JP4402516B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に使用される電子写真感光体に関し、より詳しくは機械的耐久性、特に耐摩耗性に優れた長寿命でかつ高感度な電子写真感光体に関する。
上記の画像形成装置においては、当該装置に用いられる光源の波長領域に感度を有する種々の感光体が使用されている。その1つはセレンなどの無機材料を感光層に用いた無機感光体であり、他は有機材料を感光層に用いた有機感光体である。有機感光体は、無機感光体に比べて製造が容易で安価にでき、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などの材料の選択肢が多く、加えて毒性がないという利点を有することから、有機感光体が多く使用されるようになっている。
有機感光体は、画像形成装置内の像形成プロセスにおける帯電、露光、現像、転写、クリーニングおよび除電の繰り返し工程の中で使用される。ここでクリーニング工程とは、転写後の残留トナーを除去する工程であり、クリーニング精度が高く、機構が簡単で小型であることから樹脂製のブレードを用いるブレードクリーニングが一般に用いられている。
一方、有機感光体の感光層に使用されるバインダ樹脂としては、ビスフェノールA型の構造を有したポリカーボネート樹脂が一般に用いられるが、この樹脂は結晶性が高く、塗工用溶剤(例えばテトラヒドロフランなど)に難溶であるために加工性が劣り、また上記したブレードクリーニングでは、感光層が機械的な負荷で摩耗し易い。
このような問題を解決し、加工性や機械的な負荷に対する耐久性を向上させた感光層として、特許文献1〜3には、バインダ樹脂が特定のビフェニル構造(例えば特許文献1の一般式(II)で表される構造)を含有したポリカーボネート樹脂であり、このバインダ樹脂を用いた感光層を備えた感光体が記載されている。
この感光層を備えた感光体は、高感度でかつ機械的耐久性に優れるとされている。しかしながら、このバインダ樹脂に含有されるビフェニル構造は、このビフェニル構造が有する置換基の種類によっては結晶性が高い。このため、前記バインダ樹脂は、このビフェニル構造の共重合比が高い場合には、加工性が劣るおそれがある。
特許第2741449号公報 特許第3160772号公報 特許第3312179号公報
本発明の課題は、感光層の耐摩耗性が向上した長寿命でかつ高感度な電子写真感光体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、感光層に含まれるバインダ樹脂として特定の構造を有するポリカーボネート樹脂を使用する場合には、塗工用溶剤に対する溶解性が向上し、加工性が優れると共に、耐摩耗性が向上することで、長期間にわたり高い感度を維持できるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明における電子写真感光体は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層が設けられたものであって、前記バインダ樹脂が、少なくとも下記一般式(I)で表される構造単位を含有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする。
Figure 0004402516
{式中、R1、R2、R3およびR4 のうち2つは水素原子を示し残りの2つは互いに異なる炭素数1〜12の直鎖または分岐したアルキル基を示す。Xはシクロヘキシリデン基を示す。R7、R8、R9およびR10は水素原子を示す。mおよびnはモル比で0.4<m/(m+n)<0.7の関係式を満たす。}
具体的には、前記電荷輸送剤は、スチリルアミン系化合物であるのがよい。また、前記電荷輸送剤は、ジフェノキノン誘導体、スチルベンキノン誘導体、ジナフトキノン誘導体、ナフトキノン誘導体およびアゾキノン誘導体から選ばれる少なくとも1種の電子輸送剤であるのがよい。
本発明の電子写真感光体は、前記一般式(I)で表されるポリカーボネート樹脂をバインダ樹脂として使用するので、加工性が優れると共に感光層の機械的耐久性、特に耐摩耗性が優れ、長期にわたり高画質の画像を得ることができるという効果がある。また、本発明の電荷輸送剤は、前記一般式(I)で表されるポリカーボネート樹脂との相溶性が優れているので、電子写真感光体の感度を高くすることができるという効果がある。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層を設けたものである。この感光体は、電荷発生剤と電荷輸送剤とを単一感光層中に含有する単層型感光体であってもよく、あるいは電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型感光体であってもよい。
<バインダ樹脂>
本発明の電子写真感光体に使用可能なバインダ樹脂は、前記一般式(I)で示されるポリカーボネート樹脂である。一般式(I)において、ビフェニル構造式中のR1〜R4は、少なくとも2つは水素原子以外の基でありかつ水素原子以外の全ての置換基が同一の場合を除く。これにより、含有されるビフェニル構造の結晶性が、塗工用溶剤に対する溶解性が得られる程度にまで低下すると共に、高い耐摩耗性が得られる。これに対し、水素原子が3つ以上であると、結晶性が必要以上に低下してしまい、所定の耐摩耗性が得られないおそれがある。また、水素原子以外の基が同一の基であると、結晶性が高くなり、塗工用溶剤に対する溶解性が低下する。
前記アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどの炭素数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基が挙げられる。
