JP4550718B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
また、特許文献3には、バインダ樹脂の溶剤に対する溶解性を向上させるために、下記式(103)で示されるポリアリレート樹脂を用いた電子写真感光体が提案されている。
また、特許文献2に記載において、一般式(102a)で示される繰り返し構造および一般式(102b)で示される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂として具体的に開示されているものは、2つのカルボニル基の置換位置が、互いにパラの関係にあるもののみであり、しかも、R10aについては、分岐構造を有する炭素数4〜30の鎖状アルキル基に限定されている。このようなポリエステル樹脂は、非ハロゲン系溶剤に対する溶解性は高いものの、分子同士の絡み合いが低下し、分子のパッキング性が低下するため、耐摩耗性が不十分であるという不具合がある。
また、本発明の電子写真感光体では、前記ポリアリレート樹脂中の、前記一般式(1)で示される繰り返し単位と前記一般式(2)で示される繰り返し単位との含有割合が、90:10〜10:90であることが好適である
また、本発明の電子写真感光体では、前記感光層が、電荷輸送剤と、前記一般式(1)で示される繰り返し単位および前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂と、非ハロゲン系溶剤とを含有する塗布液を用いて形成されていることが好適である。
また、本発明の電子写真感光体では、前記電荷輸送剤が、下記一般式(3)〜(7)のいずれかで示されるアミン系化合物であることが好適である。
また、本発明の電子写真感光体では、前記感光層が、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、前記一般式(1)で示される繰り返し単位および前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂とを含有する単層型感光層であることが好適である。
導電性基体としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体;上記の金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料;ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラス;カーボンブラックなどの導電性微粒子を分散した樹脂基体などが挙げられる。導電性基体の形状は、本発明の電子写真感光体を使用する画像形成装置の構造に応じて、シート状、ドラム状などの種々の形状を採用することができる。
上記電子写真感光体において、ポリアリレート樹脂は、バインダ樹脂として用いられるものであって、上記一般式(1)で示される繰り返し単位および上記一般式(2)で示される繰り返し単位を有している。
炭素数3以下のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルなどが挙げられる。好ましくは、メチル、エチルが挙げられる。
上記一般式(1)で示される繰り返し単位において、R3およびR4は、同一または互いに異なって、水素原子または炭素数3以下のアルキル基を示す。
上記一般式(1)で示される繰り返し単位において、2つのカルボニル基の置換位置は、その2つのカルボニル基を有しているベンゼン環上で、互いにオルトまたはメタの関係にある。また、2つのカルボニル基の置換位置は、オルトの関係にあるものと、メタの関係にあるものとの両方を含むものであってもよい。
炭素数3以下のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、好ましくは、メチル、エチルが挙げられる。
上記一般式(2)で示される繰り返し単位において、R7およびR8は、同一または互いに異なって、水素原子または炭素数3以下のアルキル基を示す。
また、上記ポリアリレート樹脂中の上記一般式(1)で示される繰り返し単位(以下、単に「繰り返し単位(1)」ということがある。)と、上記一般式(2)で示される繰り返し単位(以下、単に「繰り返し単位(2)」ということがある。)との含有割合は、特に限定されないが、例えば、繰り返し単位(1)の2つのカルボニル基の置換位置が互いにオルトの関係である場合には、繰り返し単位(1)と繰り返し単位(2)とのモル比で、好ましくは、90:10〜10:90であり、より好ましくは、80:20〜20:80 である。また、例えば、繰り返し単位(1)の2つのカルボニル基の置換位置が互いにメタの関係である場合には、繰り返し単位(1)と繰り返し単位(2)とのモル比で、好ましくは、90:10〜10:90であり、より好ましくは、80:20〜20:80 である。
本発明の電子写真感光体において、正孔輸送剤としては、公知の種々の正孔輸送剤が挙げられるが、なかでも、バインダ樹脂としての上記ポリアリレート樹脂とのマッチングを考慮すると、好ましくは、上記一般式(3)〜(7)のいずれかで示されるアミン系化合物が挙げられる。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどが挙げられる。上記アルキルの炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルコキシ基の、炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、2,2,2-トリフロロエトキシ、2,2,3,3,3−ペンタフロロプロポキシなどが挙げられる。上記アルコキシ基の炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
一般式(3)中、R11〜R15のうちベンゼン環上の隣接する置換位置に置換されている2つは、互いに結合して、R11〜R15を有するベンゼン環とともに縮合環を形成してもよい。また、R16〜R20のうちベンゼン環上の隣接する置換位置に置換されている2つは、互いに結合して、R16〜R20を有するベンゼン環とともに縮合環を形成してよい。また、例えば、R21とR22とがベンゼン環上の隣接する置換位置に置換されているときのR21とR22とは、互いに結合して、R21とR22とを有するベンゼン環とともに縮合環を形成してもよい。縮合環の具体例としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなどが挙げられ、好ましくは、ナフタレンが挙げられる。
