JP4204569B2 - 電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、耐磨耗性や耐油性に優れた電子写真感光体及びそのような電子写真感光体を用いた画像形成装置に関する。
従来、電子写真感光体において、耐磨耗性が不十分なために、長期間の繰り返し使用によってクラックが生じたり、耐油性が不十分なために、指油の付着によって、感光層が結晶化しやすくなったりするという問題が見られた。
そこで、電子写真感光体の感光層に、結着樹脂としてのシリコーン系グラフトポリマーと、正孔輸送剤としてのトリアリールアミン化合物と、を含有した電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電子写真感光体の感光層において、結着樹脂としてのポリカーボネート樹脂と、
電荷輸送剤としての複数の特定アゾ化合物と、を含有した電子写真感光体も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−368954(特許請求の範囲) 特開平8−190215(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1及び2に記載された電子写真感光体は、それぞれ高価な配合材料を用いており、製造コストが高いばかりか、耐磨耗性や耐油性については未だ乏しいという問題が見られた。
また、特許文献1及び2に記載された電子写真感光体においては、特定のトリアリールアミン化合物や特定のアゾ化合物を複数用いており、結着樹脂との関係で、それらが結晶化しやすいという問題も見られた。
ここで、所定構造を有するポリカーボネート樹脂を用いた電子写真感光体において、耐摩耗性を向上させようとすると、耐油性が低下する傾向があり、逆に、耐油性を向上させようとすると、耐磨耗性が低下する傾向があって、それぞれ相反する特性であった。
そこで、結着樹脂として、所定のポリカーボネート樹脂を複数併用することにより、長期間の繰り返し使用時や指油の付着によっても、クラックの発生が少ないばかりか、感光層の結晶化による地肌汚れも少なくなり、その結果、良好な画像特性が得られるようになった。
すなわち、本発明の目的は、上述した技術的な問題を解決し、相反する特性である耐磨耗性と、耐油性とのバランスに優れた電子写真感光体及びそのような電子写真感光体を用いた画像形成装置を効率的に提供することにある。
本発明によれば、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂と、を含有する感光層を備えた電子写真感光体であって、結着樹脂として、下記一般式(1)の構造単位を有するとともに、無機性値/有機性値(I/O値)が0.37以上の値であるポリカーボネート樹脂と、下記一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂、あるいはいずれか一方のポリカーボネート樹脂と、を併用して含有する電子写真感光体が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、このように構成することにより、バランスに優れた耐磨耗性や耐油性が得られ、長期間の繰り返し使用時や指油の付着によっても、クラックの発生が少ないばかりか、感光層の結晶化による地肌汚れも少なくなり、その結果、良好な画像特性を得ることができる。
また、一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂における無機性値/有機性値(I/O値)を0.37以上の値とすることにより、所定の結着樹脂と、正孔輸送剤や電子輸送剤との間の分散性や安定性を向上させることができる。
(一般式(1)中、複数の置換基Ra及びRbは、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、もしくは炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字p及びqは、それぞれ独立した0〜4の整数であり、置換基Rc及びRdは、それぞれ独立した水素原子もしくは炭素数1〜2の置換又は非置換のアルキル基であって、それぞれ種類が異なる非対称関係にあり、Wは、単結合、−O−、−CO−であり、添字m及びnは、0.05<n/(n+m)<0.6の関係式を満足するモル比である。)
(一般式(2)中、複数の置換基Reは、水素原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、あるいは炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字rは、0〜4の整数である。)
(一般式(3)中、複数の置換基Rfは、水素原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、又は炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字sは、0〜4の整数である。)
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂100重量部に対して、一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の合計添加量を10〜900重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、さらに耐摩耗性や耐油性とのバランスに優れた電子写真感光体とすることができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量をそれぞれ15,000〜80,000の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、電子写真感光体の耐摩耗性、耐油性、及び耐久性等の間において、さらに良好なバランスを採ることができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、正孔輸送剤における分子量を700以上の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、電子写真感光体の耐摩耗性、耐油性、及び耐久性等の間において、さらに良好なバランスを採ることができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、正孔輸送剤の種類をビススチルベン化合物又はビスブタジエン化合物とすることが好ましい。
このように構成することにより、所定条件下における光応答性を速くして、感度を高めることができる。なお、従来、ビススチルベン化合物又はビスブタジエン化合物を用いた場合、電子写真感光体の耐油性や耐クラック性が低下する傾向が見られたが、本発明の構成によれば、そのような問題についても解決することができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、さらに電子輸送剤を含むことが好ましい。
このような構成にすることにより、電荷発生剤及び正孔輸送剤との電荷の移動が容易になり、電荷移動度がより速くなり感度特性がさらに優れた電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの電子写真感光体を備えるとともに、かかる電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置して画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置である。このような画像形成装置であれば、長期間にわたって電気的特性に優れ、鮮明な画像形成を提供することが可能である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂と、を含有する感光層を備えた電子写真感光体であって、結着樹脂として、下記一般式(1)の構造単位を有するとともに、無機性値/有機性値(I/O値)が0.37以上の値であるポリカーボネート樹脂と、下記一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂、あるいはいずれか一方のポリカーボネート樹脂と、を併用して含有する電子写真感光体である。
