JP5814222B2 - 正帯電単層型電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

正帯電単層型電子写真感光体及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、正帯電単層型電子写真感光体及び正帯電単層型電子写真感光体を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に備えられる電子写真感光体としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機材料からなる感光層を備える無機感光体と、主に、バインダー樹脂、電荷発生材料、電荷輸送材料等の有機材料からなる感光層を備える有機感光体とがある。そして、これらの感光体のなかでは、無機感光体と比較して製造が容易であり、感光層の材料を幅広い材料から選択でき、設計の自由度が高いことから有機感光体が幅広く使用されている。
かかる有機感光体としては、電荷発生材料及び電荷輸送材料を同一層に含む感光層を備える単層型有機感光体が挙げられる。単層型有機感光体は、導電性基体上に電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とを積層した積層型有機感光体と比較して、単層構造であることから製造が容易であると共に、正帯電であることから帯電時のオゾン等の酸化性ガスの発生が少なく、さらに皮膜欠陥の発生を抑制できることが知られている。
一方、電子写真感光体の帯電方式としては、帯電ローラー等を用いて帯電部と感光層とが接触した状態で感光体表面を帯電させる接触帯電方式と、スコロトロン等を用いて帯電部と感光層とが離れた状態で感光体表面を帯電させる非接触帯電方式とがあるが、この観点において接触帯電方式がオゾン等の酸化性ガスをほとんど発生しないことから優れている。
従って、電子写真感光体の表面を帯電させる際に、電子写真感光体の寿命やオフィス環境に悪影響を与えないことから、接触帯電方式と正帯電単層型電子写真感光体とを組み合わせて使用することが好ましい。
感光体には、高感度であり、欠陥の少ない画像を形成できることが求められており、このような要求に応えるために、酸化チタン又は酸化スズを主成分とし、平均一次粒径が50nm以下である金属酸化物微粒子を含有する単層型感光層を備える正帯電単層型有機感光体が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−221808号公報
しかし、特許文献1に記載の正帯電単層型有機感光体は、接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置で使用される場合に、帯電部と感光体表面との摩擦によっての感光層が摩耗しやすい。また、特許文献1に記載の正帯電単層型電子写真感光体は、感光体表面が所望する電位に帯電されにくい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、耐摩耗性と、電気特性とに優れる正帯電単層型電子写真感光体と、当該正帯電単層型電子写真感光体を像担持体として備える画像形成装置とを提供することを目的とする。
本発明者らは、接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において像担持体として使用される正帯電単層型電子写真感光体において、体積平均粒子径が所定の範囲内であって、シリカ微粒子及び樹脂微粒子からなる群より選択される1種以上の微粒子を含むフィラーを導電性基体上の感光層中に含有させることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、
導電性基体上に、電荷発生材料、電荷輸送材料、フィラー、及びバインダー樹脂を含む単層構造の感光層が形成されており、接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において像担持体として使用される正帯電単層型電子写真感光体であって、
前記フィラーが、シリカ微粒子及び樹脂微粒子からなる群より選択される1種以上の微粒子を含み、
前記フィラーの体積平均粒子径が、5nm以上、5μm以下である、正帯電単層型電子写真感光体に関する。
本発明の第二の態様は、
像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電するための接触帯電方式の帯電部と、
帯電された前記像担持体の表面を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、
前記静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、
前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、を備え、前記像担持体が、第一の態様に係る正帯電単層型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、耐摩耗性と、電気特性とに優れる正帯電単層型電子写真感光体と、当該正帯電単層型電子写真感光体を像担持体として備える画像形成装置とを提供することができる。
本発明の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体を備えた画像形成装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、導電性基体上に、電荷発生材料、電荷輸送材料、フィラー、及びバインダー樹脂を含む単層構造の感光層が形成されており、接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において像担持体として使用される正帯電単層型電子写真感光体(以下、単層型感光体、又は感光体と称する場合がある)に関する。フィラーは、シリカ微粒子及び樹脂微粒子からなる群より選択される1種以上の微粒子を含む。フィラーの体積平均粒子径は、5nm以上5μm以下である。
