JP4483693B2 - 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP4483693B2
JP4483693B2 JP2005137862A JP2005137862A JP4483693B2 JP 4483693 B2 JP4483693 B2 JP 4483693B2 JP 2005137862 A JP2005137862 A JP 2005137862A JP 2005137862 A JP2005137862 A JP 2005137862A JP 4483693 B2 JP4483693 B2 JP 4483693B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive member
electrophotographic photosensitive
layer
resin
exposure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005137862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006317557A (ja
Inventor
昌彦 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2005137862A priority Critical patent/JP4483693B2/ja
Publication of JP2006317557A publication Critical patent/JP2006317557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4483693B2 publication Critical patent/JP4483693B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真感光体、この電子写真感光体を用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
いわゆる電子写真式の画像形成装置は、電子写真感光体を用いて帯電、露光、現像、転写などの工程を含む画像形成サイクルを行うことにより画像を形成する装置であり、高速、かつ高印字品質が得られるという利点を有するため、複写機、レーザビームプリンター等の分野で広く利用されている。これら電子写真式の画像形成装置において用いられる電子写真感光体として、安価で製造性および廃棄性の点で優れた利点を有する、有機光導電材料を用いた有機電子写真感光体が広く用いられている。
有機電子写真感光体の場合、アルミニウムなどの導電性基体上に下引き層を形成し、その上に感光層を形成する構成を取るものが多い。電子写真感光体において下引き層の果たすべき役割は大きく、導電性基体と感光層を十分に密着させるための結着層としてだけではなく、導電性基体上の欠陥や汚れを隠蔽したり、導電性基体より感光層に対して、電荷が過剰に注入するのを防ぐ役割も担う。
近年、電子写真式の画像形成装置において、非接触帯電方式であるコロトロンに替わり、オゾン発生量の少ない接触帯電方式の帯電装置が用いられるようになり、電子写真感光体の局所的な劣化部に対して、接触帯電時に加わる局所的な高電界により、電気的なピンホールリークを生じ、これが画質欠陥(黒点)となって生じる場合がある。このピンホールリークは上述の電子写真感光体自体の塗膜欠陥などにより生じる場合もあるが、それ以外にも、電子写真式画像形成装置の装置内で発生したり、また外部より装置内に侵入してきた導電性の異物等が、電子写真感光体に接触または貫入することで生じることがある。
このような課題に対して、下引き層を厚膜化することで導電性基材の欠陥を隠蔽し、かつ、電子写真感光体外部からの導電性の異物の貫入を防ぐ方法が講じられている。下引き層を厚膜化する場合、電子写真感光体としての電気的特性を安定化させるために、下引き層中に金属酸化物微粒子を含有させる場合が多い。例えば、特許文献1には、酸化チタン微粒子を熱硬化性樹脂中に所定の体積含有率で含有させた下引き層を用いることで、黒点発生を防止する技術が提案されている。また、特許文献2には、酸化チタン微粒子を特定ブロック共重合体に含有させた下引き層により黒点発生を防止する技術が、またさらには、特許文献3には、酸化チタン微粒子を含有する下引き層中に、ポリエチレングリコールエステルを含有させることで、黒点発生を防止する技術が提案されている。
ピンホールリーク防止の観点からは、下引き層は厚いほど大きな効果を有する。しかし一方で、下引き層を厚膜化すると、下引き層が電気的特性に与える影響が大きくなる。そのため、下引き層と感光層の界面、および下引き層バルク内において、電荷がスムーズに流れるようにすることが重要となる。すなわち、電子写真感光体を負に帯電して使用する場合、下引き層から感光層へのホール(正孔)の注入性が低い(ホールブロッキング性が高い)こと、また、感光層から下引き層へのエレクトロン(電子)の注入性が高いことが望まれる。下引き層から感光層へのホールの注入性が高い場合、カブリや黒点などの画質欠陥が発生する。また、感光層から下引き層へのエレクトロンの注入性が低い場合は、前サイクルでの画像が次サイクルで浮き出る所謂ゴーストと呼ばれる現象や、長期使用における電気的特性の変化による画質低下を引き起こす原因となる。
これら、下引き層と感光層の界面および下引き層バルク内での電荷の移動を改善するために、これまで種々の検討がなされている。例えば、下引き層から感光層へのホールの注入阻止性を向上させる手段として、特許文献4および特許文献5には、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いてホールブロッキング性を向上させる技術が提案されている。
特開平08−044096号公報 特開平11−338176号公報 特開平11−338178号公報 特開平08−166679号公報 特開平11−133649号公報
しかし、これら従来の技術を用いた場合では、下引き層と感光層界面および下引き層バルク内での電荷移動を十分には制御することができず、ゴーストの発生を効果的に防止することが困難であった。特に、ピンホールリークにより発生する黒点の発生を防止するために下引き層を厚膜化した場合、ゴーストの発生を効果的に防止する手段は、従来公知の技術では得ることができない。
本発明は、上記従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、ピンホールリークによる黒点の発生を防止しつつ、かつゴーストの発生のない良好な出力画像を得ることができる、電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下引き層中に金属酸化物微粒子、結着樹脂含有し、かつ電子写真感光体表面を繰り返し帯電、露光および光除電を行う過程で、下記式(1):−3.0≦(RP−ΔVL)/L≦−1.0(ただし、式(1)中、ΔVLは、露光波長780nm、露光光量1.6mJ/m の光で2サイクル目の露光後の電子写真感光体の表面電位から1サイクル目の露光の74ms後の電子写真感光体の表面電位を引いた差分を示し、RPは、光除電光量480mJ/m 、光除電波長600nm〜800nmの除電光を用いた1サイクル目の光除電の137ms後の電子写真感光体の表面電位を示し、Lは前記感光層の膜厚を示す。)を満たすことで、ゴーストの発生のない良好な特性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
<1>導電性支持体上に下引き層と感光層とを有する電子写真感光体において、
前記下引き層が金属酸化物微粒子、結着樹脂を含み、
かつ、前記電子写真感光体の表面を繰り返し帯電、露光および光除電を行う過程で下記式(1)を満たすことを特徴とする電子写真感光体である。
−3.0≦(RP−ΔVL)/L≦−1.0 式(1)
(ただし、式(1)中、ΔVLは、露光波長780nm、露光光量1.6mJ/m の光で2サイクル目の露光後の電子写真感光体の表面電位から1サイクル目の露光の74ms後の電子写真感光体の表面電位を引いた差分を示し、RPは、光除電光量480mJ/m 、光除電波長600nm〜800nmの除電光を用いた1サイクル目の光除電の137ms後の電子写真感光体の表面電位を示し、Lは前記感光層の膜厚を示す。)
<2> 前記下引き層の膜厚が15μm以上30μm以下であることを特徴とする<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 前記感光層は、電荷発生層および電荷輸送層を有することを特徴とする<1>乃至<2>のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
<4> 前記下引き層上に、前記感光層が当接形成されてなることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
<5> 前記金属酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、<1>乃至<4>のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
<6> 前記金属酸化物微粒子が、カップリング剤で表面処理されていることを特徴とする<1>乃至<5>のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
<7> 前記カップリング剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤であること特徴とする、<6>に記載の電子写真感光体である。
<8> 前記電荷発生層がフタロシアニン系顔料を含有することを特徴とする、<3>に記載の電子写真感光体である。
<9>前記フタロシアニン系顔料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、及び無金属フタロシアニンから選ばれる1種以上であることを特徴とする、<8>に記載の電子写真感光体である。
