JP5106078B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真感光体としては、無機感光体および有機感光体の双方が上市されているが、現状では、生産性が高く、安価に生産でき、材料や製造方法の選択肢が広いという点で有利な有機感光体が主流になっている。
ただし、有機感光体は、耐摩耗性や繰り返し使用時の電子写真特性の安定性が無機感光体に比べて劣るため、無機感光体と比べると寿命が短い。
電子写真装置が広く普及した近年では、そのランニングコスト低減の要求が高まってきており、電子写真感光体には安価で長寿命であることが要求されている。
この要求に応えるべく、安価な有機感光体を長寿命化するための開発が行われている。
有機感光体の長寿命化のためには、耐摩耗性の向上と繰り返し使用時の電子写真特性の安定化を図る必要がある。
耐摩耗性を向上させる方法としては、特許文献1に、電子写真感光体の表面層に熱硬化性樹脂を用いることによって、電子写真感光体の表面を摩耗しにくいものとする方法が開示されている。
ところが、摩耗しにくい電子写真感光体の表面は、一般的に摩擦力が大きく、クリーニング不良の問題を起こしやすい。
そこで、熱硬化性樹脂を用いた電子写真感光体の表面の摩擦力を低減すべく、特許文献2には、電子写真感光体の表面層に潤滑性粒子を含有させることによって、電子写真感光体の表面に潤滑性を付与する方法が開示されている。
また、熱硬化性樹脂を使用しない系においても、たとえば特許文献3には、電子写真感光体の表面層に適当な粒径の粒子を含有させ、電子写真感光体の表面形状をコントロールすることによって、電子写真感光体の表面の摩擦力を低減する方法が開示されている。
ただし、電子写真感光体の表面層に粒子を含有させようとしても、粒子の材質、透明性、分散均一性の点において、電子写真感光体に適する粒子は少ない。また、表面層中の粒子の含有量が多い場合、電子写真特性、特に出力画像の鮮明度に対して悪影響を及ぼすことがある。よって、電子写真感光体の表面層に粒子を含有させる場合、粒子の材質の選択や表面層中の粒子の含有量の調整には注意を要する。
粒子の材質の選択に関しては、これまで多くの検討がなされてきており、特許文献4や5には、上記の要件を満たす電子写真感光体に適した粒子が提案されている。
また、電子写真感光体の表面層中の粒子の含有量に関して、含有量が多い場合は、表面層の透明性が低下し、電子写真特性も悪化する傾向にある。一方、含有量が少ない場合には、表面層に粒子を含有させることによる効果(粒子含有効果)が得られにくくなる傾向にある。よって、表面層に含有される粒子の総量はできるだけ抑えつつ、粒子含有効果を十分に発現させることが好ましい。
表面層に含有される粒子の総量を抑えつつ、粒子含有効果を十分に発現させる方法として、特許文献6や7には、導電性金属酸化物粒子の表面層中の割合すなわち濃度が表面層の上部と下部とで異なっている電子写真感光体が開示されている。また、特許文献8や9には、表面層中の特定の粒子の濃度が連続的に傾斜している電子写真感光体が開示されている。ただし、特許文献6〜9に開示されている発明の具体的な達成方法は、いずれも、粒子の含有量が異なる層を積層する方法である。
また、表面層に粒子を含有させることによって電子写真感光体の表面の摩擦力を低減する技術として、特許文献10には、ポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量が異なる2層を積層してなる表面層を電子写真感光体に設ける技術が開示されている。
特願平06−309341号公報 特開平01−307765号公報 特開昭52−026226号公報 特開平04−12365号公報 特開平04−345167号公報 特公平02−007057号公報 特許第2675035号公報 特許第3773868号公報 特許第3831672号公報 特開平04−324451号公報
しかしながら、特許文献6〜10に開示されているように層を積層した場合、その分界面が増えるため、電荷がトラップされやすくなり、また、製造工程が増加してコストアップにつながるため、表面層は単一の層であること(単層型の表面層)が好ましい。
また、特許文献6〜10に開示されている発明は、表面層に含有される粒子の総量を抑える技術ではあるが、表面層に粒子を含有させる目的が抵抗制御や表面層の強度の向上であるため、表面層の内部に粒子が存在しない領域を設けることは好ましくない。
一方、電子写真感光体の表面の摩擦力を低減することを目的とする場合は、表面に露出することのない表面層内部の粒子は存在している必要がない。つまり、粒子は表面層の表面近傍のみに存在すればよく、表面層の内部には必ずしも存在しなくてもよい。
また、比較的摩耗しやすい電子写真感光体は、摩耗しにくい電子写真感光体に比べれば摩擦力が低い傾向にあるが、それでも使用開始初期に限っては摩擦力が高い。使用開始初期の摩擦力を低くするためには、粒子は表面層の表面近傍のみに存在すればよく、表面層の内部には必ずしも存在しなくてもよい。
つまり、電子写真感光体の種類を問わず、電子写真感光体の表面の摩擦力を低減することを目的として粒子を電子写真感光体の表面層に含有させる場合には、粒子は表面層の表面近傍のみに存在すればよく、表面層の内部には必ずしも存在しなくてもよい。
本発明の目的は、表面層に粒子を含有させることによって表面の摩擦力を低減しつつ、かつ、粒子を含有させることによる電子写真特性の悪化は抑えられた電子写真感光体製造する方法を提供することにある
本発明は、支持体、該支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された非ポリマーの電荷輸送性化合物および熱可塑性樹脂を含有する電荷輸送層ならびに該電荷輸送層上に形成された粒子および結着材料を含有する単層型の表面層を有、該表面層に含有される結着材料が重合性のモノマーまたはオリゴマーを重合させて得られる硬化物であり、該表面層の表面から下記式(I)
(式(I)中、L1は、表面層の層厚[μm]である。Rpは、表面層全質量に対する表面層中の粒子の割合[質量%]である。Dpは、表面層中の粒子の密度[g/cm]である。Roは、表面層全質量に対する表面層中の粒子以外の含有成分の割合[質量%]である。Doは、表面層中の粒子以外の含有成分の密度[g/cm]である。)
で定義される深さL[μm]までの表面層上部に含有される粒子の個数が該表面層に含有される粒子の総個数に対して40〜95個数%である電子写真感光体を製造する方法であって、
該電荷発生層を形成する電荷発生層形成工程と該電荷輸送層を形成する電荷輸送層形成工程と該表面層を形成する表面層形成工程とを有し、かつ、該表面層形成工程が下記工程(i)〜(iii)を含む電子写真感光体の製造方法である:
(i)電荷輸送層形成工程で形成された電荷輸送層の直上に、該粒子ならびに該重合性のモノマーまたはオリゴマーを含む表面層用塗布液を塗布することによって、該電荷輸送層の直上に表面層塗布膜を形成する工程、
(ii)工程(i)で形成された表面層塗布膜の表面側に該表面層塗布膜に含まれる該粒子を移動させるため、該電荷輸送層および該表面層塗布膜を加熱する工程、
(iii)工程(ii)の後、該表面層塗布膜に放射線を照射することによって、該表面層塗布膜に含まれる重合性のモノマーまたはオリゴマーを重合させて硬化物にする工程。
本発明によれば、表面層に粒子を含有させることによって表面の摩擦力を低減しつつ、かつ、粒子を含有させることによる電子写真特性の悪化は抑えられた電子写真感光体製造する方法を提供することができる