(一般式(1)中、複数の置換基Ra及びRbは、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、もしくは炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字p及びqは、それぞれ独立した0〜4の整数であり、置換基Rc及びRdは、それぞれ独立した水素原子もしくは炭素数1〜2の置換又は非置換のアルキル基であって、それぞれ種類が異なる非対称関係にあり、Wは、単結合、−O−、−CO−であり、添字m及びnは、0.05<n/(n+m)<0.6の関係式を満足するモル比である。)
(一般式(2)中、複数の置換基Reは、水素原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、あるいは炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字rは、0〜4の整数である。)
(一般式(3)中、複数の置換基Rfは、水素原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、又は炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字sは、0〜4の整数である。)
ここで、電子写真感光体には、単層型と積層型とがあるが、本発明の電子写真感光体は、いずれにも適用可能である。
ただし、特に正負いずれの帯電性にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であること、感光体層を形成する際の被膜欠陥を抑制できること、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の理由から、単層型に適用することがより好ましい。
1.単層型感光体
(1)基本的構成
図1(a)に示すように、単層型感光体10は、導電性基体12上に単一の感光体層14を設けたものである。
この感光体層は、例えば、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、結着樹脂と、さらに必要に応じて、電子輸送剤、レベリング剤等を適当な溶媒に溶解又は分散させ、得られた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。かかる単層型感光体は、単独の構成で正負いずれの帯電型にも適用可能であるとともに、層構成が簡単であって、生産性に優れているという特徴がある。
なお、図1(b)に例示するように、導電性基体12上に、中間層(下引き層)16を介して、感光体層14を備えた電子写真感光体10´であっても良い。
(2)正孔輸送剤
(2)−1 種類
本発明の電子写真感光体に用いられる正孔輸送剤の種類に関して、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、オキサジアゾール系化合物、スチルベン系化合物、スチリル系化合物、カルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の1種単独又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
より具体的には、以下の一般式(4)〜(7)で表される化合物を用いることが好ましい。なお、一般式(4)〜(7)中のR1、R14、R24及びR37については、炭素数が2以上のアルキル基であることがより好ましい。
(一般式(4)中、複数のR1〜R12はそれぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数6〜30のアルケニル基、−OR13(R13は炭素数1〜10のアルキル基、パーフルオロアルキル基、または炭素数6〜30のアリール基である。)で表される基であり、また、R1〜R5、R6〜R10、及びR11とR12はそれぞれ互いに2つの置換基が連結して飽和または不飽和の環構造を形成してもよく、複数のAr1は水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数nは0〜2の整数である。)
(一般式(5)中、複数のR14〜R22はそれぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数6〜30のアルケニル基、−OR23(R23は炭素数1〜10のアルキル基、パーフルオロアルキル基、または炭素数6〜30のアリール基である。)で表される基であり、また、R14〜R18、R19とR20、及びR21とR22はそれぞれ互いに2つの置換基が連結して飽和または不飽和の環構造を形成してもよく、さらに、X1は、置換または非置換の炭素数6〜30のアリーレン基、炭素数6〜30のアリール基を有する不飽和炭化水素基、あるいは炭素数10〜30の縮合多環炭化水素基である。)
なお、複数のR16及びR20は上記置換基に加えて一般式(5´)の置換基であってもよい。
(一般式(5´)中、Ar2及びAr3はそれぞれ独立した水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数cは0〜2の整数である。)
(一般式(6)中、複数のR24〜R32及びR34〜R35はそれぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数6〜30のアルケニル基、−OR36(R36は炭素数1〜10のアルキル基、パーフルオロアルキル基、または炭素数6〜30のアリール基である。)で表される基であり、また、R24〜R28、R29とR30、R31とR35、R32とR34はそれぞれ互いに2つの置換基が連結して飽和・不飽和の環を形成してもよく、さらに、X2は、置換または非置換の炭素数6〜30のアリーレン基、炭素数6〜30のアリール基を有する不飽和炭化水素基、あるいは炭素数10〜30の縮合多環炭化水素基である。)
なお、複数のR26は上記置換基に加えて一般式(6´)の置換基であってもよい。
(一般式(6´)中、Ar4及びAr5は水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数dは0〜2の整数である。
(一般式(7)中、複数のR37〜R43及びR45〜R46はそれぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数6〜30のアルケニル基、−OR47(R47は炭素数1〜10のアルキル基、パーフルオロアルキル基、または炭素数6〜30のアリール基である。)で表される基であり、また、R37〜R41、R42とR43、R45とR46はそれぞれ互いに2つの置換基が連結して飽和・不飽和の環を形成してもよく、さらに、複数のAr6及びAr7は水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数eは0〜2の整数である。)
また、正孔輸送剤の種類に関して、ビススチルベン化合物又はビスブタジエン化合物とすることが好ましい。
この理由は、このような種類の正孔輸送剤を使用することにより、所定条件下における光応答性を速くして、感度を高めることができるためである。なお、ビススチルベン化合物及びビスブタジエン化合物は、他の正孔輸送剤、例えば、m−フェニレンジアミンやo−フェニレンジアミントリフェニルアミンと比較して、速い移動度を有するので、光応答性が速くなるという利点が得られやすいものの、耐油性が低下したり、クラックが発生しやかったりする傾向がある。しかしながら、本発明におけるポリカーボネート樹脂の併用によれば、そのような問題についても解決することができる。
さらに、下記式(8)〜(11)で表されるビススチルベン化合物やビスブタジエン化合物、あるいは下記式(12)〜(14)で表されるアミン化合物を使用することにより、耐油性と光応答性とのバランスがさらに良好な電子写真感光体を得ることができる。
(2)−2 添加量
また、正孔輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が200重量部を超えると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な厚さを有する膜を形成することが困難となる場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を30〜150重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(2)−3 分子量