R23において、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
一般式(3)中、nは、0〜2の整数を示し、好ましくは、0または1、より好ましくは0を示す。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアルケニル基の、炭素数6〜30のアルケニル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリールオキシ基の、炭素数6〜30のアリールオキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアルケニル基の、炭素数6〜30のアルケニル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリールオキシ基の、炭素数6〜30のアリールオキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
R40において、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリーレン基の、炭素数6〜30のアリーレン基としては、例えば、フェニレン、ナフチレンなどが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、6〜10である。
炭素数10〜30の縮合多環水素基としては、例えば、フルオレニルなどが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、13〜21である。
一般式(8)中、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
cは、0〜2の整数を示し、好ましくは、0または1、より好ましくは0を示す。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアルケニル基の、炭素数6〜30のアルケニル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリールオキシ基の、炭素数6〜30のアリールオキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアルケニル基の、炭素数6〜30のアルケニル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリールオキシ基の、炭素数6〜30のアリールオキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
縮合環の具体例としては、上記と同様のものが挙げられ、好ましくは、ナフタレンが挙げられる。
R62において、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリーレン基の、炭素数6〜30のアリーレン基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、6〜10である。
炭素数10〜30の縮合多環水素基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、13〜21である。
また、上記式(9)で示される置換基において、R63およびR64は、同一または互いに異なって、水素原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、または、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。但し、R63およびR64は、ともに水素原子でないものとする。
dは、0〜2の整数を示し、好ましくは、0または1、より好ましくは0を示す。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアルケニル基の、炭素数6〜30のアルケニル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリールオキシ基の、炭素数6〜30のアリールオキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、8〜14である。
一般式(6)中、R80およびR81において、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
但し、R80およびR81は、ともに水素原子でないものとする。
一般式(7)で示されるアミン系化合物(トリアリールアミン系化合物)において、Ar1およびAr2は、同一または互いに異なって、炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。
Ar1およびAr2において、炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基の、炭素数6〜30のアリール基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、6〜10、より好ましくは、6〜8であり、具体的には、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。炭素数6〜30のアリール基が有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、上記例示の炭素数1〜12のアルキル基と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
Ar3において、炭素数1〜12のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2であり、具体的には、メチル、エチルなどが挙げられる。