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層ならびに該電荷輸送層上に形成された粒子および結着材料を含有する単層型の表面層を有する電子写真感光体において、
該電荷輸送層が、非ポリマーの電荷輸送性化合物および熱可塑性樹脂を含有し、
該表面層に含有される結着材料が、重合性のモノマーまたはオリゴマーを重合させて得られる硬化物であり、
該表面層の表面から下記式(I)で定義される深さL[μm]までの表面層上部に含有される粒子の個数が、該表面層に含有される粒子の総個数に対して40〜95個数%である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
(式(I)中、L1は、表面層の層厚[μm]である。Rpは、表面層全質量に対する表面層中の粒子の割合[質量%]である。Dpは、表面層中の粒子の密度[g/cm]である。Roは、表面層全質量に対する表面層中の粒子以外の含有成分の割合[質量%]である。Doは、表面層中の粒子以外の含有成分の密度[g/cm]である。)
表面層上部に含有される粒子の個数が、表面層に含有される粒子の総個数に対して40個数%未満である場合は、表面層中の粒子の含有量のわりに、粒子が表面層の表面に露出しにくくなる。
一方、表面層上部に含有される粒子の個数が、表面層に含有される粒子の総個数に対して95個数%を超える場合は、表面層中で粒子を固定するための結着材料が不足し、表面層の強度が低下する。
なお、上記式(I)で定義される深さLの意味は、粒子を含有する表面層において、仮に粒子とそれ以外の含有成分とが完全に相分離し、粒子が表面層上部側に偏ったとき、粒子が存在するはずである深さ(厚さ)の計算値である。基本的には、表面層の層厚L1を、粒子とそれ以外の含有成分の体積比で比例配分した深さとなる。加えて、粒子がすべて真球でかつ粒径がすべて同一であると仮定したときの最密充填率0.74を考慮し、粒子の隙間には粒子以外の含有成分が入り込んでいる状態を想定している。
すなわち、上記式(I)は、以下のようにして導出した。
(上記式中、Mは、表面層の全質量[g]である。)
本発明においては、表面層上部に含有される粒子の個数の表面層に含有される粒子の総個数に対する比率を確かめる方法として、表面層の断面を電子顕微鏡で観察する方法を採った。
図1および図2を用いて、具体的に説明する。
図1は、重合性のモノマーの1種であるアクリルモノマーを重合させて得られる硬化物(アクリル樹脂)を表面層用の結着材料として用い、ポリテトラフルオロエチレン粒子を表面層用の粒子として用いて作製した電子写真感光体の断面写真である。なお、この電子写真感光体は、後述の比較例1の電子写真感光体であり、ポリテトラフルオロエチレン粒子を表面層の表面近傍に移動させることなく作製したものである。
図1において、ポリテトラフルオロエチレン粒子は表面層内でほぼ均一に存在している。表面層の層厚(L1)は4.6μmであった。また、表面層の幅(層厚方向に直交する方向)5μm当たりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子は121個であった。アクリル樹脂の密度(Do)は1.2g/cmであり、ポリテトラフルオロエチレン粒子の密度(Dp)は2.2g/cmであった。また、アクリル樹脂の質量比(Ro)は70質量%であり、ポリテトラフルオロエチレン粒子の質量比(Rp)は30質量%であった。したがって、上記式(I)から、深さLは1.2μmと算出される。
図1の電子写真感光体の表面層の表面から深さL(1.2μm)までの表面層上部で上記幅5μm当たりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子は31個であった。
以上より、表面層の表面から深さL(1.2μm)までの表面層上部に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の個数は、表面層に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の総個数に対して、(31個/121個)×100=26個数%と算出される。
この電子写真感光体の表面層中のポリテトラフルオロエチレン粒子はほぼ均一に存在しているので、ポリテトラフルオロエチレン粒子の存在比は、層厚比(LのL1に対する比の値)とよく一致するはずである。実際、図1の場合は、L/L1=(1.2μm/4.6μm)=0.26(26%)であり、上記の26個数%と一致する。
一方、図2は、ポリテトラフルオロエチレン粒子を表面層の表面近傍に移動させた以外は図1の電子写真感光体と同様にして作製した電子写真感光体の断面写真である。なお、この電子写真感光体は、後述の実施例1の電子写真感光体である。
図2において、ポリテトラフルオロエチレン粒子は表面層上部に偏在している。表面層の層厚(L1)は4.3μmであった。また、図2の電子写真感光体の表面層は、図1の電子写真感光体の表面層と同組成の塗布液を用いて形成されたものであるので、Do=1.2g/cm、Dp=2.2g/cm、Ro=70質量%およびRp=30質量%である。したがって、上記式(I)から、深さLは1.1μmと算出される。
図2の電子写真感光体の表面層の表面から深さL(1.1μm)までの表面層上部では、ポリテトラフルオロエチレン粒子が密に存在しているため、表面層上部に存在するポリテトラフルオロエチレン粒子の個数を数えることは難しい。そこで、代わりに、深さL(1.1μm)より下で表面層の最下面までの表面層下部で幅5μm当たりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子の個数を数えたところ、28個であった。
また、図2の電子写真感光体の表面層は、図1の電子写真感光体の表面層と同組成の塗布液を用いて形成されたものである。よって、図2の電子写真感光体の表面層の幅5μmの範囲あたりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子の個数は、図1の電子写真感光体の場合の121個に表面層の層厚比4.3/4.6を乗じた値の113個になる。
したがって、図2の電子写真感光体の表面層の表面から深さL(1.1μm)までの表面層上部で幅5μm当たりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子は、113個−28個=85個となる。
以上より、表面層の表面から深さL(1.1μm)までの表面層上部に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の個数は、表面層に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の総個数に対して、(85個/113個)×100=75個数%と算出される。すなわち、図2の電子写真感光体は、本発明の規定を満たす電子写真感光体である。
図2から明らかなように、ポリテトラフルオロエチレン粒子は単層型の表面層の表面近傍に移動しており、また、ポリテトラフルオロエチレン粒子は、表面層の表面に効率的に露出している。
電子写真感光体の表面層における粒子の存在状態を、図3〜7に模式的に示す。
図3は、表面層中に粒子が均一に分散されている従来の表面層の例である。