また、正孔輸送剤の分子量を700以上の値とすることが好ましい。この理由は、正孔輸送剤の分子量を700以上に設定することによって、炭化水素溶媒に対する耐溶剤性を向上させ、感光層からの溶出を効果的に抑制できるとともに、感光層の感度劣化についても防止することができるためである。
但し、正孔輸送剤の分子量が過度に大きくなると、感光層中での分散性が低下したり、正孔輸送能が低下したりする場合がある。
したがって、正孔輸送剤の分子量を700〜4000の範囲内の値とすることがより好ましく、700〜2500の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、正孔輸送剤の分子量は、Chem Draw Std version8(Cambridge Soft社製)を用いて化学構造式を元に算出することもできるし、あるいはマススペクトルを用いて算出することができる。
(3)電子輸送剤
(3)−1 種類
また、本発明の電子写真感光体に用いられる電子輸送剤の種類に関して、特に制限されるものではないが、例えば、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の電子受容性を有する化合物の1種単独又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
また、電子輸送剤の種類に関して、ナフトキノン誘導体又はアゾキノン誘導体を含むことが好ましい。
この理由は、このような化合物であれば、電子輸送剤として、電子受容性に優れており、また電荷発生剤との相溶性が優れていることから、感度特性や耐溶剤性に優れた電子写真感光体を提供できるためである。
また、このような電子輸送剤の種類に関して、具体的に、下記式(15)〜(18)で表される化合物を含むことが好ましい。
(3)−2 添加量
また、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる電子輸送剤の添加量が100重量部を超えると、結晶化しやすくなり、感光体として適正な厚さを有する膜を形成することが困難となる場合があるためである。
したがって、結着樹脂100重量部に対して、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電子輸送剤の添加量を定めるにあたり、前述した正孔輸送剤の添加量を考慮することも好ましい。より具体的には、正孔輸送剤(HTM)に対して、電子輸送剤(ETM)の添加割合(ETM/HTM)を、0.25〜1.3の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかるETM/HTMの比率が範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。したがって、かかるETM/HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
(3)−3 分子量
また、電子輸送剤の分子量を600以上の値とすることが好ましい。この理由は、電子輸送剤の分子量を600以上に設定することによって、感光層における繰り返し特性変化を著しく小さくすることができるためである。
但し、電子輸送剤の分子量が過度に大きくなると、感光層中での分散性が低下したり、正孔輸送能が低下したりする場合がある。
したがって、電子輸送剤の分子量を600〜2000の範囲内の値とすることがより好ましく、600〜1000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、電子輸送剤の分子量は、構造式を元に算出することもできるし、あるいはマススペクトルを用いて算出することができる。
(4)結着樹脂
(4)−1 種類
また、結着樹脂の種類に関して、上述した一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂と、一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂、あるいはいずれか一方のポリカーボネート樹脂と、を併用して含有することを特徴とする。
この理由は、このような複数のポリカーボネート樹脂を併用することにより、正孔輸送剤や電子輸送剤の分散性や安定性が向上するばかりか、耐磨耗性や耐油性が向上するためである。したがって、長期間の繰り返し使用時や指油の付着によっても、クラックの発生が少ないばかりか、感光層の結晶化による地肌汚れも少なくなる。
ここで、一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の具体例としては、式(19)〜(21)で表されるポリカーボネート樹脂を挙げることができる。
なお、一般式(1)や式(19)等の添字mおよびnは、共重合成分のモル比を表しており、例えば、mが85、nが15の場合はモル比が85:15であることを表している。また、かかるモル比は、例えばNMRによって算出することができる。
また、結着樹脂としては、一般式(1)中のRcとRdの種類が異なり、RcとRdが非対称関係であることを特徴とする。
この理由は、かかるポリカーボネート樹脂であれば、電子輸送剤や正孔輸送剤との間の相溶性がさらに良好になるためである。
なお、RcとRdが非対称関係であるということは、一般式(1)中の中心炭素(C)に対して、種類が異なるRcとRdが配置されていることを意味する。
また、一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
但し、結着樹脂として、一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂以外の樹脂をさらに併用することも好ましい。
例えば、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。
(4)−2 添加割合
また、一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂100重量部に対して、一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の合計添加量を10〜900重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる合計添加量が10重量部未満になると、耐磨耗性が著しく低下する場合があるためであり、かかる合計添加量が900重量部を超えると、耐油性が著しく低下する場合があるためである。
したがって、一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂100重量部に対して、一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の合計添加量を20〜500重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜300重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、図2及び3に、結着樹脂中の、一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の添加割合の影響を示す。
図2は一般式(1)の構造単位を有する結着樹脂と、一般式(2)及び/あるいは(3)の構造単位を有する結着樹脂とを併用した時の一般式(1)の構造単位を有する結着樹脂の割合(重量%)と、感光体の磨耗量(μm)との関係を示した図である。図2の横軸には、一般式(1)の構造単位を有する結着樹脂の具体例であるResin−1と、一般式(2)の構造単位を有する結着樹脂の具体例であるResin−4とを併用した時のResin−1の割合(重量%)を採って示し、縦軸には感光体の磨耗量(μm)を採って示した。かかる図2から容易に理解できるように、Resin−1及びResin−4に対するResin−1の割合が0〜80重量%の範囲内であれば、感光体層の磨耗量が1.3μm以下であり優れた耐磨耗性を得られる事がわかる。
また、図3は、一般式(1)の構造単位を有する結着樹脂と、一般式(2)及び/あるいは(3)の構造単位を有する結着樹脂とを併用した時の一般式(1)の構造単位を有する結着樹脂の割合(重量%)と、感光体の耐油性評価(相対値)との関係を示した図である。図3の横軸には、一般式(1)の構造単位を有する結着樹脂の具体例であるResin−1と、一般式(2)の構造単位を有する結着樹脂の具体例であるResin−4とを併用した時のResin−1の割合(重量%)を採って示し、縦軸には耐油性評価(相対値)を採って示した。かかる図3から容易に理解できるように、Resin−1及びResin−4に対するResin−1の割合が15〜100重量%の範囲内であれば、耐油性評価(相対値)が3以上であり優れた耐油性を得られる事がわかる。
