JP5892957B2 - 正帯電積層型電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、正帯電積層型電子写真感光体及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に備えられる電子写真感光体としては、セレン等の無機材料からなる感光層を備える無機系感光体と、主に、バインダー樹脂、電荷発生材料、電荷輸送材料等の有機材料からなる感光層を備える有機感光体とがある。そして、これらの感光体のなかでは、無機系感光体と比較して製造が容易であり、感光層の材料を幅広い材料から選択できて設計の自由度が高いことから有機系感光体が幅広く使用されている。
このような感光体には、負帯電型のものと正帯電型のものとがある。負帯電型では、正帯電型に比べて帯電時に用いるコロナ放電が不安定であること、オゾンや窒素酸化物等を発生させるために、これらが感光体表面に吸着して、物理的、化学的劣化を引き起こしやすいこと、環境を悪化すること等の問題がある。このような点から、感光体としては負帯電型感光体よりも使用条件の自由度の大きい正帯電型感光体の方が、その適用範囲が広く有利である。
このような正帯電で使用される電子写真感光体として、例えば、積層型の電子写真感光体を用いることが提案されている(特許文献1)。しかしながら、正帯電積層型感光体は表層側に電荷発生層が設けられるため、磨耗による特性変化が大きく十分な耐久性を確保できないという問題があった。
一方、単層型の電子写真感光体は、その感光層中に電荷輸送材料として電子輸送材料と正孔輸送材料の両方を含むため、正負両極性に対し感度を有している。そのため、単層型の電子写真感光体は、現在正帯電方式の電子写真感光体として主流となっている。
特開昭64−40834号公報
一方、単層型の電子写真感光体は電荷発生材料を均一に感光層全体に分散させるため、電荷発生領域は感光層の表層及びその近傍が主であり、それ以外の領域の電荷発生材料はかえって電荷輸送の妨げとなるという問題があった。そのため、従来の単層型感光体は感度の点で十分なものとはいえなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、従来の正帯電単層型電子写真感光体よりも、さらに高感度化した正帯電型電子写真感光体を提供することを目的とする。また、本発明は、当該正帯電型電子写真感光体を像担持体として備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、
導電性基体上に、
少なくとも正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂からなる電荷輸送層と、
すくなくとも電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及びバインダー樹脂からなる電荷発生・輸送層とが順次積層された積層型感光層が形成されており、
前記電荷輸送層中の前記電子輸送材料の含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、2〜30質量部であり、前記電荷輸送層の厚さが、10〜40μmであるとともに、前記電荷発生・輸送層の厚さが、3〜20μmである、正帯電積層型電子写真感光体に関する。
本発明の第二の態様は、
像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電するための帯電部と、
帯電された前記像担持体の表面を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、
前記静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、
前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、を備え、前記像担持体が、第一の態様に係る正帯電積層型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置に関する。
本発明によれば、従来の正帯電単層型電子写真感光体よりも、さらに高感度化した正帯電型電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、当該正帯電型電子写真感光体を像担持体として備える画像形成装置を提供することができる。
積層型電子写真感光体の構成を示す図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態は、導電性基体上に、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する電荷輸送層と、電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する電荷発生・輸送層とが順次積層された積層型感光層が形成されている正帯電積層型電子写真感光体である。電荷輸送層中の電子輸送材料の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対して、2〜30質量部である。以下、本発明の第1実施形態に係る正帯電積層型電子写真感光体について説明する。
≪正帯電積層型電子写真感光体≫
図1(a)に示す積層型電子写真感光体10のように、積層型電子写真感光体10は、導電性基体11上に、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する塗布液を塗布した後に乾燥させて電荷輸送層12を形成し、次いで電荷輸送層12上に、電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する塗布液を塗布した後に乾燥させて電荷発生・輸送層13を形成することにより作成できる。
