JP3926093B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体に関する。
詳しくは、耐摩耗性、表面滑り性、塗布液調整時の溶解性及び塗布溶液の保存安定性に優れ、且つ、電気的応答性の良好な電子写真感光体用樹脂を含有する電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られることなどから、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されてきている。
電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
【0003】
有機感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体、電荷発生層及び電荷移動層を積層した積層型感光体が知られている。積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、及び電荷移動物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことから感光体の主流になる可能性も高く鋭意開発され実用化されている。
【0004】
電子写真感光体は、電子写真プロセスすなわち帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等のサイクルで繰り返し使用されるためその間様々なストレスを受け劣化する。この様な劣化としては例えば帯電器として普通用いられるコロナ帯電器から発生する強酸化性のオゾンやNOxが感光層に化学的なダメージを与えたり、像露光で生成したキャリアー(電流)が感光層内を流れることや除電光、外部からの光によって感光層組成物が分解するなどによる化学的、電気的劣化がある。またこれとは別の劣化としてクリーニングブレード、磁気ブラシなどの摺擦や現像剤、紙との接触等による感光層表面の摩耗や傷の発生、膜の剥がれといった機械的劣化がある。特にこの様な感光層表面に生じる損傷はコピー画像上に現れやすく、直接画像品質を損うため感光体の寿命を制限する大きな要因となっている。すなわち高寿命の感光体を開発するためには電気的、化学的耐久性を高めると同時に機械的強度を高めることも必須条件である。
【0005】
一般に積層型感光体の場合このような負荷を受けるのは電荷移動層である。電荷移動層は通常バインダー樹脂と電荷移動物質からなっており、実質的に強度を決めるのはバインダー樹脂であるが、電荷移動物質のドープ量が相当多いため十分な機械強度を持たせるには至っていない。
【0006】
また、高速印刷の要求の高まりから、より高速の電子写真プロセス対応の材料が求められている。この場合、感光体には高感度、高寿命であることの他に、露光されてから現像されるまでの時間が短くなるために応答性がよいことも必要となる。感光体の応答性は電荷移動層、なかでも電荷移動物質により支配されるがバインダー樹脂によっても大きく変わることが知られている。
【0007】
また、これらの電子写真感光体を構成する各層は、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等により塗布して形成される。
特に、電荷移動層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解させて得られる塗布溶液として、塗布するなどの公知の方法が適用されている。これら現行の工程では、予め塗布溶液を調整し、それを保存することが行われている。そのため、バインダー樹脂には、塗布工程に用いられる溶剤に対し、溶解性が優れること及び溶解後の塗布溶液の安定性も必要となる。
【0008】
これまでの電荷移動層のバインダー樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂が用いられてきている。数あるバインダー樹脂のなかではポリカーボネート樹脂が比較的優れた性能を有しており、これまで種々のポリカーボネート樹脂が開発され実用に供されている。例えば特開昭50−98332号公報にはビスフェノールPタイプのポリカーボネートが、特開昭59−71057号公報にはビスフェノールZタイプのポリカーボネートが、特開昭59−184251号公報にはビスフェノールPおよびビスフェノールAの共重合タイプのポリカーボネートが、特開平5−21478にはビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンタイプの構造を含むポリカーボネート共重合体がバインダー樹脂としてそれぞれ開示されている。しかし従来の有機感光体はトナーによる現像、紙との摩擦、クリーニング部材(ブレード)による摩擦など実用上の負荷によって表面が摩耗してしまったり表面に傷が生じてしまうなどの欠点を有しているため実用上は限られた印刷性能にとどまっているのが現状である。
【0009】
一方、特開昭56−135844号公報には、商品名「U−ポリマー」として市販されている下記構造のポリアリレート樹脂をバインダーとして用いた電子写真用感光体の技術が開示され、その中でポリカーボネートに比して特に感度が優れていることが示されている。
【0010】
特開平3−6567号公報では、ビスフェノール成分にテトラメチルビスフェノールF及びビスフェノールAを使用した構造のポリアリレート共重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体が開示されている。
【0011】
また、特開平10−288845号公報では、特定構造のビスフェノール成分を用いたポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として用いることで、感光体製造時の溶液安定性が向上することが開示され、特開平10−288846号公報には特定の動粘度範囲をもつポリアリレート樹脂を使用した電子写真感光体が機械的強度、特に耐磨耗性が優れていることが示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状用いられているポリカーボネート樹脂を電子写真プロセスに使用した場合、耐磨耗性、耐擦傷性、応答性、基盤との接着性等で未だ不十分な場合が多い。
また、市販のポリアリレート樹脂「U−ポリマー」では耐磨耗性、感度では若干の向上が見られるものの、その塗布液の安定性が悪く、塗布製造が不能であった。特開平3−6567号公報に開示されているビスフェノール成分にテトラメチルビスフェノールF及びビスフェノールAを使用した構造のポリアリレート共重合体を使用した場合、機械物性にやや向上は見られるが、電気特性特に、感度、応答性の面では十分な性能は得られていない。
【0013】
また、特開平10−288845号公報及び特開平10−288846号公報に開示されている特定構造のポリアリレート樹脂を用いることで、溶解性/溶液安定性や機械的強度等は向上するものの、最近の高速印刷化要求の高まりから、電気的特性、特に応答性に関して不十分なものであった。
そのため、機械的強度および非ハロゲン系溶媒に易溶で溶液安定性に優れ、且つ応答性に優れたバインダー樹脂が望まれているのが現状である。
また、特開昭57−73021号公報には、耐熱性に優れた特定構造のポリアリレートが開示されている。しかし、該公報にはこれら特定構造のポリアリレートを電子写真感光体に適応する概念、要求されている、機械特性、電気的特性などについては何ら開示されてはいない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、感光層に使用するバインダー樹脂について詳細に検討した結果、特定構造のポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として用いることにより十分な機械的特性を有し、非ハロゲン系溶媒にも高い溶解性及び溶液安定性を有し、且つ電気特性、特に応答性に優れることを見いだし本発明に至った。
【0015】
すなわち本発明の第1の要旨は、導電性基体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の結着樹脂が、下記一般式(1)で表される構造からなるポリアリレートを含有するものであることを特徴とする電子写真感光体、に存する。
【0016】
【化7】
【0017】
(一般式(1)中、Xは下記式(2)で表される構造を除く、芳香族環を有する2価の有機基を示す。また、mおよびnは、1>m/(m+n)≧0.5を満たす値である。)
【0018】
【化8】
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
<ポリアリレート樹脂>
