JP2002123007A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2002123007A
JP2002123007A JP2000317568A JP2000317568A JP2002123007A JP 2002123007 A JP2002123007 A JP 2002123007A JP 2000317568 A JP2000317568 A JP 2000317568A JP 2000317568 A JP2000317568 A JP 2000317568A JP 2002123007 A JP2002123007 A JP 2002123007A
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Mitsusachi Mimori
光幸 三森
Akiteru Fujii
章照 藤井
Mamoru Rin
護 臨
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な機械的特性及び非ハロゲン系溶媒に対
する高い溶解性を有し、且つ電気特性、特に応答性に優
れる電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に少なくとも感光層を有す
る電子写真感光体において、該感光層の結着樹脂が、下
記一般式(1)で表されるポリアリレート構造を含有す
るものであることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (一般式(1)中、Xは下記式(2)で表される構造を
除く、芳香族環を有する2価の有機基を示す。また、m
およびnは、1>m/(m+n)≧0.5を満たす値で
ある。) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
する。詳しくは、耐摩耗性、表面滑り性、塗布液調整時
の溶解性及び塗布溶液の保存安定性に優れ、且つ、電気
的応答性の良好な電子写真感光体用樹脂を含有する電子
写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、即時性、高品質の画像
が得られることなどから、近年では複写機の分野にとど
まらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用され
てきている。電子写真技術の中核となる感光体について
は、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素
−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった
無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容
易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電
材料を使用した感光体が開発されている。
【0003】有機感光体としては、光導電性微粉末をバ
インダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体、電
荷発生層及び電荷移動層を積層した積層型感光体が知ら
れている。積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発
生物質、及び電荷移動物質を組み合わせることにより高
感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全
性の高い感光体が得られること、また塗布の生産性が高
く比較的コスト面でも有利なことから感光体の主流にな
る可能性も高く鋭意開発され実用化されている。
【0004】電子写真感光体は、電子写真プロセスすな
わち帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等の
サイクルで繰り返し使用されるためその間様々なストレ
スを受け劣化する。この様な劣化としては例えば帯電器
として普通用いられるコロナ帯電器から発生する強酸化
性のオゾンやNOxが感光層に化学的なダメージを与え
たり、像露光で生成したキャリアー(電流)が感光層内
を流れることや除電光、外部からの光によって感光層組
成物が分解するなどによる化学的、電気的劣化がある。
またこれとは別の劣化としてクリーニングブレード、磁
気ブラシなどの摺擦や現像剤、紙との接触等による感光
層表面の摩耗や傷の発生、膜の剥がれといった機械的劣
化がある。特にこの様な感光層表面に生じる損傷はコピ
ー画像上に現れやすく、直接画像品質を損うため感光体
の寿命を制限する大きな要因となっている。すなわち高
寿命の感光体を開発するためには電気的、化学的耐久性
を高めると同時に機械的強度を高めることも必須条件で
ある。
【0005】一般に積層型感光体の場合このような負荷
を受けるのは電荷移動層である。電荷移動層は通常バイ
ンダー樹脂と電荷移動物質からなっており、実質的に強
度を決めるのはバインダー樹脂であるが、電荷移動物質
のドープ量が相当多いため十分な機械強度を持たせるに
は至っていない。
【0006】また、高速印刷の要求の高まりから、より
高速の電子写真プロセス対応の材料が求められている。
この場合、感光体には高感度、高寿命であることの他
に、露光されてから現像されるまでの時間が短くなるた
めに応答性がよいことも必要となる。感光体の応答性は
電荷移動層、なかでも電荷移動物質により支配されるが
バインダー樹脂によっても大きく変わることが知られて
いる。
【0007】また、これらの電子写真感光体を構成する
各層は、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗
布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等により
塗布して形成される。特に、電荷移動層の形成方法とし
ては、層に含有させる物質を溶剤に溶解させて得られる
塗布溶液として、塗布するなどの公知の方法が適用され
ている。これら現行の工程では、予め塗布溶液を調整
し、それを保存することが行われている。そのため、バ
インダー樹脂には、塗布工程に用いられる溶剤に対し、
溶解性が優れること及び溶解後の塗布溶液の安定性も必
要となる。
【0008】これまでの電荷移動層のバインダー樹脂と
しては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、フェノ
キシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種
々の熱硬化性樹脂が用いられてきている。数あるバイン
ダー樹脂のなかではポリカーボネート樹脂が比較的優れ
た性能を有しており、これまで種々のポリカーボネート
樹脂が開発され実用に供されている。例えば特開昭50
−98332号公報にはビスフェノールPタイプのポリ
カーボネートが、特開昭59−71057号公報にはビ
スフェノールZタイプのポリカーボネートが、特開昭5
9−184251号公報にはビスフェノールPおよびビ
スフェノールAの共重合タイプのポリカーボネートが、
特開平5−21478にはビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトンタイプの構造を含むポリカーボネート共重合
体がバインダー樹脂としてそれぞれ開示されている。し
かし従来の有機感光体はトナーによる現像、紙との摩
擦、クリーニング部材(ブレード)による摩擦など実用
上の負荷によって表面が摩耗してしまったり表面に傷が
生じてしまうなどの欠点を有しているため実用上は限ら
れた印刷性能にとどまっているのが現状である。
【0009】一方、特開昭56−135844号公報に
は、商品名「U−ポリマー」として市販されている下記
構造のポリアリレート樹脂をバインダーとして用いた電
子写真用感光体の技術が開示され、その中でポリカーボ
ネートに比して特に感度が優れていることが示されてい
る。
【0010】特開平3−6567号公報では、ビスフェ
ノール成分にテトラメチルビスフェノールF及びビスフ
ェノールAを使用した構造のポリアリレート共重合体を
含有することを特徴とする電子写真感光体が開示されて
いる。
【0011】また、特開平10−288845号公報で
は、特定構造のビスフェノール成分を用いたポリアリレ
ート樹脂をバインダー樹脂として用いることで、感光体
製造時の溶液安定性が向上することが開示され、特開平
10−288846号公報には特定の動粘度範囲をもつ
ポリアリレート樹脂を使用した電子写真感光体が機械的
強度、特に耐磨耗性が優れていることが示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状用
いられているポリカーボネート樹脂を電子写真プロセス
に使用した場合、耐磨耗性、耐擦傷性、応答性、基盤と
の接着性等で未だ不十分な場合が多い。また、市販のポ
リアリレート樹脂「U−ポリマー」では耐磨耗性、感度
では若干の向上が見られるものの、その塗布液の安定性
が悪く、塗布製造が不能であった。特開平3−6567
号公報に開示されているビスフェノール成分にテトラメ
チルビスフェノールF及びビスフェノールAを使用した
構造のポリアリレート共重合体を使用した場合、機械物
性にやや向上は見られるが、電気特性特に、感度、応答
性の面では十分な性能は得られていない。
【0013】また、特開平10−288845号公報及
び特開平10−288846号公報に開示されている特
定構造のポリアリレート樹脂を用いることで、溶解性/
溶液安定性や機械的強度等は向上するものの、最近の高
速印刷化要求の高まりから、電気的特性、特に応答性に
関して不十分なものであった。そのため、機械的強度お
よび非ハロゲン系溶媒に易溶で溶液安定性に優れ、且つ
応答性に優れたバインダー樹脂が望まれているのが現状
である。また、特開昭57−73021号公報には、耐
熱性に優れた特定構造のポリアリレートが開示されてい
る。しかし、該公報にはこれら特定構造のポリアリレー
トを電子写真感光体に適応する概念、要求されている、
機械特性、電気的特性などについては何ら開示されては
いない。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、感
光層に使用するバインダー樹脂について詳細に検討した
結果、特定構造のポリアリレート樹脂をバインダー樹脂
として用いることにより十分な機械的特性を有し、非ハ
ロゲン系溶媒にも高い溶解性及び溶液安定性を有し、且
つ電気特性、特に応答性に優れることを見いだし本発明
に至った。
【0015】すなわち本発明の第1の要旨は、導電性基
体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体におい
て、該感光層の結着樹脂が、下記一般式(1)で表され
るポリアリレート構造を有するものであることを特徴と
する電子写真感光体、に存する。
【0016】
【化7】
【0017】(一般式(1)中、Xは下記式(2)で表
される構造を除く、芳香族環を有する2価の有機基を示
す。また、mおよびnは、1>m/(m+n)≧0.5
を満たす値である。)
【0018】
【化8】
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。 <ポリアリレート樹脂>本発明の電子写真感光体は、該
感光層のバインダー樹脂、特に、後述する積層型感光体
における電荷輸送層のバインダー樹脂が、上記一般式
(1)で表されるポリアリレート構造を有することを特
徴とするものである。一般式(1)中、m、nは1>m
/(m+n)≧0.5を満足する値であるが、好ましく
は0.99≧m/(m+n)≧0.8の範囲、特に好ま
しくは0.99≧m/(m+n)≧0.9を満足する値
である。m/(m+n)の値が小さくなると、感光体と
したときの電気特性が低下したり、機械的特性が低下す
る傾向がある。また、m/(m+n)=1となると、非
ハロゲン系溶媒などへの溶解性/溶液安定性が悪化す
る。
【0020】上記一般式(1)中の、下記式(7)で表
される構造は、本発明で用いられるポリアリレート樹脂
を製造する際に用いられる、ビスフェノール成分に由来
する残基である。
【0021】
【化9】
【0022】このビスフェノール成分の具体例として
は、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)メタン[テトラメチルビスフェノールF]が挙げら
れる。上記一般式(1)中の、下記式(8)で表される
構造は、本発明で用いられるポリアリレート樹脂を製造
する際に用いられる、芳香族ジカルボン酸成分に由来す
る残基である。
【0023】
【化10】
【0024】この芳香族ジカルボン酸成分としては、テ
レフタル酸誘導体、例えばテレフタル酸クロライドが用
いられる。上記一般式(1)中の、下記一般式(9)で
表される構造は、上記一般式(7)で表される構造を除
く、芳香族環を有するものである。
【0025】
【化11】−O−X−O− 一般式(9)
【0026】すなわち、ここで表されるXは、前記一般
式(2)で表される構造を除く、芳香族環を有する2価
の有機基を示す。具体的には、下記一般式(3)で表さ
れる置換基を有していてもよい芳香族環を少なくとも1
つ以上有する2価の有機基である。
【0027】
【化12】
【0028】一般式(3)中、R1、R2はそれぞれ独立
に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のア
ルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素