かかる図2及び3から、一般式(1)で表される結着樹脂の割合を、全体量に対して、15〜80重量%の範囲内の値とすることにより、相反特性である耐摩耗性及び耐油性との良好なバランスがとれて、いずれも優れた特性が得られることがわかる。
なお、磨耗量及び耐油性の評価は後述する実施例1に記載されている方法で実施した。
(4)−3 無機性値/有機性値
また、結着樹脂として、無機性値/有機性値(I/O値)が0.37以上であるものを使用することが好ましい。
この理由は、このような結着樹脂を使用することにより正孔輸送剤や電子輸送剤の分散性や安定性が向上するためである。したがって、長期間の繰り返し使用時や指油の付着によっても、クラックの発生がさらに少なくなるばかりか、感光層の結晶化による地肌汚れも少なくすることができる。
但し、かかる結着樹脂のI/O値が過度に大きくなると、正孔輸送剤や電子輸送剤との混合性が低下する場合がある。従って、結着樹脂のI/O値を0.375〜 1.7の範囲内の値とすることがより好ましく、0.38〜1.6の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ここで、I/O値の概念を詳細に説明するが、例えば、KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細に説明されている。
すなわち、炭素(C)1個を有機性20とし、それを基準として、各極性基の無機性値及び有機性値を表1の如く定め、各極性基における無極性値の和(I値)と、有機性値の和(O値)を求めて、それぞれの比をI/O値としたものである。
なお、表1において、Rは、主にアルキル基を示し、φは、主にアルキル基もしくはアリール基を示している。かかる表から容易に理解されるように、I/O値が0に近いほど非極性(疎水性、有機性の大きな)の有機化合物であることを示し、I/O値が大きいほど極性(親水性、無機性の大きな)の有機化合物であることを示すと言える。
また、このようなI/O値は、化合物の性質を、共有結合性を表わす有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけた指標ということができる。即ち、無機性値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基あるいは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、表1に示されている通り、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値は、該有機化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
一方、有機性値とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。即ち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基準として、各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値である。例えば、表1に示されている通り、ニトロ基(−NO)の有機性値は70である。従って、ある種の有機化合物の無機性値とは、該有機化合物が有している各種置換基や結合等の有機性値の総和を意味する。
よって、後述するResin−1で表されるポリカーボネート樹脂は、本発明において使用し得る結着樹脂の代表例であるが、このポリカーボネート樹脂のI/O値は、以下のようにして算出される。
(有機性値)
・有機性20の炭素原子を13×0.15+15×0.85=14.7個有している。
・有機性−10のIso分岐を0.85個有している。
よって、有機性値は20×14.7−10×0.85=285.5となる。
(無機性値)
・無機性が15のベンゼン環を2個有している。
・無機性が80のO−COOを1個有している。
よって、Resin−1で表されるポリカーボネート樹脂の無機性値は15×2+80=110となり、そのI/O値は110/285.5=0.385と求められる。
(4)−3 粘度平均分子量
また、結着樹脂の粘度平均分子量を15,000〜80,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような特定分子量の結着樹脂を用いることにより、指油等の付着によって正孔輸送剤が溶出することでクラックの発生がしにくくなり、耐オゾン性にも優れた電子写真感光体を効果的に提供することができるためである。
すなわち、結着樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が15,000未満の値になると、耐油剤性が著しく低下する場合があるためである。一方、結着樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が80,000を超えると、著しく耐オゾン性が低下するためである。
したがって、結着樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を15,000〜75,000の範囲内の値とすることがより好ましく、20,000〜60,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、オストワルド粘度計によって、極限粘度[η]を求め、Schnellの式によって、[η]=1.23×10-40.83より算出した。なお、[η]は、20℃で、塩化メチレン溶液を溶媒として、濃度(C)が6.0g/dm3となるようにポリカーボネート樹脂を溶解させて得られたポリカーボネート樹脂溶液から測定することができる。
(5)電荷発生剤
また、本発明の電子写真感光体に使用可能な電荷発生剤としては、例えばフタロシアニン系顔料;ジスアゾ顔料;ジスアゾ縮合顔料、モノアゾ顔料、ペリレン系顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等の、従来公知の電荷発生剤の一種単独又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
より具体的には、式(24)で表される無金属フタロシアニン(CGM−1と略記する。)、式(25)で表されるチタニルフタロシアニン(TiOPc、CGM−2と略記する。)、式(26)で表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン(CGM−3と略記する。)、及び式(27)で表されるクロロガリウムフタロシアニン(CGM−4と略記する。)等が挙げられる。
また、本発明で用いられる電荷発生剤のうち、式(25)で表される化合物(CGM−2)を用いる場合には、下記式(28)で表される分散補助剤(例えば、C.IPigmentOrange16)を添加することが好ましい。
この理由は、かかる電荷発生剤(CGM−2)と分散補助剤(C.IPigmentOrange16)をあわせて用いることにより、塗工溶液中でのCGM−2の分散性を向上させるとともに、塗工溶液のポットライフを長くすることができるためである。
なお、式(28)で表される分散補助剤を使用する場合、その添加量を、全電荷発生剤100重量部に対して、30〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる分散補助剤の添加量が30重量部未満の値になると、CGM−2の塗工溶液中での分散性が不十分になり、感光体として適正な膜か製造されないためである。一方、かかる分散補助剤が200重量部を超えると、かかる電荷発生剤の量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができなくなるためである。
また、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる電荷発生剤の添加量が0.2重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、かかる電荷発生剤の添加量が40重量部を超えた値になると、赤色及び赤外ないし近赤外領域に吸収波長を有する光に対する吸光係数が低下して、感光体の感度、電気特性、安定性等がそれに伴い低下する場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(6)他の添加成分