一般式(7)中、R91およびR92は、同一または互いに異なって、水素原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、または、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルコキシ基を示す。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基の、炭素数6〜30のアリール基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、6〜10、より好ましくは、6〜8であり、具体的には、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
fは、1〜4の整数、gは1〜5の整数を示す。
fまたはgが2以上であるときに、同一のベンゼン環に置換する2以上のR91またはR92は、互いに異なる基であってもよい。
そして、上記一般式(3)〜(7)で示されるアミン系化合物は、従来公知の種々の製造方法により製造することができる。例えば、一般式(3)で示されるアミン系化合物については、特開平7−173112号公報、特開昭60−174749号公報の記載に基づいて、一般式(4)で示されるアミン系化合物については、特開2000−239236号公報の記載に基づいて、一般式(5)で示されるアミン系化合物については、特開2000−159733号公報、特開2005−145832号公報の記載に基づいて、一般式(6)で示されるアミン系化合物については、特開2005−263732号公報の記載に基づいて製造することができる。一般式(7)で示されるアミン系化合物については、特開昭55−052064号公報に記載されており、4−ホルミルトリフェニルアミンとフェニルヒドラゾンを縮合することで製造することができる。このとき縮合剤として少量の酸(例えば氷酢酸や無機酸)を添加することが好ましい。
上記電子写真感光体において、感光層は、単層型感光層と積層型感光層とのいずれであってもよく、その目的および用途により適宜決定される。
感光層が、単層型感光層である場合には、この単層型感光層中に、上記電荷輸送剤と、上記一般式(1)で示される繰り返し単位および上記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂(以下、単に「ポリアリレート樹脂」という場合がある。)と、さらに、電荷発生剤とが含有される。また、感光層が積層型感光層である場合には、この積層型感光層は、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とからなり、上記電荷輸送層中に、電荷発生剤が含有される。
非ハロゲン系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの直鎖状エーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの分岐状エーテル類;オキセタン、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドラピラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどの環状エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。より好ましくは、環状エーテル類、もっとも好ましくは、環境への負荷の観点から、テトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
単層型感光層において、電荷発生剤の含有割合は、特に限定されないが、ポリアリレート樹脂100重量部に対して、好ましくは、0.1〜50重量部、より好ましくは、0.5〜30重量部である。正孔輸送剤の含有割合は、特に限定されないが、ポリアリレート樹脂100重量部に対して、好ましくは、10〜200重量部、より好ましくは、20〜100重量部である。電子輸送剤の含有割合は、特に限定されないが、ポリアリレート樹脂100重量部に対して、好ましくは、5〜100重量部、より好ましくは、10〜80重量部である。正孔輸送剤と電子輸送剤とを併用する場合において、正孔輸送剤と電子輸送剤との総量は、特に限定されないが、ポリアリレート樹脂100重量部に対して、好ましくは、20〜300重量部、より好ましくは、30〜200重量部である。
上記電子写真感光体の感光層が積層型である場合において、その積層型感光層は、例えば、まず、導電性基体に直接にまたは中間層(下引き層)を介して電荷発生層を形成した上で、この電荷発生層の表面に電荷輸送層を形成することにより、形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液および電荷輸送層形成用塗布液における分散媒としては、上記した分散媒と同様のものが挙げられる。とりわけ、電荷輸送層形成用塗布液における分散媒としては、好ましくは、非ハロゲン系溶剤が挙げられ、より好ましくは、環状エーテル類、もっとも好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
積層型感光層の厚みは、特に限定されないが、電荷発生層が、好ましくは、0.01〜5μm、より好ましくは、0.1〜3μmであり、電荷輸送層が、好ましくは、2〜100μm、より好ましくは、5〜50μmである。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン48.5g(0.20モル)、t−ブチルフェノール1.5g(0.010モル)、水酸化ナトリウム16.0g(0.40モル)、および水1.1リットルを配合して、アルカリ性水溶液を調製し、さらに、重合触媒としてのトリメチルベンジルアンモニウムクロライドを添加した。上記重合触媒の添加量は、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンに対して0.5モル%となるように調節し、重合触媒の添加後には、アルカリ性水溶液を激しく撹拌した。一方、塩化テレフタロイル20.2g(0.10モル)および塩化イソフタロイル20.2g(0.10モル)をジクロロメタン0.75リットルに溶解して、ジクロロメタン溶液を調製した。