本発明の電子写真感光体は、該感光層のバインダー樹脂、特に、後述する積層型感光体における電荷輸送層のバインダー樹脂が、上記一般式(1)で表されるポリアリレート構造を有することを特徴とするものである。
一般式(1)中、m、nは1>m/(m+n)≧0.5を満足する値であるが、好ましくは0.99≧m/(m+n)≧0.8の範囲、特に好ましくは0.99≧m/(m+n)≧0.9を満足する値である。m/(m+n)の値が小さくなると、感光体としたときの電気特性が低下したり、機械的特性が低下する傾向がある。また、m/(m+n)=1となると、非ハロゲン系溶媒などへの溶解性/溶液安定性が悪化する。
【0020】
上記一般式(1)中の、下記式(7)で表される構造は、本発明で用いられるポリアリレート樹脂を製造する際に用いられる、ビスフェノール成分に由来する残基である。
【0021】
【化9】
【0022】
このビスフェノール成分の具体例としては、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF]が挙げられる。
上記一般式(1)中の、下記式(8)で表される構造は、本発明で用いられるポリアリレート樹脂を製造する際に用いられる、芳香族ジカルボン酸成分に由来する残基である。
【0023】
【化10】
【0024】
この芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸誘導体、例えばテレフタル酸クロライドが用いられる。
上記一般式(1)中の、下記一般式(9)で表される構造は、上記一般式(7)で表される構造を除く、芳香族環を有するものである。
【0025】
【化11】
−O−X−O− 一般式(9)
【0026】
すなわち、ここで表されるXは、前記一般式(2)で表される構造を除く、芳香族環を有する2価の有機基を示す。
具体的には、下記一般式(3)で表される置換基を有していてもよい芳香族環を少なくとも1つ以上有する2価の有機基である。
【0027】
【化12】
【0028】
一般式(3)中、R1、R2はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20の置換されていてもよい芳香族基を示す。アルキル基は例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。またハロゲンには塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられ、ハロゲン化アルキル基としてはクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。置換されても良い芳香族基には、フェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの中で、好ましくはアルキル基であり、特に好ましくはメチル基が用いられる。q、rはそれぞれ0〜4の整数である。
pは通常、0又は1であり、好ましくはp=1である。
Yは通常、単結合、下記一般式(4)で示される2価の有機基、−O−、−S−、−CO−、−SO2−もしくは−(CH2)s−のいずれかで表される構造の中から選ばれる。ここでsは2〜5の整数である。これらの中でも、単結合及び下記一般式(4)で表される構造が好ましく、下記一般式(4)で表される構造が特に好ましい。
【0029】
【化13】
【0030】
一般式(4)中、R3及びR7はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20以下の置換されてもよい芳香族基を示す。また、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6以上20以下の置換されてもよい芳香族基を示す。これらの具体例は前述されているものと同等である。またR3とR4、R5とR6はお互いに結合して環を形成してもよい。これらの中でも好ましくは、R3及びR7はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、また、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基であり、R3とR4、R5とR6はお互いに結合して環を形成してもよい。
tは0以上の整数であり、好ましくは0または1であり、特に好ましくはt=0である。uは0〜4の整数である。)
これら一般式(3)及び一般式(4)で表されるXの好ましい構造として、下記一般式(5)で表される構造を挙げることができる。
【0031】
【化14】
【0032】
一般式(5)中、R8〜R15はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20の置換されていてもよい芳香族基を示す。Yは単結合、もしくは−CHR16−、−CR17R18−のいずれかを表す。R16、R17及びR18は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20の置換されていてもよい芳香族基を示す。これらの具体例は前述されているものと同等である。これらの中で、R8〜R15は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子もしくは、炭素数1〜10のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子、もしくはメチル基である。
【0033】
Yは好ましくは、単結合、もしくは−CR17R18−のいずれかを表し、R17及びR18は炭素数1〜10のアルキル基であり、R17及びR18はお互いに結合して環を形成してもよく、特に好ましくは、Yは単結合、もしくは−CR17R18−のいずれかを表し、R17及びR18はメチル基である。
【0034】
上記一般式(1)中の、−O−X−O−で表される構造は、本発明の電子写真感光体に用いられる、樹脂成分を製造する際に用いられる二官能性フェノール成分、ビフェノール成分もしくはビスフェノール成分に由来する残基である。
該二官能性フェノール成分、ビスフェノール成分もしくはビスフェノール成分の具体例としては
ハイドロキノン、レゾルシノール、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン等の二官能性フェノール成分、ビフェノール、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′−ジメチル{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}]、3,3′−ジ−(t−ブチル)−4,4−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル{3,3′−ジ−(t−ブチル)−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}]、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラメチル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}]、3,3′,5,5′−テトラ−(t−ブチル)−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラ−(t−ブチル)−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}]2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}]等のビフェノール成分、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン(BPF)、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン(BPE)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPQ)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(Ce)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(BPC)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン(Xe)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン(Tma)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(BPP)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、
