JP2005266759A - 湿式現像用電子写真感光体、電子写真感光体、湿式現像用画像形成装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた湿式現像用電子写真感光体及び電子写真感光体等であって、結着樹脂として、下記一般式(1)及び一般式(2)、あるいはいずれか一方で表されるポリカーボネート樹脂を含む。
(一般式(1)及び(2)中の複数のR1〜R6は、それぞれ独立しており、水素、アルキル基等であり、かつ、m/(m+n)で表されるモル比が0.05〜0.6の範囲内の値である。)
【選択図】なし
Description
しかしながら、従来の湿式現像用電子写真感光体は、アイソパー(商品名)と呼ばれる液体現像剤に含まれる炭化水素系溶媒によって、短時間に浸されやすいという問題が見られた。
また、結着樹脂として、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノンから成る構造を構造単位として含む共重合ポリカーボネート樹脂が提案されている(例えば、特許文献3)。
また、特許文献3に記載された積層型電子写真感光体は、専ら乾式現像用電子写真感光体用途への使用を考慮しており、湿式現像用電子写真感光体として用いることについてはなんら言及されていなかった。
そこで、本発明者らは、結着樹脂中に、高価なシロキサン構造を導入しなくとも、あるいは、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノンから成る構造を構造単位として含む共重合ポリカーボネート樹脂であっても、正孔輸送剤との間の相溶性に優れているとともに、かかる正孔輸送剤の溶出量を著しく低下させることができるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、結着樹脂中に、高価なシロキサン構造を導入しなくとも、あるいは、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノンから成る構造を構造単位として含む共重合ポリカーボネート樹脂であっても、耐磨耗性や耐久性を向上できるという事実を見出した。さらに、このような特定の結着樹脂と特定の構造を有する正孔輸送剤とを組み合わせることにより、耐久性及び感度特性を向上できるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、耐溶剤性や耐久性に著しく優れ、製造コストが安価な湿式現像用電子写真感光体、そのような湿式現像用電子写真感光体を備えた画像形成装置、耐磨耗性に優れた電子写真感光体、及びそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
結着樹脂として、下記一般式(1)及び一般式(2)、あるいはいずれか一方で表される共重合ポリカーボネート樹脂を含むとともに、
正孔輸送剤として、トリフェニルアミン構造又はエナミン構造を有するスチルベン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体である。
さらに、本発明の電子写真感光体によれば、正孔輸送剤が、特定のアミン構造を含むことにより、一般式(1)及び一般式(2)で表される共重合ポリカーボネート樹脂との間の相溶性がさらに良好になり、また、電荷発生剤からの正孔の注入効率が高くなることから、耐久性や感度特性により優れた電子写真感光体を提供することができる。
第1の実施形態は、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、結着樹脂として、下記一般式(1)及び一般式(2)、あるいはいずれか一方で表される共重合ポリカーボネート樹脂を含む湿式現像用電子写真感光体である。
ただし、特に正負いずれの帯電性にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であること、感光体層を形成する際の被膜欠陥を抑制できることから、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の理由から、単層型に適用することがより好ましい。
(1)基本的構成
図1(a)に示すように、単層型感光体10は、導電性基体12上に単一の感光体層14を設けたものである。
この感光体層は、例えば、一般式(1)や一般式(2)で表される結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、さらに必要に応じて電子輸送剤、レベリング剤等を適当な溶媒に溶解又は分散させ、得られた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。かかる単層型感光体は、単独の構成で正負いずれの帯電型にも適用可能であるとともに、層構成が簡単であって、生産性に優れているという特徴がある。
(2)−1 種類
電荷発生剤等を分散させるための結着樹脂としては、上述したように、一般式(1)及び一般式(2)、あるいはいずれか一方で表される共重合ポリカーボネート樹脂を使用することを特徴とする。
この理由は、かかる共重合ポリカーボネート樹脂であれば、シロキサン構造等を導入することなく、炭化水素系溶媒に対して難溶であるとともに、撥油性も高いためである。その結果、感光体層表面と前述の炭化水素系溶媒との相互作用が小さくなって、長期間にわたって、感光体層表面の外観変化が少なくなるためである。
また、一般式(1)及び一般式(2)、あるいはいずれか一方で表される共重合ポリカーボネート樹脂のうち、R5がメチル基であって、R6が水素原子又はエチル基であるか、R5が水素原子であって、R6がエチル基であることが好ましい。
この理由は、R5及びR6が特定置換基であるポリカーボネート樹脂であることより、正孔輸送剤との間の相溶性がさらに良好になって、現像液として使用される炭化水素系溶媒に長時間浸漬した場合であっても、正孔輸送剤の溶出量が極めて少ない湿式現像用電子写真感光体を提供することができるためである。
また、一般式(1)及び一般式(2)で表される共重合ポリカーボネート樹脂の具体例としては、例えば、下記式(5)〜(11)で示される化合物(Resin−1〜Resin−7)が挙げられる。
(3)−1 種類
正孔輸送剤の種類は特に制限されるものではないが、例えば、分子末端に一般式(3)及び一般式(4)で表されるアミン構造を含むことが好ましい。
より具体的には、下記一般式(12)で表されるエナミン構造を含むスチルベン化合物や、下記一般式(13)で表されるトリフェニルアミン構造を含むスチルベン化合物を使用することが好ましい。
