JP2020204679A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴースト画像及び帯電ムラの発生を抑制できる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、像担持体と、像担持体の周面を正極性に帯電させる帯電ローラーとを備える。帯電ローラーは、導電性シャフトと、導電性シャフトを覆う基層と、基層を覆う表層とを備える。前記表層の体積抵抗率は13.0logΩ・cm以上である。前記帯電ローラーの周面において、十点平均粗さRzは6μm以上25μm以下であり、断面曲線凹凸の平均間隔Smは55μm以上130μm以下である。【選択図】図12

Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体を帯電させるために帯電装置を用いる。帯電装置としては、例えば、導電性シャフトと、導電性シャフトを被覆する弾性体層と、弾性体層を直接又は間接的に被覆する表層とを備える帯電ローラーが用いられている(特許文献1〜2)。特許文献1〜2に記載の帯電ローラーは、帯電ムラの発生を抑制できるとされている。なお、帯電ムラとは、例えば、シートに画像形成されたハーフトーン画像に発生する微小な画像ムラ(例えば、斑点状のムラ又は横筋状のムラ)を示す。帯電ムラは、像担持体が帯電装置によって均一に帯電しなかった場合に発生するとされる。
特開2007−178975号公報 特開2009−122515号公報
しかし、特許文献1〜2に記載の帯電ローラーを用いた画像形成装置であっても、帯電ムラの発生を十分に抑制することは困難である。特に、帯電ムラが発生し易い高温高湿環境下においては、特許文献1〜2に記載の帯電ローラーを用いた画像形成装置では、帯電ムラの発生を十分に抑制することは極めて困難である。更に、画像形成装置においては、画像ゴーストの発生を抑制することも要求されている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像ゴースト及び帯電ムラの発生を抑制できる画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の周面を正極性に帯電させる帯電ローラーとを備える。前記像担持体は、導電性基体と、単層の感光層とを備え、かつ下記式(1)を満たす。前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有する。前記帯電ローラーは、導電性シャフトと、前記導電性シャフトの表面を被覆する基層と、前記基層の表面を被覆する表層とを備える。前記表層の体積抵抗率は、温度32.5度、湿度80%RHにおいて、13.0logΩ・cm以上である。前記帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは6μm以上25μm以下である。前記帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは55μm以上130μm以下である。
Figure 2020204679
前記式(1)中、Qは、前記像担持体の帯電電荷量[C]を表す。Sは、前記像担持体の帯電面積[m2]を表す。dは、前記感光層の膜厚[m]を表す。εrは、前記感光層に含有される前記第1バインダー樹脂の比誘電率を表す。ε0は、真空の誘電率[F/m]を表す。Vは、式V=V0−Vrから算出される値[V]である。Vrは、前記帯電ローラーによって帯電される前の前記像担持体の前記周面の第1電位[V]を表す。V0は、前記帯電ローラーによって帯電された後の前記像担持体の前記周面の第2電位[V]を表す。
本発明の画像形成方法は、像担持体の周面を帯電ローラーによって正極性に帯電させる帯電工程を備える画像形成方法である。前記像担持体は、導電性基体と、単層の感光層とを備え、かつ下記式(1)を満たす。前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有する。前記帯電ローラーは、導電性シャフトと、前記導電性シャフトの表面を被覆する基層と、前記基層の表面を被覆する表層とを備える。前記表層の体積抵抗率は、温度32.5度、湿度80%RHにおいて、13.0logΩ・cm以上である。前記帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは6μm以上25μm以下である。前記帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは55μm以上130μm以下である。
Figure 2020204679
前記式(1)中、Qは、前記像担持体の帯電電荷量[C]を表す。Sは、前記像担持体の帯電面積[m2]を表す。dは、前記感光層の膜厚[m]を表す。εrは、前記感光層に含有される前記第1バインダー樹脂の比誘電率を表す。ε0は、真空の誘電率[F/m]を表す。Vは、式V=V0−Vrから算出される値[V]である。Vrは、前記帯電工程において帯電される前の前記像担持体の前記周面の第1電位[V]を表す。V0は、前記帯電工程において帯電された後の前記像担持体の前記周面の第2電位[V]を表す。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、画像ゴースト及び帯電ムラの発生を抑制できる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。 図1で示す画像形成装置が備える感光体及びその周辺部を示す図である。 図1で示す画像形成装置が備える帯電ローラーの一例を示す部分断面図である。 図1で示す画像形成装置が備える感光体の一例を示す部分断面図である。 図1で示す画像形成装置が備える感光体の一例を示す部分断面図である。 図1で示す画像形成装置が備える感光体の一例を示す部分断面図である。 第1電位Vr及び第2電位V0を測定する測定装置を示す図である。 感光体の表面電荷密度と、帯電電位との関係を示すグラフ図である。 図1で示す画像形成装置が備える1次転写ローラーに対する電源系統を示す図である。 スラスト機構を実施する駆動機構を示す図である。 感光体の帯電能比率と、感光体の転写による表面電位低下量との関係を示すグラフ図である。 画像形成装置N1〜N12における、帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzと、帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smと、帯電ムラの発生の有無との関係を示すグラフである。
まず、本明細書で用いられる用語について説明する。化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下、ハロゲン原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、及び炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基は、何ら規定していなければ、各々次の意味である。
ハロゲン原子(ハロゲン基)としては、例えば、フッ素原子(フルオロ基)、塩素原子(クロロ基)、臭素原子(ブロモ基)及びヨウ素原子(ヨード基)が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、及び炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、各々、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、直鎖状又は分枝鎖状のヘキシル基、直鎖状又は分枝鎖状のヘプチル基、及び直鎖状又は分枝鎖状のオクチル基が挙げられる。炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、及び炭素原子数1以上3以下のアルキル基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、それぞれ炭素原子数1以上6以下の基、炭素原子数1以上5以下の基、炭素原子数1以上4以下の基、及び炭素原子数1以上3以下の基である。
炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、及びtert−ブトキシ基が挙げられる。以上、本明細書で用いられる用語について説明した。
[画像形成装置]
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置は、像担持体と、像担持体の周面を正極性に帯電させる帯電ローラーとを備える。像担持体は、導電性基体と、単層の感光層とを備え、かつ下記式(1)を満たす。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有する。帯電ローラーは、導電性シャフトと、導電性シャフトの表面を被覆する基層と、基層の表面を被覆する表層とを備える。表層の体積抵抗率は、温度32.5度、湿度80%RHにおいて、13.0logΩ・cm以上である。帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは6μm以上25μm以下である。帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは55μm以上130μm以下である。
Figure 2020204679
式(1)中、Qは、像担持体の帯電電荷量[C]を表す。Sは、像担持体の帯電面積[m2]を表す。dは、感光層の膜厚[m]を表す。εrは、感光層に含有される第1バインダー樹脂の比誘電率を表す。ε0は、真空の誘電率[F/m]を表す。Vは、式V=V0−Vrから算出される値[V]である。Vrは、帯電ローラーによって帯電される前の像担持体の周面の第1電位[V]を表す。V0は、帯電ローラーによって帯電された後の像担持体の周面の第2電位[V]を表す。
本実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本実施形態において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平面に平行であり、Z軸は鉛直線に平行である。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の概要について説明する。図1は、画像形成装置1を示す断面図である。本実施形態に係る画像形成装置1は、フルカラープリンターである。画像形成装置1は、給送部10、搬送部20、画像形成部30、トナー供給部60、及び排出部70を備える。
給送部10は、複数のシートPを収容するカセット11を含む。給送部10は、カセット11から搬送部20へシートPを給送する。シートPは、例えば、紙製又は合成樹脂製である。搬送部20は画像形成部30にシートPを搬送する。
画像形成部30は、露光装置31、マゼンタユニット(以下、Mユニット)32M、シアンユニット(以下、Cユニット)32C、イエローユニット(以下、Yユニット)32Y、ブラックユニット(以下、BKユニット)32BK、転写ベルト33、二次転写ローラー34、及び定着装置35を含む。Mユニット32M、Cユニット32C、Yユニット32Y、及びBKユニット32BKの各々は、感光体50、帯電ローラー51、現像ローラー52、1次転写ローラー53、除電ランプ54、及びクリーナー55を含む。
露光装置31は、画像データに基づく光をMユニット32M〜BKユニット32BKの各々に照射し、Mユニット32M〜BKユニット32BKの各々に静電潜像を形成する。Mユニット32Mは、静電潜像に基づきマゼンタ色のトナー像を形成する。Cユニット32Cは、静電潜像に基づきシアン色のトナー像を形成する。Yユニット32Yは静電潜像に基づきイエロー色のトナー像を形成する。BKユニット32BKは、静電潜像に基づきブラック色のトナー像を形成する。
感光体50は、ドラム状である。感光体50は、回転中心50X(回転軸、図2参照)の回りに回転する。感光体50の周りには、感光体50の回転方向R(図2参照)の上流側から、帯電ローラー51と、現像ローラー52と、1次転写ローラー53と、除電ランプ54と、クリーナー55とが、記載された順に配置される。帯電ローラー51は感光体50の周面50aを正極性に帯電させる。既に述べたように、露光装置31は、帯電された感光体50の周面50aを露光して、感光体50の周面50aに静電潜像を形成する。現像ローラー52は、トナーTを担持したキャリアCAを磁力により引き付けて、担持する。現像ローラー52に現像バイアス(現像電圧)が印加されることで、現像ローラー52の電位及び感光体50の周面50aの電位の間に電位差が生じ、感光体50の周面50aに形成された静電潜像にトナーTが移動して付着する。このように現像ローラー52は、静電潜像にトナーTを供給して、静電潜像をトナー像に現像する。これにより、感光体50の周面50aにトナー像が形成される。トナー像は、トナーTを含む。転写ベルト33は、感光体50の周面50aと当接する。1次転写ローラー53は、感光体50の周面50aに形成されたトナー像を転写ベルト33(より具体的には、転写ベルト33の外表面)に1次転写する。転写ベルト33の外表面には、4色のトナー像が重畳して1次転写される。4色のトナー像は、マゼンタ色のトナー像、シアン色のトナー像、イエロー色のトナー像、及びブラック色のトナー像である。1次転写により、転写ベルト33の外表面に、カラートナー像が形成される。二次転写ローラー34は、転写ベルト33の外表面に形成されたカラートナー像をシートPに二次転写する。定着装置35はシートPを加熱及び加圧して、カラートナー像をシートPに定着させる。カラートナー像が定着されたシートPは、排出部70に排出される。1次転写後に、Mユニット32M〜BKユニット32BKの各々に含まれる除電ランプ54は、感光体50の周面50aを除電する。1次転写後(より具体的には、1次転写後で且つ除電後)に、クリーナー55は、感光体50の周面50aに残留しているトナーTを回収する。
トナー供給部60は、マゼンタ色のトナーTを収容するカートリッジ60M、シアン色のトナーTを収容するカートリッジ60C、イエロー色のトナーTを収容するカートリッジ60Y、及びブラック色のトナーTを収容するカートリッジ60BKを含む。カートリッジ60M、カートリッジ60C、カートリッジ60Y、及びカートリッジ60BKは、それぞれ、Mユニット32M、Cユニット32C、Yユニット32Y、及びBKユニット32BKの現像ローラー52にトナーTを供給する。
なお、感光体50は像担持体に相当する。現像ローラー52は現像装置に相当する。1次転写ローラー53は転写装置に相当する。転写ベルト33は、被転写体に相当する。除電ランプ54は除電装置に相当する。クリーナー55はクリーニング装置に相当する。
次に、図2〜3を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1を更に説明する。図2は、感光体50及びその周辺部を示す。本実施形態に係る画像形成装置1は、像担持体に相当する感光体50と、帯電ローラー51と、クリーナー55とを備える。クリーナー55は、クリーニング部材に相当するクリーニングブレード81を備える。帯電ローラー51は、感光体50の周面50aを正極性に帯電させる。クリーニングブレード81は、感光体50の周面50aに圧接されて、感光体50の周面50aに残留したトナーTを回収する。