また、一般式(I)中、Xはシクロヘキシリデン基を示す
前記一般式(I)で示されるポリカーボネート樹脂の合成法は特に制限されるものではなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、下記一般式(A)で表されるビフェノールと、下記一般式(B)で表される2価フェノールとを原料モノマーとする、もしくは、下記一般式(B)で表される2価フェノールのオリゴマーと下記一般式(A)で表されるビフェノールを原料として、ホスゲン法(界面重縮合法、ピリジン法)、エステル交換法(溶融法、固相重合法)等で製造することができる。得られるポリカーボネート樹脂は、ポリヒドロキシ化合物などの適当な分岐剤を用いて分岐していてもよい。また、バインダ樹脂としての性能を損なわない範囲において、原料モノマーとして、上記以外の2価フェノールを添加してもよい。さらに、このポリカーボネート樹脂は、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれでもよい。
Figure 0004402516
(式中、R1〜R4は前記と同じである。)
Figure 0004402516
(式中、R7〜R10およびXは前記と同じである。)
前記一般式(I)で示されるmおよびnは、モル比で0.4<m/(m+n)<0.7である。m/(m+n)が0.4より少ないと、耐摩耗性などの機械的耐久性が低下するため好ましくない。また、m/(m+n)が0.7より多いと、塗工性溶剤に対する溶解性が低下するおそれがある。
また、前記一般式(I)で示される共重合ポリカーボネート樹脂は、粘度平均分子量が5,000〜200,000、好ましくは15,000〜100,000であるのがよい。なお、粘度平均分子量はビスフェノールA型ポリカーボネート(PC−A)換算で求めた値である。
一般式(I)で示されるポリカーボネート樹脂は、積層型感光体の場合には、表面側の層に使用するのがよい。これにより、感光層の耐摩耗性が向上する。
また、単層型および積層型のいずれの場合でも、一般式(I)で示されるポリカーボネート樹脂はバインダ樹脂として単独で使用してもよく、他の樹脂と混合して使用してもよい。このような他の樹脂としては、例えばポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン‐アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール、ポリエーテル等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は単独でまたは2種以上をブレンドして用いてもよい。なお、積層型感光体の場合、導電性基体面側の層には、上記他の樹脂を単独でまたは2種以上をブレンドして使用してもよい。
<電荷輸送剤>
本発明の感光体に使用される電荷輸送剤には、正孔輸送剤および電子輸送剤が挙げられる。特に単層型感光体においては、感光層中に正孔輸送剤および電子輸送剤を含有させておくのが好ましい。
(正孔輸送剤)
本発明の正孔輸送剤としては、例えばN,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどのスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなどのピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物などの含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物が挙げられる。
特に本発明では、スチリルアミン系化合物であるのがよい。このようなスチリルアミン系化合物としては、例えば下記一般式(1)〜(5)などで表されるスチリルアミン系化合物が挙げられる。なお、これらの正孔輸送剤は単独でまたは2種以上をブレンドして用いてもよい。
Figure 0004402516
(式中、R1346はそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいフェノキシ基を示す。k1、k2およびk3は0または1。式中、Yは基:
Figure 0004402516
を示す。)
前記アルキル基としては、前記した炭素数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基と同じである。また、前記フェニル基およびフェノキシ基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、シアノ基などの他、前記した炭素数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基などが挙げられる。
(電子輸送剤)
電子輸送剤としては、例えばジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、チオキサントン誘導体(2,4,8−トリニトロチオキサントン等)、フルオレノン誘導体(3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体等)、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸誘導体、無水マレイン酸誘導体、ジブロモ無水マレイン酸誘導体などの、電子受容性を有する化合物が挙げられる。
