JP2006178002A - 下引層形成用塗布液の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

下引層形成用塗布液の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 画像形成装置に備えられる電子写真感光体を構成した場合に、ゴーストの発生を十分に抑制することが可能な下引層を形成するための下引層形成用塗布液の製造方法を提供すること。
【解決手段】 電子写真感光体の導電性支持体と感光層との間に配置される、導電性金属酸化物及び結着樹脂を含む下引層を形成するための塗布液の製造方法であって、導電性金属酸化物と硬化性樹脂と硬化剤と溶媒とからなる混合液を、該混合液を硬化させて膜厚20μmの塗膜を形成したときに該塗膜の波長950nmの光に対する透過率が70%以上となるように、調製する工程を備えることを特徴とする下引層形成用塗布液の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真感光体の下引層を形成するための下引層形成用塗布液の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真方式は、高速かつ高品質の印字が可能であることから、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター等の画像形成装置において利用されている。また、近年の環境意識の向上と共に、低電力消費による環境負荷の少ない画像形成装置が求められている。
これら画像形成装置に用いられる電子写真感光体としては、導電性支持体上に光導電材料を用いた感光層を形成した感光体が知られている。そして、この感光体において、帯電性の向上、支持体と感光層との密着性の向上、支持体表面の欠陥の隠蔽、ピンホールリークによる画像欠陥の低減等のために、導電性支持体と感光層との間に下引層を設けることが従来から行われている。
この下引層を形成するための材料としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル、フェノキシ樹脂、カゼイン、ゼラチン、ニトロセルロース等の熱可塑性樹脂や、ポリイミド、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂等が知られている。
また、感光体特性をより向上させ、良好な画質を得るために、下引層の組成に関する様々な検討がなされており、例えば、下引層を構成する樹脂に導電性ポリマーをブレンドした感光体や(例えば。特許文献1参照)、導電性粉末を下引層を構成する樹脂中に分散させた感光体(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。また、レーザー光透過率が40%以下である下引層を備えた感光体が提案されており、かかる下引層を設けることによりレーザー光を下引層に吸収させ、画像形成時における干渉縞状の濃度ムラの発生を防止する試みがなされている。(例えば、特許文献3参照)
特公平2−59458号公報 特公平2−59459号公報 特開平2−82263号公報
しかしながら、上記従来の電子写真感光体であっても、画像形成を繰り返し行う過程で残留電位の上昇等が生じ、前の画像形成時における露光履歴(露光像)が次の画像形成時に現れることにより生じる、いわゆるゴーストと呼ばれる画質欠陥が発生しやすいという問題がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置に備えられる電子写真感光体を構成した場合に、ゴーストの発生を十分に抑制することが可能な下引層を形成するための下引層形成用塗布液の製造方法を提供することを目的とする。また、ゴーストの発生を十分に抑制することが可能な電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、電子写真感光体の導電性支持体と感光層との間に配置される、導電性金属酸化物及び結着樹脂を含む下引層を形成するための塗布液の製造方法であって、導電性金属酸化物と硬化性樹脂と硬化剤と溶媒とからなる混合液を、該混合液を硬化させて膜厚20μmの塗膜を形成したときに該塗膜の波長950nmの光に対する透過率が70%以上となるように、調製する工程を備えることを特徴とする下引層形成用塗布液の製造方法を提供する。
かかる製造方法においては、上記の混合液を構成する導電性金属酸化物、硬化性樹脂、硬化剤及び溶媒を混合する際に、得られる混合液がその混合液を硬化させて上記塗膜を形成した場合に、該塗膜の波長950nmの光に対する透過率が70%以上となるように混合を行っている。ここで、詳細は不明であるが、推定されるゴースト抑制のメカニズムは次の通りである。すなわち、上記の条件を満たすように調製された混合液は、導電性金属酸化物を含有しているとともに、その導電性金属酸化物が十分に分散された状態となっている。そのため、かかる混合液を調製する工程を経て下引層形成用塗布液を製造し、この塗布液を用いて下引層を形成した場合、下引層中では導電性金属酸化物が、上記の硬化性樹脂が硬化されてなる結着樹脂中に十分に分散された状態となる。これにより、下引層中には電子及びホール(正孔)の伝導パスが多数形成されることとなり、電荷移動が容易となって、感光体における残留電位の上昇を抑制することができる。その結果、画像形成装置におけるゴーストの発生を十分に抑制することができる。
なお、上記特許文献3に示されているように、従来の下引層は透過率が低くなるように形成するのが一般的であったが、これに反して上述の通り特定の条件で測定される透過率が70%以上となるように調製された混合液を用いて下引層形成用塗布液を調製することにより、この塗布液を用いて電子写真感光体及び画像形成装置を形成した場合に、ゴーストの発生を十分に抑制することができる。
ここで、上記混合液を構成する上記硬化性樹脂は、上記硬化剤の存在下で硬化して、下引層における結着樹脂となるものであり、上記硬化剤は当該硬化性樹脂を硬化させるためのものである。
また、上記導電性金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化錫からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの導電性金属酸化物を用いることにより、上記製造方法によって得られる下引層形成用塗布液を用いて電子写真感光体及び画像形成装置を形成した場合に、ゴーストの発生をより十分に抑制することができる。
本発明はまた、導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた下引層と、該下引層上に設けられた感光層とを備える電子写真感光体であって、上記下引層は、上記本発明の下引層形成用塗布液の製造方法により得られた下引層形成用塗布液を用いて形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体を提供する。
かかる電子写真感光体は、下引層が上述した本発明の製造方法により得られた下引層形成用塗布液を用いて形成されているため、画像形成装置を構成した場合に、ゴーストの発生を十分に抑制することができる。
本発明の電子写真感光体において、上記下引層及び/又は上記感光層は、平均粒径1.0μm以上の樹脂粒子を含有することが好ましい。
下引層及び感光層の少なくとも一方に樹脂粒子を含有させることにより、画像形成装置を構成した場合に、ゴーストの発生を十分に抑制することができるとともに、露光光源としてレーザービーム等の可干渉光源を用いた場合に、感光体内部で発生し得る干渉光による木目状の濃度ムラを抑制することができる。
また、本発明の電子写真感光体において、上記感光層は、電荷発生層及び電荷輸送層を備えることが好ましい。このように、電荷発生層及び電荷輸送層を有する機能分離型の感光層を備えることにより、感光体は、良好な感度、帯電性及びその繰り返し安定性等の電子写真特性を得ることができ、画像形成装置を構成した場合に、ゴーストの発生をより十分に抑制することができる。
更に、本発明の電子写真感光体において、上記感光層は、保護層を備えることが好ましい。保護層を備えることにより、感光体の耐磨耗性を向上させることができる。
なお、感光層が電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有する場合、下引層、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層の少なくとも一つの層は、上述の樹脂粒子を含有していることが上述の濃度ムラを抑制する観点から好ましい。
本発明はまた、上記本発明の電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段、上記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、及び、上記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を備えることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
本発明は更に、上記本発明の電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、上記電子写真感光体上に静電潜像を形成するための露光手段と、上記電子写真感光体上に形成された上記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段と、上記トナー像を被転写体に転写するための転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
かかるプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、上述した本発明の電子写真感光体を備えているため、ゴーストの発生を十分に抑制することができる。
本発明によれば、画像形成装置に備えられる電子写真感光体を構成した場合に、ゴーストの発生を十分に抑制することが可能な下引層を形成するための下引層形成用塗布液の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、ゴーストの発生を十分に抑制することが可能な電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(下引層形成用塗布液の製造方法)