また、電荷輸送層12は、配合される成分の異なる、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する塗布液を用いて、2層以上の多層構造としてもよい。電荷輸送層12を2層以上の多層構造とする場合、さらに電荷輸送性や製膜性を改良でき、感光体を光感度化することができる。
このように、電荷輸送層と、電荷発生・輸送層とを、この順番で導電性基体上に積層させることで、感光層の表層に電荷発生材料を集中的に存在させることができるため、電荷輸送層中の電荷輸送材料の電荷輸送能を阻害することなく、良好な感度特性の電子写真感光体を得ることができる。
また、電荷輸送層が電子輸送材料と正孔輸送材料とを含有すると、電荷輸送層が電荷輸送材料として正孔輸送材料のみしか含まない場合と比較して、電荷輸送層中で正孔輸送材料を均一に分散させやすくなり、感度特性に優れる正帯電積層型電子写真感光体を得やすい。
また、図1(b)に示す積層型電子写真感光体10’のように、感光層を形成する前に、導電性基体11上に、下引き層14を予め形成しておくことも好ましい。下引き層14を設けることにより、導電性基体11側の電荷の感光層への注入を防ぐとともに、感光層の導電性基体11上への結着を強固にし、導電性基体11の表面上の欠陥を被覆して平滑化することができるためである。
以下、積層型電子写真感光体に関して、導電性基体、感光層、及び感光層の作成方法について順に説明する。
〔導電性基体〕
導電性基体は、電子写真感光体の導電性基体として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、導電性を有する材料で少なくとも表面部が構成されるもの等が挙げられる。すなわち、具体的には、例えば、導電性を有する材料からなるものであってもよいし、プラスチック材料等の表面を、導電性を有する材料で被覆したものであってもよい。また、導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。また、導電性を有する材料としては、導電性を有する材料を1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて、例えば、合金等として用いてもよい。また、導電性基体としては、上記の中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができ、例えば、シート状、ドラム状等の基体が好適に使用できる。また、導電性基体の厚みは上記形状に応じて適宜選択することができる。
〔感光層〕
正帯電積層型電子写真感光体は、導電性基体上に形成された、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する電荷輸送層と、電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する電荷発生・輸送層と、から構成されている。以下、バインダー樹脂、正孔輸送材料、電子輸送材料、電荷発生材料について順に説明する。
(バインダー樹脂)
電荷輸送層と、電荷発生・輸送層とは、それぞれバインダー樹脂を含有する。以下、電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂と、電荷発生・輸送層に含まれるバインダー樹脂とについて、順に説明する。
・電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂
電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂としては、電子写真感光体の感光層に含まれるバインダー樹脂として用いることができるものであれば、特に限定されない。バインダー樹脂として好適に使用される樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂等の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート樹脂、ウレタン−アクリレート共重合樹脂等の光硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの樹脂の中では、電荷輸送層中の正孔輸送材料と、バインダー樹脂との相溶性が高まり、感度特性に優れる正帯電積層型電子写真感光体を得やすいことから、ポリアリレート樹脂がより好ましい。
ポリアリレート樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシビフェニル、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸のような、芳香環状に結合する2つのカルボキシル基を有する芳香族ジカルボン酸と、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールS、ビスフェノールE、及びビスフェノールF等のビスフェノール類のような、2つのフェノール性水酸基を有する芳香族ジオールとを、縮合させて得られる芳香族ポリエステル樹脂である。ポリアリレート樹脂を合成する際、芳香族ジカルボン酸を、ジ酸クロライド、ジメチルエステル、又はジエチルエステルのような誘導体として用いることができ、芳香族ジオールをジアセテートのような誘導体として用いることができる。ポリアリレート樹脂の合成方法は特に限定されず、周知の溶液重合、溶融重合、界面重合等の方法を採用することができる。ポリアリレート樹脂の好適な具体例としては、下式の繰り返し単位から構成されるポリアリレート樹脂であるR1〜R7が挙げられる。ポリアリレート樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0005892957
ポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は、2,000以上100,000以下であるのが好ましく、3,000以上50,000下であるのがより好ましい。ポリアリレート樹脂の粘度平均分子量をかかる範囲とすると、バインダー樹脂中に正孔輸送材料、電子輸送材料等の成分が良好に分散されやすく、感度特性に優れる感光体が得られる。
ポリアリレート樹脂の粘度平均分子量[M]は、オストワルド粘度計によって、極限粘度[η]を求め、Schnellの式によって、[η]=1.23×10−40.83より算出できる。なお、[η]は、20℃で、塩化メチレンを溶媒として、濃度が6.0g/dmとなるようにポリアリレート樹脂を溶解させて得られるポリカーボネート樹脂溶液を用いて測定できる。
電荷輸送層中のバインダー樹脂がポリアリレート樹脂を含む場合、電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂の総量に対する、ポリアリレート樹脂の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であるのが特に好ましい。
・電荷発生・輸送層に含まれるバインダー樹脂
電荷発生・輸送層に含まれるバインダー樹脂は、電荷輸送層において使用されるバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。しかしながら、本発明では、電荷輸送層、電荷発生・輸送層の順に塗工されるため、電荷発生・輸送層の塗工において、電荷輸送層がその塗工溶剤に溶解しないようなバインダー樹脂が選択されるのが好ましい。
(正孔輸送材料)
正孔輸送材料(HTM)としては、電子写真感光体の感光層に含まれる正孔輸送材料として用いることができるものであれば、特に限定されない。正孔輸送材料の具体例としては、ベンジジン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。これらの正孔輸送材料の中では、分子中に1又は複数のトリフェニルアミン骨格を有するトリフェニルアミン系化合物がより好ましい。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(電子輸送材料)
電子輸送材料(ETM)としては、電子写真感光体の感光層に含まれる電子輸送材料として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体等のキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。電子輸送材料は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(電荷発生材料)
電荷発生材料は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来から電子写真感光体の感光層において使用されている電荷発生材料から適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば、下記式(I)で表されるX型無金属フタロシアニン(x−HPc)、下記式(II)で表されるα型やY型等のオキソチタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。これらの電荷発生材料の中では、X型無金属フタロシアニン、及びα型やY型等のオキソチタニルフタロシアニンが好ましい。
Figure 0005892957
Figure 0005892957
これらのなかでも、(A)CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有し、(B)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲内に1つのピークを有するオキソチタニルフタロシアニンや、
(A)の特徴に加えて、且つ、(C)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外は、50℃以上400℃以下の範囲内にピークを有しないオキソチタニルフタロシアニンや、
(A)の特徴に加えて、且つ、(D)示差走査熱量分析において、吸着水の気化にともなうピーク以外は、50℃以上270℃以下の範囲内にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲内に1つのピークを有するオキソチタニルフタロシアニンが感度の点で好ましい。
電荷発生材料は、所望の領域に吸収波長を有するように、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、前述の各電荷発生材料のうち、特に半導体レーザー等の光源を使用したレーザービームプリンターやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する電子写真感光体が必要となるため、例えば、無金属フタロシアニンやオキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料が好適に用いられる。上記フタロシアニン系顔料の結晶型については特に限定されず、種々のものが使用される。また、ハロゲンランプ等の白色の光源を使用した静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装置には、可視領域に感度を有する電子写真感光体が必要となるため、例えば、ペリレン顔料やビスアゾ顔料等が好適に用いられる。
