JP6665801B2 - 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター、及び複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体は、例えば、積層型電子写真感光体、及び単層型電子写真感光体が用いられる。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを含む感光層を備える。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する感光層を備える。
特許文献1には、トリフェニルアミン骨格を有する構造(以下、トリフェニルアミン構造と記載することがある。)を持つ正孔輸送剤が記載されている。また、トリフェニルアミン構造を持つ正孔輸送剤を含有する電子写真感光体が記載されている。
特開2012−27139号公報
しかしながら、本発明者らの検討により、特許文献1のトリフェニルアミン構造を持つ正孔輸送剤を用いた電子写真感光体では、転写メモリーの発生を抑制しつつ、耐フィルミング性を向上させるのは困難であることが判明した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、転写メモリーの発生を抑制し、かつ耐フィルミング性を向上させることができる電子写真感光体を提供することである。また、本発明の別の目的は、画像不良の発生を抑制する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と感光層とを備える。前記感光層は、単層であり、かつ電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂及びフィラー粒子を含む。前記正孔輸送剤は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。前記フィラー粒子は、シリカ粒子、樹脂粒子又はこれらの組み合わせを含む。前記フィラー粒子の平均一次粒径は、5nm以上10.0μm以下である。
Figure 0006665801
前記一般式(1)中、R1、R2及びR3は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、ハロゲン原子、又は水素原子を表す。R2及びR3は、互いに結合して環構造を形成してもよい。nは、1又は2を表す。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記像担持体は、上述の電子写真感光体である。前記帯電部は、前記像担持体の表面を帯電させる。前記帯電部の帯電極性は、正極性である。前記露光部は、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、現像剤を用いて前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する。
本発明のプロセスカートリッジは、上述の電子写真感光体を備える。
本発明の電子写真感光体は、転写メモリーの発生を抑制し、かつ耐フィルミング性を向上させることができる。また、本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジは、画像不良の発生を抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造の一例を示す部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造の一例を示す部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造の一例を示す部分断面図である。 本発明の第二実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。 画像ゴーストが発生した画像を示す図である。 評価用画像の設計画像を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。また、本明細書において、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、及びハロゲン原子は、各々、次の意味である。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、及びヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、及びヘキシルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基、及び炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基が挙げられる。より具体的な炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、及びフェナントリル基が挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基の結合手側の末端に酸素原子が結合した基である。炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、及びフェナントリルオキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
また、以下において「置換基を有してもよい」とは、官能基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されてもよいことを意味する。
<第一実施形態:電子写真感光体>
本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある。)の構造を説明する。図1、図2及び図3は、第一実施形態の一例である感光体1の構造を示す部分断面図である。図1に示すように、感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、単層の感光層である。図1に示すように、感光層3は導電性基体2上に直接的に設けられてもよい。また、図2に示すように、感光体1は、例えば、導電性基体2と、中間層4(例えば下引き層)と、感光層3とを備えてもよい。図2に示す例では、感光層3は、導電性基体2上に中間層4を介して間接的に設けられている。また、図3に示すように、感光体1は、最表面層として保護層5を備えてもよい。
感光層3は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、フィラー粒子とを含有する。正孔輸送剤は、下記一般式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)と記載することがある。)を含む。フィラー粒子は、シリカ粒子、樹脂粒子又はこれらの組み合わせを含む。フィラー粒子の平均一次粒径は、5nm以上10.0μm以下である。
Figure 0006665801
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、ハロゲン原子、又は水素原子を表す。R2及びR3は、互いに結合して環構造を形成してもよい。nは、1又は2を表す。
感光体1は、転写メモリーの発生を抑制できる。その理由は、以下のように推測される。
感光体1に含まれる化合物(1)は、二重結合の個数を表す一般式(1)中のnが1又は2であるため、空間的な広がりが比較的大きいπ共役系を有する。そのため、化合物(1)は、キャリア(正孔)の受容性が高くなる傾向がある。また、化合物(1)はπ共役系が比較的大きいため、複数の化合物(1)のπ共役系が互いに重なり易くなり、複数の化合物(1)の分子間におけるキャリア(正孔)の移動距離が比較的小さくなる。そのため、化合物(1)は、キャリア(正孔)の輸送性が高くなる傾向がある。更に、化合物(1)は、トリフェニルアミン構造を有する正孔輸送剤よりも対称性が低い。そのため、化合物(1)は、感光層3を形成する際に使用される溶剤に溶解し易く、バインダー樹脂中でも結晶化しにくい。これにより、化合物(1)が感光層3中において比較的均一に分散するため、キャリア(正孔)の輸送効率が向上するものと考えられる。つまり、感光体1によれば、感光層3に含まれる化合物(1)のキャリア(正孔)の受容性及び輸送性が比較的高い上、この化合物(1)が感光層3中において比較的均一に分散されているため、キャリア(正孔)を効率よく輸送できると考えられる。
また、感光体1の感光層3は、特定のフィラー粒子を含む。このフィラー粒子は、感光体1の表面に凹凸を形成する。これにより、画像形成装置が備える部材(より具体的には、クリーニングブレード等)と、感光体1との接触面積が小さくなる。その結果、感光層3内において摩擦帯電による電荷の発生が抑制される傾向がある。
このように、感光体1は、化合物(1)を含むことによって、キャリア(正孔)を効率よく輸送できる傾向がある。また、特定のフィラー粒子を含むことによって、摩擦帯電による電荷の発生が抑制される傾向がある。よって、感光体1は、感光層3内の残留電荷を低減でき、転写メモリーの発生を抑制できると考えられる。