本発明の下引層形成用塗布液の製造方法は、電子写真感光体の導電性支持体と感光層との間に配置される、導電性金属酸化物及び結着樹脂を含む下引層を形成するための下引層形成用塗布液の製造方法であって、導電性金属酸化物と硬化性樹脂と硬化剤と溶媒とからなる混合液を、該混合液を硬化させて膜厚20μmの塗膜を形成したときに該塗膜の波長950nmの光に対する透過率が70%以上となるように、調製する工程を備えることを特徴とする。
まず、上記混合液を調製する方法について説明する。混合液は、導電性金属酸化物、硬化性樹脂、硬化剤及び溶媒を混合してなるものである。
導電性金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化錫等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも特に、酸化亜鉛及び酸化チタンは電子移動性が高く、良好な電子写真特性が得られ、ゴーストの発生が十分に抑制されるため好ましい。
下引層は、リーク耐性獲得のために適切な抵抗を有することが必要であり、そのため導電性金属酸化物は、1×10〜1×1011Ω・cm程度の粉体抵抗を有するものであることが好ましい。中でも上記抵抗値を有する酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を用いることが好ましい。特に酸化亜鉛は好ましく用いられる。なお、導電性金属酸化物の抵抗値が1×10Ω・cm未満であると、十分なリーク耐性が得られにくくなる傾向にあり、抵抗値が1×1011Ω・cmを超えると、残留電位の上昇を引き起こしやすくなる傾向がある。
また、導電性金属酸化物の比表面積は、10m/g以上であることが好ましい。比表面積値が10m/g未満であると、帯電性の低下が生じやすくなり、良好な電子写真特性を得にくくなる傾向がある。
更に、導電性金属酸化物には表面処理を施すことができる。表面処理剤としてはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性材など所望の特性が得られるものであれば公知の材料から選択することができる。特にシランカップリング剤は良好な電子写真特性を与えるため好ましく用いられる。また、アミノ基を有するシランカップリング剤は下引層に良好なブロッキング性を与えるため好ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、所望の感光体特性を得られるものであればいかなる物でも用いることができるが、具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なお、これらに限定されるものではない。また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用することもできる。上記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いることができるシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
導電性金属酸化物の表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でも使用可能であり、例えば、乾式法や湿式法等を用いることができる。乾式法により表面処理を施す場合には、導電性金属酸化物をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒に溶解させたシランカップリング剤を滴下し、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に処理することができる。シランカップリング剤の添加あるいは噴霧は、溶剤の沸点以下の温度で行うことが好ましい。溶剤の沸点以上の温度で噴霧すると、導電性金属酸化物が均一に攪拌される前に溶剤が蒸発し、シランカップリング剤が局部的にかたまってしまい均一な表面処理ができにくい傾向がある。シランカップリング剤を添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。
湿式法により表面処理を施す場合には、導電性金属酸化物を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミルなどを用いて分散し、シランカップリング剤溶液を添加して攪拌あるいは分散した後、溶剤を除去することで均一に処理することができる。溶剤は、ろ過あるいは蒸留により除去することができる。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。湿式法においては表面処理剤を添加する前に導電性金属酸化物に含有されている水分を除去することもでき、例えば、表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法等を用いることができる。
導電性金属酸化物に表面処理を施す場合、シランカップリング剤の量は所望の電子写真特性が得られる量であれば任意に設定できる。
また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。
導電性金属酸化物としては、上述したものを単独で用いてもよく、表面処理の異なるものや粒子径の異なるものなどを2種以上組み合わせて用いてもよい。
硬化性樹脂は、硬化剤の存在下で該硬化性樹脂を硬化させることによって下引層中の結着樹脂となるものである。かかる硬化性樹脂としては、従来から下引層に用いられる硬化性樹脂を用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の硬化性樹脂を用いることができる。
混合液中の導電性金属酸化物と硬化性樹脂との質量比は、所望の電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定できる。かかる質量比(導電性金属酸化物:硬化性樹脂)としては、好ましくは8.5:1〜20:1、より好ましくは10:1〜16:1である。金属酸化物微粒子の質量が硬化性樹脂の質量の8.5倍未満であると、成膜時の下引層の電気抵抗が大きくなりすぎ、その結果残留電位の上昇を引き起こしやすくなる傾向にある。一方、金属酸化物微粒子の質量が硬化性樹脂の質量の20倍を超えると、成膜時の下引き層の電気抵抗が小さくなりすぎ、その結果充分なリーク耐性が得られにくくなる傾向にある。
硬化剤としては、上記硬化性樹脂を硬化させることが可能なものであれば特に制限されないが、特にイソシアネートが好ましく用いられる。イソシアネートとしては、ポリイソシアネート化合物にブロック剤となる活性水素を有する化合物を反応させて得られるイソシアネートのうち、常温で安定であり、所定の条件(例えば、50〜200℃)の下で加熱するとブロック剤が解離して、イソシアネート基が再生されるイソシアネートが好ましい。
上述のポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイシアネート、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェルポリイソシアネート等が挙げられる。
上述のブロック剤としては、例えば、カプロラクトム等のラクタム類、メチルエチルケトオキシムやアセトオキシム等のオキシム類、マロン酸ジエチル、アセト酢酸ジエチル等のβ−ジケトン類が挙げられる。
溶媒としては、上記硬化性樹脂を溶解又は分散可能な有機溶媒であれば特に制限されない。かかる溶媒としては、例えば、アルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系の溶剤から任意に選択することができる。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。これらの溶剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
以上説明した導電性金属酸化物、硬化性樹脂、硬化剤及び溶媒を混合することによって混合液を調製することができる。ここで、混合/分散方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等を用いる常法を適用することができる。そして、混合液は、以下の条件を満たすように調製される。すなわち、得られた混合液を硬化させて膜厚20μmの塗膜とした場合に、該塗膜の波長950nmの光に対する透過率が70%以上となるように調製される。透過率の測定についてより具体的には、まず混合液をガラスプレート等のプレート上に硬化後の塗膜の膜厚が20μmとなるように塗布し、乾燥により溶媒を除去して硬化させ、塗膜を形成する。その後、分光光度計を用いて波長950nmでの塗膜の光透過率を測定する。
混合液を調製する際には、上記の手順で測定される透過率が70%以上となるように混合条件を設定する必要がある。混合条件は、混合装置や混合液の組成等によって異なるため一概には言えないが、例えば、サンドミルを用いて混合を行う場合、ガラスビーズの充填率60〜80体積%、流速1000〜2500ml/分で0.5時間以上、好ましくは0.8〜1.5時間混合することによって、塗膜の透過率が70%以上となる混合液を得ることが可能となる。なお、塗膜の透過率が70%以上となる混合液をより確実に得るために、例えば、所定時間毎に混合液をサンプリングし、その混合液からなる塗膜の透過率を測定して透過率が70%以上になったかどうかを確認しながら混合を行うことで混合時間を決定することが好ましい。
なお、塗膜の透過率を測定する際の波長950nmの光は、導電性金属酸化物の吸収波長に対応するものである。すなわち、上記混合液からなる塗膜の透過率は、下引層を形成した場合の導電性金属酸化物の分散状態、更には、導電性金属酸化物による電荷の伝導パスの形成状態の指標とすることができる。したがって、上記の条件を満たす混合液を調製し、この混合液を用いて下引層形成用塗布液を調製することにより、得られる下引層形成用塗布液は、該塗布液を用いて電子写真感光体及び画像形成装置を作製した場合に、ゴーストの発生を十分に抑制することが可能となる。
ここで、ゴーストの発生をより十分に抑制する観点から、上記混合液からなる膜厚20μmの塗膜の950nmの光に対する透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
下引層形成用塗布液は、上述した混合液を調製する工程を経て製造される。この下引層形成用塗布液は、例えば、上記混合液をそのまま下引層形成用塗布液としたものであってもよく、上記混合液に必要に応じて各種添加剤を添加することで調製されたものであってもよい。