続いて、図3を参照して、帯電ローラー51を更に説明する。図3は、帯電ローラー51を示す。帯電ローラー51は、導電性シャフト51aと、導電性シャフト51aの表面を被覆する基層51bと、基層51bの表面を被覆する表層51cとを備える。表層51cは、帯電ローラー51の最表層である。
感光体50は、式(1)を満たすため、帯電特性に優れる。画像形成装置1は、帯電特性に優れる感光体50を備えるため、ゴースト画像の発生を抑制できる。ここで、ゴースト画像は、感光体50の前周回で形成された画像が、残像として出力画像(シートPに形成される画像)に再び現れる現象である。ゴースト画像は、感光体50の周面50aの帯電が不均一になることで発生する。感光体50の周面50aの帯電が不均一となる原因としては、例えば、感光体50の感光層502への電荷の注入性の変化と、感光層502の内部における残留電荷の存在と、感光層502上のトナー像の有無によって転写時に電流が不均一に流れ込む現象とが挙げられる。
また、積層の感光層を有する感光体と比較して、単層の感光層502を有する感光体50はゴースト画像を発生させ易い。これは、単層の感光層502は、比較的厚いためである。詳しくは、単層の感光層502では、電荷発生剤から発生した電子及び正孔が、感光層502内に残留し易い。感光層502内の残留電荷は、感光体50の均一な帯電を阻害し、ゴースト画像が発生させる。これにより、単層の感光層502を有する感光体は、積層の感光層を有する感光体よりもゴースト画像を発生させ易いと判断される。
本発明者らは、帯電特性に優れ、式(1)を満たす感光体50を用いることで、感光体50を均一に帯電させることができ、その結果、ゴースト画像の発生を抑制できることを見出した。一方、本発明者らは、このような帯電特性に優れる感光体50を用いた画像形成装置では、帯電ムラが発生し易いことを明らかにした。ここで、帯電ムラが発生する主原因は以下の第1原因及び第2原因であると考えられる。
まず、第1原因について説明する。第1原因は、帯電ローラーから感光体への電荷の集中放電に関する。帯電ローラー51は、帯電ローラー51の表面51dから感光体50に電荷を放電することにより、感光体50の周面50aを帯電させる。この際、帯電ローラー51では、導電性シャフト51aから表面51dに向けて、径方向の電流が発生する。しかし、帯電ローラー51の表面51dに、周囲の領域よりも放電し易い領域が存在する場合がある。従来の帯電ローラーは、このような領域が表面に存在すると、表層で横流れ電流が発生し、上述の放電し易い領域で集中的に電荷を感光体に放電する場合がある。従来の帯電ローラーの表面で集中的な電荷の放電が生じると、感光体の周面の一部の領域が過剰に帯電される。このように、第1原因が、従来の帯電ローラーを備える画像形成装置が帯電ムラ(例えば、斑点状の白抜け)を発生する原因の1つと考えられる。
次に、第2原因について説明する。第2原因は、感光体から帯電ローラーへの電荷の逆流に関する。帯電ローラー51は、感光体50に電荷を放電した後、感光体50と接触する。従来の帯電ローラーは、感光体50と接触する面積が大きい。又は、従来の帯電ローラーと感光体50とが接触する接触点の数は多い。そのため、感光体50の電荷は、帯電ローラーと感光体50との接触点を介して、従来の帯電ローラーに流れ込む場合がある。従来の帯電ローラーの表面に集中的に電荷が流れ込むと、感光体の帯電量が不均一になる。このように、第2原因が、従来の帯電ローラーを備える画像形成装置が帯電ムラ(例えば、斑点状の白抜け)を発生する原因の1つと考えられる。
これに対し、本実施形態に係る帯電ローラー51の表層51cの体積抵抗率は、温度32.5度、湿度80%RHにおいて、13.0logΩ・cm以上である。本実施形態に係る帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzは、6μm以上25μm以下である。更に、本実施形態に係る帯電ローラー51の周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは、55μm以上130μm以下である。そのため、帯電ローラー51は、感光体50に分散して電荷を放電できるようになり、表層51cにおいて上述の横流れ電流を抑制できる。更に、帯電ローラー51は、感光体50との接触面積が小さくなり、感光体50から帯電ローラー51に電荷が流れ込むことを抑制することができる。以上から、画像形成装置1は、帯電ムラの発生を抑制できると考えられる。なお、帯電ローラー51は、表層51cの体積抵抗率が比較的高いため、従来の感光体に対しては十分に帯電させることが難しい。これに対し、画像形成装置1の感光体50は、上述の式(1)を満たし、帯電特性に優れる。そのため、帯電ローラー51は、感光体50を十分に帯電させることができる。
<感光体>
以下、図4〜図6を参照して、画像形成装置1が備える感光体50について説明する。図4〜図6は、各々、感光体50の部分断面図の一例を示す。感光体50は、例えば、OPC(有機感光体:Organic Photoconductor)ドラムである。
図4に示すように、感光体50は、例えば、導電性基体501と感光層502とを備える。感光層502は単層(一層)である。感光体50は、単層の感光層502を備える単層型電子写真感光体である。感光層502は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有する。感光層502の膜厚は、特に限定されないが、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましく、10μm以上35μm以下であることが更に好ましく、15μm以上30μm以下であることが一層好ましい。
図5に示すように、感光体50は、導電性基体501と、感光層502と、中間層503(下引き層)とを備えていてもよい。中間層503は、導電性基体501と感光層502との間に設けられる。図4に示すように、感光層502は導電性基体501上に直接設けられてもよい。或いは、図5に示すように、感光層502は導電性基体501上に中間層503を介して設けられてもよい。中間層503は、一層であってもよく、複数の層であってもよい。
図6に示すように、感光体50は、導電性基体501と、感光層502と、保護層504とを備えてもよい。保護層504は、感光層502上に設けられる。保護層504は、一層であってもよく、複数の層であってもよい。
(帯電能比率)
感光体50は、上述の式(1)を満たす。以下、式(1)のうちの下記式(1’)で表される値を、帯電能比率と記載することがある。下記式(1’)で表される帯電能比率は、帯電ローラー51によって感光体50の周面50aが帯電された場合の、感光体50の理論的な帯電能(理論値)に対する、感光体50の実際の帯電能(実測値)の比率を示している。感光体50の理論的な帯電能に対する感光体50の実際の帯電能の比率の詳細については、図8を参照して後述する。
Figure 2020204679
感光体50が式(1)を満たすことで、以下の第1、第2、及び第3の利点が得られる。まず、第1の利点を説明する。感光体50が式(1)を満たすことで、感光体50の帯電能が理論値に近づくため、感光体50の周面50aを均一に帯電できる。このため、ゴースト画像の発生を抑制できる。
第2の利点を説明する。画像を繰り返し形成する間に、感光体50の感光層502が摩耗することがある。感光層502の摩耗の原因として、例えば、帯電ローラー51から感光体50への放電により摩耗が引き起こされることが挙げられる。感光体50が式(1)を満たすことで、感光体50の帯電能が理論値に近づくため、帯電ローラー51から感光体50への放電量を低く設定した場合であっても、感光体50の周面50aを好適に帯電できる。放電量を低く設定することで、感光層502の摩耗量を低減できる。更に、感光層502の摩耗量が低減することで、感光層502の膜厚を薄く設定することができ、製造コストを低減できる。
第3の利点を説明する。感光体50が式(1)を満たすことで、感光体50の帯電能が理論値に近づくため、帯電ローラー51に流れる電流を低く設定した場合であっても、感光体50の周面50aを好適に帯電できる。帯電ローラー51に流れる電流を低く設定することで、通電によって引き起こされる帯電ローラー51の材料(例えば、ゴム)の導電性の低下を抑制できる。
式(1)に関し、ゴースト画像の発生を抑制するためには、帯電能比率が0.70以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましく、0.90以上であることが更に好ましい。帯電能比率が1.00である場合に感光体50の帯電能の実測値が理論値と同じになるため、帯電能比率の上限は、1.00以下である。
次に、帯電能比率の測定方法を説明する。式(1)中のVは、式(2)から算出される値[V]である。以下、図7を参照して、式(2)中の第1電位Vr及び第2電位V0の測定方法を説明する。なお、第1電位Vr及び第2電位V0の測定環境は、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境である。
第1電位Vr及び第2電位V0は、図7に示す測定装置100を用いて測定できる。測定装置100は、画像形成装置1に、第1の改造及び第2の改造を実施することにより作製できる。第1の改造において、画像形成装置1に第1電位プローブ101を取り付ける。第1電位プローブ101は、感光体50の回転方向Rにおいて、帯電ローラー51の上流側に配置される。第1電位プローブ101は、第1表面電位計(不図示、トレック社製「表面電位計 MODEL344」)に接続される。第2の改造において、画像形成装置1の現像ローラー52を、第2電位プローブ102に置換する。現像ローラー52の回転中心52X(回転軸)が配置されていた位置に、第2電位プローブ102を配置する。第2電位プローブ102は、第2表面電位計(不図示、トレック社製「表面電位計 MODEL344」)に接続される。
測定装置100は、帯電ローラー51と、第2電位プローブ102と、除電ランプ54と、第1電位プローブ101とを少なくとも備える。測定対象である感光体50を、測定装置100にセットする。感光体50の周りには、感光体50の回転方向Rの上流側から、帯電ローラー51と、第2電位プローブ102と、除電ランプ54と、第1電位プローブ101とが、記載された順に配置される。
感光体50の回転中心50X(回転軸)と帯電ローラー51の回転中心51X(回転軸)とを結ぶ第1線L1と、感光体50の回転中心50X(回転軸)と第2電位プローブ102とを結ぶ第2線L2との間の角度θ1が120度になるように、第2電位プローブ102が配置される。第1線L1と感光体50の周面50aとの交点が、帯電位置P1である。第2線L2と感光体50の周面50aとの交点が、現像位置P2である。
感光体50の回転中心50X(回転軸)と第1電位プローブ101とを結ぶ第3線L3と、感光体50の回転中心50X(回転軸)と帯電ローラー51の回転中心51X(回転軸)とを結ぶ第1線L1との間の角度θ2が20度になるように、第1電位プローブ101が配置される。第3線L3と感光体50の周面50aとの交点が、帯電直前位置P3である。
除電ランプ54の除電光が感光体50の周面50aに照射される位置が、除電位置P4である。感光体50の回転中心50X(回転軸)と除電位置P4とを結ぶ第4線L4と、感光体50の回転中心50X(回転軸)と第1電位プローブ101とを結ぶ第3線L3との間の角度θ3が90度になるように、除電ランプ54が配置される。なお、測定装置100としては、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa356Ci」)の改造機を使用できる。
第1電位Vr及び第2電位V0の測定において、帯電ローラー51に印加される帯電電圧を、+1000V、+1100V、+1200V、+1300V、+1400V、及び+1500Vの何れかに設定する。除電ランプ54から照射された除電光が感光体50の周面50aに到達したときの除電光の光量(以下、除電光量と記載する)を、5μJ/cm2に設定する。第1電位Vr及び第2電位V0は、感光体50を回転中心50X(回転軸)まわりに回転させながら、測定される。感光体50の帯電位置P1において、帯電ローラー51が、感光体50の周面50aを正極性に帯電させる。次いで、感光体50の除電位置P4において、除電ランプ54が、感光体50の周面50aを除電する。このような帯電及び除電を行いながら10回転感光体50を回転させた時点(以下、タイミングKと記載することがある)で、第1電位Vrと、第2電位V0とを同時に測定する。詳しくは、タイミングKで、感光体50の帯電直前位置P3において、第1電位プローブ101を用いて、感光体50の周面50aの電位(第1電位Vr)を測定する。また、タイミングKで、感光体50の現像位置P2において、第2電位プローブ102を用いて、帯電された感光体50の周面50aの電位(第2電位V0)を測定する。このようにして、帯電ローラー51に印加される帯電電圧が+1000V、+1100V、+1200V、+1300V、+1400V、及び+1500Vである各条件において第1電位Vrと第2電位V0とが測定される。
なお、第1電位Vr及び第2電位V0の測定において、露光装置31による露光、現像ローラー52による現像、1次転写ローラー53による1次転写、及びクリーニングブレード81によるクリーニングは実施されない。クリーニングブレード81の線圧は、0N/mに設定される。以上、式(2)中の第1電位Vr及び第2電位V0の測定方法を説明した。引き続き、帯電能比率の測定方法を説明する。
式(1)中の帯電電荷量Qは、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で測定される。帯電電荷量Qは、第1電位Vr及び第2電位V0の測定時に、次の方法により測定される。第1電位Vrと第2電位V0とを同時に測定するタイミングKで、帯電ローラー51に流れる電流値E1を、電流電圧計(横河メータ&インスツルメンツ株式会社製「小形携帯用電流計・電圧計 2051型」)を用いて測定する。帯電ローラー51に印加される帯電電圧が+1000V、+1100V、+1200V、+1300V、+1400V、及び+1500Vである各条件において、電流値E1を測定する。測定された電流値E1から、下記式(3)に基づき、帯電ローラー51に印加される帯電電圧が+1000V、+1100V、+1200V、+1300V、+1400V、及び+1500Vである各条件における、帯電電荷量Qを算出する。
帯電電荷量Q=電流値E1[A]×帯電時間t[秒]・・・(3)
なお、電流電圧計を介して、測定装置100の高圧基板(不図示)と、帯電ローラー51とが接続されている。そして、測定装置100を作動させている間は常時、電流電圧計によって、帯電ローラー51を流れる電流値E1と、第1電位Vr及び第2電位V0の測定で述べた帯電電圧とをモニターすることができる。
