JP5565171B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
これらの電子写真感光体は、電子写真画像形成プロセスにおいて、機械的外力、電気的または化学的なハザードに曝されるため、種々の劣化をきたす。特に、最近においてはカラー画像の出力が増加し、繰り返し長期にわたって使用する電子写真有機感光体には、従来以上にこれらの劣化に対する耐久性が要求されている。
従来、機械的耐久性の向上に対しては、感光体の表面に保護層を設けたものが種々提案されて来た。この保護層においても、硬い金属酸化物微粒子を分散した保護層、或いは、保護層自体を架橋硬化したものが検討されている(特許文献3参照)。又、感光体表面の潤滑性を良くして膜が削れることを防止する検討もなされその実用化も進んでいる(特許文献4、5参照)
クリーニングブレードは、感光体表面を機械的に摺擦する力が強いため、長期の繰り返し画像形成において、感光体の表面に小さな傷やクラックが発生する場合があること、あるいはクリーニングブレードが欠けて細かいトナーがすり抜ける場合もある。特に後者が発生した場合、画像に黒スジが入り、画像品質が一気に低下することになる。トナーのすり抜けによる画像劣化は、高耐久感光体の緊急な課題になっている。
このように、従来の技術では、クリーニングブレードのメクレやビビリの防止とトナーすり抜けやフィルミングの抑制を両立することは難しかった。
本発明は、下記(1)〜(8)によって解決される。
(2)前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の一動作終了時に行われることを特徴とする前記(1)記載の画像形成装置。
(3)前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の動作前に行われることを特徴とする前記(1)記載の画像形成装置。
(4)前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1mm以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1〜10mmであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記凸部が無機顔料を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記凸部が架橋性樹脂を含有することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
感光体1は、静電潜像及びトナー像を担持するための像担持体である。感光体1上のトナー像は、転写装置5により転写材に転写されるが、その一部が未転写のまま残留することがある。そのため、クリーニング装置6により、感光体1上の未転写トナーを除去する。
そうして、画像形成装置で画像形成が行われると、クリーニングブレード30の先端部が感光体1に対してカウンター方向に押し付けられて摺接し、感光体1表面に付着しているトナーを掻き取る。掻き取られたトナーは、図示されていないトナー回収コイルを通して外部に取り出される。
画像形成方法並びに画像形成装置については、より詳しく後述する。
感光体1の反転は、前記反転が画像形成の動作前に行われるようにすることもできる。画像形成の動作前としては、画像形成装置の電源投入時に行うようにしてもよい。また、電源投入後、ウォームアップ動作として感光体が画像形成時の回転方向に回転駆動する場合がある。その場合は、前記画像形成時の回転方向に回転駆動が終了し停止した後、逆方向に回転駆動するようにしてもよい。このような感光体1の反転を非作像時に行うことにより、作像の効率は低下しない。
本発明に係わる感光体の表面は、多数の凸部と該各凸部を取り囲む凹部を有する構成を備えている。
感光体表面の凸部の形状は、公知のレーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて測定できる。例えば、レーザー顕微鏡としてキーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、菱化システム社製の表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR型機、オリンパス社製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000、レーザーテック社製の3CCDリアルカラーコンフォーカル顕微鏡OPTELICS H1200等が利用できる。光学顕微鏡としては、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−500、オムロン社製3DデジタルマイクロスコープVC−7700が利用できる。電子顕微鏡としては、キーエンス社製の3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800などが利用できる。これらの顕微鏡を用いて凸部の形状、裾部の状態、配置、高さ或いは頂上部を観測し計測することが出来る。
本発明の凹凸形状の一例を図4に示す。図4の黒色部分が凸部を、白色の部分が凸部を取り囲む凹部であり、凸部が整列していると凹部は網目状になる。
本発明の感光体は、感光体表面に凸部を最長径・高さ・個数を制御し設けることにより、感光体のトナークリーニング性が向上し、感光体表面へのワックスなどの異物蓄積が発生することがなく、優れたトナークリーニング性と画像安定性を有する。この理由は、感光体表面の多数の凸部により、平滑な感光体表面に比べて、ブレードの押圧力、回転方向への引き込み力が均一に分散されるため、トナークリーニング性および信頼性が向上する。更に、凸部を取り囲む網目状の凹部が連結しているため、異物が排出される経路を有し、異物の蓄積を防ぐため、優れた画像安定性を有する。
凸部の径及び高さは次のようにして求める。
感光体上の任意の10箇所の1mm2エリアを決め、次にそれぞれのエリア内の任意の2個(2個しか無い場合はその2個)の凸部の径と高さを求め、10エリアで合計20個の凸径と高さのDataを得、それぞれ平均して、凸部の径と高さとする。
凸部の径及び高さは、凸部が形成された表面のプロファイルから算出する。その算出方法を図5−1に示す。
まず凸部の直径は、任意の凸部の頂点を通るプロファイル上で、凸部両端の最下点であるx1とx2の感光体の表面層の表面の横方向の距離│x1−x2│とする。一つの凸部に対して任意の方向5点で測定し、その中で最大の値を凸部の最長径とした。
