JP5565171B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等電子写真プロセスを採用した画像形成装置であって、特に、電子写真感光体に当接してクリーニングブレードが配置された画像形成装置に関するものである。
近年、レーザープリンタ、デジタル複写機に搭載される電子写真感光体(以下、単に「感光体」或いは「像担持体」ともいう)として、支持体上に有機光導電性材料を含有した有機感光層を設けた感光体が一般的に使用されている。なかでも、電荷発生材料と電荷輸送材料を個別の層に含有させて積層した積層型有機感光体が主流になっている。これはコスト、生産性、材料設計の自由度等によるものである。
これらの電子写真感光体は、電子写真画像形成プロセスにおいて、機械的外力、電気的または化学的なハザードに曝されるため、種々の劣化をきたす。特に、最近においてはカラー画像の出力が増加し、繰り返し長期にわたって使用する電子写真有機感光体には、従来以上にこれらの劣化に対する耐久性が要求されている。
機械的な耐久性については、主に色材と樹脂からなるトナーに添加剤として硬い無機微粒子を含有した現像剤を用いること、転写時に硬い繊維質或いは粘土質からなる添料を含有した紙に強く押付けられて擦られるなどのため摩耗が進む。このため、有機感光体のバインダー樹脂には高い耐久性を有するポリカーボネート、ポリアリレート等が使用される。(特許文献1、2参照)。
従来、機械的耐久性の向上に対しては、感光体の表面に保護層を設けたものが種々提案されて来た。この保護層においても、硬い金属酸化物微粒子を分散した保護層、或いは、保護層自体を架橋硬化したものが検討されている(特許文献3参照)。又、感光体表面の潤滑性を良くして膜が削れることを防止する検討もなされその実用化も進んでいる(特許文献4、5参照)
上述したように、近年はカラー画像の出力の増加に伴い、高い画像品質が従来以上に求められているが、特に画像形成一回毎に感光体上に残る残留トナーのクリーニング性能が従来以上に求められていることが分かった。このクリーニング装置としては、構成が簡単でかつクリーニング性能も優れていることから、クリーニングブレードにより掻き取るブレード方式のものが広く利用されている。ブレード方式は、構成が簡単でかつクリーニング性能も優れている。
クリーニング装置の構成には、クリーニングブレードを感光体の回転方向に対して、逆回転方向(カウンター)に圧接させるカウンター法、もしくは順回転方向(リーディング)に圧接させて行うリーディング法があるが、さらに必要に応じて、ポリエステル繊維やナイロン繊維等のクリーニングブラシが併用される。ブレードを感光体の回転方向に対してカウンター方向に設置すると、感光体に対する食い込みが増し、トナーのクリーニング性能を高めることができるため、今日の主流となっている。
クリーニングブレードは、感光体表面を機械的に摺擦する力が強いため、長期の繰り返し画像形成において、感光体の表面に小さな傷やクラックが発生する場合があること、あるいはクリーニングブレードが欠けて細かいトナーがすり抜ける場合もある。特に後者が発生した場合、画像に黒スジが入り、画像品質が一気に低下することになる。トナーのすり抜けによる画像劣化は、高耐久感光体の緊急な課題になっている。
感光体表面の摩耗の最大原因はクリーニングブレードであるが、トナーの転写性を上げることができれば残留トナーが減り、クリーニングブレードに与える圧力を低減でき、ブレードの欠けを抑制できるので好都合である。特許文献6においては、感光体表面にプリズム型、波型、円錐型、角錐型、或いは井戸型などからなる特定形状の凹凸部を、タッチロール或いはスタンパにて形成し、トナーの離型性を上げる検討がなされている。また、電荷輸送層の全層に珪素、弗素を含むフィラー粒子を含有させて、トナーの高い転写率と感光体にかかるストレスを低減させたとの記載がある。しかし、この検討にある凹凸部形状を有する感光体は、繰り返して画像形成する場合、感光体表面の摩擦抵抗が大きくなると、却ってクリーニングブレード先端のエッジが欠けることがあった。その為トナーのすり抜けがあった。
最近、特許文献7において、微細な凹凸部形状を感光体の表面に転写する感光体の製造方法が提案された。電荷輸輸送層のガラス転移点温度とモールドの温度と支持体の温度を特定の関係に維持してモールド加工することで、再現性のある凹形状を表面層に形成している。また、特許文献8において、感光体の表面層にレーザー光を照射し、表面層に複数の凹部を形成することで、感光体の表面を粗面化する方法が記載されている。これらを検討した結果、保護層に抵抗調整材を含有しても良いとあるが、レーザー光による残渣が穴に残り、容易に排出されず、画像形成の邪魔になり好ましくない。
特許文献9において、感光体表面に特定の凹形状部を複数形成して、クリーニング性向上を図る検討がなされているこの凹形状の開孔部が特定の長軸径と短軸径及び深さを有しており、且つこの凹形状部が特定の面密度で表面層に存在することを特徴とすることで、クリーニングブレード等画像形成プロセスにおいて働く外力がもとで成長する表面の傷を防止している。しかし、凹部に現像剤の添加剤が詰まり画像形成を繰り返すと小さい黒点が現れる場合が見受けられることもあった。従来のレーザー或いはモールドによる感光体表面の凹部の形成は、表面層に微細な孔を高密度に空けることに違いはなく、表面層自体を機械的に脆くするものである。
