ただし、ρは電界強度20V/μmにおける抵抗率)である単層正帯電型有機感光体と、この感光体の表面を帯電するための帯電部材を備えた画像形成装置において、帯電部材が非接触式帯電部材であることを特徴とする画像形成装置」が開示されている。
特開2018-049149号公報 特開2002-365818号公報
本発明の課題は、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層を有する電子写真感光体において、摩耗後の感光層の厚さと摩耗前の感光層の厚さとの比が0.8であるときの、摩耗後の感光層の体積抵抗率が5.0×1010Ωcm未満若しくは2.0×1011Ωcm超えである場合、又は、感光層の表面における正孔輸送材料の存在量と感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量との比が、1/6未満又は1/3超えである場合に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体を提供することである。
上記課題を解決するための手段、次の態様が含まれる。
<1>
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層と、
を有し、
摩耗後の前記感光層の厚さと摩耗前の前記感光層の厚さとの比(摩耗後の前記感光層の厚さ/摩耗前の前記感光層の厚さ)が0.8であるときの、摩耗後の前記感光層の体積抵抗率が5.0×1010Ωcm以上2.0×1011Ωcm以下である電子写真感光体。
<2>
摩耗後の前記感光層の体積抵抗率と摩耗前の前記感光層の体積抵抗率との比(摩耗後の前記感光層の体積抵抗率/摩耗前の前記感光層の体積抵抗率)が、1/100以上7/100以下である<1>に記載の電子写真感光体。
<3>
前記正孔輸送材料と前記電子輸送材料との質量比(前記正孔輸送材料/前記電子輸送材料)が、19/5以上28/5以下である<1>又は<2>に記載の電子写真感光体。
<4>
前記感光層の全固形分に対する前記正孔輸送材料の含有量が、38質量%以上44質量%以下である<3>に記載の電子写真感光体。
<5>
前記正孔輸送材料が、ベンジジン骨格を有する正孔輸送材料である<1>~<4>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<6>
前記ベンジジン骨格を有する正孔輸送材料が、下記一般式(HT1a)で示される正孔輸送材料である<5>に記載の電子写真感光体。
Figure 2022008025000002

(前記一般式(HT1a)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
<7> 前記電子輸送材料が、ジフェノキノン骨格を有する電子輸送材料である<1>~<6>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<8> 前記ジフェノキノン骨格を有する電子輸送材料が、下記一般式(FK)で表される電子輸送材料である<7>に記載の電子写真感光体。
Figure 2022008025000003

(前記一般式(FK)中、Rk1~Rk4は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
<9>
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層と、
を有し、
前記感光層の表面における前記正孔輸送材料の存在量と、前記感光層の裏面における前記正孔輸送材料の存在量と、の比(前記感光層の表面における前記正孔輸送材料の存在量/前記感光層の裏面における前記正孔輸送材料の存在量)が、1/6以上1/3以下である電子写真感光体。
<10>
<1>~<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<11>
<1>~<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<12>
<1>~<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体から前記トナー像を直接、記録媒体の表面に転写する転写部材を有する直接転写方式の転写手段と、
を備え、
前記電子写真感光体の回転速度P(mm/s)と、前記電子写真感光体から前記トナー像を直接、前記記録媒体の表面に転写するための転写電流値I(μA)と前記転写部材の長さL(mm)の関係が下記式(PIL)を満たす画像形成装置。
式(PIL):-1.07×10-3≦I/(P×L)≦-4.30×10-4
<1>に係る発明によれば、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層を有する電子写真感光体において、摩耗後の感光層の厚さと摩耗前の感光層の厚さとの比が0.8であるときの、摩耗後の感光層の体積抵抗率が5.0×1010Ωcm未満若しくは2.0×1011Ωcm超えである場合に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<2>に係る発明によれば、摩耗後の感光層の体積抵抗率と摩耗前の感光層の体積抵抗率との比(摩耗後の感光層の体積抵抗率/摩耗前の前記感光層の体積抵抗率)が、1/100未満又は7/100超えである場合に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<3>に係る発明によれば、正孔輸送材料と電子輸送材料との質量比(前記正孔輸送材料/前記電子輸送材料)が、19/5未満又は28/5超えである場合に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<4>に係る発明によれば、正孔輸送材料の含有量が、前記感光層に対して、38質量%未満又は44質量%超えである場合に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<5>、又は<6>に係る発明によれば、正孔輸送材料が、後述する比較例で使用するHTM-Bである正孔輸送材料である場合に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<7>、又は<8>に係る発明によれば、電子輸送材料が、後述する比較例で使用するETM-Cである電子輸送材料である場合に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<9>に係る発明によれば、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層を有する電子写真感光体において、感光層の表面における前記正孔輸送材料の存在量と、感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量と、の比(感光層の表面における正孔輸送材料の存在量/感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量)が、1/6未満又は1/3超えである場合に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<10>、又は<11>に係る発明によれば、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層を有する電子写真感光体において、摩耗後の感光層の厚さと摩耗前の感光層の厚さとの比が0.8であるときの、摩耗後の感光層の体積抵抗率が5.0×1010Ωcm未満若しくは2.0×1011Ωcm超えである電子写真感光体を備える場合に比べ、高い光感度を有する電子写真感光体を備えつつ、黒点の発生を抑制するプロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