また、感光層には、上記各成分のほかにも従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。
また、感光層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
(7)導電性基体
また、本発明の電子写真感光体において、感光層が形成される導電性基体には、導電性を有する種々の材料を使用することができ、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有するものであればよい。
このような導電性基体の具体例としては、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体;上記金属が蒸着又はラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス;カーボンブラック等の導電性微粒子を分散させた樹脂基体等が挙げられる。
また、導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよい。
また、導電性基体は、表面に酸化被膜処理又は樹脂被膜処理を施したものであってもよい。好ましい酸化被膜処理としては、例えば、導電性基体としてアルミニウムやチタンを使用する場合に、当該導電性基体の表面に陽極酸化被膜(アノード酸化被膜)を形成する処理が挙げられる。また、陽極酸化被膜は、例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で陽極酸化処理することによって形成されるが、上記例示の酸性浴中でも特に、硫酸中で処理を行うのが好ましい。陽極酸化処理の方法、陽極酸化処理に先立って施される脱脂処理の方法等については特に限定されるものではなく、常法に従って行えばよい。
また、導電性基体に対する樹脂被膜処理には、例えば、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等を適当な溶媒に溶解して、これを導電性基体の表面に塗布する処理が挙げられる。
さらに、樹脂被膜処理に用いる樹脂材料としては、特にポリアミド樹脂やレゾール型フェノール樹脂が挙げられる。
(8)製造方法
また、単層型の電子写真感光体は、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、結着樹脂と、さらに必要に応じて他の成分とを、適当な分散媒に分散又は溶解させて、こうして得られた感光層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させて感光層を形成することによって得られる。
また、感光層形成用塗布液の塗布によって得られる感光層の厚さを5〜100μmの範囲内の値とすることが好ましく、特に10〜50μmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、感光層を塗布方法により形成する場合には、例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、不溶性アゾ顔料、結着樹脂等を、適当な溶剤とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等の公知の手段を用いて分散混合して、こうして調製された分散液を公知の手段により導電性基体上に塗布して乾燥させればよい。
2.積層型感光体
図4(a)に示すように、電子写真感光体において積層型感光体20は、導電性基体12上に、蒸着又は塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、正孔輸送剤と、特定の結着樹脂とを含む塗布液を塗布し、乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作成される。
また、上記構造とは逆に、図4(b)に示すように、導電性基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成している積層型感光体20´も良い。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図4(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
また、積層型電子写真感光体は、上記電荷発生層および電荷輸送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。
また、積層型の電子写真感光体であれば、感光体の残留電位が大きく低下しており、感度を向上させることができる。
また、積層型電子写真感光体における感光体層の厚さに関しては、電荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。
そして、このような感光体層が形成される基体としては、上述した単層型電子写真感光体の基体と同様のものを用いることができる。
また、図4(c)に示すように、感光体層を形成する前に、かかる基体12上に、中間層(下引き層)25を予め形成しておくことも好ましい。この理由は、かかる中間層(下引き層)25を設けることによって、基体側の電荷が容易に感光体層へ注入されるのを防ぐと共に、感光体層を基体12上に強固に結着させ、基体12における表面上の欠陥を被覆し平滑化することができるためである。
さらに、基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、基体は、アルミニウム等のように、使用に際して十分な機械的強度を有するとともに、軽量であることが好ましい。
(1)種類
本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、電荷発生剤、正孔輸送剤、結着樹脂等の種類については、上述した単層型電子写真感光体と基本的に同様の内容とすることができる。
(2)添加量
本発明の積層型電子写真感光体に用いられる電荷発生剤の添加量は、電荷発生層を構成する結着樹脂100重量部に対して、10〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましいく、30〜300重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
正孔輸送剤の添加量は、正孔輸送剤が電荷輸送層へ含まれる場合は、電荷輸送層を構成する結着樹脂100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。また、正孔輸送剤が電荷発生層へ含まれる場合は、電荷発生層を構成する結着樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
電子輸送剤の添加量は、電子輸送剤が電荷輸送層へ含まれる場合は、電荷輸送層を構成する結着樹脂100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。また、電子輸送剤が電荷発生層へ含まれる場合は、電荷発生層を構成する結着樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
(3)製造方法
本発明の積層型感光体層の製造方法に関し、以下のように電荷輸送層用塗布液と、電荷発生層用塗布液とを作成して、それぞれ基体上に塗布した後、乾燥させて製造することが好ましい。
(3)−1 塗布液作成工程
塗布液作成工程は、例えば、結着樹脂と、正孔輸送剤と、溶剤と、からなる電荷輸送層用塗布液、および結着樹脂と、電荷発生剤と、溶剤と、からなる電荷発生層用塗布液と、をそれぞれ作成する工程である。例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合し、塗布液とすることが好ましい。
より具体的には、電荷輸送層用塗布液の固形分濃度を10〜30重量%とし、電荷発生層用塗布液の固形分濃度を1〜10重量%とすることが好ましい。この理由は、電荷輸送層用塗布液の固形分濃度は10重量%未満の値になると、被膜欠陥を生じるおそれがあるためであり、一方、塗布液の固形分濃度は30重量%を超えると、層むらが生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合があるためである。また、同様に電荷発生層用塗布液の固形分濃度も1重量%未満の値になると被膜欠陥を生じるおそれがあり、固形分濃度が10重量%を超えると、層むらを生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合がある。