第1の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体10は、図1に示すように、導電性基体12と、導電性基体12上に形成された、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する単層の感光層14とが備えられたものである。そして、正帯電単層型電子写真感光体10は、導電性基体12と感光層14とを備えていれば、特に限定されない。具体的には、例えば、図1(a)に示すように、導電性基体12上に感光層14を直接備えていてもよいし、図1(b)に示す正帯電単層型電子写真感光体10のように、導電性基体12と感光層14との間に中間層16を備えていてもよい。また、図1(a)や図1(b)に示すように、感光層14が最外層となって露出していてもよいし、図1(c)に示す正帯電単層型電子写真感光体10のように、感光層14上に保護層18を備えていてもよい。
以下、導電性基体及び感光層について順に説明する。
〔導電性基体〕
導電性基体は、正帯電単層型電子写真感光体の導電性基体として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、導電性を有する材料で少なくとも表面部が構成されるもの等が挙げられる。すなわち、具体的には、例えば、導電性を有する材料からなるものであってもよいし、プラスチック材料等の表面を、導電性を有する材料で被覆したものであってもよい。また、導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。また、導電性を有する材料としては、導電性を有する材料を1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて、例えば、合金等として用いてもよい。また、導電性基体としては、上記の中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。そうすることによって、より好適な画像を形成することができる正帯電単層型電子写真感光体を提供することができる。このことは、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることによると考えられる。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができ、例えば、シート状、ドラム状等の基体が好適に使用できる。また、導電性基体の厚みは上記形状に応じて適宜選択することが出来る。
〔感光層〕
正帯電単層型電子写真感光体が備える感光層としては、電荷発生材料、電荷輸送材料、フィラー、及びバインダー樹脂を含む単層構造の感光層であり、フィラーが、シリカ微粒子及び樹脂微粒子からなる群より選択される1種以上の微粒子を含むものであれば特に限定されない。以下、感光層を構成する成分である、電荷発生材料、電荷輸送材料、フィラー、バインダー樹脂、及び添加剤、並びに正帯電単層型電子写真感光体の製造方法について説明する。
(電荷発生材料)
電荷発生材料としては、正帯電単層型電子写真感光体の電荷発生材料として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。
また、電荷発生材料は、所望の領域に吸収波長を有するように、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、前述の各電荷発生材料のうち、特に半導体レーザー等の光源を使用したレーザービームプリンターやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する正帯電単層型電子写真感光体が必要となるため、例えば、無金属フタロシアニンやオキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料が好適に用いられる。なお、上記フタロシアニン系顔料の結晶形については特に限定されず、種々のものが使用される。また、ハロゲンランプ等の白色の光源を使用した静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装置には、可視領域に感度を有する正帯電単層型電子写真感光体が必要となるため、例えば、ペリレン顔料やビスアゾ顔料等が好適に用いられる。
フタロシアニン系顔料の具体例としては、下記式(I)で表されるX型無金属フタロシアニン(x−HPc)や、下記式(II)で表されるα型やY型等のオキソチタニルフタロシアニンが挙げられる。
Figure 0005814222
Figure 0005814222
これらのなかでも、(A)CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有し、(B)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲内に1つのピークを有するオキソチタニルフタロシアニンや、
(A)の特徴に加えて、且つ、(C)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外は、50℃以上400℃以下の範囲内にピークを有しないオキソチタニルフタロシアニンや、
(A)の特徴に加えて、且つ、(D)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外は、50℃以上270℃以下の範囲内にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲内に1つのピークを有するオキソチタニルフタロシアニンが感度の点で好ましい。