<10> <1>乃至<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置により帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
現像されたトナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置である。
<11> 前記転写装置において、前記トナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が、前記電子写真感光体表面に印加され、かつ該転写電圧により電子写真感光体の感光層に印加される電界強度が、1.0×105V/cm以上4.0×105V/cm以下の範囲であることを特徴とする、<10>に記載の画像形成装置である。
<12> <1>乃至<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電装置、像露光装置及びクリーニング装置からなる群より選ばれる少なくとも一つと、を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<13> 前記帯電手段として、前記感光体に接触して該感光体を帯電させる接触型帯電装置を備えることを特徴とする、<12>に記載のプロセスカートリッジである。
ゴーストが発生する主な要因としては、1)電子写真感光体自体が有している電気的特性の連続変動量(以下、「サイクル変動」と呼ぶ)、2)電子写真感光体が転写工程において受ける転写電圧の影響、の2点が挙げられる。電子写真感光体のサイクル変動に関して言えば、前サイクルで画像部(印字部)であった領域の次サイクルでの表面電位の上昇分が大きい場合は、前サイクルでの画像が薄く浮き出る、いわゆるネガゴーストと呼ばれる現象が発生する。逆に、次サイクルでの表面電位の低下分が大きい場合は、前サイクルでの画像が濃く浮き出る、いわゆるポジゴーストと呼ばれる現象が発生する。
また、印字部を像露光する反転現像方式の電子写真工程の場合、転写工程において電子写真感光体は、帯電電位とは逆極性の転写電圧が印加される。電子写真感光体表面の画像部(印字部)においては、現像工程において現像されたトナー層が存在し、非画像部(非印字部)には、トナー層は存在しない。そのため、転写工程において、非画像部は画像部と比較して、転写電圧の影響をより受け易い。転写電圧の影響が大きい程、次サイクルでの表面電位の低下分が大きくなる。したがって、転写電圧の影響を受け易い電子写真感光体の場合、前サイクルの画像部(印字部)に比して非画像部(非印字部)の、次サイクルにおける表面電位の低下が大きくなり、ネガゴーストが発生し易くなる。逆に、転写電圧の影響を受けにくい電子写真感光体では、ポジゴーストが発生し易くなる。すなわち、ゴーストは、電子写真感光体のサイクル変動分と、転写電圧の影響による電位変動分との組み合わせにより発生度合いが決定される。
本発明者らは、電子写真感光体のサイクル変動分は感光層内の電荷挙動に起因し、転写電圧の影響による電位変動分は下引き層内の電荷挙動に起因すること、および、両者が下引き層の状態により変動することを見出した。そして、さらには、両者の差分を単位感光層膜厚当たりの電界強度に置き換えたものを、前記所定の範囲に制御することで、ゴーストの発生が効果的に防止されることを見出した。
すなわち、本発明の式(1)において、(RP−ΔVL)/Lが−3.0よりも小さくなると、転写電界による影響が小さくなりポジゴーストが発生しやすくなる傾向があり、一方、式(1)において、(RP−ΔVL)/Lが−1.0よりも大きくなると転写電界による影響を受けやすくなりネガゴーストが発生しやすくなる傾向がある。
ここで、感光層内の電荷挙動に起因する電位変動分と、下引き層内の電荷挙動に起因する電位変動分は、帯電、露光、光除電を繰り返し行うことができる装置において、帯電後と光除電後電位を測定することで算出できる。
すなわち、感光層内の電荷挙動に起因する電位変動分は、帯電、露光、光除電を繰り返し行った場合の、1サイクル目に対する2サイクル目の露光後の電位変動分(ΔVL)として算出することができる。一方、下引き層内の電荷挙動に起因する電位変動分は、1サイクル目における光除電後の電位(RP)として算出することができる。上記のように、ΔVLおよびRPが測定・算出できるのは、ΔVLは感光層内の電荷挙動に起因するため、露光により感光層内で電荷が発生、移動した後の電位変動として現れ、RPは下引き層内の電荷挙動に起因するため、充分な光量により光除電された、比較的遅い時間領域内での電位変動として現れるためであると考えられる。
以上説明した通り、本発明によれば、ゴーストの発生のない良好な出力画像を得ることができる、電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジが提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1〜3はそれぞれ本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図であり、電子写真感光体1を基体2及び感光層3の積層方向に対して垂直な平面で切断したものである。図1〜2に示した電子写真感光体は、機能分離型感光体であり、各感光体が備える感光層3として電荷発生層5と電荷輸送層6が個別に設けられている。一方図3に示した電子写真感光体は、感光層が電荷発生物質と電荷輸送物質とを共に含有する単一の層からなる、単層型電子写真感光体である。
より詳しくは、図1に示した電子写真感光体1においては、導電性基体2上に下引き層4、電荷発生層5及び電荷輸送層6がこの順で積層されて感光体3が構成されており、図2に示した電子写真感光体1においては、導電性基体2上に下引き層4、電荷発生層5、電荷輸送層6及び保護層7がこの順で積層されて感光層3が構成されている。図3に示した電子写真感光体1においては、導電性基体2上に下引き層4、および感光層3がこの順で積層されている。図3の構成には保護層の記載はないが、必要に応じて設けてもよい。
以下、図2に示す電子写真感光体1に基づいて、各要素について説明する。
導電性基体2としては、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属製;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基体上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基体に蒸着したもの;金属箔を上記基体にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基体に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。また、導電性基体2の形状は、ドラム状、シート状、プレート状のいずれであってもよい。
下引き層4は、結着樹脂に金属酸化物微粒子を含有させて形成される。下引き層4が、十分なリーク耐性を発揮するためには、金属酸化物微粒子は、1×102〜1×1011Ω・cm程度の粉体抵抗があることが好ましい。中でも、上記抵抗値を有する酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子を用いるのが好ましく、さらには、酸化亜鉛が特に好ましく用いられる。尚、上記範囲の下限よりも金属酸化物微粒子の抵抗値が低いと十分なリーク耐性が得られず、この範囲の上限よりも高いと残留電位上昇を引き起こしてしまう懸念がある。また、金属酸化物微粒子は表面処理の異なるものあるいは粒子径の異なるものなど2種以上混合して用いることもできる。また、金属酸化物微粒子としては、一次粒子径が50〜200nmが好ましく、60〜150nmがより好ましい。一次粒子径が50nmより小さくなると、分散した下引き層形成用塗工液のチキソ性が高くなり、塗工液の取り扱いが困難になったり、均一な塗膜を形成することが困難となる。また、一次粒子径が200nmより大きくなると、酸化亜鉛粒子の分散性が悪くなり、酸化亜鉛粒子が均一に分散した塗工液を得ることが困難となる。
金属酸化物微粒子のBET比表面積値が10m2/g以上のものが好ましく用いられる。BET比表面積値が10m2/gより小さいものは帯電性低下を招きやすく、良好な電子写真特性を得にくい傾向がある。
さらに、金属酸化物微粒子は必要に応じて、表面処理を施すことができる。表面処理剤としてはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性材など所望の特性が得られるものであれば公知の材料から選択することができる。特にシランカップリング剤は良好な電子写真特性を与えるため好ましく用いられる。さらにアミノ基を有するシランカップリング剤は下引き層4に良好なブロッキング性を与えるため好ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては所望の感光体特性を得られるものであればいかなる物でも用いることができるが、具体的例としてはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用することもできる。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いることができるシランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でも使用可能であるが、乾式法あるいは湿式法を用いることができる。
乾式法にて表面処理を施す場合には金属酸化物微粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒まに溶解させたシランカップリング剤を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に処理される。添加あるいは噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが好ましい。溶剤の沸点以上の温度で噴霧すると、均一に攪拌される前に溶剤が蒸発し、シランカップリング剤が局部的にかたまってしまい均一な処理ができにくい欠点があり、好ましくない。添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。