〔感光層の作成方法〕
感光層は、導電性基体上、又は、導電性基体上に形成された下引き層の上に、電荷輸送層及び電荷発生・輸送層を順次積層して形成される。
電荷輸送層及び電荷・発生輸送層の厚さは、所望する感度の積層型電子写真感光体を形成可能であれば特に限定されない。積層型電子写真感光体における電荷輸送層の厚さは10〜40μmが好ましく、15〜30μmがより好ましい。電荷発生・輸送層の厚さは3〜20μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。
電荷輸送層における正孔輸送材料の含有量は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。電荷輸送層における正孔輸送材料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。電荷輸送層における正孔輸送材料の量をかかる範囲内の量とすることにより、感度特性に優れる積層型電子写真感光体を得やすい。
また、電荷輸送層における電子輸送材料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して2〜30質量部であり、10〜25質量部がより好ましい。電荷輸送層における電子輸送材料の量をかかる範囲内の量とすることにより、感度特性に優れる積層型電子写真感光体を得やすい。
電荷発生・輸送層における電荷発生材料、電子輸送材料、及び正孔輸送材料の含有量は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。電荷発生・輸送層における電荷発生材料の量は、バインダー樹脂100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、7質量部以下が特に好ましい。電荷発生・輸送層における電子輸送材料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して120質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下が特に好ましい。電荷発生・輸送層における正孔輸送材料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して130質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下が特に好ましい。電荷発生・輸送層における、電荷発生材料、電子輸送材料、及び正孔輸送材料の量をかかる範囲内の量とすることにより、感度特性に優れる積層型電子写真感光体を得やすい。
電荷発生層の形成方法としては、正孔輸送材料、電子輸送材料、バインダー樹脂、及び溶剤を含む塗布液の塗布が挙げられる。また、電荷発生・輸送層の形成方法としては、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、バインダー樹脂、及び溶剤を含む塗布液の塗布が挙げられる。
感光層用の塗布液に含有される溶剤としては、感光層を構成する各成分を溶解又は分散させることができれば、特に限定されない。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷発生層用又は電荷輸送層用の塗布液には、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤を配合することができる。塗布液に配合する好適な添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等が挙げられる。また、電荷輸送材料や電荷発生材料の分散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
電荷発生層用又は電荷輸送層用の塗布液の塗布方法は特に限定されないが、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いる方法が挙げられる。
上記の方法により、塗布液を塗布して形成された皮膜は、高温乾燥機や減圧乾燥機等を用いて乾燥することにより溶媒を除去され電荷発生層及び電荷輸送層とされる。乾燥温度としては40℃以上150℃以下が好ましい。かかる温度範囲で、皮膜を乾燥することにより、溶媒の除去が速やかに進行し、均一な厚さの電荷発生層及び電荷輸送層を効率よく形成できるためである。乾燥温度が高すぎる場合、感光層に含まれる成分が熱分解する場合があり好ましくない。
なお、下引き層は、樹脂と、酸化亜鉛や酸化チタン等の無機微粒子と、溶媒とから塗布液を調製し、これを導電性基体上に塗布した後に乾燥して形成することができる。
以上、説明した、第1実施形態にかかる電子写真感光体は、感度特性に優れるため、種々の画像形成装置において好適に使用される。
[第2実施形態]
第2実施形態は、像担持体と、像担持体の表面を帯電するための帯電部と、帯電された像担持体の表面を露光して像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、トナー像を像担持体から被転写体へ転写するための転写部とを備え、像担持体として第1実施形態にかかる正帯電積層型電子写真感光体を用いる画像形成装置に関する。
第2実施形態にかかる画像形成装置において、帯電部、露光部、現像部、及び転写部等の像担持体の他の構成要素は、従来の画像形成装置において使用されるものから適宜選択することができる。