(電荷輸送材料)
本発明に使用される電荷輸送材料としては、正孔輸送材料(HTM)及び電子輸送材料(ETM)から選択される1種以上の材料を含む。以下、正孔輸送材料と、電子輸送材料とについて順に説明する。
・正孔輸送材料
正孔輸送材料(HTM)としては、正帯電単層型電子写真感光体の感光層に含まれる正孔輸送材料として用いることができるものであれば、特に限定されない。正孔輸送材料の具体例としては、ベンジジン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。これらの正孔輸送材料の中では、分子中に1又は複数のトリフェニルアミン骨格を有するトリフェニルアミン系化合物がより好ましい。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・電子輸送材料
電子輸送材料(ETM)としては、正帯電単層型電子写真感光体の感光層に含まれる電子輸送材料として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体等のキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。電子輸送材料は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(フィラー)
本発明の第1の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体が備える感光層は、フィラーを必須に含む。フィラーは、シリカ微粒子及び樹脂微粒子からなる群より選択される1種以上の微粒子を含む。フィラーの体積平均粒子径は5nm以上5μm以下である。このようなフィラーが感光層中に含まれることで、耐磨耗性に優れる正帯電単層型電子写真感光体を得ることができる。
樹脂微粒子の材質は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。樹脂微粒子の材質の好適な例としては、シリコーンゴム、オルガノポリシロキサンのようなシリコーン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、及びポリテトラフルオロエチレン樹脂のようなフッ素含有樹脂等の樹脂が挙げられる。シリコーン樹脂としては、ポリシルセスキオキサンが好ましく、ポリメチルシルセスキオキサンがより好ましい。
シリカ微粒子は、本発明の目的を阻害しない限り、周知のシリカ微粒子から適宜選択することができる。シリカ微粒子としては、シランカップリング剤やシリコーンオイルのような表面処理剤で処理されたものも使用することができる。
フィラーの体積平均粒子径は、5nm以上、5μm以下であり、5nm以上、1μm以下がより好ましく、5nm以上、0.1μm以下が特に好ましい。フィラーの体積平均粒子径が過大である場合、感光体表面が良好に帯電されにくい傾向があり、電気特性に優れる正帯電単層型電子写真感光体を得にくい。
フィラーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、シリカ微粒子及び樹脂微粒子以外の他の種類の微粒子を含んでいてもよい。シリカ微粒子及び樹脂微粒子以外の他の種類の微粒子は、例えば、金属酸化物微粒子、無機金属塩微粒子、及び有機金属塩微粒子のような微粒子の中から、得られる正帯電単層型電子写真感光体の性能を勘案して選択される。フィラーが、シリカ微粒子及び樹脂微粒子以外の他の種類の微粒子を含む場合、フィラー中の、シリカ微粒子の含有量と、樹脂微粒子の含有量の合計は、フィラーの質量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上が好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、正帯電単層型電子写真感光体の感光層に含まれるバインダー樹脂として用いることができるものであれば、特に限定されない。バインダー樹脂として好適に使用される樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂等の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート樹脂、ウレタン−アクリレート共重合樹脂等の光硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの樹脂の中では、加工性、機械的特性、光学的特性、耐摩耗性のバランスに優れた感光層が得られることから、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZC型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂、及びビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート樹脂がより好ましい。
(添加剤)
正帯電単層型電子写真感光体の感光層は、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂の他に、各種添加剤を含んでいてもよい。感光層に配合できる添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、及びレベリング剤等が挙げられる。
(正帯電単層型電子写真感光体の製造方法)