湿式法としては、金属酸化物微粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミルなどを用いて分散し、シランカップリング剤溶液を添加し攪拌あるいは分散したのち、溶剤除去することで均一に処理される。溶剤除去方法はろ過あるいは蒸留により留去される。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。湿式法においては表面処理剤を添加する前に金属酸化物微粒子含有水分を除去することもでき、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いることもできる。
下引き層4中の金属酸化物微粒子に対するシランカップリング剤の量は所望の電子写真特性が得られる量であれば任意に設定できる。
下引き層4に含有されるバインダー樹脂としては、良好な膜を形成できるもので、かつ所望の特性が得られるものであれば公知のいかなるものでも使用可能である。
このバインダー樹脂としては、例えばポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等を用いることができる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
下引き層形成用塗布液中の金属酸化物微粒子とバインダー樹脂との比率は所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定できる。
下引き層形成用塗布液には電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いることができる。
添加物としては、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等
の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。シランカップリング剤は金属酸化物の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いることもできる。ここで用いられるシランカップリング剤の具体例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等である。ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
下引き層形成用塗布液を調整するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
金属酸化物微粒子を結着樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの公知の方法を用いることができる。さらにこの下引層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬塗布法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
さらに、下引き層の膜厚は15μm以上30μm以下であることが好ましく、18μm以上28μm以下であることがより好ましい。下引き層膜厚が15umより薄い場合、ピンホールリークにより発生する黒点を、効果的に防止することが困難となる。また下引き層膜厚が30μmより厚い場合は、下引き層内に蓄積される電荷量が多くなり、電子写真感光体としての電気的特性が悪化してしまう。
ここで、前記の如く感光層内の電荷挙動に起因する電位変動分を示すΔVLと、下引き層内の電荷挙動に起因する電位変動分を示すRP、および感光層膜厚Lを所定の関係に設定するためには、下引き層4における金属酸化物微粒子の分散状態が重要である。すなわち、金属酸化物微粒子が過剰に微細に分散されている(過分散の)場合、下引き層内に保持され得る電荷量が減少し、ΔVLとRPおよびLの関係を所望の状態に設定することが困難となる。したがって、本発明の特性を得るためには、下引き層中の金属酸化物微粒子の分散度合いを制御し、ΔVLとRPおよびLを所定の関係に調整することが肝要である。
金属酸化物微粒子の分散度合いは、分散において印加される分散力(分散シェア)と分散時間により、制御することができる。例えば、前記ペイントシェーカーにより分散を行う場合、被分散液と共に分散容器内に封入する分散ビーズの量を増やしたり、比重の大きい分散ビーズを用いたりすると、より分散が進行し、金属酸化物微粒子がより微細に分散される。また、分散時間を長く設定しても、同様に分散が進行する。逆に、分散ビーズ量を少なくしたり、比重の小さい分散ビーズを使用したり、あるいは分散時間を短く設定したりすると、金属酸化物微粒子は、あまり分散されていない状態となる。分散度合いを進行させると(金属酸化物微粒子が微細に分散されていると)、下引き層内の電荷挙動に起因する電位変動分RPは小さくなる傾向にあり、逆に、分散度合いがあまり進行していない状態では、電位変動分RPは大きくなる傾向がある。このことは、分散方法を換えても分散の度合いにより同様な傾向がある。
RPの値は金属酸化物の径直径および量、分散メディアの材質および量、分散時間等により調整できる、例えば、下引き層に含有させる金属酸化物として酸化亜鉛粒子を用いた場合、粒子の径を50nm〜200nm(μm)とし、分散時間を1.5時間以上とすることで、RPを−20(V)以上にできる傾向があり、分散時間を0.3以上〜1.5時間未満分散することで、RPを−20(V)より小さく−45(V)以下に調整でき、分散時間を0.3時間未満とすることでRPを−45Vより小さく調整できる傾向がある。
また、一方で、感光層内の電荷挙動に起因する電位変動分を示すΔVLは、感光層の構成およびその構成材料等により決定される。例えば、高感度の電荷発生材料を用いるとΔVLは大きくなる傾向にあり、また逆に、感度がそれほど高くない電荷発生材料を用いると、ΔVLは小さくなる傾向にある。
したがって、本発明の特性を得るためには、感光層の構成と、下引き層の分散度合い、感光層の膜厚を制御し、その組み合わせにより式(1)の(RP−ΔVL)/Lを制御することができる。例えば、RPが大きくなる場合には、感度を低くしてΔVLを小さくし、また、RPが小さくなる場合には、感度の高い電荷発生材料を用い、RPとΔVLおよびLを所定の関係に調整し、(RP−ΔVL)/Lを特定の範囲にすることができる。
ここで、ΔVLが大きくなる傾向を示す電荷発生材料としては、例えばヒドロキシガリウムフタロシアニンやオキソチタニルフタロシアニン等が挙げられ、ΔVLを小さくする傾向を示す電荷発生材料としてはクロロガリウムフタロシアニンやビスアゾ系顔料等が挙げられる。
また、下引き層4の表面粗さはモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)〜1/2λに調整される。表面粗さ調整のために下引層中に樹脂などの粒子を添加することもできる。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等を用いることができる。
また、表面粗さ調整のために下引層を研磨することもできる。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いることもできる。
感光層3を構成する電荷発生層5は、結着樹脂(バインダー樹脂)と、電荷発生物質を含有する。電荷発生物質としては、従来公知の電荷発生物質であれば、いかなるものも使用できるが、中でも、フタロシアニン顔料が電子写真感光体の感度の点で好ましく用いられる。さらに、フタロシアニン顔料の中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、無金属フタロシアニンがさらに好ましく用いられる。
電荷発生物質は、所定の結着樹脂中に分散保持されて電荷発生層5を構成する。かかる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアセタール樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好ましく用いられる。これらの結着樹脂は1種を単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましく、さらには、8:2〜3:7の範囲がより好ましい。
電荷発生層5を形成する際には、結着樹脂を所定の有機溶剤に溶解した溶液に、電荷発生物質を分散させた塗布液が用いられる。電荷発生層用塗布液の有機溶剤としては、結着樹脂を溶解可能なもの、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等の溶剤が使用可能である。より具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、電荷発生物質を結着樹脂液中に分散する方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等が挙げられる。
電荷発生物質は、分散性を向上させるため、表面処理を施すことが可能である。表面処理剤としてはカップリング剤などを用いることができるが、これに限定されるものではない。カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、カップリング剤の他に、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどの有機ジルコニウム化合物を配合してもよい。また、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどの有機チタン化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などの有機アルミニウム化合物も用いることができる。