【0035】
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[フェノール]、4,4′−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[フェノール]
4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、4,4′−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、4,4′−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル(BPO)、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フェノールフタルレイン、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビスフェノール、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビス[2−メチルフェノール]、等のビスフェノール成分などが挙げられる。
【0036】
これらの中で好ましい化合物は、ビスフェノール、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラメチル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}]、2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}]等のビスフェノール成分、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン(BPE)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPQ)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(Ce)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(BPC)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン(Xe)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン(Tma)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(BPP)、等のビスフェノール成分が挙げられる。
【0037】
<ポリアリレート樹脂の製造方法>
本発明の電子写真感光体用樹脂の製造方法として、公知の重合方法を用いることができる。例えば界面重合法、溶融重合法、溶液重合法などが挙げられる。
例えば、界面重合法による製造の場合は、ビスフェノール成分をアルカリ水溶液に溶解した溶液と、芳香族ジカルボン酸クロライド成分を溶解したハロゲン化炭化水素の溶液とを混合する。この際、触媒として、四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩を存在させることも可能である。重合温度は通常、0〜40℃の範囲、重合時間は2〜12時間の範囲であるのが生産性の点で好ましい。重合終了後、水相と有機相を分離し、有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とする樹脂を得られる。
【0038】
ここで用いられるアルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等を挙げることができる。アルカリの使用量としては、反応系中に含まれるフェノール性水酸基の約1.01〜3倍当量の範囲が好ましい。
また、ここで用いられる、ハロゲン化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロルベンゼンなどを挙げることができる。
【0039】
触媒として用いられる四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩としては、トリブチルアミンやトリオクチルアミン等の三級アルキルアミンの塩酸、臭素酸、ヨウ素酸等の塩、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチルオクタデシルホスホニウムブロマイド、N−ラウリルピリジニウムクロライド、ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げられる。
【0040】
また、この重合の際に分子量調節剤としてフェノール、o,m,p−クレゾール、o,m,p−エチルフェノール、o,m,p−プロピルフェノール、o,m,p−tert−ブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,6−ジメチルフェノール等のアルキルフェノール類、o,m,p−フェニルフェノール等の一官能性のフェノール、酢酸クロリド、酪酸クロリド、オクチル酸クロリド、塩化ベンゾイル、ベンゼンスルフォニルクロリド、ベンゼンスルフィニルクロリド、スルフィニルクロリド、ベンゼンホスホニルクロリドやそれらの置換体等の一官能性の酸ハロゲン化物を存在させても良い。
【0041】
また、一般式(1)に示される構造の繰り返し単位から成るポリアリレート樹脂において、上述した分子量調節剤など、分子鎖末端に存在する基は繰り返し単位に含まれるものではない。
本発明の一般式(1)の構造から成るポリアリレート樹脂は、粘度平均分子量が通常、1万〜30万であるが、好ましくは15,000〜10万、さらに好ましくは2万〜5万である。粘度平均分子量が小さすぎると樹脂の機械的強度が低下し実用的でなく、大きすぎると、適当な膜厚に塗布する事が困難である。
【0042】
また、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂は他の樹脂と混合して、電子写真感光体の感光層のバインダー樹脂として用いることも可能である。ここで混合される他の樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これら樹脂のなかでもポリカーボネート樹脂が好ましいものとして挙げられる。
これら、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂と混合しても良い他の樹脂の割合は、分散型感光層又は電荷輸送層におけるバインダー樹脂全量中、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
【0043】
<電子写真感光体>
上述した本発明の樹脂は電子写真感光体に用いられ、該感光体の導電性支持体上に設けられる感光層中のバインダー樹脂として用いられる。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
【0044】
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化処理、化成皮膜処理等を施してから用いても良い。陽極酸化処理を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
【0045】
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルックカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
【0046】
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性の面から、平均一次粒径として10〜100nmが好ましく、特に好ましいのは、10〜25nmである。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
【0047】
バインダー樹脂に対する無機粒子の添加比は任意に選べるが、10〜500wt%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
【0048】
本発明の感光層の具体的な構成として
・導電性支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層、電荷輸送層物質及びバインダー樹脂を主成分とした電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光体。
