JP2016224124A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】接触帯電方式を用いて単層型感光体を帯電させる際に、感光層表面で起こる帯電ムラを発生させず、且つ感光層の耐摩耗性も向上させた画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、正帯電単層型感光体と、帯電部材と、を備える。正帯電単層型感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤、フィラー、結着樹脂を含む単層構造の感光層が形成される。帯電部材は、感光体に接触した状態で帯電バイアスが印加されることにより前記感光層を帯電させる。帯電部材は、導電性ゴムで形成され、帯電バイアスとして直流電圧が印加される帯電ローラーであり、感光体は、感光層の表面粗さが断面曲線凹凸の平均間隔(Sm)で80〜300μm、且つ、十点平均粗さ(Rz)で0.45〜10μmである。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、有機感光層が形成された有機感光体の表面を接触帯電方式により帯電させる画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真プロセスを用いた画像形成装置には、像担持体である感光体の表面を帯電させるために帯電装置が用いられている。帯電装置としては、感光体とコロナワイヤーを非接触に配置し、コロナ放電により感光体の表面を帯電させるスコロトロン帯電方式と、帯電ローラー等の帯電部材を感光体の表面に接触させて帯電させる接触帯電方式とが知られている。しかし、近年、人体に有害なオゾンの排出量を減らすため、オゾン排出量がより少ない接触帯電方式が採用されることが多くなっている。
一方、像担持体である感光体は、円筒基材の表面に十〜数十μmの感光層が形成されたものであるが、感光層を構成する主材料により有機感光体と無機感光体に分けられる。有機感光体は、無機感光体と比べて製造が容易であるとともに、感光層を形成する有機材料の選択肢が多様で設計の自由度が高いという利点を有する。
有機感光体としては、電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光体と、特許文献1に記載されているように、電荷発生剤と電荷輸送剤とを単一の感光層中に分散させた単層型感光体とがある。単層型感光体は、感光層の表面近傍で光キャリアが発生するため感光層を厚くすることができ、長寿命化に適していること、単層塗工であるため容易且つ低コストで製造できること等の利点を有する。従って、単層型感光体と接触帯電方式とを組み合わせることにより、より環境対応性に優れた電子写真プロセスの設計が可能になると考えられる。
しかしながら、接触帯電方式に特有の問題として、帯電部材表面の凹凸から感光層に局所的に放電することで発生する帯電ムラがある。この帯電ムラは、特に正帯電単層型感光体で発生しやすい。この理由は、単層型感光体は電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂が同一層に含有されており、それぞれの材料に対して放電が発生する電圧が異なるため、局所放電しやすい箇所(放電サイト)が存在する。このような放電サイトが感光層表面に点在することによって帯電ムラが発生すると考えられる。帯電ムラの要因である局所放電を抑えるためには、放電電圧を上げて局所放電しにくい箇所にも放電を促す手段があるが、放電電圧(=感光体流れ込み電流)を上げることで感光層の削れが促進されるため、感光体の寿命が短くなってしまう。
また、図9に示すように、電荷発生層と電荷輸送層が分離している積層型感光体に対して、単層型感光体は光導電層の主成分である樹脂材料に電荷発生剤CGMや電荷輸送剤CTM(電荷のうち、電子を輸送するETM、ホールを輸送するHTM)など多くの材料が配合されている。このような構成により、単層型感光体で発生する光キャリアは光導電層に存在する各種材料中を通過することとなり、キャリアトラップされ易い傾向があると考えられる。そして、このキャリアトラップによる感光体特性の変化として帯電能力(一定電流を流した時のドラムの帯電電位で示される)の低下がある。
また、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を帯電ローラーに印加させることで、感光体表面の帯電電位を均一化することができる傾向があるが、オゾンの発生量および感光層の削れの観点からも望ましくない。さらに、帯電ローラーの直径を大きくして放電領域を拡大したり、感光体の駆動速度(回転速度)を低下させて感光層が放電領域を通過する時間を延長したりすることも帯電ムラの抑制に一定の効果はあるが、製品の小型化や高速化の要望を考慮すると、これらの対策も望ましいものとは言えない。
そこで、特許文献2には、正帯電単層型感光体と、接触帯電部材である導電性ゴム製の帯電ローラーとを備え、帯電ローラーのゴム硬度、及び表面粗さを所定範囲とすることにより感光層のキャリアトラップ、膜削れ、帯電ムラを抑制する画像形成装置が開示されている。一方、特許文献3には、感光層中に樹脂または金属フィラーを均一分散させることにより、感光層の耐摩耗性を向上させた正帯電単層型感光体が開示されている。
特開2002−72511号公報 特開2012−14141号公報 特開2014−130236号公報
特許文献2の方法を用いたとしても、正帯電単層型感光体の帯電ムラが完全に解消されるわけではなく、感光体側の工夫が必要となる。このような帯電ムラは、感光層表面が平滑であるほど感光層表面の放電サイトの影響が顕著に表れ局所放電が起きやすい。そのため、特に感光層の表面状態が比較的平滑である未使用状態の感光体で顕著に発生しやすい傾向がある。しかし、感光層表面の放電サイトは放電による劣化や、クリーニングブレードによる掻き取りまたは押し込みによって解消されるため、正帯電単層感光体の使用開始から時間が経過するとともに感光層表面の放電サイトの影響は無視できるものとなる。
