JP7081283B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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しかしながら、感光層に一般式(1)で表される電子輸送材料を含む単層型感光体では、例えば感光体の表面に油分が付着すると、次第に感光層に割れが発生していくことがある。そして、感光層に割れが生じた感光体を用いて形成された画像には、割れに起因する色点が発生することがあるため、耐油性の高い感光体が求められている。
<1>
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂と電荷発生材料と正孔輸送材料と下記一般式(1)で表される電子輸送材料と平面共役構造及び炭素数8以上のアルキル基を有し融点が70℃以下である化合物とを含有する単層型の感光層と、
を有する電子写真感光体。
前記一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する前記化合物の添加量は、30質量部以上140質量部以下である<1>に記載の電子写真感光体。
<3>
前記一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する前記化合物の添加量は、35質量部以上90質量部以下である<2>に記載の電子写真感光体。
前記化合物は、前記平面共役構造を含む縮合環を有する<1>~<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<5>
前記平面共役構造を含む縮合環は、ナフタレン骨格及びフルオレン骨格の少なくとも一方を有する<4>に記載の電子写真感光体。
<6>
前記化合物は、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物の少なくとも1種である<5>に記載の電子写真感光体。
前記結着樹脂は、芳香環を有する<1>~<6>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<8>
前記結着樹脂は、下記一般式(PCA)で表される構造単位及び下記一般式(PCB)で表される構造単位の少なくとも一方を含むポリカーボネート樹脂である<7>に記載の電子写真感光体。
前記一般式(1)のR1は、炭素数3以上12以下の分岐状アルキル基、炭素数3以上12以下の分岐状アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す<1>~<8>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<1>~<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<11>
<1>~<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<3>に係る発明によれば、一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する前記化合物の添加量が35質量部未満又は90質量部を超える場合に比較して、耐油性と電気特性とがより両立された電子写真感光体が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられ、結着樹脂と電荷発生材料と正孔輸送材料と一般式(1)で表される電子輸送材料と平面共役構造及び炭素数8以上のアルキル基を有し融点が70℃以下である化合物とを含有する単層型の感光層と、を有する。
また、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
以下、「単層型の感光層」を単に「感光層」と称する場合がある。
そして、単層型感光体の感度を向上させる方法として、例えば、高い電子移動度を有する一般式(1)で表される電子輸送材料を用いる方法が挙げられる。しかし、上記電子輸送材料を用いた単層型感光体では、高い感度が得られるものの、接触する部材に含まれる化学物質や皮脂等の油分が感光体の表面に付着することで、単層型の感光層に割れが生じることがある。また、この割れに起因して、画像に色点が発生することがある。
一方、本実施形態の感光体は、耐油性に優れるため、上記油分の付着に起因する感光層の割れが抑制され、感光層の割れに起因する画像の色点も抑制される。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
そして、感光層の残留応力が大きい感光体では、感光体の表面における油分の付着による感光層の割れが生じやすくなる。具体的には、感光体の表面に油分が付着すると、感光層内に含まれる材料が次第に油分へ溶解し、感光層内に空隙が生じる。そのとき、感光層の残留応力が大きいと、空隙の発生によって、感光層内の結着樹脂における分子鎖の絡み合い構造が残留応力に耐え切れなくなり、割れが生じやすくなると考えられる。
そのため、油分の付着に伴う感光層の割れが抑制され、耐油性に優れる。具体的には、推定作用ではあるが、特定化合物が平面共役構造を有することにより、特定化合物の平面共役構造と結着樹脂との間に相互作用が働きやすく、感光層内に空隙が生じても、結着樹脂における分子鎖の絡み合い構造が維持されやすくなると考えられる。また、特定化合物が長鎖アルキル基を有することにより、経時的に上記長鎖アルキル基が構造変化することで安定化し、残留応力の緩和された感光層が得られやすくなると考えられる。さらに、融点が上記範囲である特定化合物を含有する感光層は、形成される過程で徐々に固化するため、ガラス転移温度が低く、残留応力が小さく抑えられた感光層となりやすいと考えられる。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体7の一部の断面を概略的に示している。
図1に示した電子写真感光体7は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、単層型の感光層2が最外層として設けられて構成されている。
なお、必要に応じてその他の層を設けてもよい。その他の層としては、例えば、導電性基体3と単層型の感光層2との間に設けられる下引層等が挙げられる。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
単層型の感光層は、少なくとも結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、特定電子輸送材料と、特定化合物と、を含み、必要に応じてその他添加剤を含んでもよい。以下、単層型の感光層に含まれる各成分について詳細に説明する。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。
これらの結着樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
また、感光層の成膜性の観点から、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂、及び粘度平均分子量30000以上80000以下のポリアリレート樹脂の少なくとも1種を用いることがよい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デシレン基、n-ウンデシレン基、n-ドデシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec-ヘキシレン基、tert-ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec-ヘプチレン基、tert-ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec-オクチレン基、tert-オクチレン基、イソノニレン基、sec-ノニレン基、tert-ノニレン基、イソデシレン基、sec-デシレン基、tert-デシレン基、イソウンデシレン基、sec-ウンデシレン基、tert-ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、イソドデシレン基、sec-ドデシレン基、tert-ドデシレン基、ネオドデシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキル基が好ましい。