式(1)中の帯電面積Sは、感光体50の周面50aのうち、帯電ローラー51によって帯電された領域の面積である。帯電面積Sは、下記式(4)に従い算出される。式(4)中の帯電幅は、感光体50の周面50aのうちの帯電ローラー51によって帯電された領域の、感光体50の長手方向(図10中の回転軸方向D)における長さである。
帯電面積S[m2]=感光体50の線速[m/秒]×帯電幅[m]×帯電時間t[秒]・・・(4)
上記の方法で測定された第1電位Vr、及び第2電位V0から、式(1)中の「V」の値を算出する。上記の方法で測定された帯電電荷量Q、及び帯電面積Sから、式(1)中の「Q/S」の値を算出する。そして、横軸に「Q/S」の値を示し、縦軸に「V」の値を示すグラフを作成する。グラフには、帯電ローラー51に印加される帯電電圧が+1000V、+1100V、+1200V、+1300V、+1400V、及び+1500Vである各条件での測定結果を示す6つの点がプロットされる。これらの6つの点の近似直線を引く。近似直線から、近似直線の傾きを求める。求めた傾きを、式(1)中の「V/(Q/S)」とする。
式(1)中の感光層502の膜厚dは、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で測定される。感光層502の膜厚dは、膜厚測定装置(HELMUTFISCHER社製「FISCHERSCOPE(登録商標)MMS(登録商標)」)を用いて測定される。なお、本実施形態では、感光層502の膜厚を、30×10-6mに設定する。
式(1)中のε0は、真空の誘電率を表す。真空の誘電率ε0は不変であり、8.85×10-12[F/m]である。
式(1)中の第1バインダー樹脂の比誘電率εrは、感光層502の内部における電荷のトラップがなく、帯電ローラー51から供給された電荷量の全てが感光体50の周面50aの電位(表面電位)に変化したと仮定した場合の感光層502の比誘電率に相当する。第1バインダー樹脂の比誘電率εrの測定には、比誘電率測定用感光体を使用する。比誘電率測定用感光体は、第1バインダー樹脂のみを含有する感光層を備える。なお、比誘電率測定用感光体は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及び添加剤を添加しないこと以外は、後述する実施例の感光体の作製と同じ方法で作製できる。第1バインダー樹脂の比誘電率εrは、測定対象として比誘電率測定用感光体を用いて、下記式(5)に従い算出される。本実施形態では、式(5)に従い算出される第1バインダー樹脂の比誘電率εrは、3.5である。
Figure 2020204679
式(5)中、Qεは、比誘電率測定用感光体の帯電電荷量[C]を表す。Sεは、比誘電率測定用感光体の帯電面積[m2]を表す。dεは、比誘電率測定用感光体の感光層の膜厚[m]を表す。εrは、第1バインダー樹脂の比誘電率を表す。ε0は、真空の誘電率[F/m]を表す。Vεは、式「V0ε−Vrε」から算出される値[V]である。Vrεは、帯電ローラー51によって帯電される前の比誘電率測定用感光体の周面の第3電位を表す。V0εは、帯電ローラー51によって帯電された後の比誘電率測定用感光体の周面の第4電位を表す。
式(5)中の膜厚dεは、感光体50を比誘電率測定用感光体に変更したこと以外は、式(1)中の感光体50の膜厚dの算出と同じ方法で算出される。本実施形態では、式(5)中の膜厚dεを30×10-6mに設定する。式(5)中の真空の誘電率ε0は不変であり、8.85×10-12F/mである。式(5)中の第3電位Vrεには、理論値である0Vを代入する。式(5)中の比誘電率測定用感光体の帯電電荷量Qεは、感光体50を比誘電率測定用感光体に変更したこと、及び帯電電圧を+1000Vに設定したこと以外は、式(1)中の感光体50の帯電電荷量Qの測定と同じ方法で測定される。式(5)中の比誘電率測定用感光体の帯電面積Sεは、感光体50を比誘電率測定用感光体に変更したこと以外は、式(1)中の感光体50の帯電面積Sの算出と同じ方法で算出される。式(5)中の第4電位V0εは、感光体50を比誘電率測定用感光体に変更したこと以外は、式(2)中の感光体50の第2電位V0の測定と同じ方法で測定される。これらの値から、式(5)に従い、第1バインダー樹脂の比誘電率εrを算出する。
以上、帯電能比率の測定方法を説明した。以下、図8を参照して、帯電能比率について更に説明する。既に述べたように、帯電能比率は、帯電ローラー51によって感光体50の周面50aが帯電された場合の、感光体50の理論的な帯電能(理論値)に対する、感光体50の実際の帯電能(実測値)の比率を示している。本明細書において帯電能は、帯電ローラー51から供給された電荷の表面電荷密度[C/m2]に対して、感光体50の帯電電位[V]がどれぐらい上昇するかを示す。感光体50の理論的な帯電能(理論値)は、帯電ローラー51から感光体50へ供給された電荷の全量が、感光体50の帯電電位に変換された場合の値である。感光体50の帯電電位は、帯電ローラー51を通過する前の感光体50の周面50aの電位(第1電位Vr)と、帯電ローラー51を通過した後の感光体50の周面50aの電位(第2電位V0)との差に相当する。
図8は、感光体の表面電荷密度[C/m2]と、帯電電位[V]との関係を示すグラフ図である。図8中の横軸は、表面電荷密度を示す。表面電荷密度は、式(1)中の「Q/S」の値である。図8中の縦軸は、帯電電位を示す。帯電電位は、式(1)中の「V」の値である。帯電能は、図8に示すグラフの傾きV/(Q/S)に相当する。
図8中の丸印のプロットは、帯電能比率が0.60以上である感光体(P−A1)の測定結果を示す。図8中の三角印のプロットは、帯電能比率が0.60未満である感光体(P−B1)の測定結果を示す。なお、感光体(P−A1)及び(P−B1)は、実施例に記載の方法で作製される。図8中のAで示される破線は、感光体50の理論的な帯電能(理論値)を示す。感光体50の理論的な帯電能(理論値)は、下記式(6)により、算出される。図8中のAで示される破線は、式(6)中の「Qt/St」の値を横軸にプロットし、式(6)中の「Vt」の値を縦軸にプロットすることにより得られる。
Figure 2020204679
式(6)中、Qtは、感光体50の帯電電荷量[C]を表す。Stは、感光体50の帯電面積[m2]を表す。dtは、感光体50の感光層502の膜厚[m]を表す。εrtは、感光体50の感光層502に含有される第1バインダー樹脂の比誘電率を示す。ε0は、真空の誘電率[F/m]を表す。Vtは、式「V0t−Vrt」から算出される値[V]である。Vrtは、帯電ローラー51によって帯電される前の感光体50の周面50aの第5電位[V]を表す。V0tは、帯電ローラー51によって帯電された後の感光体50の周面50aの第6電位[V]を表す。
式(6)中の膜厚dtは、式(1)中の感光体50の膜厚dの算出と同じ方法で算出される。本実施形態では、式(6)中の膜厚dtを30×10-6mに設定する。式(6)中の真空の誘電率ε0は不変であり、8.85×10-12F/mである。式(6)中の第5電位Vrt[V]には、理論値である0Vを代入する。式(6)中の感光体50の帯電電荷量Qtは、式(1)中の感光体50の帯電電荷量Qの測定と同じ方法で測定される。式(6)中の感光体50の帯電面積Stは、式(1)中の感光体50の帯電面積Sの算出と同じ方法で算出される。式(6)中の第1バインダー樹脂の比誘電率εrtは、式(1)中の第1バインダー樹脂の比誘電率εrの測定と同じ方法で測定される。式(6)中の第1バインダー樹脂の比誘電率εrtは、式(1)中の第1バインダー樹脂の比誘電率εrと同じ3.5である。これらの値から、式(6)に従い、第6電位V0t[V]、及びVt[V]が算出される。
図8に示されるように、帯電能比率が大きくなり1.00に近づくほど、帯電能(図8中のグラフの傾きに相当)はAで示される破線に近づく。そして、帯電能比率が0.60以上であると、ゴースト画像の発生を好適に抑制することができる。以上、感光体50の帯電能比率について説明した。以下、感光体50について、説明を続ける。
感光体50の周面50aの表面摩擦係数は、0.20以上0.80以下であることが好ましく、0.20以上0.60以下であることがより好ましく、0.20以上0.52以下であることが更に好ましい。感光体50の周面50aの表面摩擦係数が0.80以下であると、感光体50の周面50aに対するトナーTの付着力が低下して、クリーニング不良の発生を更に抑制できる。また、感光体50の周面50aの表面摩擦係数が0.80以下であると、感光体50の周面50aに対するクリーニングブレード81の摩擦力が低減し、感光体50の感光層502の摩耗を更に抑制できる。感光体50の周面50aの表面摩擦係数の下限は特に限定されないが、例えば、0.20以上とすることができる。感光体50の周面50aの表面摩擦係数は、実施例に記載の方法により測定できる。
良好な画質の出力画像を得るためには、感光体50の周面50aの露光後電位は、+50V以上+300V以下であることが好ましく、+80V以上+200V以下であることがより好ましい。露光後電位は、感光体50の周面50aのうち、露光装置31によって露光された領域の電位である。露光後電位は、露光後で且つ現像前に測定される。感光体50の露光後電位は、実施例に記載の方法により測定できる。
感光層502のマルテンス硬度は、150N/mm2以上であることが好ましく、180N/mm2以上であることがより好ましく、200N/mm2以上であることが更に好ましく、220N/mm2以上であることが一層好ましい。感光層502のマルテンス硬度が150N/mm2以上であると、感光層502の摩耗量が低減し、感光体50の耐摩耗性が向上する。感光層502のマルテンス硬度の上限は、特に限定されないが、例えば、250N/mm2以下とすることができる。感光層502のマルテンス硬度は、実施例に記載の方法により測定できる。
感光層502は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有する。感光層502は、必要に応じて、添加剤を更に含有してもよい。以下、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、第1バインダー樹脂、添加剤、及び材料の好適な組み合わせについて説明する。
(電荷発生剤)
電荷発生剤は、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料及びキナクリドン系顔料が挙げられる。感光層502は、1種の電荷発生剤のみを含有してもよいし、2種以上の電荷発生剤を含有してもよい。
ゴースト画像の発生を抑制するために、フタロシアニン系顔料としては、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、又はクロロインジウムフタロシアニンが好ましく、チタニルフタロシアニンがより好ましい。チタニルフタロシアニンは、化学式(CGM−1)で表される。
Figure 2020204679
チタニルフタロシアニンは結晶構造を有していてもよい。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型及びY型結晶(以下、α型、β型及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンとしては、Y型チタニルフタロシアニンが好ましい。
Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。
Y型チタニルフタロシアニンは、示差走査熱量分析(DSC)スペクトルにおける熱特性によって、例えば、下記(A)〜(C)に示す3種類に分類される。
(A)示差走査熱量分析スペクトルにおいて、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲にピークを有するY型チタニルフタロシアニン。
(B)示差走査熱量分析スペクトルにおいて、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上400℃以下の範囲にピークを有しないY型チタニルフタロシアニン。
(C)示差走査熱量分析スペクトルにおいて、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲にピークを有するY型チタニルフタロシアニン。
Y型チタニルフタロシアニンとしては、示差走査熱量分析スペクトルにおいて、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲にピークを有するものがより好ましい。このようなピークを有するY型チタニルフタロシアニンとしては、270℃以上400℃以下の範囲に一つのピークを有するものが好ましく、296℃に一つのピークを有するものがより好ましい。
示差走査熱量分析スペクトルの測定方法の一例について説明する。サンプルパンに試料(チタニルフタロシアニン)を載せて、示差走査熱量計(例えば、株式会社リガク製「TAS−200型 DSC8230D」)を用いて、示差走査熱量分析スペクトルを測定する。測定範囲は、例えば40℃以上400℃以下である。昇温速度は、例えば20℃/分である。
感光層502における電荷発生剤の含有割合は、0.0質量%超1.0質量%以下であることが好ましく、0.0質量%超0.5質量%以下であることがより好ましい。感光層502における電荷発生剤の含有割合が1.0質量%以下であると、帯電能比率を高めることができる。含有割合の計算において、感光層502の質量は、感光層502に含有される材料の合計質量である。感光層502が電荷発生剤と正孔輸送剤と電子輸送剤と第1バインダー樹脂とを含有する場合、感光層502の質量は、電荷発生剤の質量と正孔輸送剤の質量と電子輸送剤の質量と第1バインダー樹脂の質量との合計である。感光層502が電荷発生剤と正孔輸送剤と電子輸送剤と第1バインダー樹脂と添加剤とを含有する場合、感光層502の質量は、電荷発生剤の質量と正孔輸送剤の質量と電子輸送剤の質量と第1バインダー樹脂の質量と添加剤の質量との合計である。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤は、特に限定されない。正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物が挙げられる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体;ジアミン誘導体(より具体的には、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、ジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等);オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等);スチリル系化合物(より具体的には、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等);カルバゾール系化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(より具体的には、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;及びトリアゾール系化合物が挙げられる。感光層502は、1種の正孔輸送剤のみを含有してもよく、2種以上の正孔輸送剤を含有してもよい。