特許文献10において、感光体表面に、連続して形成された複数の凹部と凸部とを有する、微細な凹凸形状を形成し、その凹部の深さと凸部の高さ、凸部の最長軸の長さと最短軸の長さのバラつきを規定している。しかし、これは電気的メモリーによる放電を低減する目的であって、本発明の目的を異する。また、凹凸形状の規定において、具体的な大きさの提示に欠け、実際使用上不足を生じる。本発明の課題や目的の場合、解決手段にならないことが分かった。
このように、従来の技術では、クリーニングブレードのメクレやビビリの防止とトナーすり抜けやフィルミングの抑制を両立することは難しかった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、クリーニング性に優れた画像形成装置を提供することを目的とする。特に、クリーニングブレードのビビリ、捩れ、反転を抑制し、クリーニングブレードからトナーがすり抜けてクリーニング不良となることを防止することができ、更に画質の均一性に優れた電子写真感光体を使用する画像形成装置を提供すること、さらにはその画像形成装置の信頼性を飛躍的に向上させることを目的とする。
上述のように、像担持体に当接するクリーニングブレードの表面と像担持体の表面の接触抵抗はきわめて大きく、像担持体回転時にブレード鳴き等の異音が発生し、さらにブレードめくれやクリーニングブレードの欠けが発生する場合がある。この問題を解決するために、表面層の表面に表面層とは異なる素材で凸形状が形成された感光体を用いることにより、良好な画像を長期にわたり高性能で且つ信頼性の高い画像形成装置が提供できることがわかった。この感光体を用いた画像形成装置の更なる信頼性向上のためには、更なるクリーニングブレードの延命が求められており、クリーニングブレードエッジの劣化が課題となっている。
クリーニングブレードは、画像形成時ばかりではなく待機中でも常にエッジに力が加わった状態で感光体に当接している。このため、クリーニングブレードが当接する感光体が画像形成時の回転方向(正回転)とは逆方向に反転することにより、エッジ部分の力が解放され、ブレードエッジの劣化を著しく低減できることがわかった。
本発明は、下記(1)〜()によって解決される。
(1)表面層の表面に表面層とは異なる素材で凸部が形成された感光体と、その感光体に当接して配置された少なくとも1本のブレードによって感光体上のトナー粉を除去するためのクリーニング装置とを有する画像形成装置であって、前記凸部が樹脂粒子を含有し、該感光体に形成された凸部の形状は、最長径が10〜500μm、凸高さが0.5〜5.0μmであり、凸部の個数が、該電子写真感光体の表面層の単位表面積(mm2)当たり2〜5000個であり、かつ前記感光体は非画像形成時に所定のタイミングで画像形成時の回転方向に対して逆方向に回転駆動することを特徴とする画像形成装置。
(2)前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の一動作終了時に行われることを特徴とする前記(1)記載の画像形成装置。
(3)前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の動作前に行われることを特徴とする前記(1)記載の画像形成装置。
(4)前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1mm以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1〜10mmであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記凸部が無機顔料を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
)前記凸部が架橋性樹脂を含有することを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の画像形成装置。
)前記(1)〜()のいずれかに記載の画像形成装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、感光体表面に特定の形状を有する凸部を設けることにより、クリーニングブレードのめくれやビビリ防止とトナーすり抜けやフィルミングの抑制を両立することができ、また、非画像形成時に所定のタイミングで感光体を画像形成時の回転方向と逆方向に駆動しているために、クリーニングブレードのエッジ部分の力が解放されることでブレードエッジの劣化が著しく低減され、ブレードの延命を可能とし、長期にわたり高性能で且つ信頼性の高い画像形成装置が提供できる。