次に、凸部の高さは、前記任意の凸部の頂点を通るプロファイル上においてその両端の裾の最下点を結ぶ線を基準線とし、凸部の頂点から感光体の表面層の表面に垂直線を引いて、この垂直線と基準線との交点と凸部の頂点との距離を凸部の高さとした。
図5−2は好ましい凸部の形成状態の例を示す図である。図5−2において、前記基準線は感光体の表面層の表面でもある。
凸部の個数の測定には、レーザー顕微鏡を用いた。測定は、先ずドラムサンプルをワーク置き台に設置し、チルト調整して水平をあわせ、電子写真感光体の表面の3次元形状データを取り込んだ。その際、対物レンズは10倍の倍率を用い、単位表面積(mm2)当たりにおいて、解析画面の視野中で見える形成された凸部の数をカウントして凸部の個数とした。
本発明の電子写真感光体の適した凸部の個数は、単位表面積(mm2)当たり2個〜5000個が好ましい。1個以下の場合と5000個をこえる場合、クリーニングブレードと感光体の接触面積増加によるクリーニングブレード引込みが大きくなるため、トナークリーニング性が悪くなる。
本発明の感光体にある特定の凸部を形成するための方法については、公知の技術を含めて、どのような技術を用いても良い。凸部の形成方法には、凸部形成用塗工液を霧化し外部から転移させて形成する方法、例えばスプレー塗工方法、インクジェットによる方法、印刷方法が挙げられる。
本発明の凸部を形成する方法の具体例の一つとして、電子写真感光体の表面に吹き付けて凸部を形成するスプレー塗工法を説明する。
本発明の凸部の形状を得るため、ドラム側に所望のパターンに対応したマスクを設置する。使われるマスクとしては、公知の金属メッシュや樹脂のメッシュなどが挙げられる。
スプレー塗工法としては公知の方法が利用できる。図6にスプレー塗工装置の概要を示す。
図示しない回転駆動装置によって、マスクを巻きつけた感光体ドラムを所定の速度で回転させておく。次いでスプレーガンを有する移動塗布体に塗工液と気体を所定の圧力で供給しつつ、感光体ドラムの軸方向にオシレート(移動)させ、霧状にした塗工液を感光体ドラムに吹き付けて塗布膜を形成できるようにしたものである。
塗工条件としては以下の条件で形成することが出来る。感光体最表層と異なる成分からなる塗工液を用いて、塗工液の粘度0.5〜10mPa・sec、溶媒比を高沸点溶媒/低沸点溶媒=1/3〜3/1、濃度0.5〜10wt%、感光体の回転数60〜1000r.p.m、オシレート速度2〜100mm/sec、エアー圧力0.05〜5MPa、エアー流量1〜100L/minとして形成できる。
凸部の最長径が10〜500μmの範囲が好適であるので、使用できるメッシュとしては30メッシュ〜635メッシュを利用することが出来る。
インクジェット方式は凸形状形成液を微滴化し、感光体表面層に直接吹き付けて凸部を形成する方法である。
図7はコンティニュアス型インクジェット装置の概略図である。
ポンプによってノズルから連続的機に押し出されたインク(塗工液)は超音波発振器によって微細な液滴になる。この液滴は電極によって電荷を与えられ、必要に応じて偏向電極によって起動を曲げられて、印刷面(感光体表面)に到達する。偏向電極で曲げられなかった塗工液はガターと呼ばれる回収口に吸い込まれ再びインクタンクに戻る。
凸部形成においては、塗工液固形分、ポンプ流量、液滴間隔、ノズル径、ヘッド送り速度などによって感光体状の凸部の径、高さ、面積あたりの個数を調節することが出来る。
図8はサーマル方式、図9はピエゾ方式である。
サーマル方式はインクの詰まった微細管の一部にヒーターを取り付け、このヒーターを瞬時に加熱することにより、インク内に気泡を発生させて、インクを噴射する原理である。
ピエゾ方式はインクの詰まった微細管の一部にピエゾ素子を取り付けて、このピエゾ素子に電圧を加えることで素子を変形させて液滴を噴出させる方式である。
凸部形成においては塗工液固形分、変形量、微細管径、信号間隔、ヘッド送り間隔などで、感光体上の凸部の径、高さ、面積あたりの個数を調節することが出来る。
特に凸部の材料として、表面層には含まれない架橋性樹脂となるバインダー材料、または無機顔料を用いた場合には耐摩耗性に優れ、本発明の効果の持続性が高くなる。
凸部の材料として表面層とは異なる電荷輸送材料を用いた場合、表面層の電荷輸送剤が放電ガスによる耐性が低い場合にはガス耐性の強い電荷輸送剤を使用できる。
凸部の材料として、表面層には含まれない樹脂粒子を用いた場合には凸部の潤滑性、離型性を確保することが出来、クリーニング性、転写性が更に良好になる。
[架橋性樹脂]
表面凸部を構成する材料として、重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーを用い、塗工後に硬化させることにより凸部に架橋性樹脂を含有させることができる。塗料がコーティングされた後、重合反応或いは重縮合反応によって架橋構造の樹脂が形成される。樹脂膜が架橋構造をもつため耐摩耗性が強靱である。また、架橋性の電荷輸送材料が配合されると電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示す。
重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性の点から架橋性の正孔輸送性化合物と、連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基およびアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料を架橋させる系が特に好ましい。熱、光、放射線を用いて架橋硬化できる。架橋性樹脂は3次元に架橋されていることが好ましい。
連鎖重合系材料としては、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが好ましい。これにより架橋膜自体の耐摩耗性が向上したり、強靱性が増大したりすることが多い。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーはトリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
これらは東京化成社等の試薬メーカー、日本化薬社KAYARD DPCAシリーズ、同DPHAシリーズ等を入手することができる。