正帯電単層型電子写真感光体の製造方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電単層型電子写真感光体の製造方法の好適な例としては、感光層用の塗布液を導電性基体上に塗布して感光層を形成する方法が挙げられる。具体的には、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、バインダー樹脂、及び必要に応じて各種添加剤等を溶剤に溶解又は分散させた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥することによって、感光層を製造することができる。塗布方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いる方法が挙げられる。また、導電性基体上に形成された塗膜の乾燥方法としては、例えば、80℃以上150℃以下で15分間以上120分間以下の条件で熱風乾燥する方法等が挙げられる。
正帯電単層型電子写真感光体において、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂の各含有量は、適宜選定され、特に限定されない。具体的には、例えば、電荷発生材料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、0.5質量部以上30質量部以下がより好ましい。電子輸送材料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上80質量部以下がより好ましい。正孔輸送材料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上500質量部以下であることが好ましく、25質量部以上200質量部以下であることがより好ましい。また、正孔輸送材料と電子輸送材料との総量、すなわち、電荷輸送材料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、20質量部以上500質量部以下であることが好ましく、30質量部以上200質量部以下であることがより好ましい。
正帯電単層型電子写真感光体の感光層の厚さは、感光層として充分に作用することができれば、特に限定されない。具体的には、例えば、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
感光層用の塗布液に含有される溶剤としては、感光層を構成する各成分を溶解又は分散させることができれば、特に限定されない。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正帯電単層型電子写真感光体は、後述の接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置の像担持体として使用される。第1の実施形態の正帯電単層型電子写真感光体は、接触帯電方式の帯電部を備えるという感光層の磨耗が生じやすい構成の画像形成装置で使用されても摩耗されにくく、且つ、電気特性に優れる。このため、第1の実施形態の正帯電単層型電子写真感光体を接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において象担持体として用いることで、高品質の画像を形成できる画像形成装置を提供することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、像担持体と、像担持体の表面を帯電するための電圧を印加する接触帯電方式の帯電部と、帯電された像担持体の表面を露光して像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、トナー像を像担持体から被転写体へ転写するための転写部とを備え、像担持体として第1の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体を用いる画像形成装置に関する。
また、本発明の画像形成装置としては、モノクロ画像形成装置、後述するような複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置のいずれにも適用可能であるが、ここでは、タンデム方式のカラー画像形成装置について説明する。
なお、本実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体を備えるタンデム型のカラー画像形成装置は、各表面上にそれぞれ異なった各色のトナーによるトナー像を形成させるために、所定方向に並設された、複数の像担持体と、各像担持体に対向して配置され、表面にトナーを担持して搬送し、搬送されたトナーを、各像担持体の表面にそれぞれ供給する、現像ローラーを備える複数の現像部とを備え、各像担持体として、それぞれ第1の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体を用いる。
図2は、本発明の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体を備える画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、画像形成装置としては、カラープリンター1を例に挙げて説明する。
このカラープリンター1は、図2に示すように、箱型の機器本体1aを有している。この機器本体1a内には、用紙Pを給紙する給紙部2と、この給紙部2から給紙された用紙Pを搬送しながら当該用紙Pに画像データ等に基づくトナー像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3で用紙P上に転写された未定着トナー像を用紙Pに定着する定着処理を施す定着部4とが設けられている。さらに、機器本体1aの上面には、定着部4で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部5が設けられている。