ゴースト画像の発生を抑制するために、正孔輸送剤の好適な例としては、下記一般式(10)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(10)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 2020204679
一般式(10)中、R13〜R15は、各々独立に、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基を表す。m及びnは、各々独立に、1以上3以下の整数を表す。p及びrは、各々独立に、0又は1を表す。qは、0以上2以下の整数を表す。qが2を表す場合、2個のR14は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(10)中、R14としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、又はn−ブチル基がより好ましく、n−ブチル基が特に好ましい。qは、1又は2を表すことが好ましく、1を表すことがより好ましい。p及びrは、0を表すことが好ましい。m及びnは、1又は2を表すことが好ましく、2を表すことがより好ましい。
正孔輸送剤(10)の好適な例としては、下記化学式(HTM−1)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(HTM−1)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 2020204679
感光層502における正孔輸送剤の含有割合は、0.0質量%超35.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上30.0質量%以下であることがより好ましい。
(第1バインダー樹脂)
第1バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、及びメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物のアクリル酸付加物、及びウレタン化合物のアクリル酸付加物が挙げられる。感光層502は、1種の第1バインダー樹脂のみを含有してもよく、2種以上の第1バインダー樹脂を含有してもよい。
ゴースト画像の発生を抑制するためには、第1バインダー樹脂は、下記一般式(20)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(20)と記載することがある)を有するポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(20)と記載することがある)を含むことが好ましい。
Figure 2020204679
一般式(20)中、R20及びR21は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R22及びR23は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。R22及びR23は、互いに結合して一般式(W)で表される2価の基を表してもよい。Yは、下記化学式(Y1)、(Y2)、(Y3)、(Y4)、(Y5)又は(Y6)で表される2価の基を表す。
Figure 2020204679
一般式(W)中、tは、1以上3以下の整数を表す。*は、結合手を表す。
Figure 2020204679
化学式(Y1)〜(Y6)中、*は、結合手を表す。詳しくは化学式(Y1)〜(Y6)中の*は、一般式(20)中のYが結合している炭素原子に対する結合手を表す。
一般式(20)中、R20及びR21としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R22及びR23は、互いに結合して一般式(W)で表される2価の基を表すことが好ましい。Yとしては、化学式(Y1)又は(Y3)で表される2価の基が好ましい。一般式(W)中、tとしては、2が好ましい。
ポリアリレート樹脂(20)は、繰り返し単位(20)のみを有していることが好ましいが、他の繰り返し単位を更に有していてもよい。ポリアリレート樹脂(20)中の繰り返し単位の総数に対する、繰り返し単位(20)の数の比率(モル分率)は、0.80以上であることが好ましく、0.90以上であることがより好ましく、1,00であることが更に好ましい。ポリアリレート樹脂(20)は、1種の繰り返し単位(20)のみを有していてもよく、2種以上(例えば、2種)の繰り返し単位(20)を有していてもよい。
なお、本願明細書において、ポリアリレート樹脂(20)中の繰り返し単位の総数に対する繰り返し単位(20)の数の比率(モル分率)は、1本の樹脂鎖から得られる値ではなく、感光層502に含有されるポリアリレート樹脂(20)全体(複数の樹脂鎖)から得られる数平均値である。このモル分率は、例えばプロトン核磁気共鳴分光計を用いてポリアリレート樹脂(20)の1H−NMRスペクトルを測定し、得られた1H−NMRスペクトルから算出することができる。
繰り返し単位(20)の好適な例としては、下記化学式(20−a)で表される繰り返し単位、及び下記化学式(20−b)で表される繰り返し単位(以下、それぞれ繰り返し単位(20−a)及び(20−b)と記載することがある)が挙げられる。ポリアリレート樹脂(20)は、繰り返し単位(20−a)及び(20−b)のうち少なくとも一方を有することが好ましく、繰り返し単位(20−a)及び(20−b)の両方を有することがより好ましい。
Figure 2020204679
ポリアリレート樹脂(20)が繰り返し単位(20−a)及び(20−b)の両方を有する場合、繰り返し単位(20−a)及び(20−b)の配列は特に限定されない。繰り返し単位(20−a)及び(20−b)を有するポリアリレート樹脂(20)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、周期的共重合体、及び交互共重合体の何れであってもよい。
ポリアリレート樹脂(20)が繰り返し単位(20−a)及び(20−b)の両方を有する場合、ポリアリレート樹脂(20)の好適な例としては、下記一般式(20−1)で表される主鎖を有するポリアリレート樹脂が挙げられる。
Figure 2020204679
一般式(20−1)中、u及びvは、各々独立に、30以上70以下の数を表す。u及びvの和は、100である。
u及びvは、各々独立に、40以上60以下の数であることが好ましく、45以上55以下の数であることが更に好ましく、49以上51以下の数であることが一層好ましく、50であることが特に好ましい。なお、uは、ポリアリレート樹脂(20)が有する繰り返し単位(20−a)の数と繰り返し単位(20−b)の数との合計に対する、繰り返し単位(20−a)の数の百分率を示す。vは、ポリアリレート樹脂(20)が有する繰り返し単位(20−a)の数と繰り返し単位(20−b)の数との合計に対する、繰り返し単位(20−b)の数の百分率を示す。一般式(20−1)で表される主鎖を有するポリアリレート樹脂の好適な例としては、下記一般式(20−1a)で表される主鎖を有するポリアリレート樹脂が挙げられる。
Figure 2020204679
ポリアリレート樹脂(20)は、下記化学式(Z)で表される末端基を有していてもよい。化学式(Z)中、*は、結合手を表す。詳しくは、化学式(Z)中の*は、ポリアリレート樹脂の主鎖に対する結合手を表す。ポリアリレート樹脂(20)が繰り返し単位(20−a)と繰り返し単位(20−b)と化学式(Z)で表される末端基とを有する場合、この末端基は、繰り返し単位(20−a)に結合していてもよく、繰り返し単位(20−b)に結合していてもよい。
Figure 2020204679
ゴースト画像の発生を抑制するためには、ポリアリレート樹脂(20)は、一般式(20−1)で表される主鎖と、化学式(Z)で表される末端基とを有するポリアリレート樹脂を含むことが好ましい。ポリアリレート樹脂(20)は、一般式(20−1a)で表される主鎖と、化学式(Z)で表される末端基とを有するポリアリレート樹脂を含むことがより好ましい。以下、一般式(20−1a)で表される主鎖と、化学式(Z)で表される末端基とを有するポリアリレート樹脂を、ポリアリレート樹脂(R−1)と記載することがある。
第1バインダー樹脂の粘度平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが更に好ましく、50,000以上であることが一層好ましく、55,000以上であることが特に好ましい。第1バインダー樹脂の粘度平均分子量が10,000以上であると、感光体50の耐摩耗性が向上する傾向がある。一方、第1バインダー樹脂の粘度平均分子量は、80,000以下であることが好ましく、70,000以下であることがより好ましい。第1バインダー樹脂の粘度平均分子量が80,000以下であると、第1バインダー樹脂が感光層形成用の溶剤に溶解し易くなり、感光層502の形成が容易になる傾向がある。
感光層502における第1バインダー樹脂の含有割合は、30.0質量%以上70.0質量%以下であることが好ましく、40.0質量%以上60.0質量%以下であることがより好ましい。
(電子輸送剤)
電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸及びジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、及びジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。感光層502は、1種の電子輸送剤のみを含有してもよく、2種以上の電子輸送剤を含有してもよい。
ゴースト画像の発生を抑制するために、電子輸送剤の好適な例としては、下記一般式(31)、下記一般式(32)、及び下記一般式(33)で表される化合物(以下、それぞれを電子輸送剤(31)、(32)、及び(33)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 2020204679
一般式(31)〜(33)中、R1〜R4及びR9〜R12は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表す。R5〜R8は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。
一般式(31)〜(33)中、R1〜R4及びR9〜R12が表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、メチル基、tert−ブチル基、又は1,1−ジメチルプロピル基が更に好ましい。R5〜R8としては、水素原子が好ましい。
電子輸送剤(31)としては、下記化学式(ETM−1)で表される化合物(以下、電子輸送剤(ETM−1)と記載することがある)が好ましい。電子輸送剤(32)としては、下記化学式(ETM−3)で表される化合物(以下、電子輸送剤(ETM−3)と記載することがある)が好ましい。電子輸送剤(33)としては、下記化学式(ETM−2)で表される化合物(以下、電子輸送剤(ETM−2)と記載することがある)が好ましい。
Figure 2020204679
Figure 2020204679
ゴースト画像の発生を抑制するためには、感光層502は、電子輸送剤として、電子輸送剤(31)及び電子輸送剤(32)のうちの少なくとも1種を含有することが好ましく、電子輸送剤(31)及び電子輸送剤(32)の両方(2種)を含有することがより好ましい。
ゴースト画像の発生を抑制するためには、感光層502は、電子輸送剤として、電子輸送剤(ETM−1)及び電子輸送剤(ETM−3)のうちの少なくとも1種を含有することが好ましく、電子輸送剤(ETM−1)及び電子輸送剤(ETM−3)の両方(2種)を含有することがより好ましい。
感光層502における電子輸送剤の含有割合は、5.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、20.0質量%以上30.0質量%以下であることがより好ましい。感光層502が2種以上の電子輸送剤を含有する場合、電子輸送剤の含有割合は、2種以上の電子輸送剤の合計含有割合である。
(添加剤)
感光層502は、必要に応じて、下記一般式(40)で表される特定化合物(以下、添加剤(40)と記載することがある)を更に含有してもよい。しかし、帯電能比率を向上させるためには、添加剤(40)を含有しないことが好ましい。必要に応じて添加剤(40)を使用する場合には、感光層502における添加剤(40)の含有割合を0.0質量%超1.0質量%以下とする。添加剤(40)は、例えば、帯電能比率を調整するために使用できる。
Figure 2020204679
一般式(40)中、R40及びR41は、各々独立に、水素原子、又は下記一般式(40a)で表される一価の基を表す。
Figure 2020204679
一般式(40a)中、Xはハロゲン原子を表す。Xが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。Xが表すハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。*は、結合手を表す。詳しくは、一般式(40a)中の*は、一般式(40)中のR40又はR41が結合している炭素原子に対する結合手を表す。
一般式(40)中、Aは、下記化学式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、(A5)又は(A6)で表される2価の基を表す。化学式(A1)〜(A6)中、*は、結合手を表す。詳しくは、化学式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、(A5)又は(A6)中の*は、一般式(40)中のAが結合している炭素原子に対する結合手を表す。Aが表す2価の基としては、化学式(A4)で表される2価の基が好ましい。
Figure 2020204679
添加剤(40)の具体例としては、下記化学式(40−1)で表される化合物(以下、添加剤(40−1)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 2020204679
感光層502は、必要に応じて、添加剤(40)以外の添加剤(以下、その他の添加剤と記載することがある)を、更に含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ドナー、界面活性剤、及びレベリング剤が挙げられる。その他の添加剤が感光層502に含有される場合、感光層502は、1種のその他の添加剤のみを含有してもよいし、2種以上のその他の添加剤を含有してもよい。
(材料の組み合わせ)