また、感光体1は、耐フィルミング性を向上させることができる。その理由は、以下のように推測される。
上述したように、感光体1の感光層3に含まれる特定フィラー粒子は、感光体1の表面に凹凸を形成する。その結果、フィルミングの原因となる成分(より具体的には、トナー成分、紙粉等)と、感光体1との接触面積が小さくなる。これにより、感光体1は、フィルミングの原因となる成分の付着が抑制され、耐フィルミング性を向上させることができると考えられる。
以下、感光体1の要素(導電性基体2、感光層3、及び中間層4)を説明する。更に感光体1の製造方法も説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体2は、感光体1の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体2としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体2としては、例えば、導電性を有する材料(導電性材料)で構成される導電性基体、及び導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、及びインジウムが挙げられる。これらの導電性材料は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。二種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、真鍮等)が挙げられる。これらの導電性材料の中でも、感光層3から導電性基体2への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体2の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。導電性基体2の形状としては、例えば、シート状、及びドラム状が挙げられる。また、導電性基体2の厚みは、導電性基体2の形状に応じて、適宜選択することができる。
[2.感光層]
感光層3は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、フィラー粒子とを含有する。感光層3は更に添加剤を含有してもよい。感光層3の厚さは、感光層としての機能を十分に発現できれば、特に限定されない。具体的には、感光層3の厚さは、5μm以上100μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
以下、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂、フィラー粒子及び任意成分である添加剤について説明する。
(電荷発生剤)
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム及びアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料及びキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
フタロシアニン系顔料としては、例えば、下記化学式(C−1)で表される無金属フタロシアニン、及び金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、下記化学式(C−2)で表されるチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン及びクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン系顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、X型、Y型、V型及びII型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。
Figure 0006665801
Figure 0006665801
無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある。)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型及びY型結晶(以下、それぞれα型、β型及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある。)が挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのV型結晶が挙げられる。
また、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター及びファクシミリ)に感光体1を適用する場合は、700nm以上の波長領域に感度を有する電荷発生剤を用いることが好ましい。この場合の電荷発生剤としては、700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン及びチタニルフタロシアニンがより好ましい。
また、短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に感光体1を適用する場合は、電荷発生剤として、例えばアンサンスロン系顔料、及びペリレン系顔料が好適に用いられる。
感光層3に含まれる化合物(1)及びフィラー粒子と併用することにより、転写メモリーの発生をより抑制する観点から、電荷発生剤としては、X型無金属フタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、及びY型チタニルフタロシアニンが好ましい。
電荷発生剤の含有量は、電荷を効率よく発生させる観点から、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上4.5質量部以下であることが特に好ましい。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤は、下記一般式(1)で表される化合物(1)を含む。
Figure 0006665801
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、ハロゲン原子、又は水素原子を表す。R2及びR3は、互いに結合して環構造を形成してもよい。nは、1又は2を表す。
一般式(1)中、R1、R2及びR3で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、及びハロゲン原子が挙げられる。
一般式(1)中、R1、R2及びR3で表される炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、及びハロゲン原子が挙げられる。
一般式(1)中、R1、R2及びR3で表される炭素原子数6以上14以下のアリール基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、及びハロゲン原子が挙げられる。
一般式(1)中、R1、R2及びR3で表される炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、及びハロゲン原子が挙げられる。
一般式(1)中、R1は、転写メモリーの発生をより抑制する観点から、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表すことが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基を表すことがより好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよいフェニル基を表すことが更に好ましく、メチル基を有してもよいフェニル基を表すことが更に好ましい。
また、一般式(1)中のR1が置換基を有するフェニル基を表す場合、R1としては、転写メモリーの発生をより抑制する観点から下記一般式(2)で表される基も好ましい。
Figure 0006665801
一般式(2)中、R4は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表す。aは、0以上5以下の整数を表す。aが2以上5以下の整数を表す場合、複数のR4は互いに同一であっても異なってもよい。sは、0以上3以下の整数を表す。*は、一般式(1)中の窒素原子に結合する部位である。
一般式(2)中、R4は、転写メモリーの発生をより抑制する観点から、メチル基を表すことが好ましい。同様の観点から、一般式(2)中、aは、0又は1を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。同様の観点から、一般式(2)中、sは、0又は1を表すことが好ましく、1を表すことがより好ましい。
一般式(2)で表されるR1としては、以下の一般式(2−1)、(2−2)及び(2−3)で表される基が挙げられる。このうち、R1としては、転写メモリーの発生をより抑制する観点から、一般式(2−1)で表される基が好ましい。なお、以下の一般式(2−1)、(2−2)及び(2−3)において、R4、a、s及び*は、それぞれ上述した一般式(2)中のR4、a、s及び*と同義である。