給紙部2は、給紙カセット121、ピックアップローラー122、給紙ローラー123,124,125、及びレジストローラー126を備えている。給紙カセット121は、機器本体1aから挿脱可能に設けられ、各サイズの用紙Pを貯留する。ピックアップローラー122は、給紙カセット121の図2に示す左上方位置に設けられ、給紙カセット121に貯留されている用紙Pを1枚ずつ取り出す。給紙ローラー123,124,125は、ピックアップローラー122によって取り出された用紙Pを用紙搬送路に送り出す。レジストローラー126は、給紙ローラー123,124,125によって用紙搬送路に送り出された用紙Pを一時待機させた後、所定のタイミングで画像形成部3に供給する。
また、給紙部2は、機器本体1aの図2に示す左側面に取り付けられる不図示の手差しトレイとピックアップローラー127とをさらに備えている。このピックアップローラー127は、手差しトレイに載置された用紙Pを取り出す。ピックアップローラー127によって取り出された用紙Pは、給紙ローラー123,125によって用紙搬送路に送り出され、レジストローラー126によって、所定のタイミングで画像形成部3に供給される。
画像形成部3は、画像形成ユニット7と、この画像形成ユニット7によってその表面(接触面)にコンピューター等から電送された画像データに基づくトナー像が1次転写される中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31上のトナー像を給紙カセット121から送り込まれた用紙Pに2次転写させるための2次転写ローラー32とを備えている。
画像形成ユニット7は、上流側(図2では右側)から下流側に向けて順次配設されたブラック用ユニット7Kと、イエロー用ユニット7Yと、シアン用ユニット7Cと、マゼンタ用ユニット7Mとを備えている。各ユニット7K,7Y,7C、及び7Mは、それぞれの中央位置に像担持体としての正帯電単層型電子写真感光体37(以下、感光体37)が矢符(時計回り)方向に回転可能に配置されている。そして、各感光体37の周囲には、帯電部39、露光部38、現像部71、及び不図示のクリーニング部と、必要に応じて不図示の除電部とが、回転方向上流側から順に各々配置されている。なお、感光体37としては、第1の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体を用いる。
帯電部39は、矢符方向に回転されている感光体37の周面を均一に帯電させる。帯電部39の具体例としては、帯電ローラー及び帯電ブラシ等が感光体37に接触したまま、感光体37の周面(表面)を帯電させる、接触方式の帯電ローラー及び帯電ブラシ等を備えた帯電部が挙げられ、帯電ローラーを備えた帯電部39が好ましく用いられる。
接触方式の帯電ローラーを備えた帯電部39は、帯電ローラーが感光体37と接触したまま、感光体37の周面(表面)を帯電させる。このような帯電ローラーとしては、例えば、感光体37と接触したまま、感光体37の回転に従属して回転するもの等が挙げられる。また、帯電ローラーとしては、例えば、少なくとも表面部が樹脂で構成されたローラー等が挙げられる。より具体的には、例えば、回転可能に軸支された芯金と、芯金上に形成された樹脂層と、芯金に電圧を印加する電圧印加部とを備えたもの等が挙げられる。このような帯電ローラーを備えた帯電部39は、電圧印加部によって、芯金に電圧を印加することによって、樹脂層を介して接触する感光体37の表面を帯電させることができる。
電圧印加部により帯電ローラーに印加される電圧は特に制限されないが、交流電圧や直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を印加する場合より、直流電圧のみであることが好ましい。帯電ローラーに直流電圧のみを印加する場合のほうが、感光層の磨耗量が少なくなる傾向があり、好適な画像を形成することができる。正帯電単層型電子写真感光体に印加する直流電圧は、1000V以上2000V以下が好ましく、1200V以上1800V以下がより好ましく、1400V以上1600V以下が特に好ましい。
画像形成装置が帯電ローラーを備える電圧を印加する帯電部と、像担持体として正帯電単層型電子写真感光体とを備える場合、転写メモリーが発生しやすい傾向があるが、第1の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体を像担持体として用いる場合、転写メモリーが抑制され画像不良の発生を抑制することができる。
また、帯電ローラーの樹脂層を構成する樹脂は、感光体37の周面を良好に帯電させることができれば特に限定されない。樹脂層に用いる樹脂の具体例としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン変性樹脂等が挙げられる。また、樹脂層には、無機充填材を含有させていてもよい。
露光部38は、いわゆるレーザー走査ユニットであり、帯電部39によって均一に帯電された感光体37の周面に、上位装置であるパーソナルコンピューター(PC)から入力された画像データに基づくレーザー光を照射し、感光体37上に画像データに基づく静電潜像を形成する。現像部71は、静電潜像が形成された感光体37の周面にトナーを供給することで、画像データに基づくトナー像を形成させる。そして、このトナー像が中間転写ベルト31に1次転写される。クリーニング部は、中間転写ベルト31へのトナー像の1次転写が終了した後、感光体37の周面に残留しているトナーを清掃する。除電部は、1次転写が終了した後、感光体37の周面を除電する。クリーニング部及び除電部によって清浄化処理された感光体37の周面は、新たな帯電処理のために帯電部39へ向かい、新たな帯電処理が行われる。
中間転写ベルト31は、無端状のベルト状回転体であって、表面(接触面)側が各感光体37の周面にそれぞれ当接するように駆動ローラー33、従動ローラー34、バックアップローラー35、及び1次転写ローラー36等の複数のローラーに架け渡されている。また、中間転写ベルト31は、各感光体37と対向配置された1次転写ローラー36によって感光体37に押圧された状態で、複数のローラーによって無端回転するように構成されている。駆動ローラー33は、ステッピングモーター等の駆動源によって回転駆動し、中間転写ベルト31を無端回転させるための駆動力を与える。従動ローラー34、バックアップローラー35、及び1次転写ローラー36は、回転自在に設けられ、駆動ローラー33による中間転写ベルト31の無端回転に伴って従動回転する。これらのローラー34,35,36は、駆動ローラー33の主動回転に応じて中間転写ベルト31を介して従動回転すると共に、中間転写ベルト31を支持する。