・導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とした電荷輸送層、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層をこの順に積層した逆二層型感光体。
・導電性支持体上に電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた分散型感光体。
の様な構成が基本的な形の例として挙げられる。
【0049】
積層型感光体の場合、その電荷発生層に使用される電荷発生物質としては例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料で使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの微粒子をたとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30〜500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μm〜1μm、好ましくは0.15μm〜0.6μmが好適である。
【0050】
電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物等の配位したフタロシアニン類が使用される。3価以上の金属原子への配位子の例としては、上に示した酸素原子、塩素原子の他、水酸基、アルコキシ基などがあげられる。特に感度の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、A型、B型、D型等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.HellerらによってそれぞれI相、II相として示されており(Zeit.Kristallogr.159(1982)173)、A型は安定型として知られているものである。特に好ましく用いられるD型は、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2°が27.3°に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
【0051】
電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質としては、2,4,7−トリニトロフルオレノンなどの芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン類などの電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジアゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合物が複数結合されたもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの中でもカルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましく、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体の複数結合されてなるものが好ましい
具体的には、下記一般式(6)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
【0052】
【化15】
【0053】
(一般式(6)中、Ar1〜Ar4は各々独立して、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよい2価の複素環基を表す。Ar5、Ar6は、m1=0、m2=0の時はそれぞれ、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい1価の複素環基を表し、m1=1、m2=1の時はそれぞれ置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよい2価の複素環基を表す。Qは直列結合または2価の残基を表す。R1〜R8は各々独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよい複素環基を表す、n1〜n4は各々独立して0〜4の整数を表す。また、m1、m2は各々独立して0又は1を表す。また、Ar1〜Ar6は互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
【0054】
一般式(6)中、R1〜R8は各々独立して水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有していても良い複素環基を表すが、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの内炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
【0055】
また、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられ、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。
また、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましい。
【0056】
また、複素環基は、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。
また、R1〜R8において、最も好ましいものは、メチル基及びフェニル基である。
また、一般式(6)中、Ar1〜Ar4は各々独立して、置換基を有していても良いアリーレン基又は置換基を有していても良い2価の複素環基を表し、Ar5、Ar6は、m1=0、m2=0の時はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い1価の複素環基を表し、m1=1、m2=1の時はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキレン基、置換基を有していても良いアリーレン基又は置換基を有していても良い2価の複素環基を表すが、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられ、炭素数6〜14のアリール基が好ましく;アリレーン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましく;1価の複素環基としては、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましく;2価の複素環基としては、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えばピリジレン基、チエニレン基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。
【0057】
これらの内、最も好ましいものは、Ar1及びAr2はフェニレン基であり、Ar3はフェニル基である。
これらR1〜R8、Ar1〜Ar6で表される基の内、アルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基はさらに置換基を有していても良いが、その置換基としては、シアノ基;ニトロ基;水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、又、上記のアミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等の置換アミノ基等が挙げられる。
【0058】
また、これらの置換基は互いに結合して、単結合、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、ビニリデン基、エチレニレン基等を介した環状炭化水素基や複素環基を形成してもよい。
これらの内好ましい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数6〜12のアリールチオ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基が挙げられ、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基が更に好ましく、メチル基、フェニル基が特に好ましい。
【0059】
一般式(6)中、n1〜n4は各々独立して0〜4の整数を表すが、0〜2が好ましく、1が最も好ましい。m1、m2は0又は1を表すが、0が好ましい。