これに対し、特許文献3のように、正帯電単層型感光体の長寿命化のために感光層に樹脂または金属のフィラーを均一分散させ、ブレードによる摩耗レートを低減させた感光体を用いると、感光層表面の放電サイトの影響が顕著に表れる。感光層にフィラーを分散させた場合、ブレードの摩擦力が低減することにより感光層最表面の放電サイトの掻き取り力ないしは押し込み力が低下してしまうためである。
本発明は、上記問題点に鑑み、接触帯電方式を用いて単層型感光体を帯電させる際に、感光層表面で起こる帯電ムラを発生させず、且つ感光層の耐摩耗性も向上させた、環境対応型の画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、正帯電単層型感光体と、帯電部材と、を備えた画像形成装置である。正帯電単層型感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤、フィラー、結着樹脂を含む単層構造の感光層が形成される。帯電部材は、感光体に接触した状態で帯電バイアスが印加されることにより前記感光層を帯電させる。帯電部材は、導電性ゴムで形成され、帯電バイアスとして直流電圧が印加される帯電ローラーであり、感光体は、感光層の表面粗さが断面曲線凹凸の平均間隔(Sm)で80〜300μm、且つ、十点平均粗さ(Rz)で0.45〜10μmである。
本発明の第1の構成によれば、正帯電単層型感光体の使用初期において、放電劣化していない電荷発生剤の存在により感光層表面近傍に発生する放電サイトに帯電部材から微小リークが生じ、異常放電画像が発生するという不具合を効果的に抑制することができる。また、感光層の耐摩耗性を向上させるために感光層にフィラーを含有させた場合、クリーニングブレードによる摩擦力が低減するため放電サイトの除去力も低下し、帯電ムラが長期間継続して発生するが、感光層の表面粗さを適正化することで、放電サイトの除去力の低下による帯電ムラの発生の抑制と感光体の長寿命化とを両立させることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の全体構成を示す概略図 図1における画像形成部Paの部分拡大図 感光層の表面が平滑である場合の帯電ローラー21から感光体ドラム1表面への放電状態を示す模式図 図3における感光体ドラム1の表面電位分布を示すグラフ 感光層の表面が過度に荒れている場合の帯電ローラー21から感光体ドラム1表面への放電状態を示す模式図 図5における感光体ドラム1の表面電位分布を示すグラフ 感光層の表面が適度に荒れている場合の帯電ローラー21から感光体ドラム1表面への放電状態を示す模式図 図7における感光体ドラム1の表面電位分布を示すグラフ 単層型感光体と積層型感光体におけるキャリアトラップを模式的に示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。画像形成装置100は、本実施形態では、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)に対応する4つの感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dを並列配置して画像形成を行う、4連タンデム型のカラープリンターで構成されている。
画像形成装置100の装置本体内には、4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、図1では左側から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する上記した感光体ドラム1a〜1dがそれぞれ配設されており、さらに図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9において用紙P上に一度に転写され、さらに、定着装置13において用紙P上に定着された後、画像形成装置100より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Pは、画像形成装置100内の下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、主に継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。中間転写ベルト8および二次転写ローラー9は、ベルト駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dと同一線速で回転駆動される。また、中間転写ベルト8の回転方向に対し二次転写ローラー9の下流側には、中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転可能に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a〜1dに対して画像データに基づく露光を行う露光ユニット5と、感光体ドラム1a〜1d上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a〜1d上でトナー像の転写後に残留した現像剤(トナー)を回収、除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dとが設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット5によって画像データに基づいて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。
なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。このトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット5の露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧を付与することにより、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。一次転写ローラー6a〜6dは、一次転写駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8と同一線速で回転駆動される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a〜7dにより除去される。
中間転写ベルト8は、従動ローラー10及び駆動ローラー11に掛け渡されており、上記ベルト駆動モーターによる駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、ニップ部において用紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置13へと搬送される。
定着装置13に搬送された用紙Pは、定着ローラー対13aのニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱および加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置13を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラー対15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Pは排出ローラー対15を逆回転させることにより分岐部14で反転搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラー9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着装置13に搬送されてトナー像が定着された後、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
図2は、図1における画像形成部Pa付近を拡大して示す断面図である。感光体ドラム1aの周囲には、感光体ドラム1aの回転方向(図2の時計回り方向)に沿って、上述した帯電装置2a、現像装置3a、一次転写ローラー6a、クリーニング装置7aが配設されている。このうち、一次転写ローラー6aは、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム1aと対向する位置に配置されている。また、感光体ドラム1aと、帯電装置2aと、クリーニング装置7aとはユニット化されている。なお、各画像形成部Pa〜Pdにおいて、感光体ドラム1a〜1dと、帯電装置2a〜2dと、クリーニング装置7a〜7dとから成るユニットを、ドラムユニット40a〜40dと称する。
次に、上述した画像形成部Pa〜Pdを構成する各部材、装置の詳細について説明する。なお、図2では、画像形成部Paに配置される感光体ドラム1a、及びこれと相対する帯電装置2a、現像装置3a、クリーニング装置7aを示しているが、画像形成部Pb〜Pdに配置される感光体ドラム1b〜1d、及びこれと相対する帯電装置2b〜2d、現像装置3b〜3d、クリーニング装置7b〜7dの構成及び動作についても全く同様であるため、以下の説明では、各画像形成部Pa〜Pdの感光体ドラム、帯電装置、現像装置及びクリーニング装置を示すa〜dの符号を省略する。
感光体ドラム1は、アルミニウム等の導電性基体(筒体)上に、電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂(バインダー)、フィラーを同一層に含有した有機感光層(OPC)が積層された、正帯電単層型感光体である。 以下、導電性基体及び感光層について詳細に説明する。
[導電性基体]
導電性基体は、正帯電単層型感光体の導電性基体として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、導電性を有する材料で少なくとも表面部が構成されるもの等が挙げられる。例えば、導電性を有する材料からなるものであってもよいし、プラスチック材料等の表面を、導電性を有する材料で被覆したものであってもよい。また、導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。また、導電性を有する材料としては、導電性を有する材料を1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて、例えば、合金等として用いてもよい。また、導電性基体の材料としては、上記の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であるアルミニウム又はアルミニウム合金を用いることが好ましい。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができ、例えば、シート状、ドラム状等の基体が好適に使用できる。また、導電性基体の厚みは上記形状に応じて適宜選択することができる。
[感光層]
正帯電単層型感光体が備える感光層としては、電荷発生剤、電荷輸送剤、フィラー、及びバインダー樹脂を含む単層構造の感光層であり、フィラーが、シリカ微粒子及び樹脂微粒子からなる群より選択される1種以上の微粒子を含むものであれば特に限定されない。以下、感光層を構成する成分である、電荷発生剤、電荷輸送剤、フィラー、バインダー樹脂、及び添加剤、並びに正帯電単層型感光体の製造方法について説明する。