この理由は、分子内の所定箇所に特定のエナミン構造や、トリフェニルアミン構造を導入したスチルベン化合物を使用することにより、アイソパー(商品名)等に代表されるパラフィン系溶剤に対する耐溶剤性を著しく向上させることができるためである。したがって、湿式現像用電子写真感光体により、長期間にわたって安定した画像形成を実施することができる。
また、このような特定構造を分子末端に導入したスチルベン化合物を使用することにより、感度特性をさらに向上できるばかりでなく、機械的特性や成膜性についても向上することができるためである。
なお、正孔輸送剤の分子量、及び後述する電子輸送剤の分子量は、構造式をもとに算出することもできるし、あるいはマススペクトルを用いて測定することができる。
一般式(12)で表される分子末端にエナミン構造を有するスチルベン誘導体の一例として、例えば、下記式(14)で示される化合物(HTM−1)が挙げられる。
正孔輸送剤の添加量に関し、結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が80重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を30〜70重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(4)−1 種類
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、電子輸送剤をさらに含むことが好ましく、かかる電子輸送剤の種類としては、ナフタレンカルボン酸ジイミド誘導体、ナフトキノン誘導体、及びアゾキノン誘導体からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電子輸送剤として、特定の化合物を使用することにより、電子受容性に優れており、感度特性や耐溶剤性に優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができるためである。
また、電子輸送剤の選択にあたり、I/O値を0.6以上とすることが好ましい。
この理由は、かかる電子輸送剤のI/O値を特定範囲に制限することにより、電子輸送剤の無機性を増加させ、有機性溶媒である炭化水素系溶剤に対して、優れた耐溶剤性が得られるためである。ただし、かかるI/O値の値が過度に大きくなると、溶剤及び結着樹脂に対する溶解性が低下する場合がある。
したがって、電子輸送剤のI/O値を0.6〜1.7の範囲内の値とすることがより好ましく、0.7〜1.5の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、具体的に、電子輸送剤の無機性値(I値)を240〜900の範囲内の値、有機性値(O値)を240〜1000の範囲内の値とすることが好ましい。
この場合において、無機性値(I値)とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基あるいは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値とは、該化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
一方、有機性値(O値)とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。すなわち、直鎖飽和炭化水素の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることに沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に、炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基準として、各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値である。例えば、ニトロ基(−NO2)の有機性値は70である。従って、ある種の有機化合物の有機性値とは、該化合物が有している各種置換基や結合等の総和を意味する。
したがって、一例として、後述する式(26)で表される電子輸送剤(ETM−B)で表されるナフトキノン誘導体のI/O値は、以下のように算出される。
すなわち、かかる化合物は、炭素原子(有機性20)を23個有し、ニトロ基(有機性70)を1個有しており、有機性値は20×23+70=530となる。また、ナフタレン環(無機性60)を1個有し、ベンゼン環(無機性15)を2個有し、ケトン基(無機性65)を3個有し、ニトロ基(無機性70)を1個有していることから、無機性値は60×1+15×2+65×3+70=355となる。したがって、かかる化合物のI/O値は、355/530=0.6698となる。
これらの電子輸送剤の具体例として、下記式(25)〜(30)で表される化合物(ETM−1〜ETM−6)が挙げられる。
また、これらの化合物のうち、樹脂60重量%に対して、濃度40重量%に調整した場合であって、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である電子輸送剤がより好ましい。
また、湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂100重量部に対して、電子輸送剤の添加量を、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる複数の電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、かかる全ETM/全HTMの比率がかかる範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。
したがって、かかる全ETM/全HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
(5)−1 種類
本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型又はx型)、チタニルフタロシアニン(α型又はY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、及びクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤及び電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性及び安定性等がより優れた湿式現像用電子写真感光体を提供することができるためである。
これらの電荷発生剤のうち、具体的に、下記式(31)〜(34)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−1〜CGM−4)を使用することがより好ましい。