第2実施形態にかかる画像形成装置としては、モノクロ画像形成装置や、後述するような複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置が好ましい。より具体的には、例えば、後述するような、複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置が挙げられる。ここでは、タンデム方式のカラー画像形成装置について説明する。
なお、第1実施形態に係る積層型電子写真感光体を備えるタンデム型のカラー画像形成装置は、各表面上にそれぞれ異なった各色のトナーによるトナー像を形成させるために、所定方向に並設された、複数の像担持体と、各像担持体に対向して配置され、表面にトナーを担持して搬送し、搬送されたトナーを、各像担持体の表面にそれぞれ供給する、現像ローラーを備えた複数の現像部とを備え、各像担持体として、それぞれ第1実施形態にかかる積層型電子写真感光体を用いる。
図2は、積層型電子写真感光体を備える画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、画像形成装置としては、カラープリンター1を例に挙げて説明する。
このカラープリンター1は、図2に示すように、箱型の機器本体1aを有している。この機器本体1a内には、用紙Pを給紙する給紙部2と、この給紙部2から給紙された用紙Pを搬送しながら当該用紙Pに画像データ等に基づくトナー像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3で用紙P上に転写された未定着トナー像を用紙Pに定着する定着処理を施す定着部4とが設けられている。さらに、機器本体1aの上面には、定着部4で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部5が設けられている。
給紙部2は、給紙カセット121、ピックアップローラー122、給紙ローラー123,124,125、及びレジストローラー126を備えている。給紙カセット121は、機器本体1aから挿脱可能に設けられ、各サイズの用紙Pを貯留する。ピックアップローラー122は、給紙カセット121の図2に示す左上方位置に設けられ、給紙カセット121に貯留されている用紙Pを1枚ずつ取り出す。給紙ローラー123,124,125は、ピックアップローラー122によって取り出された用紙Pを用紙搬送路に送り出す。レジストローラー126は、給紙ローラー123,124,125によって用紙搬送路に送り出された用紙Pを一時待機させた後、所定のタイミングで画像形成部3に供給する。
また、給紙部2は、機器本体1aの図2に示す左側面に取り付けられる不図示の手差しトレイとピックアップローラー127とをさらに備えている。このピックアップローラー127は、手差しトレイに載置された用紙Pを取り出す。ピックアップローラー127によって取り出された用紙Pは、給紙ローラー123,125によって用紙搬送路に送り出され、レジストローラー126によって、所定のタイミングで画像形成部3に供給される。
画像形成部3は、画像形成ユニット7と、この画像形成ユニット7によってその表面(接触面)にコンピューター等から電送された画像データに基づくトナー像が1次転写される中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31上のトナー像を給紙カセット121から送り込まれた用紙Pに2次転写させるための2次転写ローラー32とを備えている。
画像形成ユニット7は、上流側(図32では右側)から下流側に向けて順次配設されたブラック用ユニット7Kと、イエロー用ユニット7Yと、シアン用ユニット7Cと、マゼンタ用ユニット7Mとを備えている。各ユニット7K,7Y,7C及び7Mは、それぞれの中央位置に像担持体としての積層型電子写真感光体37(以下、感光体37)が矢符(時計回り)方向に回転可能に配置されている。そして、各感光体37の周囲には、帯電部39、露光部38、現像部71、及び不図示のクリーニング部と、必要に応じて不図示の除電部とが、回転方向上流側から順に各々配置されている。なお、感光体37としては、第2の実施形態にかかる電子写真感光体として積層型電子写真感光体を用いる。
帯電部39は、矢符方向に回転されている感光体37の周面を均一に帯電させる。帯電部39は、電子写真感光体37の周面を均一に帯電させることができれば特に制限されず、非接触方式であっても接触方式であってもよい。帯電部39の具体例としては、コロナ帯電装置、帯電ローラー、帯電ブラシ等が挙げられる。帯電部39としては、帯電ローラー、帯電ブラシ等の接触方式の帯電装置がより好ましく、帯電ローラーが特に好ましい。接触方式の帯電部39を使用することにより、帯電部39から発生するオゾンや窒素酸化物等の活性ガスの排出を抑え、活性ガスによる電子写真感光体の感光層の劣化を防止するとともに、オフィス環境等に配慮した設計をすることができる。
帯電部39が接触方式の帯電ローラーを備える場合、帯電ローラーが感光体37と接触したまま、感光体37の周面(表面)を帯電させる。このような帯電ローラーとしては、例えば、感光体37と接触したまま、感光体37の回転に従属して回転するもの等が挙げられる。また、帯電ローラーとしては、例えば、少なくとも表面部が樹脂で構成されたローラー等が挙げられる。より具体的には、例えば、回転可能に軸支された芯金と、芯金上に形成された樹脂層と、芯金に電圧を印加する電圧印加部とを備えたもの等が挙げられる。このような帯電ローラーを備えた帯電部は、電圧印加部によって、芯金に電圧を印加することによって、樹脂層を介して接触する感光体37の表面を帯電させることができる。