(電荷発生剤)
電荷発生剤としては、正帯電単層型感光体の電荷発生剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。
また、電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有するように、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、前述の各電荷発生剤のうち、特に半導体レーザー等の光源を使用したレーザービームプリンターやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する正帯電単層型電子写真感光体が必要となるため、例えば、無金属フタロシアニンやオキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料が好適に用いられる。なお、上記フタロシアニン系顔料の結晶形については特に限定されず、種々のものが使用される。
フタロシアニン系顔料の具体例としては、下記式(I)で表されるX型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)や、下記式(II)で表されるα型やY型等のオキソチタニルフタロシアニンが挙げられる。
Figure 2016224124
Figure 2016224124
これらのなかでも、(A)CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有し、(B)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲内に1つのピークを有するオキソチタニルフタロシアニンや、
(A)の特徴に加えて、且つ、(C)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外は、50℃以上400℃以下の範囲内にピークを有しないオキソチタニルフタロシアニンや、
(A)の特徴に加えて、且つ、(D)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外は、50℃以上270℃以下の範囲内にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲内に1つのピークを有するオキソチタニルフタロシアニンが感度の点で好ましい。
(電荷輸送剤)
本発明に使用される電荷輸送剤としては、正孔輸送剤(HTM)及び電子輸送剤(ETM)から選択される1種以上の材料を含む。以下、正孔輸送剤と、電子輸送剤とについて順に説明する。
正孔輸送剤(HTM)としては、正帯電単層型感光体の感光層に含まれる正孔輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ベンジジン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。これらの正孔輸送剤の中では、分子中に1又は複数のトリフェニルアミン骨格を有するトリフェニルアミン系化合物がより好ましい。これらの正孔輸送剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子輸送剤(ETM)としては、正帯電単層型感光体の感光層に含まれる電子輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体等のキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。これらの電子輸送剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(フィラー)
フィラーは、シリカ微粒子及び樹脂微粒子からなる群より選択される1種以上の微粒子を含む。フィラーの体積平均粒子径は5nm以上5μm以下である。このようなフィラーが感光層中に含まれることで、耐磨耗性に優れる正帯電単層型感光体を得ることができる。
樹脂微粒子の材質は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。樹脂微粒子の材質の好適な例としては、シリコーンゴム、オルガノポリシロキサンのようなシリコーン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、及びポリテトラフルオロエチレン樹脂のようなフッ素含有樹脂等の樹脂が挙げられる。シリコーン樹脂としては、ポリシルセスキオキサンが好ましく、ポリメチルシルセスキオキサンがより好ましい。
シリカ微粒子は、本発明の目的を阻害しない限り、周知のシリカ微粒子から適宜選択することができる。シリカ微粒子としては、シランカップリング剤やシリコーンオイルのような表面処理剤で処理されたものも使用することができる。
フィラーの体積平均粒子径は、5nm以上、5μm以下であり、5nm以上、1μm以下がより好ましく、5nm以上、0.1μm以下が特に好ましい。フィラーの体積平均粒子径が過大である場合、感光体表面が良好に帯電されにくい傾向があり、電気特性に優れる正帯電単層型感光体を得にくい。
フィラーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、シリカ微粒子及び樹脂微粒子以外の他の種類の微粒子を含んでいてもよい。シリカ微粒子及び樹脂微粒子以外の他の種類の微粒子は、例えば、金属酸化物微粒子、無機金属塩微粒子、及び有機金属塩微粒子のような微粒子の中から、得られる正帯電単層型電子写真感光体の性能を勘案して選択される。フィラーが、シリカ微粒子及び樹脂微粒子以外の他の種類の微粒子を含む場合、フィラー中の、シリカ微粒子の含有量と、樹脂微粒子の含有量の合計は、フィラーの質量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上が好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、正帯電単層型電子写真感光体の感光層に含まれる結着樹脂として用いることができるものであれば、特に限定されない。結着樹脂として好適に使用される樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂等の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート樹脂、ウレタン−アクリレート共重合樹脂等の光硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの樹脂の中では、加工性、機械的特性、光学的特性、耐摩耗性のバランスに優れた感光層が得られることから、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZC型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂、及びビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート樹脂がより好ましい。
(添加剤)
正帯電単層型感光体の感光層は、上述した電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、フィラー、及び結着樹脂の他に、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で各種添加剤を含んでいてもよい。感光層に配合できる添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、及びレベリング剤等が挙げられる。
次に、感光体ドラム1の製造方法について説明する。正帯電単層型感光体である感光体ドラム1の製造方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。感光体ドラム1の製造方法の好適な例としては、感光層用の塗布液を導電性基体上に塗布して感光層を形成する方法が挙げられる。具体的には、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、フィラー、結着樹脂、及び必要に応じて各種添加剤等を溶剤に溶解又は分散させた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥することによって、感光層を製造することができる。塗布方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いる方法が挙げられる。また、導電性基体上に形成された塗膜の乾燥方法としては、例えば、80℃以上150℃以下で15分間以上120分間以下の条件で熱風乾燥する方法等が挙げられる。
感光層中における、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及び結着樹脂の各含有量は、適宜選定され、特に限定されない。具体的には、例えば、電荷発生剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、0.5質量部以上30質量部以下がより好ましい。電子輸送剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上80質量部以下がより好ましい。正孔輸送剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、5質量部以上500質量部以下であることが好ましく、25質量部以上200質量部以下であることがより好ましい。また、正孔輸送剤と電子輸送剤の含有量の合計、すなわち、電荷輸送剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、20質量部以上500質量部以下であることが好ましく、30質量部以上200質量部以下であることがより好ましい。
感光層の厚さは、感光層として充分な機能を有することができれば、特に限定されない。具体的には、例えば、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
感光層用の塗布液に含有される溶剤としては、感光層を構成する各成分を溶解又は分散させることができれば、特に限定されない。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、感光体ドラム1の周辺に配置される帯電装置2、現像装置3、一次転写ローラー6、クリーニング装置7について説明する。帯電装置2は、感光体ドラム1に当接して従動回転し、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電ローラー21と、帯電ローラー21に当接して回転駆動され、帯電ローラー21の外周面を清掃するクリーニングブラシ23とを有する。
帯電ローラー21は、金属製の芯金の外周面に半導電性の弾性材料で形成された弾性層(ゴム層)を有している。本実施形態では、芯金の外周面に、エピクロルヒドリンゴム層と、エピクロルヒドリンゴム層の表面に積層されたポリアミド樹脂から成る塗膜とで構成される弾性層が形成された導電性ゴムローラーを用いている。帯電ローラー21は、帯電装置2の筐体に回転可能に支持されている。また、帯電ローラー21は、感光体ドラム1に所定のニップ圧で圧接されており、感光体ドラム1に従動して回転するようになっている。
また、画像形成時、帯電ローラー21にはトナーと同極性(正極性)の帯電バイアスが印加される。具体的には、帯電ローラー21の芯金は、バイアス制御回路及び帯電バイアス電源(図示せず)と電気的に接続され、帯電バイアス電源から帯電ローラー21に対して直流電圧から成る帯電バイアスが印加される。この帯電バイアスの印加によって帯電ローラー21の弾性層の抵抗に応じて流れる電流により、感光体ドラム1の表面の感光層を帯電させることができる。
