JP4835668B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
詳しくは、耐摩耗性、表面滑り性等に優れ、且つ、電気的応答性の良好な電子写真感光体に関するものである。
電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
また、高速印刷の要求の高まりから、より高速の電子写真プロセス対応の材料が求められている。この場合、感光体には高感度、高寿命であることの他に、露光されてから現像されるまでの時間が短くなるために応答性がよいことも必要となる。感光体の応答性は電荷移動層、なかでも電荷移動物質により支配されるがバインダー樹脂によっても大きく変わることが知られている。
また、特許文献6では、特定構造のビスフェノール成分を用いたポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として用いることで、感光体製造時の溶液安定性が向上することが開示され、特許文献7には特定の動粘度範囲をもつポリアリレート樹脂を使用した電子写真感光体が機械的強度、特に耐磨耗性が優れていることが示されている。
また、市販のポリアリレート樹脂「U−ポリマー」では耐磨耗性、感度では若干の向上が見られるものの、その塗布液の安定性が悪く、塗布製造が不能であった。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも、繰り返し単位中に窒素原子を有しないポリアリレート樹脂を含有し、かつ、感光層の電界強度3×105(V/cm)、温度21℃におけるホールの移動度が、3×10−6(cm2/Vs)以上、好ましくは4×10−6(cm2/Vs)以上である感光層を有する。
また、後述するように、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを併用する場合には、感光層の電界強度3×105(V/cm)、温度21℃におけるホールの移動度が、8×10−6(cm2/Vs)以上であることが好ましく、2×10−5(cm2/Vs)以上であることがより好ましい。また、この場合、電界強度3×105(V/cm) 温度5℃におけるホールの移動度は、2×10−6(cm2/Vs)以上であることが好ましく、より好ましくは3×10−6(cm2/Vs)以上であり、さらに好ましくは、5×10−6(cm2/Vs)以上である。
感光層の具体的な構成として、
・導電性支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層、電荷輸送物質及びバインダ−樹脂を主成分とする電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光体。
・導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダ−樹脂を主成分とする電荷輸送層、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層をこの順に積層した逆二層型感光体。
・導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダ−樹脂を含有する層が積層され、該層中に電荷発生物質を分散させた単層型(分散型)感光体。
等が基本的な形の例として挙げられる。
(イ)ポリアリレート樹脂の構造
本発明の電子写真感光体の感光層(上記積層型感光体の場合は電荷輸送層)、に用いられるポリアリレート樹脂は、繰り返し単位中に窒素原子を有しないものである。窒素原子としては、sp1性の二トリル基、sp2性のピリジン類、シフ塩基、sp3性のアミン類等があるが、何れも、ポリアリレートと混合させる電荷輸送物質とのマッチングが難しいからである。
中でも一般式(2)で表されるポリアリレート樹脂が、下記一般式(5)及び(6)の構成単位を有するものが好ましい。
以下の表−1に一般式(2)の具体例を示す。本発明のポリアリレート樹脂は、以下の具体例中の、P−1〜P−61及びM−1〜M−36で表される構造の少なくとも2種を含有するものであることが好ましい。また、電気特性向上のためには、P−1〜P−61で表される構造の少なくとも2種を含有するものであることがより好ましい。
本発明の一般式(2)の構造で表されるポリアリレート構造を有する樹脂の粘度平均分子量は、通常10,000〜300,000であるが、好ましくは15,000〜100,000、さらに好ましくは20,000〜50,000である。粘度平均分子量が小さすぎると樹脂の機械的強度が低下し実用的でなく、また大きすぎると、適当な膜厚に塗布する事が困難である。
(ロ)ポリアリレート樹脂の製造方法
本発明において用いられるポリアリレート樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、界面重合法、溶融重合法、溶液重合法などが挙げられる。
該二官能性フェノール成分もしくはビスフェノール成分の具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フェノールフタルレイン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビス[2−メチルフェノール]などが挙げられる。
また、ここで用いられる、ハロゲン化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロルベンゼンなどを挙げることができる。
二官能性フェノール成分もしくはビスフェノール成分の具体例は、上述した通りであり、前記化合物の1種もしくは2種以上を混合して用いることも可能である。
本発明においては、ポリアリレート樹脂中の電荷輸送物質の分子軌道の状態から、用いる電荷輸送物質の電荷分極率αが、
これらの電荷輸送物質としては、2,4,7−トリニトロフルオレノンなどの芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン類などの電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジアゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合物が複数結合されたもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの中でもカルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体およびこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましく、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体の複数結合されたものが特に好ましい。