図4は、粒子の含有割合(濃度)が異なる2層を積層してなる積層型の表面層の例である。
図5は、表面層上部に含有される粒子の個数が表面層に含有される粒子の総個数に対して40〜95個数%の表面層の例である。
図6は、表面層上部に含有される粒子の個数が表面層に含有される粒子の総個数に対して40個数%未満の表面層の例である。
図7は、表面層上部に含有される粒子の個数が表面層に含有される粒子の総個数に対して95個数%を超えている表面層の例である。
次に、本発明の電子写真感光体の製造方法について説明する。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、電荷発生層を形成する電荷発生層形成工程と電荷輸送層を形成する電荷輸送層形成工程と表面層を形成する表面層形成工程とを有しており、かつ、表面層形成工程が下記工程(i)〜(iii)を含むことを特徴としている。
(i)電荷輸送層形成工程で形成された電荷輸送層の直上に、前記粒子ならびに前記重合性のモノマーまたはオリゴマーを含む表面層用塗布液を塗布することによって、該電荷輸送層の直上に表面層塗布膜を形成する工程
(ii)工程(i)で形成された表面層塗布膜の表面側に該表面層塗布膜に含まれる前記粒子を移動させるため、該電荷輸送層および該表面層塗布膜を加熱する工程
(iii)工程(ii)の後、該表面層塗布膜に放射線を照射することによって、該表面層塗布膜に含まれる重合性のモノマーまたはオリゴマーを重合させて硬化物にする工程
上記の製造方法の場合、粒子を表面層塗布膜の表面側に移動させる手段が加熱であるため、加熱によって表面層塗布膜を硬化させる(表面層塗布膜中の重合性のモノマーまたはオリゴマーを硬化重合させる)させる手段は採りづらい。したがって、表面層塗布膜の硬化(表面層塗布膜中の重合性のモノマーまたはオリゴマーを硬化重合)は、放射線照射によって行われる。
また、表面層の直下の電荷輸送層には、非ポリマーの電荷輸送性化合物および熱可塑性樹脂を含有させる必要がある。本発明者らが検討した結果、表面層の直下の電荷輸送層として、非ポリマーの電荷輸送性化合物を用いずに熱可塑性樹脂のみを用いた層や、熱可塑性樹脂の替わりに熱硬化性樹脂を用いた層を採用した場合、粒子の移動は起こらなかった。また、表面層の直下の電荷輸送層として、電荷輸送能を有する熱硬化性樹脂を用いた層を採用した場合も、やはり、粒子の移動は起こらなかった。
粒子が移動するメカニズムの詳細は明らかになってはいない。ただ、本発明者らは、非ポリマーの電荷輸送性化合物が、上記加熱によって硬化前の表面層塗布膜にマイグレートした結果、表面層塗布膜内の粒子が分散状態を維持できなくなって相分離し、表面層塗布膜の表面側に移動するのではないかと推測している。
また、粒子を表面層塗布膜の表面側に移動させるための工程(ii)の加熱温度は60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。加熱温度が低すぎると、粒子の移動が遅くなり、製造効率が低下する傾向にある。
また、工程(iii)で用いられる放射線とは、重合性のモノマーまたはオリゴマーを重合させて硬化物にする反応に使用可能な放射線を指し、たとえば、電子線やγ線などが挙げられる。放射線の中でも、装置の大きさ、安全性、コスト、汎用性などの種々の点から電子線が好ましい。
なお、粒子を表面層用塗布液中に分散含有させる場合には、分散剤として、たとえば、フッ素原子含有樹脂、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、界面活性剤などを併せて用いてもよい。
本発明の電子写真感光体の表面の摩擦力低減の効果を確認する手法としては、動摩擦係数μの測定が挙げられる。電子写真プロセスに用いられるクリーニングブレードと、電子写真感光体の表面との間の動摩擦係数μは、新東科学(株)製の表面性試験装置(HEIDON−14)により測定することができる。この装置では、クリーニングブレードを一定の荷重[gf]で電子写真感光体に押し当て、電子写真感光体の表面に対して平行に動かしたときに加わる力[gf]を測定する。動摩擦係数μは、〔電子写真感光体に加わる力[gf]〕/〔ブレードに加えた荷重[gf]〕で得られる。
次に、本発明の電子写真感光体の電荷輸送層および表面層以外の層についても詳細に説明する。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層ならびに該電荷輸送層上に形成された粒子および結着材料を含有する単層型の表面層を有する電子写真感光体である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、材質としては、たとえば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウムなどの金属や合金、または、これらの酸化物、あるいは、カーボン、導電性高分子などの導電性材料が挙げられる。支持体の形状としては、たとえば、円筒状、円柱状などのドラム形状や、ベルト状、シート状などが挙げられる。また、上述の導電性材料は、支持体としてそのまま成形加工されてもよく、また、基材となる部材の表面に塗布または蒸着されることによって支持体の表面層を形成してもよい。また、基材となる部材の表面のエッチング処理やプラズマ処理の処理剤として用いてもよい。導電性材料を基材の表面に適用する場合、該基材自体の材質は、上述の導電性材料のほか、紙、プラスチックなどの非導電性材料であってもよい。
また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
また、支持体と、後述の中間層や電荷発生層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を形成してもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料や抵抗調節顔料を結着樹脂とともに溶剤に分散および/または溶解させて得られる導電層用塗布液を用いて形成することができる。導電層用塗布液には、加熱や放射線照射によって重合し、硬化物となる化合物(重合性の化合物)を含有させてもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を含有させた導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層の層厚は、0.2〜40μmであることが好ましく、1〜35μmであることがより好ましく、5〜30μmであることがより一層好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、たとえば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体/共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
導電層に用いられる導電性顔料および抵抗調節顔料としては、たとえば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属や合金の粒子や、これらを樹脂の粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズなどの金属酸化物の粒子でもよい。これらの粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