数6〜20の置換されていてもよい芳香族基を示す。ア
ルキル基は例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げら
れ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられ
る。またハロゲンには塩素原子、臭素原子、フッ素原子
などが挙げられ、ハロゲン化アルキル基としてはクロロ
メチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ト
リフルオロメチル基等が挙げられる。置換されても良い
芳香族基には、フェニル基、4−メチルフェニル基、ナ
フチル基等が挙げられる。これらの中で、好ましくはア
ルキル基であり、特に好ましくはメチル基が用いられ
る。q、rはそれぞれ0〜4の整数である。pは通常、
0又は1であり、好ましくはp=1である。Yは通常、
単結合、下記一般式(4)で示される2価の有機基、−
O−、−S−、−CO−、−SO2−もしくは−(C
2s−のいずれかで表される構造の中から選ばれる。
ここでsは2〜5の整数である。これらの中でも、単結
合及び下記一般式(4)で表される構造が好ましく、下
記一般式(4)で表される構造が特に好ましい。
【0029】
【化13】
【0030】一般式(4)中、R3及びR7はそれぞれ独
立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の
アルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭
素数6〜20以下の置換されてもよい芳香族基を示す。
また、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコ
キシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6
以上20以下の置換されてもよい芳香族基を示す。これ
らの具体例は前述されているものと同等である。またR
3とR4、R5とR6はお互いに結合して環を形成してもよ
い。これらの中でも好ましくは、R3及びR7はそれぞれ
独立に、炭素数1〜10のアルキル基、また、R4、R5
及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10
のアルキル基であり、R3とR4、R5とR6はお互いに結
合して環を形成してもよい。tは0以上の整数であり、
好ましくは0または1であり、特に好ましくはt=0で
ある。uは0〜4の整数である。)これら一般式(3)
及び一般式(4)で表されるXの好ましい構造として、
下記一般式(5)で表される構造を挙げることができ
る。
【0031】
【化14】
【0032】一般式(5)中、R8〜R15はそれぞれ独
立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アル
キル基、炭素数6〜20の置換されていてもよい芳香族
基を示す。Yは単結合、もしくは−CHR16−、−CR
1718−のいずれかを表す。R16、R17及びR18は炭素
数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ
ル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6〜2
0の置換されていてもよい芳香族基を示す。これらの具
体例は前述されているものと同等である。これらの中
で、R8〜R15は好ましくは、それぞれ独立に、水素原
子もしくは、炭素数1〜10のアルキル基であり、特に
好ましくは水素原子、もしくはメチル基である。
【0033】Yは好ましくは、単結合、もしくは−CR
1718−のいずれかを表し、R17及びR18は炭素数1〜
10のアルキル基であり、R17及びR18はお互いに結合
して環を形成してもよく、特に好ましくは、Yは単結
合、もしくは−CR1718−のいずれかを表し、R17
びR18はメチル基である。
【0034】上記一般式(1)中の、−O−X−O−で
表される構造は、本発明の電子写真感光体に用いられ
る、樹脂成分を製造する際に用いられる二官能性フェノ
ール成分、ビフェノール成分もしくはビスフェノール成
分に由来する残基である。該二官能性フェノール成分、
ビスフェノール成分もしくはビスフェノール成分の具体
例としてはハイドロキノン、レゾルシノール、1,3−
ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタ
レン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒ
ドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒド
ロキシナフタレン等の二官能性フェノール成分、ビフェ
ノール、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシ
−1,1′−ビフェニル[3,3′−ジメチル{(1,
1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオール}]、3,
3′−ジ−(t−ブチル)−4,4−ジヒドロキシ−
1,1′−ビフェニル{3,3′−ジ−(t−ブチル)
−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオー
ル}]、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′
−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′,
5,5′−テトラメチル−{(1,1′−ビ−フェニ
ル)−4,4′−ジオール}]、3,3′,5,5′−
テトラ−(t−ブチル)−4,4′−ジヒドロキシ−
1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラ−
(t−ブチル)−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,
4′−ジオール}]2,2′,3,3′,5,5′−ヘ
キサメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ビフ
ェニル[2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチル
−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオー
ル}]等のビフェノール成分、ビス−(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン(BPF)、ビス−(2−ヒドロキシ
フェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン(BPE)、1,1−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,
2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタ
ン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−
メチルペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、ビス−(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPQ)、1,1−
ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン
(Ce)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)プロパン(BPC)、2,2−ビス−(4
−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2
−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
sec−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン
(Xe)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチルフェニル)プロパン(Tma)、1,1−ビス
−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタ
ン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチル
フェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−
2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビ
ス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニ
ル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−
トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−
(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)
フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−
2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン、ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,
1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニル
エタン(BPP)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルプロパン、
【0035】ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェ
ニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジベン
ジルメタン、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1
−メチルエチリデン)]ビス−[フェノール]、4,
4′−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[フ
ェノール]4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−
メチルエチリデン)]ビス−[2,6−ジメチルフェノ
ール]、4,4′−[1,4−フェニレンビスメチレ
ン]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、4,4′
−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,
3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−[1,4
−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−
[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4′−
[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]
ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル(BPO)、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3′,5,
5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、フェノールフタルレイン、4,4′
−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデ
ン)]ビスフェノール、4,4′−[1,4−フェニレ
ンビス(1−メチルビニリデン)]ビス[2−メチルフ
ェノール]、等のビスフェノール成分などが挙げられ
る。
【0036】これらの中で好ましい化合物は、ビスフェ
ノール、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′
−ジヒドロキシ−1,1′−ビフェニル[3,3′,
5,5′−テトラメチル−{(1,1′−ビ−フェニ
ル)−4,4′−ジオール}]、2,2′,3,3′,
5,5′−ヘキサメチル−4,4′−ジヒドロキシ−
1,1′−ビフェニル[2,2′,3,3′,5,5′
−ヘキサメチル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,
4′−ジオール}]等のビスフェノール成分、1,1−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン(BPE)、
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(BPA)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(BPZ)、2,2−ビス−(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BP
