JP2019060930A - 画像形成ユニット及び画像形成装置 - Google Patents

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康彦 衣田
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Abstract

【課題】外部から衝撃が加わっても、画像における白スジの発生を抑制しうる画像形成ユニットを提供する。【解決手段】正帯電型の像保持体7と、前記像保持体に接触して、前記像保持体の表面を正帯電させる帯電部材8と、を備え、前記像保持体と前記帯電部材とが摩擦したとき、前記帯電部材の帯電する極性が前記像保持体の帯電する極性よりも負側である。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成ユニット及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、像担持体と、前記像担持体と接触し前記像担体を帯電する接触帯電手段と、前記接触帯電手段と像担持体との外的衝撃を緩衝する緩衝部材と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジが開示されている。
特許文献2には、被帯電体とニップ部を形成し、前記被帯電体を帯電する帯電部材と、前記ニップ部に設けられる導電粒子を有し、前記被帯電体の表面は、前記帯電部材の表面によって、前記帯電部材に印加される電圧の極性と逆極性に摩擦帯電され、前記導電粒子は、前記ニップ部において前記電圧の極性と逆極性に摩擦帯電されることを特徴とする帯電装置が開示されている。
特開2010−181609号公報 特開2003−302812号公報
像保持体と、像保持体に接触して配置され、像保持体の表面を帯電する帯電部材と、を備えた画像形成ユニットは、搬送時の落下等により外部から衝撃が加わると、像保持体と帯電部材とが摩擦帯電し、その帯電履歴が像保持体に残ることで、出力した画像に白スジが発生することがある。
ここで、白スジとは、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向に発生する白い線状の画像欠陥をいう。
本発明の課題は、正帯電型の像保持体との摩擦で帯電する極性が正である帯電部材を備える画像形成ユニットに比べ、外部から衝撃が加わっても、画像における白スジの発生を抑制しうる画像形成ユニットを提供することである。
請求項1に記載の発明は、
正帯電型の像保持体と、前記像保持体に接触して、前記像保持体の表面を正帯電させる帯電部材と、を備え、
前記像保持体と前記帯電部材とが摩擦したとき、前記帯電部材の帯電する極性が負である、画像形成ユニット。
請求項2に記載の発明は、
前記帯電部材の表面における表面粗さRzが3.0μm以上20μm以下である、請求項1に記載の画像形成ユニット。
請求項3記載の発明は、
前記帯電部材の表面における表面粗さRzが5.0μm以上12μm以下である、請求項2に記載の画像形成ユニット。
請求項4記載の発明は、
前記帯電部材が、導電性支持体上に弾性層と表面層とをこの順に備え、前記表面層がフッ素樹脂を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
請求項5記載の発明は、
前記フッ素樹脂が、ポリフッ化ビニリデン及び4フッ化エチレン樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の画像形成ユニット
請求項6記載の発明は、
前記像保持体が、導電性基体上に単層型の感光層を備える、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
請求項7記載の発明は、
前記感光層が、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリアリレート樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項6に記載の画像形成ユニット
請求項8記載の発明は、
前記像保持体に対する前記帯電部材の食い込み量が0μm以上50μm以下である、請求項7に記載の画像形成ユニット。
請求項9記載の発明は、
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成ユニットを少なくとも備える画像形成装置。
請求項1、4、5、6、又は7に記載の発明によれば、正帯電型の像保持体との摩擦で帯電する極性が正である帯電部材を備える画像形成ユニットに比べ、外部から衝撃が加わっても、画像における白スジの発生を抑制しうる画像形成ユニットが提供される。
請求項2、又は3に記載の発明によれば、前記帯電部材の表面における表面粗さRzが3.0μm未満又は20μmを超える場合に比べ、外部から衝撃が加わっても、画像における白スジの発生を抑制しうる画像形成ユニットが提供される。
請求項8に記載の発明によれば、前記像保持体に対する前記帯電部材の食い込み量が50μmを超える場合に比べ、外部から衝撃が加わっても、画像における白スジの発生を抑制しうる画像形成ユニットが提供される。
請求項9に記載の発明によれば、正帯電型の像保持体との摩擦で帯電する極性が正である帯電部材を備える画像形成ユニットを有する場合に比べ、画像形成ユニットの外部から衝撃が加わっても、画像における白スジの発生を抑制しうる画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 他の本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
以下、発明の一例である実施形態について説明する。
<画像形成ユニット>
本実施形態に係る画像形成ユニットは、正帯電型の像保持体と、像保持体に接触して、像保持体の表面を正帯電させる帯電部材と、を備え、像保持体と帯電部材とが摩擦したとき、帯電部材の帯電する極性が負である、画像形成ユニットである。
ここで、正帯電型の像保持体とは、電圧が印加されたときに、表面が正に帯電しうる像保持体をいい、帯電部材により帯電される際に電圧が印加されて表面が正に帯電する。
以下、画像形成ユニットを単に「ユニット」ともいい、正帯電型の像保持体を単に「像保持体」ともいう。
ここで、「画像形成ユニット」とは、少なくとも像保持体と帯電部材とを備え、画像形成に寄与するユニットを指し、その他、静電荷像形成手段、及び像保持体を清掃する清掃手段から選択される1つ以上を備えてもよい。
像保持体と、像保持体に接触して配置され、像保持体の表面を帯電する帯電部材と、を備えた画像形成ユニットは、搬送時の落下等により外部から衝撃が加わると、像保持体と帯電部材とがその接触領域で摩擦帯電する。
摩擦帯電により帯電部材の像保持体との接触領域が正極に帯電すると、摩擦対象である像保持体は、帯電部材との接触領域が負極に帯電する。