また、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電荷発生剤の添加量が0.2重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、かかる複数の電荷発生剤の添加量が40重量部を超えた値になると、赤色及び赤外ないし近赤外領域に吸収波長を有する光に対する吸光係数が低下して、感光体の感度、電気特性、安定性等がそれに伴い低下する場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、感光体層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光体層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
また、単層型感光体における感光体層の厚さは、通常、5〜100μmの範囲内の値であり、好ましくは10〜50μmの範囲内の値である。
そして、このような感光体層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、これらの金属が蒸着又はラミネートされたプラスチック材料、カーボンブラック等の導電性微粒子が分散されてなるプラスッチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
また、単層型の構成に関して、図1(b)に示すように、導電性基体12と感光層14との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層16が形成されている感光体10´でもよい。また、図1(c)に示すように、感光層14の表面には、保護層18が形成されている感光体10´´でもよい。
単層型感光体を製造するにあたり、結着樹脂と、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、を溶媒に添加して、分散混合し、塗布液とする。すなわち、単層型感光体を塗布方法により形成する場合には、例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
より具体的には、固形分濃度が10〜30重量%の塗布液を作成することが好ましい。この理由は、塗布液の固形分濃度は10重量%未満の値になると、被膜欠陥を生じるおそれがあるためであり、一方、塗布液の固形分濃度は30重量%を超えると、層むらが生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合があるためである。
また、塗布液を作るための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル,ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。また、これらの溶剤は1種単独又は2種以上を混合して用いられる。
さらに、塗布液中に、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性や感光体層表面の平滑性を良好なものとするために、界面活性剤やレベリング剤等を添加してもよい。
(1)基本的構造
図2(a)に示すように、積層型感光体20は、導電性基体12上に、蒸着又は塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、正孔輸送剤としてスチルベン誘導体等の少なくとも1種と、結着樹脂とを含む塗布液を塗布し、乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製される。
また、上記構造とは逆に、図2(b)に示すように、導電性基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成している感光体20´でもよい。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図2(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
第2の実施形態は、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む単層型感光体層を備えた電子写真感光体であって、
結着樹脂として、下記一般式(1)及び一般式(2)、あるいはいずれか一方で表される共重合ポリカーボネート樹脂を含むとともに、
正孔輸送剤として、トリフェニルアミン構造又はエナミン構造を有するスチルベン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体である。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
第2の実施形態の電子写真感光体に使用される結着樹脂としては、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができる。ただし、より好ましい結着樹脂として、一般式(1)及び一般式(2)におけるR5と、R6とが連結して、シクロヘキシリデン基又はシクロペンチリデン基を形成していることが好ましい。
この理由は、R5と、R6とが連結した特定のシクロ環構造を有するポリカーボネート樹脂であることにより、さらに耐磨耗性や耐久性に優れるとともに、特定の正孔輸送剤との相溶性に優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
また、第2の実施形態の電子写真感光体に使用される正孔輸送剤としては、トリフェニルアミン構造又はエナミン構造を有するスチルベン化合物である限り、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができる。
すなわち、正孔輸送剤として、特定のアミン構造を有するスチルベン化合物を含むことにより、一般式(1)及び一般式(2)で表される共重合ポリカーボネート樹脂との間の相溶性が良好になり、また、電荷発生剤からの正孔の注入効率が高くなることから、耐久性や感度特性に優れた電子写真感光体を提供することができる。
第2の実施形態の電子写真感光体に使用される電子輸送剤としては、高い電子輸送能を有する種々の化合物として、ジフェノキノン誘導体、スチルベンキノン誘導体、ジナフトキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アゾキノン誘導体等が挙げられる。したがって、第1の実施形態に例示した化合物も使用することができるが、例えば、下記一般式(51)〜(63)で表される化合物が好適例として挙げられる。