支持体または導電層と電荷発生層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を形成してもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層の材料としては、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチンなどが挙げられる。
中間層は、上記の材料を溶剤に溶解させて得られる中間層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
中間層の層厚は0.05〜7μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
支持体、導電層または中間層の上には、電荷発生層が形成される。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、たとえば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属および各種の結晶系(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン顔料などが挙げられる。また、アモルファスシリコンであってもよい。これらの電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質とその0.3〜4倍量(質量比)の結着樹脂とを溶剤中にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターまたはロールミルなどを用いる方法で分散させる。分散させて得られた電荷発生層用塗布液を塗布する。これを乾燥させることによって、電荷発生層を形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生層の層厚は5μm以下であることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
電荷発生層の上には、電荷輸送層が形成される。
本発明の場合、電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、上述のとおり、非ポリマーの電荷輸送性化合物が用いられる。ただし、電荷輸送層を2層以上の積層構造とする場合、表面層の直下でない電荷輸送層に関しては、その限りではない。非ポリマーの電荷輸送性化合物としては、たとえば、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質(非ポリマーの電荷輸送性化合物)と結着樹脂としての熱可塑性樹脂とを溶剤に溶解させる。溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を塗布する。これを乾燥させることによって、電荷輸送層を形成することができる。電荷輸送層中に含まれる電荷輸送物質の量は、20〜100質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましい。
電荷輸送層の層厚は5〜50μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましい。
電荷発生層や電荷輸送層を形成するために用いられる結着樹脂としては、たとえば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体などが挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられる。ただし、表面層の直下の電荷輸送層の場合は、上記の樹脂の中でも熱可塑性樹脂であるものが用いられる。
電荷輸送層の上には、表面層が形成される。
本発明の電子写真感光体の表面層は、粒子および結着材料を含有する単層型の表面層である。また、結着材料としては、重合性のモノマーまたはオリゴマーを重合させて得られる硬化物が用いられる。
重合性のモノマーまたはオリゴマーとしては、たとえば、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合性のモノマーまたはオリゴマーや、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基などを有する逐次重合性のモノマーまたはオリゴマーが挙げられる。これらのモノマーまたはオリゴマーは、2種以上を共重合させて硬化物としてもよい。
粒子としては、電子写真感光体の表面の摩擦力を低減できる粒子、すなわち、潤滑性を付与できる粒子(潤滑性粒子)が好ましい。ただし、本発明の粒子を表面層の表面近傍に偏在させる技術は、潤滑性粒子でない粒子であっても適用は可能である。
潤滑性粒子としては、たとえば、フッ素原子含有樹脂粒子、シリコーン粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子などが挙げられる。これらの中でも、ポリテトラフルオロエチレン粒子やポリメチルシルセスキオキサン粒子が好ましい。
表面層に含有させる粒子の平均粒径は、0.001〜5μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましい。
表面層に含有させる粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。平均粒径が小さすぎると、表面層用塗布液に分散させにくくなる。一方、平均粒径が大きすぎると、電子写真感光体の表面の凹凸が大きくなり、クリーニングにおけるトナーのすり抜けなどの問題が生じる場合がある。
また、表面層に含有させる粒子の粒径は、均一であるほどが好ましい。粒径が不均一すぎると、電子写真感光体の表面の凹凸が不均一になり、局所的な負荷がかかることによって電子写真感光体の表面にキズやトナー融着が生じやすくなる。
また、表面層に含有させる粒子の平均円形度は、0.93〜1.00であることが好ましく、0.95〜1.00であることがより好ましく、0.99〜1.00であることがより一層好ましい。
本発明において、上記平均粒径等の測定は、(株)堀場製作所製の粒度分布測定装置(商品名:CAPA−700)を用い、分散媒体をプロパノールとし、回転速度5000rpmの条件で行った。
なお、後述の実施例で用いたポリテトラフルオロエチレン粒子の平均粒径(D)は0.21μmであり、標準偏差(1σ)は0.08であった(0.21±0.08μmの粒径範囲に全粒子の68%が存在するということである。)。また、ポリメチルシルセスキオキサン粒子の平均粒径(D)は2.02μmであり、標準偏差(1σ)は0.74であった(2.02±0.74μmの粒径範囲に全粒子の68%が存在するということである。)。なお、1σ/Dの値が小さいほど、粒子の粒径は均一であると考えられる。
また、粒子としては、電子写真感光体に必要な光透過性を損なわない粒子であることが好ましい。これは、粒子の材質・粒径や製造方法を工夫することによって達成することができる。
また、本発明の電子写真感光体の表面層は、電荷輸送能を有していても、有していなくてもよい。表面層が電荷輸送能を有する場合は、当該表面層は第2の電荷輸送層としてみることもできる。表面層に電荷輸送能を有させる方法としては、たとえば、上記の重合性のモノマーまたはオリゴマーに電荷輸送性構造を持たせる方法が挙げられる。
表面層の形成方法については、上述のとおりである。