帯電部材との接触領域が負極に帯電した、正帯電型の像保持体の場合、帯電部材によりその表面を帯電させたとき、帯電部材との接触領域の帯電電位が他の領域の帯電電位に及ばす、大きな電位差が出てしまう。その結果、正帯電型の像保持体において、帯電部材との接触領域のトナーの静電吸着力が小さくなり、出力した画像に白スジが発生する。
本実施形態に係る画像形成ユニットでは、正帯電型の像保持体と、像保持体と帯電部材とが摩擦したとき、帯電する極性が負である帯電部材を備える。
この組み合わせとすることで、摩擦帯電により帯電部材の像保持体との接触領域が負極に帯電し、摩擦対象である像保持体は、帯電部材との接触領域が正極に帯電する。
正帯電型の像保持体において、帯電部材との接触領域が正極に帯電すると、帯電部材による帯電と同極性であるため、帯電部材によりその表面を帯電させたとき、帯電部材との接触領域の帯電電位を他の領域の帯電電位よりも高くなる。その結果、出力した画像に発生する白スジを抑制しうると考えられる。
像保持体と帯電部材とが摩擦したとき、帯電部材の帯電する極性が負であることの確認は、像保持体の表面と帯電部材の表面とを摩擦させて、その摩擦領域を表面電位計を用いて非接触で測定することで行う。
本実施形態においては、像保持体と帯電部材とが摩擦したとき、摩擦帯電により帯電部材の像保持体との接触領域が負極に帯電し、摩擦対象である像保持体は、帯電部材との接触領域が正極に帯電する。
このような構成を得るためには、帯電部材の表面を形成する層が、像保持体の表面を形成する層よりも摩擦帯電列で負極側にあることが好ましい。摩擦帯電列は、層に含まれる高分子材料に左右されるため、特に、帯電部材の表面を形成する層に含まれる高分子材料として、像保持体の表面を形成する層に含まれる高分子材料よりも摩擦帯電列で負極側のものを選択することが好ましい。
帯電部材の表面を形成する層としては、後述する導電性弾性層又は表面層が挙げられ、これらの層に含まれる高分子材料として、像保持体の表面を形成する層に含まれる高分子材料よりも摩擦帯電列で負極側のものを選択すればよい。
特に、帯電極性の制御が容易な点、及び材料の選択性が高い点から、帯電部材の表面を形成する層を表面層とし、表面層に含まれる高分子材料として、像保持体の表面を形成する層に含まれる高分子材料よりも摩擦帯電列で負極側のものを選択することが好ましい。
表面層に含まれる高分子材料としては、摩擦帯電列で負側になり易く、また、表面の汚染を防止し易い点から、フッ素樹脂が好ましい。
一方で、像保持体の表面を形成する層としては、後述する単層型の感光層又は表面層が挙げられ、これらの層に含まれる高分子材料として、帯電部材の表面を形成する層に含まれる高分子材料よりも摩擦帯電列で正極側のものを選択すればよい。
特に、コスト面から、像保持体の表面を形成する層を単層型の感光層とし、単層型の感光層に含まれる高分子材料として、帯電部材の表面を形成する層に含まれる高分子材料よりも摩擦帯電列で正極側のものを選択することが好ましい。
例えば、上述のように、表面層に含まれる高分子材料がフッ素樹脂であれば、フッ素樹脂よりも摩擦帯電列で正極側の高分子材料(例えば、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリアリレート樹脂等)を感光層に用いればよい。
〔帯電部材〕
以下、帯電部材の各要素について説明する。
本実施形態における帯電部材は、正帯電型の像保持体に接触して、像保持体の表面を正帯電させる帯電部材である。
帯電部材の形態は、ロール状、ブラシ状、ブレード状、又はピン電極状等が挙げられるが、像保持体との摩擦が起き易い形状である点から、本実施形態に係るユニットに備えられる帯電部材は、ロール状又はブレード状であることが好ましい。
また、像保持体へと押し当てられる領域が大きく、像保持体との摩擦が起き易い点から、本実施形態に係るユニットに備えられる帯電部材は、ロール状であることが好ましい。
以下、ロール状帯電部材について説明する。
ロール状帯電部材は、例えば、導電性支持体である芯体と導電性弾性層とを有する。
導電性弾性層は、単層でもよく、複数の層が積層した積層体でもよい。導電性弾性層は、その表面が表面処理された層でもよく、弾性層の外周面に、更に高分子材料を含む表面層が積層されていてもよい。
芯体の材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が挙げられ、表面がメッキ処理されていてもよい。
導電性を有しない材質の場合、メッキ処理等の導電化処理を行ってもよい。
導電性弾性層は、ゴム等の弾性材料、及びカーボンブラックやイオン導電剤等の導電剤を含み、例えば、弾性材中に導電剤が分散して配合されている。
導電性弾性層は、更に、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、滑剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)などを含んでもよい。
導電性弾性層は、上記材料の混合物を、芯体の外周面に被覆することにより形成される。
弾性材料は、発泡体であってもよく、この場合、導電性弾性層は導電性発泡弾性層となる。
導電性弾性層を構成する弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びこれらの混合物が挙げられる。
なお、導電性弾性層が、帯電部材の表面を形成する層となる場合、摩擦帯電列で負側になり易い、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムを選択することが好ましい。
弾性材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられる。
電子導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物;などの粉末が挙げられる。
イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のオニウム類の過塩素酸塩又は塩素酸塩;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩又は塩素酸塩;などが挙げられる。
導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤の配合量は、特に制限はないが、電子導電剤の場合は、弾性材100質量部に対して1質量部以上60質量部以下の範囲であることが望ましく、イオン導電剤の場合は、弾性材100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましい。
ロール状帯電部材の表面には、高分子材料を含む表面層を設けることが好ましい。
この表面層に含まれる高分子材料として、像保持体の表面にある層に含まれる高分子材料よりも帯電列で負極側のものを選択することで、像保持体と帯電部材とが摩擦したとき、帯電部材の帯電する極性が負になる。
