JP2005157291A - 積層型電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、積層型電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置に関し、特に、特定の結着樹脂と、特定の正孔輸送剤とを組み合わせて用いることにより、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、良好な感度特性が得られる積層型電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置等の電子写真感光体として、基体上に、電荷発生剤および結着樹脂を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤および結着樹脂を含有する電荷輸送層と、を備えた積層型電子写真感光体が知られている。かかる積層型電子写真感光体は、従来の無機感光体に比べて、製造が容易であるとともに、電荷発生剤や電荷輸送剤等の感光性材料の選択肢が多様であることから、構造設計の自由度が高いという利点がある。
しかしながら、通常、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂が使用されているものの、高温高湿の環境下、例えば、30℃、85%Rhの条件で、1000時間程度繰り返し使用すると、ポリカーボネート樹脂が加水分解してしまい、感度特性が低下するという問題が見られた。
しかしながら、通常、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂が使用されているものの、高温高湿の環境下、例えば、30℃、85%Rhの条件で、1000時間程度繰り返し使用すると、ポリカーボネート樹脂が加水分解してしまい、感度特性が低下するという問題が見られた。
そこで、本出願人は、下記一般式(48)で表される電荷輸送剤を使用するとともに、結着樹脂として、下記一般式(49)で表される特定構造を有するポリエステル樹脂と、ポリカーボネート樹脂とを併用するとともに、当該ポリエステル樹脂の添加量を1〜5重量%の範囲内の値に制御した電子写真感光体を既に提案している(例えば、特許文献1)。
(一般式(48)中、R50〜R53は、それぞれ独立したアルキル基またはアリール基を示す。)
(一般式(49)中、A3およびA4いずれか一方は、主鎖中に少なくとも一つの芳香族環を含む2価の有機基を示し、もう一方は、主鎖中に芳香族環を含まない2価の有機基を示す。)
また、結着樹脂として、下記一般式(50)で表される複数の特定構造体を含んだポリエステル樹脂と、ポリカーボネート樹脂とを併用するとともに、ポリエステル樹脂の添加量を10〜30重量%の範囲内の値に制御した電子写真感光体も開示されている(例えば、特許文献2)。
(一般式(50)中、h:iは3:7〜7:3であり、h+iは10〜1000の整数であり、aは1〜10の整数である。)
特開平7−92709号(特許請求の範囲等)
特開平10−20516号(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された電子写真感光体は、それぞれ高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合において感度が低下するという問題が見られた。
また、特許文献2に記載された電子写真感光体は、複数の特定構造体を含んだポリエステル樹脂を使用しなければならず、設計の自由度が低い一方、かかるポリエステル樹脂と、ポリカーボネート樹脂や正孔輸送剤との間の相溶性が乏しいという問題が見られた。さらに、特許文献2に記載された電子写真感光体においては、ポリエステル樹脂の添加量が比較的多くなった場合、初期段階から感度特性が低下するという問題も見られた。
そこで、本発明者らは、正孔輸送剤として、特定のスチルベン化合物を使用するともに、ポリカーボネート樹脂と、特定のポリエステル樹脂とを所定割合で併用することにより、初期段階はもちろんのこと、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を維持することができるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、良好な感度特性が得られる積層型電子写真感光体、およびそのような積層型電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
また、特許文献2に記載された電子写真感光体は、複数の特定構造体を含んだポリエステル樹脂を使用しなければならず、設計の自由度が低い一方、かかるポリエステル樹脂と、ポリカーボネート樹脂や正孔輸送剤との間の相溶性が乏しいという問題が見られた。さらに、特許文献2に記載された電子写真感光体においては、ポリエステル樹脂の添加量が比較的多くなった場合、初期段階から感度特性が低下するという問題も見られた。
そこで、本発明者らは、正孔輸送剤として、特定のスチルベン化合物を使用するともに、ポリカーボネート樹脂と、特定のポリエステル樹脂とを所定割合で併用することにより、初期段階はもちろんのこと、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を維持することができるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、良好な感度特性が得られる積層型電子写真感光体、およびそのような積層型電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、正孔輸送剤および結着樹脂を含有する電荷輸送層と、を備えた積層型電子写真感光体であって、正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるスチルベン化合物を含み、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂および下記一般式(2)で表されるポリエステル樹脂を含むとともに、当該ポリエステル樹脂の添加量を、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とした積層型電子写真感光体が提供され、上述した問題点を解決することができる。
(一般式(1)中、R1〜R6およびR9〜R14は、それぞれ独立した水素原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアミノ基、炭素数2〜30の置換または非置換のアルケニル基、あるいはR1〜R14のうちいずれか2つは、それぞれが結合または縮合して形成した炭素環構造または複素環構造であり、R7およびR8は、それぞれ独立した水素原子、あるいは炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基である。)
(一般式(2)中、A1およびA2のいずれか一方は、主鎖中に少なくとも一つの芳香族環を含む2価の有機基を示し、もう一方は、主鎖中に芳香族環を含まない2価の有機基を示す。)
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体が、一般式(3)で表されるスチルベン誘導体であることが好ましい。
(一般式(3)中の、複数のR15〜R17は、それぞれ独立した水素原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアミノ基、炭素数2〜30の置換または非置換のアルケニル基、あるいはR15〜R17のうちいずれか2つは、それぞれが結合または縮合して形成した炭素環構造または複素環構造である。)
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、ポリカーボネート樹脂として、下記一般式(4)〜(6)で表される少なくとも一つのポリカーボネート樹脂を含むことが好ましい。
(一般式(4)中、R18〜R27は、それぞれ独立した炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、あるいはR18およびR19は、それぞれが結合または縮合して形成した環構造である。)
(一般式(5)中、R28〜R39は、それぞれ独立した炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、あるいはR28およびR29は、それぞれが結合または縮合して形成した環構造である。また、sおよびtは、0.2≦s/(s+t)≦0.8の関係を満足する。)
(一般式(6)中、R40〜R49は、それぞれ独立した炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、あるいはR40およびR41は、それぞれが結合または縮合して形成した環構造である。)
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、正孔輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、電荷発生剤として、無金属フタロシアニン(τ型またはx型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜150重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、基体上に、中間層が形成してあることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの積層型電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位を配置した画像形成装置である。
本発明の積層型電子写真感光体によれば、正孔輸送剤として、特定のスチルベン化合物を用い、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂と、特定のポリエステル樹脂とを併用するとともに、ポリエステル樹脂の添加量を所定範囲に制限することにより、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができる。
また、本発明の積層型電子写真感光体によれば、正孔輸送剤として、特定のスチルベン化合物を用いることにより、特定の結着樹脂との相溶性が優れるため、かかる正孔輸送剤が感光体層中に均一に分散される。また、本発明の正孔輸送剤は移動度においても優れた特性を示す。したがって、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができる。