電荷輸送層6は、電荷輸送物質及び結着樹脂を含んで構成される。かかる電荷輸送物質としては、具体的には、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニルピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニルN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル]−(1−ナフチル)−フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリルキナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等の正孔輸送物質が挙げられる。また、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送物質も使用可能である。さらに、上記化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体を用いることもできる。これらの電荷輸送物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
また、電荷輸送層6の結着樹脂としては、電機絶縁性のフィルム形成可能な樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合比(質量比)はいずれの場合も任意に設定することができるが、電気特性低下、膜強度低下に注意しなくてはならない。
電荷輸送層6は、上記材料を含む電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層5上に塗布し、乾燥させることにより形成される。塗布液に用いる溶剤としては、所望の電子写真感光体特性が得られるものであれば、公知の有機溶剤より任意に選択できるが、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が好適に使用される。また、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷輸送層6の厚みは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μmである。
電荷輸送層6には、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光 ・ 熱による感光体の劣化を防止する目的で、酸化防止剤・光安定剤などの添加剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’,−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィート等が挙げられる。
有機硫黄系及び有機燐系酸化防止剤は、2次酸化防止剤と呼ばれ、フェノール系又はアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系光安定剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5’,6”−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’,−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’,−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
その他の化合物として2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケル ジブチル−ジチオカルバメート等がある。
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることができる。電子受容性物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニルキノン、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらの中でも、フルオレノン系、キノン系や、Cl−、CN−、NO2−等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
また、電荷輸送層6には、磨耗を低減する目的で、固形潤滑剤や金属酸化物を分散させることができる。固形潤滑剤としては、フッ素含有樹脂粒子(四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン及びそれらの共重合等)、ケイ素含有樹脂粒子等を挙げることができる。また、金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ等を挙げることができる。固形潤滑剤を分散すると、電荷輸送層表面の摩擦係数が減少するため、摩耗を抑制することができる。また、金属酸化物を分散すると、電荷輸送層の機械的硬度が上昇するため、摩耗を抑制することができる。また、フッ素含有樹脂粒子は難分散粒子のためフッ素含有高分子系分散助剤を用いると分散性が向上される。上記固形潤滑剤や金属酸化物を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー、ホモジナイザー、高圧処理式ホモジナイザー等の方法を用いることができる。この分散の際、分散粒子を1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下にすることが有効である。
また、塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
表面保護層7としては、下記一般式(I)で表される化合物を含んで形成される硬化膜
が好ましい。
F−[D−A]b (I)
一般式(I)中、Fは光機能性化合物から誘導される有機基を表し、Dは2価の基を表し、Aは−SiR1 3-a(OR2aで表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を表し、bは1〜4の整数を表す。ここで、R1は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2は水素、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。aは1〜3の整数を表す。
一般式(I)中のA、すなわち−SiR1 3-a(OR2aで表される加水分解性基を有する置換ケイ素基は、架橋反応による3次元的なSi−O−Si結合(無機ガラス質ネットワーク)を形成する役割を担っている。
また、一般式(I)中、Fは、光電特性、より具体的には光キャリア輸送特性を有する有機基であり、従来、電荷輸送物質として知られている光機能性化合物の構造をそのまま用いることができる。Fで表される有機基としては、具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、などの正孔輸送性を有する化合物骨格、およびキノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物、などの電子輸送性を有する化合物骨格等が挙げられる。
Fで表される有機基の好ましい例としては、下記一般式(II)で表される基が挙げられる。Fが一般式(II)で表される基であると、特に優れた光電特性と機械特性を示す。
Figure 0004483693
一般式(II)中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に置換あるいは未置換のアリール基を表す。Ar5は、置換あるいは未置換のアリール基、又はアリーレン基を表す。Ar1〜Ar5のうちb(b=1〜4)個は、−D−SiR1 (3-a)(OR2aで表される基に結合する。ここで、R1、R2、aは一般式(I)中のR1、R2、aと同様である。kは0又は1を表す。
上記一般式(II)中のAr1〜Ar4としては、下記式(II−1)〜(I−7)のうちのいずれかであることが好ましい。
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
−Ar−Z’s−Ar−Xm (II−7)
[式(II−1)〜(I−7)中、R6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選ばれる1種を表し、R7〜R9はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、Arは置換又は未置換のアリーレン基を表し、Xは一般式(I)中の−D−SiR1 (3-a)(OR2aを表し、m及びsはそれぞれ0又は1を表し、tはそれぞれ1〜3の整数を表す。]
ここで、式(II−7)中のArとしては、下記式(II−8)又は(II−9)で表されるものが好ましい。
Figure 0004483693
Figure 0004483693
[式(II−8)又は(II−9)中、R10及びR11はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、tは1〜3の整数を表す。]
また、式(II−7)中のZ’としては、下記式(II−10)〜(II−17)のうちのいずれかで表されるものが好ましい。
−(CH2q− (II−10)
−(CH2CH2O)r− (II−11)
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
[式(II−10)〜(II−17)中、R12及びR13はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、Wは2価の基を表し、q及びrはそれぞれ1〜10の整数を表し、tはそれぞれ1〜3の整数を表す。]
上記式(II−16)、(II−17)中のWとしては、下記(II−18)〜(II−26)で表される2価の基のうちのいずれかであることが好ましい。
−CH2− (II−18)
−C(CH32− (II−19)
−O− (II−20)
