JP3999762B2 - 湿式現像用電子写真感光体および湿式現像用画像形成装置 - Google Patents

湿式現像用電子写真感光体および湿式現像用画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、湿式現像用電子写真感光体および湿式現像用画像形成装置に関し、特に、特定の正孔輸送剤を用いるとともに、電子輸送剤のI/O値を所定の範囲とすることにより、耐溶剤性や感度特性に優れた湿式現像用電子写真感光体およびそのような湿式現像用電子写真感光体を備えた湿式現像用画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置等に使用される湿式現像用電子写真感光体として、電荷輸送剤(正孔輸送剤、電子輸送剤)、電荷発生剤、および結着樹脂等の有機感光体材料からなる有機感光体が広く使用されている。かかる有機感光体は、従来の無機感光体に比べて、製造や構成が容易であるとともに、液体現像剤を用いて湿式現像を実施することについても容易であるという利点がある。
しかしながら、従来の湿式現像用電子写真感光体は、アイソパーと呼ばれる炭化水素系溶剤(液体現像剤)によって、短時間で浸されやすいという問題が見られた。
そこで、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、正孔輸送剤として、特定のアリールアミン構造を含む電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献1および2)。
一方、耐摩耗性や耐傷性に優れ、電子写真特性を長時間にわたって維持することができることからビスフェノールE型の構造単位を含むポリカーボネート樹脂を使用した電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献3)。
特開2000−47405号(特許請求の範囲等) 特開平3−149560号(特許請求の範囲等) 特開2001−215739号(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された電子写真感光体は、それぞれ湿式現像用電子写真感光体として、長時間使用した場合に、炭化水素系溶剤(液体現像剤)によって浸されやすく、正孔輸送剤が溶出しやすいという問題が見られた。
また、特許文献3に記載された電子写真感光体は、湿式現像用電子写真感光体として、長時間使用した場合には、正孔輸送剤あるいは電子輸送剤が溶出しやすいという問題が見られた。
そこで、本発明者らは、正孔輸送剤として、特定のスチルベン化合物を使用するとともに、電子輸送剤のI/O値を所定の範囲とすることにより、湿式現像用電子写真感光体として、長時間使用した場合であっても、正孔輸送剤等の溶出量を著しく低下させるととともに、感度特性をも向上させることができるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、耐溶剤性や感度特性に優れた湿式現像用電子写真感光体およびそのような湿式現像用電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、少なくとも結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるスチルベン化合物を含むとともに、電子輸送剤の無機性値(I値)を、有機性値(O値)で割った値(I/O値)を0.5以上とすることを特徴とする湿式現像用電子写真感光体が提供され、上述した問題を解決することができる。
なお、電子輸送剤の無機性値(I値)および有機性値(O値)の定義については、後述する。
(一般式(1)中の複数のR1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のフルオロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、あるいは置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、R1、R2およびR3のうち少なくとも二つが結合して単結合またはビニレン基を形成してもよく、Xは、芳香族環を含む二価の有機基であり、mは、0〜2の整数である。)
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、Xで表される有機基は下記式(2)、(3)または(4)で表される芳香族環を含む特定構造の有機基であることが好ましい。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、正孔輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、電子輸送剤として、ナフトキノン誘導体およびアゾキノン誘導体からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、使用する電子輸送剤が、少なくとも一つのニトロ基(−NO2)、置換カルボキシル基(−COOR(Rは置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基))、あるいは、置換カルボニル基(−COR(Rは置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基))を有することが好ましい。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂として、下記一般式(5)で表されるポリカーボネート共重合体を含むことが好ましい。
(一般式(5)中のR6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のフルオロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、あるいは置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、Yは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−(CH2)2−、−SO−、−SO2−、−CR1011−、−SiR1011−、または−SiR1011−O−(R10、R11はそれぞれ独立しており、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または非置換のアリール基、トリフルオロメチル基、または、R10とR11とが環形成し、置換基として炭素数1〜7のアルキル基を有しても良い炭素数5〜12のシクロアルキリデン)であり、mとnは、0.05<m/(m+n)<0.4の関係を満足する。)