また、本発明の積層型電子写真感光体によれば、特定のポリカーボネート樹脂を使用することにより、耐久性や耐熱性を高めることができるとともに、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができる。
また、本発明の積層型電子写真感光体によれば、正孔輸送剤の添加量を所定範囲に制御することにより、混合分散が容易になるとともに、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができる。
また、本発明の積層型電子写真感光体によれば、特定の電荷発生剤を使用することにより、比較的少量の添加であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができる。
また、本発明の積層型電子写真感光体によれば、電荷発生剤の添加量を所定範囲に制御することにより、混合分散が容易になるとともに、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができる。
また、本発明の積層型電子写真感光体によれば、基体上に、予め中間層が形成してあることにより、基体側の電荷が容易に感光体層へ注入されるのを防ぐと共に、感光体層を基体上に強固に結着させ、基体表面上の欠陥を被覆して、平滑化することができる。
また、本発明の画像形成装置によれば、特定の積層型電子写真感光体を備えることにより、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができ、鮮明な画像を形成することができる。
以下、本発明の積層型電子写真感光体および画像形成装置に関する実施の形態を、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、正孔輸送剤および結着樹脂を含有する電荷輸送層と、を備えた積層型電子写真感光体である。そして、正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるスチルベン化合物を含み、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂および下記一般式(2)で表されるポリエステル樹脂を含むとともに、当該ポリエステル樹脂の添加量を、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
第1の実施形態は、基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、正孔輸送剤および結着樹脂を含有する電荷輸送層と、を備えた積層型電子写真感光体である。そして、正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるスチルベン化合物を含み、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂および下記一般式(2)で表されるポリエステル樹脂を含むとともに、当該ポリエステル樹脂の添加量を、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
(一般式(1)中、R1〜R6およびR9〜R14は、それぞれ独立した水素原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアミノ基、炭素数2〜30の置換または非置換のアルケニル基、あるいはR1〜R14のうちいずれか2つは、それぞれが結合または縮合して形成した炭素環構造または複素環構造であり、R7およびR8は、それぞれ独立した水素原子、あるいは炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基である。)
(一般式(2)中、A1およびA2のいずれか一方は、主鎖中に少なくとも一つの芳香族環を含む2価の有機基を示し、もう一方は、主鎖中に芳香族環を含まない2価の有機基を示す。)
また、一般式(2)で表されるポリエステル樹脂は、一般式(2a)で表される酸成分と、一般式(2b)で表されるジオール成分を反応させることで得られる。
ここで、一般式(2a)で表される酸成分としては、下記式(7)〜(11)で表される化合物がある。
また、一般式(2b)で表されるジオール成分としては、例えば下記式(12)〜(18)で表される化合物がある。
また、一般式(2a)で表される酸成分、および一般式(2b)で表されるジオール成分は、一般式(2)中のA1またはA2のいずれか一方が主鎖中に芳香族環を含み、他方が主鎖中に芳香族環を含まないものとなるように適宜組み合わせて使用される。
なお、主鎖中に芳香族環を含むジオール成分の割合を40〜80モル%の範囲内の値とすることが好ましい。
なお、主鎖中に芳香族環を含むジオール成分の割合を40〜80モル%の範囲内の値とすることが好ましい。
また、一般式(2)で表されるポリエステル樹脂の具体例として、例えば、表1中に示す化合物(E1〜E5)があげられる。
なお、表1中の酸成分の欄の(10)で表される化合物であって、構造単位の繰り返し数(u)が2である化合物はコハク酸を示し、同様に、(10)で表される化合物であって、構造単位の繰り返し数(u)が4である化合物はアジピン酸を示し、同様に、(10)で表される化合物であって、構造単位の繰り返し数(u)が7である化合物はアゼライン酸を示している。また、ジオール成分の欄の(12)で表される化合物であって、構造単位の繰り返し数(v)が2である化合物はエチレングリコールを示している。
1.基本的構成
(1)基本的構造
図1(a)に示すように、積層型電子写真感光体20は、基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体(正孔輸送剤)等の少なくとも1種と、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂および一般式(2)で表されるポリエステル樹脂を含む塗布液を塗布し、それを乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製することができる。
また、上記構造とは逆に、図1(b)に示すように、基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成してもよい。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図1(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
(1)基本的構造
図1(a)に示すように、積層型電子写真感光体20は、基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体(正孔輸送剤)等の少なくとも1種と、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂および一般式(2)で表されるポリエステル樹脂を含む塗布液を塗布し、それを乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製することができる。
また、上記構造とは逆に、図1(b)に示すように、基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成してもよい。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図1(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
また、積層型電子写真感光体は、上記電荷発生層および電荷輸送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。例えば、基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した場合において、電荷輸送層における電荷輸送剤として、スチルベン誘導体のような正孔輸送剤を使用した場合には、感光体は負帯電型となる。この場合、電荷輸送層には電子輸送剤を含有させてもよい。そして、積層型の電子写真感光体であれば、感光体の残留電位が大きく低下しており、感度を向上させることができる。
また、積層型電子写真感光体における感光体層の厚さに関しては、電荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。
そして、このような感光体層が形成される基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
そして、このような感光体層が形成される基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
また、図1(c)に示すように、感光体層を形成する前に、かかる基体12上に、中間層25を予め形成しておくことも好ましい。この理由は、かかる中間層25を設けることによって、基体側の電荷が容易に感光体層へ注入されるのを防ぐと共に、感光体層を基体12上に強固に結着させ、基体12における表面上の欠陥を被覆し平滑化することができるためである。
さらに、基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、基体は、アルミニウム等のように、使用に際して十分な機械的強度を有するとともに、軽量であることが好ましい。
さらに、基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、基体は、アルミニウム等のように、使用に際して十分な機械的強度を有するとともに、軽量であることが好ましい。
2.結着樹脂
(1)ポリカーボネート樹脂
結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂を使用することを特徴とする。この理由は、ポリカーボネート樹脂を使用することにより、耐久性や耐熱性を高めることができるとともに、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができるためである。
また、ポリカーボネート樹脂の具体例としては、例えば、上述した一般式(4)〜(6)で表される少なくとも一つのポリカーボネート樹脂を含むことが好ましい。