第2の実施形態の電子写真感光体に使用される正孔輸送剤としては、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができるため、ここでの説明を省略する。
第2の実施形態における電子写真感光体の構造としては、導電性基材の周囲に、単層型感光体層を備えた電子写真感光体であれば特に制限されるものでない。
したがって、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができるため、ここでの説明を省略する。
第2の実施形態の単層型感光体層を備えた電子写真感光体の製造方法としては、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができるため、ここでの説明を省略する。
第3の実施形態は、第1の実施形態の湿式現像用電子写真感光体(以下、単に、感光体と称する場合がある。)を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶媒にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とした湿式現像用画像形成装置である。なお、この湿式現像用画像形成装置の例では、電子写真感光体として、単層型感光体を用いた場合を想定して説明する。
また、感光体31は、矢印の方向に一定速度で回転しており、感光体31の表面で、次の順に電子写真プロセスが行われることになる。より詳細には、帯電器32により、感光体31が全面的に帯電され、次いで、露光光源33によって、印字パターンが露光される。次いで、湿式現像器34によって、印字パターンに対応して、トナー現像され、さらに、転写器35によって、転写材(紙)36へのトナーの転写が行われる。そして、最後に、感光体31に残った余分なトナーに対して、クリーニングブレード37による掻き落としが行われるとともに、除電光源38によって、感光体31の除電が行われることになる。
そして、感光体31において、特定のアミン構造体を有する正孔輸送剤料を使用することにより、耐溶剤性や感度特性に優れた単層型の湿式現像用電子写真感光体が得られ、長時間にわたって、優れた画像特性を維持することができる。
第4の実施形態は、第2の実施形態の電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、非液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とした画像形成装置である。
すなわち、第4の実施形態の画像形成装置を用いて、画像形成方法を実施するにあたり、図4に示すような画像形成装置である複写機130を好適に使用することができる。かかる複写機130は、画像形成ユニット131、排紙ユニット132、画像読取ユニット133、及び原稿給送ユニット134を備えている。また、画像形成ユニット131には、画像形成部131a及び給紙部131bがさらに備えられている。そして、図示された例では、原稿給送ユニット134は、原稿載置トレイ134a、原稿給送機構134b、及び原稿排出トレイ134cを有しており、原稿載置トレイ134a上に載置された原稿は、原稿給送機構134bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ134cに排出される。
一方、給紙部131bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部131aに送られる。この画像形成部131aには、像担持体である感光体ドラム141が備えられており、さらに、この感光体ドラム141の周囲には、帯電器142、露光器143、現像器144、及び転写ローラ145、並びにクリーニング装置146が、感光体ドラム141の回転方向に沿って配置されている。
そして、上述したように転写が行われた後、感光体ドラム141に残留する残留トナー(及び紙粉)については、クリーニング装置146で除去される。すなわち、感光体ドラム141がクリーニングされる一方、残留トナーについては、廃トナーコンテナ(図示せず)に回収されることになる。
(1)湿式現像用電子写真感光体の作成
電荷発生剤として、式(31)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−1)を4重量部と、正孔輸送剤として、式(15)で表されるスチルベン誘導体(HTM−2)を40重量部と、電子輸送性剤料として、式(25)で表されるナフトキノン誘導体(ETM−1)を50重量部と、結着樹脂として、式(5)で表されるポリカーボネート樹脂であって、分子量が50,000である共重合体ポリカーボネート樹脂(Resin−1)を100重量部、レベリング剤としてのジメチルシリコーンオイルであるKF−96−50CS(信越化学工業製)を0.1重量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン750重量部と、を収容した後、超音波分散機にて、1時間混合分散させ、塗布液を作成した。
得られた塗布液を、直径30mm、長さ254mmの導電性基材(アルマイト処理済みアルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布した。その後、140℃、20分間の条件で熱風乾燥して、膜厚22μmの単層型感光体層を有する湿式現像用電子写真感光体を得た。
なお、共重合ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、オストワルド粘度計によって、極限粘度[η]を求め、Schnellの式によって、[η]=1.23×10-4M0.83より算出した。
(2)−1 感度測定
得られた湿式現像用電子写真感光体における明電位を測定した。すなわち、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、700Vになるように帯電させ、次いで、ハロゲンランプの光からハンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:1.0μJ/cm2)を露光した。露光後330msec経過後の電位を測定し、初期感度とした。
また、得られた湿式現像用電子写真感光体全体を、湿式現像の現像液として使用されるアイソパーL(イソパラフィン系溶剤)に、温度25℃、2000時間の条件で浸漬した。その後、アイソパー液から湿式現像用電子写真感光体を取り出し、感度を同様に測定し、初期感度とアイソパー浸漬後の感度の差を算出した。