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、湿式現像の現像液として使用される炭化水素系溶剤に、室温で、2000時間の条件で浸漬した場合に、正孔輸送剤の溶出量が8×10-7g/cm3以下であることが好ましい。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、感光体層が、単層型であることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの湿式現像用電子写真感光体を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶剤にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行う湿式現像用画像形成装置である。
本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、特定の正孔輸送剤を使用することにより、湿式現像の現像液として使用される炭化水素系溶剤に、長時間浸漬した場合であっても、正孔輸送剤の溶出量が少なく、現像時における耐溶剤性に優れるとともに、感度特性にも優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、正孔輸送剤における記号Xで表される有機基が、芳香族環を含む特定構造の有機基であることより、結着樹脂との間の相溶性に優れており、さらには、電荷発生剤から電荷輸送剤への注入効率が高いことから、耐久性や感度特性にさらに優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、正孔輸送剤の添加量を特定範囲に制限することにより、所定の耐久性や感度特性が得られるとともに、湿式現像用電子写真感光体中での正孔輸送剤の結晶化についても有効に防止することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、さらに電子輸送剤を含み、かかる電子輸送剤の無機性値(I値)を有機性値(O値)で割った値(I/O値)を所定範囲に制限することにより、製造時に使用する溶剤や、結着樹脂に対する溶解性が高まり、さらには特定の正孔輸送剤との間の相溶性も高めることができる。したがって、湿式現像用電子写真感光体の製造が容易になるばかりか、電荷の輸送効率があがるため感度特性に優れている。さらに、このようにI/O値を所定範囲に制限することにより、炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性に優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、電子輸送剤として、ナフトキノン誘導体等の特定の化合物を使用することにより、ナフトキノン環の有するカルボニル基の作用によって電子受容性に優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。また、かかる電子輸送剤は、電子のホッピング距離が短いため、特に低電界条件での電子輸送性に優れており、感度特性や耐久性に優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、使用する電子輸送剤が特定の置換基を備えることにより、現像時における耐溶剤性に優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、電子輸送剤の添加量を、特定の範囲に制限することにより、所定の耐久性や感度特性が得られるとともに、湿式現像用電子写真感光体中での電子輸送剤の結晶化についても有効に防止することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等がさらに優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、電荷発生剤の添加量を、所定範囲に制限することにより、量子収率を高める効果が向上して、さらに可視光における赤色領域、近赤外領域、あるいは赤外領域に波長を有する光に対する吸光係数を大きくする効果が保たれ、感度特性、電気特性、および安定性等がさらに優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、特定の構造式を有する結着樹脂と、特定の正孔輸送剤とを併用することによって、現像時に使用される炭化水素系溶剤中に長時間浸漬した場合であっても、正孔輸送剤の溶出量が少なく、かつ、感度特性にも優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、正孔輸送剤の溶出量を特定範囲に制限することにより、現像時における耐溶剤性を、精度良く判定することができる。例えば、2000時間の浸漬試験により、10万枚の画像形成を実施した場合の耐溶剤性を、精度良く推定することができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、感光層を単層型に特定することにより、構成や製造が容易であるにもかかわらず、長時間にわたって所定感度を有する電子写真感光体を得ることができる。
また、本発明の湿式現像用画像形成装置によれば、上述たいずれかの湿式現像用電子写真感光体を備えることにより、湿式現像液として使用される炭化水素系溶剤に、長時間浸漬した場合であっても、正孔輸送剤の溶出量が少なく、かつ、感度特性にも優れた湿式現像用電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の湿式現像用電子写真感光体および画像形成装置に関する実施の形態を、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、少なくとも結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるスチルベン化合物を含むとともに、電子輸送剤の無機性値(I値)を、有機性値(O値)で割った値(I/O値)を0.5以上とすることを特徴とする湿式現像用電子写真感光体である。
(一般式(1)中の複数のR1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のフルオロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、あるいは置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、R1、R2およびR3のうち少なくとも二つが結合して単結合またはビニレン基を形成してもよく、Xは、芳香族環を含む二価の有機基であり、mは、0〜2の整数である。)
ここで、湿式現像用電子写真感光体には、単層型と積層型とがあるが、本発明の湿式現像用電子写真感光体は、いずれにも適用可能である。