また、電荷輸送層用塗布液および電荷発生層用塗布液を作成するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤等の分散性や、感光体層表面における平滑性を良くするために、塗布液を作成する際に、界面活性剤やレベリング剤等を添加することも好ましい。
(3)−2 塗布工程および乾燥工程
第1塗布工程および第1乾燥工程と、第2塗布工程および第2乾燥工程とを設けて、電荷輸送層と電荷発生層からなる感光体層を形成することが好ましい。例えば、図4(a)に示すように、第1塗布工程により電荷発生層用塗布液を塗布し、第1乾燥工程により電荷発生層用塗布膜を乾燥させて、基体12の上に電荷発生層24を形成し、次いで、第2塗布工程により電荷輸送層用塗布液を塗布し、第2乾燥工程により電荷輸送層用塗布膜を乾燥させて、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することが好ましい。
また、塗布工程を実施するにあたり、基体上に、塗布液を直接的に塗布することも好ましいし、あるいは、中間層(下引き層)を介して間接的に塗布することも好ましい。
また、塗布方法としては、均一な厚さの感光体層を形成するために、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いることが好ましい。
なお、電荷発生層は残留電位を低くするため、電荷輸送層よりも薄く塗膜を形成するのが好ましい。
また、塗布工程の後、乾燥工程において、高温乾燥機や減圧乾燥機等を用いて、例えば、60℃〜150℃の乾燥温度で乾燥させることが好ましい。この理由は、かかる乾燥温度が60℃未満の値になると、乾燥時間が過度に長くなって、均一な厚さを有する感光体層を効率的に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる乾燥温度が150℃を超えると、感光体が熱分解する場合があるためである。
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、基体上に中間層(下引き層)を形成する場合は、図4(c)に示すように、基体12の上に、中間層(下引き層)25を形成し、次いで、電荷発生層および電荷輸送層を形成することが好ましい。
なお、塗布液作成工程、塗布工程および乾燥工程の条件については、電荷発生層および電荷輸送層の製造方法に準じることができる。なお、中間層(下引き層)の塗布液は、例えば、結着樹脂と、酸化亜鉛や酸化チタン等の無機微粒子と、有機溶剤と、から作成することが好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態の電子写真感光体(以下、単に、感光体と称する場合がある。)を備えるとともに、電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程をそれぞれ配置し、画像形成を行うことを特徴とした画像形成装置である。なお、この画像形成装置の例では、電子写真感光体として、単層型感光体を用いた場合を想定して説明する。
第2の実施形態の画像形成方法を実施するにあたり、図5に示すような画像形成装置である複写機30を好適に使用することができる。かかる複写機30は、画像形成ユニット31、排紙ユニット32、画像読取ユニット33、及び原稿給送ユニット34を備えている。また、画像形成ユニット31には、画像形成部31a及び給紙部31bがさらに備えられている。そして、図示された例では、原稿給送ユニット34は、原稿載置トレイ34a、原稿給送機構34b、及び原稿排出トレイ34cを有しており、原稿載置トレイ34a上に載置された原稿は、原稿給送機構34bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ34cに排出される。
そして、原稿が原稿読取位置Pに送られた段階で、画像読取ユニット33において、光源33aからの光を利用して、原稿上の画像が読み取られる。すなわち、CCD等の光学素子33bを用いて、原稿上の画像に対応した画像信号が形成される。
一方、給紙部31bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部31aに送られる。この画像形成部31aには、像担持体である感光体ドラム41が備えられており、さらに、この感光体ドラム41の周囲には、帯電器42、露光器43、現像器44、及び転写ローラ45、並びにクリーニング装置46が、感光体ドラム41の回転方向に沿って配置されている。
これらの構成部品のうち、感光体ドラム41は、図中、実線矢印で示す方向に回転駆動されて、帯電器42により、その表面が均一に帯電される。その後、前述の画像信号に基づいて、露光器43により感光体ドラム41に対して露光プロセスが実施され、この感光体ドラム41の表面において静電潜像が形成される。
この静電潜像に基づき、現像器44によりトナーを付着させて現像し、感光体ドラム41の表面にトナー像を形成する。そして、このトナー像は、感光体ドラム41と転写ローラ45とのニップ部に搬送される用紙Sに転写像として転写される。次いで、転写像が転写された用紙Sは、定着ユニット47に搬送されて、定着プロセスが行われる。
また、定着後の用紙Sは、排紙ユニット32に送られることになるが、後処理(例えば、ステイプル処理等)を行う際には、用紙Sは中間トレイ32aに送られた後、後処理が行われる。その後、用紙Sは、画像形成装置の側面に設けられた排出トレイ部(図示せず)に排出される。一方、後処理を行わない場合には、用紙Sは中間トレイ32aの下側に設けられた排紙トレイ32bに排紙される。なお、中間トレイ32a及び排紙トレイ32bは、いわゆる胴内排紙部として構成されている。
次いで、上述したように転写が行われた後、感光体ドラム41に残留する残留トナー(及び紙粉)については、クリーニング装置46で除去される。すなわち、感光体ドラム41がクリーニングされる一方、残留トナーについては、廃トナーコンテナ(図示せず)に回収されることになる。
そして、感光体41において、結着樹脂として、所定の構造単位を有するポリカーボネート樹脂と、さらに所定の構造単位を有するポリカーボネート樹脂と、を併用して含有することにより、幅広い種類の正孔輸送剤や電子輸送剤と組み合わせた場合に、耐磨耗性や耐油性に優れた電子写真感光体が得られ、長時間にわたって、優れた画像特性を維持することができる。
[製造例1]
実施例を行うに際して、以下の手順により、電荷発生剤としての式(25)で表されるチタニルフタロシアニンを合成した。
すなわち、アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル25gと、チタンテトラブトキシド28gと、キノリン300gとを加え、撹拌しつつ150℃まで昇温した。
次いで、反応系から発生する蒸気を系外へ留去しながら215℃まで昇温したのち、この温度を維持しつつさらに2時間、撹拌して反応させた。
反応終了後、150℃まで冷却した時点で反応混合物をフラスコから取り出し、ガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド、及びメタノールで順次洗浄したのち真空乾燥して、青紫色の固体物24gを得た。(顔料化前処理)
次いで、チタニルフタロシアニン化合物の合成で得られた青紫色の固体物10gを、N,N−ジメチルホルムアミド100ml中に加え、撹拌しつつ130℃に加熱して2時間、攪拌処理を行った。
次いで、2時間経過した時点で加熱を停止し、23±1℃まで冷却したのち、攪拌を停止し、この状態で12時間、液を静置して安定化処理を行った。
そして安定化された液をガラスフィルターによりろ別し、得られた固体をメタノールで洗浄したのち真空乾燥して、チタニルフタロシアニン化合物の粗結晶9.83gを得た。
次いで、得られたチタニルフタロシアニンの粗結晶5gを、濃硫酸100mlに加えて溶解した。次にこの溶液を、氷冷下の水中に滴下したのち室温で15分間撹拌し、さらに23±1℃付近で30分間、静置して再結晶させた。