本発明の画像形成装置の一例の概略断面図である。 画像形成時に反時計回りに正回転する感光体が正回転している時のクリーニングブレードの形状を模式的に示した図である。 画像形成時に反時計回りに正回転する感光体が逆回転している時のクリーニングブレードの形状を模式的に示した図である。 本発明における感光体の凸形状の一例を示す図である。 感光体の凸部の径及び高さの算出方法の説明図である。 感光体の凸部の径及び高さの算出方法の説明図である。 感光体凸形状を形成する際に用いるスプレー塗工装置の一例の概略図である。 感光体凸形状を形成する際に用いるコンティニュアス型インクジェット装置の一例の概略図である。 感光体凸形状を形成する際に用いるオンデマンド型インクジェット装置の一例の概略図である。 感光体凸形状を形成する際に用いるオンデマンド型インクジェット装置の他の例の概略図である。 本発明の画像形成装置の一例の概略図である。 本発明のタンデム方式のフルカラー画像形成装置の一例の概略図である。 プロセスカートリッジの一例の概略図である。 本発明に用いる電子写真感光体の層構成の一例を示す断面図である。 本発明に用いる電子写真感光体の層構成の他の例を示す断面図である。
本発明の画像形成装置は、感光体と、その感光体に当接して配置されたブレードを有するクリーニング装置とを有するものであるが、より具体的には、少なくとも感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、及びクリーニング装置を具備する画像形成装置において、感光体が画像形成時の回転方向(正回転)とは逆方向に反転できるものであり、また、感光体が表面層の表面に表面層とは異なる素材で凸部が形成され、該感光体に形成された凸部の形状は、最長径が10〜500μm、凸高さが0.5〜5.0μmであり、凸部の個数が、該電子写真感光体の表面層の単位表面積(mm2)当たり2〜5000個であり、クリーニング装置は該感光体に当接して配置された少なくとも1本のブレードを有するものである。
クリーニングブレードを備えた画像形成装置としては、例えば図1に示すような構成を有する画像形成装置が知られている。この画像形成装置20は、感光体1、帯電装置2、画像露光部3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、定着装置8等を備えている。感光体1は図示の方向に回転するようになされ、帯電装置2により感光体1の表面を一様にかつ均一に帯電するようになされており、画像露光部3からの像露光により感光体1上に静電像を形成するようになされている。
感光体1上の静電潜像は、現像装置4から供給される現像剤(トナー)により現像されて可視像を形成する。現像装置4は現像ロールとトナー層厚規制部材を備えており、貯蔵したトナーを感光体1に供給する。感光体1表面のトナー像は、転写装置5により所定の転写材上に転写され、定着装置8に送られるようになされている。
感光体1は、静電潜像及びトナー像を担持するための像担持体である。感光体1上のトナー像は、転写装置5により転写材に転写されるが、その一部が未転写のまま残留することがある。そのため、クリーニング装置6により、感光体1上の未転写トナーを除去する。
クリーニング装置6は、クリーニングブレード30と、所定の支持部材とを備えており、感光体1の周囲に配置されている。本発明のクリーニングブレード30は、作動時(画像形成時)には感光体1の回転方向(正回転)に対してカウンター方向で、感光体1の表面に接している。
そうして、画像形成装置で画像形成が行われると、クリーニングブレード30の先端部が感光体1に対してカウンター方向に押し付けられて摺接し、感光体1表面に付着しているトナーを掻き取る。掻き取られたトナーは、図示されていないトナー回収コイルを通して外部に取り出される。
画像形成方法並びに画像形成装置については、より詳しく後述する。
図2は、画像形成時に反時計回りに正回転する感光体1が正回転している時のブレード30の形状を模式的に示している。図中、矢印Aは感光体1の回転方向(正回転)を示している。一般的に、感光体1の正回転時に、ブレード30の感光体1と接するエッジ部分は図のように変形する。感光体1の回転が止まってもエッジ部分は変形した状態を保っている。このように、エッジ部分には画像形成時以外においても常に力が加わり、劣化促進の主要因の1つとなっている。
図3は、画像形成時に反時計回りに正回転する感光体1を矢印B方向へ反転(逆回転)させた時のブレード30の先端の形状を模式的に示している。エッジ部分の力が解放され、ストレスのない状態となる。画像形成時以外はこの状態となるため、劣化が著しく低減される。また、エッジの引き込みがあった場合も引き込みが解消されるため、クリーニングがより確実に実施される。
感光体1の反転は、画像形成の一動作終了時に行われるのが好ましい。ここにいう一動作とは、連続した一連の作像動作であり、例えば50枚連続してコピーをおこなった場合は、50枚のコピーが終了した時点で感光体1が反転する。このような感光体1の反転を非作像時に行うことにより、作像の効率は低下しない。
感光体1の反転は、前記反転が画像形成の動作前に行われるようにすることもできる。画像形成の動作前としては、画像形成装置の電源投入時に行うようにしてもよい。また、電源投入後、ウォームアップ動作として感光体が画像形成時の回転方向に回転駆動する場合がある。その場合は、前記画像形成時の回転方向に回転駆動が終了し停止した後、逆方向に回転駆動するようにしてもよい。このような感光体1の反転を非作像時に行うことにより、作像の効率は低下しない。