ただし、特に正負いずれの帯電性にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であること、感光体層を形成する際の被膜欠陥を抑制できることから、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の理由から、単層型に適用することがより好ましい。
1.単層型感光体
(1)基本的構成
図1に示すように、単層型感光体10は、導電性基体12上に単一の感光体層14を設けたものである。
この感光体層は、例えば、結着樹脂と、一般式(1)で表される正孔輸送剤としてのスチルベン誘導体と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、さらに必要に応じてレベリング剤等を適当な溶媒に溶解または分散させ、得られた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。かかる単層型感光体は、単独の構成で正負いずれの帯電型にも適用可能であるとともに、層構成が簡単であって、生産性に優れているという特徴がある。
(2)結着樹脂
(2)−1 種類
電荷発生剤等を分散させるための結着樹脂としては、上述したように、一般式(5)で表されるポリカーボネート共重合体を使用することが好ましい。
この理由は、かかる構造を有するポリカーボネート共重合体であれば、炭化水素系溶剤に対して難溶であるとともに、撥油性も高いためである。その結果、感光体層表面と前述の炭化水素系溶剤との相互作用が小さくなって、長期間にわって、感光体層表面の外観変化が少なくなるためである。
(一般式(5)中のR6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のフルオロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、あるいは置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、Yは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−(CH2)2−、−SO−、−SO2−、−CR1011−、−SiR1011−、または−SiR1011−O−(R10、R11はそれぞれ独立しており、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または非置換のアリール基、トリフルオロメチル基、または、R10とR11とが環形成し、置換基として炭素数1〜7のアルキル基を有しても良い炭素数5〜12のシクロアルキリデン)であり、mとnは、0.05<m/(m+n)<0.4の関係を満足する。)
(2)−2 具体例
ここで、一般式(5)で表されるポリカーボネート共重合体の具体例としては、例えば、下記式(6)で示される化合物(Resin−A)が挙げられる。
ただし、従来、湿式現像用電子写真感光体に使用されている種々の樹脂を併用することも好ましい。
例えば、ビスフェノールZ型、ビスフェノールZC型、ビスフェノールC型、ビスフェノールA型等のポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である
(3)正孔輸送剤
(3)−1 種類
本発明の湿式電子写真感光体に好適な正孔輸送剤の種類としては、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を使用することが好ましい。
この理由は、特定の正孔輸送剤を導入することにより、アイソパーに対する耐溶剤性を著しく向上させることができ、長期間にわたって安定した画像形成を実施できるためである。また、一般式(1)で表されるスチルベン化合物は、感度特性についても優れており、さらに優れた画像特性を発揮できるためである。
また、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体のR1、R2およびR3は、少なくとも二つが結合して単結合またはビニレン基を形成することが好ましい。このような具体例としては、下記一般式(7)中に表されるいくつかの構造が挙げられる。(一般式(7)中のR2、R4、R5、Xおよびmの定義は、特に断りがない限り、一般式(1)中のR2、R3、R4、R5、Xおよびmと同じ内容である。)
また、かかる正孔輸送剤における記号Xで表される有機基として、具体的に下記式(8)で表される有機基であることが好ましい。
この理由は、このような特定構造の芳香族環を含む二価の有機基であることより、結着樹脂との間の相溶性に優れており、さらには電荷発生剤から電荷輸送剤への注入効率が高いためである。したがって、優れた耐久性や感度特性を得ることができる。
また、上述した記号Xで表される有機基として、具体的に、下記式(2)、(3)または(4)で表される有機基であることがより好ましい。
この理由は、このような有機基を用いることにより、特定の構造を有するスチルベン誘導体を収率高く製造することができるため、結果として、安価で、均一な特性を有する湿式現像用電子写真感光体を提供することができるためである。
また、式(3)で表されるナフチル基のうち、下記式(9)であらされるものがより好ましい。この理由は、このようなナフチル基を導入することにより、特定の構造を有するスチルベン誘導体を収率高く製造することができるので、安価で、均一な特性を有する湿式現像用電子写真感光体を提供することができる。また、かかる特定のスチルベン誘導体の分子量が比較的大きくなるので、耐溶剤性に優れた正孔輸送剤を提供することができるためである。

(3)−2 具体例
一般式(1)で表される特定構造を有する正孔輸送剤の具体例としては、例えば、下記式(10)〜(12)で示される化合物(HTM−A〜HTM−C)が挙げられる。
また、従来公知の正孔輸送剤を併用することも好ましい。かかる正孔輸送剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物が挙げられる。
なお、式(10)〜(12)で示される化合物(HTM−A〜HTM−C)は、それぞれ下記反応式(1)〜(3)に準じて製造することができる。
(3)−3 添加量
正孔輸送剤の添加量に関し、結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が80重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を30〜70重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(4)電子輸送剤
(4)−1 種類