特に本発明では、下記一般式で表されるジフェノキノン誘導体、スチルベンキノン誘導体、ジナフトキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アゾキノン誘導体を電子輸送剤として使用するのが単層型有機感光体において電気特性を満足するうえで好ましい。
Figure 0004402516
(式中、R69、R71及びR73を除くR51〜R81は同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜12の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数1〜12のアルコキシ基を示す。R69、R71及びR73は同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜12の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。pは0〜5の整数である。)
なお、これらの電子輸送剤は単独でまたは2種以上をブレンドして用いてもよい。本発明における電子輸送剤の具体例としては、後述する実施例において使用するETM−1〜12が挙げられる。
<電荷発生剤>
電荷発生剤としては、例えば無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、α−チタニルフタロシアニン、Y−チタニルフタロシアニン、V−ヒドロキシガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有するように、単独または2種以上をブレンドして使用することができる。
特に本発明では、後述するCGM−1〜5で示される無金属フタロシアニン(CGM−1)、チタニルフタロシアニン(CGM−2、5)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(CGM−3)およびクロロガリウムフタロシアニン(CGM−4)から選ばれる少なくとも1種を電荷発生剤として用いるのが好ましい。
<感光層>
(単層型)
本発明における単層型感光層は、上記した電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を同一層に含有した単一の感光層で構成されるものである。この単層型感光層は、層構成が簡単で生産性に優れており、層を形成する際の被膜欠陥を抑制でき、相間の界面が少なく光学的特性を向上できるという利点がある。なお、上記したように、前記電荷輸送剤には正孔輸送剤と電子輸送剤とがあり、単層型感光体においては、正孔輸送剤と電子輸送剤とを併用するのが好ましい。
前記単層型感光層の膜厚は5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。電荷発生剤はバインダ樹脂総量に対して0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%の割合で含有させるのがよい。また、正孔輸送剤はバインダ樹脂総量に対して5〜500重量%、好ましくは25〜200重量%の割合で含有させるのがよい。電子輸送剤はバインダ樹脂総量に対して1〜100重量%、好ましくは5〜80重量%の割合で含有させるのがよい。電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用する場合には、これらの総量が、バインダ樹脂総量に対して20〜500重量%、好ましくは30〜200重量%で含有させるのがよい。
(積層型)
一方、本発明における積層型感光層は、導電性基体上に、上記した電荷発生剤を含有する電荷発生層と、この電荷発生層上に電荷輸送剤を含有する電荷輸送層を積層することで構成させる。この積層型感光体は、電荷発生や電荷輸送といった機能を各層に分離しているので、構成材料の無駄が少なく、感度を向上させ易いという利点がある。
また、本発明においては、感光体の表面側の層である前記電荷輸送層に、前記一般式(I)で示されるポリカーボネート樹脂を含有させる。これにより、所定の耐摩耗性が得られる。
なお、電荷輸送剤は、正孔輸送剤と電子輸送剤とを併用してもよい。
前記電荷発生層の膜厚は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであり、電荷輸送層の膜厚は2〜100μm、好ましくは5〜50μmである。電荷発生層には電荷発生剤をバインダ樹脂総量に対して1〜500重量%、好ましくは10〜300重量%の割合で含有させるのがよい。電荷輸送層には電荷輸送剤をバインダ樹脂総量に対して20〜500重量%、好ましくは30〜300重量%の割合で含有させるのがよい。
感光層には、前記した成分のほかに、画像形成に悪影響を与えない範囲で、種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナーなどが挙げられる。また、感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
<導電性基体>
導電性基体としては、導電性を有する各種の材料が使用可能であり、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、上記金属が蒸着もしくはラミネートされたプラスチック材料、カーボンブラック等の導電性微粒子が分散されたプラスチック材料、さらにヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラスなどが挙げられる。導電性基体と感光層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。また、感光層の表面には保護層が形成されていてもよい。