この理由は、このようなポリカーボネート樹脂であれば、比較的安価であり、正孔輸送剤やポリエステル樹脂との間の相溶性に優れており、かつ、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができるためである。
(1)ポリカーボネート樹脂
結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂を使用することを特徴とする。この理由は、ポリカーボネート樹脂を使用することにより、耐久性や耐熱性を高めることができるとともに、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができるためである。
また、ポリカーボネート樹脂の具体例としては、例えば、上述した一般式(4)〜(6)で表される少なくとも一つのポリカーボネート樹脂を含むことが好ましい。
この理由は、このようなポリカーボネート樹脂であれば、比較的安価であり、正孔輸送剤やポリエステル樹脂との間の相溶性に優れており、かつ、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができるためである。
さらに、ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールZ型、ビスフェノールZC型、ビスフェノールC型、ビスフェノールA型等があるが、このうち、ビスフェノールZ型のポリカーボネート樹脂を使用することがより好ましい。
この理由は、ビスフェノールZ型のポリカーボネート樹脂であれば、耐磨耗性に優れるとともに、耐加水分解特性に優れ、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができるためである。
この理由は、ビスフェノールZ型のポリカーボネート樹脂であれば、耐磨耗性に優れるとともに、耐加水分解特性に優れ、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができるためである。
(2)ポリエステル樹脂
結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂とともに、一般式(2)で表されるポリエステル樹脂を併用することを特徴とする。
この理由は、このようなポリエステル樹脂を所定量併用することにより、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができるためである。
結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂とともに、一般式(2)で表されるポリエステル樹脂を併用することを特徴とする。
この理由は、このようなポリエステル樹脂を所定量併用することにより、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、所定の感度特性を長時間にわたって維持することができるためである。
また、ポリエステル樹脂の添加量を、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかるポリエステル樹脂の添加量が、1重量%未満の値になると、添加効果が発揮されず、高温高湿の環境下において、繰り返し使用した場合に、感度特性が低下する場合があるためである。
一方、かかるポリエステル樹脂の添加量が20重量%を超えると、ポリカーボネート樹脂や正孔輸送剤等との間の相溶性が低下し、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合に、感度特性が著しく低下するためである。
したがって、ポリエステル樹脂の添加量を、結着樹脂の全体量に対して、3〜15重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかるポリエステル樹脂の添加量が、1重量%未満の値になると、添加効果が発揮されず、高温高湿の環境下において、繰り返し使用した場合に、感度特性が低下する場合があるためである。
一方、かかるポリエステル樹脂の添加量が20重量%を超えると、ポリカーボネート樹脂や正孔輸送剤等との間の相溶性が低下し、初期段階のみならず、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合に、感度特性が著しく低下するためである。
したがって、ポリエステル樹脂の添加量を、結着樹脂の全体量に対して、3〜15重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ここで、図2および図3を参照して、ポリエステル樹脂の添加量の、H/H環境(温度30℃、湿度85%)および、N/N環境(温度25℃、湿度50%)における感度特性への影響を説明する。
図2および図3の横軸には、ポリエステル樹脂の添加量(重量%)を示しており、縦軸に、それぞれH/H環境およびN/N環境における1000枚連続印刷後の感度を帯電電位(V)で示している。より具体的には、図2および図3中のラインAおよびCは、それぞれ初期段階の帯電電位を示し、ラインBおよびDは、それぞれランニング後の帯電電位を示している。
かかる図2から、ポリエステル樹脂の添加量が、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値であるとき、初期およびランニング後の帯電電位は−80〜−90Vの範囲内の値を示し、良好な感度特性を示していることがわかる。
一方、ポリエステル樹脂の添加量が1重量%未満の値になると、初期段階の帯電電位は−80V程度の値を示すが、H/H環境でのランニング後の帯電電位は著しく低下して、−125V程度の値を示している。すなわち、感度特性が低下していることがわかる。また、ポリエステル樹脂の添加量が20重量%を越えると、初期段階およびランニング後の帯電電位はそれぞれ上昇して−117V以下の値を示し、感度特性が低下していることがわかる。
よって、初期段階のみならず、H/H環境(温度30℃、湿度85%)での繰り返し使用において、良好な感度特性を得るためには、ポリエステル樹脂の添加量を、感度結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましいことがわかる。
また、図3からポリエステル樹脂の添加量が、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値であるとき、初期段階およびランニング後の帯電電位としては−85〜−90Vの範囲内の値を示し、良好な感度特性を有していることがわかる。
一方、ポリエステル樹脂の添加量が、1重量%未満の値になると、初期段階の帯電電位は−83V程度の値を示すものの、N/N環境におけるランニング後の帯電電位は−90V程度を示し、帯電電位が10%程度上昇していることがわかる。また、ポリエステル樹脂の添加量が20重量%を越えると、初期段階およびランニング後の帯電電位がそれぞれ低下して−112V以下の値を示している。すなわち、感度特性が低下していることがわかる。
よって、初期段階のみならず、N/N環境(温度25℃、湿度50%)での繰り返し使用においても良好な感度特性を得るためには、ポリエステル樹脂の添加量を、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましいことがわかる。
図2および図3の横軸には、ポリエステル樹脂の添加量(重量%)を示しており、縦軸に、それぞれH/H環境およびN/N環境における1000枚連続印刷後の感度を帯電電位(V)で示している。より具体的には、図2および図3中のラインAおよびCは、それぞれ初期段階の帯電電位を示し、ラインBおよびDは、それぞれランニング後の帯電電位を示している。
かかる図2から、ポリエステル樹脂の添加量が、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値であるとき、初期およびランニング後の帯電電位は−80〜−90Vの範囲内の値を示し、良好な感度特性を示していることがわかる。
一方、ポリエステル樹脂の添加量が1重量%未満の値になると、初期段階の帯電電位は−80V程度の値を示すが、H/H環境でのランニング後の帯電電位は著しく低下して、−125V程度の値を示している。すなわち、感度特性が低下していることがわかる。また、ポリエステル樹脂の添加量が20重量%を越えると、初期段階およびランニング後の帯電電位はそれぞれ上昇して−117V以下の値を示し、感度特性が低下していることがわかる。
よって、初期段階のみならず、H/H環境(温度30℃、湿度85%)での繰り返し使用において、良好な感度特性を得るためには、ポリエステル樹脂の添加量を、感度結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましいことがわかる。
また、図3からポリエステル樹脂の添加量が、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値であるとき、初期段階およびランニング後の帯電電位としては−85〜−90Vの範囲内の値を示し、良好な感度特性を有していることがわかる。
一方、ポリエステル樹脂の添加量が、1重量%未満の値になると、初期段階の帯電電位は−83V程度の値を示すものの、N/N環境におけるランニング後の帯電電位は−90V程度を示し、帯電電位が10%程度上昇していることがわかる。また、ポリエステル樹脂の添加量が20重量%を越えると、初期段階およびランニング後の帯電電位がそれぞれ低下して−112V以下の値を示している。すなわち、感度特性が低下していることがわかる。
よって、初期段階のみならず、N/N環境(温度25℃、湿度50%)での繰り返し使用においても良好な感度特性を得るためには、ポリエステル樹脂の添加量を、結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましいことがわかる。
(3)他の結着樹脂
また、他の結着樹脂として、上述したポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂とともに、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等を併用することも好ましい。
また、他の結着樹脂として、上述したポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂とともに、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等を併用することも好ましい。