1次転写ローラー36は、1次転写バイアス(トナーの帯電極性とは逆極性)を中間転写ベルト31に印加する。そうすることによって、各感光体37上に形成されたトナー像は、各感光体37と1次転写ローラー36との間で、駆動ローラー33の駆動により矢符(反時計回り)方向に周回する中間転写ベルト31に重ね塗り状態で順次転写(1次転写)される。この後、所望により、除電光により各感光体37の表面を除電するための除電部(図示せず)による除電が行われた後に、各感光体37はさらに回転され、次のプロセスに移行する。
2次転写ローラー32は、トナー像と逆極性の2次転写バイアスを用紙Pに印加する。そうすることによって、中間転写ベルト31上に1次転写されたトナー像は、2次転写ローラー32とバックアップローラー35との間で用紙Pに転写され、これによって、用紙Pにカラーのトナー画像が転写される。
定着部4は、画像形成部3で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される加熱ローラー41と、この加熱ローラー41に対向配置され、周面が加熱ローラー41の周面に押圧当接される加圧ローラー42とを備えている。
そして、画像形成部3で2次転写ローラー32により用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラー41と加圧ローラー42との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、排紙部5へ排紙されるようになっている。また、本実施形態のカラープリンター1では、定着部4と排紙部5との間の適所に搬送ローラー6が配設されている。
排紙部5は、カラープリンター1の機器本体1aの頂部が凹没されることによって形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ51が形成されている。
カラープリンター1は、以上のような画像形成動作によって、用紙P上に画像形成を行う。上記のようなタンデム方式の画像形成装置は、像担持体として、耐摩耗性及び電気特性に優れる第1の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体が備えるので、接触帯電方式の帯電部を備える感光層の磨耗が生じやすい構成の画像形成装置であっても、感光層の磨耗が抑制しつつ好適な画像を形成することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例では、以下の、電荷発生材料(CGM1〜3)と、正孔輸送材料(HTM−1〜4)と、電子輸送材料(ETM−1〜4)と、フィラー(F1〜12)と、バインダー樹脂とを使用した。
<電荷発生材料(CGM)>
CGM1:x−HPc
CGM2:y−TiOPc
CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大のピークを有すると共に、26.2°にピークを有さない、オキソチタニルフタロシアニン結晶。
CGM3:k−TiOPc
CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大のピークを有すると共に、26.2°にピークを有さず、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外は270℃から400℃に1つピークを有するチタニルフタロシアニン結晶。
<正孔輸送材料(HTM)>
HTM1
Figure 0005814222
HTM2
Figure 0005814222
HTM3
Figure 0005814222
HTM4
Figure 0005814222
<電子輸送材料(ETM)>
ETM1
Figure 0005814222
ETM2
Figure 0005814222
ETM3
Figure 0005814222
ETM4
Figure 0005814222
<フィラー>
F1:SiO微粒子(RX200(日本アエロジル株式会社製)、体積平均粒子径0.012μm)
F2:SiO微粒子(RX300(日本アエロジル株式会社製)、体積平均粒子径0.007μm)
F3:ポリメチルシルセスキオキサン微粒子(MSP−N050(日興リカ株式会社製)、体積平均粒子径0.6μm)
F4:ポリメチルシルセスキオキサン微粒子(MSP−3500(日興リカ株式会社製)、体積平均粒子径5.0μm)
F5:ポリメチルシルセスキオキサン微粒子(MSP−4000(日興リカ株式会社製)、体積平均粒子径3.0μm)
F6:ポリフェニレンスルフィド樹脂微粒子(トレパールPPS(東レ株式会社製)、体積平均粒子径0.8μm)
F7:シリコーン樹脂微粒子(X52−854(信越化学工業株式会社製)、体積平均粒子径0.8μm)
F8:シリコーン樹脂微粒子(MMP−594(信越化学工業株式会社製)、体積平均粒子径0.8μm)
F9:SiO微粒子(NAX50(日本アエロジル株式会社製)、体積平均粒子径0.03μm)
F10:ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子(KTL−8HM(喜多村株式会社製)、体積平均粒子径4.2μm)
F11:酸化チタン(P25(日本アエロジル株式会社製)、体積平均粒子径0.002μm)
F12:アンチモン/スズ酸化物(ATO(三井金属鉱業株式会社)、体積平均粒子径0.002μm)