表面層の層厚は、0.1〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。
上記塗布の方法としては、たとえば、バーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、を用いた塗布、浸漬塗布、スプレー塗布、ビーム塗布、静電塗布、粒子塗布などの方法が挙げられる。
次に、本発明のプロセスカートリッジおよび電子写真装置について説明する。
図8は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
図8に示す電子写真装置は、電子写真感光体1として、上記の本発明の電子写真感光体を有する。また、電子写真感光体1の表面を帯電する帯電手段(一次帯電手段)3を有する。また、帯電した電子写真感光体1の表面に形成すべき画像に応じた露光光(像露光光)4を照射し、電子写真感光体1の表面に静電潜像を形成する露光手段(不図示)を有する。また、静電潜像が形成された電子写真感光体1の表面にトナーを供給し、該静電潜像を現像することによってトナー像を形成する現像手段5を有する。また、このトナー像を電子写真感光体1の表面から転写材Pに転写する転写手段6を有する。また、転写材Pに転写されたトナー像を転写材Pに定着する定着手段8を有する。また、転写後の電子写真感光体1の表面の付着物(転写残トナーなど)を除去するクリーニング手段7を有する。
また、本発明の電子写真装置は、クリーニング後の電子写真感光体1の静電履歴を消去するための光を照射する前露出手段(不図示)を有していてもよい。また、前露光手段は、クリーニング手段5の前であってもよい。
電子写真感光体1は、軸2を中心に所定の周速度で回転駆動される(図8の矢印方向)。電子写真感光体1の表面は、回転過程で、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。帯電手段3としては、たとえば、コロナ帯電器、ローラー帯電器が用いられる。
次に、電子写真感光体1は、露光部にて露光手段によりレーザー光などの露光光4を受け、これにより電子写真感光体1の表面に静電潜像が形成される。露光光4は、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光もしくは透過光、または、原稿を読み取り信号化し、この信号によるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより電子写真感光体1に照射される光である。ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、露光光4は受信データをプリントするための露光光であってもよい。
このように形成された静電潜像には、現像手段5から供給されるトナーが付着し、トナー像が形成される。現像手段5は、たとえば、トナーを収容するトナー容器と、トナー容器の開口部に回転自在に設けられている現像スリーブとを有する。
電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転に同期して供給された転写材Pの表面に、転写手段6が具備する電圧印加手段が印加する電圧により、順次転写される。転写手段が具備する電圧印加手段としては、公知の電圧印加手段を用いることができ、たとえば、コロナ帯電器、ローラー帯電器が用いられる。
トナー像が転写された転写材Pは、転写材P上の未定着状態のトナー像を定着する定着手段8に導入され像定着を受けた後、画像形成物(コピー)として機外へ出力される。なお、定着手段8としては、たとえば、転写材P上の未定着状態のトナー像を加熱するためのヒーターを内蔵する定着ローラーと、定着ローラーに向けて転写材Pを押圧するための加圧ローラーとを有してもよい。
一方、トナー像を転写した後の電子写真感光体1は、電子写真感光体1の表面に当接するクリーニングブレードを有するクリーニング手段7により、電子写真感光体1の表面に残存するトナー(残トナー)の除去を受け、清浄面化される。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジ9として一体に結合して構成してもよい。また、このプロセスカートリッジ9を複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図8においては、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9を電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体の案内手段12(レールなど)を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。プロセスカートリッジ9には、露光光4や前露出手段からの光をプロセスカートリッジ9の外から中へ通すための開口部が設けられてもよい。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版などの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
[比較例1]
<電子写真感光体の製造>
比較例1に用いる電子写真感光体を以下の通りに作製した。
まず、長さ357.5mm、外径30mm、肉厚0.7mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウムの合金)を切削加工により作製し、これを支持体とした。このシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて洗剤を洗い流し工程を経た後、さらに純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。
次に、硫酸バリウム粒子に酸化スズを被覆してなる粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部およびメタノール50部からなるスラリーに、ボールミルによる分散処理を20時間施すことによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、支持体上に浸漬塗布し、これを48分間140℃に調整した熱風乾燥機中で硬化(加熱硬化)させることによって、層厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)製)30部をメタノール400部およびブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を、導電層上に浸漬塗布し、これを22分間100℃に調整した熱風乾燥機中で乾燥(加熱乾燥)させることによって、層厚が0.45μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部、下記構造式(1)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部およびシクロヘキサノン800部からなる混合液に、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルによる分散処理を4時間施し、その後、これに酢酸エチル700部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを15分間80℃に調整した熱風乾燥機中で乾燥(加熱乾燥)させることによって、層厚が0.18μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(2)で示されるトリアリールアミン化合物(非ポリマーの電荷輸送性化合物)70部