また、硬化を促進させたり、安定化させたりするためにチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社イルガキュア184等の開始剤を全固形分に対して5〜10wt%程度加えてもよい。
また、電荷輸送構造を含まない(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有するモノマーやオリゴマーと併用した組成の構成にしても良い。
少なくとも塗工液中にこのような化合物を含有させて、熱、光、或いは電子線、γ線等の放射線によるエネルギーを与えて架橋し硬化させてできる。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、架橋性の電荷輸送材料の好ましい比率は、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマー:架橋性の電荷輸送材料=10:1〜1:10であり、より好ましくは、2:1〜1:2である。
このフィラー微粒子としては、以下のようなものが使用できる。
有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、パーフロロアルコキシ樹脂粒子のようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、カーボン微粒子などが挙げられる。
カーボン微粒子としては、炭素が主成分の構造を有する粒子のことである。非晶質、ダイヤモンド、グラファイト、無定型炭素、フラーレン、ツェッペリン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の構造を有する粒子である。これらの構造の中で水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する粒子は、機械的及び化学的耐久性が良好である。水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン膜とは、SP3軌道を有するダイヤモンド構造、SP2軌道を有するグラファイト構造、非晶質カーボン構造などの類似構造が混在した粒子のことである。ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、炭素だけで構成されるのではなく、水素、酸素、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素等の他の元素が含有されていてもかまわない。
フィラー材料濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、表面層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
本発明に用いる電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層が設けられていることが好ましい。また、導電性支持体と電荷発生層間に下引き層を設けてもよい。また、電荷輸送層上にさらに保護層などを設けても良い。本発明に関わる感光体の表面層は、電荷輸送層、もしくは保護層であると効果的である。
図13は本発明に係る感光体の層構成の一例を模式的に示す断面図である。導電性支持体21上に下引き層25、電荷発生層26と電荷輸送層27が順に形成され、電荷輸送層上に凸部31が設けられている。
図14は本発明の更には別の層構成を有する感光体の一例を模式的に示す断面図である。導電性支持体21、下引き層25、電荷発生層26、電荷発生層27の上に表面保護層28が設けられ、表面層上に凸部が形成されている。
導電性支持体21としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状または円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研摩などにより表面処理した管などを使用することができる。
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層25を設けることができる。下引き層は、接着性の向上、モワレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
微粒子はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とする。
下引き層は以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などで支持体上に成膜する。必要な場合、加熱硬化することで形成される。
下引き層の膜厚は2〜5μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にするとよい。
[電荷発生層]
積層型感光体における各層のうち、電荷発生層26について説明する。電荷発生層は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系または有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行うことができる。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
電荷輸送層27は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分と言うことができる。
電子輸送物質としては、例えば非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送物質としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
高分子電荷輸送物質は架橋性樹脂表面層を積層する際、低分子型の電荷輸送物質と比べて、架橋性樹脂表面層へ電荷輸送層を構成する成分の滲みだしが少なく、架橋性樹脂表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から、架橋性樹脂表面層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は、電荷輸送層の全固形分に対して50wt%以下とすることが好ましい。
また電荷輸送層に二種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.10eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにするとよい。