Figure 0006665801
一般式(1)中、R2及びR3は、転写メモリーの発生をより抑制する観点から、各々独立に、炭素原子数6以上14以下のアリール基又は水素原子を表すことが好ましく、フェニル基又は水素原子を表すことがより好ましい。特に、転写メモリーの発生を更に抑制する観点から、R2及びR3の一方がフェニル基を表し、R2及びR3のもう一方がフェニル基又は水素原子を表すことが好ましい。
また、一般式(1)中のR2とR3とは、互いに結合して環構造を形成していてもよい。この場合も、転写メモリーの発生をより抑制することができる。このような環構造としては、単環構造であっても多環構造であってもよく、また脂環構造であっても、芳香環構造であってもよい。環構造としては、転写メモリーの発生をより抑制する観点から、多環構造が好ましく、環を構成する炭素原子の数が8以上20以下の多環構造がより好ましく、インデン環、フルオレン環及びベンゾフルオレン環が更に好ましく、フルオレン環が特に好ましい。
一般式(1)中、nは、転写メモリーの発生をより抑制する観点から、1を表すことが好ましい。
化合物(1)としては、例えば、下記化学式(HT1)〜(HT9)で表される化合物(以下、それぞれ化合物(HT1)〜(HT9)と記載することがある。)が挙げられる。
Figure 0006665801
Figure 0006665801
Figure 0006665801
Figure 0006665801
Figure 0006665801
Figure 0006665801
Figure 0006665801
Figure 0006665801
Figure 0006665801
これらの化合物のうち、転写メモリーの発生をより抑制する観点から、化合物(HT5)及び化合物(HT6)が好ましく、化合物(HT6)がより好ましい。
正孔輸送剤としての化合物(1)の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
感光層3は、化合物(1)に加えて、更に別の正孔輸送剤を含有してもよい。別の正孔輸送剤としては、例えば、化合物(1)以外の含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、ジアミン化合物(より具体的には、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等)、オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等)、スチリル化合物(より具体的には、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等)、カルバゾール化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(より具体的には、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物及びトリアゾール系化合物が挙げられる。正孔輸送剤の合計質量に対する化合物(1)の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
(化合物(1)の合成方法)
化合物(1)は、例えば、以下に示す反応式(R1)及び(R2)で表される反応(以下、それぞれ反応(R1)及び(R2)と記載することがある。)に従って又はこれに準ずる方法によって合成される。なお、以下では、一般式(1)においてnが1を表す化合物(1)の合成方法を例に説明する。
Figure 0006665801
反応(R1)において、一般式(A1)及び一般式(B1)中のR2及びR3は、それぞれ一般式(1)中のR2及びR3と同義である。
反応(R1)では、1モル当量の一般式(A1)で表される化合物(以下、化合物(A1)と記載する。)と、1モル当量の亜リン酸トリエチルとを反応させて、1モル当量の一般式(B1)で表される化合物(以下、化合物(B1)と記載する。)を得る。反応(R1)では、1モルの化合物(A1)に対して、1モル以上2.5モル以下の亜リン酸トリエチルを添加することが好ましい。反応(R1)の反応温度は160℃以上200℃以下であることが好ましい。反応(R1)の反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
Figure 0006665801
反応(R2)において、一般式(C1)中のR1は、一般式(1)中のR1と同義である。また、一般式(1−1)中のR1、R2及びR3は、それぞれ一般式(1)中のR1、R2及びR3と同義である。
反応(R2)では、1モル当量の化合物(B1)と、1モル当量の一般式(C1)で表される化合物(以下、化合物(C1)と記載する。)とを反応させて、1モル当量の一般式(1−1)で表される化合物(1)を得る。1モルの化合物(C1)に対して、1モル以上5モル以下の化合物(B1)を添加することが好ましい。反応(R2)の反応温度は−5℃以上50℃以下であることが好ましい。反応(R2)の反応時間は10分以上24時間以下であることが好ましい。反応(R2)は不活性ガス(例えば、アルゴンガス)の雰囲気下で行われてもよい。
反応(R2)は、塩基の存在下で行われてもよい。塩基としては、例えば、ナトリウムアルコキシド(具体的には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、金属水素化物(具体的には、水素化ナトリウム、水素化カリウム等)及び金属塩(具体的には、n−ブチルリチウム等)が挙げられる。塩基としては、ナトリウムメトキシドが好ましい。これらの塩基は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基の添加量は、1モルの化合物(C1)に対して、1モル以上3モル以下であることが好ましい。
反応(R2)は、溶媒中で行われてもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素(具体的には、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等)及び芳香族炭化水素(具体的には、ベンゼン、トルエン等)が挙げられる。溶媒としては、テトラヒドロフランが好ましい。
反応(R2)で得られた反応生成物を、必要に応じて精製することにより、目的化合物である化合物(1)を単離することができる。精製方法としては、公知の方法が適宜採用され、例えば晶析及びシリカゲルクロマトグラフィーが挙げられる。精製に使用する溶媒としては、例えば、クロロホルム、ヘキサン、及びクロロホルムとヘキサンとの混合溶媒が挙げられる。
また、一般式(1)においてnが2を表す化合物(1)を合成する場合は、反応(R1)の化合物(A1)を以下に示す一般式(A2)で表される化合物に変更して上述と同様の反応を行えばよい。なお、一般式(A2)において、R2及びR3は、それぞれ一般式(1)中のR2及びR3と同義である。
Figure 0006665801
また、一般式(1)中のR1が一般式(2)で表される化合物(1)を合成する場合は、以下に示す反応式(R3)で表される反応(以下、反応(R3)と記載することがある。)に従って又はこれに準ずる方法によって合成することもできる。なお、以下では、一般式(1)のnが1を表し、かつ一般式(2)のsが1を表す化合物(1)の合成方法を例に説明する。
Figure 0006665801
反応(R3)において、一般式(B3)及び一般式(1−2)中のR4及びaは、それぞれ一般式(2)中のR4及びaと同義である。また、一般式(1−2)中のR2及びR3は、それぞれ一般式(1)中のR2及びR3と同義である。
反応(R3)では、1モル当量の化合物(B1)と、1モル当量の一般式(B3)で表される化合物(以下、化合物(B3)と記載する。)と、1モル当量の一般式(C2)で表される化合物(以下、化合物(C2)と記載する。)とを反応させて、1モル当量の一般式(1−2)で表される化合物(1)を得る。1モルの化合物(C2)に対して、1モル以上5モル以下の化合物(B1)を添加することが好ましい。1モルの化合物(C2)に対して、1モル以上5モル以下の化合物(B3)を添加することが好ましい。その他の条件については、上述した反応(R2)と同様である。
なお、反応(R3)において、化合物(B3)は、例えば反応(R1)の化合物(A1)を以下に示す一般式(A3)で表される化合物に変更して反応(R1)と同様の反応を行うことにより得られる。なお、一般式(A3)において、R4及びaは、それぞれ一般式(2)中のR4及びaと同義である。
Figure 0006665801
また、一般式(2)のsが1以外の整数を表す化合物(1)を合成する場合は、化合物(B3)の代わりに、sの数に応じて二重結合の数を変更した化合物を用いて、反応(R3)と同様の反応を行えばよい。
(電子輸送剤)