導電性基体は、使用する画像形成装置の構造に合わせてドラム状、シート状などの形態で使用される。この導電性基体は充分な機械的強度を有しているのが好ましい。
積層型感光体の電荷発生層および電荷輸送層を形成するには、電荷発生剤および電荷輸送剤をそれぞれバインダ樹脂(前記した一般式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂)および溶媒と共に、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて混合して分散液を調製し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。また、単層型の感光層を形成するには、電荷発生剤、電荷輸送剤を前記バインダ樹脂および溶媒と共に上記と同一の方法で分散液を調製し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
前記分散液を調製するための溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用するほか、2種以上を混合して用いてもよい。さらに、電荷発生剤および電荷輸送剤の分散性、感光体表面の平滑性を良くするために、界面活性剤、レベリング剤などを使用してもよい。
次に実施例および比較例を挙げて本発明の電子写真感光体を説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例および比較例で使用したバインダ樹脂、正孔輸送剤、電子輸送剤および電荷発生剤は以下の通りである。
<バインダ樹脂>
(1)実施例で使用したバインダ樹脂
Figure 0004402516
粘度平均分子量=50,000
Figure 0004402516
粘度平均分子量=50,000
(2)比較例で使用したバインダ樹脂
Figure 0004402516
粘度平均分子量=50,500
Figure 0004402516
粘度平均分子量=49,500
Figure 0004402516
粘度平均分子量=51,000
Figure 0004402516
粘度平均分子量=52,000
Figure 0004402516
粘度平均分子量=49,500
<正孔輸送剤(HTM)>
Figure 0004402516
<電子輸送剤(ETM)>
Figure 0004402516
<電荷発生剤(CGM)>
Figure 0004402516
[実施例1〜22]
[比較例1〜5]
(単層型感光体の作製)
上記のバインダ樹脂、電荷発生剤、正孔輸送剤および電子輸送剤を表1に示す組み合わせで用いた。すなわち、表1に示す正孔輸送剤(HTM−1〜6)を50重量部、電荷発生剤(CGM−1〜5)を下記に示す所定量で用い、これに表1に示す電子輸送剤(ETM−1〜12)を50重量部、バインダ樹脂(Resin−1または2、比較Resin−1〜5)を100重量部、レベリング剤としてジメチルシリコンオイル(信越化学工業社製の商品名「KF−96−50CS」)を0.1重量部および溶媒としてテトラヒドロフランを750重量部の割合で加え、超音波分散機にて50分間混合分散して単層型感光層用塗布液を調製した。ついで、この塗布液を、外径30mmのアルミニウム素管上に塗布した後、130℃で30分間熱風乾燥することにより膜厚22μmの単層型電子写真用感光体を作製した。
(電荷発生剤の添加量)
CGM−1(X型無金属フタロシアニン):4重量部
CGM−2(Y型チタニルフタロシアニン):2重量部
CGM−3(V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン):4重量部
CGM−4(クロロガリウムフタロシアニンII型):4重量部
CGM−5(α型チタニルフタロシアニン):4重量部
なお、チタニルフタロシアニン(CGM−2)を使用する場合には、該チタニルフタロシアニン2重量部に分散補助剤としてピグメントオレンジ(Pigment Orange)16(CGM−6)を2重量部の割合で添加した。
次に、得られた感光体の正帯電感度および耐摩耗性を評価した。評価方法を以下に示し、結果を表1に示す。
(正帯電感度)
上記方法にて得られた感光体ドラム表面をGENTEC社製のドラム感度試験機を用いて+850Vに帯電させた後、ハロゲンランプの光からハンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:1.0μJ/cm2)を露光(照射時間:0.04秒間)した。そして、露光開始から0.5秒間経過した時点での表面電位(残留電位)を測定し、これを正帯電感度とした。正帯電感度は、初期の電位(850V)と露光後の残留電位との差が大きいほど、感光体が高感度であることを示している。
(耐摩耗性)
上記方法にて得られた感光体を画像形成装置(京セラミタ(株)製の商品名「KM−5530」)に搭載し、帯電を600Vに設定した。ついで、駆動時間1200分のA4横単発複写(紙なし)を行い、複写前後の感光層の膜厚を測定し、これらの差(複写前の感光層の膜厚−複写後の感光層の膜厚)を摩耗量(μm)とした。
Figure 0004402516
表1から明らかなように、実施例1〜22では本発明のバインダ樹脂および正孔輸送剤を用いることにより、感度が高く、摩耗量が少ないことがわかる。これに対して比較例1〜4では、バインダ樹脂がテトラヒドロフランに溶解しなかったために、感光層を作成することができなかった。また、比較例5では、感光層は作製できたものの、摩耗量が大きい結果を示した。
[実施例23〜24]
[比較例6]