一般式(6)中、Qは、直接結合又は2価の残基を表すが、2価の残基として好ましいものは、16族原子、置換基を有しても良いアルキレン、置換基を有しても良いアリーレン基、置換基を有しても良いシクロアルキリデン基、またはこれらが互いに結合した、例えば[−O−A−O−]、[−A−O−A−]、[−S−A−S−]、[−A−A−]等が挙げられる(但し、Aは置換基を有しても良いアリーレン基または置換基を有しても良いアルキレン基を表す。)
【0060】
Qを構成するアルキレン基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、中でもメチレン基及びエチレン基が更に好ましい。また、シクロアルキリデン基としては、炭素数5〜8のものが好ましく、中でもシクロペンチリデン基及びシクロヘキシリデン基が更に好ましい。アリーレン基としては、炭素数6〜14のものが好ましく、中でもフェニレン基及びナフチレン基が更に好ましい。
【0061】
また、これらアルキレン基、アリーレン基、シクロアルキリデン基は置換基を有してもよいが、好ましい置換基としては、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
これら電荷輸送物質は単独で用いても良いし、いくつかを混合して用いてもよい。これらの電荷輸送物質がバインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は、単一の層から成っていても良いし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでも良い。
【0062】
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。
なお、電荷輸送層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤などの添加物を含有させても良い。
【0063】
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
分散型感光層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。
その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
【0064】
感光層の膜厚は通常5〜50μm、より好ましくは10〜45μmで使用される。またこの場合にも成膜性、可撓性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても良い。
感光層の上に、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けても良い。
【0065】
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
これらの感光体を構成する各層は、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等により塗布して形成される。
各層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
【0066】
本発明の電子写真感光体を使用する複写機・プリンター等の電子写真装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いても良い。帯電方法(帯電器)としては、例えばコロナ放電を利用したコロトロンあるいはスコロトロン帯電、導電性ローラーあるいはブラシ、フィルムなどによる接触帯電などいずれを用いても良い。このうち、コロナ放電を利用した帯電方法では暗部電位を一定に保つためにスコロトン帯電が用いられることが多い。現像方法としては、磁性あるいは非磁性の一成分現像剤、二成分現像剤などを接触あるいは非接触させて現像する一般的な方法が用いられる。転写方法としては、コロナ放電によるもの、転写ローラーあるいは転写ベルトを用いた方法等いずれでもよい。転写は、紙やOHP用フィルム等に対して直接行っても良いし、一旦中間転写体(ベルト状あるいはドラム状)に転写したのちに、紙やOHP用フィルム上に転写しても良い。
通常、転写の後、現像剤を紙などに定着させる定着プロセスが用いられ、定着手段としては一般的に用いられる熱定着、圧力定着などを用いることができる。これらのプロセスのほかに、通常用いられるクリーニング、除電等のプロセスを有しても良い。
【0067】
【実施例】
以下、本発明の具体的態様を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明の要旨はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<ポリアリレート樹脂の製造>
[粘度平均分子量]
ポリアリレート樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調整した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
【0068】
【数1】
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
【0069】
製造例1(実施例1のポリアリレート樹脂Aの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.22g)とH2O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.2976g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0898g)、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](16.64g)及び2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン[テトラメチルビスフェノールA](0.97g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0070】
別途、テレフタル酸クロライド(14.09g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.38ml)、ジクロロメタン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Aを得た。得られたポリアリレート樹脂Aの粘度平均分子量は48,100であった。構造式を以下に示す。
【0071】
【化16】
【0072】
製造例2(実施例2のポリアリレート樹脂Bの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.13g)とH2O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.5235g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0897g)ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](13.69g)及び2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン[テトラメチルビスフェノールA](3.80g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0073】
別途、テレフタル酸クロライド(13.93g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.35ml)、ジクロロメタン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥してポリアリレート樹脂Bを得た。得られたポリアリレート樹脂Bの粘度平均分子量は27,300であった。構造式を以下に示す。
【0074】
【化17】
【0075】
製造例3(実施例3のポリアリレート樹脂Cの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(6.99g)とH2O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.5128g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0879g)、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](8.38g)及び2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン[テトラメチルビスフェノールA](9.3g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0076】