尚、本発明における電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は理研計器社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1により一般的な方法で計測して得られた数値である。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70phr以上とすることが好ましい。また、電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体およびこれらの構造を主鎖または側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。フィラ−の一次粒径の平均は、0.01〜0.8μmであることが保護層等の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。また、保護層に電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を添加することは、画質向上に対して有効な手段である。
また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど、さらにはポリウレタン、メラミン樹脂などの熱硬化型樹脂、アクリルモノマー、アクリルト゛ナーを主成分とするUV硬化型樹脂など公知の材料を保護層として用いることができる。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができる。
次に、図面を用いて本発明の画像形成方法、並びに、画像形成装置をより詳しく説明する。
図10は、本発明の画像形成方法、及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
感光体(10)は図10中の矢印の方向に回転し、感光体(10)の周りには、帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、除電部材(18)等が配置される。除電部材(18)が省略されることもある。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電部材(11)により、感光体(10)表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材(12)により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像部材(13)により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ(14)により転写部位に送られた転写紙(15)に、転写部材により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材(17)によりクリーニングされる。ついで、感光体上に残存する電荷は、除電部材(18)により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
一方、画像露光部材(12)、除電部材(18)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
このクリーニング部材は、クリーニングブレードあるいはクリーニングブレードとクリーニングブラの両者が併用されることもある。
図11において、感光体(10C(シアン)),(10M(マゼンタ)),(10Y(イエロー)),(10K(ブラック))は、ドラム状の感光体(10)であり、これらの感光体(10C,10M,10Y,10K)は、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(11C,11M,11Y,11K)、現像部材(13C,13M,13Y,13K)、クリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)が配置されている。
この帯電部材(11C,11M,11Y,11K)と、現像部材(13C,13M,13Y,13K)との間の感光体(10)の裏面側より、図示しない露光部材からのレーザー光(12C,12M,12Y,12K)が照射され、感光体(10C,10M,10Y,10K)に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような感光体(10C,10M,10Y,10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(19)に沿って並置されている。
図11に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)において、感光体(10C,10M,10Y,10K)が、感光体10と連れ周り方向に回転する帯電部材(11C,11M,11Y,11K)により帯電され、次に、感光体(10)の外側に配置された露光部(図示せず)でレーザー光(12C,12M,12Y,12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
転写紙(15)は給紙コロ(21)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(22)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写部材(23)に送られる。転写ベルト(19)上に保持されたトナー像は転写部材(23)に印加された転写バイアスと転写ベルト(19)との電位差から形成される電界により、転写紙(15)上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着部材(24)により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(10C,10M,10Y,10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)で回収される。
中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