電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、及びジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、及びジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。これらの電子輸送剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの電子輸送剤のうち、電子を効率よく輸送する観点から、以下に示す一般式(ET1)、一般式(ET2)、一般式(ET3)、一般式(ET4)、及び一般式(ET5)で表される化合物が好ましい。以下、これらの電子輸送剤を、それぞれ電子輸送剤(ET1)、電子輸送剤(ET2)、電子輸送剤(ET3)、電子輸送剤(ET4)、及び電子輸送剤(ET5)と記載することがある。
Figure 0006665801
一般式(ET1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。一般式(ET2)中、R13及びR14は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。一般式(ET3)中、R15、R16、R17及びR18は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。一般式(ET4)中、R19及びR20は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R21は、ハロゲン原子を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。一般式(ET5)中、R22は、炭素原子数7以上17以下のアラルキル基を表す。なお、炭素原子数7以上17以下のアラルキル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基の水素原子の一つが炭素原子数6以上14以下のアリール基で置換された基である。
転写メモリーの発生をより抑制する観点から、電子輸送剤(ET1)〜(ET5)のうち、電子輸送剤(ET1)、(ET3)及び(ET5)が好ましい。
一般式(ET1)中、R11及びR12は、炭素原子数1以上6以下の分枝鎖状のアルキル基を表すことが好ましく、2−メチル−2−ブチル基を表すことがより好ましい。電子輸送剤(ET1)としては、例えば、下記化学式(ET1−1)で表される電子輸送剤(以下、電子輸送剤(ET1−1)と記載することがある。)が挙げられる。
一般式(ET2)中、R13及びR14は、炭素原子数1以上3以下の複数のアルキル基を有するフェニル基を表すことが好ましく、2−エチル−6−メチルフェニル基を表すことがより好ましい。電子輸送剤(ET2)としては、例えば、下記化学式(ET2−1)で表される電子輸送剤(以下、電子輸送剤(ET2−1)と記載することがある。)が挙げられる。
一般式(ET3)中、R15、R16、R17及びR18は、各々独立に、メチル基又はt−ブチル基を表すことが好ましい。電子輸送剤(ET3)としては、例えば、下記化学式(ET3−1)で表される電子輸送剤(以下、電子輸送剤(ET3−1)と記載することがある。)が挙げられる。
一般式(ET4)中、R19及びR20は、炭素原子数1以上6以下の分枝鎖状のアルキル基を表すことが好ましく、t−ブチル基を表すことがより好ましい。R21は、ハロゲン原子を有するフェニル基を表すことが好ましく、クロロフェニル基を表すことがより好ましく、p−クロロフェニル基を表すことが更に好ましい。電子輸送剤(ET4)としては、例えば、下記化学式(ET4−1)で表される電子輸送剤(以下、電子輸送剤(ET4−1)と記載することがある。)が挙げられる。
一般式(ET5)中、R22は、フェニルアルキル基を表すことが好ましく、ベンジル基を表すことがより好ましい。電子輸送剤(ET5)としては、例えば、下記化学式(ET5−1)で表される電子輸送剤(以下、電子輸送剤(ET5−1)と記載することがある。)が挙げられる。
Figure 0006665801
電子輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上80質量部以下であることがより好ましく、30質量部以上60質量部以下であることが特に好ましい。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂及びメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)及びウレタン−アクリレート(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの樹脂の中では、加工性、機械的特性、光学的特性及び耐摩耗性のバランスに優れた感光層3が得られることから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂の例としては、下記化学式で表されるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZC型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂及びビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
Figure 0006665801
バインダー樹脂の粘度平均分子量は、30,000以上であることが好ましく、35,000以上55,000以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が35,000以上であると、感光層3の耐摩耗性を向上させ易い。バインダー樹脂の粘度平均分子量が55,000以下であると、感光層3の形成時にバインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、感光層用塗布液の粘度が高くなり過ぎない。その結果、感光層3を形成し易くなる。
(フィラー粒子)
フィラー粒子は、シリカ粒子、樹脂粒子又はこれらの組み合わせを含む。感光層3は、フィラー粒子の一種又は二種以上を含むことができる。また、感光層3は、フィラー粒子としてシリカ粒子及び樹脂粒子の何れか一方のみを含んでもよい。
シリカ粒子は、表面処理剤で処理されていることが好ましい。シリカ粒子が表面処理剤で処理されることにより、シリカ粒子の表面の水酸基の少なくとも一部がシリル化される。これにより、シリカ粒子の表面の水酸基が少なくなる傾向がある。その結果、水分(湿度)による感光体1の電気特性の低下を抑制することができる。シリカ粒子の表面処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、N−メチル−ヘキサメチルジシラザン、N−エチル−ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチル−N−プロピルジシラザン、ジメチルジクロロシラン及びポリジメチルシロキサンが挙げられる。感光層3は、シリカ粒子の一種又は二種以上を含むことができる。
樹脂粒子を構成する樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂と記載することがある。)、及びフッ素原子を含む樹脂(以下、フッ素樹脂と記載することがある。)が挙げられる。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフロオロエチレン樹脂(以下、PTFE樹脂と記載することがある。)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、及びポリフッ化ビニル樹脂が挙げられる。樹脂粒子は、これらの樹脂の一種を単独で含有してもよく、二種以上を含有してもよい。また、感光層3は、樹脂粒子の一種又は二種以上を含むことができる。
フィラー粒子としては、耐フィルミング性をより向上させる観点から、樹脂粒子が好ましい。フィラー粒子として樹脂粒子を用いる場合、樹脂粒子を構成する樹脂としては、耐フィルミング性をより向上させつつ転写メモリーの発生をより抑制する観点から、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂が好ましく、フッ素樹脂がより好ましく、PTFE樹脂が更に好ましい。
なお、感光層3の表面を均質に帯電するためには、導電性を有しないフィラー粒子を用いることが好ましい。
フィラー粒子の含有量は、100.0質量部のバインダー樹脂に対して、0.5質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、15.0質量部以上30.0質量部以下であることがより好ましい。フィラー粒子の含有量が100.0質量部のバインダー樹脂に対して0.5質量部以上であると、耐フィルミング性をより向上させることができる。フィラー粒子の含有量が100.0質量部のバインダー樹脂に対して30.0質量部以下であると、感光層3中の固形状異物の発生を抑制できるため、感光体1の外観不良を抑制できる。
フィラー粒子の平均一次粒径は、5nm以上10.0μm以下である。耐フィルミング性をより向上させる観点から、フィラー粒子の平均一次粒径は、10nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。転写メモリーの発生をより抑制する観点から、フィラー粒子の平均一次粒径は、5.0μm以下であることが好ましい。