得られた単層型湿式現像用電子写真感光体を、その感光層の全面が浸るように、500mlのアイソパーL(商品名)に、温度25℃、2000時間の条件で浸漬させた。一方、正孔輸送剤の濃度を変えて、アイソパーL中に溶解させた。その状態で紫外線吸収ピーク波長における吸光度を測定し、正孔輸送剤に関する濃度−吸光度検量線を予め作成した。次いで、アイソパーLに浸漬した湿式現像用電子写真感光体について、紫外線吸収測定を行い、検量線に照らして、正孔輸送剤の紫外線吸収ピーク波長における吸光度から、正孔輸送剤の溶出量を算出した。得られた結果を表2に示す。
また、耐溶剤性評価後の湿式現像用電子写真感光体の外観を目視にてクラックの発生の有無を観察し、下記基準に準じて外観評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
◎:外観変化が全く見られない。
○:顕著な外観変化は見られない。
△:外観変化が少々見られる。
×:顕著な外観変化が見られる。
実施例2では、実施例1の塗布膜中に、電荷発生剤として式(31)で表される無金属フタロシアニン(CGM−1)のかわりに、式(32)〜(34)で表される電荷発生剤(CGM−2〜CGM−4)をそれぞれ添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例5及び6では、実施例1で使用した正孔輸送剤としての式(15)で表されるスチルベン誘導体(HTM−2)のかわりに、式(14)で表されるスチルベン化合物(HTM−1)、及び式(16)で表されるスチルベン化合物(HTM−3)をそれぞれ添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例7〜11では、実施例1で使用した電子輸送剤としての式(25)で表されるナフトキノン誘導体(ETM−1)のかわりに式(26)〜(30)で表される化合物(ETM−2〜ETM−6)をそれぞれ添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例12〜14では、実施例1で使用した式(5)で表される結着樹脂(Resin−1)のかわりに、式(6)〜(8)で表される化合物(Resin−2〜Resin−4)をそれぞれ添加したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して、評価した。
実施例15では、実施例1で使用した式(15)で表されるスチルベン誘導体(HTM−2)のかわりに、式(20)で表されるスチルベン誘導体(HTM−7)をそれぞれ添加したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して、評価した。
また、比較例1及び2では、実施例1で使用した式(5)で表される結着樹脂(Resin−1)のかわりに、式(76)及び(77)で表される化合物(Resin−12及びResin−13)をそれぞれ添加したほかは、実施例1と同様に、単層型の湿式現像用電子写真感光体を作成して、評価した。
1.電子写真感光体の作成
電荷発生剤として、式(31)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−1)を2.5重量部と、正孔輸送剤として、式(45)で表されるスチルベン誘導体(HTM−12)を50重量部と、電子輸送剤として、式(64)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(ETM−7)を40重量部と、結着樹脂として、式(35)で表される粘度平均分子量50,000の共重合ポリカーボネート樹脂(Resin−8)を100重量部と、レベリング剤としてのジメチルシリコーンオイルであるKF−96−50CS(信越化学工業製)を0.1重量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン750重量部を収容した後、超音波分散機を用いて1時間混合分散して、単層型感光体層用の塗布液を作成した。得られた塗布液を、導電性基材(アルマイト加工済みアルミニウム素管 直径78mm、長さ344mm)上に、ディップコート法にて塗布し、140℃、20分間の条件で熱風乾燥して、膜厚30μmの単層型感光体層を有する電子写真感光体を得た。
(1) 感度測定
得られた電子写真感光体の感度特性を評価した。すなわち、得られた電子写真感光体をドラム試験機(GENTEC社製)を用いて、700Vになるように帯電させ、次いで、ハロゲンランプの光からハンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:16μW/cm2)を露光(照射時間:80msec)した。そして、露光開始から330msec経過した時点での電位を測定し、初期感度とした。
得られた電子写真感光体を京セラミタ製KM−4530改造機に搭載し、初期帯電を700Vに設定した。その後、A4紙(横型)の単発コピーを30,000枚行い、初期と印字後の電子写真感光体の膜厚差より摩耗量(μm)を得た。
実施例17では、実施例16で使用した、式(35)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−8)のかわりに、式(36)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−9)を使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例18では、実施例16で使用した、式(35)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−8)のかわりに、式(5)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−1)を使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例19、21では、実施例16で使用した、式(35)で表されるポリカーボネート樹脂V(Resin−8)のかわりに、式(6)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−2)、式(7)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−3)をそれぞれ使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例21〜33では、実施例16で使用した、式(64)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(ETM−7)のかわりに、式(65