表面層に含まれる高分子材料としては、摩擦帯電列で負側になり易い点、また、表面の汚染を防止し易い点から、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好ましいものとして挙げられ、フッ素樹脂がより好ましい。
フッ素樹脂として、好ましくは、例えば、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル共重合体等が挙げられる。
中でも、入手容易性、成膜性の点から、ポリフッ化ビニリデン及び4フッ化エチレン樹脂から選択される少なくとも1種が好ましい。
上記高分子材料の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが望ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより望ましい。
上記高分子材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整してもよい。
導電性材料としては、粒径が3μm以下である粉体が望ましい。
抵抗値の調整を目的とした導電性材料としては、カーボンブラック、導電性金属酸化物粒子、イオン導電剤等が挙げられる。
導電性材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックとしては、具体的には、オリオンエンジニアドカーボンズ社製「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、同「MONARCH1300」、同「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。カーボンブラックはpH4.0以下が望ましい。
導電性金属酸化物粒子としては、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)等の、電子を電荷キャリアとする導電剤の粒子が挙げられる。
表面層は、アルミナやシリカ等の絶縁性粒子を含んでもよい。
表面層に含まれる各種粒子(導電性材料である粉体、絶縁性粒子等)によって、帯電部材の表面に凹凸が形成されてもよい。
帯電部材の表面における表面粗さRzは、像保持体との摩擦帯電をし難くする点、像保持体に対する帯電性能を高める点等から、3.0μm以上が好ましく、5.0μm以上がより好ましい。
なお、像保持体に対する帯電ムラを抑制する点から、帯電部材の表面における表面粗さRzの上限は、20μmが好ましく、12μmがより好ましい。
帯電部材の表面における表面粗さRzは、表面層に含まれる粒子の粒径及び含有量を調整することで制御しうる。
帯電部材の表面における表面粗さRzは、JIS B 0601−1994の十点平均粗さRzである。
表面粗さRzは、表面粗さ測定機(東京精密社製サーフコム1400A)を用い、カットオフ0.8mm、測定長4.0mm、トラバーススピード0.3mm/secの条件で、測定対象物の3か所(例えば、ロール状帯電部材であれば、両端から軸方向に50mm位置及び中央部の3か所について)を測定し、その平均値を算出する。
ロール状帯電部材の外径は、8mm以上16mm以下が好ましい。
また、ロール状帯電部材のマイクロ硬度は、45°以上60°以下が好ましい。
本実施形態に係る画像形成ユニットにおける帯電部材は、正帯電型の像保持体に接触して、像保持体の表面を正帯電させる。
像保持体に対する帯電部材の接触圧は、例えば、像保持体に対する帯電部材の食い込み量にて示される。
食い込み量は、像保持体に対し帯電部材の押付ける前の、帯電部材の導電性弾性層の厚みと、押付け後に圧縮変形した状態の、帯電部材の導電性弾性層の厚みと、の差をいう。
像保持体に対する帯電部材の食い込み量としては、0μm以上50μm以下が好ましく、0μm以上30μm以下がより好ましい。
上記の範囲の場合、外部からの衝撃により、像保持体と帯電部材とが摩擦帯電し易い。
〔正帯電型の像保持体〕
以下、正帯電型の像保持体の各要素について説明する。
正帯電型の像保持体は、例えば、導電性基体上に、正帯電型の感光層が設けられた構成を有する。
正帯電型の像保持体は、更に、任意の層を有していてもよく、導電性基体と正帯電型の感光層との間に設けられる、無機粒子と結着樹脂とを含む下引層、下引層と感光層との間に設けられる中間層、正帯電型の感光層上に設けられる保護層等が挙げられる。
また、正帯電型の感光層としては、正帯電特性を得るため、単層型の感光層が好ましく、特に、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料と、を含有する単層型の感光層が好ましい。
以下、正帯電型の像保持体を構成する各要素について説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、像保持体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これを更にアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(単層型の感光層)
単層型の感光層は、例えば、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料と、を含む。
単層型の感光層は、必要に応じて、その他の添加剤を含んでもよい。
以降、単層型の感光層を単に「感光層」ともいう。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、ナイロン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
これらの結着樹脂の中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、及びナイロン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
特に、感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂が好ましい。
なお、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の測定方法としては、例えば、次の方法により測定される。樹脂1gをメチレンクロライド100cmに溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、その比粘度ηspを測定し、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕cの関係式(ただしcは濃度(g/cm)より極限粘度〔η〕(cm/g)をもとめ、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10−4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
結着樹脂の感光層の全固形分に対する含有量は、35質量%以上60質量%以下であることがよく、好ましくは20質量%以上35質量%以下である。
−電荷発生材料−