下引層形成用塗布液中に必要に応じて含有される上記添加剤としては、電子輸送性顔料、樹脂粒子、触媒、有機金属化合物等が挙げられる。
電子輸送性顔料としては、例えば、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料等が挙げられる。これらの顔料の中では、ペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料及び多環キノン顔料が、電子移動性が高いため好ましく使用される。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上述したようなカップリング剤や、バインダーなどで表面処理してもよい。下引層形成用塗布液において、電子輸送性顔料の含有量が多すぎると形成する下引層の強度が低下し、塗膜欠陥が生じやすくなる傾向があるため、下引層形成用塗布液中の固形分全量を基準として95質量%以下、好ましくは90質量%以下で使用される。
樹脂粒子は導電性支持体の光の反射防止作用のために用いられ、平均粒径1.0μm以上の樹脂粒子を下引層形成用塗布液に含有させることが好ましい。また、樹脂粒子として具体的には、シリコーン樹脂粒子、フッ素系樹脂粒子等が挙げられる。この樹脂粒子を含有する下引層形成用塗布液を用いて下引層を形成することにより、画像形成時の露光光源としてレーザービーム等の可干渉光源を用いた場合に、感光体内部で発生し得る干渉光による木目状の濃度ムラを抑制することができる。また、かかる効果をより十分に得る観点から、樹脂粒子の平均粒径は0.05〜5.0μmであることが好ましい。
下引層形成用塗布液における樹脂粒子の含有量は特に制限されないが、上述した効果をより十分に得る観点から、下引層形成用塗布液中の固形分全量を基準として0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5.0質量%であることがより好ましい。
触媒は、下引層形成用塗布液の成膜時の硬化促進のために用いられるものであり、例えば、ジオクチルスズジラウレート等の有機ズズ化合物等が用いられる。
下引層形成用塗布液における触媒の含有量は特に制限されないが、下引層形成用塗布液中の固形分全量を基準として0.005〜0.1質量%であることが好ましく、0.005〜0.02質量%であることがより好ましい。
下引層形成用塗布液がこれらの添加剤を含有する場合、下引層形成用塗布液の調製は、上記混合液にこれらの添加剤を加え、必要に応じて上述したような溶媒を更に加えて、上記混合液の調製と同様の方法で混合/分散することにより行うことができる。これにより、下引層形成用塗布液の製造が完了する。
(電子写真感光体)
図1は、本発明の電子写真感光体の第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示した電子写真感光体100はいわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性支持体3上には、下引層4が設けられており、下引層4上には、電荷発生層1及び電荷輸送層2をこの順序で積層して形成された感光層6が設けられている。そして、後述するように、下引層4は上記本発明の下引層形成用塗布液の製造方法により得られた下引層形成用塗布液を用いて形成されている。
導電性支持体3は、特に限定されるものはなく、例えば、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属製ドラム;ポリマー製シート、紙、プラスチック、又はガラス上に、アルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着することによって導電処理したドラム状、シート状又はプレート状の支持体;ポリマー製シート、紙、プラスチック又はガラス上に、酸化インジウム、酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着するか、又は金属箔をラミネートすることによって導電処理したドラム状、シート状又はプレート状の支持体;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等をバインダー樹脂に分散し、ポリマー製シート、紙、プラスチック、又はガラス上に塗布することによって導電処理したドラム状、シート状、プレート状の支持体などが挙げられる。
ここで、金属製ドラムを導電性支持体3として用いる場合、その外周面(下引層4が形成される側の面)は素管のままであってもよいが、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング、着色処理などの処理を行ってもよい。下引層4が形成される側の面を表面処理により粗面化することで、レーザービームのような可干渉光源を用いた場合に発生しうる感光体内での干渉光による木目状の濃度斑を防止することができる。
次に、下引層4について説明する。下引層4は、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層6の接着性向上、耐リーク性向上等の機能を有する。下引層4は、上述した本発明の下引層形成用塗布液の製造方法により得られた下引層形成用塗布液により形成されたものであり、導電性金属酸化物と硬化性樹脂が硬化剤により硬化されてなる結着樹脂とを含有して構成される。なお、導電性金属酸化物、及び、結着樹脂を形成する硬化性樹脂の構成は、上述の下引層形成用塗布液の製造方法において説明した通りである。また。下引層4は先に説明した各種添加剤を含有して構成されていてもよい。上記構成を有する下引層4を備えることにより、電子写真感光体100は、画像形成装置を構成した場合に、ゴーストの発生を十分に抑制することが可能となる。
下引層4を形成する際に用いる塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
このようにして形成される下引層4の膜厚は、0.1〜30μmであることが好ましいが、膜厚が10〜30μmである場合には特に、ゴーストの発生をより十分に抑制することが可能となるため好ましい。
次に、電荷発生層1について説明する。電荷発生層1は、電荷キャリアを生成する機能を有している。電荷発生層1は、電荷発生材料と結着樹脂とを含んで構成される。
電荷発生材料としては、公知の電荷発生材料を使用することができ、例えば、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など、電荷発生材料として従来公知のものを使用することができる。これらの中でも、ゴーストの発生がより十分に抑制されることから、金属フタロシアニン顔料が好ましい。特に、特開平5−263007号公報及び特開平5−279591号公報に開示されているように、公知の方法で製造されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を、酸またはアルカリ性溶液中での加水分解またはアシッドペースティングを行って、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を合成し、直接溶剤処理を行うか、或いは、合成によって得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うか、溶剤を用いずに乾式粉砕処理を行った後に溶剤処理することによって製造されたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。上記の処理において使用される溶剤としては、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキサイド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系などが挙げられる。この溶剤は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン100質量部に対して、1〜200質量部、好ましくは10〜100質量部の範囲で用いられる。処理温度は、0〜150℃、好ましくは室温〜100℃の範囲で行う。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤はヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して質量で0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍用いる。
電荷発生層1の結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーを結着樹脂として用いてもよい。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷発生層1における電荷発生材料と結着樹脂との配合比は(質量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。
電荷発生層1は、上記の構成材料を所定の溶剤に加えて分散処理することにより得られる塗布液を、下引層4上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。使用される溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の有機溶剤が挙げられ、これらのうち1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。分散処理方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって電荷発生材料の結晶型が変化しない条件とすることが好ましい。また、分散処理の際、電荷発生材料からなる粒子の平均一次粒子径を、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下とすることが有効である。
電荷発生層1を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。このようにして形成される電荷発生層1の膜厚は、0.1〜5μmであることが好ましく、0.2〜2.0μmであることがより好ましい。なお、電荷発生材料の分散安定性や、光感度を向上させる目的で、あるいは、電気特性を安定化させる目的で、電荷発生材料に表面処理を施しても良い。
次に、電荷輸送層2について説明する。電荷輸送層2は、電荷輸送材料と結着樹脂とを含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニルキノン、ブロマニルキノン、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2006178002