次いで、上記液をガラスフィルターによって濾別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗したのち、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200ml中に分散させて50℃に加熱して10時間、撹拌した。
次いで、ガラスフィルターを用いて、ろ別したのち、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥させて、チタニルフタロシアニンの結晶(青色粉末)4.1gを得た。
得られたチタニルフタロシアニンは、初期および1,3−ジオキソラン、又はテトラヒドロフラン中に7日間、浸漬しても、ブラッグ角度2θ±0.2°=7.4°及び26.2°にピークが発生していないこと、および吸着水の気化に伴なう90℃付近のピーク以外は50〜400℃まで温度変化のピークを示さないことを確認した。
[実施例1]
(1)電子写真感光体の作成
(1)−1 下引き層の形成
容器内に、アルミナとシリカで表面処理した後、メチルハイドロジェンポリシロキサンにてさらに表面処理した酸化チタン(テイカ製MT−02、数平均一次粒子径10nm)を2.5重量部と、6−ナイロン、12−ナイロン、66−ナイロン、及び610−ナイロンの四元共重合ポリアミド樹脂(東レ製、アミランCM8000)を1重量部と、メタノールを10重量部と、ブタノールを2.5重量部と、を収容した後、ペイントシェーカーを用いて10時間混合して、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を、5μmのフィルタにてろ過した後、導電性支持体としてアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長238.5mm)の表面に、ディップコート法にて塗布した。次いで、130℃、30分の条件で熱処理し、膜厚2μmの下引き層を形成した。
(1)−2 積層型感光層の形成
次いで、電荷発生剤として、製造例1にて製造した式(25)で表されるチタニルフタロシアニン(CGM−2)1重量部と、結着樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−5、積水化学工業製)を1重量部と、分散媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル60重量部と、テトラヒドロフラン20重量部とを容器内に収容した後、ボールミルにて48時間の条件で混合分散し、電荷発生層用塗布液を調製した。
得られた電荷発生層用塗布液を、3μmのフィルタを用いてろ過した後、下引き層上にディップコート法にて塗布した。次いで、80℃、5分の条件で熱処理し、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、正孔輸送剤として、式(8)で表されるスチルベン化合物(HTM−1)を80重量部と、溶剤として、テトラヒドロフラン460重量部と、を均一に混合して、電荷輸送層用塗布液を調製した。なお、結着樹脂の全体量を100重量%としたときに、粘度平均分子量30000のポリカーボネート樹脂(Resin−1)を15重量%と、粘度平均分子量20000のポリカーボネート樹脂(Resin−4)を85重量%用いた。
得られた電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層用塗布液と同様にして、電荷発生層上に塗布し、130℃、30分の条件で熱処理し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、実施例1の積層型電子写真感光体とした。
(2)電子写真感光体の評価
(2)−1 電気特性測定
得られた積層型電子写真感光体を、市販の負帯電反転現像プロセスを採用したプリンタ(沖データ製、MicroLine−18)に搭載して、N/N環境(25℃、50%RH)下にて電気特性を測定した。すなわち、感光体を−850〜−900Vになるように帯電させて帯電電位とし、黒ベタ画像形成時の現像位置での電位を読み取り感度とした。
(2)−2 耐磨耗性評価
得られた積層型電子写真感光体の耐磨耗性を、以下のように評価した。すなわち、得られた積層型電子写真感光体をプリンタ(沖データ製、MicroLine−18)に搭載して、1万枚プリントし、プリント前後の膜厚変化から削れた膜厚を算出して、耐磨耗性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(2)−3 耐油性評価
得られた積層型電子写真感光体の耐油性を、以下のように評価した。すなわち、感光体前全面を手で触れ、十分な油脂を付着させ48時間放置した。48時間放置後に、積層型電子写真感光体を搭載したプリンタ(沖データ製、MicroLine−18)によってグレー画像を形成し、クラックによる画像欠陥の有無を目視にて観察し、以下の基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:ドラム1周分の領域で、クラックの発生数が0個である。
○:ドラム1周分の領域で、クラックの発生数が1〜10個である。
△:ドラム1周分の領域で、クラック発生数が11〜20個である。
×:ドラム1周分の領域で、クラック発生数が21個以上である。
(2)−4 光応答性評価
得られた積層型電子写真感光体の光応答性を評価した。すなわち、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用い、感光体の帯電を−700Vとしたときに、キセノンフラッシュランプ(パルス幅:50nm、フィルターを用いて波長780nmの光を照射)の感光体への照射開始から300msec後の表面電位が100Vとなるような条件の光量を暫定的に設定した。次いで、かかる設定条件の光量において感光体を照射した場合に、表面電位が130V(95%応答性)となるまでに要する時間を、光応答性として測定した。
なお、かかる光応答性が20msec以内の値であれば、感度に関して、実用上問題無いことが判明しており、さらに、かかる光応答性が10msec以内の値であれば、優れた感度を有していると言える。
[実施例2〜14]
実施例2〜14においては、表2に示すように、複数結着樹脂の種類、複数結着樹脂の混合比率、及び正孔輸送剤の種類を変えたこと以外は実施例1と同様に、積層型電子写真感光体を作成して、評価した。得られた結果を表2に示す。
なお、Resin−2の粘度平均分子量が28500であり、Resin−3の粘度平均分子量が29000であり、Resin−5の粘度平均分子量が51000であることを別途確認した。
[比較例1〜7]
比較例1〜7においては、表2に示すように、結着樹脂の種類等を変えたこと以外は実施例1と同様に、積層型電子写真感光体を作成して、評価した。得られた結果を表2に示す。
なお、Resin−6は、下記構造式で表されるポリカーボネート樹脂であって、粘度平均分子量が30,000であることを別途確認した。
[実施例15]
(1)電子写真感光体の作成
実施例1と同様に、下引き層を形成した。次いで、容器内に、結着樹脂100重量部に対して、式(24)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−1、大日本インキ製、Fastgen Blue 8120BS)を3重量部と、式(8)で表される正孔輸送剤(HTM−1)を60重量部と、式(15)で表される電子輸送剤(ETM−1)を30重量部と、ジメチルシリコンオイル(信越化学工業製、KF−96−50CS)を0.1重量部と、分散媒としてのテトラヒドロフラン760重量部とを収容した後、超音波分散機で溶解させるとともに、均一になるまで分散させた。
なお、結着樹脂として、当該結着樹脂の全体量を100重量%としたときに、式(19)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−1)の粘度平均分子量が51000の樹脂(Resin−1´)を30重量%と、式(22)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−4)の粘度平均分子量が49500の樹脂(Resin−4´)を70重量%用いた。
こうして得られた感光層形成用塗布液を、上述した下引き層上に、リングコート法にて塗布した後、乾燥させて、厚さ28μmの感光層を備えた単層型電子写真感光体を得た。
(2)電子写真感光体の評価