クリーニングブラシ23は、回転軸の外周面に導電性のナイロン等の樹脂で形成されたブラシ部が突出しており、ブラシ部を帯電ローラー21の外周面に接触させた状態で回転することにより帯電ローラー21に付着しているトナーや紙粉等を除去するものである。クリーニングブラシ23の回転軸の一端には感光体ドラム1の回転軸に設けられた出力ギア(図示せず)と連結される入力ギア(図示せず)が固定されており、感光体ドラム1の回転駆動力によって、帯電ローラー21に対し所定の線速差をもって帯電ローラー21との対向面において同一方向に回転(ウィズ回転)する。なお、クリーニングブラシ23に代えて、ゴムや樹脂製のスポンジ状のローラーから成るクリーニングローラーを用いてもよい。
現像装置3は、攪拌搬送スクリュー、供給搬送スクリューから成る2本の攪拌搬送部材25と、磁気ローラー27とを有し、磁気ローラー27の表面に担持された二成分現像剤(磁気ブラシ)を感光体ドラム1表面に接触させて静電潜像をトナー像に現像する。現像装置3へのトナーの供給はトナーコンテナ4(図1参照)から中間ホッパー(図示せず)を介して行われる。
一次転写ローラー6は、感光体ドラム1表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト8に転写する。一次転写ローラー6には、トナーと逆極性の転写バイアスを印加するための転写バイアス電源及びバイアス制御回路(いずれも図示せず)が接続されている。
クリーニング装置7は、クリーニングローラー30、クリーニングブレード31、及びトナー回収スクリュー33を有している。クリーニングローラー30は、感光体ドラム1に所定の圧力で圧接されており、ドラムクリーニングモーター(図示せず)により感光体ドラム1との当接面において同一方向に回転駆動されることで、感光体ドラム1表面の残留トナーを除去するとともに残留トナーを用いて感光体ドラム1表面の感光層を摺擦して研磨する。また、現像装置3から供給されるトナーは研磨材を含むトナー(研磨トナー)である。この研磨トナーは、感光体ドラム1上の静電潜像に付着してトナー像を形成するだけでなく、一次転写ローラー6で転写されなかった残留トナーを利用して感光体ドラム1の表面を研磨するために用いられる。
クリーニングローラー30の線速は感光体ドラム1の線速よりも速く(ここでは1.2倍)制御されている。クリーニングローラー30としては、例えば金属シャフトの周囲にローラー体としてEPDMゴム製でアスカーC硬度が55°の発泡体層を形成した構造が挙げられる。ローラー体の材質としてはEPDMゴムに限定されず、他の材質のゴムや発泡ゴム体であっても良く、アスカーC硬度が10〜90°の範囲のものが好適に使用される。
感光体ドラム1表面の、クリーニングローラー30との当接面よりも回転方向下流側には、クリーニングブレード31が感光体ドラム1に当接した状態で固定されている。クリーニングブレード31としては、例えばJIS(日本工業規格;Japanese Industrial Standards)硬度が78°のポリウレタンゴム製のブレードが用いられ、その当接点において感光体接線方向に対し所定の角度で取り付けられている。クリーニングブレード31の材質及び硬度、寸法、感光体ドラム1への食い込み量及び圧接力等は、感光体ドラム1の仕様に応じて適宜設定される。
トナー回収スクリュー33は、クリーニングローラー30、クリーニングブレード31によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーをクリーニング装置7の外部に排出する。
上述したような、正帯電単層型感光体である感光体ドラム1を帯電ローラー21により帯電させる画像形成装置100において、感光体ドラム1の感光層の表面粗さと帯電ムラとの関係に着目した。図3は、感光層の表面が平滑である場合の帯電ローラー21から感光体ドラム1表面への放電状態を示す図、図4は、図3における表面電位分布を示すグラフである。図5は、感光層の表面が過度に荒れている(凹凸がある)場合の帯電ローラー21から感光体ドラム1表面への放電状態を示す図、図6は、図5における表面電位分布を示すグラフである。
図3に示すように、感光層の表面が平滑である場合は、帯電ローラー21から感光体ドラム1に移動する電荷は感光層表面に存在する放電サイトSに選択的に流れ込みやすい。即ち、感光層表面が平滑であるほど放電サイトSに放電が集中するため、図4に示すように表面電位ムラが大きくなり画像不良に繋がる。
一方、図5に示すように、感光層の表面が過度に荒れている(凹凸が目立ちすぎる)と感光層の表面の凸部Tに選択的に電荷が流れ込みやすい。即ち、感光層表面の凹凸が大きくなるほど凸部Tに放電が集中するため、図6に示すように表面電位ムラが大きくなり画像不良に繋がる。
つまり、感光層の表面が平滑であるほど、感光層の放電サイトSの影響による局所放電が支配的になるが、感光層の表面の凹凸が増加するにつれて、放電サイトSの影響よりも感光層の表面の凹凸(空隙間距離)に応じた局所放電が支配的となることがわかる。
図7は、感光層の表面が適度に荒れている(適度な凹凸がある)場合の帯電ローラー21から感光体ドラム1表面への放電状態を示す図、図8は、図7における表面電位分布を示すグラフである。図7に示すように、感光層の表面が適度に荒れていると、放電サイトの影響による放電と、表面凹凸(空隙間距離)に応じた放電とが混在した状態となり、放電サイトSに加えて凸部Tにも電荷の流れが生じるため、図8に示すように表面電位のムラが解消されることがわかる。