3.正孔輸送剤
(1)種類
正孔輸送剤として、一般式(1)で表されるスチルベン化合物を使用することを特徴とする。
この理由は、スチルベン化合物において、分子内の所定箇所に特定のトリフェニル構造を導入することにより、正孔輸送性が著しく向上するためである。また、分子末端にトリフェニル構造を含むことにより、耐溶剤性や感度特性をさらに向上できるばかりでなく、機械的特性や成膜性についても向上するためである。よって、長期間にわたって優れた画像特性を維持し、かつ、製造等についても容易な積層型電子写真感光体を効率的に提供することができる。
(1)種類
正孔輸送剤として、一般式(1)で表されるスチルベン化合物を使用することを特徴とする。
この理由は、スチルベン化合物において、分子内の所定箇所に特定のトリフェニル構造を導入することにより、正孔輸送性が著しく向上するためである。また、分子末端にトリフェニル構造を含むことにより、耐溶剤性や感度特性をさらに向上できるばかりでなく、機械的特性や成膜性についても向上するためである。よって、長期間にわたって優れた画像特性を維持し、かつ、製造等についても容易な積層型電子写真感光体を効率的に提供することができる。
(2)具体例
スチルベン化合物の具体例としては、例えば、下記式(19)〜(37)で示される化合物(HTM−1〜HTM−19)が挙げられる。
スチルベン化合物の具体例としては、例えば、下記式(19)〜(37)で示される化合物(HTM−1〜HTM−19)が挙げられる。
また、従来公知の正孔輸送剤を併用することも好ましい。かかる正孔輸送剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物が挙げられる。
(3) 添加量
正孔輸送剤の添加量に関し、結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が80重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を30〜70重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
正孔輸送剤の添加量に関し、結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が80重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を30〜70重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
4.電子輸送剤
(1) 種類
本発明の積層型電子感光体の電荷輸送層および電荷発生層に、さらに電子輸送剤を含んでもよい。この理由は、電荷輸送層および電荷発生層に電子輸送剤を含むことにより、電荷発生層に蓄積した電子を支持基体へ効率よく輸送することができ、残留電位を低下させて感度特性を向上させることができるためである。
また、電子輸送剤としては、高い電子輸送能を有する種々の化合物、例えば下記式(38)〜(41)で表される化合物(ET−1〜ET−4)があげられる。
(1) 種類
本発明の積層型電子感光体の電荷輸送層および電荷発生層に、さらに電子輸送剤を含んでもよい。この理由は、電荷輸送層および電荷発生層に電子輸送剤を含むことにより、電荷発生層に蓄積した電子を支持基体へ効率よく輸送することができ、残留電位を低下させて感度特性を向上させることができるためである。
また、電子輸送剤としては、高い電子輸送能を有する種々の化合物、例えば下記式(38)〜(41)で表される化合物(ET−1〜ET−4)があげられる。
また、従来公知の電子輸送剤を併用することも好ましい。かかる電子輸送剤の種類としては、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の電子受容性を有する種々の化合物が挙げられ、1種単独または2種以上をブレンドして使用することが好ましい。
また、これらの化合物のうち、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である化合物がより好ましい。
また、これらの化合物のうち、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である化合物がより好ましい。
(2) 添加量
また、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる複数の電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる複数の電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電子輸送剤の添加量を定めるにあたり、後述する正孔輸送剤の添加量を考慮することが好ましい。より具体的には、電子輸送剤(全ETM)の添加割合(全ETM/全HTM)を、正孔輸送剤(全HTM)に対して、0.25〜1.3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる全ETM/全HTMの比率がかかる範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。
したがって、かかる全ETM/全HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、かかる全ETM/全HTMの比率がかかる範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。
したがって、かかる全ETM/全HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
5.電荷発生剤
(1) 種類
本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型またはx型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等がより優れた積層型電子写真感光体を提供することができるためである。
(1) 種類
本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型またはx型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等がより優れた積層型電子写真感光体を提供することができるためである。
(2) 具体例
これらの電荷発生剤のうち、具体的に、下記式(42)〜(45)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−1〜CGM−4)を使用することがより好ましい。
これらの電荷発生剤のうち、具体的に、下記式(42)〜(45)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−1〜CGM−4)を使用することがより好ましい。
また、従来公知の電荷発生剤を使用することも好ましい。かかる電荷発生剤の種類としては、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電剤料等の一種単独または二種以上の混合物が挙げられる。
(3) 添加量
また、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜150重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電荷発生剤の添加量が0.5重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、かかる複数の電荷発生剤の添加量が150重量部を超えた値になると、赤外ないし近赤外領域に吸収波長を有する光に対する吸光係数が低下し、感光体の感度、電気特性、安定性等がそれに伴い低下する場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を0.5〜120重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜150重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電荷発生剤の添加量が0.5重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、かかる複数の電荷発生剤の添加量が150重量部を超えた値になると、赤外ないし近赤外領域に吸収波長を有する光に対する吸光係数が低下し、感光体の感度、電気特性、安定性等がそれに伴い低下する場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を0.5〜120重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
6.添加剤
また、感光体層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば、加水分解防止剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光体層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
また、感光体層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば、加水分解防止剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光体層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
7.中間層
本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、基体上に中間層が形成してあることが好ましい。この理由は、基体上に中間層を形成することにより、感光体層と基体との間の接着性を向上することができるとともに、基体表面を平滑化することができるため、基体表面の欠陥を被覆することができ、さらに残留電位を低下することができるためである。
本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、基体上に中間層が形成してあることが好ましい。この理由は、基体上に中間層を形成することにより、感光体層と基体との間の接着性を向上することができるとともに、基体表面を平滑化することができるため、基体表面の欠陥を被覆することができ、さらに残留電位を低下することができるためである。