<12>に係る発明によれば、式(PIL)を満たさない場合に比べ、電子写真感光体の初期から寿命までの間、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象(以下、「ゴースト」とも称する)が抑制される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
各成分の量について言及する場合、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、当該複数種の物質の合計量を意味する。
単層型の感光層を有する電子写真感光体を「単層型感光体」とも称する。なお、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
[電子写真感光体]
-第一実施形態-
第一実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられ、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層と、を有する。
そして、摩耗後の感光層の厚さと摩耗前の感光層の厚さとの比(摩耗後の感光層の厚さ/摩耗前の感光層の厚さ)が0.8であるときの、摩耗後の感光層の体積抵抗率が5.0×1010Ωcm以上2.0×1011Ωcm以下である。
第一実施形態に係る電子写真感光体は、上記構成により、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する。その理由は、次の通り推測される。
まず、単層型感光体を使用し、繰り返し画像を形成すると、感光層の割れに起因する黒点が発生することがある。単層型感光体において、摩耗前の初期の単層型感光層が、目的とする体積抵抗率及び膜強度をもつことで、単層型感光層が摩耗した後における黒点の発生を抑えられる。
しかし、単層型感光層の割れ以外に起因する黒点として、繰り返し画像を形成した後に、単層型感光層に流れる総電荷量増加による電流漏れ(以下、リークとも称する」に起因する黒点が生じることがある。
それに対して、摩耗が進行した後、つまり、摩耗後の感光層の厚さと摩耗前の感光層の厚さとの比(摩耗後の感光層の厚さ/摩耗前の感光層の厚さ)が0.8であるときの、摩耗後の感光層の体積抵抗率を5.0×1010Ωcm以上と高くすることで、繰り返し画像を形成した後に、単層型感光層に流れる総電荷量増加によるリークに起因する黒点の発生が抑制される。
一方で、摩耗後の感光層の体積抵抗率を高くし過ぎると、光感度が低下するため、摩耗後の感光層の体積抵抗率を2.0×1011Ωcm以下に抑える。
以上から、第一実施形態に係る電子写真感光体は、上記構成により、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制すると推測される。
-第二実施形態-
第二実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられ、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層と、を有する。
そして、感光層の表面における正孔輸送材料の存在量と、感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量と、の比(感光層の表面における正孔輸送材料の存在量/感光層の裏面における前記正孔輸送材料の存在量)が、1/6以上1/3以下である。
第二実施形態に係る電子写真感光体は、上記構成により、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する。その理由は、次の通りである。
上述のように、単層型感光体を使用すると、単層型感光層の割れ以外に起因する黒点として、繰り返し画像を形成した後に、単層型感光層に流れる総電荷量増加による電流漏れ(以下、リークとも称する」に起因する黒点が生じることがある。
それに対して、感光層の表面における正孔輸送材料の存在量と、感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量と、の比を、1/3以下とし、感光層における導電性基材側に正孔輸送材料を偏在させる。それにより、摩耗後の感光層の体積抵抗率を高められ、繰り返し画像を形成した後に、単層型感光層に流れる総電荷量増加によるリークに起因する黒点の発生が抑制される。
一方、感光層の表面における正孔輸送材料の存在量と、感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量と、の比を、1/6以上とし、感光層における導電性基材側に正孔輸送材料を過度の偏在を抑える。それにより、摩耗後の感光層の体積抵抗率を高くなり過ぎず、光感度の低下が抑制される。
以上から、第二実施形態に係る電子写真感光体は、上記構成により、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制すると推測される。
-実施形態-
以下、第一及び第二実施形態に係る電子写真感光体のいずれにも該当する電子写真感光体(以下「本実施形態に係る電子写真感光体」とも称する)について詳細に説明する。ただし、本発明の電子写真感光体の一例は、第一及び第二実施形態に係る電子写真感光体のいずれか一方に該当する電子写真感光体であればよい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体について詳細に説明する。
本実施形態に係る電子写真感光体において、摩耗後の感光層の厚さと摩耗前の感光層の厚さとの比(摩耗後の感光層の厚さ/摩耗前の感光層の厚さ)が0.8であるときの、摩耗後の感光層の体積抵抗率は、5.0×1010Ωcm以上2.0×1011Ωcm以下であるが、高い光感度及び黒点の発生抑制の観点から、6.5×1010Ωcm以上1.5×1011Ωcm以下が好ましく、8.0×1010Ωcm以上1.0×1011Ωcm以下がより好ましい。
摩耗後の感光層の体積抵抗率と摩耗前の感光層の体積抵抗率との比(摩耗後の前記感光層の体積抵抗率/摩耗前の前記感光層の体積抵抗率)は、高い光感度及び黒点の発生抑制の観点から、1/100以上7/100以下が好ましく、1/50以上3/50以下がより好ましく、3/100以上2/50以下がさらに好ましい。
摩耗前及び摩耗後の感光層の体積抵抗率は、例えば、