ゴースト画像の発生を抑制するためには、下記表1の組み合わせ例No.1〜3に示す種類及び含有割合の材料、下記表2の組み合わせ例No.4〜6に示す種類及び含有割合の材料、又は下記表3の組み合わせ例No.7〜9に示す種類及び含有割合の材料を、感光層502が含有することが好ましい。
Figure 2020204679
Figure 2020204679
Figure 2020204679
表1〜表3において、「wt%」、「CGM」、「HTM」、「ETM」、及び「樹脂」は、各々、「質量%」、「電荷発生剤」、「正孔輸送剤」、「電子輸送剤」、及び「第1バインダー樹脂」を示す。表1〜表3において、「含有割合」は、感光層502における該当する材料の含有割合を示す。表1〜表3において、「ETM−1/ETM−3」は、電子輸送剤として、電子輸送剤(ETM−1)及び電子輸送剤(ETM−3)の両方を含有することを示す。表1〜表3において、「−」は、該当する材料を含有しないことを示す。表3において「CGM−1」は、化学式(CGM−1)で表されるY型チタニルフタロシアニンを示す。表3に示すY型チタニルフタロシアニンは、示差走査熱量分析スペクトルにおいて、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲にピーク(具体的には、296℃に1つのピーク)を有しているY型チタニルフタロシアニンであることが好ましい。
(中間層)
中間層503は、例えば、無機粒子、及び中間層503に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層503を介在させると、リークを抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体50を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄、銅等)の粒子、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛等)の粒子、及び非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。中間層用樹脂としては、中間層503を形成する樹脂として用いることができれば、特に限定されない。
(感光体の製造方法)
感光体50の製造方法の一例では、感光層502を形成するための塗布液(以下、感光層用塗布液と記載することがある)を、導電性基体501の上に塗布する。これにより、感光層502を形成して、感光体50を製造する。感光層用塗布液は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤及び第1バインダー樹脂と、必要に応じて添加される任意成分とを、溶剤に溶解又は分散させることにより製造される。
感光層用塗布液に含有される溶剤は、塗布液に含有される各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール)、脂肪族炭化水素(例えば、n−ヘキサン、オクタン又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素又はクロロベンゼン)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル又はプロピレングリコールモノメチルエーテル)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はシクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸エチル又は酢酸メチル)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。感光体50の製造時の作業性を向上させるためには、溶剤として非ハロゲン溶剤(ハロゲン化炭化水素以外の溶剤)を用いることが好ましい。
感光層用塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー又は超音波分散機を用いることができる。
感光層用塗布液は、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。
感光層用塗布液を塗布する方法としては、塗布液を導電性基体501の上に均一に塗布できる方法である限り、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ブレードコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法及びバーコート法が挙げられる。
感光層用塗布液を乾燥させる方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る限り、特に限定されないが、例えば、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理温度としては、例えば、40℃以上150℃以下である。熱処理時間としては、例えば、3分間以上120分間以下である。
なお、感光体50の製造方法は、必要に応じて、中間層503を形成する工程及び保護層504を形成する工程の一方又は両方を更に含んでもよい。中間層503を形成する工程及び保護層504を形成する工程では、公知の方法が適宜選択される。
以上、感光体50について、説明した。次に、再び図2を参照して、画像形成装置1が備えるトナーT、帯電ローラー51、1次転写ローラー53、除電ランプ54、及びクリーナー55について、説明する。
<トナー>
図1に示すカートリッジ60M〜カートリッジ60BKに収容され、感光体50の周面50aに供給されるトナーTについて説明する。トナーTは、トナー粒子を含む。トナーTは、トナー粒子の集合体(粉体)である。トナー粒子は、トナー母粒子と外添剤とを有する。トナー母粒子は、バインダー樹脂、離型剤、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉のうちの少なくとも1つを含む。外添剤は、トナー母粒子の表面に付着している。なお、必要がなければ外添剤を含有しなくてもよい。外添剤を含有しない場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。トナーTは、カプセルトナーであってもよく、非カプセルトナーであってもよい。トナー母粒子の表面にシェル層を形成することで、カプセルトナーであるトナーTを製造することができる。
トナーTの数平均円形度は、0.960以上0.998以下であることが好ましい。トナーTの数平均円形度が0.960以上であると、現像及び転写を好適に行うことができ、より忠実な画像を出力できる。トナーTの数平均円形度が0.998以下であると、感光体50の周面50aとクリーニングブレード81との間をトナーTがすり抜け難い。トナーTの数平均円形度は、0.960以上0.980以下であることが好ましく、0.965以上0.980以下であることがより好ましく、0.970以上0.980以下であることが更に好ましく、0.975以上0.980以下であることが特に好ましい。トナーTの数平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(例えば、シスメックス社製「FPIA(登録商標)3000」)を用いて、測定できる。
トナーTの体積中位径(以下、D50と記載することがある)は、4.0μm以上7.0μm以下であることが好ましい。トナーTのD50が7.0μm以下であると、粒状感のない精細な出力画像を得ることができる。また、トナーTのD50が小さい程、所望の画像濃度を得るために必要なトナーTの量が少なくなる。このため、トナーTのD50が7.0μm以下であると、トナーTの使用量を低減できる。トナーTのD50が4.0μm以上であると、感光体50の周面50aとクリーニングブレード81との間をトナーTがすり抜け難くなる。トナーTのD50は、4.0μm以上6.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上5.0μm以下であることがより好ましい。トナーTのD50は、粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」)を用いて、測定できる。なお、トナーTのD50は、粒度分布測定装置を用いて体積基準で測定されたトナーTの粒径の50%積算径である。
<帯電ローラー>
帯電ローラー51は、感光体50の周面50aと接触又は近接するように配置される。画像形成装置1は、直接放電方式又は近接放電方式を採用している。接触又は近接するように配置された帯電ローラー51が備えられる場合、スコロトロン帯電装置が備えられる場合と比較して、帯電時間が短く、感光体50へ供給される帯電電荷量が少ない。このため、接触又は近接するように配置された帯電ローラー51を備える画像形成装置1を用いて画像を形成する場合には、感光体50の周面50aを均一に帯電させることが難しく、ゴースト画像が発生し易い。しかし、既に述べたように、本実施形態に係る画像形成装置1は、ゴースト画像の発生を抑制できる。このため、帯電ローラー51が感光体50の周面50aと接触又は近接するように配置された場合であっても、ゴースト画像の発生を好適に抑制できる。
帯電ローラー51と感光体50の周面50aとの距離は、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。帯電ローラー51と感光体50の周面50aとの距離がこのような範囲内であっても、本実施形態に係る画像形成装置1はゴースト画像の発生を好適に抑制できる。
帯電ローラー51に印加される帯電電圧(帯電バイアス)は、直流電圧であるとよい。帯電電圧が直流電圧である場合は、重畳電圧である場合と比較して、帯電ローラー51から感光体50への放電量が少なく、感光体50の感光層502の摩耗量を低減できる。
帯電ローラー51が感光体50の周面50aに接触又は近接して配置され且つ帯電電圧が直流電圧である場合に、ゴースト画像が特に発生する傾向がある。しかし、感光体50が式(1)を満たすことで、帯電ローラー51が感光体50の周面50aに接触又は近接して配置され且つ帯電電圧が直流電圧である場合であっても、本実施形態に係る画像形成装置1はゴースト画像の発生を抑制することができる。
帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzの上限は、25μmである。帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzの下限は、6μmであり、18μmであることが好ましい。帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzが25μm超又は6μm未満であると、画像形成装置1を用いてシートPに画像を形成すると、画像形成したシートPの画像に帯電ムラが発生する。帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzが18μm以上であると、帯電ムラの発生を長期に渡って抑制することができる。詳しくは、画像形成装置1の使用に伴い、帯電ローラー51の表面の凹部に、トナーTの外添剤又はシートPの一部等が付着する場合がある。帯電ローラー51の表面の凹部にトナーTの外添剤等が付着すると、帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzは低下する傾向がある。例えば、画像形成装置1がシートPに画像を形成した累計枚数が最大可能画像形成枚数(寿命枚数)に達すると、帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzは、初期状態に対して10μm程度低下する傾向がある。寿命枚数は、例えば、20万枚である。初期状態とは、画像形成装置1がシートPに画像を一枚も形成したことがない状態を示す。そのため、帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzの下限が18μmであると、画像形成装置1がシートPに画像を形成した累計枚数が寿命枚数に達するまでの間、画像形成装置1は、帯電ムラの発生を抑制することができる。帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRzは、実施例に記載の方法により測定できる。
帯電ローラー51の周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smの上限は、130μmである。帯電ローラー51の周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smの下限は、55μmである。帯電ローラー51の周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smが130μm超又は55μm未満であると、画像形成装置1を用いてシートPに画像を形成すると、画像形成したシートPの画像に帯電ムラが発生する。帯電ローラー51の周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは、画像形成装置1の使用に伴い、変化しにくい傾向がある。帯電ローラー51の周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは、実施例に記載の方法により測定できる。
帯電ローラー51の硬度の上限は、81度であることが好ましい。帯電ローラー51の硬度の下限は、62度であることが好ましく、75度であることがより好ましい。帯電ローラー51の硬度の上限が81度であると、帯電ムラの発生をより抑制することができるとともに、帯電ローラー51との接触に起因する感光体50の削れの進行を抑制することができる。帯電ローラー51の硬度の下限が62度であると、直接放電方式であっても、感光体50をより均一に帯電させることができる。帯電ローラー51の硬度は、実施例に記載の方法により測定できる。
帯電ローラー51の外径としては、例えば、5mm以上20mm以下である。帯電ローラー51における基層51bの厚さとしては、例えば、1mm以上5mm以下である。帯電ローラー51の導電性シャフト51aは、例えば、金属製である。
表層51cの厚さは、5μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。表層51cの厚さが5μm以上であると、表層51cの絶縁破壊の発生を抑制することができる。表層51cの厚さが30μm以下であると、表層51cの膜厚ムラの発生を抑制することができる。
表層51cの体積抵抗率の下限は、13.0logΩ・cmである。表層51cの体積抵抗率の上限は、17.8logΩ・cmであることが好ましく、16.0logΩ・cmであることがより好ましい。表層51cの体積抵抗率が13.0logΩ・cm未満であると、画像形成装置1を用いてシートPに画像を形成すると、画像形成したシートPの画像に帯電ムラが発生する。表層51cの体積抵抗率が17.8logΩ・cm以下であると、帯電ローラー51の表面51dから感光体50に電荷がより放電しやすくなる。表層51cの体積抵抗率が16.0logΩ・cm以下であると、帯電ローラー51の表面51dから感光体50に電荷が更に放電しやすくなる。表層51cの体積抵抗率は、実施例に記載の方法により測定できる。