感光体1の正逆回転は、駆動モーターを制御装置により正逆制御回転させることによって行われる。ここで、感光体1を矢印B方向へ反転(逆回転)させる距離は、感光体1を矢印B方向へ反転(逆回転)させることにより、ブレード30が図2に示した形状から図3に示したように伸ばした形状となることのできる距離であり、通常は1mm以上であり、好ましくは1〜10mmである。1mm以上反転させることによりブレード30は完全に伸びきることができるため、10mmを超えて反転させる必要はない。なお、ここでいう“距離”とは、感光体1の円周上の任意の点Pが回転により点Qに移動する円周上の長さを意味している。
[凸部の構成]
本発明に係わる感光体の表面は、多数の凸部と該各凸部を取り囲む凹部を有する構成を備えている。
感光体表面の凸部の形状は、公知のレーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて測定できる。例えば、レーザー顕微鏡としてキーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、菱化システム社製の表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR型機、オリンパス社製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000、レーザーテック社製の3CCDリアルカラーコンフォーカル顕微鏡OPTELICS H1200等が利用できる。光学顕微鏡としては、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−500、オムロン社製3DデジタルマイクロスコープVC−7700が利用できる。電子顕微鏡としては、キーエンス社製の3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800などが利用できる。これらの顕微鏡を用いて凸部の形状、裾部の状態、配置、高さ或いは頂上部を観測し計測することが出来る。
(基本構成)
本発明の凹凸形状の一例を図4に示す。図4の黒色部分が凸部を、白色の部分が凸部を取り囲む凹部であり、凸部が整列していると凹部は網目状になる。
本発明の感光体は、感光体表面に凸部を最長径・高さ・個数を制御し設けることにより、感光体のトナークリーニング性が向上し、感光体表面へのワックスなどの異物蓄積が発生することがなく、優れたトナークリーニング性と画像安定性を有する。この理由は、感光体表面の多数の凸部により、平滑な感光体表面に比べて、ブレードの押圧力、回転方向への引き込み力が均一に分散されるため、トナークリーニング性および信頼性が向上する。更に、凸部を取り囲む網目状の凹部が連結しているため、異物が排出される経路を有し、異物の蓄積を防ぐため、優れた画像安定性を有する。
(凸部の径及び高さ)
凸部の径及び高さは次のようにして求める。
感光体上の任意の10箇所の1mm2エリアを決め、次にそれぞれのエリア内の任意の2個(2個しか無い場合はその2個)の凸部の径と高さを求め、10エリアで合計20個の凸径と高さのDataを得、それぞれ平均して、凸部の径と高さとする。
凸部の径及び高さは、凸部が形成された表面のプロファイルから算出する。その算出方法を図5−1に示す。
まず凸部の直径は、任意の凸部の頂点を通るプロファイル上で、凸部両端の最下点であるx1とx2の感光体の表面層の表面の横方向の距離│x1−x2│とする。一つの凸部に対して任意の方向5点で測定し、その中で最大の値を凸部の最長径とした。
次に、凸部の高さは、前記任意の凸部の頂点を通るプロファイル上においてその両端の裾の最下点を結ぶ線を基準線とし、凸部の頂点から感光体の表面層の表面に垂直線を引いて、この垂直線と基準線との交点と凸部の頂点との距離を凸部の高さとした。
図5−2は好ましい凸部の形成状態の例を示す図である。図5−2において、前記基準線は感光体の表面層の表面でもある。
本発明の電子写真感光体に適した凸部の最長径は、10μm以上500μm以下が望ましい。凸部の最長径が500μmより大きいと、クリーニングブレード押圧力の分散が不十分(不均一)となり、本願が狙う球形トナー、小粒径トナーのクリーニング性、信頼性確保が難しくなる。また、転写押圧力の分散についても同様で、転写圧力が分散されるポイントが少なくなると、虫食いなどの異常画像が発生しやすくなる。凸部の最長径が10μm未満では、クリーニングブレード押圧力の集中が大きくなり、ブレード寿命の観点から好ましくない。
本発明の電子写真感光体に適した凸部の高さは、0.5μm以上5.0μm以下が望ましい。0.5μm未満であると、凹へのブレードが十分に追従し、押圧力の分散が得られず、本発明の狙いである高クリーニング機能は得られない。5.0μmを超えると、ブレード、転写体へのダメージが強く信頼性を損なうことになる。
(凸部の個数)