フィラー粒子の平均一次粒径は、例えば、以下の方法で測定される。測定試料として、複数のフィラー粒子(粉体)を使用する。測定試料の−196℃でのN2吸着等温線を測定する。得られたN2吸着等温線をBrunauer、Emmett及びTellerの方法、更にDe Boerによるt曲線法に従って評価する。これにより、測定試料の比表面積を算出する。得られた測定試料の比表面積から、数式「d=6/ρS」に従って、測定試料の粒径を算出する。数式中、dは測定試料の粒径を、ρは測定試料の密度を、Sは測定試料の比表面積を示す。算出された測定試料の粒径を、フィラー粒子の平均一次粒径とする。なお、フィラー粒子の平均一次粒径を測定する別の方法としては、画像計測による方法も挙げられる。詳しくは、透過型電子顕微鏡を用いて相当数のフィラー粒子の画像を撮影して、画像中の各フィラー粒子の一次粒径を測定する。測定された一次粒径の和を測定されたフィラー粒子の個数で除することで、フィラー粒子の平均一次粒径を算出する。
(添加剤)
感光層3は、必要に応じて、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項消光剤及び紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤及びレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール(例えば、ジ(tert−ブチル)p−クレゾール)、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン又はこれらの誘導体、有機硫黄化合物及び有機燐化合物が挙げられる。
[3.中間層]
上述したように感光体1は、中間層4(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層4は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層4を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体1を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄、銅等)の粒子、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛等)の粒子、及び非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、無機粒子は、表面処理を施してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができれば、特に限定されない。
[4.感光体の製造方法]
感光体1の製造方法について説明する。感光体1の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。感光層形成工程では、感光層3を形成するための感光層用塗布液を調製する。次いで、感光層用塗布液を導電性基体2上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して感光層3を形成する。感光層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、フィラー粒子と、溶剤とを含む。このような感光層用塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、フィラー粒子とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。感光層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
以下、感光層形成工程の詳細を説明する。感光層用塗布液に含有される溶剤は、感光層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル、酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン溶剤を用いることが好ましい。
感光層用塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、及び超音波分散器を用いることができる。
感光層用塗布液は、各成分の分散性、又は形成される感光層3の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
感光層用塗布液を塗布する方法としては、感光層用塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、及びバーコート法が挙げられる。
感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、感光層用塗布液中の溶剤の少なくとも一部を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、減圧乾燥機等を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体1の製造方法は、必要に応じて中間層4を形成する工程等を更に有してもよい。中間層4を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以上説明した本実施形態の感光体は、転写メモリーの発生を抑制し、かつ耐フィルミング性を向上させることができるため、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
<第二実施形態:画像形成装置>
以下、第二実施形態に係る画像形成装置の一態様について、タンデム方式のカラー画像形成装置を例に挙げて説明する。図4は、第二実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。像担持体30は、第一実施形態に係る感光体である。帯電部42は、像担持体30の表面を帯電する。帯電部42の帯電極性は、正極性である。露光部44は、帯電された像担持体30の表面を露光して、像担持体30の表面に静電潜像を形成する。現像部46は、現像剤を用いて静電潜像をトナー像として現像する。転写部48は、トナー像を像担持体30から被転写体である記録媒体Pへ転写する。以上、第二実施形態に係る画像形成装置100の概要を説明した。
第二実施形態に係る画像形成装置100は、フィルミング及び転写メモリーの発生に起因する画像不良を抑制することができる。その理由は、以下のように推測される。第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、耐フィルミング性に優れ、かつ転写メモリーの発生を抑制することができる。よって、第二実施形態に係る画像形成装置100は、フィルミング及び転写メモリーの発生に起因する画像不良を抑制することができる。以下、転写メモリーの発生に起因する画像不良について説明する。
画像形成プロセスで転写メモリーが発生すると、像担持体30の表面における基準周(連続的に画像が形成される場合の任意の1周)の周回の非露光領域は、基準周の周回の露光領域に比べ、基準周の次周回の帯電時に電位が低下する傾向がある。このため、基準周の次周回の非露光領域は、現像工程において正常時よりも正帯電トナーを引き付け易くなる。その結果、基準周の次周回において、基準周の非画像部(非露光領域)を反映した画像が形成され易い。このような基準周の非画像部を反映した画像が次周回で形成される画像不良が、転写メモリーに起因して発生する画像不良(以下、画像ゴーストと記載することがある。)である。
図5を参照して、画像ゴーストについて説明する。図5は、画像ゴーストが発生した画像60を示す図である。画像60は、領域62及び領域64を含む。領域62は像担持体1周分(基準周の1周分)に相当する領域であり、領域64も像担持体1周分(基準周の次周回1周分)に相当する領域である。領域62は画像66を含む。画像66は、正方形状のソリッド画像から構成される。領域64は画像68及び画像69を含む。画像68は、正方形状のハーフトーン画像である。画像69は、領域64における画像68を除いた領域のハーフトーン画像である。なお、領域64の設計画像は、全面ハーフトーン画像である。図5に示すように、画像69は、画像68に比べ画像濃度が濃い。画像69は、領域62の非露光領域を反映し、設計画像濃度より濃くなった画像不良(画像ゴースト)である。
以下、図4を参照して画像形成装置100の各部について詳細に説明する。