別途、テレフタル酸クロライド(13.64g)をジクロロメタン(300ml)に溶解しml滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.30ml)、ジクロロメタン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層と不溶物をメタノール(2250ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Cを得た。得られたポリアリレート樹脂Cはの粘度平均分子量は28,500であった。構造式を以下に示す。
【0077】
【化18】
【0078】
製造例4(比較例1のポリアリレート樹脂Dの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH2O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.5463g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.089g)およびビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](17.86g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0079】
別途、テレフタル酸クロライド(14.45g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.39ml)、ジクロロメタン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(6000ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Dを得た。得られたポリアリレート樹脂Dの粘度平均分子量は32,200であった。構造式を以下に示す。
【0080】
【化19】
【0081】
製造例5(比較例2のポリアリレート樹脂Eの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.84g)とH2O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.2023g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0593g)およびビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](11.91g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0082】
別途、イソフタル酸クロライド(9.63g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(1.6ml)、ジクロロメタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(450ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(450ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(450ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Eを得た。粘度平均分子量測定のためジクロロメタン溶液を調整しようとしたところ、得られたポリアリレート樹脂Eは完全には溶解せず、不溶分が残存したジクロロメタン溶液しか得られなかった。このため粘度平均分子量の測定は不可能であった。構造式を以下に示す。
【0083】
【化20】
【0084】
製造例6(比較例3のポリアリレート樹脂Fの製造法)
製造例4中の、テレフタル酸クロライド量を7.22gとし、更にイソフタル酸クロライド量を7.22gを使用した以外は製造例1と同様に行った。得られたポリアリレート樹脂Bの粘度平均分子量は37,900であった。構造式を以下に示す。
【0085】
【化21】
【0086】
製造例7(比較例4のポリアリレート樹脂Gの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.51g)とH2O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.33g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0567g)および2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン[テトラメチルビスフェノールA](11.99g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0087】
別途、テレフタル酸クロライド(8.80g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200ml滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(1.49ml)、ジクロロメタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(226ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(226ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(226ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Gを得た。得られたポリアリレート樹脂Gの粘度平均分子量は23,200であった。構造式を以下に示す。
【0088】
【化22】
【0089】
製造例8(実施例4のポリアリレート樹脂Hの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.27g)とH2O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.2997g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0904g)、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](16.76g)及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA](0.79g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0090】
別途、テレフタル酸クロライド(14.19g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.4ml)、ジクロロメタン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Hを得た。得られたポリアリレート樹脂Hの粘度平均分子量は47,500であった。構造式を以下に示す。
【0091】
【化23】
【0092】
製造例9(比較例5のポリアリレート樹脂Iの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.91g)とH2O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.2053g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0602g)およびビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](9.67g)及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA](2.15g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0093】
別途、テレフタル酸クロライド(4.89g)及びイソフタル酸クロライド(4.89g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200ml滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(1.62ml)、ジクロロメタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(450ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(450ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(450ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Iを得た。得られたポリアリレート樹脂Iの粘度平均分子量は38,100であった。構造式を以下に示す。