(1)結着樹脂
中間層に使用される結着樹脂としては、従来、感光体層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。結着樹脂の種類としては、例えば、上述した結着樹脂の説明で記載したものが挙げられる。
また、中間層に使用させる結着樹脂としては、耐溶剤性に優れた樹脂がより好ましい。この理由は、中間層に使用される結着樹脂の耐溶剤性が低いと、中間層の上に塗布される感光体層に溶解してしまい、中間層を適当に作成するのが困難になる場合があるからである。具体的には、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリエステル、マレイン酸樹脂、イソシアネート樹脂及びシリコン樹脂などのように3次元網目構造を形成する樹脂が挙げられる。また、耐溶剤性にさらに優れていることから、フェノール樹脂、ポリアミドがより好ましい。
中間層に使用される結着樹脂としては、従来、感光体層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。結着樹脂の種類としては、例えば、上述した結着樹脂の説明で記載したものが挙げられる。
また、中間層に使用させる結着樹脂としては、耐溶剤性に優れた樹脂がより好ましい。この理由は、中間層に使用される結着樹脂の耐溶剤性が低いと、中間層の上に塗布される感光体層に溶解してしまい、中間層を適当に作成するのが困難になる場合があるからである。具体的には、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリエステル、マレイン酸樹脂、イソシアネート樹脂及びシリコン樹脂などのように3次元網目構造を形成する樹脂が挙げられる。また、耐溶剤性にさらに優れていることから、フェノール樹脂、ポリアミドがより好ましい。
(2)添加剤
中間層に含有させる添加剤としては、製造時の沈降等が問題とならない範囲であって、光散乱を生じさせて干渉縞の発生を防止したり、分散性向上等を図ったり、導電性を向上させる目的のために、各種添加剤(有機微粉末または無機微粉末)を少量添加することも好ましい。
また、中間層に含有させる添加剤の種類としては、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料や、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やフッ素樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子等が挙げられる。
また、微粉末等の添加剤を添加する場合、その平均粒径を0.01〜3μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる粒径が大きすぎると中間層の凹凸が大きくなったり、電気的に不均一な部分が生じたり、さらには、画質欠陥を生じ易くなったりする場合があるためである。一方、かかる粒径が小さすぎると、十分な光散乱効果が得られない場合があるためである。
なお、微粉末等の添加剤を添加する場合、その添加量を、中間層の固形分に対して重量換算で50重量%以下の値、0.01〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
中間層に含有させる添加剤としては、製造時の沈降等が問題とならない範囲であって、光散乱を生じさせて干渉縞の発生を防止したり、分散性向上等を図ったり、導電性を向上させる目的のために、各種添加剤(有機微粉末または無機微粉末)を少量添加することも好ましい。
また、中間層に含有させる添加剤の種類としては、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料や、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やフッ素樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子等が挙げられる。
また、微粉末等の添加剤を添加する場合、その平均粒径を0.01〜3μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる粒径が大きすぎると中間層の凹凸が大きくなったり、電気的に不均一な部分が生じたり、さらには、画質欠陥を生じ易くなったりする場合があるためである。一方、かかる粒径が小さすぎると、十分な光散乱効果が得られない場合があるためである。
なお、微粉末等の添加剤を添加する場合、その添加量を、中間層の固形分に対して重量換算で50重量%以下の値、0.01〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、中間層に従来公知の電荷輸送剤、電荷発生剤等を含有させることも好ましい。また、これらの化合物は単独または2種以上を混合して使用してもよい。例えば、電荷輸送剤および電荷発生剤等の種類としては、上述した正孔輸送剤、電子輸送剤、および電荷発生剤の説明で記載したものが挙げられる。
(3)膜厚
また、中間層は膜厚を厚くすることによって、支持基材における凹凸の隠蔽性が高まるため、スポット状の画質欠陥は低減する方向にあって好ましいが、それとは逆に、残留電位の上昇等の電気的特性が低下する方向にある。
したがって、中間層の膜厚を0.1〜50μmの範囲内の値とすることが好ましく、1〜30μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、中間層は膜厚を厚くすることによって、支持基材における凹凸の隠蔽性が高まるため、スポット状の画質欠陥は低減する方向にあって好ましいが、それとは逆に、残留電位の上昇等の電気的特性が低下する方向にある。
したがって、中間層の膜厚を0.1〜50μmの範囲内の値とすることが好ましく、1〜30μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
8.製造方法
本発明の積層型感光体層の製造方法に関し、以下のように電荷輸送層用塗布液と、電荷発生層用塗布液とを作成して、それぞれ基体上に塗布した後、乾燥させて製造することが好ましい。
本発明の積層型感光体層の製造方法に関し、以下のように電荷輸送層用塗布液と、電荷発生層用塗布液とを作成して、それぞれ基体上に塗布した後、乾燥させて製造することが好ましい。
(1)塗布液作成工程
塗布液作成工程は、例えば、結着樹脂と、正孔輸送剤と、溶剤と、からなる電荷輸送層用塗布液、および結着樹脂と、電荷発生剤と、溶剤と、からなる電荷発生層用塗布液と、をそれぞれ作成する工程である。例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合し、塗布液とすることが好ましい。
より具体的には、電荷輸送層用塗布液の固形分濃度が10〜30重量%の範囲内の値、電荷発生層用塗布液の固形分濃度が1〜10重量%の範囲内の値の塗布液を作成することが好ましい。この理由は、電荷輸送層用塗布液の固形分濃度は10重量%未満の値になると、被膜欠陥を生じるおそれがあるためであり、一方、塗布液の固形分濃度は30重量%を超えると、層むらが生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合があるためである。また、同様に電荷発生層用塗布液の固形分濃度も1重量%未満の値になると被膜欠陥を生じるおそれがあり、固形分濃度が10重量%を超えると、層むらを生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合がある。
また、電荷輸送層用塗布液および電荷発生層用塗布液を作成するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤等の分散性や、感光体層表面における平滑性を良くするために、塗布液を作成する際に、界面活性剤やレベリング剤等を添加することも好ましい。
塗布液作成工程は、例えば、結着樹脂と、正孔輸送剤と、溶剤と、からなる電荷輸送層用塗布液、および結着樹脂と、電荷発生剤と、溶剤と、からなる電荷発生層用塗布液と、をそれぞれ作成する工程である。例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合し、塗布液とすることが好ましい。
より具体的には、電荷輸送層用塗布液の固形分濃度が10〜30重量%の範囲内の値、電荷発生層用塗布液の固形分濃度が1〜10重量%の範囲内の値の塗布液を作成することが好ましい。この理由は、電荷輸送層用塗布液の固形分濃度は10重量%未満の値になると、被膜欠陥を生じるおそれがあるためであり、一方、塗布液の固形分濃度は30重量%を超えると、層むらが生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合があるためである。また、同様に電荷発生層用塗布液の固形分濃度も1重量%未満の値になると被膜欠陥を生じるおそれがあり、固形分濃度が10重量%を超えると、層むらを生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合がある。
また、電荷輸送層用塗布液および電荷発生層用塗布液を作成するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤等の分散性や、感光体層表面における平滑性を良くするために、塗布液を作成する際に、界面活性剤やレベリング剤等を添加することも好ましい。
(2)塗布工程および乾燥工程
第1塗布工程および第1乾燥工程と、第2塗布工程および第2乾燥工程とを設けて、電荷輸送層と電荷発生層からなる感光体層を形成することが好ましい。例えば、第1塗布工程および第1乾燥工程により、図1(a)に示すように、基体12の上に、電荷発生層24を形成し、次いで、第2塗布工程および第2乾燥工程により、電荷発生層24の上に、電荷輸送層22を形成することが好ましい。
第1塗布工程および第1乾燥工程と、第2塗布工程および第2乾燥工程とを設けて、電荷輸送層と電荷発生層からなる感光体層を形成することが好ましい。例えば、第1塗布工程および第1乾燥工程により、図1(a)に示すように、基体12の上に、電荷発生層24を形成し、次いで、第2塗布工程および第2乾燥工程により、電荷発生層24の上に、電荷輸送層22を形成することが好ましい。
(2)−1 塗布工程
また、塗布工程を実施するにあたり、基体上に、塗布液を直接的に塗布することも好ましいし、あるいは、中間層を介して間接的に塗布することも好ましい。