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンに代えて、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン54.1g(0.20モル)を使用したこと以外は、合成例1と同様に処理して、下記式(1−2)で示される繰り返し単位と下記式(2−2)で示される繰り返し単位とを50:50の割合で含有するポリアリレート樹脂(Resin−2)58gを得た。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンに代えて、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン51.3g(0.20モル)を使用したこと以外は、合成例1と同様に処理して、下記式(1−3)で示される繰り返し単位と下記式(2−3)で示される繰り返し単位とを50:50の割合で含有するポリアリレート樹脂(Resin−3)61gを得た。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンに代えて、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン48.5g(0.20モル)を使用したこと以外は、合成例1と同様に処理して、下記式(1−4)で示される繰り返し単位と下記式(2−4)で示される繰り返し単位とを50:50の割合で含有するポリアリレート樹脂(Resin−4)58gを得た。
塩化テレフタロイルおよび塩化イソフタロイルの組合せに代えて、塩化テレフタロイル20.2g(0.10モル)および塩化フタロイル20.2g(0.10モル)の組合せを使用したこと以外は、合成例1と同様に処理して、下記式(1−5)で示される繰り返し単位と下記式(2−5)で示される繰り返し単位とを50:50の割合で含有するポリアリレート樹脂(Resin−5)29gを得た。
アルカリ性水溶液の調製において、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンに代えて、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン42.3g(0.20モル)を使用したこと、および、ジクロロメタン溶液の調製において、塩化テレフタロイルおよび塩化イソフタロイルの組合せに代えて、塩化テレフタロイル40.4g(0.20モル)のみを使用したこと以外は、合成例1と同様に処理して、下記式(Resin−6)で示されるポリアリレート樹脂52gを得た。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンに代えて、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルペンタン54.1g(0.20モル)を使用したこと以外は、合成例1と同様に処理して、下記式(ru1)で示される繰り返し単位と下記式(ru2)で示される繰り返し単位とを50:50の割合で含有するポリアリレート樹脂(Resin−7)50gを得た。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンに代えて、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン51.3g(0.20モル)を使用したこと以外は、合成例1と同様に処理して、下記式(ru3)で示される繰り返し単位と下記式(ru4)で示される繰り返し単位とを50:50の割合で含有するポリアリレート樹脂(Resin−8)55gを得た。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンに代えて、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.7g(0.20モル)を使用したこと以外は、合成例1と同様に処理して、下記式(ru5)で示される繰り返し単位と下記式(ru6)で示される繰り返し単位とを50:50の割合で含有するポリアリレート樹脂(Resin−9)55gを得た。
アルミナとシリカで表面処理後、メチルハイドロジェンポリシロキサンにて表面処理した酸化チタン(MT−02(数平均一次粒子径、10nm)、テイカ(株)製)2.5量部と、6,12,66,610四元共重合ポリアミド樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)1重量部とを、メタノール10重量部およびブタノール2.5重量部を、ペイントシェーカーを用いて10時間分散させ、下引き層用塗布液を調製した。次いで、この下引き層用塗布液を5μmのフィルタにてろ過後、導電性基体として、直径30mm、全長238.5mmのアルミニウム製のドラム状基体に、ディップコート法にて塗布し、130℃30分で熱処理し、厚み2μmの下引き層を形成した。
上記式(Resin−1)で示されるポリアリレート樹脂100重量部、電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン(商品名「Fastgen Blue 8120BS」、大日本インキ(株)製)3重量部、正孔輸送剤として下記式(HTM−1)で示されるアミン系化合物50重量部、電子輸送剤として下記式(ETM?1)で示されるジナフトキノン系化合物30重量部、ジメチルシリコンオイル(型番「KF−96−50CS」、信越化学工業(株))0.1重量部、および、分散媒としてのテトラヒドロフラン(THF)760重量部を超音波分散機で溶解・分散させることにより、上記各成分を含有する感光層形成用塗布液を調製した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−2)100重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記式ポリアリレート樹脂(Resin−3)100重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記式ポリアリレート樹脂(Resin−4)100重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