なお、図11の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、K(ブラック)、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20C,20M,20Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
前記プロセスカートリッジとは、図12に示すように、感光体(10)を内蔵し、他に帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、及び除電部材を含んだ1つの装置(部品)である。
しかし、感光体が少なくとも4本を必要とすることから、装置の大型化が避けられず、また使用されるトナー量によっては、各々の感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
それに対し、本発明による感光体は、高光感度ならびに高安定化が実現されたことにより小径感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4本の感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
Al製支持体(外径40mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
・下引き層用塗工液
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン 50部
・電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
シリコーンオイル 0.002部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−
エチル)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
紙は(株)リコー製6200ペーパー(A4、T目)を使用した。テストチャートは写真画像と文字の混在したものであり、地肌部、ベタ黒部、中間調が評価できるものである。
評価項目は、耐久試験におけるトナーのクリーニング性(トナーすり抜け)、クリーニングブレードの状態(メクレやビビリ、摩耗)、感光体の状態(傷や摩耗)、出力画像の評価である。何れも目視、光学顕微鏡にて正常部を劣化部の比較を行った。耐久性試験は、1動作100枚のコピー試験を繰り返して、トータル10万枚の画像出力をおこなった。画像評価は5万枚後と10万枚後の画像(1〜10枚目)の画像劣化を観察した。評価ランクを以下に示す。
画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンのトナーのする抜けによるスジ及び濃度ムラを目視により、以下の基準で評価した。
ランク○:問題なし
ランク△:出力画像に、トナーのすり抜けによるスジもしくは濃度ムラが明確にあり
ランク×:出力画像の複数位置にトナーのすり抜けによるスジもしくは濃度ムラが明
確にあり
試験終了後に回収したクリーニングブレードのエッジ部分をレーザー顕微鏡(キーエンス社VK−8500)で観察した。評価は以下の基準で行った。
○: クリーニングブレードのエッジが残っている状態
△: エッジの一部が摩耗している状態
×: エッジが無くなり摩耗が激しい状態
試験後の感光体表面をレーザー顕微鏡(キーエンス社VK−8500)で観察した。評価は以下の基準で行った。
○:問題なし
△:わずかにフィルミングが認められる、もしくは表面に傷が認められる
×:大きなフィルミングが発生している、もしくは表面に傷が多数認められる
画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンの地肌汚れを目視により、以下の基準で評価した。
○:優れている
△:僅かに地肌汚れが認められるが実際の使用では問題ない
×:著しい地肌汚れ
実施例1において、画像形成装置を1動作100枚のコピーごとに1mm逆回転する改造を、電源投入時に1mm逆回転する改造をおこない、電源を投入し100枚連続してコピー試験をおこなった後に電源を切り、再び電源を投入し100枚連続してコピー試験をおこなうことを繰り返して、トータル10万枚の画像形成をおこなった以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価をおこなった。
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに250個の網目を持つメッシュ(開口率35.8%)に変更
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・スプレーの吐出量を5.5ml/minに変更
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに500個の網目を持つメッシュ(開口率25.8%)に変更
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料にアルミナ微粒子(AA03:住友化学製 平均一次粒径0.37μm)を1部を加えた
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに50個の網目を持つメッシュ(開口率39.3%)に変更
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料のテトラヒドロフランを200部に変更
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに50個の網目を持つメッシュ(開口率39.3%)に変更
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料を以下のものに変更
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
・下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
・分散剤(ビックケミー社、BYK−P104) 0.0125部
・テトラヒドロフラン 80部
・シリコーンオイル 0.002部
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに50個の網目を持つメッシュ(開口率39.3%)に変更
・凸部形成用塗料を塗布後、UV硬化をおこなわず、加熱乾燥させた。