電荷発生材料としては、特に制限はないが、例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、チタニルフタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、感光体の高感度化の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよく、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が更に好ましい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。像保持体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。一方、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積が45m/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される場合がある。そして、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい場合があり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒径の最大値)は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、0.3μm以下であることが更に好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
一方、クロロガリウムフタロシアニン顔料としては、感光層の感度の点から、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に回折ピークを有する化合物が好ましい。クロロガリウムフタロシアニン顔料の最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及びBET比表面積の好ましい範囲は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
感光層の全固形分に対する電荷発生材料の含有量は、1質量%以上5質量%以下がよく、好ましくは1.2質量%以上4.5質量%以下である。
−正孔輸送材料−
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。
これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正孔輸送材料の具体例としては、例えば、下記一般式(B−1)で示される化合物、下記一般式(B−2)で示される化合物、及び下記一般式(B−3)で示される化合物が挙げられる。
一般式(B−1)中、RB1は、水素原子又はメチル基を示す。n11は1又は2を示す。ArB1及びArB2は各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(RB3)=C(RB4)(RB5)、又は−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)を示し、RB3乃至RB7はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。
一般式(B−2)中、RB8及びRB8’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RB9、RB9’、RB10、及びRB10’は同一でも異なってもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB11)=C(RB12)(RB13)、又は−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)を示し、RB11乃至RB15は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。m12、m13、n12及びn13は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
一般式(B−3)中、RB16及びRB16’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。RB17、RB17’、RB18、及びRB18’は同一でも異なってもよく、各々独立にハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB19)=C(RB20)(RB21)、又は−CH=CH−CH=C(RB22)(RB23)を示し、RB19乃至RB23は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。m14、m15、n14及びn15は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
ここで、一般式(B−1)で示される化合物、一般式(B−2)で示される化合物、及び一般式(B−3)で示される化合物のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)」を有する一般式(B−1)で示される化合物、及び「−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)」を有する一般式(B−2)で示される化合物が好ましい。
以下、正孔輸送材料の具体例として、下記構造式(HT−1)〜(HT−12)を挙げるが、正孔輸送材料は、これらに限られるものではない。
感光層の全固形分に対する正孔輸送材料の全体の含有量は、10質量%以上40質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上38質量%以下である。
−電子輸送材料−
電子輸送材料は、電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、9−ジシアノメチレン−9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル、9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’−ジ−tert−ペンチル-ジナフトキノン等のジナフトキノン化合物;3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、高感度化等の点で、フルオレノン化合物が好ましく、フルオレノン化合物の中でも、下記一般式(1)で示される化合物が好ましい。
以下、下記一般式(1)で示される電子輸送材料について説明する。
一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L19−O−R20で示される基、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を示す。