1)感光層形成用塗布液の温度(好ましくは温度を低くする)、
2)塗布液の塗布中の導電性基材の温度(好ましくは温度を低くする)
3)乾燥温度(好ましくは温度を低くする)
4)正孔輸送材料の種類(好ましくはベンジジン骨格を有する正孔輸送材料を使用)
5)電子輸送材料の種類(好ましくはジフェノキノン骨格を有する電子輸送材料を使用)
等により制御する。
摩耗前及び摩耗後の感光層の体積抵抗率は、次の通り測定する。
測定対象の感光体から、次の通り、感光層の試料を採取する。感光体を長さ6cmの円筒形状に切り出し、さらにそれを半円になるように半分に切る。感光体切片の端を万力にて挟み、半円の曲率が大きくなるように力を加えて感光層を基材から浮かし、感光層を採取する。
次に、採取した感光層の切片試料に対して、感光層の表面側に電極面積1cmでAu電極を、感光層の裏面側の膜全面にAl電極をスパッタにて形成する。次に、温度30℃、湿度80%RHの環境下で、周波数応答アナライザ(1260型、ソーラトロン社製)を用い、暗条件下で、電場(印加電圧/測定試料厚)が20V/μmになるよう調節した電圧を30秒印加した後、その流れる電流値(A)を測定する。
そして、得られた電流値により下記式を用いて算出する。得られた体積抵抗率を、摩耗前の感光層の体積抵抗率とする。
・式:体積抵抗率(Ω・m)=(10-4(m)×印加電圧(V))/(電流値(A)×測定試料厚(m))
一方、採取した感光層の切片試料を、摩擦摩耗試験機(FPR2100 株式会社レスカ)の回転ステージに感光層の表面側が上になるようにテープで固定する。圧子部にラッピングフィルムシート(砥粒酸化アルミニウム、粒度9μm)を貼り付ける。
回転数100rpmにて、感光層の表面側から摩耗させる。段差計(サーフコムS1500 株式会社東京精密製)にて、摩耗後の膜厚を確認しながら、摩耗量を調整する。
摩耗させた測定試料に対して、上記同様に体積抵抗率を算出する。得られた体積抵抗率を、摩耗後の感光層の体積抵抗率とする。
本実施形態に係る電子写真感光体において、感光層の表面における正孔輸送材料の存在量と、感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量と、の比(感光層の表面における正孔輸送材料の存在量/感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量)は、1/6以上1/3以下であるが、高い光感度及び黒点の発生抑制の観点から、1.1/6以上3/10以下が好ましく、1/5以上1/4以下がより好ましい。
電子輸送材料の存在量の比は、上記摩耗前及び摩耗後の感光層の体積抵抗率と同様な方法により制御する。
ここで、「感光層の表面」とは、感光層の厚み方向に対向する面のうち、導電性基材とは反対側の面を示す。一方、「感光層の裏面」とは、感光層の厚み方向に対向する面のうち、導電性基材側の面を示す。
正孔輸送材料の存在量の比は、次の通り測定する。
まず、測定対象の感光体から、次の通り、感光層の試料を採取する。基材まで達するように片刃ナイフで0.5cm×0.5cmの正方形状に膜に切り込みを入れ、0.5cm×0.5cmの正方形部の膜が自然と基材から剥離する。剥離した感光層の片を試料とする。
次に、得られた試料における感光層の表面に対して、全反射測定法(すなわちATR法)によりフーリエ変換赤外分析を実施する。具体的には、測定装置として赤外分光分析装置(サーモフィッシャー社製NICOLET6700FT-IR)を用い、測定領域:650cm-1~4000cm-1、分解能:4cm-1、積算回数:32回、屈折媒質:ZnSe、測定深度:2μmの条件で測定を行う。
上記測定で得られた赤外吸収スペクトルのうち、感光層の表面における赤外吸収スペクトルから、正孔輸送材料由来の吸収ピークの面積(例えば、正孔輸送材料がベンジジン骨格を有する正孔輸送材料の場合、680cm-1以上720cm-1以下に現れる正孔輸送材料の吸収ピーク)の面積、及び結着樹脂由来の吸収ピーク(例えば、結着樹脂がポリカーボネート樹脂の場合、1675cm-1以上1860cm-1以下に現れる結着樹脂のC=O結合に由来する吸収ピークの面積)をそれぞれ求めて、(正孔輸送材料の上記ピーク面積/樹脂の上記ピーク面積)=(正孔輸送材料の存在量)として、感光層の表面における正孔輸送材料の存在量を求める。
一方、得られた試料における感光層の裏面に対して、上記同様に全反射測定法によりフーリエ変換赤外分析を実施し、感光層の裏面における正孔輸送材料の存在量を求める。
次に、図面を参照しつつ、本実施形態に係る電子写真感光体を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体7の一部の断面を概略的に示している。
図1に示した電子写真感光体7は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、単層型の感光層2が最外層として設けられて構成されている。
なお、必要に応じてその他の層を設けてもよい。その他の層としては、例えば、導電性基体3と単層型の感光層2との間に設けられる下引層、単層型の感光層2上に設けられる保護層等が挙げられる。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(単層型の感光層)
単層型の感光層は、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する。単層型の感光層は、必要に応じてその他添加剤を含んでもよい。以下、単層型の感光層に含まれる各成分について詳細に説明する。
-結着樹脂-
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。
これらの結着樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
結着樹脂の中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。
また、感光層の成膜性の観点から、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂、及び粘度平均分子量30000以上80000以下のポリアリレート樹脂の少なくとも1種を用いることがよい。
なお、ポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂の粘度平均分子量の測定方法としては、例えば、次の方法により測定される。樹脂1gをメチレンクロライド100cmに溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、その比粘度ηspを測定し、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕cの関係式(ただしcは濃度(g/cm)より極限粘度〔η〕(cm/g)をもとめ、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10-4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