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、nは1又は2を示す。また、Ar及びArは各々独立に、置換又は未置換のアリール基を示し、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基)、又はアミノ基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で置換された置換アミノ基)などが挙げられる。
Figure 2006178002
一般式(2)中、R、R、R及びRは各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、−C(R)=C(R)(R10)(R、R及びR10は各々独立に、水素原子、置換又は未置換のアルキル基、あるいは置換又は未置換のアリール基を示す)を示し、n1、n2、n3及びn4は0〜2の整数を示す。また、R及びRは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を示す。
Figure 2006178002
一般式(3)中、R12は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、―CH=CH―CH=C(Ar)(Arは置換又は未置換のアリール基を示す)を示す。R13及びR14は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、あるいは、置換又は未置換のアリール基を示す。
電荷輸送層2に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、電荷輸送層2の構成材料として、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、特に好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
また、電荷輸送層2には、フッ素系樹脂粒子を含有させることもできる。フッ素系樹脂粒子を含有させる場合の電荷輸送層2におけるフッ素系樹脂粒子の含有量は、電荷輸送層全量に対して0.1〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。含有量が0.1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による電荷輸送層2の改質効果が十分でない傾向があり、一方、40質量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる傾向がある。
上記フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
上記フッ素系樹脂粒子の平均一次粒径は0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.5μmであることがより好ましい。平均一次粒径が0.05μm未満であると分散時の凝集が進みやすくなる傾向があり、1μmを超えると画質欠陥が発生しやすくなる傾向がある。
また、電荷輸送材料としては、上述したものの他に、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、および上記した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体などを用いることもできる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、結着樹脂としては、上述したものの他に、例えば、ポリアリレート樹脂、ビスフェノールAタイプ或いはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等を用いることもできる。電荷輸送層2における電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は(質量比)は10:1〜1:5の範囲が好ましく、6:4〜4:6の範囲がより好ましい。
電荷輸送層2は、上記の構成材料を所定の溶剤に加えて分散処理することにより得られる塗布液を、電荷発生層1上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。使用される溶剤としては、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル系溶剤、或いはこれらの混合溶剤などを用いることができる。
分散処理方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コロイドミル、衝突式メディアレス分散機、貫通式メディアレス分散機等による分散方法を用いることができる。
塗布液を調製する際に、塗布液の温度を0℃〜50℃に制御する方法としては、水で冷やす、風で冷やす、冷媒で冷やす、製造工程の室温を調節する、温水で暖める、熱風で温める、ヒーターで暖める、発熱しにくい材料で塗布液製造設備を作る、放熱しやすい材料で塗工液製造設備を作る、蓄熱しやすい材料で塗布液製造設備を作るなどの方法が利用できる。塗布液前混合方法として、スターラー、攪拌羽による攪拌、ロールミル、サンドミル、アトライター、ボールミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、等の方法が利用できる。分散方法として、サンドミル、アトライター、ボールミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、ロールミル等の方法が利用できる。
また、塗布液を調製する際の上記構成材料の分散安定性を向上させるため、および塗膜形成時の構成材料の凝集を防止するために、分散助剤を塗布液に少量添加することも有効である。分散助剤として、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。
このようにして形成される電荷輸送層2の膜厚は、5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましいが、膜厚が10〜20μmである場合には特に、ゴーストの発生をより十分に抑制することが可能となるため好ましい。
電荷輸送層2を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
上記電荷発生層1及び上記電荷輸送層2により構成される感光層6には、画像形成装置内で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。
また、感光層6には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。
感光層6に使用可能な電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
また、感光体100において、下引層4、電荷発生層1及び電荷輸送層2の少なくとも1つの層には樹脂粒子を含有させることが好ましい。樹脂粒子は導電性支持体3の光の反射防止作用のために用いられ、その平均粒径は1.0μm以上であることが好ましい。樹脂粒子として具体的には、シリコーン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子等が挙げられる。この樹脂粒子を下引層4、電荷発生層1及び電荷輸送層2の少なくとも1つの層に含有させることにより、画像形成時の露光光源としてレーザービーム等の可干渉光源を用いた場合に、感光体内部で発生し得る干渉光による木目状の濃度ムラを抑制することができる。また、かかる効果をより十分に得る観点から、樹脂粒子の平均粒径は0.05〜5.0μmであることが好ましい。
下引層4、電荷発生層1及び電荷輸送層2の少なくとも1つの層における樹脂粒子の含有量は特に制限されないが、上述した効果をより十分に得る観点から、樹脂粒子を含有させる層全量を基準として0.005〜40質量%であることが好ましく、0.005〜20質量%であることがより好ましい。
図2は、本発明の電子写真感光体の第2実施形態を示す模式断面図である。図2に示した電子写真感光体110は、感光層6上(感光層6の導電性支持体3から遠い側の面上)に保護層(表面保護層)5を備えること以外は図1に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。
保護層5は、電子写真感光体110の帯電時における感光層6の化学的変化を防止したり、感光層6の機械的強度をさらに改善するために設けられる。
この保護層5は、硬化性樹脂、電荷輸送性材料を含む樹脂硬化膜、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成された膜などから成る。硬化性樹脂としては公知の樹脂を特に制限なく使用でき、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シロキサン樹脂等を使用することができる。
保護層5が電荷輸送性材料を含む構成を有する場合、電荷輸送性材料としては、下記一般式(4)で表される化合物が好ましく用いられる。
F[−D−A] (4)
一般式(4)中、Fは光機能性化合物から誘導される有機基を表す。Dは可とう性サブユニットを表す。Aは−Si(R21(3−a)(OR22で表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を表す。ここで、R21は水素原子、アルキル基、又は、置換若しくは未置換のアリール基を表し、R22は水素原子、アルキル基、又は、トリアルキルシリル基を表し、aは1〜3の整数を表し、bは1〜4の整数を表す。
一般式(4)中、Aは、−Si(R21(3−a)(OR22で表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を表すが、この置換ケイ素は、Si基により、互いに架橋反応を起こして、3次元的なSi−O−Si結合、すなわち、無機ガラス質ネットワークを形成する役割を担う構造である。
一般式(4)中、Fは、光電特性、具体的には特に光キャリア輸送特性を有するユニットであり、従来、電荷輸送物質として知られている構造をそのまま用いることができる。Fとして具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、などの正孔輸送性を有する化合物骨格、およびキノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物、などの電子輸送性を有する化合物骨格を用いることができる。