感光層又は電荷輸送層における電荷輸送物質の含有量は、耐刷性の点から、該電荷輸送層中45重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下、特に好ましくは30重量%以下とすることが好ましい。
(イ)電荷発生層
積層型感光体の場合、その電荷発生層に使用される電荷発生物質としては例えば、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
好ましいアゾ顔料のアゾ成分としては、以下構造があげられ、
電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物等の配位したフタロシアニン類が使用される。3価以上の金属原子への配位子の例としては、上に示した酸素原子、塩素原子の他、水酸基、アルコキシ基などがあげられる。特に感度の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、α型、β型、Y型等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、α型、β型についてはW.HellerらによってそれぞれII相、I相として示されており(Zeit.Kristallogr.159(1982)173)、β型は安定型として知られているものである。最も好ましく用いられるY型は、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜が27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
電荷発生層の膜厚は通常0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは0.15〜0.8μmが好適である。
(ロ)電荷輸送層
電荷輸送物質及びバインダー樹脂として用いるポリアリレート樹脂は上述したものが用いられる。
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
単層型感光層の場合には、上述したポリアリレート樹脂を主体とする電荷輸送媒体中に、積層型感光体と同様の電荷発生物質及び上述した電荷輸送物質が分散される。
その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下のものが使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
感光層に場合により添加される染料色素としては、例えばメチルバイオレット、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット等のトリフェニルメタン染料、メチレンブルーなどのチアジン染料、キニザリン等のキノン染料及びシアニン染料やビリリウム塩、チアビリリウム塩、ベンゾビリリウム塩等が挙げられる。
感光層は、常法に従って、電荷輸送物質をポリアリレート樹脂を含むバインダー樹脂と共に適当な溶剤中に溶解し、必要に応じ、適当な電荷発生物質、増感染料、電子吸引性化合物、他の電荷輸送物質、あるいは、可塑剤、顔料等との周知の添加剤を添加して得られる塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥して感光層を形成させることにより製造することができる。電荷発生層と電荷輸送層の二層からなる感光層の場合は、電荷発生層の上に上記塗布液を塗布するか、上記塗布液を塗布して得られる電荷輸送層の上に電荷発生層を形成させることにより、製造することができる。
感光層の上に、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けても良い。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
<各層の形成方法>
感光層の塗布方法としては、スプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等がある。
電荷輸送物質(好ましくは前述の化合物)、ポリアリレート樹脂、溶剤等を用いて、全固形分濃度が通常25〜40%、粘度が通常50〜300センチポアーズ、好ましくは100〜200センチポアーズの電荷輸送層形成用の塗布液を調整する。ここで実質的に塗布液の粘度はバインダーポリマーの種類及びその分子量により決まるが、分子量が低すぎる場合にはポリマー自身の機械的強度が低下するためこれを損わない程度の分子量を持つバインダーポリマーを使用することが好ましい。この様にして調整された塗布液を用いて浸漬塗布法により電荷輸送層が形成される。
この様にして得られる電子写真用感光体は高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、繰返しによる変動が小さく、特に、画像濃度に影響する帯電安定性が良好であることから、高耐久性感光体として用いることができる。また、750〜850nmの領域の感度が高いことから、特に半導体レーザープリンター用感光体に適している。
本発明の電子写真感光体を使用する複写機・プリンター等の電子写真装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いても良い。帯電方法(帯電器)としては、例えばコロナ放電を利用したコロトロンあるいはスコロトロン帯電、導電性ローラーあるいはブラシ、フィルムなどによる接触帯電などいずれを用いても良い。このうち、コロナ放電を利用した帯電方法では暗部電位を一定に保つためにスコロトロン帯電が用いられることが多い。現像方法としては、磁性あるいは非磁性の一成分現像剤、二成分現像剤などを接触あるいは非接触させて現像する一般的な方法が用いられる。転写方法としては、コロナ放電によるもの、転写ローラーあるいは転写ベルトを用いた方法等いずれでもよい。転写は、紙やOHP用フィルム等に対して直接行っても良いし、一旦中間転写体(ベルト状あるいはドラム状)に転写したのちに、紙やOHP用フィルム上に転写しても良い。
これらのプロセスのほかに、通常用いられるクリーニング、除電等のプロセスを有しても良い。
<ポリアリレート樹脂の製造>
製造例において得られる樹脂の粘度平均分子量の算出方法を以下に示す。
[粘度平均分子量]