Q)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフ
ェニル)エタン(Ce)、2,2−ビス−(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)プロパン(BPC)、1,
1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)エタン(Xe)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)プロパン(Tma)、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルエタン(BPP)、等のビスフェノール成分が挙げ
られる。
【0037】<ポリアリレート樹脂の製造方法>本発明
の電子写真感光体用樹脂の製造方法として、公知の重合
方法を用いることができる。例えば界面重合法、溶融重
合法、溶液重合法などが挙げられる。例えば、界面重合
法による製造の場合は、ビスフェノール成分をアルカリ
水溶液に溶解した溶液と、芳香族ジカルボン酸クロライ
ド成分を溶解したハロゲン化炭化水素の溶液とを混合す
る。この際、触媒として、四級アンモニウム塩もしくは
四級ホスホニウム塩を存在させることも可能である。重
合温度は通常、0〜40℃の範囲、重合時間は2〜12
時間の範囲であるのが生産性の点で好ましい。重合終了
後、水相と有機相を分離し、有機相中に溶解しているポ
リマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目
的とする樹脂を得られる。
【0038】ここで用いられるアルカリ成分としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の
水酸化物等を挙げることができる。アルカリの使用量と
しては、反応系中に含まれるフェノール性水酸基の約
1.01〜3倍当量の範囲が好ましい。また、ここで用
いられる、ハロゲン化炭化水素としては、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロ
ロエタン、テトラクロロエタン、ジクロルベンゼンなど
を挙げることができる。
【0039】触媒として用いられる四級アンモニウム塩
もしくは四級ホスホニウム塩としては、トリブチルアミ
ンやトリオクチルアミン等の三級アルキルアミンの塩
酸、臭素酸、ヨウ素酸等の塩、ベンジルトリエチルアン
モニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチ
ルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウム
ブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチル
オクタデシルホスホニウムブロマイド、N−ラウリルピ
リジニウムクロライド、ラウリルピコリニウムクロライ
ドなどが挙げられる。
【0040】また、この重合の際に分子量調節剤として
フェノール、o,m,p−クレゾール、o,m,p−エ
チルフェノール、o,m,p−プロピルフェノール、
o,m,p−tert−ブチルフェノール、ペンチルフ
ェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、
ノニルフェノール、2,6−ジメチルフェノール等のア
ルキルフェノール類、o,m,p−フェニルフェノール
等の一官能性のフェノール、酢酸クロリド、酪酸クロリ
ド、オクチル酸クロリド、塩化ベンゾイル、ベンゼンス
ルフォニルクロリド、ベンゼンスルフィニルクロリド、
スルフィニルクロリド、ベンゼンホスホニルクロリドや
それらの置換体等の一官能性の酸ハロゲン化物を存在さ
せても良い。
【0041】また、一般式(1)に示される構造の繰り
返し単位から成るポリアリレート樹脂において、上述し
た分子量調節剤など、分子鎖末端に存在する基は繰り返
し単位に含まれるものではない。本発明の一般式(1)
の構造から成るポリアリレート樹脂は、粘度平均分子量
が通常、1万〜30万であるが、好ましくは15,00
0〜10万、さらに好ましくは2万〜5万である。粘度
平均分子量が小さすぎると樹脂の機械的強度が低下し実
用的でなく、大きすぎると、適当な膜厚に塗布する事が
困難である。
【0042】また、一般式(1)で表されるポリアリレ
ート樹脂は他の樹脂と混合して、電子写真感光体の感光
層のバインダー樹脂として用いることも可能である。こ
こで混合される他の樹脂としては、ポリメチルメタクリ
レート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合
体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン
樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂などが挙げ
られる。これら樹脂のなかでもポリカーボネート樹脂が
好ましいものとして挙げられる。これら、一般式(1)
で表されるポリアリレート樹脂と混合しても良い他の樹
脂の割合は、分散型感光層又は電荷輸送層におけるバイ
ンダー樹脂全量中、通常30重量%以下、好ましくは2
0重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
【0043】<電子写真感光体>上述した本発明の樹脂
は電子写真感光体に用いられ、該感光体の導電性支持体
上に設けられる感光層中のバインダー樹脂として用いら
れる。導電性支持体としては、例えばアルミニウム、ア
ルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属
材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加
して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケ
ル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材
料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙など
が主として使用される。形態としては、ドラム状、シー
ト状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導
電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや
欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布
したものでも良い。
【0044】導電性支持体としてアルミニウム合金等の
金属材料を用いた場合、陽極酸化処理、化成皮膜処理等
を施してから用いても良い。陽極酸化処理を施した場
合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。支
持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を
用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化
されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当
な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたも
のでも良い。導電性支持体と感光層との間には、接着性
・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても
良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の
粒子を分散したものなどが用いられる。
【0045】下引き層に用いる金属酸化物粒子の例とし
ては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化
ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を
含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ス
トロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を
含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを
用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良
い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび
酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好まし
い。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アル
ミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪
素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコ
ーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化
チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブ
ルックカイト、アモルファスのいずれも用いることがで
きる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
【0046】また、金属酸化物粒子の粒径としては、種
々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性
の面から、平均一次粒径として10〜100nmが好ま
しく、特に好ましいのは、10〜25nmである。下引
き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形
で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバイン
ダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリア
クリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウ
レタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化
剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコ
ール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良
好な分散性、塗布性を示し好ましい。
【0047】バインダー樹脂に対する無機粒子の添加比
は任意に選べるが、10〜500wt%の範囲で使用す
ることが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。下
引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特
性および塗布性から0.1〜20μmが好ましい。また
下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
【0048】本発明の感光層の具体的な構成として ・導電性支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発
生層、電荷輸送層物質及びバインダー樹脂を主成分とし
た電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光体。 ・導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂
を主成分とした電荷輸送層、電荷発生物質を主成分とす
る電荷発生層をこの順に積層した逆二層型感光体。 ・導電性支持体上に電荷輸送物質及びバインダー樹脂を
含有する層中に電荷発生物質を分散させた分散型感光
体。 の様な構成が基本的な形の例として挙げられる。
【0049】積層型感光体の場合、その電荷発生層に使
用される電荷発生物質としては例えばセレニウム及びそ
の合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、イン
ジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアン
トロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等
各種光導電材料で使用でき、特に有機顔料、更にフタロ
シアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの微粒子を
たとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラー
ル、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セ
ルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バイ
ンダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用
比率はバインダー樹脂100重量部に対して30〜50
0重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μ
m〜1μm、好ましくは0.15μm〜0.6μmが好
適である。
【0050】電荷発生物質としてフタロシアニン化合物
を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニン、
銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジ
ウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸
化物、ハロゲン化物等の配位したフタロシアニン類が使
用される。3価以上の金属原子への配位子の例として
は、上に示した酸素原子、塩素原子の他、水酸基、アル
コキシ基などがあげられる。特に感度の高いX型、τ型
無金属フタロシアニン、A型、B型、D型等のチタニル
フタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロイン
ジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適であ
る。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶
型のうち、A型、B型についてはW.Hellerらに
よってそれぞれI相、II相として示されており(Zei
t.Kristallogr.159(1982)17
3)、A型は安定型として知られているものである。特
に好ましく用いられるD型は、CuKα線を用いた粉末
X線回折において、回折角2θ±0.2°が27.3°
に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用い
ても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフ
タロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態
として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても
良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合
物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたも
のでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理
・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
【0051】電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質として
は、2,4,7−トリニトロフルオレノンなどの芳香族
ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化
合物、ジフェノキノン等のキノン類などの電子吸引性物
質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾ
ール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、
オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジア
ゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒ
ドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導
体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合
物が複数結合されたもの、あるいはこれらの化合物から
なる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供
与性物質が挙げられる。これらの中でもカルバゾール誘
導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチル
ベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複
数結合されたものが好ましく、芳香族アミン誘導体、ス
チルベン誘導体、ブタジエン誘導体の複数結合されてな
るものが好ましい具体的には、下記一般式(6)で表さ
れる構造を有するものが好ましく用いられる。
【0052】
【化15】
【0053】(一般式(6)中、Ar1〜Ar4は各々独
立して、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基
を有してもよい2価の複素環基を表す。Ar5、Ar
6は、m1=0、m2=0の時はそれぞれ、置換基を有し
てもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよい1価の複素環基を表し、m1
=1、m2=1の時はそれぞれ置換基を有してもよいア
ルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基又は置
換基を有してもよい2価の複素環基を表す。Qは直列結
合または2価の残基を表す。R1〜R8は各々独立して水
素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキ
ル基、置換基を有してもよい複素環基を表す、n1〜n4
は各々独立して0〜4の整数を表す。また、m1、m2
各々独立して0又は1を表す。また、Ar1〜Ar6は互
いに結合して環状構造を形成してもよい。)
【0054】一般式(6)中、R1〜R8は各々独立して
水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を
有していても良いアリール基、置換基を有していても良
いアラルキル基、置換基を有していても良い複素環基を
表すが、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等が挙げられ、これらの内炭素数1〜6
のアルキル基が好ましい。
【0055】また、アリール基としては、フェニル基、
トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙
げられ、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。ま
た、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基
等が挙げられ、炭素数7〜12のアラルキル基が好まし
い。
【0056】また、複素環基は、芳香族性を有する複素
環が好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル
基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。
また、R1〜R8において、最も好ましいものは、メチル
基及びフェニル基である。また、一般式(6)中、Ar
1〜Ar4は各々独立して、置換基を有していても良いア
リーレン基又は置換基を有していても良い2価の複素環
基を表し、Ar5、Ar6は、m1=0、m2=0の時はそ
れぞれ、置換基を有していても良いアルキル基、置換基
を有していても良いアリール基、置換基を有していても
良い1価の複素環基を表し、m1=1、m2=1の時はそ
れぞれ、置換基を有していても良いアルキレン基、置換
基を有していても良いアリーレン基又は置換基を有して
いても良い2価の複素環基を表すが、アリール基として
は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、
ピレニル基等が挙げられ、炭素数6〜14のアリール基
が好ましく;アリレーン基としては、フェニレン基、ナ
フチレン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましく;1
価の複素環基としては、芳香族性を有する複素環が好ま
しく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等が挙
げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましく;2価の複
素環基としては、芳香族性を有する複素環が好ましく、
例えばピリジレン基、チエニレン基等が挙げられ、単環
の芳香族複素環が更に好ましい。
【0057】これらの内、最も好ましいものは、Ar1
及びAr2はフェニレン基であり、Ar3はフェニル基で
ある。これらR1〜R8、Ar1〜Ar6で表される基の
内、アルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基
はさらに置換基を有していても良いが、その置換基とし
ては、シアノ基;ニトロ基;水酸基;フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピ
ルオキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチ
オ基等のアルキルチオ基;ビニル基、アリル基等のアル
ケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル
基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等の
アリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキ
シ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル
基等のアリール基;スチリル基、ナフチルビニル基等の
アリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシ
ル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアル
キルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ
基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフ
ェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジ
ルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ
基;ジアリルアミノ基、又、上記のアミノ基の置換基を
組み合わせたジ置換アミノ基等の置換アミノ基等が挙げ
られる。
【0058】また、これらの置換基は互いに結合して、
単結合、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、ビニ
リデン基、エチレニレン基等を介した環状炭化水素基や
複素環基を形成してもよい。これらの内好ましい置換基
としては、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素
数1〜6のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリール
オキシ基、炭素数6〜12のアリールチオ基、炭素数2
〜8のジアルキルアミノ基が挙げられ、ハロゲン原子、
炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基が更に好まし
く、メチル基、フェニル基が特に好ましい。
【0059】一般式(6)中、n1〜n4は各々独立して
0〜4の整数を表すが、0〜2が好ましく、1が最も好
ましい。m1、m2は0又は1を表すが、0が好ましい。
一般式(6)中、Qは、直接結合又は2価の残基を表す
が、2価の残基として好ましいものは、16族原子、置
換基を有しても良いアルキレン、置換基を有しても良い
アリーレン基、置換基を有しても良いシクロアルキリデ
ン基、またはこれらが互いに結合した、例えば[−O−
A−O−]、[−A−O−A−]、[−S−A−S
−]、[−A−A−]等が挙げられる(但し、Aは置換
基を有しても良いアリーレン基または置換基を有しても
良いアルキレン基を表す。)
【0060】Qを構成するアルキレン基としては、炭素
数1〜6のものが好ましく、中でもメチレン基及びエチ
レン基が更に好ましい。また、シクロアルキリデン基と
しては、炭素数5〜8のものが好ましく、中でもシクロ
ペンチリデン基及びシクロヘキシリデン基が更に好まし
い。アリーレン基としては、炭素数6〜14のものが好
ましく、中でもフェニレン基及びナフチレン基が更に好
ましい。
【0061】また、これらアルキレン基、アリーレン
基、シクロアルキリデン基は置換基を有してもよいが、
好ましい置換基としては、水酸基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基が
挙げられる。これら電荷輸送物質は単独で用いても良い
し、いくつかを混合して用いてもよい。これらの電荷輸
送物質がバインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形
成される。電荷輸送層は、単一の層から成っていても良
いし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ね