結着樹脂としては、特に、下記一般式(PCA)で表される構造単位及び下記一般式(PCB)で表される構造単位の少なくとも一方を含むポリカーボネート樹脂が好ましい。
Figure 2022008025000004

前記一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。XP1は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すアルキル基としては、炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチルが挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等が挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、XP1が表すアルキレン基としては、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数1以上6以下、より好ましくは炭素数1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられる。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デシレン基、n-ウンデシレン基、n-ドデシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec-ヘキシレン基、tert-ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec-ヘプチレン基、tert-ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec-オクチレン基、tert-オクチレン基、イソノニレン基、sec-ノニレン基、tert-ノニレン基、イソデシレン基、sec-デシレン基、tert-デシレン基、イソウンデシレン基、sec-ウンデシレン基、tert-ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、イソドデシレン基、sec-ドデシレン基、tert-ドデシレン基、ネオドデシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、XP1が表すシクロアルキレン基としては、炭素数3以上12以下(好ましくは炭素数3以上10以下、より好ましくは炭素数5以上8以下)のシクロアルキレン基が挙げられる。
シクロアルキレン基として具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
なお、一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、RP4、及びXP1が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルキル基(例えば炭素数1以上6以下のアルキル基)、シクロアルキル基(例えば炭素数5以上7以下のシクロアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1以上4以下のアルコキシ基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等)等が挙げられる。
一般式(PCA)において、RP1、及びRP2は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、RP1、及びRP2は、水素原子を表すことがより好ましい。
一般式(PCB)において、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、XP1がアルキレン基、又はシクロアルキレン基を表すことが好ましい。
一般式(PCA)で表される構造単位及び一般式(PCB)で表される構造単位の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2022008025000005

また、結着樹脂は、一般式(PCA)で表される構造単位と、一般式(PCB)で表される構造単位と、の両方を含むポリカーボネート樹脂がより好ましい。
一般式(PCA)で表される構造単位と一般式(PCB)で表される構造単位との両方を含むポリカーボネート樹脂の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、例示化合物中、pm、pnは共重合比を示す。
Figure 2022008025000006

ここで、一般式(PCA)で表される構造単位と一般式(PCB)で表される造単位との両方を含むポリカーボネート樹脂において、一般式(PCA)で表される構造単位の含有率(共重合比)は、ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位に対して5モル%以上95モル%以下の範囲がよく、感光層(電荷輸送層)の耐摩耗性を高める観点から、好ましくは5モル%以上50モル%以下の範囲、さらに好ましくは15モル%以上30モル%以下の範囲である。
具体的には、ポリカーボネート樹脂の上記例示化合物中、pm、pnは共重合比(モル比)を示すが、pm:pn=95:5から5:95の範囲、50:50から5:95の範囲、更に好ましくは、15:85から30:70の範囲が挙げられる。
一般式(PCA)で表される構造単位及び一般式(PCB)で表される構造単位の少なくとも一方を含むポリカーボネート樹脂を他の結着樹脂と併用する場合、他の結着樹脂の含有量は全結着樹脂に対して10質量%(好ましくは5質量%以下)であることがよい。
結着樹脂の感光層の全固形分に対する含有量は、35質量%以上60質量%以下であることがよく、好ましくは20質量%以上35質量%以下である。
-電荷発生材料-
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5-263007号公報、特開平5-279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5-98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5-140472号公報、特開平5-140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4-189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004-78147号公報、特開2005-181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
すなわち電荷発生材料としては、例えば380nm以上500nmの露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm以下800nmの露光波長の光源を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。