)〜(75)、(29)、(25)で表される電子輸送剤(ETM−8〜18、5、1)をそれぞれ使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例34〜41では、実施例16で使用した、式(45)で表されるスチルベン誘導体(HTM−12)のかわりに、式(24)、(46)〜(48)、(15)、(20)、(49)、(50)で表される正孔輸送剤(HTM−11、13〜15、2、7、16、17)をそれぞれ使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例42では、実施例16で使用した、式(31)で表される無金属フタロシアニン(X型)(CGM−1)のかわりに、式(32)で表されるチタニルフタロシアニン(Y型)(CGM−2)を2.5重量部添加し、さらに下記式(78)で表される分散補助剤(C.IPigmentOrange16)を2重量部使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例43では、実施例16で使用した、式(31)で表される無金属フタロシアニン(X型)(CGM−1)のかわりに、式(32)で表されるチタニルフタロシアニン(α型)(CGM−2)を使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例44、45では、実施例16で使用した、式(31)で表される無金属フタロシアニン(X型)(CGM−1)のかわりに、式(33)及び(34)で表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)及びクロロガリウムフタロシアニン(CGM−3、4)をそれぞれ添加したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
比較例3、4では、実施例16で使用した、式(5)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−1)のかわりに、下記式(79)及び(77)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−14、13)をそれぞれ使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
比較例5、6では、実施例16で使用した、式(14)で表されるスチルベン誘導体(HTM−1)のかわりに、下記式(80)及び(81)で表される化合物(HTM−18、19)をそれぞれ使用したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例46〜50では、実施例16で使用した、式(35)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−8)のかわりに、式(37)、(38)、(8)〜(10)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−10、11、4〜6)をそれぞれ添加したほかは、実施例16と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例51〜63では、実施例46で使用した、式(64)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(ETM−7)のかわりに、式(65)〜(75)、(29)、(25)で表される電子輸送剤(ETM−8〜18、5、1)をそれぞれ使用したほかは、実施例46と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例64〜71では、実施例46で使用した、式(45)で表されるスチルベン誘導体(HTM−12)のかわりに、式(24)、(46)〜(48)、(15)、(20)、(49)、(50)で表される正孔輸送剤(HTM−11、13〜15、2、7、16、17)をそれぞれ使用したほかは、実施例46と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例72では、実施例46で使用した、式(31)で表される無金属フタロシアニン(X型)(CGM−1)のかわりに、式(32)で表されるチタニルフタロシアニン(Y型)(CGM−2)を2.5重量部添加し、さらに下記式(78)で表される分散補助剤(C.IPigmentOrange16)を2重量部使用したほかは、実施例46と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例73では、実施例46で使用した、式(31)で表される無金属フタロシアニン(X型)(CGM−1)のかわりに、式(32)で表されるチタニルフタロシアニン(α型)(CGM−2)を添加したほかは、実施例46と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例74、75では、実施例46で使用した、式(31)で表される無金属フタロシアニン(X型)(CGM−1)のかわりに、式(33)及び(34)で表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)及びクロロガリウムフタロシアニン(CGM−3、4)をそれぞれ添加したほかは、実施例46と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
比較例7、8では、実施例46で使用した、式(35)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−7)のかわりに、式(79)及び(77)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−14、13)をそれぞれ添加したほかは、実施例46と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
比較例9、10では、実施例46で使用した、式(45)で表されるスチルベン誘導体(HTM−12)のかわりに、下記式(82)及び(83)で表される化合物(HTM−20、21)をそれぞれ添加したほかは、実施例46と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
また、本発明の別の態様によれば、特定の結着樹脂及び正孔輸送剤を用いることにより、耐磨耗性や感度特性に優れた電子写真感光体及びそれを備えた画像形成装置が得られるようになった。したがって、本発明の電子写真感光体は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