たものでも良い。
【0062】バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、
通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜20
0重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用
される。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは1
0〜45μmがよい。なお、電荷輸送層には成膜性、可
撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上
させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、電子吸引性化合物、レベリング剤などの添加物を含
有させても良い。
【0063】酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェ
ノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられ
る。分散型感光層の場合には、上記のような配合比の電
荷輸送媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。そ
の場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要
であり、好ましくは1μm以下より好ましくは0.5μ
m以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物
質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎる
と帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば
好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましく
は1〜20重量%の範囲で使用される。
【0064】感光層の膜厚は通常5〜50μm、より好
ましくは10〜45μmで使用される。またこの場合に
も成膜性、可撓性、機械的強度等を改良するための公知
の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定
性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレ
ベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイル、フ
ッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても良い。
感光層の上に、感光層の損耗を防止したり、帯電器等か
ら発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽
減する目的で保護層を設けても良い。
【0065】また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽
減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン
樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からな
る粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。これら
の感光体を構成する各層は、支持体上に浸漬塗布、スプ
レー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブ
レード塗布等により塗布して形成される。各層の形成方
法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散
させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法
が適用できる。
【0066】本発明の電子写真感光体を使用する複写機
・プリンター等の電子写真装置は、少なくとも帯電、露
光、現像、転写の各プロセスを含むが、どのプロセスも
通常用いられる方法のいずれを用いても良い。帯電方法
(帯電器)としては、例えばコロナ放電を利用したコロ
トロンあるいはスコロトロン帯電、導電性ローラーある
いはブラシ、フィルムなどによる接触帯電などいずれを
用いても良い。このうち、コロナ放電を利用した帯電方
法では暗部電位を一定に保つためにスコロトン帯電が用
いられることが多い。現像方法としては、磁性あるいは
非磁性の一成分現像剤、二成分現像剤などを接触あるい
は非接触させて現像する一般的な方法が用いられる。転
写方法としては、コロナ放電によるもの、転写ローラー
あるいは転写ベルトを用いた方法等いずれでもよい。転
写は、紙やOHP用フィルム等に対して直接行っても良
いし、一旦中間転写体(ベルト状あるいはドラム状)に
転写したのちに、紙やOHP用フィルム上に転写しても
良い。通常、転写の後、現像剤を紙などに定着させる定
着プロセスが用いられ、定着手段としては一般的に用い
られる熱定着、圧力定着などを用いることができる。こ
れらのプロセスのほかに、通常用いられるクリーニン
グ、除電等のプロセスを有しても良い。
【0067】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例によりさ
らに詳細に説明するが、本発明の要旨はこれらの実施例
によって限定されるものではない。 <ポリアリレート樹脂の製造> [粘度平均分子量]ポリアリレート樹脂をジクロロメタ
ンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調整した。
溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16
秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、20.0℃に
設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定し
た。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
【0068】
【数1】 a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1 b=100×ηsp/C C=6.00(g/L) η=b/a Mv=3207×η1.205
【0069】製造例1(実施例1のポリアリレート樹脂
Aの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.22g)とH2
O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.2976g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0898g)、ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチル
ビスフェノールF](16.64g)及び2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン[テトラメチルビスフェノールA](0.97g)の
順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応
槽に移した。
【0070】別途、テレフタル酸クロライド(14.0
9g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロ
ート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽
内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジ
クロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(2.38ml)、ジクロロメ
タン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹
拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水
酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行
い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行
い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行っ
た。洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注
いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的
のポリアリレート樹脂Aを得た。得られたポリアリレー
ト樹脂Aの粘度平均分子量は48,100であった。構
造式を以下に示す。
【0071】
【化16】
【0072】製造例2(実施例2のポリアリレート樹脂
Bの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.13g)とH2
O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.5235g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0897g)ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチルビ
スフェノールF](13.69g)及び2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン[テトラメチルビスフェノールA](3.80g)の
順に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応
槽に移した。
【0073】別途、テレフタル酸クロライド(13.9
3g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロ
ート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽
内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジ
クロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(2.35ml)、ジクロロメ
タン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹
拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水
酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行
い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行
い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行っ
た。洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注
いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥してポリ
アリレート樹脂Bを得た。得られたポリアリレート樹脂
Bの粘度平均分子量は27,300であった。構造式を
以下に示す。
【0074】
【化17】
【0075】製造例3(実施例3のポリアリレート樹脂
Cの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(6.99g)とH2
O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.5128g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0879g)、ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチル
ビスフェノールF](8.38g)及び2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン[テトラメチルビスフェノールA](9.3g)の順
に添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽
に移した。
【0076】別途、テレフタル酸クロライド(13.6
4g)をジクロロメタン(300ml)に溶解しml滴
下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反
応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよ
りジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに
3時間撹拌を続けた後、酢酸(2.30ml)、ジクロ
ロメタン(150ml)を加え30分撹拌した。その
後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.