正孔輸送剤として、上記アミン系化合物(HTM?1)に代えて、下記式(HTM−2)で示されるアミン系化合物50重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
正孔輸送剤として、上記アミン系化合物(HTM?1)に代えて、下記式(HTM−3)で示されるアミン系化合物50重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
正孔輸送剤として、上記アミン系化合物(HTM?1)に代えて、下記式(HTM−4)で示されるアミン系化合物50重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
正孔輸送剤として、上記アミン系化合物(HTM?1)に代えて、下記式(HTM−5)で示されるアミン系化合物50重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
電子輸送剤として、上記ジナフトキノン系化合物(ETM?1)に代えて、下記式(ETM?2)で示されるアゾキノン系化合物30重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
電子輸送剤として、上記ジナフトキノン系化合物(ETM?1)に代えて、下記式(ETM?3)で示されるナフトキノン系化合物30重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−5)100重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−7)100重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−8)100重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、BisZ型ポリカーボネート樹脂100重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた感光層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚み28μmの単層型感光層を備える電子写真感光体(単層型感光体)を製造した。
まず、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン(TiOPc)を合成した。チタニルフタロシアニンは、特開2004−145284号公報に基づいて合成した。この合成したチタニルフタロシアニンでは、初期、および、1,3−ジオキソランまたはテトラヒドロフラン中に7日間浸漬しても、ブラッグ角度2θ±0.2°=7.4°および26.2°に、ピークが発生しないことを確認した。また、吸着水の気化に伴なう90℃付近のピーク以外は、50℃から400℃まで温度変化のピークを示さないことを確認した。
次いで、この電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層形成用塗布液と同様にして電荷発生層上に塗布し、130℃にて30分乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、電子写真感光体(積層型感光体)を作製した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−2)90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−3)90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−4)90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
正孔輸送剤としてとして、上記アミン系化合物(HTM−1)に代えて、上記アミン系化合物(HTM−2)70重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
正孔輸送剤として、上記アミン系化合物(HTM−1)に代えて、上記アミン系化合物(HTM−3)70重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
正孔輸送剤として、上記アミン系化合物(HTM−1)に代えて、上記アミン系化合物(HTM−4)70重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
正孔輸送剤として、上記アミン系化合物(HTM−1)に代えて、上記アミン系化合物(HTM−5)70重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−5)90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−6)90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−7)90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−8)90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、BisZ型ポリカーボネート樹脂90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
ポリアリレート樹脂として、上記ポリアリレート樹脂(Resin−1)に代えて、上記ポリアリレート樹脂(Resin−9)90重量部を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。次いで、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、厚み20μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を備える電子写真感光体(積層型感光体)を製造した。