シクロアルキレン基として具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
一般式(PCB)において、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、XP1がアルキレン基、又はシクロアルキレン基を表すことが好ましい。
具体的には、ポリカーボネート樹脂の上記例示化合物中、pm、pnは共重合比(モル比)を示すが、pm:pn=95:5から5:95の範囲、50:50から5:95の範囲、更に好ましくは、15:85から30:70の範囲が挙げられる。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m2/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される傾向があり、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい傾向にあり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
なお、クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5-トリフェニル-ピラゾリン、1-[ピリジル-(2)]-3-(p-ジエチルアミノスチリル)-5-(p-ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′-ビス(3,4-ジメチルフェニル)ビフェニル-4-アミン、トリ(p-メチルフェニル)アミニル-4-アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′-ビス(3-メチルフェニル)-N,N′-ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3-(4′-ジメチルアミノフェニル)-5,6-ジ-(4′-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアジン等の1,2,4-トリアジン誘導体;4-ジエチルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2-フェニル-4-スチリル-キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6-ヒドロキシ-2,3-ジ(p-メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p-(2,2-ジフェニルビニル)-N,N-ジフェニルアニリン等のα-スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N-エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ-N-ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)は、下記一般式(HT1)で表される正孔輸送材料である。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
ベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)は、下記一般式(HT1a)で表される正孔輸送材料である。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、下記一般式(HT2)で表される正孔輸送材料である。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、イソウンデシル基、sec-ウンデシル基、tert-ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec-ドデシル基、tert-ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec-トリデシル基、tert-トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec-テトラデシル基、tert-テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1-イソブチル-4-エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec-ペンタデシル基、tert-ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec-ヘキサデシル基、tert-ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1-メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec-ヘプタデシル基、tert-ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec-オクタデシル基、tert-オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec-ノナデシル基、tert-ノナデシル基、ネオノナデシル基、1-メチルオクチル基、イソイコシル基、sec-イコシル基、tert-イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、n-ペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基、n-ノナデシルオキシ基、n-イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec-ウンデシルオキシ基、tert-ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec-ドデシルオキシ基、tert-ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec-トリデシルオキシ基、tert-トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec-テトラデシルオキシ基、tert-テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1-イソブチル-4-エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec-ペンタデシルオキシ基、tert-ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec-ヘキサデシルオキシ基、tert-ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1-メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec-ヘプタデシルオキシ基、tert-ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec-オクタデシルオキシ基、tert-オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec-ノナデシルオキシ基、tert-ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1-メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec-イコシルオキシ基、tert-イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