1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を
2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を
2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回
行った。洗浄後の有機層と不溶物をメタノール(225
0ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、
乾燥して目的のポリアリレート樹脂Cを得た。得られた
ポリアリレート樹脂Cはの粘度平均分子量は28,50
0であった。構造式を以下に示す。
【0077】
【化18】
【0078】製造例4(比較例1のポリアリレート樹脂
Dの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH2
O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.5463g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.089g)およびビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチ
ルビスフェノールF](17.86g)の順に添加、撹
拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0079】別途、テレフタル酸クロライド(14.4
5g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロ
ート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽
内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジ
クロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(2.39ml)、ジクロロメ
タン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹
拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水
酸化ナトリウム水溶液(6000ml)にて洗浄を2回
行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回
行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行っ
た。洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注
いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的
のポリアリレート樹脂Dを得た。得られたポリアリレー
ト樹脂Dの粘度平均分子量は32,200であった。構
造式を以下に示す。
【0080】
【化19】
【0081】製造例5(比較例2のポリアリレート樹脂
Eの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.84g)とH2
O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.2023g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0593g)およびビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメ
チルビスフェノールF](11.91g)の順に添加、
撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移し
た。
【0082】別途、イソフタル酸クロライド(9.63
g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し滴下ロー
ト内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内
のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジク
ロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間
撹拌を続けた後、酢酸(1.6ml)、ジクロロメタン
(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌を
停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化
ナトリウム水溶液(450ml)にて洗浄を2回行い、
次に0.1N塩酸(450ml)にて洗浄を2回行い、
さらにH2O(450ml)にて洗浄を2回行った。洗
浄後の有機層をメタノール(1500ml)に注いで得
られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリ
アリレート樹脂Eを得た。粘度平均分子量測定のためジ
クロロメタン溶液を調整しようとしたところ、得られた
ポリアリレート樹脂Eは完全には溶解せず、不溶分が残
存したジクロロメタン溶液しか得られなかった。このた
め粘度平均分子量の測定は不可能であった。構造式を以
下に示す。
【0083】
【化20】
【0084】製造例6(比較例3のポリアリレート樹脂
Fの製造法) 製造例4中の、テレフタル酸クロライド量を7.22g
とし、更にイソフタル酸クロライド量を7.22gを使
用した以外は製造例1と同様に行った。得られたポリア
リレート樹脂Bの粘度平均分子量は37,900であっ
た。構造式を以下に示す。
【0085】
【化21】
【0086】製造例7(比較例4のポリアリレート樹脂
Gの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.51g)とH2
O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.33g)、ベンジルトリエチルアンモニウムク
ロライド(0.0567g)および2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン[テ
トラメチルビスフェノールA](11.99g)の順に
添加、撹拌した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に
移した。
【0087】別途、テレフタル酸クロライド(8.80
g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200m
l滴下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保
ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロ
ートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。
さらに3時間撹拌を続けた後、酢酸(1.49ml)、
ジクロロメタン(100ml)を加え30分撹拌した。
その後、撹拌を停止し有機層を分離した。この有機層を
0.1N水酸化ナトリウム水溶液(226ml)にて洗
浄を2回行い、次に0.1N塩酸(226ml)にて洗
浄を2回行い、さらにH2O(226ml)にて洗浄を
2回行った。洗浄後の有機層をメタノール(1500m
l)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥
して目的のポリアリレート樹脂Gを得た。得られたポリ
アリレート樹脂Gの粘度平均分子量は23,200であ
った。構造式を以下に示す。
【0088】
【化22】
【0089】製造例8(実施例4のポリアリレート樹脂
Hの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.27g)とH2
O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.2997g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0904g)、ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチル
ビスフェノールF](16.76g)及び2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノール
A](0.79g)の順に添加、撹拌した後、このアル
カリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0090】別途、テレフタル酸クロライド(14.1
9g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロ
ート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽
内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジ
クロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(2.4ml)、ジクロロメタ
ン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌
を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸
化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行
い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行
い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行っ
た。洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注
いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的
のポリアリレート樹脂Hを得た。得られたポリアリレー
ト樹脂Hの粘度平均分子量は47,500であった。構
造式を以下に示す。
【0091】
【化23】
【0092】製造例9(比較例5のポリアリレート樹脂
Iの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.91g)とH2
O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.2053g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0602g)およびビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメ
チルビスフェノールF](9.67g)及び2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノー
ルA](2.15g)の順に添加、撹拌した後、このア
ルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0093】別途、テレフタル酸クロライド(4.89
g)及びイソフタル酸クロライド(4.89g)をジク
ロロメタン(200ml)に溶解し200ml滴下ロー
ト内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内
のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジク
ロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時間
撹拌を続けた後、酢酸(1.62ml)、ジクロロメタ
ン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹拌
を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸
化ナトリウム水溶液(450ml)にて洗浄を2回行
い、次に0.1N塩酸(450ml)にて洗浄を2回行
い、さらにH2O(450ml)にて洗浄を2回行っ
た。洗浄後の有機層をメタノール(1500ml)に注
いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的
のポリアリレート樹脂Iを得た。得られたポリアリレー
ト樹脂Iの粘度平均分子量は38,100であった。構
造式を以下に示す。
【0094】
【化24】
【0095】製造例10(比較例6のポリアリレート樹
脂Jの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(5.84g)とH2
O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.2179g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0636g)および2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノール
A](12.83g)の順に添加、撹拌した後、このア
ルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0096】別途、テレフタル酸クロライド(10.3
7g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200
ml滴下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保
ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロ
ートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。
滴下と共に反応槽内には不溶物の析出が見られた。滴下
が進むにつれ不溶物の析出は増えていった。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(2.611ml)、ジクロロ
メタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、
撹拌を停止し有機層と不溶物を共に水槽から分離した。
この有機層と不溶物を0.1N水酸化ナトリウム水溶液
(450ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸
(450ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(4
50ml)にて洗浄を2回行った。洗浄後の有機層と不
溶物をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈
殿物を濾過にて取り出し、乾燥してポリアリレート樹脂
Jを得た。得られたポリアリレート樹脂Jはジクロロメ
タンには不溶であり、粘度平均分子量の測定は出来なか
った。構造式を以下に示す。
【0097】
【化25】