ここで、電荷発生材料としては、単層型感光体の高感度化の点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種が好ましく、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが望ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが望ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより望ましく、一方、BET比表面積が45m/g以上であることが望ましく、50m/g以上であることがより望ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に望ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA-700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される傾向があり、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい傾向にあり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが望ましく、1.0μm以下であることがより望ましく、より望ましくは0.3μm以下である。かかる最大粒径が上記範囲を超えると、黒点が発生しやすい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、感光体が蛍光灯などに暴露されたことに起因する濃度ムラを抑制する観点から、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが望ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜に回折ピークを有するV型であることが望ましい。
一方、クロロガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、電子写真感光体材料として優れた感度が得られる、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有するものであることが望ましい。
なお、クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
感光層の全固形分に対する電荷発生材料の含有量は、1質量%以上5質量%以下がよく、好ましくは1.2質量%以上4.5質量%以下である。
-正孔輸送材料-
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5-トリフェニル-ピラゾリン、1-[ピリジル-(2)]-3-(p-ジエチルアミノスチリル)-5-(p-ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′-ビス(3,4-ジメチルフェニル)ビフェニル-4-アミン、トリ(p-メチルフェニル)アミニル-4-アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′-ビス(3-メチルフェニル)-N,N′-ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3-(4′-ジメチルアミノフェニル)-5,6-ジ-(4′-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアジン等の1,2,4-トリアジン誘導体;4-ジエチルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2-フェニル-4-スチリル-キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6-ヒドロキシ-2,3-ジ(p-メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p-(2,2-ジフェニルビニル)-N,N-ジフェニルアニリン等のα-スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N-エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ-N-ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、正孔輸送材料としては、下記一般式(HT1)で示される正孔輸送材料及び下記一般式(HT1a)で示される正孔輸送材料が好適に挙げられる。
特に、上記摩耗前及び摩耗後の感光層の体積抵抗率、並びに、上記電子輸送材料の存在量比を制御し、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する観点から、正孔輸送材料としては、ベンジジン骨格を有する正孔輸送材料が好ましく、下記一般式(HT1a)で示される正孔輸送材料がより好ましい。
Figure 2022008025000007
一般式(HT1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に、アリール基、又は-C-C(RT4)=C(RT5)(RT6)を示す。RT4、RT5、及びRT6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。RT5及びRT6は、結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
一般式(HT1)において、ArT1、ArT2、及びArT3が表すアリール基としては、炭素数6以上15以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(HT1)において、RT4、RT5、及びRT6が表すアルキル基としては、後述する一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(HT1)において、RT4、RT5、及びRT6が表すアリール基としては、ArT1、ArT2、及びArT3が表すアリール基の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。
なお、一般式(HT1)において、ArT1、ArT2、及びArT3、並びに、RT4、RT5、及びRT6が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えばハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数6以上10以下アリール基などが挙げられる。また、上記各置換基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、電荷移動度の観点から、一般式(HT1)で表されるトリアリールアミン系正孔輸送材料のうち、特に、「-C-C(RT4)=C(RT5)(RT6)」を有するトリアリールアミン系正孔輸送材料が好ましい。中でも、後述するトリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)の具体例(HT1-4)で表されるトリアリールアミン系正孔輸送材料が好ましい。