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)100部を、モノクロロベンゼン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間100℃に調整した熱風乾燥機中で乾燥(加熱乾燥)させることによって、層厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記構造式(3)で示される重合性官能基を有する正孔輸送性化合物(重合性のモノマー)21部、
分散剤としてのフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)0.45部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35部および1−プロパノール35部の混合溶剤に溶解させた。これに、ポリテトラフルオロエチレン粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)9部を加え、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で5880N/cm(600kgf/cm)の圧力で3回の分散処理を施した。これを10μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)メンブレンフィルターで加圧濾過することによって、潤滑剤分散液を調製した。その後、上記構造式(3)で示される重合性官能基を有する正孔輸送性化合物20部を潤滑剤分散液に加え、5μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、表面層用塗布液を調製した。
この表面層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、表面層塗布膜を形成した。
その後、窒素中において加速電圧70kV、線量1.8Mrad(1.8×10Gy)の条件で電子線を表面層塗布膜に照射した。引き続いて被照射体の温度が130℃になる条件で被照射体に加熱処理を90秒間施した。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で被照射体に加熱処理を20分間施すことによって、表面層を形成した。
このようにして、電子写真感光体を製造した。
<電子写真感光体の評価1>
得られた電子写真感光体から表面層および下層を剥がし取り、その断面を(株)キーエンス製の電子顕微鏡(3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800)で観察した。
その断面写真が図1に示すものである。
本比較例の電子写真感光体は、図1に示すとおり、ポリテトラフルオロエチレン粒子が表面層内でほぼ均一に存在している。表面層の層厚(L1)は4.6μmであった。また、表面層の幅(層厚方向に直交する方向)5μm当たりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子は121個であった。アクリル樹脂の密度(Do)は1.2g/cmであり、ポリテトラフルオロエチレン粒子の密度(Dp)は2.2g/cmであった。また、アクリル樹脂の質量比(Ro)は70質量%であり、ポリテトラフルオロエチレン粒子の質量比(Rp)は30質量%であった。したがって、上記式(I)から、深さLは1.2μmと算出される。
また、本比較例の電子写真感光体の表面層の表面から深さL(1.2μm)までの表面層上部で上記幅5μm当たりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子は31個であった。
以上より、表面層の表面から深さL(1.2μm)までの表面層上部に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の個数は、表面層に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の総個数に対して、(31個/121個)×100=26個数%と算出される。
本比較例の電子写真感光体の表面層中のポリテトラフルオロエチレン粒子は表面層中で均一に分散されているので、表面層の表面近傍に凝集していない。つまり、表面層の表面に露出しているポリテトラフルオロエチレン粒子の個数は、表面層中のポリテトラフルオロエチレン粒子の総個数に比べてきわめて少ない。
<電子写真感光体の評価2>
上記のとおりに動摩擦係数μを測定したところ、0.25であった。
<電子写真感光体の評価3>
得られた電子写真感光体の感度および残留電位を、キヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)iR4580を以下のように改造した装置を使用して測定した。
すなわち、iR4580から、現像器を取り外し、その現像器の位置にトレック社製の表面電位計プローブMODEL 6000B7−Cを装着した。このプローブを、トレック社製の表面電位計MODEL 344に接続して電子写真感光体の表面電位を測定した。
測定条件は、複写機のコントローラーを利用して設定し、以下のように測定した。
すなわち、白ベタ画像出力時の電子写真感光体の表面電位が−600Vとなるように帯電(一次帯電)の設定値を設定した。ハーフトーン出力時の露光光量(像露光光量)を、0.05〜0.40cJ/mまで0.05cJ/m刻みで設定し、表面電位を測定した。この露光光量と電子写真感光体の表面電位をプロットし、電子写真感光体の表面電位が−100Vとなる光量を導き出し、電子写真感光体の感度とした。
また、帯電がオフになった次の1回転の電位を測定し、残留電位とした。
電子写真感光体の感度は0.226cJ/m、残留電位は25Vであった。
[実施例1]
<電子写真感光体の製造>
比較例1と同様の製造方法で、電荷輸送層まで形成した。
この電荷輸送層上に、比較例1と同じ組成の表面層用塗布液を浸漬塗布し、表面層塗布膜を形成した。
次に、粒子を表面層の表面近傍に移動させるための加熱処理を行った。すなわち、70℃に調整した熱風乾燥機中で6分間加熱処理した。
その後、窒素中において加速電圧70kV、線量1.8Mrad(1.8×10Gy)の条件で電子線を表面層塗布膜に照射した。引き続いて被照射体の温度が130℃になる条件で被照射体に加熱処理を90秒間施した。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で被照射体に加熱処理を20分間施すことによって、表面層を形成した。
<電子写真感光体の評価1>
比較例1と同様にして、得られた電子写真感光体から表面層および下層を剥がし取り、その断面を(株)キーエンス製の電子顕微鏡(3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800)で観察した。
その断面写真が図2に示すものである。