基層51bは、例えば、ゴムを含有する。基層51bが含有するゴムとしては、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ヒドリンゴム(具体的には、エピクロルヒドリンゴム)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリノルボルネンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)及びシリコーンゴムが挙げられる。これらのゴムの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。基層51bが含有するゴムとしては、エピクロルヒドリンゴムが好ましい。また、基層51bは、導電性向上のため、導電剤を更に含有してもよい。導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム粒子、酸化鉄粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化スズ粒子及びイオン導電剤(例えば、四級アンモニウム塩、ホウ酸塩及び界面活性剤)が挙げられる。これらの導電剤の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。導電剤としては、イオン導電剤が好ましい。更に、基層51bは、必要に応じて、発泡剤、架橋剤、架橋促進剤及びオイルを更に含有してもよい。
表層51cは、第2バインダー樹脂を含有するとよい。第2バインダー樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリルフッ素系樹脂及びアクリルシリコーン系樹脂が挙げられる。ポリアミド樹脂としては、N−メトキシメチル化ナイロン樹脂、エトキシメチル化ナイロン樹脂、共重合ナイロン樹脂などが挙げられる。これらの第2バインダー樹脂の1種を単独で用いてもよく、2種を組み合わせて用いてもよい。第2バインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂が好ましい。第2バインダー樹脂の種類等を調整することで、帯電ローラー51の硬度を所定の範囲内に調整し得る。
表層51cは、必要に応じて樹脂粒子を含有するとよい。樹脂粒子の材質は、例えば、アクリル系樹脂を含む。アクリル系樹脂は、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体及びスチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体を含む。樹脂粒子の材質は、アクリル酸であることが好ましい。樹脂粒子の平均粒径は、10μm以上35μm以下であることが好ましい。樹脂粒子の平均粒径は、以下の方法により求められた値である。まず、顕微鏡(例えば、透過型電子顕微鏡)を用いて任意の20個の樹脂粒子の1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)を測定する。そして、その算術平均値を樹脂粒子の平均粒径とする。
表層51cが樹脂粒子を含有する場合、表層51cにおける樹脂粒子の含有量は、樹脂粒子の平均粒径及び表層51cの膜厚等に応じて適宜調整すればよい。樹脂粒子の含有量とは、第2バインダー樹脂の質量に対する樹脂粒子の質量の割合を示す。樹脂粒子の平均粒径が10μmである場合、樹脂粒子の含有量は、13質量%以上20質量%以下であることが好ましい。樹脂粒子の平均粒径が20μmである場合、樹脂粒子の含有量は、3質量%以上18質量%以下であることが好ましい。樹脂粒子の平均粒径が30μmである場合、樹脂粒子の含有量は、3質量%以上13質量%以下であることが好ましい。
例えば、表層51cの膜厚、樹脂粒子の平均粒径、及び樹脂粒子の含有量等を調整することで、帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRz及び帯電ローラー51の周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smを所定の範囲内に調整し得る。また、表層51cに表面処理を施すことによっても、帯電ローラー51の周面の十点平均粗さRz及び帯電ローラー51の周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smを所定の範囲内に調整し得る。
表層51cは、必要に応じて導電性フィラーを更に含有してもよい。導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム粒子、酸化鉄粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、リンドープ酸化スズ粒子及び酸化スズ粒子が挙げられる。導電性フィラーとしては、酸化スズ粒子、リンドープ酸化スズ粒子又は酸化チタン粒子が好ましい。導電性フィラーの平均粒径としては、5nm以上200nm以下が好ましい。更に、表層51cは、必要に応じて、発泡剤、架橋剤、架橋促進剤及びオイルを更に含有してもよい。導電性フィラーの平均粒径は、以下の方法により求められた値である。まず、顕微鏡(例えば、透過型電子顕微鏡)を用いて任意の20個の導電性フィラーの1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)を測定する。そして、その算術平均値を導電性フィラーの平均粒径とする。
表層51cが導電性フィラーを含有する場合、表層51cにおける導電性フィラーの含有量は、表層51cの材質等に応じて適宜調整すればよい。導電性フィラーの含有量とは、第2バインダー樹脂の質量に対する導電性フィラーの質量の割合を示す。表層51cがナイロン樹脂及び酸化スズ粒子を含む場合、導電性フィラーの含有量は、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。表層51cがナイロン樹脂及びリンドープ酸化スズ粒子を含む場合、導電性フィラーの含有量は、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。導電性フィラーの材質、導電性フィラーの添加率、及び第2バインダー樹脂の種類等を調整することで、表層51cの体積抵抗率を所定の範囲内に調整し得る。
<1次転写ローラー>
以下、図9を参照して、定電圧制御される1次転写ローラー53について説明する。図9は、4つの1次転写ローラー53に対する電源系統を示す図である。図9に示すように、画像形成部30は、4つの1次転写ローラー53に接続する電源部56を更に備える。電源部56は、各1次転写ローラー53を帯電させることができる。電源部56は、4つの1次転写ローラー53に接続する1つの定電圧源57を含む。定電圧源57は、1次転写時に、各1次転写ローラー53に対して転写電圧(転写バイアス)を印加して、各1次転写ローラー53を帯電させる。定電圧源57から、一定の転写電圧(例えば、一定のマイナスの転写電圧)が発生する。つまり、1次転写ローラー53は、定電圧制御されている。各感光体50の周面50a上に担持された各トナー像は、各感光体50の周面50aの表面電位と各1次転写ローラー53の表面電位との間の電位差(転写電界)により、回転する転写ベルト33の外周面へ1次転写される。
1次転写時には、各1次転写ローラー53から各感光体50へ、転写ベルト33を介して電流(例えば、マイナスの電流)が流れ込む。1次転写ローラー53が感光体50の直上に配置される場合、感光体50へ流れ込む電流は、1次転写ローラー53から転写ベルト33の厚さ方向へ流れる。一定の転写電圧が1次転写ローラー53に印加される場合、転写ベルト33の体積抵抗率が変動すると、感光体50へ流れ込む電流(流れ込み電流)も変動する。流れ込み電流が大きくなる程、ゴースト画像が発生しやすい傾向がある。そのため、定電流制御された場合と比較して、定電圧制御された1次転写ローラー53を備える画像形成装置1によって形成された画像には、ゴースト画像が発生しやすい。しかし、本実施形態に係る画像形成装置1は、ゴースト画像の発生を抑制できる感光体50を備えている。そのため、定電圧制御された1次転写ローラー53を備える画像形成装置1を用いて画像を形成した場合あっても、ゴースト画像の発生を抑制することができる。また、定電圧制御された1次転写ローラー53を備える画像形成装置1は1次転写ローラー53の数よりも定電圧源57の数を減らすことができるため、画像形成装置1の簡素化及び小型化を図ることができる。
1次転写ローラー53から転写ベルト33にトナーTを安定的に1次転写させるためには、転写電圧印加時に1次転写ローラー53を流れる電流(転写電流)が、−20μA以上−10μA以下であることが好ましい。
<除電ランプ>
感光体50の回転方向Rの1次転写ローラー53よりも下流に、除電ランプ54が位置する。感光体50の回転方向Rの除電ランプ54よりも下流に、クリーナー55が位置する。感光体50の回転方向Rのクリーナー55よりも下流に、帯電ローラー51が位置する。1次転写ローラー53とクリーナー55との間に除電ランプ54が位置することで、除電ランプ54が感光体50の周面50aを除電してから、帯電ローラー51が感光体50の周面50aを帯電させるまでの時間(以下、除電−帯電時間と記載することがある)を長くすることができる。これにより、感光層502の内部で発生した励起キャリアを消失させる時間を確保できる。除電−帯電時間は、20m秒以上であることが好ましく、50m秒以上であることが好ましい。
除電ランプ54の除電光量は、0μJ/cm2以上10μJ/cm2以下であることが好ましく、0μJ/cm2以上5μJ/cm2以下であることがより好ましい。除電ランプ54の除電光量が10μJ/cm2以下であると、感光体50の感光層502内の電荷のトラップ量が減少して、感光体50の帯電能を向上できる。除電ランプ54の除電光量は小さい程好ましい。なお、除電ランプ54の除電光量が0μJ/cm2である場合は、除電ランプ54によって感光体50が除電されないこと、いわゆる除電レスシステムであることを意味する。除電ランプ54の除電光量は、実施例に記載の方法により測定できる。
<クリーナー>
クリーナー55は、クリーニングブレード81及びトナーシール82を含む。クリーニングブレード81は、1次転写ローラー53よりも感光体50の回転方向Rの下流に位置する。クリーニングブレード81は、感光体50の周面50aに圧接され、感光体50の周面50aに残留したトナーTを回収する。残留したトナーTは、1次転写後に、感光体50の周面50aに残留したトナーTである。具体的には、クリーニングブレード81の先端部が感光体50の周面50aに圧接され、クリーニングブレード81の基端部から先端部に向かう方向は、クリーニングブレード81の先端部と感光体50の周面50aとの接触点において、回転方向Rの逆を向いている。クリーニングブレード81は、感光体50の周面50aに、いわゆるカウンター当接されている。これにより、感光体50の回転に伴ってクリーニングブレード81が食い込むように、クリーニングブレード81が感光体50の周面50aに強く圧接される。このように強く圧接されることにより、クリーニング不良の発生を更に抑制できる。クリーニングブレード81は、例えば、板状の弾性体であり、より具体的には板状のゴムである。クリーニングブレード81は、感光体50の周面50aに線接触する。
感光体50の周面50aに対するクリーニングブレード81の線圧は、10N/m以上40N/m以下であることが好ましい。感光体50の周面50aに対するクリーニングブレード81の線圧が10N/m以上であると、クリーニング不良の発生を抑制することができる。感光体50の周面50aに対するクリーニングブレード81の線圧が40N/m以下であると、ゴースト画像の発生をより抑制することができる。ゴースト画像の発生をより抑制しつつ、クリーニング不良の発生をより抑制するためには、感光体50の周面50aに対するクリーニングブレード81の線圧は、15N/m以上40N/m以下であることが好ましく、20N/m以上40N/m以下であることがより好ましく、25N/m以上40N/m以下であることが更に好ましく、30N/m以上40N/m以下であることが一層好ましく、35N/m以上40N/m以下であることが特に好ましい。感光体50の周面50aに対するクリーニングブレード81の線圧は、10N/m、15N/m、20N/m、25N/m、30N/m、35N/m、及び40N/mから選択される2つの値の範囲内であってもよい。
クリーニングブレード81の硬度は、60度以上80度以下であることが好ましく、70度以上78度以下であることがより好ましい。クリーニングブレード81の硬度が60度以上であると、クリーニングブレード81が柔らか過ぎないため、クリーニング不良の発生を好適に抑制できる。クリーニングブレード81の硬度が80度以下であると、クリーニングブレード81が硬過ぎないため、感光体50の感光層502の摩耗量を低減できる。クリーニングブレード81の硬度は、実施例に記載の方法により測定できる。
クリーニングブレード81の反発弾性率は、20%以上40%以下であることが好ましく、25%以上35%以下であることがより好ましい。クリーニングブレード81の反発弾性率は、実施例に記載の方法により測定できる。
トナーシール82は、1次転写ローラー53とクリーニングブレード81との間において、感光体50の周面50aに接触し、クリーニングブレード81によって回収されたトナーTの飛散を抑制する。
<スラスト機構>
以下、図10を参照して、スラスト機構を実施する駆動機構90について説明する。図10は、感光体50、クリーニングブレード81、及び駆動機構90を説明する平面図である。感光体50は、感光体50の回転軸方向Dに沿って延びる円筒状である。クリーニングブレード81は、回転軸方向Dに沿って延びる板状である。
画像形成装置1は、駆動機構90を更に備える。駆動機構90は、感光体50とクリーニングブレード81とのうちの一方を回転軸方向Dに沿って往復移動させる。本実施形態では、駆動機構90は、感光体50を回転軸方向Dに沿って往復移動させる。駆動機構90は、例えば、モーターのような駆動源、ギヤ列、複数のカム、及び複数の弾性部材を含む。クリーニングブレード81は画像形成装置1のハウジングに固定される。
図10を参照して説明したように、本実施形態によれば、クリーニングブレード81に対して感光体50を回転軸方向Dに往復移動させる。従って、クリーニングブレード81の先端部の局所的な堆積物を回転軸方向Dに移動させることができ、感光体50の周面50aに周方向の傷(以下、「周傷」と記載する。)が発生することを抑制できる。その結果、周傷にトナーTが入り込むことによって、出力画像に縦スジが発生することが抑制され、長期にわたって出力画像の画質を良好に維持できる。
また、本実施形態によれば、感光体50を往復移動させるため、クリーニングブレード81を往復移動させる場合と比較して、往復移動のために要求される駆動力を得やすく、また、クリーニングブレード81の両端部からのトナー漏れの発生を抑制できる。