Figure 2022008025000008
一般式(HT1a)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(HT1)で表されるトリアリールアミン系正孔輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下に、トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)、ベンジジン系正孔輸送材料(HT1aの具体例(HT1-1)~(HT1-10)を示すが、これに限定されるわけではない。
Figure 2022008025000009
Figure 2022008025000010
Figure 2022008025000011
Figure 2022008025000012
感光層の全固形分に対する正孔輸送材料の含有量は、高い光感度及び黒点の発生抑制の観点から、20質量%以上45質量%以下がよく、好ましくは34質量%以上44質量%以下、より好ましくは38質量%以上44質量%以下、さらに好ましくは38質量%以上42質量%以下である。
また、高い光感度及び黒点の発生抑制の観点から、正孔輸送材料と前記電子輸送材料との質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)が、19/5以上28/5以下が好ましく、20/5以上26/5以下がより好ましく、21/5以上24/5以下がさらに好ましい。
-電子輸送材料-
電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロ-9-フルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン、9-ジシアノメチレン-9-フルオレノン-4-カルボン酸オクチル等のフルオレノン系化合物;2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)1,3,4-オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン系化合物;3,3’-ジ-tert-ペンチル-ジナフトキノン等のジナフトキノン系化合物;3,3’-ジ-tert-ブチル-5,5’-ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジフェノキノン等のジフェノキノン系化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、上記摩耗前及び摩耗後の感光層の体積抵抗率、並びに、上記電子輸送材料の存在量比を制御し、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制する観点から、電子輸送材料としては、ジフェノキノン骨格を有する電子輸送材料が好ましく、下記一般式(FK)で表される電子輸送材料がより好ましい。
Figure 2022008025000013

一般式(FK)中、Rk1~Rk4は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
なお、Rk1は、Rk2~Rk4の少なくともいずれかと異なる基であることが好ましい。
k1及びRk3はそれぞれ独立に、電子輸送材料の結晶化に伴う感光層の割れ抑制の観点から、炭素数3以上12以下のアルキル基、炭素数3以上12以下のアルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基が好ましく、炭素数3以上12以下の分岐状アルキル基、炭素数3以上12以下の分岐状アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基がより好ましく、炭素数3以上8以下の分岐状アルキル基又は炭素数3以上8以下の分岐状アルコキシ基が更に好ましく、t-ブチル基が特に好ましい。
また、Rk1及びRk3は同じ基であることが好ましい。
k2及びRk4は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、又は炭素数1以上8以下のアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、炭素数1以上4以下の直鎖状アルキル基、又は炭素数1以上4以下の直鎖状アルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1以上3以下の直鎖状アルキル基又は炭素数1以上3以下の直鎖状アルコキシ基であること更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
また、Rk2及びRk4は同じ基であることが好ましい。
更に、Rk1とRk2とは、異なる基であることが好ましく、また、Rk3とRk4とは異なる基であることが好ましい。
以下、一般式(FK)で表される電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(1-番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物5は、「例示化合物(1-5)」と以下表記する。
Figure 2022008025000014
なお、上記例示化合物中の略記号等は、以下の意味を示す。
・t-C:t-ブチル基
・CHO:メトキシ基
・t-CO:t-ブトキシ基
・c-C12:シクロヘキシル基
・C:フェニル基
・CCH:ベンジル基
感光層の全固形分に対する電子輸送材料の含有量は、4質量%以上20質量%以下であることが好ましく、6質量%以上18質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上16質量%以下であることがさらに好ましい。
-その他添加剤-
単層型の感光層には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
-単層型の感光層の形成-
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
感光層形成用塗布液を下引層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
単層型の感光層の膜厚は、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下、さらに好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(転写手段の一例)とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は記録媒体搬送ベルト50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されている。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