作成した単層型電子写真感光体を、正帯電反転現像プロセスを採用した市販の複写機(京セラミタ製、KM−4530)に搭載して、室温環境下にて電気特性(感度)、耐磨耗性、及び耐油性評価を行なった。また、光応答性の評価については、感光体の帯電をプラス700Vとしたこと以外は、上述した方法と同様に行った。
すなわち、電気特性の測定は、単層型電子写真感光体における帯電量が650Vになるように、個々の感光体ごとに、グリッド電位調整を行い、黒ベタ画像形成時の現像位置での電位を読み取り感度とした。
また、得られた単層型電子写真感光体の耐磨耗性を、以下のように評価した。すなわち、複写機(京セラミタ製、KM−4530)に搭載して、A4横1.5万枚の単発コピーを行い、コピー前後の膜厚から削れた膜厚を算出して、耐磨耗性を評価した。
さらに、耐油性については、市販の複写機(京セラミタ製、KM−4530)を用いた以外、実施例1と同様の方法で評価した。
[実施例16〜17]
実施例16〜17においては、表3に示すように、結着樹脂の種類を変えたこと以外は実施例15と同様に、単層型電子写真感光体を作成して、評価した。得られた結果を表3に示す。
なお、実施例16においては、結着樹脂として、当該結着樹脂の全体量を100重量%としたときに、式(20)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−2)の粘度平均分子量が50500である樹脂(Resin−2´)を30重量%と、上述したResin−4´を70重量%用いた。
また、実施例17においては、結着樹脂として、当該結着樹脂の全体量を100重量%としたときに、式(21)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−3)の粘度平均分子量が(49500)である樹脂(Resin−3´)を30重量%と、上述したポリカーボネート樹脂(Resin−4´)を70重量%用いた。
[実施例18〜28]
実施例18〜28においては、表3に示すように、正孔輸送剤の種類及び電子輸送剤の種類を変えたこと以外は実施例15と同様に、単層型電子写真感光体を作成して、評価した。得られた結果を表3に示す。
なお、実施例18においては、結着樹脂として、当該結着樹脂の全体量を100重量%としたときに、上述したポリカーボネート樹脂(Resin−1´)を30重量%と、式(23)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−5)を70重量%用いた。
また、実施例19〜28においては、結着樹脂として、当該結着樹脂の全体量を100重量%としたときに、上述したポリカーボネート樹脂(Resin−1´)を30重量%と、ポリカーボネート樹脂(Resin−4´)を70重量%用いた。
[比較例8〜9]
比較例8〜9においては、表3に示すように、1種類のみの結着樹脂を用いたこと以外は、実施例15と同様に、単層型電子写真感光体を作成して、評価した。
なお、比較例8においては、結着樹脂として、上述したポリカーボネート樹脂(Resin−1´)を単独で使用した他は、実施例15と同様に、単層型電子写真感光体を作成して、評価した。また、比較例9においては、結着樹脂として、上述したポリカーボネート樹脂(Resin−4´)を単独で使用した他は、実施例15と同様に、単層型電子写真感光体を作成して、評価した。それぞれ得られた結果を表3に示す。
本発明の電子写真感光体によれば、結着樹脂として、所定の構造単位を有するポリカーボネート樹脂と、さらに所定の構造単位を有するポリカーボネート樹脂と、を併用して含有することにより、長期間にわたって、優れた耐磨耗性や耐油性が得られるようになった。
よって、本発明の電子写真感光体は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化、高耐久化等に寄与することが期待される。
(a)〜(b)は、単層型感光体の基本的構造を説明するために供する図である。 所定構造を有するポリカーボネート樹脂の添加量と磨耗量との影響を説明するために供する図である。 所定の構造を有するポリカーボネート樹脂の添加量と耐油性との影響を説明するために供する図である。 (a)、(b)及び(c)は、積層型感光体の基本的構造を説明するために供する図である。 画像形成装置を説明するために供する図である。
符号の説明
10:単層型感光体
10´:中間層を有する単層型感光体
12:導電性基体
14:感光体層
16:バリア層
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:中間層(下引き層)
30:複写機
31:画像形成ユニット
31a:画像形成部
31b:給紙部
32:排紙ユニット
33:画像読取ユニット
33a:光源
33b:光学素子
34:原稿給送ユニット
34a:原稿載置トレイ
34b:原稿給送機構
34c:原稿排出トレイ
41:感光体ドラム
42:帯電器
43:露光源
44:現像器
45:転写ローラ
46:クリーニング装置

Claims (7)

  1. 導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂と、を含有する感光層を備えた電子写真感光体であって、
    前記結着樹脂として、
    下記一般式(1)の構造単位を有するとともに、無機性値/有機性値(I/O値)が0.37以上の値であるポリカーボネート樹脂と、
    下記一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂、あるいはいずれか一方のポリカーボネート樹脂と、
    を併用して含有することを特徴とする電子写真感光体。
    (一般式(1)中、複数の置換基Ra及びRbは、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、もしくは炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字p及びqは、それぞれ独立した0〜4の整数であり、置換基Rc及びRdは、それぞれ独立した水素原子もしくは炭素数1〜2の置換又は非置換のアルキル基であって、それぞれ種類が異なる非対称関係にあり、Wは、単結合、−O−、−CO−であり、添字m及びnは、0.05<n/(n+m)<0.6の関係式を満足するモル比である。)

    (一般式(2)中、複数の置換基Reは、水素原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、あるいは炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字rは、0〜4の整数である。)

    (一般式(3)中、複数の置換基Rfは、水素原子、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、あるいは炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、添字sは、0〜4の整数である。)
  2. 前記一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂100重量部に対して、前記一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の合計添加量を10〜900重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)の構造単位を有するポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量をそれぞれ15,000〜80,000の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記正孔輸送剤における分子量を700以上の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記正孔輸送剤が、ビススチルベン化合物又はビスブタジエン化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記感光体層が、さらに電子輸送剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置して画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
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