【0094】
【化24】
【0095】
製造例10(比較例6のポリアリレート樹脂Jの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(5.84g)とH2O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.2179g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0636g)および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA](12.83g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0096】
別途、テレフタル酸クロライド(10.37g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200ml滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。滴下と共に反応槽内には不溶物の析出が見られた。滴下が進むにつれ不溶物の析出は増えていった。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.611ml)、ジクロロメタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層と不溶物を共に水槽から分離した。この有機層と不溶物を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(450ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(450ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(450ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層と不溶物をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥してポリアリレート樹脂Jを得た。得られたポリアリレート樹脂Jはジクロロメタンには不溶であり、粘度平均分子量の測定は出来なかった。構造式を以下に示す。
【0097】
【化25】
【0098】
製造例11(比較例7のポリアリレート樹脂Kの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.62g)とH2O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.1987g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0583g)および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン[ビスフェノールZ](11.70g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0099】
別途、テレフタル酸クロライド(9.46g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200ml滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。滴下と共に反応槽内には不溶物の析出が見られた。滴下が進むにつれ不溶物の析出は増えていった。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(1.386ml)、ジクロロメタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層と不溶物を共に水槽から分離した。この有機層と不溶物を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(450ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(450ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(450ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層と不溶物をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥してポリアリレート樹脂Kを得た。得られたポリアリレート樹脂Kはジクロロメタンには不溶であり、粘度平均分子量の測定は出来なかった。構造式を以下に示す。
【0100】
【化26】
【0101】
製造例12(実施例5のポリアリレート樹脂Lの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH2O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.2992g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0903g)、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](16.73g)及び3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラメチル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}](0.83g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0102】
別途、テレフタル酸クロライド(14.17g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.39ml)、ジクロロメタン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Lを得た。得られたポリアリレート樹脂Lの粘度平均分子量は61,900であった。構造式を以下に示す。
【0103】
【化27】
【0104】
製造例13(実施例6のポリアリレート樹脂Mの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.30g)とH2O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.3008g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0908g)、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF](14.16g)及び3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラメチル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}](3.35g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0105】
別途、テレフタル酸クロライド(14.24g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.41ml)、ジクロロメタン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Mを得た。得られたポリアリレート樹脂Mの粘度平均分子量は48,300であった。構造式を以下に示す。
【0106】
【化28】
【0107】
製造例14(比較例8のポリアリレート樹脂Nの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(5.01g)とH2O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0.2065g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0623g)および3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラメチル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}](11.49g)の順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0108】