-帯電装置-
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
-露光装置-
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
-現像装置-
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
-クリーニング装置-
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
-転写装置-
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
-記録媒体搬送ベルト-
記録媒体搬送ベルト50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置において、電子写真感光体から前記トナー像を直接、記録媒体の表面に転写する転写部材を有する直接転写方式の転写手段を備える画像形成装置である場合、電子写真感光体の回転速度P(mm/s)と、電子写真感光体からトナー像を直接、記録媒体の表面に転写するための転写電流値I(μA)と転写部材の長さL(mm)の関係が下記式(PIL)を満たすことが好ましい。
式(PIL):-1.07×10-3≦I/(P×L)≦-4.30×10-4
I/(P×L)値は、直接転写時に、理論上、電子写真感光体が転写部材から受ける電荷の量を示している。
電子写真感光体の回転速度Pは、電子写真感光体の表面が周方向に移動する単位時間(1秒)当たりの移動量(「プロセス速度」とも称する)である。
転写電流値は、電子写真感光体からトナー像を直接、記録媒体の表面に転写するときに転写部材に印加する電流値である。
転写部材の長さは、電子写真感光体の感光層と対向する領域における、電子写真感光体の軸方向に沿った方向の長さである。
なお、転写部材は、転写ロール等の接触型転写部材を採用することがよい。
上記本実施形態に係る電子写真感光体を適用し、かつI/(P×L)値を上記範囲となる条件で直接転写すると、転写時における転写部材から電子写真感光体への過剰な電荷注入が抑えられ、前画像での画像部が薄く浮き出るネガゴーストが抑制され、かつ転写時における転写部材から電子写真感光体への電荷注入不足が抑制され、前画像での画像部が濃く浮き出るネガゴーストが抑制される。それにより、電子写真感光体の初期から寿命までの間、ゴースト(前画像の履歴が残ることで生じる残像現象)が抑制される。
ゴースト抑制の観点から、I/(P×L)値は、-8.60×10-4以上-3.43×10-4以下がより好ましく、-6.40×10-4以上-4.30×10-4以下が更に好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、特に断りがないかぎり、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」であることを示す。
<実施例1~実施例17、比較例1~7>
-感光層形成用塗布液の製造-
ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(前記式PC-1で表されるポリカーボネート樹脂、pm:25、pn:75、粘度平均分子量5万)と、表1に示す電荷発生材料(表1中の「CGM」)と、表1に示す正孔輸送材料(表1中の「HTM」)と、表1に示す電子輸送材料(表1中の「ETM」)と、表1に示す固形分濃度となる量のテトラヒドロフランと、の混合物を高圧ホモジナイザーにて分散し、感光層形成用塗布液を得た。
-感光層の形成-
導電性基体として、直径30mm、長さ244.5mm、肉厚1mmのアルミニウム基材を用意した。
次に、表1に示す感光層形成条件で、感光層形成用塗布液を浸漬塗布法にてアルミニウム基材上に塗布し、乾燥硬化を行い、厚さ30μmの単層型の感光層をアルミニウム基材上に形成した。
こうして、各例の感光体を得た。
<特性>
各例の感光体における下記特性について、既述の方法に従って測定した。
・摩耗後の感光層の厚さと摩耗前の感光層の厚さとの比(摩耗後の感光層の厚さ/摩耗前の感光層の厚さ)が0.8であるときの、摩耗後の感光層の体積抵抗率
・摩耗前の感光層の体積抵抗率
・感光層の表面における電子輸送材料の存在量と、感光層の裏面における電子輸送材料の存在量と、の比(表中、「感光層の表面と裏面とのETM存在量比」と表記)
<評価>
各例の感光体を使用し、下記評価を実施した。
(帯電性の評価)
静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA 8100、川口電機製作所社製)を用いて、6.0kVのコロナ放電を行って正帯電させた0.5秒後の表面電位を測定した。
なお、帯電性は、表面電位780V以上であるとき、良好であると評価する。
(光感度の評価)
感光体の光感度の評価は、+800Vに帯電させた時の半減露光量として、評価した。具体的には、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA 8100、川口電機製作所社製)を用いて、20℃、40%RHの環境下、+800に帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて780nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cmになるように調整して、照射した。
そして、帯電直後における感光体表面の表面電位V0(V)、感光体表面の光照射により表面電位が1/2×VO(V)となる半減露光量E1/2(μJ/cm)を測定した。
なお、光感度は、0.15μJ/cm以下の半減露光量が得られたとき、高感度であると評価する。
(黒点の評価)
黒点の評価は、Brother社製HL5340Dを用い、30℃、80%RHの高温高湿下において、A4紙にISO/IEC19752に規定された画像を30000枚印刷後に50%ハーフトーンを印刷し、画像の黒点を以下の基準で評価した。
なお、評価3であると実用上問題を生ずることがあると評価する。
-評価基準-
1:黒点なし
2:黒点があるが問題のない範囲
3:黒点があり問題になる範囲
(ゴーストの評価)
各例の感光体を画像形成装置「Brother社製HL-L5200DW(長さLが235mmの転写ロールを備える直接転写方式の装置)」に搭載した。
そして、プロセス速度及び転写電流値の転写条件を、表3に示す転写条件1+3、転写条件2+3、転写条件1+4、転写条件2+4の各々の条件に設定して、次の通り、画像形成した。
32.5℃、80%RHの高温高湿下において、画像密度100%の20mm×20mm画像を出力し、さらに連続してA4全面ハーフトーン30%画像を出力し、感光体一周後のハーフトーン上の濃度変動を目視評価した。
そして、下記基準により、10枚目の印刷物のゴースト(表中、「初期ゴースト」と表記)、500000枚目の印刷物のゴースト(表中、「50kpv後ゴースト」と表記)の発生状況を評価した。