Fで表される有機基の好ましい例としては、下記一般式(5)で表される基が挙げられる。Fが一般式(5)で表される基であると、特に優れた光電特性と機械特性を示す。
Figure 2006178002
一般式(5)中、Ar11〜Ar14は各々独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar15は置換若しくは未置換のアリール基、又はアリーレン基を示し、且つAr11〜Ar15のうち1〜4個は−D−Aで表される基との結合手を有する。D及びAはそれぞれ上記一般式(4)中のD及びAと同一の定義内容を示す。kは0又は1を示す。
上記一般式(5)中のAr11〜Ar14としては、下記式(5−1)〜(5−7)のうちのいずれかであることが好ましい。
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
−Ar−(Z’)−Ar−Z (5−7)
上記式(5−1)〜(5−7)中、R23は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選ばれる1種を示し、R24〜R26はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を示し、Arは置換又は未置換のアリーレン基を示し、Zは一般式(4)中の−D−Aで表される基を示し、m及びsはそれぞれ独立に0又は1を示し、tはそれぞれ独立に1〜3の整数を示す。
ここで、式(5−7)中のArとしては、下記式(5−7−1)又は(5−7−2)で表されるものが好ましい。
Figure 2006178002
Figure 2006178002
上記式(5−7−1)及び(5−7−2)中、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、未置換若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はハロゲン原子を示し、tは1〜3の整数を示す。
また、式(5−7)中のZ’としては、下記式(5−7−3)〜(5−7−10)のうちのいずれかで表されるものが好ましい。
−(CH− (5−7−3)
−(CHCHO)− (5−7−4)
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
上記式(5−7−3)〜(5−7−10)中、R29及びR30はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、未置換若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を示し、Wは2価の基を示し、q及びrはそれぞれ独立に1〜10の整数を示し、tはそれぞれ独立に1〜3の整数を示す。
上記式(5−7−9)及び(5−7−10)中のWとしては、下記(5−7−11)〜(5−7−19)で表される2価の基のうちのいずれかであることが好ましい。
−CH− (5−7−11)
−C(CH− (5−7−12)
−O− (5−7−13)
−S− (5−7−14)
−C(CF− (5−7−15)
−Si(CH− (5−7−16)
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
上記式(5−7−18)中、uは0〜3の整数を示す。
また、一般式(5)中、Ar15は、kが0のときはAr11〜Ar14の説明で例示されたアリール基であることが好ましく、kが1のときはかかるアリール基から所定の水素原子を除いたアリーレン基であることが好ましい。
一般式(4)中、Dは、可とう性サブユニットを示すが、具体的には、光電特性を付与するためのF部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークに直接結合で結びつくA部位とを結びつける働きを担い、かつ、堅さの反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜としての強靱さを向上させるという働きを担う構造を表す。Dとして具体的には、−C2n−、−C2n−2−、−C2n−4−で表わされる2価の炭化水素基(nは1〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH−C−、−N=CH−、−C−C−、及びこれらを組み合わせたものや置換基を導入したもの等が挙げられる。
一般式(4)中、bは2以上であることが好ましい。bga2以上であると、一般式(4)で表される光機能性有機ケイ素化合物がSi原子を2つ以上有することになり、無機ガラス質ネットワークの形成が容易となり、機械的強度が向上する傾向にある。
一般式(4)で表される化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
一般式(4)で表される化合物と共に、硬化膜の機械的強度をさらに向上させる目的で、下記一般式(6)で表される化合物を併用してもよい。
B(−A) ・・・(6)
上記式(6)中、Aは一般式(4)中のAと同一の定義内容を示し、Bは、枝分かれを含んでもよいg価の炭化水素基、g価のフェニル基、又は−NH−、或いはこれらの2種以上の組み合わせから構成されるg価の基を示し、gは2以上の整数を示す。
上記一般式(6)で表される化合物は、A部位、すなわち、−Si(R21(3−a)(OR22で表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を有している化合物である。この一般式(6)で表される化合物は、A部位に含まれるSi基の部分が一般式(4)で表される化合物或いは一般式(6)で表される化合物自身と反応し、Si−O−Si結合となって3次元的な架橋硬化膜を形成する。一般式(4)で表される化合物も同様のSi基を有しているので、それのみで硬化膜を形成することも可能であるが、一般式(6)で表される化合物は2個以上のA部位分子構造の両端にアルコキシシリル基を有しているので硬化膜の架橋構造が3次元的になり易く、より強い機械強度を有するようになると考えられる。また、一般式(4)で表される化合物におけるD部分と同様、硬化膜に適度な可とう性を与える役割もある。
上記一般式(6)で表される化合物としては、下記一般式(6−1)〜(6−5)で表されるものが好ましい。
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
Figure 2006178002
上記式(6−1)〜(6−5)中、T及びTはそれぞれ独立に、枝分かれしていてもよい2価又は3価の炭化水素基を示す。また、Aは、−Si(R21(3−a)(OR22で表される加水分解性を有する置換ケイ素基を示す。h、i、jはそれぞれ独立に1〜3の整数をし、且つ、分子内のAの数が2以上となるように選ばれる。
上記一般式(6)で表される化合物の好ましい例を表1に示す。なお、表1中、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を示し、Prはプロピル基を示す。
Figure 2006178002
また、上記一般式(4)で表される化合物と共に、更に架橋反応可能な他の化合物を併用してもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコーン系ハードコート剤等を用いることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、CR−39、X−12−2208、X−40−9740、X−41−1007、KNS−5300、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
また、保護層5には、表面潤滑性を付与する目的でフッ素含有化合物を添加できる。表面潤滑性を向上させることによりクリーニング部材との摩擦係数が低下し、耐摩耗性を向上させることができる。また、感光体表面に対する放電生成物、現像剤および紙粉などの付着を防止する効果も有し、感光体の寿命向上に役立つ。
フッ素含有化合物としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有ポリマーをそのまま添加するか、あるいはそれらポリマーの微粒子を添加することができる。また、上記一般式(4)で表される化合物により形成される硬化膜の場合、フッ素含有化合物としては、アルコキシシランと反応できるものを添加し、架橋膜の一部として構成することが望ましい。そのようなフッ素含有化合物の例として、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有化合物の含有量は、保護層5全量を基準として20質量%以下とすることが好ましい。フッ素含有化合物の含有量が20質量%を超えると、架橋硬化膜の成膜性に問題が生じる場合がある。
上記化合物を含む保護層5は十分な耐酸化性を有しているが、更に強い耐酸化性を付与する目的で、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の含有量としては、保護層5全量を基準として15質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
ここで、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
また、保護層5には公知の塗膜形成に用いられる添加剤を添加することも可能であり、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、界面活性剤、など公知の添加剤を添加することができる。
保護層5は、上記化合物を含有する塗布液を感光層6上に塗布し、加熱処理することで形成することができる。これにより、上記一般式(4)で表される化合物等が3次元的に架橋硬化反応を起こし、強固な硬化膜が形成される。加熱処理の温度は、保護層5が形成される感光層6等、下層に影響しなければ特に制限はないが、好ましくは室温〜200℃、より好ましくは100〜160℃である。
架橋硬化反応は、無触媒で行なってもよく、また、適切な触媒を用いてもよい。触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、等の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、オクエ酸第一スズ等の有機スズ化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、アルミニウムキレート化合物等が挙げられる。