・単層型感光体
(1)電子写真感光体の電気特性
実施例1〜11および比較例1〜3で作製した電子写真感光体(単層型感光体)を、市販の正帯電反転現像プロセスを採用した複写機(京セラミタ(株)製、KM−4530)に搭載し、室温常湿環境下にて、現像位置における感光体の表面電位を測定した。具体的には白紙画像を出力することで帯電電位(V0)を、黒ベタ画像を出力することですることにより明電位(VL)を測定し、電気特性を評価した。なお、帯電は650Vになるように各電子写真感光体に、グリッド電位調整を行った。
(2)摩耗量
実施例1〜11および比較例1〜3で作製した電子写真感光体(単層型感光体)を、上記と同様の複写機に搭載し、帯電を700Vにし、駆動時間1200分におけるA4横単発複写を行い、複写前後の単層型感光層の厚みを測定することにより、摩耗量(μm)を算出した。
(3)指油付着試験
実施例1〜11および比較例1〜3で作製した電子写真感光体(単層型感光体)における単層型感光層の表面に、1秒間、指を圧接し、その後、23℃50%環境下で24時間保管したときの、単層型感光層の表面を目視により観察し、クラックの有無を判断した。なお、クラックの有無は、下記のとおり判断した。
◎:目視および顕微鏡でクラックの発生を観察できなかった。
○:目視でクラックの発生を観察できなかったが、顕微鏡でクラックの発生を観察できた。
△:目視でクラックの発生を2〜5箇所観察できた。
×:目視でクラックの発生を6箇所以上観察できた。
(1)電子写真感光体の電気特性
実施例12〜20および比較例4〜8で作製した電子写真感光体(積層型感光体)を、市販の負帯電反転現像プロセスを採用したプリンタ(沖データ(株)製、MicroLine−22)に搭載し、室温常湿環境下にて、現像位置における感光体の表面電位を測定した。具体的には白紙画像を出力することで帯電電位(V0)を、黒ベタ画像を出力することですることにより明電位(VL)を測定することにより、電気特性を評価した。
(2)摩耗量
実施例12〜20および比較例4〜8で作製した電子写真感光体(積層型感光体)を、上記と同様のプリンタに搭載し、A4サイズ、1万枚印刷時における、積層型感光層の厚みを測定することにより、摩耗量(μm)を算出した。
(3)指油付着試験
実施例12〜20および比較例4〜8で作製した電子写真感光体(積層型感光体)における積層型感光層の表面に、1秒間、指を圧接し、その後、23℃50%環境下で96時間保管したときの、積層型感光層の表面を目視により観察し、クラックの有無を判断した。なお、クラックの有無は、下記のとおり判断した。
◎:目視および顕微鏡でクラックの発生を観察できなかった。
○:目視でクラックの発生を観察できなかったが、顕微鏡でクラックの発生を観察できた。
△:目視でクラックの発生を2〜5箇所観察できた。
×:目視でクラックの発生を6箇所以上観察できた。
比較例2および比較例6では、上記式(1)および上記式(2)で示される繰り返し構造において、ポリアリレート樹脂(Resin−8)における、R1およびR2、ならびに、R5およびR6が、ともにメチルであり、分子全体が剛直であることから、ポリアリレート樹脂(Resin−8)が脆く、耐油性、特に耐指油性が低下したと考える。
本発明における、バインダ樹脂として用いられるポリアリレート樹脂(Resin−1〜Resin−5)は、上記式(1)で示される繰り返し単位および上記式(2)で示される繰り返し単位において、R1およびR5、ならびに、R2およびR6が、互いに異なり、水素原子または炭素数3以下のアルキル基であり、かつ、2つのカルボニル基の置換位置が、互いにオルトまたはメタの関係の繰り返し構造と、互いにパラの関係の繰り返し構造とを有することから、これらポリアリレート樹脂は、溶剤に対する溶解性に優れ、また、これらポリアリレート樹脂を含む感光層を備えた電子写真感光体は、耐摩耗性および耐指油性が優れることが分かった。
Claims (7)
- 導電性基体と、前記導電性基体の表面に、直接にまたは中間層を介して形成された感光層とを備える電子写真感光体であって、
前記感光層が、電荷輸送剤と、下記一般式(1)で示される繰り返し単位および下記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂とを含有していることを特徴とする、電子写真感光体。
- 前記ポリアリレート樹脂中の、前記一般式(1)で示される繰り返し単位と前記一般式(2)で示される繰り返し単位との含有割合が、90:10〜10:90であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷輸送剤と、前記一般式(1)で示される繰り返し単位および前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂と、非ハロゲン系溶剤とを含有する塗布液を用いて形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記非ハロゲン系溶剤が、テトラヒドロフランまたは1,3−ジオキソランであることを特徴とする、請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送剤が、下記一般式(3)〜(7)のいずれかで示されるアミン系化合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、前記一般式(1)で示される繰り返し単位および前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂とを含有する単層型感光層であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とからなる積層型感光層であり、
前記積層型感光層が、電荷輸送剤と、前記一般式(1)で示される繰り返し単位および前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂とを含有していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
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