一般式(1)中、R11〜R17が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。これらの中でも、R11〜R17が示すアリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示す−L19−O−R20で示される基は、L19がアルキレン基を示し、R20は、アルキル基を示す。
19が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
20が示すアルキル基としては、上記R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
なお、R18が示すアリール基は、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基であることが、溶解性の観点で好ましい。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアラルキル基としては、−L21−Arで示される基が挙げられる。但し、L21は、アルキレン基を示す、Arは、アリール基を示す。
21が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基エチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアラルキル基として具体的には、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
一般式(1)の電子輸送材料としては、高感度化及び色点の発生抑制の観点から、R18が炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましく、特に、R11〜R17が各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、かつ、R18が炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましい。
以下、一般式(1)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(1−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(1−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・Ph:フェニル基
一般式(1)の電子輸送材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、一般式(1)で表される電子輸送材料を用いる場合、一般式(1)で表される電子輸送材料以外の電子輸送材料と併用してもよい。
なお、一般式(1)で表される電子輸送材料以外の電子輸送材料を含有させる場合の含有量としては、電子輸送材料全体に対し、10質量%以下の範囲であることが好ましい。
感光層の全固形分に対する電子輸送材料の含有量は、4質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは6質量%以上18質量%以下である。
なお、この電子輸送材料の含有量は、2種以上の電子輸送材料を併用した場合、それらの電子輸送材料全体の含有量である。
−正孔輸送材料と電子輸送材料との比率−
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が好ましく、より好ましくは60/40以上80/20以下である。
−その他の添加剤−
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他の添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
なお、酸化防止剤として、高温高湿環境下で画像を形成したときであっても、ゴーストの発生を抑制することを妨げない範囲で、少量(例えば、感光層の固形分に対して5質量%以下)のヒンダードアミン系酸化防止剤を含んでいてもよい。
−単層型の感光層の形成−
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
感光層形成用塗布液を塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
単層型の感光層の膜厚は、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下、更に好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
(その他の層)
本実施形態に係る感光体には、前術の通り、必要に応じてその他の層を設けてもよい。
その他の層としては、例えば、感光層上に最表面層として設けられる保護層が挙げられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度を更に改善したりする目的で設けられる。そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて、加熱等の硬化処理することで行う。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、上記した本実施形態に係る画像形成ユニットを備える。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、上記した本実施形態に係る画像形成ユニットに備えられた、正帯電型の像保持体及び帯電部材の他、帯電した像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置には、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;像保持体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;像保持体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための像保持体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、正帯電型の像保持体を備える部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。