【0098】製造例11(比較例7のポリアリレート樹
脂Kの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(4.62g)とH2
O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.1987g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0583g)および1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン[ビスフェ
ノールZ](11.70g)の順に添加、撹拌した後、
このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0099】別途、テレフタル酸クロライド(9.46
g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200m
l滴下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保
ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロ
ートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。
滴下と共に反応槽内には不溶物の析出が見られた。滴下
が進むにつれ不溶物の析出は増えていった。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(1.386ml)、ジクロロ
メタン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、
撹拌を停止し有機層と不溶物を共に水槽から分離した。
この有機層と不溶物を0.1N水酸化ナトリウム水溶液
(450ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸
(450ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(4
50ml)にて洗浄を2回行った。洗浄後の有機層と不
溶物をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈
殿物を濾過にて取り出し、乾燥してポリアリレート樹脂
Kを得た。得られたポリアリレート樹脂Kはジクロロメ
タンには不溶であり、粘度平均分子量の測定は出来なか
った。構造式を以下に示す。
【0100】
【化26】
【0101】製造例12(実施例5のポリアリレート樹
脂Lの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH2
O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.2992g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0903g)、ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチル
ビスフェノールF](16.73g)及び3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ−
1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラメ
チル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオ
ール}](0.83g)の順に添加、撹拌した後、この
アルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0102】別途、テレフタル酸クロライド(14.1
7g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロ
ート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽
内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジ
クロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(2.39ml)、ジクロロメ
タン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹
拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水
酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行
い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行
い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行っ
た。洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注
いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的
のポリアリレート樹脂Lを得た。得られたポリアリレー
ト樹脂Lの粘度平均分子量は61,900であった。構
造式を以下に示す。
【0103】
【化27】
【0104】製造例13(実施例6のポリアリレート樹
脂Mの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.30g)とH2
O(600ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.3008g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0908g)、ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチル
ビスフェノールF](14.16g)及び3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ−
1,1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラメ
チル−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオ
ール}](3.35g)の順に添加、撹拌した後、この
アルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
【0105】別途、テレフタル酸クロライド(14.2
4g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し滴下ロ
ート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽
内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジ
クロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(2.41ml)、ジクロロメ
タン(150ml)を加え30分撹拌した。その後、撹
拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水
酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗浄を2回行
い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗浄を2回行
い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を2回行っ
た。洗浄後の有機層をメタノール(2250ml)に注
いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的
のポリアリレート樹脂Mを得た。得られたポリアリレー
ト樹脂Mの粘度平均分子量は48,300であった。構
造式を以下に示す。
【0106】
【化28】
【0107】製造例14(比較例8のポリアリレート樹
脂Nの製造法) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(5.01g)とH2
O(400ml)を秤取り、窒素バブリングしながら撹
拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノー
ル(0.2065g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.0623g)および3,3′,5,
5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ−1,
1′−ビフェニル[3,3′,5,5′−テトラメチル
−{(1,1′−ビ−フェニル)−4,4′−ジオー
ル}](11.49g)の順に添加、撹拌した後、この
アルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
【0108】別途、テレフタル酸クロライド(9.77
g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200m
l滴下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保
ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロ
ートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。
滴下と共に反応槽内には不溶物の析出が見られた。滴下
が進むにつれ不溶物の析出は増えていった。さらに3時
間撹拌を続けた後、酢酸(1.65ml)、ジクロロメ
タン(100ml)を加え30分撹拌した。その後、撹
拌を停止し有機層と不溶物を共に水槽から分離した。こ
の有機層と不溶物を0.1N水酸化ナトリウム水溶液
(450ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸
(450ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(4
50ml)にて洗浄を2回行った。洗浄後の有機層と不
溶物をメタノール(1500ml)に注いで得られた沈
殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリアリレー
ト樹脂Nを得た。得られたポリアリレート樹脂Nはジク
ロロメタンには不溶であり、粘度平均分子量の測定は出
来なかった。構造式を以下に示す。
【0109】
【化29】
【0110】<感光体の製造> 実施例1 下記構造を有するβ型オキシチタニウムフタロシアニン
10重量部を、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−
2 150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉
砕分散処理を行った。
【0111】
【化30】
【0112】また、ポリビニルブチラール(電気化学工
業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)の
5% 1,2−ジメトキシエタン溶液100部及びフェ
ノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKH
H)の5% 1,2−ジメトキシエタン溶液100部を
混合してバインダー溶液を作製した。先に作製した顔料
分散液160重量部に、バインダー溶液100重量部、
適量の1,2−ジメトキシエタンを加え最終的に固形分
濃度4.0%の分散液を調製した。この様にして得られ
た分散液を表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に膜厚が0.4μmになるように塗布
して電荷発生層を設けた。次にこのフィルム上に、次に
示す正孔輸送性化合物[1]60重量部、
【0113】
【化31】
【0114】および製造例1で製造した粘度平均分子量
23,200のポリアリレート樹脂A100重量部、お
よびレベリング剤としてシリコーンオイル0.03重量
部をテトラヒドロフラン、トルエンの混合溶媒(テトラ
ヒドロフラン80wt%、トルエン20wt%)640
重量部に溶解させた液を塗布し、125℃で20分間乾
燥し、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸送層
を設けた。このときポリアリレート樹脂Aのテトラヒド
ロフラン、トルエン混合溶媒に対する溶解性は良好であ
った。また、この塗布溶液は室温で一ケ月放置後も固化
等の変化は見られなかった。これら溶解性及び溶液安定
性の結果を表1に示す。
【0115】実施例2〜6、比較例1〜8 実施例1中のポリアリレート樹脂を、各製造例で製造し
たポリアリレート樹脂を用いて、実施例1と同様の操作
を行った。これら溶解性及び溶液安定性の結果を表1に
示す。得られた各感光体については以下の評価を行っ
た。
【0116】[摩擦試験]トナーを上記で作成した感光
体の上に0.1mg/cm2となるよう均一に乗せ接触
させる面にクリーニングブレードと同じ材質のウレタン
ゴムを1cm幅に切断したものを用い45度の角度で用
い、荷重200g、速度5mm/sec、ストローク2
0mmでウレタンゴムを100回移動させたときの10
0回目の動摩擦係数を協和界面化学(株)社製全自動摩
擦摩耗試験機DFPM−SSで測定した。結果を表1に
示す。
【0117】[摩耗試験]感光体フィルムを直径10c
mの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)
により、摩耗評価を行った。試験条件は、23℃、50
%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重
なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試
験前後の重量を比較することにより測定した。結果を表
1に示す。
【0118】[電気特性]電子写真学会測定標準に従っ
て作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の
基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−40
5頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラ
ムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感
光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラム
を一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電
のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、
初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除
電は660nmの単色光を用い、780nmの光を2.
4μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)を測定
した。VL測定に際しては、露光−電位測定に要する時
間を139msとした。測定環境は、温度25℃、相対
湿度50%(VL:NN)及び、温度5℃、相対湿度1
0%(VL:LL)下で行った。この表面電位(VL)
の値の絶対値が小さいほど応答性がよいことを示す。結
果を表1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】以上の結果より、特定構造のポリアリレー
ト樹脂は、非ハロゲン系溶媒にも高い溶解性及び溶液安
定性を示し、これを用いることにより、機械物性、耐磨
耗性、滑り性が優れ、且つ電気特性、特に応答性に優れ
た電子写真感光体が得られることがわかる。
【0121】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体樹脂は、特定構
造のポリアリレート樹脂を用いることにより、十分な機
械的特性を有し、非ハロゲン系溶媒にも高い溶解性を有
し、且つ電気特性、特に応答性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/06 372 G03G 5/06 372 (72)発明者 三森 光幸 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 藤井 章照 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 臨 護 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA19 AA20 BA12 BA13 BA16 BA21 BA39 BB27 BB52

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくとも感光層を有す
    る電子写真感光体において、該感光層の結着樹脂が、下
    記一般式(1)で表されるポリアリレート構造を含有す
    るものであることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (一般式(1)中、Xは下記式(2)で表される構造を
    除く、芳香族環を有する2価の有機基を示す。また、m
    およびnは、1>m/(m+n)≧0.5を満たす値で
    ある。) 【化2】
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、m及びnが、
    0.99≧m/(m+n)≧0.8である請求項1に記
    載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中、Xは下記一般式(3)
    で表される、置換基を有していてもよい芳香族環を少な
    くとも一つ以上有する2価の有機基である請求項1又は
    2に記載の電子写真感光体。 【化3】 (一般式(3)中、R1、R2はそれぞれ独立に、炭素数
    1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル
    基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6以上2
    0以下の置換されていてもよい芳香族基を示す。pは0
    又は1であり、q、rはそれぞれ0〜4の整数である。
    Yは単結合、下記一般式(4)で示される2価の有機
    基、−O−、−S−、−CO−、−SO2−もしくは−
    (CH2s−のいずれかを表す。sは2〜5の整数であ
    る。) 【化4】 (一般式(4)中、R3及びR7はそれぞれ独立に、炭素
    数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ
    ル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6以上
    20以下の置換されていてもよい芳香族基を示す。ま
    た、R4、R5及びR 6はそれぞれ独立に、水素原子、炭
    素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキ
    シル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6以
    上20以下の置換されてもよい芳香族基を示す。またR
    3とR4、R5とR6はお互いに結合して環を形成してもよ
    い。tは0以上の整数であり、uは0〜4の整数であ
    る。)
  4. 【請求項4】 一般式(1)中、Xは下記一般式(5)
    で表される置換基を有していてもよい芳香族環を2つ有
    する2価の有機基である請求項1〜3のいずれかに記載
    の電子写真感光体。 【化5】 (一般式(5)中、R8〜R15はそれぞれ独立に、水素
    原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の
    アルコキシル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、炭
    素数6〜20の置換されていてもよい芳香族基を示す。
    Yは単結合、もしくは−CHR16−、−CR1718−の
    いずれかを示す。R16、R17及びR18は炭素数1〜10
    のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ハロ
    ゲン、ハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20の置換さ
    れてもよい芳香族基を示す。)
  5. 【請求項5】 一般式(5)中、R8〜R15はそれぞれ
    独立に、水素原子もしくは、炭素数1〜10のアルキル
    基であり、Yは単結合、もしくは−CR17 18−のいず
    れかを表し、R17及びR18は炭素数1〜10のアルキル
    基である請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 一般式(5)中、R8〜R15はそれぞれ
    独立に、水素原子もしくは、メチル基であり、Yは単結
    合、もしくは−CR1718−のいずれかを表し、R17
    びR18はメチル基であることを特徴とする、請求項5に
    記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で示されるポリアリレート
    構造を有する樹脂の、粘度平均分子量が15,000〜
    100,000である請求項1〜6のいずれかに記載の
    電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 電荷輸送物質として、カルバゾール誘導
    体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベ
    ン誘導体、ブタジエン誘導体、及びこれらの誘導体が複
    数結合したものからなる群から選ばれる少なくとも一種
    を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感
    光体。
  9. 【請求項9】 電荷輸送物質が、芳香族アミン誘導体、
    スチルベン誘導体及びブタジエン誘導体が複数結合して
    なるものである請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 電荷輸送物質が、下記一般式(6)で
    表される構造を有するものを含有する請求項8または9
    に記載の電子写真感光体。 【化6】 (一般式(6)中、Ar1〜Ar4は各々独立して、置換
    基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよ
    い2価の複素環基を表す。Ar5、Ar6は、m1=0、
    2=0の時はそれぞれ、置換基を有してもよいアルキ
    ル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有し
    てもよい1価の複素環基を表し、m1=1、m2=1の時
    はそれぞれ置換基を有してもよいアルキレン基、置換基
    を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよい
    2価の複素環基を表す。Qは直接結合または2価の残基
    を表す。R19〜R26は各々独立して水素原子、置換基を
    有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリー
    ル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有
    してもよい複素環基を表す、n1〜n4は各々独立して0
    〜4の整数を表す。また、m1、m2は各々独立して0又
    は1を表す。また、Ar1〜Ar6は互いに結合して環状
    構造を形成してもよい。)
  11. 【請求項11】 感光層が、電荷発生物質として、Cu
    Kα線を用いた粉末X線回折において回折角2θ±0.
    2°が27.3°に主たるピークを有するオキシチタニ
    ウムフタロシアニンを含有する請求項1〜10のいずれ
    かに記載の電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004013068A (ja) * 2002-06-11 2004-01-15 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
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JP2010266532A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた電子写真方法、電子写真装置及びプロセスカートリッジ
US8404412B2 (en) 2005-12-02 2013-03-26 Mitsubishi Chemical Corporation Electrophotographic photoreceptor, and image forming apparatus

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