つまり、ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、下記構造式(HT2a)で表される正孔輸送材料(例示化合物(HT2-3))であることがより好ましい。
・CH3:メチル基
・OCH3:メトキシ基
本実施形態では、電子輸送材料として、一般式(1)の電子輸送材料(特定電子輸送材料)が適用される。
また、電子輸送材料の結晶化に伴う感光層の割れ抑制の観点から、R1及びR3は同じ基であることが好ましい。
また、電子輸送材料の結晶化に伴う感光層の割れ抑制の観点から、R2及びR4は同じ基であることが好ましい。
更に、電子輸送材料の結晶化に伴う感光層の割れ抑制の観点から、R1とR2とは、異なる基であることが好ましく、また、R3とR4とは異なる基であることが好ましい。
なお、電子輸送材料は、電子輸送材料の結晶化に伴う感光層の割れ抑制の観点から、下記例示化合物(1-1)を含むことが好ましく、下記例示化合物(1-1)であることがより好ましい。
・t-C4H9:t-ブチル基
・CH3O:メトキシ基
・t-C4H9O:t-ブトキシ基
・c-C6H11:シクロヘキシル基
・C6H5:フェニル基
・C6H5CH2:ベンジル基
なお、特定電子輸送材料以外の他の電子輸送材料を含有させる場合の含有量としては、電子輸送材料全体に対し、例えば10質量%以下の範囲が好ましい。
また、正孔輸送材料100質量部に対する電子輸送材料の含有量は、11質量部以上100質量部以下が好ましく、25質量部以上82質量部以下がより好ましい。
なお、電子輸送材料として2種以上を組み合わせて用いた場合(例えば、特定電子輸送材料と他の電子輸送材料とを組み合わせて用いた場合等)、上記電子輸送材料の含有量は前記2種以上の電子輸送材料の合計含有量を意味する。
特定化合物は、平面共役構造及び炭素数8以上のアルキル基(長鎖アルキル基)を有し、かつ、融点が70℃以下である化合物である。
特定化合物が有する平面共役構造としては、例えば芳香族環が挙げられ、具体的には、例えば、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン環構造、フェナントレン環構造等が挙げられ、その中でも、感光層の割れ抑制の観点から、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造が好ましい。
特定化合物は、1分子中に平面共役構造を1つのみ有してもよく、2つ以上有してもよい。特定化合物が1分子中に有する平面共役構造の数は、感光層の割れ抑制の観点から、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がより好ましい。
炭素数8以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル基等が挙げられる。
炭素数8以上12以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
なお、特定化合物は、1分子中に長鎖アルキル基を1つのみ有してもよく、2つ以上有してもよい。特定化合物が1分子中に有する長鎖アルキル基の数は、感光層の割れ抑制の観点から、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がより好ましい。
平面共役構造を含む縮合環としては、例えば、ナフタレン骨格を有する縮合環、アントラセン骨格を有する縮合環、フェナントレン骨格を有する縮合環、フルオレン骨格を有する縮合環等が挙げられ、その中でも、感光層の割れ抑制の観点から、ナフタレン骨格を有する縮合環、フルオレン骨格を有する縮合環が好ましい。
ここで、特定化合物の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線における吸熱ピークから求める。なお、電子写真感光体の感光層に含まれる特定化合物の融点を求める場合は、感光層の組成を分析することで特定化合物の化学構造を特定し、同じ化学構造を有する化合物を別途準備し、測定を行ってもよい。
一般式(2)中、R11~R17が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11~R17が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11~R17が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。これらの中でも、R11~R17が示すアリール基としては、フェニル基が好ましい。
Lが示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基エチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R11~R17が示すアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R18が示す-L181-O-R182で示される基は、L181がアルキレン基を示し、R182は、炭素数8以上のアルキル基(長鎖アルキル基)を示す。
L181が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基等が挙げられる。
R182が示す長鎖アルキル基の具体例及び好ましい基も、前述の特定化合物が有する長鎖アルキル基として説明した通りである。
一般式(4)中、R32が示すアルキル基としては、炭素数7以下のアルキル基、炭素数8以上のアルキル基(長鎖アルキル基)が挙げられるが、感光層の割れ抑制の観点から、長鎖アルキル基であることが好ましい。
また、一般式(4)で表される化合物は、感光層の割れ抑制の観点から、R31が示す基とR32が示す基とが同じ基であることがより好ましい。
一般式(5)中、R41が示す炭素数8以上のアルコキシ基は、-O-R411で示される基であり、R411は上記長鎖アルキル基を示す。
また、一般式(5)中のR41の置換位置は、1位であっても2位であってもよく、感光層の割れ抑制の観点から、1位であることが好ましい。
また、一般式(5)中のR42の置換位置は、5位~8位のいずれであってもよい。
なお特定化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記特定化合物の添加量が上記範囲であることにより、上記範囲より少ない場合に比べて感光層の割れがさらに抑制され、上記範囲よりも多い場合に比べて電気特性の高い感光体が得られる。
なお、上記特定化合物が2種以上併用されている場合、上記特定化合物の添加量とは、併用された2種以上の特定化合物の合計添加量を意味する。
単層型の感光層には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
-感光層形成用塗布液の製造-
電荷発生材料としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(以下「HOGaPC」ともいう)1.2部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(前記式PC-1で表されるポリカーボネート樹脂、pm:25、pn:75、粘度平均分子量:5万)46.8部と、正孔輸送材料として前記一般式(HT2)で表される正孔輸送材料である例示化合物(HT2-3)37部と、電子輸送材料として前記一般式(1)で表される電子輸送材料である例示化合物(1-1)10部と、特定化合物として前記一般式(4)で表される化合物である例示化合物(4-5)8部と、溶剤としてテトラヒドロフラン250部と、からなる混合物を、25℃に維持しながら、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて6時間分散し、感光層形成用塗布液を得た。
得られた感光層形成用塗布液を28℃に制御しながら、浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ244.5mmのアルミニウム基材上に塗布し、140℃、30分の乾燥硬化を行い、膜厚30μmの単層型の感光層を形成した。