本実施例の電子写真感光体は、図2に示すとおり、ポリテトラフルオロエチレン粒子が表面層上部に偏在している。表面層の層厚(L1)は4.3μmであった。また、本実施例の電子写真感光体の表面層は、比較例1の電子写真感光体の表面層と同組成の塗布液を用いて形成されたものであるので、Do=1.2g/cm、Dp=2.2g/cm、Ro=70質量%およびRp=30質量%である。したがって、上記式(I)から、深さLは1.1μmと算出される。
本実施例の電子写真感光体の表面層の表面から深さL(1.1μm)までの表面層上部では、ポリテトラフルオロエチレン粒子が密に存在しているため、表面層上部に存在するポリテトラフルオロエチレン粒子の個数を数えることは難しい。そこで、代わりに、深さL(1.1μm)より下で表面層の最下面までの表面層下部で幅5μm当たりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子の個数を数えたところ、28個であった。
また、本実施例の電子写真感光体の表面層は、比較例1の電子写真感光体の表面層と同組成の塗布液を用いて形成されたものである。よって、本実施例の電子写真感光体の表面層の幅5μmの範囲あたりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子の個数は、比較例1の電子写真感光体の場合の121個に表面層の層厚比4.3/4.6を乗じた値の113個になる。
したがって、本実施例の電子写真感光体の表面層の表面から深さL(1.1μm)までの表面層上部で幅5μm当たりに存在するポリテトラフルオロエチレン粒子は、113個−28個=85個となる。
以上より、表面層の表面から深さL(1.1μm)までの表面層上部に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の個数は、表面層に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の総個数に対して、(85個/113個)×100=75個数%と算出される。
本実施例の電子写真感光体の表面層中のポリテトラフルオロエチレン粒子は表面層の表面近傍に移動してきており、また、粒子が効率的に表面層の表面に露出した。
<電子写真感光体の評価2>
上記のとおりに動摩擦係数μを測定したところ、0.22であった。
本実施例の電子写真感光体は、ポリテトラフルオロエチレン粒子が表面層の表面近傍に移動してきており、また、粒子が効率的に表面層の表面に露出しているため、比較例1の電子写真感光体と比べて表面の動摩擦係数が低下していることが確認できた。
<電子写真感光体の評価3>
比較例1と同様に電子写真感光体の感度および残留電位を測定した。
電子写真感光体の感度は0.232cJ/m、残留電位は26Vであった。
電子写真特性は、比較例1の電子写真感光体とほぼ同等であった。
<電子写真感光体の評価4>
本実施例の電子写真感光体を、キヤノン(株)製の電子写真装置LBP5900SEに搭載して、耐久試験を行った。耐久試験の環境は30℃/80%RHとした。暗部電位を−530V、現像バイアスを−360V、帯電器の交流電流値を1400μAに設定し、画像比率1%の格子チャートをA4紙に出力して、1万枚耐久試験を行った。耐久試験初期および耐久試験後にハーフトーン画像を出力した。結果、どちらのハーフトーン画像にも問題はなかった。また、電子写真感光体を取り外して電子写真感光体の表面を観察したが、目立ったキズは見られなかった。実使用上も問題が無いことが確認された。
[実施例2]
実施例1において、粒子を表面層の表面近傍に移動させるための加熱処理温度を65℃に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1を行った。結果を図9および表1に示す。
本実施例の電子写真感光体は、表面層の表面近傍への粒子の移動は認められたが、その程度が少ないことが分かった。
また、電子写真感光体の評価2を行ったところ、動摩擦係数μは0.25であった。
[実施例3]
実施例1において、粒子を表面層の表面近傍に移動させるための加熱処理温度を80℃に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1を行った。結果を表1に示す。
本実施例の電子写真感光体は、ポリテトラフルオロエチレン粒子が表面層の表面近傍に移動してきており、また、ポリテトラフルオロエチレン粒子が効率的に表面層の表面に露出していることが分かった。
[実施例4]
実施例1と同様の製造方法で、電荷輸送層まで形成した。
次に、上記構造式(3)で示される重合性官能基を有する正孔輸送性化合物27部、分散剤としてのフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)0.45部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35部および1−プロパノール35部の混合溶剤に溶解させた。続いて、ポリテトラフルオロエチレン粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)3部を加え、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で5880N/cm(600kgf/cm)の圧力で3回の分散処理を施した。これを10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧濾過し、潤滑剤分散液を調製した。その後、上記構造式(3)で示される正孔輸送性化合物20部を潤滑剤分散液に加え、5μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、表面層用塗布液を調整した。
この塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、表面層塗布膜を形成した。
次に、粒子を表面層の表面近傍に移動させるための加熱処理を行った。すなわち、70℃に調整した熱風乾燥機中で6分間加熱処理した。
その後、窒素中において加速電圧70kV、線量1.8Mrad(1.8×10Gy)の条件で電子線を表面層塗布膜に照射した。引き続いて被照射体の温度が120℃になる条件で被照射体に加熱処理を90秒間施した。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で被照射体に加熱処理を20分間施すことによって、層厚が4.9μmの表面層を形成した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1を行った。結果を表1に示す。
本実施例の電子写真感光体は、ポリテトラフルオロエチレン粒子が表面層の表面近傍に移動してきており、また、ポリテトラフルオロエチレン粒子が効率的に表面層の表面に露出していることが分かった。
[比較例2]
実施例3において、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を除いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(便宜上、電子写真感光体と呼ぶ)を作製した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1を行った。結果を図10および表1に示す。
表面層の直下の層が、熱硬化性樹脂層で構成されている本比較例では、粒子の移動は起こらなかった。
[比較例3]