また、塗布方法としては、均一な厚さの感光体層を形成するために、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いることが好ましい。
なお、電荷発生層は残留電位を低くするため、電荷輸送層よりも薄く塗膜を形成するのが好ましい。
また、塗布工程を実施するにあたり、基体上に、塗布液を直接的に塗布することも好ましいし、あるいは、中間層を介して間接的に塗布することも好ましい。
また、塗布方法としては、均一な厚さの感光体層を形成するために、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いることが好ましい。
なお、電荷発生層は残留電位を低くするため、電荷輸送層よりも薄く塗膜を形成するのが好ましい。
(2)−2 乾燥工程
また、塗布工程の後、乾燥工程において、高温乾燥機や減圧乾燥機等を用いて、例えば、60℃〜150℃の乾燥温度で乾燥させることが好ましい。この理由は、かかる乾燥温度が60℃未満の値になると、乾燥時間が過度に長くなって、均一な厚さを有する感光体層を効率的に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる乾燥温度が150℃を超えると、感光体が熱分解する場合があるためである。
また、塗布工程の後、乾燥工程において、高温乾燥機や減圧乾燥機等を用いて、例えば、60℃〜150℃の乾燥温度で乾燥させることが好ましい。この理由は、かかる乾燥温度が60℃未満の値になると、乾燥時間が過度に長くなって、均一な厚さを有する感光体層を効率的に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる乾燥温度が150℃を超えると、感光体が熱分解する場合があるためである。
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、基体上に中間層を形成する場合は、図1(c)に示すように、基体12の上に、中間層25を形成し、次いで、電荷発生層および電荷輸送層を形成することが好ましい。
なお、塗布液作成工程、塗布工程および乾燥工程の条件については、電荷発生層および電荷輸送層の製造方法に準じることができる。なお、中間層の塗布液は、例えば結着樹脂と、添加剤と、から作成することが好ましい。
なお、塗布液作成工程、塗布工程および乾燥工程の条件については、電荷発生層および電荷輸送層の製造方法に準じることができる。なお、中間層の塗布液は、例えば結着樹脂と、添加剤と、から作成することが好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態の電子写真感光体を含む画像形成装置である。
なお、この画像形成装置の例では、電子写真感光体として、本発明の積層型電子写真感光体を用いた場合を想定して、説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態の電子写真感光体を含む画像形成装置である。
なお、この画像形成装置の例では、電子写真感光体として、本発明の積層型電子写真感光体を用いた場合を想定して、説明する。
(1)構成
第2の実施形態の画像形成方法を実施するにあたり、図4に示すような画像形成装置である複写機40を好適に使用することができる。かかる複写機40は、画像形成ユニット41、排紙ユニット42、画像読取ユニット43、及び原稿給送ユニット44を備えている。また、画像形成ユニット41には、画像形成部41a及び給紙部41bがさらに備えられている。そして、図示された例では、原稿給送ユニット44は、原稿載置トレイ44a、原稿給送機構44b、及び原稿排出トレイ44cを有しており、原稿載置トレイ44a上に載置された原稿は、原稿給送機構44bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ44cに排出される。
第2の実施形態の画像形成方法を実施するにあたり、図4に示すような画像形成装置である複写機40を好適に使用することができる。かかる複写機40は、画像形成ユニット41、排紙ユニット42、画像読取ユニット43、及び原稿給送ユニット44を備えている。また、画像形成ユニット41には、画像形成部41a及び給紙部41bがさらに備えられている。そして、図示された例では、原稿給送ユニット44は、原稿載置トレイ44a、原稿給送機構44b、及び原稿排出トレイ44cを有しており、原稿載置トレイ44a上に載置された原稿は、原稿給送機構44bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ44cに排出される。
そして、原稿が原稿読取位置Pに送られた段階で、画像読取ユニット43において、光源43aからの光を利用して、原稿上の画像が読み取られる。すなわち、CCD等の光学素子43bを用いて、原稿上の画像に対応した画像信号が形成される。
一方、給紙部41bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部41aに送られる。この画像形成部41aには、像担持体である感光体ドラム51が備えられており、さらに、この感光体ドラム51の周囲には、帯電器52、露光器53、現像器54、及び転写ローラ55、並びにクリーニング装置56が、感光体ドラム51の回転方向に沿って配置されている。
一方、給紙部41bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部41aに送られる。この画像形成部41aには、像担持体である感光体ドラム51が備えられており、さらに、この感光体ドラム51の周囲には、帯電器52、露光器53、現像器54、及び転写ローラ55、並びにクリーニング装置56が、感光体ドラム51の回転方向に沿って配置されている。
これらの構成部品のうち、感光体ドラム51は、図中、実線矢印で示す方向に回転駆動されて、帯電器52により、その表面が均一に帯電される。その後、前述の画像信号に基づいて、露光器53により感光体ドラム51に対して露光プロセスが実施され、この感光体ドラム51の表面において静電潜像が形成される。この静電潜像に基づき、現像器54によりトナーを付着させて現像し、感光体ドラム51の表面にトナー像を形成する。そして、このトナー像は、感光体ドラム51と転写ローラ55とのニップ部に搬送される用紙Sに転写像として転写される。次いで、転写像が転写された用紙Sは、定着ユニット57に搬送されて、定着プロセスが行われる。
ここで、定着後の用紙Sは、排紙ユニット42に送られることになるが、後処理(例えば、ステイプル処理等)を行う際には、用紙Sは中間トレイ42aに送られた後、後処理が実施される。その後、用紙Sは、画像形成装置の側面に設けられた排出トレイ部(図示せず)に排出される。一方、後処理を行わない場合には、用紙Sは中間トレイ42aの下側に設けられた排紙トレイ42bに排紙される。
なお、中間トレイ42a及び排紙トレイ42bは、いわゆる胴内排紙部として構成されている。
上述のようにして、転写が行われた後、感光体ドラム51に残留する残留トナー(及び紙粉)については、クリーニング装置56で除去される。すなわち、感光体ドラム51がクリーニングされる一方、残留トナーについては、廃トナーコンテナ(図示せず)に回収されることになる。
なお、中間トレイ42a及び排紙トレイ42bは、いわゆる胴内排紙部として構成されている。
上述のようにして、転写が行われた後、感光体ドラム51に残留する残留トナー(及び紙粉)については、クリーニング装置56で除去される。すなわち、感光体ドラム51がクリーニングされる一方、残留トナーについては、廃トナーコンテナ(図示せず)に回収されることになる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
(1)積層型電子写真感光体の作成
(1)−1 中間層の形成
結着樹脂としてフェノール樹脂(大日本インキ株式会社製、TD447)60重量部と、顔料としての酸化チタン(富士チタン工業製、TA−300)30重量部と、分散媒としてのメタノール100重量部とを、ボールミル(直径1mmのジルコニアビーズ使用)を用いて分散させ、中間層用の塗布液を作成した。次いで、得られた塗布液を、直径30mm、長さ254mmのアルミニウム素管上に、フッ素樹脂製ブレードを用いて塗布し、その後150℃、30分間の条件で乾燥させて、平均膜厚が10μmの中間層を形成した。
(1)積層型電子写真感光体の作成
(1)−1 中間層の形成
結着樹脂としてフェノール樹脂(大日本インキ株式会社製、TD447)60重量部と、顔料としての酸化チタン(富士チタン工業製、TA−300)30重量部と、分散媒としてのメタノール100重量部とを、ボールミル(直径1mmのジルコニアビーズ使用)を用いて分散させ、中間層用の塗布液を作成した。次いで、得られた塗布液を、直径30mm、長さ254mmのアルミニウム素管上に、フッ素樹脂製ブレードを用いて塗布し、その後150℃、30分間の条件で乾燥させて、平均膜厚が10μmの中間層を形成した。
(1)−2 電荷発生層の形成
超音波分散機内に、電荷発生剤として、式(42)で表されるY型チタニルフタロシアニン(CGM−1)を1重量部と、分散媒としてのエチルセルソルブ39重量部とを収容した後、1次分散させて分散液を得た。この分散液に、さらに、結着樹脂としてポリビニルブチラール(積水化学工業製のBM−1)1重量部を、エチルセロソルブ9重量部に溶解させた液を添加して、再び超音波分散機を用いて2次分散させて、積層感光体層のうち電荷発生層用の塗布液を作成した。次いで、この塗布液を中間体層上にフッ素樹脂製ブレードを用いて塗布し、110℃で5分間乾燥させることにより、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
超音波分散機内に、電荷発生剤として、式(42)で表されるY型チタニルフタロシアニン(CGM−1)を1重量部と、分散媒としてのエチルセルソルブ39重量部とを収容した後、1次分散させて分散液を得た。この分散液に、さらに、結着樹脂としてポリビニルブチラール(積水化学工業製のBM−1)1重量部を、エチルセロソルブ9重量部に溶解させた液を添加して、再び超音波分散機を用いて2次分散させて、積層感光体層のうち電荷発生層用の塗布液を作成した。次いで、この塗布液を中間体層上にフッ素樹脂製ブレードを用いて塗布し、110℃で5分間乾燥させることにより、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