電圧印加部により帯電ローラーに印加される電圧は特に制限されないが、交流電圧や直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を印加する場合より、直流電圧のみであることが好ましい。帯電ローラーに直流電圧のみを印加する場合のほうが、感光層の磨耗量が少なくなる傾向があり、好適な画像を形成することができる。積層型電子写真感光体に印加する直流電圧は、100V以上2000V以下が好ましく、1200V以上1800V以下がより好ましく、1400V以上1600V以下が特に好ましい。
また、帯電ローラーの樹脂層を構成する樹脂は、感光体37の周面を良好に帯電させることができれば特に限定されない。樹脂層に用いる樹脂の具体例としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン変性樹脂等が挙げられる。また、樹脂層には、無機充填材を含有させていてもよい。
露光部38は、いわゆるレーザー走査ユニットであり、帯電部39によって均一に帯電された感光体37の周面に、上位装置であるパーソナルコンピューター(PC)から入力された画像データに基づくレーザー光を照射し、感光体37上に画像データに基づく静電潜像を形成する。現像部71は、静電潜像が形成された感光体37の周面にトナーを供給することで、画像データに基づくトナー像を形成させる。そして、このトナー像が中間転写ベルト31に1次転写される。クリーニング部は、中間転写ベルト31へのトナー像の1次転写が終了した後、感光体37の周面に残留しているトナーを清掃する。除電部は、1次転写が終了した後、感光体37の周面を除電する。クリーニング部及び除電部によって清浄化処理された感光体37の周面は、新たな帯電処理のために帯電部へ向かい、新たな帯電処理が行われる。
中間転写ベルト31は、無端状のベルト状回転体であって、表面(接触面)側が各感光体37の周面にそれぞれ当接するように駆動ローラー33、従動ローラー34、バックアップローラー35、及び1次転写ローラー36等の複数のローラーに架け渡されている。また、中間転写ベルト31は、各感光体37と対向配置された1次転写ローラー36によって感光体37に押圧された状態で、複数のローラーによって回転するように構成されている。駆動ローラー33は、ステッピングモーター等の駆動源によって回転駆動し、中間転写ベルト31を回転させるための駆動力を与える。従動ローラー34、バックアップローラー35、及び1次転写ローラー36は、回転自在に設けられ、駆動ローラー33による中間転写ベルト31の回転に伴って従動回転する。これらのローラー34,35,36は、駆動ローラー33の主動回転に応じて中間転写ベルト31を介して従動回転するとともに、中間転写ベルト31を支持する。
1次転写ローラー36は、1次転写バイアス(トナーの帯電極性とは逆極性)を中間転写ベルト31に印加する。そうすることによって、各感光体37上に形成されたトナー像は、各感光体37と1次転写ローラー36との間で、駆動ローラー33の駆動により矢符(反時計回り)方向に周回する中間転写ベルト31に重ね塗り状態で順次転写(1次転写)される。この後、所望により、除電光により各感光体37の表面を除電するための除電部(図示せず)による除電が行われた後に、各感光体37はさらに回転され、次のプロセスに移行する。
2次転写ローラー32は、トナー像と逆極性の2次転写バイアスを用紙Pに印加する。そうすることによって、中間転写ベルト31上に1次転写されたトナー像は、2次転写ローラー32とバックアップローラー35との間で用紙Pに転写され、これによって、用紙Pにカラーの転写画像(未定着トナー像)が転写される。
定着部4は、画像形成部3で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される加熱ローラー41と、この加熱ローラー41に対向配置され、周面が加熱ローラー41の周面に押圧当接される加圧ローラー42とを備えている。
そして、画像形成部3で2次転写ローラー32により用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラー41と加圧ローラー42との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、排紙部5へ排紙されるようになっている。また、本実施形態のカラープリンター1では、定着部4と排紙部5との間の適所に搬送ローラー6が配設されている。
排紙部5は、カラープリンター1の機器本体1aの頂部が凹没されることによって形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ51が形成されている。
カラープリンター1は、以上のような画像形成動作によって、用紙P上に画像形成を行う。そして、上記のようなタンデム方式の画像形成装置は、像担持体として、耐摩耗性と電気特性に優れる第1実施形態にかかる電子写真感光体が備えているので、長期間にわたって高品質な画像を形成できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例、及び比較例では、以下に記す繰り返し単位から構成されるバインダー樹脂(R1〜R14)と、正孔輸送材料(HTM−1〜8)と、電子輸送材料(ETM1〜8)と、電荷発生材料(CGM−1,CGM−2)を使用した。
<R1〜R5>
Figure 0005892957
<R6〜R8>
R6:ポリエステル樹脂(バイロンRV−200(東洋紡株式会社製))
R7:ポリスチレン樹脂(PS−680(PSジャパン株式会社製))