−S− (II−21)
−C(CF32− (II−22)
−Si(CH32− (II−23)
Figure 0004483693
Figure 0004483693
Figure 0004483693
[式(II−18)〜(II−26)中、uは0〜3の整数を表す]
また、一般式(II)中、Ar5は、kが0のときはAr1〜Ar4の説明で例示されたアリール基であり、kが1のときはかかるアリール基から所定の水素原子を除いたアリーレン基である。
一般式(I)中、Dで表される2価の基は、光電特性を付与するFと3次元的な無機ガラス質ネットワークに直接結合するAとを結びつける働きを担い、且つ、堅さの反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜としての強靱さを向上させるという働きを担うものである。Dで表される2価の基としては、具体的には、−Cn2n−、−Cn2n-2−、−Cn2n-4−で表わされる2価の炭化水素基(nは1〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−C64−C64−、及びこれらを組み合わせたものや置換基を導入したもの等が挙げられる。
一般式(I)中、bは2以上であることが好ましい。bが2以上であると、一般式(I)で表される光機能性有機ケイ素化合物がSi原子を2個以上有することになり、無機ガラス質ネットワークの形成が容易となり、機械的強度が向上する傾向にある。
一般式(I)で表される化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、一般式(I)で表される化合物と共に、硬化膜の機械的強度をさらに向上させる目的で、下記一般式(III)で表される化合物を併用してもよい。
B−An (III)
一般式(III)中、Aは−SiR1 (3-a)(OR2aで表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を表す。ここで、R1、R2、aは一般式(I)中のR1、R2、aと同様である。Bは、枝分かれを含んでもよい2価以上の炭化水素基、2価以上のフェニル基及び−NH−から選ばれる基の少なくとも1つ、或いはこれらの組み合わせから構成される。nは2以上の整数を表す。
一般式(III)で表される化合物は、A、すなわち−SiR1 3-a(OR2aで表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を有している化合物である。この一般式(III)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物との反応又は一般式(III)
で表される化合物同士の反応により、Si−O−Si結合を形成して3次元的な架橋硬化膜を与える。一般式(III)で表される化合物と一般式(I)で表される化合物とを併用すると、硬化膜の架橋構造が3次元的になり易く、また、硬化膜に適度な可とう性が付与されるため、より強い機械強度が得られる。一般式(III)で表される化合物の好ましい例を表1に示す。
Figure 0004483693
一般式(I)で表される化合物と共に、さらに架橋反応可能な他の化合物を併用しても
よい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコーン系ハードコート剤を用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、CR−39、X−12−2208、X−40−9740、X−4101007、KNS−5300、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
保護層7には、表面潤滑性を付与する目的でフッ素含有化合物を添加できる。表面潤滑性を向上させることによりクリーニング部材との摩擦係数が低下し、耐摩耗性を向上させることができる。また、感光体表面に対する放電生成物、現像剤および紙粉などの付着を防止する効果も有し、感光体の寿命向上に役立つ。
フッ素含有化合物としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有ポリマーをそのまま添加するか、あるいはそれらポリマーの微粒子を添加することができる。また、一般式(I)で表される化合物により形成される硬化膜の場合、フッ素含有化合物と
しては、アルコキシシランと反応できるものを添加し、架橋膜の一部として構成するのが望ましい。そのようなフッ素含有化合物の例として、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有化合物の含有量は、保護層7全量を基準として20質量%以下とすることが好ましい。フッ素含有化合物の含有量が20質量%を超えると、架橋硬化膜の成膜性に問題が生じる場合がある。
上記化合物を含む保護層7は十分な耐酸化性を有しているが、さらに強い耐酸化性を付与する目的で、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の含有量としては、保護層7全量を基準として15質量%以下が好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
また、保護層7には公知の塗膜形成に用いられるその他の添加剤を添加することも可能であり、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、界面活性剤、など公知のものを用いることができる。
保護層7は、上記化合物を含有する塗布液を電荷輸送層6上に塗布し、加熱処理することで形成される。これにより、一般式(I)で表される化合物等が3次元的に架橋硬化反応を起こし、強固な硬化膜が形成される。加熱処理の温度は、下層に影響しなければ特に制限はないが、好ましくは室温〜200℃、より好ましくは100〜160℃である。
架橋硬化反応は、無触媒で行なってもよく、また、適切な触媒を用いてもよい。触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、等の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、オクエ酸第一スズ等の有機スズ化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、アルミニウムキレート化合物等が挙げられる。
また、保護層用塗布液の塗布を容易にするため、必要に応じて溶剤を添加して用いることができる。具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
また、塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬塗布法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。
このようにして形成される保護層7の膜厚は、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは2〜10μmである。
また、単層型感光層を構成する場合、単層型感光層は、電荷発生材料と結着樹脂を含有して形成される。電荷発生材料としては機能分離型感光層における電荷発生層に使用されるものと同様のものを、結着樹脂としては機能分離型感光層における電荷発生層及び電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様のものを用いることができる。単層型感光層中の電荷発生材料の含有量は、単層型感光層における固形分全量を基準として好ましくは10〜85質量%、より好ましくは20〜50質量%である。単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送材料や高分子電荷輸送材料を添加してもよい。その添加量は単層型感光層における固形分全量を基準として5〜50質量%とすることが好ましい。また、塗布に用いる溶剤や塗布方法は、上記各層と同様のものを用いることができる。単層型感光層の膜厚は、5〜50μm程度が好ましく、10〜40μmとすることがさらに好ましい。なお、図3に示される電子写真感光体1において単層型感光層3は、図2に示される電子写真感光体1の保護層7をさらに設けても良い。
次に、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について説明する。
図4は、本発明の他の好適な実施形態に係る画像形成装置の基本構成を模式的に示す断面図である。図4に示す画像形成装置200は、電子写真感光体207と、電子写真感光体207を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して静電潜像を形成する露光装置210と、露光装置210により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写媒体(画像出力媒体)500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、光除電器214と、定着装置215とを備える。
また、図5は、本発明の他の好適な実施形態に係る画像形成装置の基本構成を模式的に示す断面図である。図5に示す画像形成装置230は、電子写真感光体207に形成されたトナー像を、1次転写部材212aに転写した後、1次転写部材212aと2次転写部材212bとの間に供給される被転写媒体(画像出力媒体)500に転写する中間転写方式の転写装置を備えるもので、かかる転写の際には1次転写部材212aから電子写真感光体に向けて所定の電流密度の電流が供給可能となっている。なお、それ以外の構成は、図4と同様である。
図4中の帯電装置208は、電子写真感光体207の表面に導電性部材(帯電ロール)を接触させて、感光体207の表面を帯電させる方式(接触帯電方式)のものである。なお、本発明では、接触帯電方式の帯電装置の代わりに、コロトロン、スコロトロン等の非接触帯電方式の帯電装置を用いてもよい。