実施例3において、電荷輸送層を形成する際に、電荷輸送物質を除いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1を行った。結果を表1に示す。
表面層の直下の層が、電荷輸送物質(非ポリマーの電荷輸送性化合物)を含まず、熱可塑性樹脂層のみで構成されている本比較例では、粒子の移動は起こらなかった。
[比較例4]
比較例1と同様の製造方法で電子写真感光体を作製した。
この電子写真感光体上に、さらに実施例3の表面層形成と同様の方法で、表面層を形成した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1を行った。結果を表1に示す。
表面層の直下の層が電荷輸送能を有する熱硬化性樹脂(ポリマー)で構成されている本比較例では、粒子の移動は起こらなかった。
[比較例5]
実施例1において、粒子を表面層の表面近傍に移動させるための加熱処理を行わず、代わりに塗布後の状態のまま2日間放置した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1を行った。結果を図11および表1に示す。
粒子を表面層の表面近傍に移動させるための加熱処理を行わず、長時間放置しただけの本比較例では、粒子の移動は起こらなかった。
[比較例6]
実施例1において、粒子を表面層の表面近傍に移動させるための加熱処理温度を70℃6分間から、100℃30分間に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1を行った。結果を表1に示す。
本比較例の電子写真感光体は、表面層上部に存在するポリテトラフルオロエチレン粒子の個数が、表面層に含有されるポリテトラフルオロエチレン粒子の総個数の97個数%と算出された。
実施例1と同様にして、電子写真感光体の評価4を行った。耐久試験初期および耐久試験後にハーフトーン画像を出力した。結果、耐久試験後にハーフトーン画像にスジ状の異常画像が認められた。電子写真感光体を取り出して外観を観察すると、電子写真感光体の表面に、周方向の傷が多数確認された。おそらく、表面層中でポリテトラフルオロエチレン粒子を固定するための結着材料が乏しかったためと考えられる。
[実施例5]
実施例3において、粒子をポリテトラフルオロエチレン粒子からポリメチルシルセスキオキサン粒子(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)に変更した以外は、実施例3と同様の製造方法で電子写真感光体を作成した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価および評価2を行った。結果を図12および表1に示す。
本実施例の電子写真感光体は、ポリメチルシルセスキオキサン粒子が表面層の表面近傍に移動してきており、また、ポリメチルシルセスキオキサン粒子が効率的に表面層の表面に露出していることが分かった。
上記のとおりに動摩擦係数μを測定したところ、0.21であった。
[実施例6]
実施例5において、ポリメチルシルセスキオキサン粒子を表面層の表面近傍に移動させるための加熱処理温度を60℃に変更した以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を作製した。
比較例1と同様にして、電子写真感光体の評価1および評価2を行った。結果を表1に示す。
この電子写真感光体は、ポリメチルシルセスキオキサン粒子が表面層の表面近傍に移動してきており、また、ポリメチルシルセスキオキサン粒子が効率的に表面層の表面に露出していることが分かった。
上記のとおりに動摩擦係数μを測定したところ、0.22であった。
比較例1の電子写真感光体の断面写真である。 実施例1の電子写真感光体の断面写真である。 表面層中に粒子が均一に分散されている従来の表面層の例である。 粒子の含有割合(濃度)が異なる2層を積層してなる積層型の表面層の例である。 表面層上部に含有される粒子の個数が表面層に含有される粒子の総個数に対して40〜95個数%の表面層の例である。 表面層上部に含有される粒子の個数が表面層に含有される粒子の総個数に対して40個数%未満の表面層の例である。 表面層上部に含有される粒子の個数が表面層に含有される粒子の総個数に対して95個数%を超えている表面層の例である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 実施例2の電子写真感光体の断面写真である。 比較例2の電子写真感光体の断面写真である。 比較例5の電子写真感光体の断面写真である。 実施例5の電子写真感光体の断面写真である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
P 転写材
9 プロセスカートリッジ
10 レール

Claims (4)

  1. 支持体、該支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された非ポリマーの電荷輸送性化合物および熱可塑性樹脂を含有する電荷輸送層ならびに該電荷輸送層上に形成された粒子および結着材料を含有する単層型の表面層を有し、該表面層に含有される結着材料が重合性のモノマーまたはオリゴマーを重合させて得られる硬化物であり、該表面層の表面から下記式(I):

    (式(I)中、L1は、表面層の層厚[μm]である。Rpは、表面層全質量に対する表面層中の粒子の割合[質量%]である。Dpは、表面層中の粒子の密度[g/cm ]である。Roは、表面層全質量に対する表面層中の粒子以外の含有成分の割合[質量%]である。Doは、表面層中の粒子以外の含有成分の密度[g/cm ]である。)
    で定義される深さL[μm]までの表面層上部に含有される粒子の個数が該表面層に含有される粒子の総個数に対して40〜95個数%である電子写真感光体を製造する方法であって、
    電荷発生層を形成する電荷発生層形成工程と電荷輸送層を形成する電荷輸送層形成工程と表面層を形成する表面層形成工程とを有し、かつ、該表面層形成工程が下記工程(i)〜(iii)を含む電子写真感光体の製造方法:
    (i)電荷輸送層形成工程で形成された電荷輸送層の直上に、粒子ならびに重合性のモノマーまたはオリゴマーを含む表面層用塗布液を塗布することによって、該電荷輸送層の直上に表面層塗布膜を形成する工程、
    (ii)工程(i)で形成された表面層塗布膜の表面側に該表面層塗布膜に含まれる粒子を移動させるため、該電荷輸送層および該表面層塗布膜を加熱する工程、
    (iii)工程(ii)の後、該表面層塗布膜に放射線を照射することによって、該表面層塗布膜に含まれる重合性のモノマーまたはオリゴマーを重合させて硬化物にする工程。
  2. 前記工程(ii)における加熱の温度が70℃以上である請求項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記工程(iii)で用いられる放射線が電子線である請求項またはに記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記表面層に含有される粒子が、ポリテトラフルオロエチレン粒子またはポリメチルシルセスキオキサン粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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