なお、表3中のゴーストの欄において、数値/数値/数値/数値の表記は、転写条件1+3の評価結果/転写条件2+3の評価結果/転写条件1+4の評価結果/転写条件2+4の評価結果を意味する。画像密度100%画像出力部が、A4ハーフトーン部30%画像上で濃度が濃くなった場合、1~3、濃度が薄くなった場合、-1~-3で表す。
-評価基準-
3 :明らかな濃度変動有り、画質上容認できない
2 :濃度変動あり、実使用上問題なし
1 :わずかに濃度変動有り、実使用上問題なし
0 :濃度変動なし
-1 :わずかに濃度変動有り、実使用上問題なし
-2 :濃度変動あり、実使用上問題なし
-3 :明らかな濃度変動有り、画質上容認できない
Figure 2022008025000015
Figure 2022008025000016
Figure 2022008025000017
上記結果から、本実施例の感光体は、比較例の感光体に比べ、高い光感度を有しつつ、黒点の発生を抑制することがわかる。
また、本実施例の感光体は、帯電性も良好であることがわかる。
加えて、本実施例の感光体を備えた直接転写方式の画像形成装置により、式(PIL)を満たす条件で画像形成した場合、感光体の初期から寿命まで。ゴーストの発生が抑制あれることもわかる。
なお、表1中の略称は、以下の化合物を意味する。
-電荷発生材料-
・CGM-A:V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン。CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有する。600nmから900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長820nm、平均粒径0.12μm、最大粒径0.2μm、BET比表面積60m/g。
-正孔輸送材料-
・HTM-A:構造の化合物、一般式(HT1a)で表される正孔輸送材料の例示化合物(HT1-1)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’]ビフェニル-4,4’-ジアミン
Figure 2022008025000018

・HTM-B:下記構造の化合物
Figure 2022008025000019
-電子輸送材料-
・ETM-A:下記構造の化合物、一般式(FK)で表される電子輸送材料の例示化合物(1-1)、3,3’-ジ-tert-ブチル-5,5’-ジメチルジフェノキノン。
Figure 2022008025000020
・ETM-B:下記構造の化合物
Figure 2022008025000021

・ETM-C:下記構造の化合物
Figure 2022008025000022
2 感光層、3 導電性基体、7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 記録媒体搬送ベルト、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材、133 繊維状部材、300 プロセスカートリッジ

Claims (12)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層と、
    を有し、
    摩耗後の前記感光層の厚さと摩耗前の前記感光層の厚さとの比(摩耗後の前記感光層の厚さ/摩耗前の前記感光層の厚さ)が0.8であるときの、摩耗後の前記感光層の体積抵抗率が5.0×1010Ωcm以上2.0×1011Ωcm以下である電子写真感光体。
  2. 摩耗後の前記感光層の体積抵抗率と摩耗前の前記感光層の体積抵抗率との比(摩耗後の前記感光層の体積抵抗率/摩耗前の前記感光層の体積抵抗率)が、1/100以上7/100以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記正孔輸送材料と前記電子輸送材料との質量比(前記正孔輸送材料/前記電子輸送材料)が、19/5以上28/5以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層の全固形分に対する前記正孔輸送材料の含有量が、38質量%以上44質量%以下である請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記正孔輸送材料が、ベンジジン骨格を有する正孔輸送材料である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記ベンジジン骨格を有する正孔輸送材料が、下記一般式(HT1a)で示される正孔輸送材料である請求項5に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022008025000023

    (前記一般式(HT1a)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
  7. 前記電子輸送材料が、ジフェノキノン骨格を有する電子輸送材料である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記ジフェノキノン骨格を有する電子輸送材料が、下記一般式(FK)で表される電子輸送材料である請求項7に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022008025000024

    (前記一般式(FK)中、Rk1~Rk4は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
  9. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型の感光層と、
    を有し、
    前記感光層の表面における前記正孔輸送材料の存在量と、前記感光層の裏面における前記正孔輸送材料の存在量と、の比(前記感光層の表面における前記正孔輸送材料の存在量/前記感光層の裏面における前記正孔輸送材料の存在量)が、1/6以上1/3以下である電子写真感光体。
  10. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  11. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  12. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記電子写真感光体から前記トナー像を直接、記録媒体の表面に転写する転写部材を有する直接転写方式の転写手段と、
    を備え、
    前記電子写真感光体の回転速度P(mm/s)と、前記電子写真感光体から前記トナー像を直接、前記記録媒体の表面に転写するための転写電流値I(μA)と前記転写部材の長さL(mm)の関係が下記式(PIL)を満たす画像形成装置。
    式(PIL):-1.07×10-3≦I/(P×L)≦-4.30×10-4
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