凸部の個数の測定には、レーザー顕微鏡を用いた。測定は、先ずドラムサンプルをワーク置き台に設置し、チルト調整して水平をあわせ、電子写真感光体の表面の3次元形状データを取り込んだ。その際、対物レンズは10倍の倍率を用い、単位表面積(mm2)当たりにおいて、解析画面の視野中で見える形成された凸部の数をカウントして凸部の個数とした。
本発明の電子写真感光体の適した凸部の個数は、単位表面積(mm2)当たり2個〜5000個が好ましい。1個以下の場合と5000個をこえる場合、クリーニングブレードと感光体の接触面積増加によるクリーニングブレード引込みが大きくなるため、トナークリーニング性が悪くなる。
(凸部の形成方法)
本発明の感光体にある特定の凸部を形成するための方法については、公知の技術を含めて、どのような技術を用いても良い。凸部の形成方法には、凸部形成用塗工液を霧化し外部から転移させて形成する方法、例えばスプレー塗工方法、インクジェットによる方法、印刷方法が挙げられる。
本発明の凸部を形成する方法の具体例の一つとして、電子写真感光体の表面に吹き付けて凸部を形成するスプレー塗工法を説明する。
以下、スプレー塗工方法について述べる。
本発明の凸部の形状を得るため、ドラム側に所望のパターンに対応したマスクを設置する。使われるマスクとしては、公知の金属メッシュや樹脂のメッシュなどが挙げられる。
スプレー塗工法としては公知の方法が利用できる。図6にスプレー塗工装置の概要を示す。
図示しない回転駆動装置によって、マスクを巻きつけた感光体ドラムを所定の速度で回転させておく。次いでスプレーガンを有する移動塗布体に塗工液と気体を所定の圧力で供給しつつ、感光体ドラムの軸方向にオシレート(移動)させ、霧状にした塗工液を感光体ドラムに吹き付けて塗布膜を形成できるようにしたものである。
塗工条件としては以下の条件で形成することが出来る。感光体最表層と異なる成分からなる塗工液を用いて、塗工液の粘度0.5〜10mPa・sec、溶媒比を高沸点溶媒/低沸点溶媒=1/3〜3/1、濃度0.5〜10wt%、感光体の回転数60〜1000r.p.m、オシレート速度2〜100mm/sec、エアー圧力0.05〜5MPa、エアー流量1〜100L/minとして形成できる。
凸部形成においては、マスクのメッシュ数、塗工液固形分、吐出量、吹き付け回数などによって感光体状の凸部の最長径、高さ、面積あたりの個数を調節することができる。例えば、凸部の最長径と凸部の個数は、マスクのメッシュ数に依存し、吐出量を変えて同じメッシュ数のマスクを使用した場合、径と個数は吐出量の影響をほとんど受けずにほぼ同じになるが、凸高さは吐出量が多いと付着量が増えるため高くなる。しかし、凸形状を崩すなどの影響がみられる場合もある。また、吐出量は一定で吹き付け回数を増やすことで、凸高さを調整することもできる。凸部の高さは、吹き付け回数の他に、液の固形分(固形分が高いと付着量が多くなるので凸高さが高くなる)、液の溶媒種(固形分が同じでも低沸点溶媒量が多いと蒸発速度が速いため凸が広がる前に揮発し結果として凸高さが高くなる)等によっても調整することが可能である。
以上のようにして、感光体上をメッシュで覆い、メッシュ上からスプレー塗布することで感光体表面層とは異なる素材で凸部を感光体上に形成することが出来る。
凸部の最長径が10〜500μmの範囲が好適であるので、使用できるメッシュとしては30メッシュ〜635メッシュを利用することが出来る。
次にインクジェットにより感光体表面の凸部を形成する方法について記す。
インクジェット方式は凸形状形成液を微滴化し、感光体表面層に直接吹き付けて凸部を形成する方法である。
図7はコンティニュアス型インクジェット装置の概略図である。
ポンプによってノズルから連続的機に押し出されたインク(塗工液)は超音波発振器によって微細な液滴になる。この液滴は電極によって電荷を与えられ、必要に応じて偏向電極によって起動を曲げられて、印刷面(感光体表面)に到達する。偏向電極で曲げられなかった塗工液はガターと呼ばれる回収口に吸い込まれ再びインクタンクに戻る。
凸部形成においては、塗工液固形分、ポンプ流量、液滴間隔、ノズル径、ヘッド送り速度などによって感光体状の凸部の径、高さ、面積あたりの個数を調節することが出来る。
図8、9は必要なときに必要な量の液滴を吐出するオンデマンド型のインクジェット装置である。
図8はサーマル方式、図9はピエゾ方式である。
サーマル方式はインクの詰まった微細管の一部にヒーターを取り付け、このヒーターを瞬時に加熱することにより、インク内に気泡を発生させて、インクを噴射する原理である。
ピエゾ方式はインクの詰まった微細管の一部にピエゾ素子を取り付けて、このピエゾ素子に電圧を加えることで素子を変形させて液滴を噴出させる方式である。
凸部形成においては塗工液固形分、変形量、微細管径、信号間隔、ヘッド送り間隔などで、感光体上の凸部の径、高さ、面積あたりの個数を調節することが出来る。
凸部の材料構成を感光体表面層の材料構成と異なる様にするためには、溶剤以外の有効成分を表面層と凸部とで少なくとも1種異なる様に凸部形成液を準備する必要がある。
特に凸部の材料として、表面層には含まれない架橋性樹脂となるバインダー材料、または無機顔料を用いた場合には耐摩耗性に優れ、本発明の効果の持続性が高くなる。