接触型帯電部材としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。導電性部材の形状は、ブラシ状、ブレード状、ピン電極状、あるいはローラー状等何れでもよい。
芯材の材質としては、導電性を有するもの、例えば、鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。また、導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることができる。
弾性層の材質としては、導電性あるいは半導電性を有するもの、例えば、ゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散したものが使用可能である。ゴム材としてはEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エポキシゴム等が用いられる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としてはカーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、Sb23、In23、ZnO、MgO等の金属酸化物が用いることができる。これらの材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
抵抗層および保護層の材質としては結着樹脂に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御したものである。結着樹脂としてはアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等が用いられる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としては弾性層と同様のカーボンブラック、金属、金属酸化物が用いられる。また必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。これらの層を形成する手段としてはブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬塗布法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、溶融成形法、注入成形法等を用いることができる。
これらの導電性部材を用いて感光体を帯電させる際には、導電性部材に電圧が印加されるが、かかる印加電圧は直流電圧、直流電圧に交流電圧を重畳したもののいずれでもよい。接触型帯電部材の形状としては、ローラー、ブレード、ベルト等のいずれの形状であってもよく、画像形成装置の仕様や形態に合わせて、任意に選択することができる。
本発明の電子写真感光体に用いられる帯電方式には、特に制限はない。しかし、近年は、オゾンの発生量が少なく、環境負荷性の小さい接触帯電方式が好ましく用いられる傾向にある。一般に、接触帯電方式は、スコロトロンやコロトロンなどの非接触式帯電方式と比較して帯電能力が弱く、特に高速応答が必要な画像形成装置においては問題となりやすい。帯電能力が弱い場合、電子写真感光体の感光層中に残留している電荷が、ゴーストなどの画質欠陥を引き起こす原因となる。しかし、本発明の電子写真感光体によれば、電子写真感光体のサイクル変動分と、転写電圧の影響による電位変動分の関係を所定の状態に設定しているため、前記のような画質欠陥が生じにくく、接触式帯電方式との組み合わせて、好適に使用することが可能である。
露光装置210としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。
現像装置211で用いられるトナーは、例えば結着樹脂と着色剤とを含んで構成される。結着樹脂としては、スチレン類、モノオレフィン類、ビニルエステル類、α―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げることができる。
トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機微粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤を用いることができる。
他の無機微粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒径が40nm以下の小径無機微粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機あるいは有機微粒子を併用してもよい。これらの他の無機微粒子は公知のものを使用できる。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
本発明で用いられるトナーの製造方法としては、高い形状制御性を得られることから、乳化重合凝集法や溶解懸濁法等などの重合法が好ましく用いられる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、トナー及び外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
クリーニング装置213は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
図6は。本発明の他の好適な実施形態に係る画像形成装置の基本構成を模式的に示す断面図である。図6に示す画像形成装置は中間転写方式の画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能である。これらのトナーは平均形状係数が100〜140という条件を満たすものである。また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
さらに、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、又は、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合の中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いることができる。
弾性材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料を用いることができる。これらの基材に用いる樹脂材料及び弾性材料に、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を有する導電剤を1種類又は2種類以上を組み合わせて添加する。この中でも、機械強度に優れる点で、導電剤を分散させたポリイミド樹脂を用いることが好ましい。上記の導電剤としては、カーボンブラック、金属酸化物、ポリアニリン等の導電性ポリマーを用いることができる。
中間転写体として中間転写ベルト409のようなベルトの形状の構成を採用する場合、一般にベルトの厚さは50〜500μmが好ましく、60〜150μmがより好ましいが、材料の硬度に応じて適宜選択することができる。
例えば、導電剤を分散させたポリイミド樹脂からなるベルトは、特開昭63−311263号公報に記載されているように、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液中に導電剤として5〜20質量%のカーボンブラックを分散させ、分散液を金属ドラム上に流延して乾燥した後、ドラムから剥離したフィルムを高温下に延伸してポリイミドフィルムを形成し、さらに適当な大きさに切り出してエンドレスベルトとすることにより製造することができる。
上記フィルム成形は、一般には、導電剤を分散したポリアミド酸溶液の成膜用原液を円筒金型に注入して、例えば、100〜200℃に加熱しつつ500〜2000rpmの回転数で円筒金型を回転させながら、遠心成形法によりフィルム状に成膜し、次いで、得られたフィルムを半硬化した状態で脱型して鉄芯に被せ、300℃以上の高温でポリイミド化反応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化させることにより行うことができる。また、成膜原液を金属シート上に均一な厚みに流延して、上記と同様に100〜200℃に加熱して溶媒の大半を除去し、その後300℃以上の高温に段階的に昇温してポリイミドフィルムを形成する方法もある。また、中間転写体は表面層を有していても良い。
また、中間転写体としてドラム形状を有する構成を採用する場合、基材としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基材を用いることが好ましい。この円筒状基材上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に表面層を形成することができる。
本発明における転写装置において、転写電圧により電子写真感光体の感光層に印加される電界強度は、1.0×105V/cm以上4.0×105V/cm以下の範囲であることが好ましく、1.5×105V/cm以上3.0×105V/cm以下の範囲であることがより好ましい。転写電圧により印加される電界強度が1.0×105V/cmより低い場合は、感光層内の電荷挙動に起因する電位変動の影響が大きくなり、ポジゴーストが発生しやすくなる。一方、電界強度が4.0×105V/cmより大きい場合は、下引き層内の電荷挙動に起因する電位変動が大きくなり、ネガゴーストが発生しやすくなる。
図7は、本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体207とともに、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217を取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。現像装置211は、トナーを電子写真感光体207に供給するものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:BET比表面積値15m2/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛顔料を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛顔料60質量部と、硬化剤 ブロック化イソシアネート スミジュール3175(住友バイエルンウレタン社製):12質量部と、ブチラール樹脂 BM−1 (積水化学社製) 8質量部をメチルエチルケトン92質量部に溶解した溶液60質量部とを、1mmΦのガラスビーズを用いてペイントシェーカーで0.3時間の分散を行い分散液を得た。