ポリアリレート樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調整した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH 2 O(600ml)を評取し、窒素バブリングしながら、攪拌し、溶解させた。そこに、p―tertブチルフェノール(0.3035g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.089g)及び、ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](17.86g)、の順に添加、攪拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応漕に移した。
重合漕の外温を20度に保ち、反応漕内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートより、ジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌を続けた後、酢酸(5ml)ジクロロメタン(100ml)を加え、水(100ml)30分間攪拌した。その後、攪拌を停止し、有機漕を分離した。この有機漕を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH 2 O(600ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH 2 O(600ml)を評取し、窒素バブリングしながら、攪拌し、溶解させた。そこに、p―tertブチルフェノール(0.3035g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.089g)及び、ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](17.86g)、の順に添加、攪拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応漕に移した。
重合漕の外温を20度に保ち、反応漕内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートより、ジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌を続けた後、酢酸(5ml)ジクロロメタン(100ml)を加え、水(100ml)30分間攪拌した。その後、攪拌を停止し、有機漕を分離した。この有機漕を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH 2 O(600ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH 2 O(600ml)を評取し、窒素バブリングしながら、攪拌し、溶解させた。そこに、p―tertブチルフェノール(0.3035g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.089g)及び、ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](17.86g)、の順に添加、攪拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応漕に移した。
重合漕の外温を20度に保ち、反応漕内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートより、ジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌を続けた後、酢酸(5ml)ジクロロメタン(100ml)を加え、水(100ml)30分間攪拌した。その後、攪拌を停止し、有機漕を分離した。この有機漕を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH 2 O(600ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH 2 O(600ml)を評取し、窒素バブリングしながら、攪拌し、溶解させた。そこに、p―tertブチルフェノール(0.3035g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.089g)及び、ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](17.86g)、の順に添加、攪拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応漕に移した。
重合漕の外温を20度に保ち、反応漕内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートより、ジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌を続けた後、酢酸(5ml)ジクロロメタン(100ml)を加え、水(100ml)30分間攪拌した。その後、攪拌を停止し、有機漕を分離した。この有機漕を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH 2 O(600ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(13.37g)とH 2 O(470ml)を評取し、窒素バブリングしながら、攪拌し、溶解させた。そこに、2,4,6トリメチルフェノール(1.3448g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.1703g)及び、ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](30.06g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジメチルフェニル)プロパン[テトラメチルビスフェノールA](1.76g)の順に添加、攪拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応漕に移した。
重合漕の外温を20度に保ち、反応漕内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートより、ジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌を続けた後、酢酸(10ml)ジクロロメタン(230ml)を加え、水(100ml)30分間攪拌した。その後、攪拌を停止し、有機漕を分離した。この有機漕を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(353ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(353ml)にて洗浄を2回行い、さらにH 2 O(353ml)にて洗浄を2回行った。
[感光体の作製]
ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°,13.2°,26.2°,および27.1°にCuKα線によるX線回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部にn−プロパノール200重量部を加え、サンドブラインドミルで10時間粉砕し微粒化分散処理を行った。
次にポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)5重量部の10%メタノール溶液と混合し分散液を作成した。
次にこの分散液をポリエステルフィルム上に蒸着したアルミニウム蒸着面上にバーコーターにより乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように電荷発生層を設けた。この電荷発生層の上に、前記表−2に示される電荷輸送物質(1)を60重量部、及び製造例1にて得られたポリアリレートA 100重量部をテトラヒドロフラン/トルエン混合溶液 1000重量部で溶解させた溶液をフィルムアプリケータにより塗布し、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸送層を設けて感光体を作製した。
トナーを上記で作成した感光体の上に0.1mg/cm2となるよう均一に乗せ接触させる面にクリーニングブレードと同じ材質のウレタンゴムを1cm幅に切断したものを用い45度の角度で用い、荷重200g、速度5mm/sec、ストローク20mmでウレタンゴムを100回移動させたときの100回目の動摩擦係数を協和界面化学(株)社製全自動摩擦摩耗試験機DFPM−SSで測定した。結果を表−3に示す。
感光体フィルムを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。結果を表−3に示す。
[電気特性]
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm(露光エネルギー10μW/cm2)、除電は660nmの単色光を用いた。評価項目としては、表面電位が700Vから350Vに半減するのに要した露光量(半減露光量、E1/2)、および露光時間を9.9秒とした時の表面電位(残留電位、Vr)を測定した。測定環境は、温度5℃、相対湿度10%下で行った。結果を表−3に示す。
得られた感光体の電界強度3×105(V/cm)における、5℃及び21℃での移動度をTOF(Time−of−flight)法により求めた。これらの結果を表−3に示す。
[電荷輸送物質の分極率及び双極子モーメント]
電荷輸送層に用いた前記表−2に示される化合物(1)の分極率α、双極子モーメントP、をJournal of Chemical Physics誌、第75巻,3572頁、1981年、に記載の方法に従って求めた。さらに、分極率の計算値αcal及び双極子モーメントの計算値PcalをMOPAC93を利用して求めた。結果を表−3に示す。
実施例1において、電荷輸送物質(1)60重量部を、下記構造を有する化合物60重量部に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
実施例1において、電荷輸送性物質(1)60重量部をN−メチルカルバゾール−3−カルバルデヒドジフェニルヒドラゾン60重量部に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
比較例3
実施例1において、電荷輸送物質(1)を40重量部とし、ポリアリレートAを下記構造を有するポリカーボネートに変更した以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
実施例1においてポリアリレートAを製造例2で得られたポリアリレートBに変更した以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
実施例3
実施例1においてポリアリレートAを製造例3で得られたポリアリレートCに変更した以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
実施例1においてポリアリレートAを製造例4で得られたポリアリレートDに変更した以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
実施例5
実施例1においてポリアリレートAを製造例5で得られたポリアリレートEに変更した以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
実施例1において、電荷輸送性物質(1)60重量部を下記電荷輸送物質95重量部に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
比較例4において、電荷輸送性物質95重量部を60重量部に変更した以外は、比較例4と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
比較例6
比較例5において電荷発生物質であるオキシチタニウムフタロシアニンを下記構造式で表されるビスアゾ化合物に変更した以外は比較例5と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表−3に示す。
Claims (7)
- 前記感光層の電界強度3×10 5 (V/cm)、温度5℃におけるホールの移動度が、1×10−6(cm2/Vs)以上である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が有する電荷輸送物質として、カルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合したものからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が有する電荷輸送物質が、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体及びブタジエン誘導体が複数結合してなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有するものであり、且つ該電荷輸送層中に電荷輸送物質を45重量%以下の割合で含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記ポリアリレート樹脂の粘度平均分子量が15,000〜100,000である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
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