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料にシリカ微粒子(KMPX100:信越化学製)を1部を加えた
(実施例9)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料に酸化チタン微粒子(CR97:石原産業製)を1部を加えた
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料を以下のものに変更
・パーフロロアルコキシ樹脂粒子(MPE−056、三井フロロケミカル製):
3.3部
・分散助剤(モディパーF210、日本油脂製): 1.0部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 4部
・テトラヒドロフラン: 200部
・シクロヘキサン: 60部
・凸部形成用塗料を塗布後、UV硬化をおこなわず、加熱乾燥させた。
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料のテトラヒドロフランを67部に変更
・凸部形成用塗料を図7に示したようなコンティニュアス方式のインクジェット塗布装置(ノズル径50μm)に投入し、電荷輸送層まで形成された感光体に対して液滴ピッチ周方向14μm軸方向14μmにて等間隔に着滴させ、10分間の指触乾燥を行った。その後実施例1と同様にUV硬化をおこなった。
実施例1において、凸部形成をしないこと以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
(比較例2)
実施例2において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに32個の網目を持つメッシュ(開口率38.4%)に変更
・スプレーの吐出量を5.5ml/minに変更
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに5000個の網目を持つメッシュに変更
(比較例4)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・スプレーの吹き付け回数を3回に変更
実施例5において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・凸部形成用塗料のテトラヒドロフランを400部に変更
(比較例6)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
・凸部形成用塗料
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
・下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
・シリコーンオイル 0.002部
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに200個の網目を持つメッシュ(開口率36.8%)に変更
・凸部形成用塗料を塗布後、UV硬化をおこなわず、加熱乾燥させた。
実施例1において、画像形成装置を1動作100枚のコピーごとに1mm逆回転する改造をせず、感光体が逆回転しない画像形成装置を用いたこと以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
感光体を逆方向に駆動させる改造をおこなっていない比較例7は、感光体表面に設けられた凸形状により5万枚まではきわめて良好であったが、10万枚ではブレードのエッジが無くなり、トナーすり抜けや地肌汚れが発生し、感光体表面に一部フィルミングが認められた。
本発明によれば、感光体表面に設けられた凸形状により、ブレードめくれ、ビビリなどのクリーニング初期の副作用はもとより解決でき、所定のタイミングで感光体を逆方向に駆動させることでクリーニングブレードのエッジ劣化が著しく抑制でき、長期に渡り高画質が保てる要綱な画像形成装置が得られる。
1 感光体
30 ブレード
(図10、図11、図12)
10 感光体
10C,10M,10Y,10K 感光体
11 帯電部材
11C,11M,11Y,11K 帯電部材
12 画像露光部材
12C,12M,12Y,12K レーザー光
13 現像部材
13C,13M,13Y,13K 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16 転写部材
16C,16M,16Y,16K 転写部材
17 クリーニング部材
17C,17M,17Y,17K クリーニング部材
18 除電部材
19 転写搬送ベルト
20C、20M、20Y、20K 画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材
24 定着部材
Claims (8)
- 表面層の表面に表面層とは異なる素材で凸部が形成された感光体と、その感光体に当接して配置された少なくとも1本のブレードによって感光体上のトナー粉を除去するためのクリーニング装置とを有する画像形成装置であって、前記凸部が樹脂粒子を含有し、該感光体に形成された凸部の形状は、最長径が10〜500μm、凸高さが0.5〜5.0μmであり、凸部の個数が、該電子写真感光体の表面層の単位表面積(mm2)当たり2〜5000個であり、かつ前記感光体は非画像形成時に所定のタイミングで画像形成時の回転方向に対して逆方向に回転駆動することを特徴とする画像形成装置。
- 前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の一動作終了時に行われることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の動作前に行われることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1〜10mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記凸部が無機顔料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記凸部が架橋性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
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