感光体50のスラスト量は、感光体50の1往復の片道での移動量である。なお、本実施形態では、往路でのスラスト量と復路でのスラスト量とは等しい。感光体50のスラスト量は、0.1mm以上2.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。感光体50のスラスト量がこのような範囲内であると、感光体50に周傷が発生することを好適に抑制できる。
感光体50のスラスト周期は、感光体50の1往復の移動時間である。本明細書では、感光体50のスラスト周期は、感光体50の1往復当たりの感光体50の回転数で示される。感光体50の周速度は一定であるため、感光体50のスラスト周期が長い程(即ち、感光体50の1往復当たりの感光体50の回転数が多い程)、感光体50はゆっくり往復移動する。一方、感光体50のスラスト周期が短い程(即ち、感光体50の1往復当たりの感光体50の回転数が少ない程)、感光体50は速く往復移動する。
感光体50のスラスト周期は、10回転以上200回転以下であることが好ましく、50回転以上100回転以下であることがより好ましい。感光体50のスラスト周期が10回転以上であると、感光体50の周面50aがクリーニングされ易い。また、感光体50のスラスト周期が10回転以上であると、カラー対応の画像形成装置1において色ずれが発生し難くなる。一方、感光体50のスラスト周期が200回転以下であると、感光体50の周傷の発生を抑制できる。
以上、本実施形態に係る画像形成装置の一例について説明した。但し、本実施形態に係る画像形成装置は、像担持体及び帯電ローラーを備える限り、他の部材(例えば、除電装置及びクリーニング装置)については省略してもよい。また、帯電電圧が直流電圧である場合について説明したが、本発明は帯電電圧が交流電圧又は重畳電圧である場合にも適用可能である。重畳電圧は、直流電圧及び交流電圧を重畳した電圧である。更に、キャリアCAとトナーTとを含有する2成分現像剤を用いる現像ローラー52について説明したが、本発明は1成分現像剤を用いる現像装置にも適用可能である。更に、中間転写方式を採用する画像形成装置1について説明したが、本発明は直接転写方式を採用する画像形成装置にも適用可能である。
[画像形成方法]
本発明の第2実施形態に係る画像形成方法は、像担持体の周面を帯電ローラーによって正極性に帯電させる帯電工程を備える。像担持体は、導電性基体と、単層の感光層とを備え、かつ下記式(1)を満たす。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有する。帯電ローラーは、導電性シャフトと、導電性シャフトの表面を被覆する基層と、基層の表面を被覆する表層とを備える。表層の体積抵抗率は、温度32.5度、湿度80%RHにおいて、13.0logΩ・cm以上である。帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは、6μm以上25μm以下である。帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは、55μm以上130μm以下である。
Figure 2020204679
式(1)中、Qは、像担持体の帯電電荷量[C]を表す。Sは、像担持体の帯電面積[m2]を表す。dは、感光層の膜厚[m]を表す。εrは、感光層に含有される第1バインダー樹脂の比誘電率を表す。ε0は、真空の誘電率[F/m]を表す。Vは、式V=V0−Vrから算出される値[V]である。Vrは、帯電工程において帯電される前の像担持体の周面の第1電位[V]を表す。V0は、帯電工程において帯電された後の像担持体の周面の第2電位[V]を表す。本実施形態に係る画像形成方法は、例えば、第1実施形態に係る画像形成装置によって行うことができる。本実施形態に係る画像形成方法によれば、ゴースト画像及び帯電ムラの発生を抑制できる。
実施例を用いて本発明を更に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
<測定方法>
まず、以下の参考例、実施例、及び比較例の試験で示される物性値の測定方法を説明する。
(除電光量)
感光体の周面における除電ランプに対向する位置に、光パワーメーター(日置電機株式会社製「光パワーメータ3664」)を埋め込んだ。除電ランプから波長660nmの除電光を照射しながら、光パワーメーターを用いて、感光体の周面に到達した除電光量を測定した。
(クリーニングブレードの線圧)
ロードセルを用いて、クリーニングブレードの線圧を測定した。詳しくは、評価機の感光体の周面に対するクリーニングブレードの当接位置に、感光体の代わりにロードセルを配置した治具を作製した。ロードセルに対するクリーニングブレードの当接角度を、23度に設定した。ロードセルに対してクリーニングブレードを圧接させた。ロードセルを用いて、圧接開始から10秒後の線圧を測定した。測定された線圧を、クリーニングブレードの線圧とした。
(クリーニングブレードの硬度)
JIS K 6301に準拠する方法により、ゴム硬度計(高分子計器株式会社製「アスカーゴム硬度計JA型」)を用いて、クリーニングブレードの硬度を測定した。
(クリーニングブレードの反発弾性率)
JIS K 6255(ISO 4662に相当)に準拠する方法により、反発弾性試験機(高分子計器株式会社製「RT−90」)を用いて、クリーニングブレードの反発弾性率を測定した。反発弾性率の測定環境は、温度25℃、及び相対湿度50%RHの環境下であった。
<評価機>
次に、以下の参考例、実施例、及び比較例の試験に使用した評価機について説明する。評価機は、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa356Ci」)の改造機であった。評価機の構成及び設定条件は次の通りであった。
・感光体:正帯電単層型OPCドラム
・感光体の直径:30mm
・感光体の感光層の膜厚:30μm
・感光体の線速:250mm/秒
・感光体のスラスト量:0.8mm
・感光体のスラスト周期:70回転/1往復
・帯電装置:帯電ローラー
・帯電電圧:正極性の直流電圧
・帯電ローラーの材質:イオン導電剤を分散させたエピクロルヒドリンゴム
・帯電ローラーの直径:12mm
・帯電ローラーのゴム含有層の厚さ:3mm
・帯電ローラーの抵抗値:+500Vの帯電電圧を印加した場合に5.8logΩ
・帯電ローラーと感光体の周面との距離:0μm(直接放電方式)
・有効帯電長:226mm
・転写方式:中間転写方式
・転写電圧:負極性の直流電圧
・転写ベルトの材質:ポリイミド
・転写幅:232mm
・除電光量:5μJ/cm2
・除電−帯電時間:125ミリ秒
・クリーナー:カウンター当接のクリーニングブレード
・クリーニングブレードの当接角度:23度
・クリーニングブレードの材質:ポリウレタンゴム
・クリーニンググレードの硬度:73度
・クリーニングブレードの反発弾性率:30%
・クリーニングブレードの厚さ:1.8mm
・クリーニングブレードの圧接方式:感光体に対するクリーニングブレードの食い込み量を固定(定変位)
・感光体に対するクリーニングブレードの食い込み量:0.8mm以上1.5mm以下の範囲内の値(クリーニングブレードの線圧に応じて変動する値)
<感光体の作製>
次に、感光体を作製した。感光体の作製に使用する感光層を形成するための材料、及び感光体の作製方法は、以下の通りであった。
感光体の感光層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、第1バインダー樹脂、及び添加剤を準備した。
(電荷発生剤)
電荷発生剤として、実施形態で述べた化学式(CGM−1)で表されるY型チタニルフタロシアニンを準備した。このY型チタニルフタロシアニンは、示差走査熱量分析スペクトルにおいて、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲にピーク(具体的には、296℃に1つのピーク)を有していた。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤として、実施形態で述べた正孔輸送剤(HTM−1)を準備した。
(電子輸送剤)
電子輸送剤として、実施形態で述べた電子輸送剤(ETM−1)及び(ETM−3)を準備した。
(第1バインダー樹脂)
第1バインダー樹脂として、実施形態で述べたポリアリレート樹脂(R−1)を準備した。ポリアリレート樹脂(R−1)の粘度平均分子量は、60,000であった。
(添加剤)
添加剤として、実施形態で述べた添加剤(40−1)を準備した。
(感光体(P−A1)の作製)
ボールミルの容器内に、電荷発生剤としてのY型チタニルフタロシアニン1.0質量部、正孔輸送剤(HTM−1)20.0質量部、電子輸送剤(ETM−1)12.0質量部、電子輸送剤(ETM−3)12.0質量部、第1バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R−1)55.0質量部、及び溶剤としてのテトラヒドロフランを投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて50時間混合して、溶剤に材料(電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤及び第1バインダー樹脂)を分散させた。これにより、感光層用塗布液を得た。感光層用塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体上にディップコート法を用いて塗布し、塗布膜を形成した。塗布膜を100℃で40分間熱風乾燥させた。これにより、導電性基体上に、単層の感光層(膜厚30μm)を形成した。その結果、感光体(P−A1)が得られた。
(感光体(P−A2)及び(P−B1)の作製)
感光体(P−A2)及び(P−B1)は、それぞれ、電荷発生剤の量と、正孔輸送剤の量と、電子輸送剤の種類及び量と第1バインダー樹脂の量とを下記表4に示す通りに変更したこと以外は感光体(P−A1)の作製と同じ方法で作製した。
(感光体(P−A3)及び(P−B2)の作製)
感光体(P−A3)及び(P−B2)は、それぞれ、添加剤の種類及び量を下記表4に示す通りに変更した以外は感光体(P−A1)の作製と同じ方法で作製した。なお、添加剤(40−1)は感光体の帯電能を調整するために添加した。
<帯電能比率の測定>
実施形態で述べた帯電能比率の測定方法に従って、感光体(P−A1)〜(P−A3)及び(P−B1)〜(P−B2)の帯電能比率を測定した。帯電能比率の測定結果を、下記表4に示す。
下記表4において、「wt%」、「CGM」、「HTM」、「ETM」、及び「樹脂」は、各々、「質量%」、「電荷発生剤」、「正孔輸送剤」、「電子輸送剤」、及び「第1バインダー樹脂」を示す。「ETM−1/ETM−3」及び「12.0/12.0」は、電子輸送剤として、電子輸送剤(ETM−1)12.0質量部、及び電子輸送剤(ETM−3)12.0質量部の両方を添加したことを示す。「−」は、該当する材料を添加しなかったことを示す。各材料の量は、感光層における各材料の含有割合[質量%]を示す。感光層の質量は、感光層用塗布液に添加した固形分(より具体的には、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、第1バインダー樹脂、及び添加剤)の質量の合計に相当する。
Figure 2020204679
<感光体の帯電能比率とゴースト画像の評価との関係>
感光体(P−B1)を、評価機に搭載した。評価機の1次転写ローラーの転写電流を−20μAに設定した。評価機のクリーニングブレードの線圧を40N/mに設定した。評価機の帯電ローラーを用いて、感光体の周面の電位が+500Vになるように、感光体の周面を帯電させた。帯電した感光体の周面の電位(+500V)を、表面電位VA[+V]とした。次いで、評価機の1次転写ローラーを用いて、帯電した感光体の周面に、転写電圧を印加した。表面電位計(不図示、トレック社製「表面電位計 MODEL344」)を用いて、転写電圧印加後の感光体の周面の電位を測定し、表面電位VB[+V]とした。測定された表面電位VBから、式「ΔVB-A=表面電位VB−表面電位VA=表面電位VB−500」に従い、転写による表面電位低下量ΔVB-A[V]を算出した。感光体(P−B1)を感光体(P−A1)、(P−A2)、(P−A3)、及び(P−B2)の各々に変更したこと以外は、同じ方法で、各感光体の転写による表面電位低下量ΔVB-Aを測定した。
各感光体の転写による表面電位低下量ΔVB-Aの測定結果を、図11に示す。転写による表面電位低下量ΔVB-Aの絶対値が10V以上であると、出力画像にゴースト画像が発生する傾向がある。図11において、転写による表面電位低下量ΔVB-Aの絶対値が10V未満となる感光体を、ゴースト画像の発生が抑制されている(OK)と評価した。図11において、転写による表面電位低下量ΔVB-Aの絶対値が10V以上となる感光体を、ゴースト画像の発生が抑制されていない(NG)と評価した。
図11に示されるように、感光体の帯電能比率が0.60未満である感光体(P−B1)〜(P−B2)は、転写による表面電位低下量ΔVB-Aの絶対値が10V以上であった。よって、感光体(P−B1)〜(P−B2)を用いて画像を形成した場合、ゴースト画像の発生が抑制されないと判断される。一方、図11に示されるように、感光体の帯電能比率が0.60以上である感光体(P−A1)〜(P−A3)は、転写による表面電位低下量ΔVB-Aの絶対値が10V未満であった。よって、感光体(P−A1)〜(P−A3)を用いて画像を形成した場合には、ゴースト画像の発生が抑制されると判断される。
<その他の感光体の特性>
感光体について、表面摩擦係数、感光層のマルテンス硬度、及び感度特性を測定した。
(感光体の周面の表面摩擦係数)
感光体の周面上に不織布(日本製紙クレシア株式会社製「キムワイプ S−200」)を載せ、不織布上に重り(荷重:200gf)を載せた。不織布を介した重りと感光体の周面との接触面積は、1cm2であった。重りを固定しながら、50mm/秒の速度で、感光体を横滑りさせた。ロードセルを用いて、横滑りさせたときの横方向の摩擦力を測定した。式「表面摩擦係数=測定された横方向の摩擦力/200」から、感光体の周面の表面摩擦係数を算出した。感光体(P−A1)〜(P−A3)の周面の表面摩擦係数は、各々、0.45、0.52、及び0.50であった。一方、感光体(P−B1)及び(P−B2)の周面の表面摩擦係数は、各々、0.55、及び0.53であった。
(感光層のマルテンス硬度)
マルテンス硬度の測定は、ISO14577に準拠したナノインデンテーション法により、硬度計(株式会社フィッシャー・インストルメンツ製「FISCHERSCOPE(登録商標) HM2000XYp」)を用いて行った。測定条件は、温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、感光層の周面にダイヤモンド製の四角錐型圧子(対面角135度)を当接させた後、圧子に10mN/5秒の条件で徐々に荷重を加え、10mNに達した後、1秒保持し、保持後5秒で荷重を除荷する条件とした。測定された感光体(P−A1)の感光層のマルテンス硬度は、220N/mm2であった。