本発明の湿式電子写真感光体に好適な電子輸送剤は、無機性値(I値)を有機性値(O値)で割った値(I/O値)を0.5以上とすることが好ましい。
この理由は、かかる電子輸送剤のI/O値を特定範囲に制限することにより、電子輸送剤の無機性を増加させ、有機性溶媒である炭化水素系溶剤に優れた耐久性を得られるためである。
ここで、本発明において用いられる無機性値(I値)および有機性値(O値)、並びにその比であるI/O値は、各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値である。例えば、KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN、第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725頁(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111頁(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82頁(1981年);などの文献に詳細に説明されており、基準値として、炭素(C)1個を有機性20と定めてある。それに対し、代表的な各種極性基の無機性および有機性の値を表1に示す如く定めるが、かかる表1等に基づき、化合物に含まれる各種極性基の無機性値の和(I値)と、有機性値との和(O値)を求め、さらに無機性値の和と、有機性値との和との比(I/O値)を算出し、I/O値とするものである。
すなわち、I/O値の概念をより詳細に説明すると、化合物の性質を、共有結合性を表す有機性基と、イオン結合性を表す無機性基とに分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
この場合において、無機性値(I値)とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基あるいは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値とは、該化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
一方、有機性値(O値)とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。すなわち、直鎖飽和炭化水素の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることに沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に、炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基準として、各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値である。例えば、ニトロ基(−NO)の有機性値は70である。従って、ある種の有機化合物の有機性値とは、該化合物が有している各種置換基や結合等の総和を意味する。
したがって、一例として、後述する式(13)で表される電子輸送剤(ETM−A)で表されるナフトキノン誘導体のI/O値は、以下のように算出される。
すなわち、かかる化合物は、炭素原子(有機性20)を23個有しており、有機性値は20×23=460となる。また、ナフタレン環(無機性60)を1個有し、ベンゼン環(無機性15)を2個有し、ケトン基(無機性65)を3個有していることから、無機性値は60×1+15×2+65×3=285となる。したがって、かかる化合物のI/O値は、285/460=0.6196となる。
また、電子輸送剤の種類としては、ナフトキノン誘導体またはアゾキノン誘導体を含むことが好ましい。
この理由は、電子輸送剤として、特定の化合物を使用することにより、電子受容性に優れており、また電荷発生剤との相溶性が優れていることから、感度特性や耐溶剤性に優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができるためである。
また、特定の電子輸送剤が、少なくとも一つのニトロ基(−NO2)、置換カルボキシル基(−COOR(Rは置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基))、あるいは、置換カルボニル基(−COR(Rは置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基))を有することが好ましい。
この理由は、使用する電子輸送剤が特定の置換基を備えることにより、耐溶剤性に優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができるためである。
(4)−2 具体例
また、電子輸送剤の具体例として、下記式(13)〜(16)で表される化合物(ETM−A〜ETM−D)が挙げられる。
また、従来公知の電子輸送剤を単独使用したり、併用したりすることも好ましい。かかる電子輸送剤の種類としては、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の電子受容性を有する種々の化合物が挙げられ、単独1種または2種以上をブレンドして使用してもよい。
また、これらの電子輸送剤のうち、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である化合物がより好ましい。
(4)−3 添加量
また、湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂100重量部に対して、電子輸送剤の添加量を、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる複数の電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電子輸送剤の添加量を定めるにあたり、後述する正孔輸送剤の添加量を考慮することが好ましい。より具体的には、電子輸送剤(全ETM)の添加割合(全ETM/全HTM)を、正孔輸送剤(全HTM)に対して、0.25〜1.3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる全ETM/全HTMの比率がかかる範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。
したがって、かかる全ETM/全HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
(5)電荷発生剤
(5)−1 種類