ここで上記ペイントシェーカーでの分散は、容量200mLのガラス瓶を用い、ガラスビーズを100g、上記酸化亜鉛顔料、ブロック化イソシアネート スミジュール3175、ブチラール樹脂 BM−1およびメチルエチルケトンを上記の比率で混合した液100gを封入して分散を行った。
得られた分散液120質量部に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーン樹脂粒子トスパール145(GE東芝シリコーン社製):3質量部を添加し、下引き層塗布用液を得た。得られた塗布液を浸漬塗布法にて直径24mm、長さ257mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ24μmの下引き層を得た。
次に、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH:日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル300質量部からなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いて横型サンドミルにて100分間分散処理し、電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を、上記の下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子1質量部及びフッ素系グラフトポリマー0.02質量部とテトラヒドロフラン5質量部、トルエン2質量部とともに十分攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を得た。次に電荷輸送物質としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)6質量部、テトラヒドロフラン23質量部、トルエン10質量部に混合溶解した後、前記4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を加えて攪拌混合した後、微細な流露を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(ナノマイザー株式会社製、商品名LA−33S)を用いて、3.92Pa(400kgf/cm2)まで昇圧しての分散処理を6回繰り返し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を得た。さらに、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布して135℃で40分間乾燥し、膜厚17μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
得られた電子写真感光体の電気的特性を、帯電・露光・光除電を繰り返し行うことができ、露光後、光除電後の表面電位を測定できる、連続回転式表面電位測定器にて測定した。連続回転式表面電位測定器の測定条件は以下の通りである。
帯電〜露光:172ms
露光〜表面電位計1:74ms
表面電位計1〜光除電:388ms
光除電〜表面電位計2:137ms
表面電位計2〜帯電:128ms
露光光量:1.6mJ/m2
露光波長:780nm
帯電電位:−400V
光除電光量:480mJ/m2
光除電光源:ハロゲンランプ
(フィルターで波長600〜800nmの光を選択)
測定温度:20℃
測定湿度:40%RH
感光層内の電荷挙動に起因する電位変動分ΔVL(V)と、下引き層内の電荷挙動に起因する電位変動分RP(V)を、以下の方法で算出した。結果を表2に示す。
ΔVL=(2サイクル目の表面電位計1の値)−(1サイクル目の表面電位計1の値)
RP=1サイクル目の表面電位計2の値
また、得られた電子写真感光体を、接触帯電装置および中間転写装置を有するフルカラープリンター(DELL社製:Dell Laser 5100cn)を改造した画質試験装置に搭載し、出力画像の画質を評価した。感光体に当接する1次転写部材に印加される転写電圧(VIDT)を400Vとし、出力画像のゴーストグレードを評価した。また、感光体の感光層に印加する転写電界強度は表2示す通りとした。ゴースト評価用の画像は、15mm角の四角パターンを電子写真感光体1周分任意の数だけ印字した後、次のサイクルで全面ハーフトーン画像を印字し、ハーフトーン画像上に浮き出たゴースト画像を評価した。印字にはマゼンタを使用した。ハーフトーン画像は1ドットON−3ドットOFFのパターンにて作成した。画像の印字は温度20℃、湿度40%RHにて行った。ゴーストは目視にて以下のように、グレード付けを行い測定値とした。
グレード0:ゴーストが全く見えない
グレード1:ゴーストが極薄く見える
グレード2:ゴーストが薄く見える
グレード3:ゴーストがはっきり見える
グレード4:ゴーストが濃く見える
グレード5:ゴーストが極めて濃く見える
これらの内、グレード1以下であれば、画質上特に問題はないレベルである。その結果を表2に示す。なお、表2において、ゴーストグレード欄中「+」はポジゴーストを「−」はネガゴーストを示す。
(実施例2)
実施例1において、下引き層塗布用液の分散時間を0.5時間とした以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、下引き層塗布用液の分散時間を1.0時間とした以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例2において、1次転写部材に印加される転写電圧(VIDT)を200Vとした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例5〜7)
実施例2において、1次転写部材に印加される転写電圧(VIDT)を、それぞれ表2に示す値とした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例2において、下引き層の膜厚を17μmとした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例9〜10)
実施例2において、下引き層の膜厚をそれぞれ表2に示す値とした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、下引き層塗布用液の分散時間を0.2時間とした以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2〜3)
実施例1において、下引き層塗布用液の分散時間を、それぞれ表2に示す時間とした以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例11〜12)
実施例2において、下引き層の膜厚をそれぞれ表2に示す値とした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004483693
表2の結果より、実施例2〜3、実施例5〜6および実施例8〜10においては、ゴーストが発生せず、良好な出力画像が得られた。また実施例1、実施例4および実施例7においても、軽微なゴーストが発生したが、画像品質上特に問題となるレベルではなかった。また、実施例11においては、わずかな微小黒点の発生が見られ、実施例7においてはやや画像濃度の低下が見られたが、画像品質上特に問題となるレベルではなかった。
これに対し、比較例1においては、強いポジゴーストが現れ、比較例2〜3においては、強いネガゴーストが現れた。
本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の好適な他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の好適な他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の好適な実施形態に係る画像形成装置の基本構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の好適な実施形態に係る画像形成装置の基本構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の好適な実施形態に係る画像形成装置の基本構成を模式的に示す断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1…電子写真感光体、2…導電性基体、3…感光層、4…下引き層、5…電荷発生層、6…電荷輸送層、7…保護層、200、220、230…画像形成装置、207…電子写真感光体、208…帯電装置、209…電源、210…露光装置、211…現像装置、212…転写装置、213…クリーニング装置、214…光除電器、215…定着装置、216…取り付けレール、217…除電露光のための開口部、218…露光のための開口部、300…プロセスカートリッジ、400…ハウジング、401a〜401d…電子写真感光体、402a〜402d…帯電ロール、403…レーザー光源(露光装置)、404a〜404d・・・現像装置、405a〜405d…トナーカートリッジ、406…駆動ロール、407…テンションロール、408…バックアップロール、409…中間転写ベルト、410a〜410d…1次転写ロール、411…トレイ(被転写体トレイ)、412…移送ロール、413…2次転写ロール、414…定着ロール、415a〜415d…クリーニングブレード、416…クリーニングブレード、500…被転写媒体。