(感光体の感度特性)
感光体(P−A1)〜(P−A3)の各々に対して、感度特性の評価を行った。感度特性の評価は、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で行った。まず、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の周面を+500Vに帯電させた。次いで、バンドパスフィルターを用いて、ハロゲンランプの白色光から単色光(波長780nm、半値幅20nm、光量1.0μJ/cm2)を取り出した。取り出された単色光を、感光体の周面に照射した。照射が終了してから50ミリ秒経過した時の感光体の周面の表面電位を測定した。測定された表面電位を、露光後電位[+V]とした。測定された感光体(P−A1)〜(P−A3)の各々の露光後電位は、各々、+110V、+108V、及び+98Vであった。
よって、感光体(P−A1)〜(P−A3)は、画像形成に好適な、周面の表面摩擦係数、感光層のマルテンス硬度、及び感度特性を有していることが示された。
<帯電ローラーの作製>
次に、表層を備える帯電ローラーを作製した。
(帯電ローラー(A−1)の作製)
導電性シャフト(直径9mm、アルミニウム製)の表面を基層で被覆した。基層は、エピクロルヒドリンゴム及びイオン導電剤を含有していた。基層は、電気抵抗が2.3×104Ω、厚さが3mmであった。これにより、導電性シャフトと、導電性シャフトを被覆する基層とを備える部材を得た。
ボールミルの容器内に、導電性フィラー、溶剤(メタノール/ブタノール/トルエン混合液)、樹脂粒子としてアクリルビーズ(平均粒径10μm)及びジルコニアビーズを投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて、24時間撹拌した。次いで、この容器内に、第2バインダー樹脂としてナイロン樹脂溶液を更に投入した。導電性フィラーの含有量は、20質量%であった。樹脂粒子の含有量は、10.00質量%であった。容器の内容物を、ボールミルを用いて、24時間撹拌した。容器の内容物を濾過して、ジルコニアビーズを除去した。これにより、表層コート液を得た。これにより、表層コート液を得た。
導電性シャフトと、導電性シャフトを被覆する基層とを備える部材の基層上にディップコート法を用いて表層コート液を塗布し、塗布膜を形成した。塗膜を120℃で40分間熱風乾燥させた。これにより、基層上に、表層(膜厚10μm)を形成した。その結果、帯電ローラー(A−1)を得た。
(帯電ローラー(A−2)〜(A−6)及び(a−1)〜(a−6)の作製)
帯電ローラー(A−2)〜(A−6)及び(a−1)〜(a−6)は、樹脂粒子の種類及び添加量を変更した以外は、帯電ローラー(A−1)の作製と同様の方法により作製した。各帯電ローラーの第2バインダー樹脂の種類、並びに樹脂粒子の種類及び添加量を下記表5に示す。下記表5において、「wt%」は、第2バインダー樹脂の量を100質量%としたときの樹脂粒子の量「質量%」を示す。
(帯電ローラー(a−7)の作製)
導電性シャフト(直径9mm、アルミニウム製)の表面を基層で被覆した。基層は、エピクロルヒドリンゴム及びイオン導電剤を含有していた。基層は、電気抵抗が2.3×104Ω、厚さが3mmであった。これにより、導電性シャフトと、導電性シャフトを被覆する基層とを備える部材を得た。
ボールミルの容器内に、導電性フィラー、溶剤(メタノール/ブタノール/トルエン混合液)、樹脂粒子としてアクリルビーズ(平均粒径10μm)及びジルコニアビーズを投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて、24時間混合した。次いで、この容器内に、第2バインダー樹脂としてナイロン樹脂溶液を更に投入した。導電性フィラーの含有量は、20質量%であった。樹脂粒子の含有量は、10.00質量%であった。容器の内容物を、ボールミルを用いて、24時間混合した。容器の内容物を濾過して、ジルコニアビーズを除去した。これにより、表層コート液を得た。
導電性シャフトと、導電性シャフトを被覆する基層とを備える部材の基層上にディップコート法を用いて表層コート液を塗布し、塗布膜を形成した。塗膜を120℃で40分間熱風乾燥させた。これにより、基層上に、表層(膜厚10μm)を形成した。その結果、帯電ローラー(A−7)を得た。
(帯電ローラー(a−7)〜(a−15)の作製)
帯電ローラー(a−7)〜(a−15)は、樹脂粒子の種類及び添加量を変更した以外は、帯電ローラー(A−7)の作製と同様の方法により作製した。各帯電ローラーの第2バインダー樹脂の種類、並びに樹脂フィラーの種類及び添加量を下記表6に示す。下記表6において、「wt%」は、第2バインダー樹脂の量を100質量%としたときの樹脂粒子の量「質量%」を示す。
(帯電ローラーの周面の十点平均粗さRz及び断面曲線凹凸の平均間隔Sm)
「JIS B 0601:1994」で規定の方法に従って、帯電ローラー(A−1)〜(A−6)及び(a−1)〜(a−15)の帯電ローラーの周面の十点平均粗さRz及び断面曲線凹凸の平均間隔Smを測定した。測定結果を下記表5及び下記表6に示す。
(帯電ローラーの硬度)
Asker−C硬度計(高分子計器株式会社製)を用いて、帯電ローラー(A−1)〜(A−6)及び(a−1)〜(a−15)の硬度を測定した。帯電ローラー(A−1)〜(A−6)及び(a−1)〜(a−15)の硬度は、78度であった。
(表層の体積抵抗率)
以下の方法により、帯電ローラー(A−1)〜(A−6)及び(a−1)〜(a−15)の表層の体積抵抗率を測定した。なお、表層の体積抵抗率の測定は、温度32.5℃、及び相対湿度80%RHの高温高湿環境下で行った。
円筒状のアルミ素管上に、表層を形成するための表層コート液を塗布し、塗布膜を形成した。塗膜を120℃で40分間熱風乾燥させた。これにより、アルミ素管上に、表層(膜厚10μm)を形成した。抵抗率計(株式会社三菱ケミカルアナリテック製の「ハイレスターUX(登録商標) MCP−HT800」)を用いて、表層の表面抵抗を測定した。具体的には、2本の金属電極を20mmの間隔を空けて表層に接触させ、10V、100V又は1000Vの直流電圧を印加した。直流電圧を印加した時点から10秒間後の抵抗値を測定した。
表層の表面抵抗の測定値、及び表層の膜厚から、下記式に従い、表層の体積抵抗率を算出した。算出結果を下記表5及び下記表6に示す。
体積抵抗率(logΩ・cm)=表層の表面抵抗(logΩ/□)×(膜厚:cm)
<画像形成装置N1〜N21の製造>
以下の方法により、画像形成装置N1〜N21を製造した。まず、上述の評価機に、感光体(PA−1)を搭載した。また、上述の評価機から帯電ローラーを取り外し、代わりに帯電ローラー(A−1)〜(A−6)及び(a−1)〜(a−15)のうち何れかを搭載した。これにより、帯電ムラ評価用の評価機である画像形成装置N1〜N21を準備した。なお、画像形成装置N1〜N21は、転写電流を−20μA、クリーニングブレードの線圧を40N/m、感光体の周面の電位を+500Vに設定した。
[画像評価]
以下の方法により、画像形成装置N1〜N21の画像評価を行った。
<帯電ムラの評価>
画像形成装置N1〜N21を用い、温度32.5℃、湿度80%RHにおいて、シートPにハーフトーン画像(濃度25%)を形成した(第1画像形成試験)。第1画像形成試験後、最後に形成したハーフトーン画像を目視で観察し、帯電ムラ(斑点状の白抜け)の有無を確認した。帯電ムラの評価は、以下の基準に基づいて評価した。評価結果を下記表5及び下記表6に示す。
A(良好):帯電ムラが観察されない
B(不良):帯電ムラが観察された
Figure 2020204679
Figure 2020204679
画像形成装置N2、N4、N6、N8、N9、N11は、像担持体と、像担持体の周面を正極性に帯電させる帯電ローラーとを備えていた。像担持体は、導電性基体と、単層の感光層とを備え、かつ上述の式(1)を満たしていた。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有していた。帯電ローラーは、導電性シャフトと、導電性シャフトの表面を被覆する基層と、基層の表面を被覆する表層とを備えていた。表層の体積抵抗率は、13.0logΩ・cm以上であった。帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは、6μm以上25μm以下であった。帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは、55μm以上130μm以下であった。そのため、画像形成装置N2、N4、N6、N8、N9、N11は、高温高湿環境下であっても、帯電ムラの発生を抑制できた。また、画像形成装置N2、N4、N6、N8、N9、N11は、感光体(PA−1)を用いているため、ゴースト画像の発生を抑制できると判断される。
一方、画像形成装置N1、N3、N5、N7、N10、N12、N13〜N21は、上述の構成を満たしていなかった。詳しくは、画像形成装置N1、N12は、帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは、6μm以上25μm以下ではなかった。画像形成装置N3、N5、N7、N10は、帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは、55μm以上130μm以下でなかった。画像形成装置N13〜N21は、表層の体積抵抗率は、13.0logΩ・cm以上ではなかった。そのため、画像形成装置N1、N3、N5、N7、N10、N12、N13〜N21は、帯電ムラの発生を抑制できなかった。
本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法は、シートに画像を形成するために利用可能である。
1 :画像形成装置
50 :感光体(像担持体)
50a :感光体の周面(像担持体の周面)
51 :帯電ローラー(帯電装置)
55 :クリーナー(クリーニング装置)
81 :クリーニングブレード(クリーニング部材)
501 :導電性基体
502 :感光層
T :トナー

Claims (9)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体の周面を正極性に帯電させる帯電ローラーと
    を備え、
    前記像担持体は、導電性基体と、単層の感光層とを備え、かつ下記式(1)を満たし、
    前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有し、
    前記帯電ローラーは、導電性シャフトと、前記導電性シャフトの表面を被覆する基層と、前記基層の表面を被覆する表層とを備え、
    前記表層の体積抵抗率は、温度32.5度、湿度80%RHにおいて、13.0logΩ・cm以上であり、
    前記帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは、6μm以上25μm以下であり、
    前記帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは、55μm以上130μm以下である、画像形成装置。
    Figure 2020204679
    (前記式(1)中、
    Qは、前記像担持体の帯電電荷量[C]を表し、
    Sは、前記像担持体の帯電面積[m2]を表し、
    dは、前記感光層の膜厚[m]を表し、
    εrは、前記感光層に含有される前記第1バインダー樹脂の比誘電率を表し、
    ε0は、真空の誘電率[F/m]を表し、
    Vは、式V=V0−Vrから算出される値であり、
    rは、前記帯電ローラーによって帯電される前の前記像担持体の前記周面の第1電位[V]を表し、
    0は、前記帯電ローラーによって帯電された後の前記像担持体の前記周面の第2電位[V]を表す。)
  2. 前記帯電ローラーの硬度は、62度以上81度以下である、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは、18μm以上である、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記表層の厚さは、10μm以上20μm以下である、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記帯電ローラーは、直流電圧のみを前記像担持体の前記周面に印加する、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記表層は、前記導電性フィラーを含有し、
    前記導電性フィラーは、リンドープ酸化スズ粒子、酸化スズ粒子又は酸化チタン粒子を含む、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記表層は、第2バインダー樹脂を含有し、
    前記第2バインダー樹脂は、ポリアミド樹脂を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記表層は、樹脂粒子を更に含有し、
    前記樹脂粒子の含有量は、前記第2バインダー樹脂に対して、3質量%以上18質量%以下である、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 像担持体の周面を帯電ローラーによって正極性に帯電させる帯電工程を備える画像形成方法であって、
    前記像担持体は、導電性基体と、単層の感光層とを備え、かつ下記式(1)を満たし、
    前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、第1バインダー樹脂とを含有し、
    前記帯電ローラーは、導電性シャフトと、前記導電性シャフトの表面を被覆する基層と、前記基層の表面を被覆する表層とを備え、
    前記表層の体積抵抗率は、温度32.5度、湿度80%RHにおいて、13.0logΩ・cm以上であり、
    前記帯電ローラーの周面の十点平均粗さRzは、6μm以上25μm以下であり、
    前記帯電ローラーの周面の断面曲線凹凸の平均間隔Smは、55μm以上130μm以下である、画像形成方法。
    Figure 2020204679
    (前記式(1)中、
    Qは、前記像担持体の帯電電荷量[C]を表し、
    Sは、前記像担持体の帯電面積[m2]を表し、
    dは、前記感光層の膜厚[m]を表し、
    εrは、前記感光層に含有される前記第1バインダー樹脂の比誘電率を表し、
    ε0は、真空の誘電率[F/m]を表し、
    Vは、式V=V0−Vrから算出される値であり、
    rは、前記帯電工程において帯電される前の前記像担持体の前記周面の第1電位[V]を表し、
    0は、前記帯電工程において帯電された後の前記像担持体の前記周面の第2電位[V]を表す。)
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