画像形成装置100は、直接転写方式を採用する。つまり、画像形成装置100では、転写部48が、像担持体30の表面と記録媒体Pとを接触させながらトナー像を記録媒体Pに転写する。通常、直接転写方式を採用する画像形成装置では、像担持体が転写バイアスの影響を受けやすいため、転写メモリーが発生し易い。また、通常、直接転写方式を採用する画像形成装置では、像担持体が記録媒体に接触するため、像担持体の表面に微小な成分が付着し易く、フィルミングが発生し易い。しかし、第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、耐フィルミング性に優れ、かつ転写メモリーの発生を抑制することができる。よって、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備えると、直接転写方式を採用する画像形成装置100であっても、フィルミング及び転写メモリーに起因する画像不良の発生が抑制される。
画像形成装置100は、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dと、転写ベルト50と、定着部54とを備える。以下、区別する必要がない場合には、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dの各々を、画像形成ユニット40と記載する。
画像形成ユニット40は、像担持体30と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48と、像担持体30の表面を清掃するクリーニング部52とを備える。クリーニング部52は、クリーニングブレードである。通常、クリーニングブレードを備えた画像形成装置では、像担持体とクリーニングブレードとが接触することにより、像担持体が摩擦帯電し易い。そのため、クリーニングブレードを備えた画像形成装置は、摩擦帯電により発生した電荷が像担持体中に残留することによって、転写メモリーが発生し易い。しかし、第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、転写メモリーの発生を抑制することができる。よって、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備えると、クリーニングブレードを備えた画像形成装置100であっても、転写メモリーに起因する画像不良の発生が抑制される。
像担持体30は、画像形成ユニット40の中央位置において、矢符方向(反時計回り)に回転可能に設けられる。像担持体30の周囲には、帯電部42を基準として像担持体30の回転方向の上流側から順に、帯電部42、露光部44、現像部46、転写部48、及びクリーニング部52が設けられる。なお、画像形成ユニット40には、除電部(不図示)が更に備えられてもよい。
画像形成ユニット40a〜40dの各々によって、転写ベルト50上の記録媒体Pに、複数色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色)のトナー像が順に重ねられる。
帯電部42は、帯電ローラーである。帯電ローラーは、像担持体30の表面と接触しながら像担持体30の表面を帯電する。通常、帯電ローラーを備える画像形成装置では、フィルミング及び転写メモリーに起因する画像不良が生じ易い。しかし、第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、耐フィルミング性に優れ、かつ転写メモリーの発生を抑制することができる。よって、帯電部42として帯電ローラーを備える画像形成装置100であっても、フィルミング及び転写メモリーに起因する画像不良の発生が抑制される。なお、他の接触帯電方式の帯電部としては、例えば、帯電ブラシが挙げられる。また、帯電部は、非接触方式であってもよい。非接触方式の帯電部としては、例えば、コロトロン帯電部、及びスクロトロン帯電部が挙げられる。
帯電部42が印加する電圧は、特に限定されない。帯電部42が印加する電圧としては、直流電圧、交流電圧、及び重畳電圧(直流電圧に交流電圧が重畳した電圧)が挙げられ、より好ましくは直流電圧が挙げられる。直流電圧は交流電圧及び重畳電圧に比べ、以下に示す優位性がある。帯電部42が直流電圧のみを印加すると、像担持体30に印加される電圧値が一定であるため、像担持体30の表面を一様に一定電位まで帯電させ易い。また、帯電部42が直流電圧のみを印加すると、感光層の磨耗量が減少する傾向がある。その結果、好適な画像を形成することができる。
露光部44は、帯電された像担持体30の表面を露光する。これにより、像担持体30の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、画像形成装置100に入力された画像データに基づいて形成される。
現像部46は、現像剤を用いて静電潜像をトナー像として現像する。現像剤は一成分現像剤であっても二成分現像剤であってもよい。現像剤は、重合トナーを含んでもよい。通常、現像剤が重合トナーを含むと、画像形成後の像担持体の表面に残留した重合トナーがクリーニング部(例えば、クリーニングブレード)によって除去されにくい。かかる場合、像担持体の表面に微小な成分が付着し、フィルミングが生じ易い。しかし、第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、耐フィルミング性に優れる。このため、第二実施形態に係る画像形成装置100は、現像剤が重合トナーを含む場合であっても、フィルミングの発生を抑制することができる。
転写ベルト50は、像担持体30と転写部48との間に記録媒体Pを搬送する。転写ベルト50は、無端状のベルトである。転写ベルト50は、矢符方向(時計回り)に回転可能に設けられる。
転写部48は、現像部46によって現像されたトナー像を、像担持体30の表面から記録媒体Pへ転写する。像担持体30から記録媒体Pにトナー像が転写されるときに、像担持体30は記録媒体Pと接触している。転写部48としては、例えば、転写ローラーが挙げられる。
定着部54は、転写部48によって記録媒体Pに転写された未定着のトナー像を、加熱及び/又は加圧する。定着部54は、例えば、加熱ローラー及び/又は加圧ローラーである。トナー像を加熱及び/又は加圧することにより、記録媒体Pにトナー像が定着する。その結果、記録媒体Pに画像が形成される。
以上、第二実施形態に係る画像形成装置の一例について説明したが、第二実施形態に係る画像形成装置は、上述した画像形成装置100に限定されない。例えば、第二実施形態に係る画像形成装置は、モノクロ画像形成装置であってもよい。この場合、画像形成装置は、例えば画像形成ユニットを1つだけ備えていればよい。また、上述した画像形成装置100はタンデム方式の画像形成装置であったが、第二実施形態に係る画像形成装置はこれに限定されず、例えばロータリー方式の画像形成装置であってもよい。また、第二実施形態に係る画像形成装置は、中間転写方式を採用してもよい。第二実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式を採用する場合、被転写体は中間転写ベルトに相当する。
<第三実施形態:プロセスカートリッジ>
第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、第一実施形態に係る感光体を備える。引き続き、図4を参照して、第三実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
プロセスカートリッジは、ユニット化された部分を含む。ユニット化された部分は、像担持体30を含む。ユニット化された部分は、像担持体30に加えて、帯電部42、露光部44、現像部46、転写部48、及びクリーニング部52からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。プロセスカートリッジは、例えば、画像形成ユニット40a〜40dの各々に相当する。プロセスカートリッジには、除電器(不図示)が更に備えられてもよい。プロセスカートリッジは、例えば画像形成装置100に対して着脱自在に設計される。この場合のプロセスカートリッジは、取り扱いが容易であり、像担持体30の感度特性等が劣化した場合に、像担持体30を含めて容易かつ迅速に交換することができる。
以上、第三実施形態に係るプロセスカートリッジを説明した。第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備えることで、フィルミング及び転写メモリーに起因する画像不良の発生を抑制することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
<実施例及び比較例で用いた材料>
感光層を製造するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及びフィラー粒子を準備した。
[電荷発生剤]
X型無金属フタロシアニン(以下、電荷発生剤(CG1)と記載することがある。)、α型チタニルフタロシアニン(以下、電荷発生剤(CG2)と記載することがある。)、及びY型チタニルフタロシアニン(以下、電荷発生剤(CG3)と記載することがある。)を準備した。
[正孔輸送剤]
正孔輸送剤として、第一実施形態で述べた化合物(HT1)〜(HT9)を準備した。更に、化合物(HTM10)及び化合物(HTM11)も準備した。化合物(HTM10)及び(HTM11)は、それぞれ以下に示す化学式(HTM10)及び(HTM11)で表される正孔輸送剤である。
Figure 0006665801
(化合物(HT1)〜(HT9)の合成)