保護層5を形成するための塗布液に用いる溶剤としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルエーテル、ジブチルエーテル等の通常の有機溶剤を用いることができる。これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができるが、この塗布液が塗布される感光層6を溶解しにくい溶剤を用いることが好ましい。
保護層5を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
以上説明した構成を有する保護層5の膜厚は、0.5〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。
また、感光体110において、下引層4、電荷発生層1、電荷輸送層2及び保護層5の少なくとも1つの層には樹脂粒子を含有させることが好ましい。樹脂粒子は導電性支持体3の光の反射防止作用のために用いられ、その平均粒径は1.0μm以上であることが好ましい。樹脂粒子として具体的には、シリコーン樹脂粒子、フッ素系樹脂粒子等が挙げられる。この樹脂粒子を下引層4、電荷発生層1、電荷輸送層2及び保護層5の少なくとも1つの層に含有させることにより、画像形成時の露光光源としてレーザービーム等の可干渉光源を用いた場合に、感光体内部で発生し得る干渉光による木目状の濃度ムラを抑制することができる。また、かかる効果をより十分に得る観点から、樹脂粒子の平均粒径は0.05〜5.0μmであることが好ましい。
下引層4、電荷発生層1、電荷輸送層2及び保護層5の少なくとも1つの層における樹脂粒子の含有量は特に制限されないが、上述した効果をより十分に得る観点から、樹脂粒子を含有させる層全量を基準として0.005〜40質量%であることが好ましく、0.005〜20質量%であることがより好ましい。
電子写真感光体110において、より高い解像度を得る観点から、電荷発生層1より上層の機能層の膜厚は50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましい。機能層が薄膜の場合は上述した下引層4と高強度な保護層5の組み合わせが特に有効に用いられる。
以上、本発明の電子写真感光体の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の電子写真感光体は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態の電子写真感光体100及び110においては、感光層6が積層構造を有している場合について説明したが、感光層6は積層構造を有するものに限定されず、図3及び4に示す電子写真感光体120及び130のように、感光層6が単層構造を有するものであってもよい。なお、電子写真感光体120及び130は、感光層6が単層構造を有するものであること以外は、それぞれ図1に示した電子写真感光体100及び図2に示した電子写真感光体110と同様の構成を有する。
以上説明した本発明の電子写真感光体は、近赤外光もしくは可視光に発光するレーザービームプリンター、デジタル複写機、LEDプリンター、レーザーファクシミリなどの画像形成装置や、このような画像形成装置に備えられるプロセスカートリッジに搭載することができる。また本発明の電子写真感光体は一成分系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤とも合わせて用いることができる。また本発明の電子写真感光体は帯電ローラーや帯電ブラシを用いた接触帯電方式の画像形成装置に搭載されて、電流リークの発生が少ない良好な特性が得られる。
(電子写真装置及びプロセスカートリッジ)
図5は、本発明の電子写真装置の好適な一実施施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
図5に示す電子写真装置200は、本発明の電子写真感光体7と、電子写感光体7を接触又は近接方式により帯電させる帯電手段8と、帯電手段8に接続された電源9と、帯電手段8により帯電される電子写真感光体7を露光して静電潜像を形成する露光手段10と、露光手段10により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段11と、現像手段11により形成されたトナー像を被転写体20に転写する転写手段12と、クリーニング手段13と、除電器14と、定着装置15とを備える。
帯電手段8としては、例えばローラー状、ブラシ状、ブレード状、フィルム状又はピン電極状の導電性又は半導電性の帯電部材を用いた接触型帯電器、上記帯電部材を感光体7表面に対して一定のギャップを設けて近接配置した近接型帯電器等が用いられる。なお、帯電手段8としては、接触型又は近接型のものに限定されず、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などの非接触型帯電器などを用いてもよい。
ここで、接触型又は近接型帯電器における帯電部材としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。
芯材の材質としては、導電性を有するもの、例えば、鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。また、導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることができる。
弾性層の材質としては、導電性あるいは半導電性を有するもの、例えば、ゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散したものが使用可能である。ゴム材としてはEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エポキシゴム等が用いられる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としてはカーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、Sb、In、ZnO、MgO等の金属酸化物を用いることができる。これらの材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
抵抗層および保護層の材質としては、結着樹脂に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御したものが挙げられる。結着樹脂としては、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等が用いられる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としては、弾性層と同様のカーボンブラック、金属、金属酸化物が用いられる。また必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。
これらの層を形成する手段としてはブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、溶融成形法、注入成形法等を用いることができる。
これらの導電性部材を用いて感光体を帯電させる際には、導電性部材に電圧が印加されるが、かかる印加電圧は直流電圧、直流電圧に交流電圧を重畳したもののいずれでもよい。また、帯電時の感光体7の表面電位は、−400〜−200Vとすることが好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる帯電方式には、特に制限はない。しかし、近年は、オゾンの発生量が少なく、環境負荷性の小さい接触又は近接帯電方式が好ましく用いられる傾向にある。一般に、接触又は近接帯電方式は、スコロトロンやコロトロンなどの非接触式帯電方式と比較して帯電能力が弱く、特に高速応答が必要な画像形成装置においては問題となりやすい。帯電能力が弱い場合、電子写真感光体の感光層中に残留している電荷が、ゴーストなどの画質欠陥を引き起こす原因となる。しかし、上述した本発明の電子写真感光体を備える画像形成装置であれば、感光層中に電荷が残留することを十分に抑制することができ、接触又は近接帯電方式を用いつつ、ゴースト等の画質欠陥の発生を十分に抑制することができる。
露光手段10としては、上記電子写真感光体7表面に、半導体レーザ、LED(light emitting diode)、液晶シャッターなどの光源を所望の像様に露光できる光学系装置などが用いられる。
光源としてLEDを用いる場合、その露光波長は500〜800nmであることが好ましい。また、光源としてLEDを用いる場合には感光体内部で干渉光が生じないため、木目状の濃度ムラが生じないという利点がある。
現像手段11としては、一成分系、二成分系などの正規又は反転現像剤を用いた従来公知の現像手段などが用いられる。
現像手段11に使用されるトナーの形状については特に制限はなく、不定形、球形あるいは他の特定の形状のものであっても使用することができる。これらの中でも、高画質化、エコロジーの観点から球形トナーが好ましく用いられる。球形トナーとは、高転写効率を達成するために、平均形状係数(ML/A)100〜145、好ましくは100〜140の範囲で表される球形状を有するトナーである。この平均形状係数(ML/A)が145より大きくなると転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が目視で確認できてしまう傾向にある。
球形トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる。この球形トナーは、好ましくは2〜12μmの粒子、より好ましくは3〜9μmの粒子を用いることができる。
結着樹脂としては、スチレン類、モノオレフィン類、ビニルエステル類、α―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が代表的なものとして挙げられる。
球形トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機微粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤を用いることができる。