本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型またはX型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等がより優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができるためである。
(5)−2 具体例
また、電荷発生剤として、具体的に、下記式(17)〜(20)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−A〜CGM−D)を使用することがより好ましい。
また、従来公知の電荷発生剤を単独使用したり、併用したりすることも好ましい。かかる電荷発生剤の種類としては、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電剤等の一種単独または二種以上の混合物が挙げられる。
また、上述した電荷発生剤のうち、特に半導体レーザ等の光源を備えたレーザビームプリンタやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置に使用する場合には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンのいずれかを少なくともひとつが含まれていることが好ましい。
一方、ハロゲンランプ等の白色の光源を備えた静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装置に使用する場合には、可視領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えばペリレン系顔料やビスアゾ顔料等が好適に用いられる。
(5)−3 添加量
また、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電荷発生剤の添加量が0.2重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、かかる複数の電荷発生剤の添加量が40重量部を超えた値になると、可視光における赤色領域、近外赤外領域あるいは赤外領域に波長を有する光に対する吸光係数を大きくする効果が不十分となり、感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができない場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、本発明で用いられる電荷発生剤のうち、式(18)で表される化合物(CGM―
B)を用いる場合には、下記式(21)で表される分散補助剤(例えば、C.IPigmentOrange16)を添加してもよい。
この理由は、かかる電荷発生剤(CGM−B)と分散補助剤(C.IPigmentOrange16)をあわせて用いることにより、塗工溶液中でのCGM−Bの分散性を向上させ、塗工溶液のポットライフを長くすることができるためである。
なお、式(21)で表される分散補助剤を使用する場合、その添加量を、全電荷発生剤100重量部に対して、30〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる分散補助剤の添加量が30重量部未満の値になると、溶剤および結着樹脂への溶解性が不十分になり、感光体として適正な膜か製造されないためである。一方、かかる分散補助剤が200重量部を超えると、かかる電荷発生剤の量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができなくなるためである。
(6)添加剤
また、感光体層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光体層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
(7)構造
また、単層型感光体における感光体層の厚さは、通常、5〜100μmの範囲内の値であり、好ましくは10〜50μmの範囲内の値である。
そして、このような感光体層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス、あるいはカーボンブッラク等の導電性微粒子を分散してなるプラスッチク材料等があげられる。
また、導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。感光体層を特定の塗布の方法により形成する場合には、例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
また、単層型感光体10の構成に関して、図1(b)に示すように、導電性基体12と感光層14との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層16が形成されていてもよい。また、図1(c)に示すように、感光層14の表面には、保護層18が形成されていてもよい。
(8)製造方法
分散液を作るための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光体層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
2.積層型感光体
(1)基本的構造
図2(a)に示すように、積層型感光体20は、導電性基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体(正孔輸送剤)等の少なくとも1種と結着樹脂とを含む塗布液を塗布し、乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製される。
また、上記構造とは逆に、図2(b)に示すように、導電性基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成してもよい。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図2(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
なお、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、結着剤等については、単層型感光体と同様の内容とすることができる。
また、積層型感光体は、上記電荷発生層および電荷輸送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。例えば、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した場合において、電荷輸送層における電荷輸送剤として、スチルベン誘導体のような正孔輸送剤を使用した場合には、感光体は負帯電型となる。この場合、電荷発生層には電子輸送剤を含有させてもよい。そして、積層型の電子写真感光体であれば、感光体の残留電位が大きく低下しており、感度を向上させることができる。