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に下引き層と感光層とを有する電子写真感光体において、
    前記下引き層が金属酸化物微粒子、結着樹脂を含み、
    かつ、前記電子写真感光体の表面を繰り返し帯電、露光および光除電を行う過程で下記式(1)を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
    −3.0≦(RP−ΔVL)/L≦−1.0 式(1)
    (ただし、式(1)中、ΔVLは、露光波長780nm、露光光量1.6mJ/m の光で2サイクル目の露光後の電子写真感光体の表面電位から1サイクル目の露光の74ms後の電子写真感光体の表面電位を引いた差分を示し、RPは、光除電光量480mJ/m 、光除電波長600nm〜800nmの除電光を用いた1サイクル目の光除電の137ms後の電子写真感光体の表面電位を示し、Lは前記感光層の膜厚を示す。)
  2. 前記下引き層の膜厚が15μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1乃至2のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    前記帯電装置により帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、
    前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    現像されたトナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記転写装置において、前記トナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が、前記電子写真感光体表面に印加され、かつ該転写電圧により電子写真感光体の感光層に印加される電界強度が、1.0×105V/cm以上4.0×105V/cm以下の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 請求項1乃至2のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電装置、露光装置及びクリーニング装置からなる群より選ばれる少なくとも一つと、を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
JP2005137862A 2005-05-10 2005-05-10 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Active JP4483693B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005137862A JP4483693B2 (ja) 2005-05-10 2005-05-10 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005137862A JP4483693B2 (ja) 2005-05-10 2005-05-10 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006317557A JP2006317557A (ja) 2006-11-24
JP4483693B2 true JP4483693B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=37538311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005137862A Active JP4483693B2 (ja) 2005-05-10 2005-05-10 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4483693B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015108730A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 株式会社リコー 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP6838324B2 (ja) * 2016-09-05 2021-03-03 富士ゼロックス株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置
JP2020042129A (ja) * 2018-09-10 2020-03-19 コニカミノルタ株式会社 電子写真感光体

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3455340B2 (ja) * 1995-09-07 2003-10-14 株式会社リコー 画像形成装置
JP3800893B2 (ja) * 1999-11-04 2006-07-26 セイコーエプソン株式会社 画像形成装置
JP2002123067A (ja) * 2000-10-18 2002-04-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法
JP2004191711A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2004198814A (ja) * 2002-12-19 2004-07-15 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法及び画像形成装置
JP4135696B2 (ja) * 2003-09-18 2008-08-20 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006317557A (ja) 2006-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4456955B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真用カートリッジおよび電子写真装置
JP4867533B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4456952B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4501973B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US7496318B2 (en) Charging device and image forming apparatus
JP4456953B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006221094A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2008065171A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4456951B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4483731B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真用カートリッジ及び電子写真装置
JP4483693B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2008046420A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2006267957A (ja) 電子写真感光体、複合体、複合体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2010204561A (ja) プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2012194260A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置
JP2007206349A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2006289946A (ja) 画像形成装置
JP4140393B2 (ja) 金属酸化物微粒子を含有する被処理液の分散処理方法、電子写真感光体及びその製造方法、電子写真装置並びにプロセスカートリッジ
JP2005227396A (ja) 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2008040241A (ja) 帯電ロール、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4045944B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4415812B2 (ja) 電子写真式画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2008268675A (ja) 転写ロール及びその製造方法、並びに、画像形成装置
JP2008040242A (ja) 帯電ロール、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2006259387A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100302

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4483693

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350