(1)−3 電荷輸送層の形成
超音波分散機内に、正孔輸送剤として、式(19)で表されるスチルベン化合物(HTM−1)を80重量部と、分散媒としてのテトラヒドロフラン200重量部とを収容した後、1次分散させて分散液を得た。この分散液に、結着樹脂としてのZ型ポリカーボネート樹脂を90重量部と、ポリエステル樹脂(E1)10重量部とを溶剤として用いるテトラヒドロフラン600重量部に溶解させた液を添加して、再び超音波分散機をもちいて2次分散させて、電荷輸送層用の塗布液を作成した。次いで、得られた塗布液を、電荷発生層上に、フッ素樹脂製ブレードを用いて塗布し、その後、110℃で30分間乾燥させて、膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、実施例1の積層型電子写真感光体を作成し、以下の評価に供した。
超音波分散機内に、正孔輸送剤として、式(19)で表されるスチルベン化合物(HTM−1)を80重量部と、分散媒としてのテトラヒドロフラン200重量部とを収容した後、1次分散させて分散液を得た。この分散液に、結着樹脂としてのZ型ポリカーボネート樹脂を90重量部と、ポリエステル樹脂(E1)10重量部とを溶剤として用いるテトラヒドロフラン600重量部に溶解させた液を添加して、再び超音波分散機をもちいて2次分散させて、電荷輸送層用の塗布液を作成した。次いで、得られた塗布液を、電荷発生層上に、フッ素樹脂製ブレードを用いて塗布し、その後、110℃で30分間乾燥させて、膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、実施例1の積層型電子写真感光体を作成し、以下の評価に供した。
(2)評価
(2)−1 帯電測定と感度測定
得られた積層型電子写真感光体を、温度25℃、湿度50%の条件(N/N環境)および温度30℃、湿度85%の条件(H/H環境)における、それぞれの感度特性および帯電特性を評価した。
すなわち、得られた電子写真感光体をプリンター(キャノン(株)製レーザープリンターLBP−450)に搭載し、−700Vになるように負帯電させ、黒ベタ画像形成時の現像位置での電位を読み取り、初期帯電電位及び初期感度とした。その後、N/N環境およびH/H環境にて1000枚連続印刷を行って、再び帯電電位および感度を測定し、それぞれN/N環境およびH/H環境のランニング後帯電電位およびランニング後感度とした。得られた結果を表2および表3に示す。
(2)−1 帯電測定と感度測定
得られた積層型電子写真感光体を、温度25℃、湿度50%の条件(N/N環境)および温度30℃、湿度85%の条件(H/H環境)における、それぞれの感度特性および帯電特性を評価した。
すなわち、得られた電子写真感光体をプリンター(キャノン(株)製レーザープリンターLBP−450)に搭載し、−700Vになるように負帯電させ、黒ベタ画像形成時の現像位置での電位を読み取り、初期帯電電位及び初期感度とした。その後、N/N環境およびH/H環境にて1000枚連続印刷を行って、再び帯電電位および感度を測定し、それぞれN/N環境およびH/H環境のランニング後帯電電位およびランニング後感度とした。得られた結果を表2および表3に示す。
[実施例2]
実施例2では、実施例1のZ型ポリカーボネートを99重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)を1重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例2では、実施例1のZ型ポリカーボネートを99重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)を1重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例3]
実施例3では、実施例1のZ型ポリカーボネートを98重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)を2重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例3では、実施例1のZ型ポリカーボネートを98重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)を2重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例4]
実施例4では、実施例1のZ型ポリカーボネートを95重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)を5重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例4では、実施例1のZ型ポリカーボネートを95重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)を5重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例5]
実施例5では、実施例1のZ型ポリカーボネートを80重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)を20重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例5では、実施例1のZ型ポリカーボネートを80重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)を20重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例6]
実施例6では、実施例1のZ型ポリカーボネートを90重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)のかわりにポリエステル樹脂(E2)を10重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例6では、実施例1のZ型ポリカーボネートを90重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)のかわりにポリエステル樹脂(E2)を10重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例7]
実施例7では、実施例1のZ型ポリカーボネートを90重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)のかわりにポリエステル樹脂(E3)を10重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例7では、実施例1のZ型ポリカーボネートを90重量部用い、ポリエステル樹脂(E1)のかわりにポリエステル樹脂(E3)を10重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例8]
実施例8では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(20)で表される正孔輸送剤(HT−2)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例8では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(20)で表される正孔輸送剤(HT−2)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例9]
実施例9では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(21)で表される正孔輸送剤(HT−3)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例9では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(21)で表される正孔輸送剤(HT−3)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例10〜16]
実施例10〜16では、実施例1〜7の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(35)で表される正孔輸送剤(HT−17)を用いたほかは、実施例1〜7と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例10〜16では、実施例1〜7の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(35)で表される正孔輸送剤(HT−17)を用いたほかは、実施例1〜7と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例17]
実施例17では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(36)で表される正孔輸送剤(HT−18)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例17では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(36)で表される正孔輸送剤(HT−18)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例18]
実施例18では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(37)で表される正孔輸送剤(HT−19)を80重量部を用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例18では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(37)で表される正孔輸送剤(HT−19)を80重量部を用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[比較例1]
比較例1では、実施例1のZ型ポリカーボネートを100重量部用い、さらにポリエステル樹脂(E1)を添加しなかったほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