化合物(HT1)〜(HT9)は、各々以下の方法で合成した。なお、以下において、反応式(R10)〜(R16)で表される反応を、それぞれ反応(R10)〜(R16)と記載することがある。化学式(A1−1)〜(A1−6)、(B1−1)〜(B1−6)、及び(C1−1)〜(C1−4)で表される化合物を、それぞれ化合物(A1−1)〜(A1−6)、(B1−1)〜(B1−6)、及び(C1−1)〜(C1−4)と記載することがある。また、以下において、収率(%)はモル数基準である。
まず、化合物(HT1)〜(HT9)を合成するための原料として、下記反応(R10)〜(R15)に従って、それぞれ化合物(B1−1)〜(B1−6)を合成した。
Figure 0006665801
Figure 0006665801
反応(R10)では、化合物(A1−1)と亜リン酸トリエチルとを反応させて、化合物(B1−1)を得た。詳しくは、容量200mLのフラスコに、化合物(A1−1)15.2g(0.1モル)と、亜リン酸トリエチル50g(0.3モル)とを投入した。フラスコ内容物を、180℃で8時間攪拌した後、室温まで冷却した。続いて、フラスコ内容物に含まれる未反応の亜リン酸トリエチルを減圧留去した。これにより、白色液体である化合物(B1−1)を得た。化合物(B1−1)の収量は22.9gであり、化合物(A1−1)からの化合物(B1−1)の収率は90%であった。
反応(R11)では、反応(R10)において、化合物(A1−1)15.2gの代わりに、化合物(A1−2)22.9gを用いたこと以外は反応(R10)と同様の反応を行い、化合物(B1−2)を得た。化合物(B1−2)の収量は28.1gであり、化合物(A1−2)からの化合物(B1−2)の収率は85%であった。
反応(R12)では、反応(R10)において、化合物(A1−1)15.2gの代わりに、化合物(A1−3)22.7gを用いたこと以外は反応(R10)と同様の反応を行い、化合物(B1−3)を得た。化合物(B1−3)の収量は30.5gであり、化合物(A1−3)からの化合物(B1−3)の収率は93%であった。
反応(R13)では、反応(R10)において、化合物(A1−1)15.2gの代わりに、化合物(A1−4)12.7gを用いたこと以外は反応(R10)と同様の反応を行い、化合物(B1−4)を得た。化合物(B1−4)の収量は20.7gであり、化合物(A1−4)からの化合物(B1−4)の収率は91%であった。
反応(R14)では、反応(R10)において、化合物(A1−1)15.2gの代わりに、化合物(A1−5)17.9gを用いたこと以外は反応(R10)と同様の反応を行い、化合物(B1−5)を得た。化合物(B1−5)の収量は21.8gであり、化合物(A1−5)からの化合物(B1−5)の収率は78%であった。
反応(R15)では、反応(R10)において、化合物(A1−1)15.2gの代わりに、化合物(A1−6)25.5gを用いたこと以外は反応(R10)と同様の反応を行い、化合物(B1−6)を得た。化合物(B1−6)の収量は26.3gであり、化合物(A1−6)からの化合物(B1−6)の収率は74%であった。
次に、下記反応(R16)に従って、化合物(HT1)を合成した。
Figure 0006665801
反応(R16)では、容量500mLの二口フラスコに、ホスホナート誘導体である化合物(B1−1)(25.4g、0.1モル)を0℃で加えた。フラスコ内を、アルゴンガスで置換した。その後、フラスコ内に、乾燥テトラヒドロフラン(100mL)と28質量%ナトリウムメトキシド(18.6g、0.1モル)とを加え、30分間攪拌し、第一のテトラヒドロフラン溶液を調製した。
乾燥テトラヒドロフラン(300mL)と、アルデヒド誘導体である化合物(C1−1)(26.3g、0.1モル)とを別の容器に加え、これらを攪拌し、第二のテトラヒドロフラン溶液を調製した。得られた第二のテトラヒドロフラン溶液を上記第一のテトラヒドロフラン溶液に加え、室温(25℃)で12時間攪拌し、混合物を得た。
得られた混合物をイオン交換水に注ぎ、トルエンで抽出し、有機層を得た。有機層をイオン交換水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を、展開溶媒としてクロロホルム/ヘキサン(体積比V/V=1/1)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色結晶の化合物(HT1)を得た。化合物(HT1)の収量は25.4gであり、収率は70%であった。
次に、反応(R16)における化合物(B1−1)及び添加量をそれぞれ表1に示すホスホナート誘導体及び添加量に変更し、化合物(C1−1)及び添加量をそれぞれ表1に示すアルデヒド誘導体及び添加量に変更したこと以外は、上記と同様に化合物(HT2)〜(HT9)を合成した。表1に、得られた化合物(HT2)〜(HT9)の収量及び収率を示す。なお、表1中、欄「ホスホナート誘導体の種類」のB1−1〜B1−6は、それぞれ化合物(B1−1)〜(B1−6)を示す。欄「アルデヒド誘導体の種類」のC1−1〜C1−4は、それぞれ化合物(C1−1)〜(C1−4)を示す。欄「目的化合物の種類」のHT2〜HT9は、それぞれ化合物(HT2)〜(HT9)を示す。アルデヒド誘導体である化合物(C1−2)〜(C1−4)は、それぞれ以下に示す化学式(C1−2)〜(C1−4)で表される化合物である。
Figure 0006665801
Figure 0006665801
次に、プロトン核磁気共鳴分光計(日本分光株式会社製、300MHz)を用いて、合成した化合物(HT1)〜(HT9)の1H−NMRスペクトルを測定した。溶媒としてCDCl3を用いた。内部標準試料としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。これらのうち、化合物(HT5)を代表例として挙げる。以下に化合物(HT5)の化学シフト値を示す。
化合物(HT5):δ=7.06−7.43(m,16H),6.73−6.99(m,3H),6.53−6.62(m,2H),4.77(dt,1H),3.80(dt,1H),1.48−2.11(m,6H).
化学シフト値により、化合物(HT5)が得られていることを確認した。化合物(HT1)〜(HT4)及び(HT6)〜(HT9)も同様にして、化学シフト値により、化合物(HT1)〜(HT4)及び(HT6)〜(HT9)が得られていることを確認した。
[電子輸送剤]
第二実施形態で説明した電子輸送剤(ET1−1)、(ET3−1)及び(ET5−1)を準備した。
[フィラー粒子]
表2に示すフィラー粒子(F1)〜(F12)を準備した。表2は、フィラー粒子(F1)〜(F12)の種類、材質、平均一次粒径、品種、及び製造元を示す。なお、表2の欄「品種」における「AEROSIL」、「トレパール」及び「ルブロン」は登録商標である。
Figure 0006665801
<感光体の製造>
以下に示す方法により感光体(A−1)〜(A−25)及び(B−1)〜(B−5)を製造した。
[感光体(A−1)の製造]
電荷発生剤(CG1)(3.0質量部)と、正孔輸送剤としての化合物(HT1)(60.0質量部)と、電子輸送剤(ET1−1)(40.0質量部)と、フィラー粒子(F3)(5.0質量部)と、バインダー樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学株式会社製「PCZ500」、粘度平均分子量50,000)(100.0質量部)と、溶剤としてのテトラヒドロフラン(800.0質量部)とを容器内に投入した。棒状超音波分散器を用いて、容器内の材料と溶剤とを2分間混合し、材料を溶剤に分散させた。更にボールミルを用いて、材料と溶剤とを50時間混合して、材料を溶剤に分散させた。これにより、感光層用塗布液を得た。この感光層用塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体上に、ディップコート法を用いて塗布した。塗布した感光層用塗布液を100℃で40分間熱風乾燥させた。これにより、導電性基体上に感光層(膜厚25μm)を形成し、単層型感光体である感光体(A−1)を得た。
[感光体(A−2)〜(A−25)及び(B−1)〜(B−5)の製造]
以下の点を変更した以外は、感光体(A−1)の製造と同様の方法で、感光体(A−2)〜(A−25)及び(B−1)〜(B−5)を製造した。
(変更点)
感光体(A−1)の製造に用いた電荷発生剤(CG1)を、表3に示す電荷発生剤に変更した。感光体(A−1)の製造に用いた正孔輸送剤としての化合物(HT1)を、表3に示す正孔輸送剤に変更した。感光体(A−1)の製造に用いた電子輸送剤(ET1−1)を、表3に示す電子輸送剤に変更した。感光体(A−1)の製造に用いたフィラー粒子(F3)及びその含有量(5.0質量部)を、表3に示すフィラー粒子及びその含有量に変更した。なお、表3中、欄「正孔輸送剤」のHT1〜HT9、HTM10及びHTM11は、それぞれ化合物(HT1)〜(HT9)、(HTM10)及び(HTM11)を示す。表3中、欄「フィラー粒子の種類」のF1〜F12は、それぞれフィラー粒子(F1)〜(F12)を示す。
Figure 0006665801
<感光体の評価>