なお、積層型感光体における感光体層の厚さに関しては、電荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態の湿式現像用電子写真感光体(以下、単に、感光体と称する場合がある。)を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶剤にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とした湿式現像用画像形成装置である。なお、この湿式現像用画像形成装置の例では、電子写真感光体として、単層型感光体を用いた場合を想定して説明する。
すなわち、図3に示すように、かかる湿式現像用画像形成装置には、湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程を実施するための帯電器32、露光工程を実施するための露光光源33、現像工程を実施するための湿式現像器34、および転写工程を実施するための転写器35を少なくとも備えていることが好ましい。
また、感光体31は、矢印の方向に一定速度で回転しており、感光体31の表面で、次の順に電子写真プロセスが行われることになる。より詳細には、帯電器32により、感光体31が全面的に帯電され、次いで、露光光源33によって、印字パターンが露光される。次いで、湿式現像器34によって、印字パターンに対応して、トナー現像され、さらに、転写器35によって、転写材(紙)36へのトナーの転写が行われる。そして、最後に、感光体31に残った余分なトナーに対して、クリーニングブレード37による掻き落としが行われるとともに、除電光源38によって、感光体31の除電が行われることになる。
ここで、トナーが分散された液体現像剤34aは、現像ローラ34bによって運ばれ、所定の現像バイアスを印加することで、感光体31の表面上にトナーが引き付けられて、感光体31上に現像されることになる。また、液体現像剤34aにおける固形分濃度を、例えば、5〜25重量%の範囲内の値とすることが好ましい。さらに、液体現像剤34aに使用される液体(トナー分散溶媒)としては、炭化水素系溶剤やシリコーン系オイルが好適に使用される。
そして、感光体31において、特定の構造体を有する正孔輸送剤を使用するとともに、電子輸送剤のI/O値を所定の範囲とすることにより、耐溶剤性や感度特性に優れた単層型の湿式現像用電子写真感光体が得られ、長時間にわたって、優れた画像特性を維持することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
(1)湿式現像用電子写真感光体の作成
超音波分散機内に、電荷発生剤として、式(17)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−A)を4重量部と、正孔輸送剤として、式(10)で表されるスチルベン化合物(HTM−A)を40重量部と、電子輸送剤として、式(13)で表されるナフトキノン誘導体(ETM−A)を50重量部と、結着樹脂として、式(6)で表される粘度平均分子量50,000のポリカーボネート共重合体(Resin−A)を100重量部と、レベリング剤としてのジメチルシリコーンオイルであるKF−96−50CS(信越化学工業製)を0.1重量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン750重量部と、を収容した後、超音波分散機にて1時間混合分散して、単層型感光体層用塗布液を作成した。
得られた塗布液を、直径30mmで、長さ254mm、厚さ5μmのアルマイト処理済みアルミニウム素管外面全域に塗布した。その後、130℃、30分間の条件で熱風乾燥して、膜厚22μmの単層型感光体層を有する湿式現像用電子写真感光体を得た。
(2)評価
(2)−1 感度測定
得られた湿式現像用電子写真感光体における明電位を測定した。すなわち、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、850Vになるように帯電させ、次いで、ハロゲンランプの光からハンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:1.0μJ/cm2)を露光した。露光後330msec経過後の電位を測定し、初期感度とした。また、感光体全体を、現像液であるアイソパーG(炭化水素系溶剤)に、温度25℃、2000時間の条件で浸漬した。その後、現像液から湿式現像用電子写真感光体を取り出し、感度を同様に測定し、初期感度と現像液であるアイソパーGに浸漬した後の感度の差を算出した。得られた結果を表2に示す。
(2)−2 耐溶剤性評価
得られた単層型の湿式現像用電子写真感光体を、現像液としてのアイソパーG(炭化水素系溶剤)500mlに、温度25℃、2000時間の条件で感光層全面を浸漬させた。一方、正孔輸送剤の濃度を変えて、現像液中に溶解させた。その状態で紫外線吸収ピーク波長における吸光度を測定し、正孔輸送剤に関する濃度−吸光度検量線を予め作成した。次いで、現像液に浸漬した湿式現像用電子写真感光体について、紫外線吸収測定を行い、検量線に照らして、正孔輸送剤の紫外線吸収ピーク波長における吸光度から、電子輸送剤の溶出量を算出した。得られた結果を表2に示す。
(2)−3 外観評価
また、耐溶剤性評価後の湿式現像用電子写真感光体の外観を目視にて観察し、下記基準に準じて外観評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
◎:外観変化が全く見られない。
○:顕著な外観変化は見られない。
△:外観変化が少々見られる。
×:顕著な外観変化が見られる。
[実施例2〜4]
実施例2では、式(17)のX型無金属フタロシアニン(CGM−A)のかわりに、式(18)で表される電荷発生剤(CGM−B)を2重量部使用し、さらに式(21)で表される分散補助剤を2重量部使用したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して評価した。
また、実施例3および4では、式(17)のX型無金属フタロシアニン(CGM−A)のかわりに、式(19)と(20)で表される電荷発生剤(CGM−C、CGM−D)をそれぞれ使用したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して評価した。
[実施例5]
実施例5では、式(10)の正孔輸送剤(HTM−A)のかわりに、式(11)で表される正孔輸送剤(HTM−B)を使用したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して評価した。
[実施例6]