以上の工程を経て、実施例1における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する特定化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物として、前記一般式(5)で表される化合物である例示化合物(5-5)8部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する特定化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物として、前記一般式(2)で表される化合物である例示化合物(2-1)8部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する特定化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物として、前記一般式(3)で表される化合物である例示化合物(3-1)8部を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する特定化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物の添加量を3部とした以外は、実施例2と同様にして、実施例5における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する特定化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物の添加量を10部とした以外は、実施例2と同様にして、実施例6における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する特定化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物に代えて、下記式(C1)で表される化合物(融点:104℃)8部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する式(C1)で表される化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物に代えて、下記式(C2)で表される化合物(融点:-20℃)8部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する式(C2)で表される化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物に代えて、下記式(C3)で表される化合物(融点:-50℃)8部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する式(C3)で表される化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物に代えて、下記式(C4)で表される化合物(融点:79℃)8部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4における電子写真感光体を作製した。
一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する式(C4)で表される化合物の添加量を表1(表1中の「添加量」)に示す。
特定化合物を添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較例5における電子写真感光体を作製した。
得られた各電子写真感光体について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
感光体の外周面の10箇所に、オレイン酸に浸漬した直径5mmのろ紙を載せ、温度20℃湿度40%の環境下で1日(24時間)放置した。その後、ろ紙を除去し、光学顕微鏡(ニコン製、型番:COOLPIX P7800、倍率:20倍)で感光体の外周面を観察し、ろ紙と接触していた領域ごとに亀裂(割れ)の合計長さを求め、10箇所の平均値(以下「亀裂長さ」ともいう)を算出して下記基準により評価した。
A:亀裂が全く確認されない、又は亀裂長さが0mm以上1mm未満
B:亀裂長さが1mm以上3mm未満
C:亀裂長さが3mm以上7mm未満
D:亀裂長さが7mm以上11mm未満
E:亀裂長さが11mm以上15mm未満
F:亀裂長さが15mm以上
感光体の外周面に、オレイン酸1質量%ヘキサン溶液を0.5ml噴霧し、室温(25℃)で2週間放置した。その後、室温28℃、湿度85%の環境下で、Brother社製HL5340Dを用い、50%ハーフトーン画像を形成し、画像の色点発生の有無を以下の基準で評価した。
A:色点発生なし(目視で黒点が確認されない)
B:目視で1個以上3個未満の色点が確認されるが、画質上問題なし
C:目視で3個以上10個未満の色点が確認され、実用上問題となる
D:目視で10個以上の色点が観測され、問題となる
画像形成装置(Brother社製HL5340D)を電位測定用に改造した。具体的には、現像装置の代わりに電子写真感光体と正対するように表面電位測定プローブ(トレック社、Model 555P-1)を設置し、表面電位計(トレック社製、トレック334)と接続し電位測定を行った。次に、室温28℃湿度85%の環境下で、ベタ濃度出力時の感光体表面電位(露光装置によってベタ濃度の潜像が形成された感光体の表面電位)を測定し、これを露光後電位VLとした。
A:ΔVL≦15V
B:15V<ΔVL≦20V
C:20V<ΔVL≦25V
D:25V<ΔVL
Claims (8)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂と電荷発生材料と正孔輸送材料と下記一般式(1)で表される電子輸送材料と平面共役構造及び炭素数8以上のアルキル基を有し融点が70℃以下である化合物とを含有する単層型の感光層と、
を有し、
前記化合物が、下記一般式(3)で表される化合物、及び下記一般式(5)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種である電子写真感光体。
(前記一般式(1)中、R1~R4は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、R1は、R2~R4の少なくともいずれかと異なる基である。)
(前記一般式(3)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、及びR27は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R28は、炭素数8以上のアルキル基又は-L281-O-R282を示す。ただし、L281はアルキレン基を示し、R282は炭素数8以上のアルキル基を示す。)
(前記一般式(5)中、R41は、炭素数8以上のアルキル基又は炭素数8以上のアルコキシ基を示し、R42は、水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を示す。) - 前記一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する前記化合物の添加量は、30質量部以上140質量部以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)で表される電子輸送材料100質量部に対する前記化合物の添加量は、35質量部以上90質量部以下である請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記結着樹脂は、芳香環を有する請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)のR1は、炭素数3以上12以下の分岐状アルキル基、炭素数3以上12以下の分岐状アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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