[評価1(転写メモリーに関する評価)]
評価1として、感光体(A−1)〜(A−25)及び(B−1)〜(B−5)の各々に対して、画像形成装置を用いて転写メモリーに起因する画像不良について評価した。画像形成装置としては、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−5350DN」の改造機を使用した。この画像形成装置は、直接転写方式を採用していた。また、この画像形成装置は、接触方式の帯電ローラーと、クリーニングブレードとを備えていた。また、現像剤としては、重合トナーを含む一成分現像剤(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製試作品)を使用した。記録媒体としては、京セラドキュメントソリューションズ株式会社販売「京セラドキュメントソリューションズブランド紙VM−A4」(A4サイズ)を使用した。
まず、各々の感光体を画像形成装置に装着し、帯電部の帯電電圧を調整し、非露光時の現像部位置に対応する感光体の帯電電位を+570V±10Vに設定した。次いで、温度10℃かつ湿度20%RHの環境下、1000枚の記録媒体に15秒間隔で印字パターン(画像濃度4%)を印刷し、印字試験を行った。この印字試験直後に、評価用画像を1枚印刷した。
図6を参照して、評価用画像の設計画像を説明する。図6は、評価用画像の設計画像70を示す図である。設計画像70は、領域72及び領域74を含む。領域72は、像担持体(感光体)1周分に相当する領域である。領域72は、画像76を含む。画像76は、正方形状のソリッド画像(画像濃度100%)から構成される。領域74は、像担持体1周分に相当する領域である。領域74は画像78を含む。画像78は、全面ハーフトーン画像(画像濃度40%)から構成される。画像76は像担持体1周分に相当する画像であり、画像78は画像76を形成する周を基準として次周回1周分に相当する画像である。
印刷された評価用画像を目視で観察し、領域74において領域72の非画像部に対応した画像不良(画像ゴースト)の発生の有無を確認した。画像ゴーストの発生の有無は、下記の基準に基づいて評価した。得られた結果(評価1)を表4に示す。
(評価1の評価基準)
評価A:画像ゴーストが観察されなかった。
評価B:画像ゴーストがわずかに観察された。
評価C:画像ゴーストが観察されたが、実用上問題のない水準であった。
評価D:画像ゴーストが明確に観察され、実用上問題のある水準であった。
[評価2(耐フィルミング性に関する評価)]
評価2として、感光体(A−1)〜(A−25)及び(B−1)〜(B−5)の各々に対して、画像形成装置を用いてフィルミングに起因する画像不良について評価した。画像形成装置、現像剤及び記録媒体は、評価1と同じものを用いた。
まず、各々の感光体を画像形成装置に装着し、帯電部の帯電電圧を調整し、非露光時の現像部位置に対応する感光体の帯電電位を+570V±10Vに設定した。次いで、温度30℃かつ湿度80%RHの環境下、5000枚の記録媒体に15秒間隔で印字パターン(画像濃度1%)を印刷し、印字試験を行った。印字試験終了から1時間経過した後、ハーフトーン画像(画像濃度25%)を1枚印刷し、これを評価用画像とした。この評価用画像を目視で観察し、フィルミングに起因する画像不良(筋及びダッシュマーク)の有無を確認した。筋とは、印刷方向に平行な線である。ダッシュマークとは、印刷方向に平行に配列した点又は短い線である。画像不良の有無は、下記の基準に基づいて評価した。得られた結果(評価2)を表4に示す。
(評価2の評価基準)
評価A:筋及びダッシュマークが観察されなかった。
評価B:筋及びダッシュマークがわずかに観察された。
評価C:筋及びダッシュマークが部分的に観察されたが、実用上問題のない水準であった。
評価D:筋及びダッシュマークが全体的に明確に観察され、実用上問題のある水準であった。
[総合評価]
評価1及び評価2の結果から、下記の基準に基づいて感光体の総合評価を行った。総合評価がA、B又はCの感光体を良好と評価した。また、総合評価がDの感光体を不良と評価した。
(総合評価の評価基準)
評価A:評価1及び評価2の一方が評価Aであり、かつ評価1及び評価2のもう一方が評価A又はBであった。
評価B:評価1及び評価2の両方が評価Bであった。
評価C:評価1及び評価2の一方が評価Cであり、かつ評価1及び評価2のもう一方が評価A、B又はCであった。
評価D:評価1及び評価2の少なくとも一方が評価Dであった。
Figure 0006665801
表3に示すように、感光体(A−1)〜(A−25)では、感光層が、一般式(1)に包含される化合物(HT1)〜(HT9)の何れかを含有していた。感光体(A−1)〜(A−25)では、感光層が、平均一次粒径5nm以上10.0μm以下のシリカ粒子又は樹脂粒子であるフィラー粒子(F1)〜(F10)の何れかを含有していた。
表4に示すように、感光体(A−1)〜(A−25)では、転写メモリー及び耐フィルミング性の総合評価結果が、A(良好)、B(良好)、及びC(良好)の何れかであった。
表3に示すように、感光体(B−1)及び(B−2)では、感光層が、一般式(1)に包含されない化合物(HTM10)及び(HTM11)の何れかを含有していた。感光体(B−3)では、感光層が、フィラー粒子を含有していなかった。感光体(B−4)及び(B−5)では、感光層が、シリカ粒子及び樹脂粒子の何れにも該当しないフィラー粒子(F11)及び(F12)の何れかを含有していた。
表4に示すように、感光体(B−1)〜(B−5)では、転写メモリー及び耐フィルミング性の総合評価結果が全てD(不良)であった。
以上の結果から明らかなように、感光体(A−1)〜(A−25)は、感光体(B−1)〜(B−5)に比べ、転写メモリーの発生を抑制し、かつ耐フィルミング性に優れていた。
本発明に係る感光体は、画像形成装置に利用することができる。
1 電子写真感光体
2 導電性基体
3 感光層

Claims (10)

  1. 導電性基体と感光層とを備える電子写真感光体であって、
    前記感光層は、単層であり、かつ電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂及びフィラー粒子を含み、
    前記正孔輸送剤は、下記化学式(HT9)で表される化合物を含み、
    前記フィラー粒子は、シリカ粒子、樹脂粒子又はこれらの組み合わせを含み、
    前記フィラー粒子の平均一次粒径は、5nm以上10.0μm以下であり、
    前記フィラー粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100.0質量部に対して10.0質量部以上30.0質量部以下である、電子写真感光体。
    Figure 0006665801
  2. 前記フィラー粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100.0質量部に対して15.0質量部以上30.0質量部以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記フィラー粒子は、前記樹脂粒子を含み、
    前記樹脂粒子は、フッ素原子を含む、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷発生剤は、X型無金属フタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電部と、
    帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光部と、
    現像剤を用いて前記静電潜像をトナー像として現像する現像部と、
    前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する転写部と
    を備える画像形成装置であって、
    前記像担持体は、請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真感光体であり、
    前記帯電部の帯電極性は、正極性である、画像形成装置。
  6. 前記被転写体は、記録媒体であり、
    前記転写部は、前記像担持体の前記表面と前記記録媒体とを接触させながら前記トナー像を前記記録媒体に転写する、請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記帯電部は、前記像担持体の前記表面と接触しながら、前記像担持体の前記表面を帯電する、請求項又はに記載の画像形成装置。
  8. 前記現像剤は、重合トナーを含む、請求項の何れか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記像担持体の前記表面を清掃するクリーニング部を更に備え、
    前記クリーニング部は、クリーニングブレードである、請求項の何れか一項に記載の画像形成装置。
  10. 請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ。
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