比較例1では、実施例1のZ型ポリカーボネートを100重量部用い、さらにポリエステル樹脂(E1)を添加しなかったほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[比較例2]
比較例2では、実施例1のZ型ポリカーボネートを70重量部用い、さらにポリエステル樹脂(E1)を30重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
比較例2では、実施例1のZ型ポリカーボネートを70重量部用い、さらにポリエステル樹脂(E1)を30重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[比較例3]
比較例3では、実施例1のZ型ポリカーボネートを60重量部用い、さらにポリエステル樹脂(E1)を40重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
比較例3では、実施例1のZ型ポリカーボネートを60重量部用い、さらにポリエステル樹脂(E1)を40重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[比較例4]
比較例4では、実施例1のZ型ポリカーボネートを70重量部用い、さらにポリエステル(E1)のかわりに、ポリエステル樹脂(E2)を30重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
比較例4では、実施例1のZ型ポリカーボネートを70重量部用い、さらにポリエステル(E1)のかわりに、ポリエステル樹脂(E2)を30重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[比較例5]
比較例5では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、下記式(46)で表される正孔輸送剤(HT−20)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
比較例5では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、下記式(46)で表される正孔輸送剤(HT−20)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[比較例6]
比較例6では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、下記式(47)で表される正孔輸送剤(HT−21)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
比較例6では、実施例1の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、下記式(47)で表される正孔輸送剤(HT−21)を80重量部用いたほかは、実施例1と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[比較例7〜10]
比較例7〜10では、比較例1〜4の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(35)で表される正孔輸送剤(HT−17)を80重量部用いたほかは、比較例1〜4と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
比較例7〜10では、比較例1〜4の正孔輸送剤(HT−1)のかわりに、式(35)で表される正孔輸送剤(HT−17)を80重量部用いたほかは、比較例1〜4と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
以上、詳述したように、本発明によれば、特定の結着樹脂と、特定の正孔輸送剤とを所定割合で使用することにより、初期の状態および、高温高湿の環境下において繰り返し使用した場合であっても、感度特性の低下が少ない積層型電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置が得られるようになった。
したがって、本発明の積層型電子写真感光体は、静電式複写機やレーザビームプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
したがって、本発明の積層型電子写真感光体は、静電式複写機やレーザビームプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
12:基体
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:中間層
40:複写機
41:画像形成ユニット
41a:画像形成部
41b:給紙部
42:排紙ユニット
43:画像読取ユニット
43a:光源
43b:光学素子
44:原稿給送ユニット
44a:原稿載置トレイ
44b:原稿給送機構
44c:原稿排出トレイ
51:感光体ドラム
52:帯電器
53:露光源
54:現像器
55:転写ローラ
56:クリーニング装置
57:定着ユニット
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:中間層
40:複写機
41:画像形成ユニット
41a:画像形成部
41b:給紙部
42:排紙ユニット
43:画像読取ユニット
43a:光源
43b:光学素子
44:原稿給送ユニット
44a:原稿載置トレイ
44b:原稿給送機構
44c:原稿排出トレイ
51:感光体ドラム
52:帯電器
53:露光源
54:現像器
55:転写ローラ
56:クリーニング装置
57:定着ユニット
Claims (8)
- 基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、正孔輸送剤および結着樹脂を含有する電荷輸送層と、を備えた積層型電子写真感光体であって、
前記正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるスチルベン化合物を含み、
前記結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂および下記一般式(2)で表されるポリエステル樹脂を含むとともに、当該ポリエステル樹脂の添加量を、前記結着樹脂の全体量に対して、1〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする積層型電子写真感光体。
(一般式(1)中、R1〜R6およびR9〜R14は、それぞれ独立した水素原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアミノ基、炭素数2〜30の置換または非置換のアルケニル基、あるいはR1〜R14のうちいずれか2つは、それぞれが結合または縮合して形成した炭素環構造または複素環構造であり、R7およびR8は、それぞれ独立した水素原子、あるいは炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基である。)
(一般式(2)中、A1およびA2のいずれか一方は、主鎖中に少なくとも一つの芳香族環を含む2価の有機基を示し、もう一方は、主鎖中に芳香族環を含まない2価の有機基を示す。) - 前記正孔輸送剤として、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体が、下記式(3)で表されるスチルベン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子写真感光体。
(一般式(3)中の、複数のR15〜R17は、それぞれ独立した水素原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアミノ基、炭素数2〜30の置換または非置換のアルケニル基、あるいはR15〜R17のうちいずれか2つは、それぞれが結合または縮合して形成した炭素環構造または複素環構造である。) - 前記ポリカーボネート樹脂として、下記一般式(4)〜(6)で表される少なくとも一つのポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の積層型電子写真感光体。
(一般式(4)中、R18〜R27は、それぞれ独立した炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、あるいはR18およびR19は、それぞれが結合または縮合して形成した環構造である。)
(一般式(5)中、R28〜R39は、それぞれ独立した炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、あるいはR28およびR29は、それぞれが結合または縮合して形成した環構造である。また、sおよびtは、0.2≦s/(s+t)≦0.8の関係を満足する。)
(一般式(6)中、R40〜R49は、それぞれ独立した炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換または非置換のアラルキル基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数6〜40の置換または非置換のアリール基、あるいはR40およびR41は、それぞれが結合または縮合して形成した環構造である。) - 前記正孔輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記電荷発生剤として、無金属フタロシアニン(τ型またはx型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記電荷発生剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、0.5〜150重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記基体上に、中間層が形成してあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層型電子写真感光体。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層型電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位を配置したことを特徴とする画像形成装置。
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