<バインダー樹脂>
粘度平均分子量40,000の、ビスフェノールZに由来する単位からなるポリカーボネート樹脂
〔実施例1〜20及び比較例1〜3〕
表1〜4に記載の種類及び量の電荷発生材料と、表1〜4に記載の種類の正孔輸送材料50質量部と、表1〜4に記載の種類の電子輸送材料50質量部と、表1〜4に記載の種類及び量のフィラーと、バインダー樹脂100質量部と、テトラヒドロフラン800質量部とをボールミルに加え、50時間、混合、分散処理し、感光層用の塗布液を調製した。得られた塗布液を導電性基板上にディップコート法により塗布し、100℃で40分間処理して塗膜よりテトラヒドロフランを除去して、膜厚25μmの感光層を備える正帯電単層電子写真感光体を得た。
≪評価≫
実施例及び比較例の正帯電単層電子写真感光体について、下記の方法に従い感光体の耐磨耗性及び電気特性を評価した。
<耐磨耗性の評価方法>
正帯電単層型電子写真感光体を、帯電部を帯電ローラーに換装したプリンター(FS−5300DN、京セラミタ株式会社製)に装着し、連続印刷試験として、30℃、80%RH環境下で、印字率4%のテストパターンを、A4サイズの被記録媒体(富士ゼロックス製上質PPC用紙)に5000枚連続で印刷した。連続印刷試験前後の感光層の膜厚を測定し、連続印刷試験後の感光層の膜厚変化量を求めた。耐磨耗性を、下記基準に従って膜厚変化量から評価した。
○:膜厚変化量が3μm未満。
×:膜厚変化量が3μm以上。
<電気特性の評価方法>
耐磨耗性の評価に用いたプリンターと同様のプリンターに正帯電単層型電子写真感光体を装着し、耐磨耗性の評価と同様の被記録媒体を用い、印字率4%のテストパターンを、30℃80%RH環境下で被記録媒体に2000枚連続で印刷した。連続印刷後の感光体の感度を測定し、連続印刷前後の感光体の感度変化量を求めた。電気特性を、下記基準に従って感度変化量から評価した。GENTEC社製ドラム感度試験機を用いて感光体の表面を+700Vに帯電させた状態で、ハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(露光量0.5μJ/cm)を感光体表面に照射し、露光開始から0.1秒経過した時点での表面電位を感光体の感度として測定した。
○:感度変化量が、80V未満。
×:感度変化量が、80V以上。
Figure 0005814222
実施例1〜20によれば、体積平均粒子径D50が所定の範囲内であって、シリカ微粒子及び樹脂微粒子からなる群より選択される1種以上の微粒子を含むフィラーを含有する感光層中を備える正帯電単層型電子写真感光体を接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において像担持体として使用すると、感光層の摩耗と、感光体の感度の変化とが生じにくいことが分かる。
比較例1によれば、感光層中にフィラーを含有しない正帯電単層型電子写真感光体感光体を接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において像担持体として使用すると、感光層に著しい磨耗が生じることが分かる。
比較例2及び3によれば、感光層中にシリカ微粒子及び樹脂微粒子以外の他のフィラーを含有する正帯電単層型電子写真感光体感光体を接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において像担持体として使用すると、感光体の感度が著しく変化することが分かる。
10 正帯電単層型電子写真感光体
12 導電性基体
14 感光層
16 中間層
18 保護層

Claims (3)

  1. 導電性基体上に、電荷発生材料、電荷輸送材料、フィラー、及びバインダー樹脂を含む単層構造の感光層が形成されており、接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において像担持体として使用される正帯電単層型電子写真感光体であって、
    前記フィラーが、ポリフェニレンスルフィド樹脂微粒子からな
    前記フィラーの体積平均粒子径が、5nm以上、5μm以下であり、
    前記電荷輸送材料が、正孔輸送材料として下記HTM1及びHTM2:
    HTM1
    Figure 0005814222
    HTM2
    Figure 0005814222
    から選択される1種以上と、電子輸送材料として下記ETM2、ETM3及びETM4:
    ETM2
    Figure 0005814222
    ETM3
    Figure 0005814222
    ETM4
    Figure 0005814222
    からなる群より選択される1種以上と、を含む、正帯電単層型電子写真感光体。
  2. 前記フィラーの含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上10質量部以下である、請求項1に記載の正帯電単層型電子写真感光体。
  3. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電するための接触帯電方式の帯電部と、
    帯電された前記像担持体の表面を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、
    前記静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、
    前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、を備え、前記像担持体が、請求項1又は2記載の正帯電単層型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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