R8:ポリビニルアセタール樹脂(デンカブチラール#6000C(電気化学工業株式会社製))
<R9〜R14>
Figure 0005892957
<HTM−1〜8>
Figure 0005892957
Figure 0005892957
<ETM−1〜8>
Figure 0005892957
<CGM−1,CGM−2>
CGM−1:上述の式(II)で表されるY型オキソチタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)
CGM−2:上述の式(I)で表されるX型無金属フタロシアニン(x−HPc)
[実施例1〜42、及び比較例1〜7]
以下の方法により、導電性基体状に電荷輸送層と、電荷発生・輸送層とをこの順で形成して、実施例1〜42、及び比較例1〜7の感光体を作成した。
〔電荷輸送層用塗布液CTL−1〜30の調製〕
表1に記載の種類の正孔輸送材料70質量部と、表1に記載の種類及び量の電子輸送材料と、表1に記載の種類及び混合比のバインダー樹脂(粘度平均分子量25,000)100質量部と、テトラヒドロフラン800質量部とを、ボールミルにより10時間混合処理して電荷輸送層用塗布液を調製した。
Figure 0005892957
〔電荷発生・輸送層用塗布液GTL−1〜13の調製〕
表2に記載の種類及び量の電荷発生材料と、表2に記載の種類の正孔輸送材料70質量部と、表2に記載の種類の電子輸送材料50質量部と、表2に記載の種類及び混合比率のバインダー樹脂(粘度平均分子量40,000)100質量部と、テトラヒドロフラン1000質量部とを、ボールミルにより50時間混合処理して電荷発生・輸送層用塗布液を調製した。
Figure 0005892957
〔電荷輸送層の形成〕
表3〜5に記載の種類の電荷輸送層用塗布液を、開口3μmのフィルタでろ過した後、下引き層上にディップコート法により導電性基体上に塗布した。塗布液の塗布後、100℃で30分間処理し、表3〜5に記載の厚さの電荷輸送層を形成した。
〔電荷発生・輸送層の形成〕
表3〜5に記載の種類の電荷発生・輸送層用塗布液を電荷輸送層と同様の方法によって電荷輸送層上に塗布した後、100℃で30分間処理し表3〜5の厚さの電荷発生・輸送層を形成した。
<感度特性評価>
実施例1〜42、及び比較例1〜8の感光体の感度(V)を、下記手順に従って測定した。測定結果を、表3〜5に記す。
ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、単層型電子写真感光体の表面電位を+700V(V)に帯電させた状態でハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅20nm、光強度1.5μJ/m)を感光体表面に1.5秒間照射した。露光開始から0.5秒経過した時点での感光体の表面の残留電位をVとして感光体の感度を測定した。感度特性の評価は、下記基準に従って判定した。
○:Vが210V未満。
×:Vが210V以上。
Figure 0005892957
Figure 0005892957
Figure 0005892957
表3〜5によれば、導電性基体上に、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する電荷輸送層と、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂を含有する電荷発生・輸送層とを順次積層させ、電荷輸送層中に、所定の範囲内の量の電子輸送剤を含む正帯電積層型電子写真感光体は、残留電位(V)が低く感度特性に優れることが分かる。
10 積層型感光体
10’ 下引き層を有する積層型感光体
11 導電性基体
12 電荷輸送層
13 電荷発生・輸送層
14 下引き層

Claims (4)

  1. 導電性基体上に、
    少なくとも正孔輸送材料、電子輸送材料、及びバインダー樹脂からなる電荷輸送層と、
    少なくとも電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及びバインダー樹脂からなる電荷発生・輸送層とが順次積層された積層型感光層が形成されており、
    前記電荷輸送層中の前記電子輸送材料の含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、2〜30質量部であり、前記電荷輸送層の厚さが、10〜40μmであるとともに、前記電荷発生・輸送層の厚さが、3〜20μmである、正帯電積層型電子写真感光体。
  2. 前記電荷輸送層中の前記バインダー樹脂が、ポリアリレート樹脂を含む、請求項1に記載の正帯電積層型電子写真感光体。
  3. 前記電荷輸送層の厚さが、前記電荷発生・輸送層の厚さより厚い、請求項1又は2に記載の正帯電積層型電子写真感光体。
  4. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電するための帯電部と、
    帯電された前記像担持体の表面を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、
    前記静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、
    前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、を備え、前記像担持体が請求項1〜3の何れか1項に記載の正帯電積層型電子写真感光体である画像形成装置。
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