(積層型感光体の作製)
ルチル型酸化チタン(堺化学社製の商品名「STR−60N」)を17重量部、溶剤可溶性ポリアミド樹脂(帝國化学産業社製の商品名「トレジンMF−30」)を17重量部、メタノールを260重量部の割合で加え、超音波分散機で分散混合して下引き層用塗工液を作製した。この下引き層用塗工液を切削アルミ基体(外径78mm、長さ344mm)上にディッピングにより塗工し、100℃で15分間加熱乾燥することにより、膜厚2μmの下引き層を形成した。
ついで、電荷発生剤(CGM−2)を1重量部、ポリビニルブチラール(積水化学工業社製の商品名「エスレックBM−1」)を1重量部、ジアセトンアルコールを50重量部の割合でボールミルにより分散溶解して電荷発生層用塗工液を作成した。この電荷発生層用塗工液をディッピングにより前記下引き層上に塗工し、70℃で10分間加熱乾燥することで、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
さらに、正孔輸送剤としてHTM−1を60重量部、バインダ樹脂(Resin−1または2、比較Resin−5)を100重量部、レベリング剤としてジメチルシリコンオイル(信越化学工業社製の商品名「KF−96−50CS」)を0.1重量部の割合で、それぞれテトラヒドロフランの700重量部に溶解して電荷輸送層用塗工液を作製した。この電荷輸送層用塗工液をディッピングにより上記電荷発生層上に塗工し、130℃で30分間加熱乾燥することで、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、積層型感光体を作製した。各実施例および比較例において使用したバインダ樹脂、電荷発生剤および正孔輸送剤は表2に示す通りである。
次に、得られた感光体の負帯電感度および耐摩耗性を評価した。評価方法を以下に示し、結果を表2に示す。
(負帯電感度)
上記方法にて得られた感光体ドラム表面を−850Vに帯電させた以外は、上記した単層型感光体と同様にして表面電位(残留電位)を測定し、これを負帯電感度とした。負帯電感度は、初期の電位(−850V)と露光後の残留電位との差が大きいほど、感光体が高感度であることを示している。
(耐摩耗性)
上記方法にて得られた感光体を画像形成装置(京セラミタ(株)製の商品名「KM−5530」改造機)に搭載し、帯電を−600Vに設定した以外は、上記した単層型感光体と同様にして摩耗量を測定した。
Figure 0004402516
表2から明らかなように、実施例23および24では本発明のバインダ樹脂および正孔輸送剤を用いることにより、感度が高く、摩耗量が少ないことがわかる。これに対して比較例6では、摩耗量が大きい結果を示した。

Claims (7)

  1. 導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層が設けられた電子写真感光体であって、
    前記バインダ樹脂が、少なくとも下記一般式(I)で表される構造単位を含有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004402516
    {式中、R1、R2、R3およびR4 のうち2つは水素原子を示し残りの2つは互いに異なる炭素数1〜12の直鎖または分岐したアルキル基を示す。Xはシクロヘキシリデン基を示す。R7、R8、R9およびR10は水素原子を示す。mおよびnはモル比で0.4<m/(m+n)<0.7の関係式を満たす。}
  2. 前記感光層が、電荷発生剤を含有した電荷発生層と、この電荷発生層上に積層され電荷輸送剤および前記一般式(I)で表される構造単位を含有するポリカーボネート樹脂を含有した電荷輸送層とを備えた積層型感光層である請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層が、電荷発生剤、電荷輸送剤および前記一般式(I)で表される構造単位を含有するポリカーボネート樹脂を同一層に含有した単層型感光層である請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷輸送剤が、スチリルアミン系化合物の正孔輸送剤である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記スチリルアミン系化合物が、下記一般式(1)〜(5)で表される正孔輸送剤である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 0004402516
    (式中、R1346はそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいフェノキシ基を示す。k1、k2およびk3は0または1。式中、Yは基:
    Figure 0004402516
    を示す。)
  6. 前記電荷輸送剤が、ジフェノキノン誘導体、スチルベンキノン誘導体、ジナフトキノン誘導体、ナフトキノン誘導体およびアゾキノン誘導体から選ばれる少なくとも1種の電子輸送剤である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記電荷発生剤が、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンおよびクロロガリウムフタロシアニンから選ばれる少なくとも1種を含有している請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
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