他の無機微粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒径が40nm以下の小径無機微粒子を用いることができ、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機あるいは有機微粒子を併用してもよい。これらの他の無機微粒子は公知のものを使用できる。
また、小径無機微粒子については、表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
球形トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。具体的には、例えば混練粉砕法、混練粉砕法によって得られた粒子を、機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等が挙げられる。また、上記方法で得られた球形トナーをコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、球形トナー及び外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、球形トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
転写手段12としては、ベルト、ローラー、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器などが用いられる。また、転写電圧は300〜700Vの範囲であることが好ましい。なお、転写手段12は、低電圧制御方式で転写する構成を有していてもよい。
クリーニング手段13は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は、次の画像形成プロセス(電子写真プロセス)に繰り返し供される。
クリーニング手段13としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としては、ウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
除電器14は、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象を防止するためのものであり、これにより、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、画像品質をより高めることができる。なお、本発明の画像形成装置は、除電器14を備えない構成を有していてもよい。
なお、図5には示していないが、本発明の画像形成装置は中間転写手段を備えるものであってもよい。本発明にかかる中間転写手段としては、導電性支持体上にゴム、エラストマー、樹脂などを含む弾性層と少なくとも1層の被服層とが積層された構造を有するものを使用することができ、その材料としては使用される材料は、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素樹脂等の樹脂に対して、導電性のカーボン粒子や金属粉等を分散混合させたもの等が挙げられる。また、上記中間転写手段の形状としては、ローラー状、ベルト状などが挙げられる。
図6は本発明の画像形成装置の他の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。なお、図6中の矢印は、各回転部材の回転方向を示す。図6に示す画像形成装置210は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)用の各感光体ドラム31(31C,31M,31Y,31K)を有する画像形成ユニット30(30C,30M,30Y,30K)と、これら感光体ドラム31に接触する一次帯電用の帯電装置32(32C,32M,32Y,32K)と、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各色のレーザ光33(33C,33M,33Y,33K)を照射する図示しないレーザ光学ユニット等の露光装置と、各色成分トナーが含まれる現像剤を収容した現像装置34(34C,34M,34Y,34K)と、上記4つの感光体ドラム31のうちの2つの感光体ドラム31C,31Mに接触する第1の一次中間転写ドラム41及び他の2つの感光体ドラム31Y,31Kに接触する第2の一次中間転写ドラム42と、上記第1、第2の一次中間転写ドラム41,42に接触する二次中間転写ドラム43と、この二次中間転写ドラム43に接触する最終転写ロール44とで、その主要部が構成されている。
また、帯電装置32は、感光体ドラム31を帯電する帯電ロール70と、この帯電ロール70の上流側にリフレッシャとしてのブラシロール71とを備え、このブラシロール71にて感光体ドラム31上の異物(残留トナーやキャリアなど)を除去し、帯電ロール70側に感光体ドラム31上の異物が転移しないようになっている。また、一次中間転写ドラム41,42及び二次中間転写ドラム43にはそれぞれのドラム表面の異物(残留トナーや異物)を一時的に保持するリフレッシャとしての一次中間ブラシロール61,62、及び、二次中間ブラシロール63が接触配置されている。更に、最終転写ロール44には例えばブレードクリーニング方式を採用したクリーニング装置64(64a:ブレード)が設けられている。
ここで、画像形成装置210に搭載されている各感光体ドラム31は、それぞれ本発明の電子写真感光体である。
各感光体ドラム31は、共通の接平面Aを有するように一定の間隔をおいて配置されている。また、第1の一次中間転写ドラム41及び第2の一次中間転写ドラム42は、各回転軸が該感光体ドラム31軸に対し平行かつ所定の対象面を境界とした面対象の関係にあるように配置されている。更に、二次中間転写ドラム43は、該感光体ドラム31と回転軸が平行であるように配置されている。各色毎の画像情報に応じた信号は、図示しない画像処理ユニットによりラスタライジングされて図示しないレーザ光学ユニットに入力される。このレーザ光学ユニットでは、各色のレーザ光33が変調され、対応する色の感光体ドラム31にそれぞれ照射される。
上記各感光体ドラム31の周囲では、周知の電子写真方式による各色毎の画像形成プロセスが行なわれる。まず、上記感光体ドラム31としては所定の直径(例えば20mm)のOPC感光体を用いた感光体ドラムが用いられ、これらの感光体ドラム31は所定のプロセス速度(例えば95mm/sec)の回転速度で回転駆動される。上記感光体ドラム31の表面は、図6に示すように、帯電装置32に所定の帯電レベル(例えば約−800V)のDC電圧を印加することによって、所定レベルに一様に帯電される。なお、本実施形態では、上記帯電装置32に対してDC成分のみを印加しているが、AC成分をDC成分に重畳するように構成することもできる。
このようにして一様な表面電位を具備した感光体ドラム31の表面には、露光装置としてのレーザ光学ユニットによって各色に対応したレーザ光33が照射され、各色毎の入力画像情報に応じた静電潜像が形成される。レーザ光学ユニットで静電潜像が書き込まれることにより、感光体ドラム31上の画像露光部の表面電位は所定レベル(例えば−60V以下程度)にまで除電される。また、上記感光体ドラム31の表面に形成された各色に対応した静電潜像は、対応する色の現像装置34によって現像され、各感光体ドラム31上に各色のトナー像として可視化される。
次に、上記各感光体ドラム31上に形成された各色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム41及び第2の一次中間転写ドラム42上に、静電的に一次転写される。感光体ドラム31C,31M上に形成されたシアン(C)およびマゼンタ(M)色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム41上に、感光体ドラム31Y,31K上に形成されたイエロ(Y)、ブラック(K)色のトナー像は、第2の一次中間転写ドラム42上に、それぞれ転写される。この後、第1、第2の一次中間転写ドラム41,42上に形成された単色又は二重色のトナー像は、二次中間転写ドラム43上に静電的に二次転写される。従って、二次中間転写ドラム43上には、単色像からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)色の四重色像までの最終的なトナー像が形成されることになる。
最後に、上記二次中間転写ドラム43上に形成された単色像から四重色像までの最終的なトナー像は、最終転写ロール44によって、用紙搬送路50を通る用紙に三次転写される。この用紙は、不図示の紙送り工程を経て用紙搬送ロール51を通過し、二次中間転写ドラム43と最終転写ロール44とのニップ部に送り込まれる。この最終転写工程の後、用紙上に形成された最終的なトナー像は、定着装置52によって定着され、一連の画像形成プロセスが完了する。
図7は、本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ300は、本発明の電子写真感光体7とともに、帯電手段8、現像手段11、クリーニング手段13、露光のための開口部18、及び除電器14を、取り付けレール16を用いて組み合わせて一体化したものである。そして、このプロセスカートリッジ300は、転写手段12と、定着装置15と、図示しない他の構成部分とからなる電子写真装置本体に対して着脱自在としたものであり、電子写真装置本体とともに電子写真装置を構成するものである。
以上説明した本発明の電子写真装置及びプロセスカートリッジによれば、本発明の電子写真感光体を備えているため、画像形成時にゴーストの発生を十分に抑制することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(下引層の形成)
酸化亜鉛(平均粒子径70nm、比表面積値15m/g、テイカ社製試作品)100質量部をトルエン500質量部に加えて撹拌混合し、シランカップリング剤(KBM603、信越化学社製)1.25質量部を添加して2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛顔料を得た。