プロセスカートリッジとしては、例えば、前述した、正帯電型の像保持体と帯電部材とを備えた画像形成ユニットと、その他、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つと、を備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、像保持体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50と、を備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から像保持体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して像保持体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が像保持体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図1におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、像保持体7、帯電部材8(帯電部材の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、像保持体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図1には、画像形成装置として、潤滑材14を像保持体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
なお、像保持体7及び帯電部材8は、本実施形態に係る画像形成ユニットに備えられた、正帯電型の像保持体及び帯電部材が適用されるため、ここでは説明を省略する。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、像保持体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は像保持体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて像保持体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図2に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの像保持体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
なお、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限られず、例えば、像保持体7の周囲であって、転写装置40よりも像保持体7の回転方向下流側でクリーニング装置13よりも像保持体の回転方向上流側に、残留したトナーの極性を揃え、クリーニングブラシで除去しやすくするための第1除電装置を設けた形態であってもよいし、クリーニング装置13よりも像保持体の回転方向下流側で帯電装置8よりも像保持体の回転方向上流側に、像保持体7の表面を除電する第2除電装置を設けた形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限れず、周知の構成、例えば、像保持体7に形成したトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の画像形成装置を採用してもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」であることを示す。
〔像保持体1の作製〕
−感光層の形成−
電荷発生材料として、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウム:3質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万)47質量部と、電子輸送材料として一般式(1)で表される電子輸送材料の例示化合物(1−3):13質量部と、正孔輸送材料として前記構造式(HT−5):37質量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン250質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散し、感光層形成用塗布液を得た。
得られた感光層形成用塗布液を、浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ244.5mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、130℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ30μmの単層型の感光層を形成した。
以上の工程を経て、正帯電型の像保持体1を作製した。
〔像保持体2の作製〕
下記の感光層形成用塗布液を用いた以外は、像保持体1の作製と同様にして、正帯電型の像保持体2を作製した。
電荷発生材料として、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウム:3質量部と、結着樹脂として6/66共重合ナイロン(粘度平均分子量:5万)47質量部と、電子輸送材料として一般式(1)で表される電子輸送材料の例示化合物(1−3):13質量部と、正孔輸送材料として前記構造式(HT−5):37質量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン250質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散し、感光層形成用塗布液を得た。
〔帯電ロール1の作製〕
(弾性層の形成)
下記弾性層形成用混合物を、オープンロールで混練し、SUS416からなる直径9mmの導電性の芯体の外周面に、厚さ1.5mmとなるように円筒状に被覆し、内径12.0mmの円筒型の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、金型から取り出した後、研磨した。これにより、円筒状の導電性弾性層を得た。
−弾性層形成用混合物−
・ゴム材(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、GECHRON3106:日本ゼオン社製) 100質量部
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製) 25質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製) 8質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム) 1質量部
・加硫剤(硫黄、200メッシュ:鶴見化学工業社製) 1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製) 2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製) 0.5質量部
(表面層の形成)
下記表面層形成用混合物を、ビーズミルにて分散し、得られた分散液を、メタノールで希釈し、導電性の弾性層の表面(外周面)に浸漬塗布した後、140℃で15分間加熱乾燥した。これにより、厚さ4μmの表面層を有する帯電ロール1を得た。