凸部の材料として表面層とは異なる電荷輸送材料を用いた場合、表面層の電荷輸送剤が放電ガスによる耐性が低い場合にはガス耐性の強い電荷輸送剤を使用できる。
凸部の材料として、表面層には含まれない樹脂粒子を用いた場合には凸部の潤滑性、離型性を確保することが出来、クリーニング性、転写性が更に良好になる。
以下、凸部を構成する材料について更に詳しく説明する。
[架橋性樹脂]
表面凸部を構成する材料として、重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーを用い、塗工後に硬化させることにより凸部に架橋性樹脂を含有させることができる。塗料がコーティングされた後、重合反応或いは重縮合反応によって架橋構造の樹脂が形成される。樹脂膜が架橋構造をもつため耐摩耗性が強靱である。また、架橋性の電荷輸送材料が配合されると電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示す。
表面凸部に含有させる電荷輸送材料としては、公知の電荷輸送性化合物を用いることができる。
重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性の点から架橋性の正孔輸送性化合物と、連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基およびアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料を架橋させる系が特に好ましい。熱、光、放射線を用いて架橋硬化できる。架橋性樹脂は3次元に架橋されていることが好ましい。
[架橋性樹脂のバインダー材料構成]
連鎖重合系材料としては、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが好ましい。これにより架橋膜自体の耐摩耗性が向上したり、強靱性が増大したりすることが多い。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーはトリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
これらは東京化成社等の試薬メーカー、日本化薬社KAYARD DPCAシリーズ、同DPHAシリーズ等を入手することができる。
また、硬化を促進させたり、安定化させたりするためにチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社イルガキュア184等の開始剤を全固形分に対して5〜10wt%程度加えてもよい。
架橋性の電荷輸送材料としては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物が挙げられ、電荷輸送構造を含み(メタ)アクリロイルオキシ基を一つ以上有する化合物が利用できる。
また、電荷輸送構造を含まない(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有するモノマーやオリゴマーと併用した組成の構成にしても良い。
少なくとも塗工液中にこのような化合物を含有させて、熱、光、或いは電子線、γ線等の放射線によるエネルギーを与えて架橋し硬化させてできる。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、架橋性の電荷輸送材料の好ましい比率は、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマー:架橋性の電荷輸送材料=10:1〜1:10であり、より好ましくは、2:1〜1:2である。
架橋性樹脂塗料を調製する際に使用する分散溶媒はモノマーを十分に溶解するものが好ましく、後述の電荷輸送層の溶媒として記載のケトン類、エーテル類、芳香族類、ハロゲン類、エステル類の他、エトキシエタノールのようなセロソルブ類、1−メトキシ−2−プロパノールのようなプロピレングリコール類を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
架橋性樹脂材料を製膜する際、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプ等のUV照射光源が利用できる。また、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、50mW/cm2未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cm2より強いと反応の進行が不均一となり、架橋性樹脂膜に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生じたりする。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