上記の表面処理された酸化亜鉛顔料60質量部、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部、及びブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて分散を行って、混合液を調製した。ここで、サンドミルによる分散は、サンドミル内のガラスビーズ充填率74体積%、分散時流速1100ml/分の条件で行った。混合液の調製過程において、混合液を適宜サンプリングし、得られたサンプリング液をガラスプレート上に乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、乾燥して塗膜を形成した後、分光光度計を用いて波長950nmの光に対する塗膜の透過率を測定した。このようにして透過率をモニターしながら分散を行い、透過率が85%となった時点で分散を終了して混合液を得た。このときの分散液がサンドミル内に滞留している平均時間は1時間であった。
得られた混合液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
この塗布液を浸漬塗布法にて直径20mm、長さ249mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行って、膜厚25μmの下引層を形成した。
(電子写真感光体の作製)
次に、下引層上に感光層を形成した。まず、電荷発生物質としてのCukα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2θ±0.2°)7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、ユニオンカーバイト社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温で乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
さらに、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1、1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4万)6質量部とをテトラフドロフラン80質量部に加えて溶解した電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布し、115℃、40分の乾燥を行うことにより膜厚15μmの電荷輸送層を形成し、図1に示す構成を有する電子写真感光体を得た。
上記のように作製した電子写真感光体を、接触型直流電圧帯電システム及び低電圧転写システムを有するPhaser6250(ゼロックスコーポレーション社製)に搭載し、画像形成装置を得た。
[実施例2]
下引層形成用塗布液の調製において、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
得られた電子写真感光体を、静電潜像を形成する露光装置を波長500〜800nmの発光ダイオードに改造したPhaser6250(ゼロックスコーポレーション社製)に搭載し、画像形成装置を得た。
[実施例3]
混合液の調製において、波長950nmの光に対する塗膜の透過率が80%となるまで分散を行った以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。なお、混合液を調製する際の分散液がサンドミル内に滞留している平均時間は0.8時間であった。
得られた電子写真感光体を、接触型直流電圧帯電システム及び低電圧転写システムを有するPhaser6250(ゼロックスコーポレーション社製)に搭載し、画像形成装置を得た。
[実施例4]
混合液の調製において、波長950nmの光に対する塗膜の透過率が70%となるまで分散を行った以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。なお、混合液を調製する際の分散液がサンドミル内に滞留している平均時間は0.7時間であった。
得られた電子写真感光体を、接触型直流電圧帯電システム及び低電圧転写システムを有するPhaser6250(ゼロックスコーポレーション社製)に搭載し、画像形成装置を得た。
[実施例5]
酸化錫(商品名:S1、三菱マテリアル社製)100質量部をトルエン500質量部に加えて攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603、信越化学社製)1.25質量部を添加して2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理された酸化錫顔料を得た。
上記の表面処理された酸化錫顔料60質量部、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部、及びブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて分散を行って、混合液を調製した。ここで、サンドミルによる分散は、サンドミル内のガラスビーズ充填率74体積%、分散時流速1100ml/分の条件で行った。混合液の調製過程において、混合液を適宜サンプリングし、得られたサンプリング液をガラスプレート上に乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、乾燥して塗膜を形成した後、分光光度計を用いて波長950nmの光に対する塗膜の透過率を測定した。このようにして透過率をモニターしながら分散を行い、透過率が85%となった時点で分散を終了して混合液を得た。このときの分散液がサンドミル内に滞留している平均時間は1.5時間であった。
得られた混合液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
上記のようにして調製した下引層形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
得られた電子写真感光体を、静電潜像を形成する露光装置を波長500〜800nmの発光ダイオードに改造したPhaser6250(ゼロックスコーポレーション社製)に搭載し、画像形成装置を得た。
[比較例1]
混合液の調製において、波長950nmの光に対する塗膜の透過率が60%となるまで分散を行った以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。なお、混合液を調製する際の分散液がサンドミル内に滞留している平均時間は0.6時間であった。
得られた電子写真感光体を、接触型直流電圧帯電システム及び低電圧転写システムを有するPhaser6250(ゼロックスコーポレーション社製)に搭載し、画像形成装置を得た。
[比較例2]
混合液の調製において、波長950nmの光に対する塗膜の透過率が20%となるまで分散を行った以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。なお、混合液を調製する際の分散液がサンドミル内に滞留している平均時間は0.4時間であった。
得られた電子写真感光体を、接触型直流電圧帯電システム及び低電圧転写システムを有するPhaser6250(ゼロックスコーポレーション社製)に搭載し、画像形成装置を得た。
<画質評価試験>
実施例1〜5及び比較例1〜2の画像形成装置を用い、転写電圧を300V、400V及び500Vに設定した場合のそれぞれについて、画像形成を繰り返し100回行った。100回目のプリント画像を目視によって観察し、ゴースト発生の有無を評価した。その結果を表2に示す。
また、上記の10回ごとのプリント画像を目視によって観察し、木目状の濃度ムラの発生の有無を確認したところ、実施例1〜5及び比較例1〜2の画像形成装置のいずれにおいても、300V、400V及び500Vの各転写電圧で濃度ムラの発生は認められなかった。
Figure 2006178002
表2に示した結果から明らかなように、本発明の画像形成装置(実施例1〜5)によれば、比較例1〜2の画像形成装置と比較して、ゴーストの発生を十分に抑制できることが確認された。
本発明の電子写真感光体の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の第2実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明の電子写真装置の他の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、4…下引層、5…保護層、6…感光層、7…電子写真感光体、8…帯電手段、9…電源、10…露光手段、11…現像手段、12…転写手段、13…クリーニング手段、14…除電器、15…定着手段、16…取り付けレール、18…露光のための開口部、20…被転写体、100,110,120,130…電子写真感光体、200,210…電子写真装置、300…プロセスカートリッジ。

Claims (5)

  1. 電子写真感光体の導電性支持体と感光層との間に配置される、導電性金属酸化物及び結着樹脂を含む下引層を形成するための塗布液の製造方法であって、
    導電性金属酸化物と硬化性樹脂と硬化剤と溶媒とからなる混合液を、該混合液を硬化させて膜厚20μmの塗膜を形成したときに該塗膜の波長950nmの光に対する透過率が70%以上となるように、調製する工程を備えることを特徴とする下引層形成用塗布液の製造方法。
  2. 導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた下引層と、該下引層上に設けられた感光層とを備える電子写真感光体であって、
    前記下引層は、請求項1記載の製造方法により得られた下引層形成用塗布液を用いて形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 前記下引層及び/又は前記感光層は、平均粒径1.0μm以上の樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 請求項2又は3記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
    を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 請求項2又は3記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、
    前記電子写真感光体上に静電潜像を形成するための露光手段と、
    前記電子写真感光体上に形成された前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段と、
    前記トナー像を被転写体に転写するための転写手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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