得られた帯電ロール1の表面における表面粗さRzは7.0μmであった。
−表面層形成用混合物−
・高分子材料 100質量部
(4フッ化エチレン樹脂、ルブロンTM、ダイキン工業社製)
・導電剤(アンチモンドープ酸化スズ、SN−100P:石原産業社製) 30質量部
・溶剤(メタノール) 500質量部
・溶剤(ブタノール) 240質量部
〔帯電ロール2の作製〕
表面層形成用混合物において、4フッ化エチレン樹脂の量を80質量部に変えた以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロール2を得た。
得られた帯電ロール2の表面における表面粗さRzは4.3μmであった。
〔帯電ロール3の作製〕
表面層形成用混合物において、4フッ化エチレン樹脂をポリフッ化ビニリデン(ネオフロンTM、ダイキン工業社製)に変えた以外は、帯電ロール2の作製と同様にして、帯電ロール3を得た。
得られた帯電ロール3の表面における表面粗さRzは4.3μmであった。
〔帯電ロール4の作製〕
表面層形成用混合物において、4フッ化エチレン樹脂をテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル共重合体(AP201−SH、ダイキン工業社製)に変えた以外は、帯電ロール2の作製と同様にして、帯電ロール4を得た。
得られた帯電ロール4の表面における表面粗さRzは4.3μmであった。
〔帯電ロール5の作製〕
表面層形成用混合物において、4フッ化エチレン樹脂の量を60質量部に変えた以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロール5を得た。
得られた帯電ロール5の表面における表面粗さRzは2.6μmであった。
〔帯電ロール6の作製〕
表面層形成用混合物において、4フッ化エチレン樹脂をポリアミド樹脂(アミランCM8000、東レ社製)に変えた以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロール6を得た。
得られた帯電ロール6の表面における表面粗さRzは7.0μmであった。
<実施例1〜6、比較例1、及び、評価>
〔帯電極性の確認〕
下記表1に記載の組み合わせの像保持体及び帯電ロールを備えるプロセスカートリッジ(CRU:Customer Replaceable Unit)を作製した。
なお、このプロセスカートリッジ内にて、像保持体に対する帯電ロールの食い込み量は10μmであった。
このプロセスカートリッジを、床面から高さ100cmから自由落下させ、床に衝突させた。これを10回繰り返した。
その後、プロセスカートリッジ内の像保持体及び帯電ロールについて、前述の方法にて、帯電極性を確認した。結果を表1に示す。
〔白スジの評価〕
下記表1に記載の組み合わせの像保持体及び帯電ロールを備えるプロセスカートリッジ(CRU:Customer Replaceable Unit)を作製した。
なお、このプロセスカートリッジ内にて、像保持体に対する帯電ロールの食い込み量は10μmであった。
このプロセスカートリッジを、床面から高さ100cmから自由落下させ、床に衝突させた。これを10回繰り返した。
その後、プロセスカートリッジを、DocuCentre S2010(富士ゼロックス社製)に装着し、A4用紙全面にハーフトーン画像を出力した。
なお、上記のプロセスカートリッジを自由落下させていないものに関しても、DocuCentre S2010(富士ゼロックス社製)に装着し、A4用紙全面にハーフトーン画像を出力した。
自由落下させていないプロセスカートリッジを用いて出力されたハーフトーン画像を色見本とし、この色見本と、自由落下させたプロセスカートリッジを用いて出力されたハーフトーン画像と、を比較することで、白スジの評価を行った。
白スジの評価基準は、以下の通りである。
−白スジの評価基準−
G1 :白スジ発生なし
G1.5:画質上問題ない程度の軽微な白スジ発生
G2 :画質上やや気になる程度のぼんやりした白スジ発生
G3 :画質上問題になる程度のはっきりした白スジ発生
〔汚染の評価〕
白スジの評価後、DocuCentre S2010を用いて、引き続き、ハーフトーン画像を50kPV(50000枚)出力した。50000枚目のハーフトーン画像の画質を観察し、帯電ロールの表面における汚染状態について評価した。
汚染の評価基準は、以下の通りである。
−汚染の評価基準−
G1 :画質に欠陥発生無し
G1.5:白スジの評価基準におけるG1.5レベルの汚染起因の白スジ発生
G2 :白スジの評価基準におけるG2レベルの汚染起因の白スジ発生
G3 :白スジの評価基準におけるG3レベルの汚染起因の白スジ発生
表1に明らかなように、実施例1〜6は、比較例1に比べて、白スジが発生することが分かる。
また、実施例1〜6では、帯電部材の表面層にフッ素樹脂を用いていることから、汚染され難いことが分かる。
7 像保持体、8 帯電部材、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材、133 繊維状部材、300 プロセスカートリッジ

Claims (9)

  1. 正帯電型の像保持体と、前記像保持体に接触して、前記像保持体の表面を正帯電させる帯電部材と、を備え、
    前記像保持体と前記帯電部材とが摩擦したとき、前記帯電部材の帯電する極性が負である、画像形成ユニット。
  2. 前記帯電部材の表面における表面粗さRzが3.0μm以上20.0μm以下である、請求項1に記載の画像形成ユニット。
  3. 前記帯電部材の表面における表面粗さRzが5.0μm以上12.0μm以下である、請求項2に記載の画像形成ユニット。
  4. 前記帯電部材が、導電性支持体上に弾性層と表面層とをこの順に備え、前記表面層がフッ素樹脂を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
  5. 前記フッ素樹脂が、ポリフッ化ビニリデン及び4フッ化エチレン樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の画像形成ユニット。
  6. 前記像保持体が、導電性基体上に単層型の感光層を備える、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
  7. 前記感光層が、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリアリレート樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項6に記載の画像形成ユニット。
  8. 前記像保持体に対する前記帯電部材の食い込み量が0μm以上50μm以下である、請求項7に記載の画像形成ユニット。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成ユニットを少なくとも備える画像形成装置。
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