必要により、架橋性樹脂膜中に後述の電荷発生層の説明で記載の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物およびレベリング剤、また電荷輸送層の説明で記載の高分子化合物を添加することもできる。これらの化合物は単独または二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して塗料総固形分中の0.1〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%、レベリング剤の使用量は0.1〜5wt%程度が適当である。
本発明においては、凸部に耐摩耗性の観点からフィラー微粒子を含有させてもよい。フィラー微粒子を含有させる場合、凸部は、前記架橋性樹脂中にフィラー微粒子を含有しているものでもよいし、また、例えば後述の電荷輸送層の説明に記載のポリカーボネート等のバインダー樹脂及び電荷輸送物質と共にフィラー微粒子を含有しているものでもよい。
このフィラー微粒子としては、以下のようなものが使用できる。
有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、パーフロロアルコキシ樹脂粒子のようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、カーボン微粒子などが挙げられる。
カーボン微粒子としては、炭素が主成分の構造を有する粒子のことである。非晶質、ダイヤモンド、グラファイト、無定型炭素、フラーレン、ツェッペリン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の構造を有する粒子である。これらの構造の中で水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する粒子は、機械的及び化学的耐久性が良好である。水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン膜とは、SP3軌道を有するダイヤモンド構造、SP2軌道を有するグラファイト構造、非晶質カーボン構造などの類似構造が混在した粒子のことである。ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、炭素だけで構成されるのではなく、水素、酸素、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素等の他の元素が含有されていてもかまわない。
無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラー微粒子の硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に金属酸化物が良好であり、さらには、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機顔料が有効に使用できる。また、コロイダルシリカやコロイダルアルミナなどの微粒子も有効に使用できる。
また、フィラー微粒子の平均一次粒径は、0.01〜1.0μmであることが光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
フィラー材料濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、表面層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
また更に、これらのフィラー微粒子は少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラー微粒子の分散性の面から好ましい。フィラー微粒子の分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラー微粒子の絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al23、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラー微粒子の分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラー微粒子の平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラー微粒子の分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラ−微粒子材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
[電子写真感光体]
本発明に用いる電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層が設けられていることが好ましい。また、導電性支持体と電荷発生層間に下引き層を設けてもよい。また、電荷輸送層上にさらに保護層などを設けても良い。本発明に関わる感光体の表面層は、電荷輸送層、もしくは保護層であると効果的である。
図13は本発明に係る感光体の層構成の一例を模式的に示す断面図である。導電性支持体21上に下引き層25、電荷発生層26と電荷輸送層27が順に形成され、電荷輸送層上に凸部31が設けられている。