実施例6では、式(10)の正孔輸送剤(HTM−A)のかわりに、式(12)で表される正孔輸送剤(HTM−C)を使用したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して評価した。
[実施例7〜8及び参考例1
実施例7〜8及び参考例1では、式(10)の正孔輸送剤(HTM−A)のかわりに、式(12)で表される正孔輸送剤(HTM−C)を使用し、さらに式(13)の電子輸送剤(ETM−A)のかわりに、式(14)〜(16)で表される電子輸送剤(ETM−B〜ETM−D)をそれぞれ使用したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して評価した。
[比較例1]
比較例1では、式(10)で表される正孔輸送剤(HTM−A)のかわりに、下記式(22)で表される正孔輸送剤(HTM−D)を使用したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して評価した。
以上、詳述したように、本発明によれば、トリフェニルアミン構造を有する特定のスチルベン化合物を使用するとともに、電子輸送剤のI/O値を所定の範囲とすることにより、耐溶剤性や感度特性に優れた湿式現像用電子写真感光体およびそれを備えた湿式現像用画像形成装置が得られるようになった。
したがって、本発明の湿式現像用電子写真感光体は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
(a)〜(c)は、単層型感光体の基本構造および変形構造を説明するために供する図である。 (a)〜(b)は、積層型感光体の基本構造および変形構造を説明するために供する図である。 湿式現像用電子写真感光体を備えた画像形成装置を説明するために供する図である。
符号の説明
10:単層型感光体
12:導電性基体
14:感光層
16:バリア層
18:保護層
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
31:感光体
32:帯電器
33:露光光源
34:湿式現像器
34a:液体現像剤
34b:現像ローラ
35:転写器
36:転写材
37:クリーニングブレード
38:除電光源
39:プローブ

Claims (11)

  1. 少なくとも結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、
    前記正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるスチルベン化合物を含むとともに、前記電子輸送剤の無機性値(I値)を、有機性値(O値)で割った値(I/O値)を0.5以上とすることを特徴とする湿式現像用電子写真感光体。

    (一般式(1)中の複数のR1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のフルオロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、あるいは置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、R1、R2およびR3のうち少なくとも二つが結合して単結合またはビニレン基を形成してもよく、Xは、芳香族環を含む二価の有機基であり、mは、0〜2の整数である。)
  2. 前記Xで表される有機基が、下記式(2)、(3)または(4)で表される有機基であることを特徴とする請求項1に記載の湿式現像用電子写真感光体。


  3. 前記正孔輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  4. 前記電子輸送剤として、ナフトキノン誘導体、およびアゾキノン誘導体からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  5. 前記電子輸送剤として、少なくとも一つのニトロ基(−NO2)、置換カルボキシル基(−COOR(Rは、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基))、および置換カルボニル基(−COR(Rは置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基))を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  6. 前記電子輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  7. 前記電荷発生剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  8. 前記結着樹脂として、下記一般式(5)で表されるポリカーボネート共重合体を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。

    (一般式(5)中のR6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のフルオロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、あるいは置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、Yは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−(CH2)2−、−SO−、−SO2−、−CR1011−、−SiR1011−、または−SiR1011−O−(R10、R11はそれぞれ独立しており、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または非置換のアリール基、トリフルオロメチル基、または、R10とR11とが環形成し、置換基として炭素数1〜7のアルキル基を有しても良い炭素数5〜12のシクロアルキリデン)であり、mとnは、0.05<m/(m+n)<0.4の関係を満足する。)
  9. 湿式現像の現像液として使用される炭化水素系溶剤に、室温で、2000時間の条件で浸漬した場合に、正孔輸送剤の溶出量が8×10-7g/cm3以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  10. 前記感光体層が、単層型であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶剤にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とする湿式現像用画像形成装置。
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