別途、テレフタル酸クロライド(9.77g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200ml滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。滴下と共に反応槽内には不溶物の析出が見られた。滴下が進むにつれ不溶物の析出は増えていった。さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(1.65ml)、ジクロロメタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を停止し有機層と不溶物を共に水槽から分離した。この有機層と不溶物を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(450ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(450ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(450ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層と不溶物をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレート樹脂Nを得た。得られたポリアリレート樹脂Nはジクロロメタンには不溶であり、粘度平均分子量の測定は出来なかった。構造式を以下に示す。
【0109】
【化29】
【0110】
<感光体の製造>
実施例1
下記構造を有するβ型オキシチタニウムフタロシアニン10重量部を、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。
【0111】
【化30】
【0112】
また、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)の5% 1,2−ジメトキシエタン溶液100部及びフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の5% 1,2−ジメトキシエタン溶液100部を混合してバインダー溶液を作製した。
先に作製した顔料分散液160重量部に、バインダー溶液100重量部、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え最終的に固形分濃度4.0%の分散液を調製した。
この様にして得られた分散液を表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に膜厚が0.4μmになるように塗布して電荷発生層を設けた。
次にこのフィルム上に、次に示す正孔輸送性化合物[1]60重量部、
【0113】
【化31】
【0114】
および製造例1で製造した粘度平均分子量23,200のポリアリレート樹脂A100重量部、およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.03重量部をテトラヒドロフラン、トルエンの混合溶媒(テトラヒドロフラン80wt%、トルエン20wt%)640重量部に溶解させた液を塗布し、125℃で20分間乾燥し、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸送層を設けた。このときポリアリレート樹脂Aのテトラヒドロフラン、トルエン混合溶媒に対する溶解性は良好であった。また、この塗布溶液は室温で一ケ月放置後も固化等の変化は見られなかった。これら溶解性及び溶液安定性の結果を表1に示す。
【0115】
実施例2〜6、比較例1〜8
実施例1中のポリアリレート樹脂を、各製造例で製造したポリアリレート樹脂を用いて、実施例1と同様の操作を行った。これら溶解性及び溶液安定性の結果を表1に示す。
得られた各感光体については以下の評価を行った。
【0116】
[摩擦試験]
トナーを上記で作成した感光体の上に0.1mg/cm2となるよう均一に乗せ接触させる面にクリーニングブレードと同じ材質のウレタンゴムを1cm幅に切断したものを用い45度の角度で用い、荷重200g、速度5mm/sec、ストローク20mmでウレタンゴムを100回移動させたときの100回目の動摩擦係数を協和界面化学(株)社製全自動摩擦摩耗試験機DFPM−SSで測定した。結果を表1に示す。
【0117】
[摩耗試験]
感光体フィルムを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。結果を表1に示す。
【0118】
[電気特性]
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用い、780nmの光を2.4μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)を測定した。VL測定に際しては、露光−電位測定に要する時間を139msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%(VL:NN)及び、温度5℃、相対湿度10%(VL:LL)下で行った。この表面電位(VL)の値の絶対値が小さいほど応答性がよいことを示す。結果を表1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
以上の結果より、特定構造のポリアリレート樹脂は、非ハロゲン系溶媒にも高い溶解性及び溶液安定性を示し、これを用いることにより、機械物性、耐磨耗性、滑り性が優れ、且つ電気特性、特に応答性に優れた電子写真感光体が得られることがわかる。
【0121】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体樹脂は、特定構造のポリアリレート樹脂を用いることにより、十分な機械的特性を有し、非ハロゲン系溶媒にも高い溶解性を有し、且つ電気特性、特に応答性に優れる。
Claims (11)
- 一般式(1)において、m及びnが、0.99≧m/(m+n)≧0.8である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 一般式(1)中、Xは下記一般式(3)で表される、置換基を有していてもよい芳香族環を少なくとも一つ以上有する2価の有機基である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 一般式(5)中、R8〜R15はそれぞれ独立に、水素原子もしくは、炭素数1〜10のアルキル基であり、Yは単結合、もしくは−CR17R18−のいずれかを表し、R17及びR18は炭素数1〜10のアルキル基である請求項4に記載の電子写真感光体。
- 一般式(5)中、R8〜R15はそれぞれ独立に、水素原子もしくは、メチル基であり、Yは単結合、もしくは−CR17R18−のいずれかを表し、R17及びR18はメチル基であることを特徴とする、請求項5に記載の電子写真感光体。
- 一般式(1)で示されるポリアリレート構造を有する樹脂の、粘度平均分子量が15,000〜100,000である請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電荷輸送物質として、カルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、及びこれらの誘導体が複数結合したものからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電荷輸送物質が、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体及びブタジエン誘導体が複数結合してなるものである請求項8に記載の電子写真感光体。
- 電荷輸送物質が、下記一般式(6)で表される構造を有するものを含有する請求項8または9に記載の電子写真感光体。
- 感光層が、電荷発生物質として、CuKα線を用いた粉末X線回折において回折角2θ±0.2°が27.3°に主たるピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有する請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体。
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