そこで、本発明では、感光層の表面を適度に荒らすことによって空隙間距離が狭い箇所を作り、感光層の放電サイトの影響による局所放電と、表面凹凸(空隙間距離)による局所放電の両方を発生させることとした。具体的には、感光層表面の表面粗度が、断面曲線凹凸の平均間隔(Sm)で80〜300μmであり、且つ、十点平均粗さ(Rz)で0.45〜10μmであれば、画像不良が発生しないレベルに帯電ムラを抑制可能となることを見出した。
また、感光層の表面粗さは、導電性基体の表面粗さをコントロールすることによって得ることができ、導電性基体の表面粗さがSmで50〜150μm、且つ、Rzで1.4〜15μmであれば、所望の感光層の表面粗さ(Smで80〜300μm、且つ、Rzで0.45〜10μm)が得られることを見出した。
上記の構成によれば、感光体ドラム1の使用初期において、放電劣化していない電荷発生剤の存在により感光層表面近傍に発生する放電サイトに帯電ローラー21から微小リークが生じ、異常放電画像が発生するという不具合を効果的に抑制することができる。また、感光層の耐摩耗性を向上させるために感光層にフィラーを含有させた場合、クリーニングブレード31による摩擦力が低減するため放電サイトの除去力も低下し、帯電ムラが長期間継続して発生するが、感光層の表面粗さを適正化することで、放電サイトの除去力の低下による帯電ムラの発生と感光体ドラム1の長寿命化とを両立させることができる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態で示した帯電ローラー21の材質や形状、帯電ローラー21に印加する帯電バイアス等は一例であり、感光体ドラム1の感光層の仕様に応じて適宜変更することができる。
また、本発明の画像形成装置としては、図1に示したようなカラープリンターに限らず、モノクロ及びカラー複写機、デジタル複合機、モノクロプリンター、ファクシミリ等の他の画像形成装置であっても良い。以下、試験例により本発明の効果について更に具体的に説明する。
[試験例]
(感光体ドラムの作製)
電荷発生剤(無金属フタロシアニン)5質量部、正孔輸送剤50質量部、電子輸送剤35質量部、結着樹脂(粘度平均分子量67000)100質量部、フィラー5質量部をテトラヒドロフラン800質量部とともにボールミルにて50時間混合分散し、感光体塗布液を調整した。この塗布液を、表面粗さの異なる直径30mmのアルミニウム製の導電性基体上にディップコート法にて塗布し、その後100℃で40分間熱風乾燥し、膜厚36μmで表面粗さの異なる感光層が形成された、10種類の感光体ドラム1(本発明1〜4、比較例1〜6)を作製した。
導電性基体及び感光層表面の粗さは表面粗さ測定器(SURFCOM1500DX、東京精密社製)を用いて測定を行い、JIS B0601−1994の規格に基づいて粗さを決定した(帯電ローラーの表面粗さも同様に決定した)。
作製された本発明1〜4、比較例1〜6の感光体ドラム及び帯電ローラーを試験機(京セラドキュメントソリューションズ社製、FS−C5300DN)に搭載し、印字率10%〜25%のテスト画像を印字した場合の帯電ムラを目視により評価し、帯電ムラが見られなかった場合を○、帯電ムラがあった場合を×とした。なお、帯電ローラーは、エピクロルヒドリンゴムを主成分とするゴムで構成される、硬度71°、直径12mm、導電性ゴム層の厚みmm、表面粗さRz12μm、Sm100μmであり、感光体の表面電位が520Vになるように帯電ローラー印加電圧を設定した。評価結果を導電性基体の表面粗さ、感光層の表面粗さと併せて表1に示す。

Figure 2016224124
表1から明らかなように、感光層の表面粗さが、Rz(μm)で0.45以上10以下、且つ、Sm(μm)で80以上300以下である本発明1〜4の感光体ドラムを用いた場合、帯電ムラの発生を効果的に抑制できることが確認された。
本発明は、正帯電単層型感光体と、感光体に接触して帯電させる帯電部材を備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、帯電部材を用いて単層型感光体を帯電させる際に、感光層表面で起こる帯電ムラを発生させず、且つ感光層の耐摩耗性も向上させた環境対応性に優れた画像形成装置を提供することができる。
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d、1 感光体ドラム(正帯電単層型感光体)
2a〜2d、2 帯電装置
3a〜3d、3 現像装置
5 露光ユニット
6a〜6d、6 一次転写ローラー
7a〜7d、7 クリーニング装置
13 定着装置
21 帯電ローラー(帯電部材)
23 クリーニングブラシ
30 クリーニングローラー
31 クリーニングブレード
100 画像形成装置

Claims (2)

  1. 導電性基体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤、フィラー、結着樹脂を含む単層構造の感光層が形成された正帯電単層型感光体と、
    該感光体に接触した状態で帯電バイアスが印加されることにより前記感光層を帯電させる帯電部材と、
    を備えた画像形成装置において、
    前記帯電部材は、導電性ゴムで形成され、帯電バイアスとして直流電圧が印加される帯電ローラーであり、
    前記感光体は、前記感光層の表面粗さが断面曲線凹凸の平均間隔(Sm)で80〜300μm、且つ、十点平均粗さ(Rz)で0.45〜10μmであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光体は、前記導電性基体の表面粗さが断面曲線凹凸の平均間隔(Sm)で50〜150μm、且つ、十点平均粗さ(Rz)で1.4〜15μmであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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