12:導電性基体
14:感光層
16:バリア層
18:保護層
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
31:感光体
32:帯電器
33:露光光源
34:湿式現像器
34a:液体現像剤
34b:現像ローラ
35:転写器
36:転写材
37:クリーニングブレード
38:除電光源
39:プローブ
130:複写機
131:画像形成ユニット
131a:画像形成部
131b:給紙部
132:排紙ユニット
133:画像読取ユニット
133a:光源
133b:光学素子
134:原稿給送ユニット
134a:原稿載置トレイ
134b:原稿給送機構
134c:原稿排出トレイ
141:感光体ドラム
142:帯電器
143:露光源
144:現像器
145:転写ローラ
146:クリーニング装置
Claims (16)
- 結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、
前記結着樹脂として、下記一般式(1)及び一般式(2)、あるいはいずれか一方で表される共重合ポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とする湿式現像用電子写真感光体。
(一般式(1)中の複数のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、又は炭素数10〜30の縮合多環式炭化水素基であり、かつ、m/(m+n)で表されるモル比が0.05〜0.6の範囲内の値である。)
(一般式(2)中の複数のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、又は炭素数10〜30の縮合多環式炭化水素基であり、かつ、m/(m+n)で表されるモル比が0.05〜0.6の範囲内の値である。) - 前記一般式(1)及び一般式(2)におけるR5がメチル基であって、R6が水素原子又はエチル基であるか、R5が水素原子であって、R6がエチル基であることを特徴とする請求項1に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 前記正孔輸送剤が、下記一般式(3)及び一般式(4)、あるいはいずれか一方の一般式で表されるアミン構造を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式現像用電子写真感光体。
(一般式(3)中のR7〜R13は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、又は二つ以上が結合又は縮合して環構造を形成しても良い炭化水素基である。)
(一般式(4)中の複数のR14〜R19は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、又は二つ以上が結合又は縮合して環構造を形成しても良い炭化水素基である。) - 前記正孔輸送剤の分子量を900以上の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 前記正孔輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 電子輸送剤をさらに含むとともに、当該電子輸送剤の分子量を600以上の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 前記電子輸送剤のI/O値(無機性値/有機性値)を0.6以上の値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 前記電子輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 前記電荷発生剤として、無金属フタロシアニン(τ型又はx型)、チタニルフタロシアニン(α型又はY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、及びクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 前記電荷発生剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 液体現像剤の炭化水素系溶媒中に、室温、2000時間の条件で浸漬させた場合に、前記正孔輸送剤の溶出量が1×10-6g/cm3以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 前記感光体層が、単層型であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
- 結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む単層型感光体層を備えた電子写真感光体であって、
前記結着樹脂として、下記一般式(1)及び一般式(2)、あるいはいずれか一方で表される共重合ポリカーボネート樹脂を含むとともに、
前記正孔輸送剤として、トリフェニルアミン構造又はエナミン構造を有するスチルベン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体。
(一般式(1)中の複数のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、又は炭素数10〜30の縮合多環式炭化水素基であり、かつ、m/(m+n)で表されるモル比が0.05〜0.6の範囲内の値である。)
(一般式(2)中の複数のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、又は炭素数10〜30の縮合多環式炭化水素基であり、かつ、m/(m+n)で表されるモル比が0.05〜0.6の範囲内の値である。) - 前記一般式(1)及び一般式(2)におけるR5と、R6とが連結して、シクロヘキシリデン基又はシクロペンチリデン基を形成していることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶媒にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とする湿式現像用画像形成装置。
- 請求項13又は14に記載の電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、非液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
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