図14は本発明の更には別の層構成を有する感光体の一例を模式的に示す断面図である。導電性支持体21、下引き層25、電荷発生層26、電荷発生層27の上に表面保護層28が設けられ、表面層上に凸部が形成されている。
[導電性支持体]
導電性支持体21としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状または円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研摩などにより表面処理した管などを使用することができる。
[下引き層]
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層25を設けることができる。下引き層は、接着性の向上、モワレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は通常、樹脂を主成分とする。通常、下引き層の上に感光層を塗布するため、下引き層に用いる樹脂は有機溶剤に難溶である熱硬化性樹脂が相応しい。特に、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂は以上の目的を十分に満たすものが多く、特に好ましい材料である。樹脂はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いて適度に希釈したものを塗料とすることができる。
また、下引き層には、伝導度の調節やモアレを防止するために、金属、または金属酸化物などの微粒子を加えてもよい。特に酸化チタンが好ましく用いられる。
微粒子はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とする。
下引き層は以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などで支持体上に成膜する。必要な場合、加熱硬化することで形成される。
下引き層の膜厚は2〜5μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にするとよい。
本発明における感光層は、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型感光層が好適である。
[電荷発生層]
積層型感光体における各層のうち、電荷発生層26について説明する。電荷発生層は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコンなどが挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子またはハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが好ましく用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができ、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料などが挙げられる。このうち、金属フタロシアニン、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料およびペリレン系顔料は電荷発生の量子効率が軒並み高く、本発明に用いる材料として好適である。これらの電荷発生物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。また、後述する高分子電荷輸送物質を用いることもできる。このうちポリビニルブチラールが使用されることが多く、有用である。これらのバインダー樹脂は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法がある。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系または有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は通常、0.01〜5μm程度が適当である。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
また、必要により、電荷発生層中に一般的に電荷発生層に用いられる公知の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
[電荷輸送層]
電荷輸送層27は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分と言うことができる。
電荷輸送物質に用いることのできる材料としては、低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送物質としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
また、以下に表される高分子電荷輸送物質を用いることができる。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾ−ル環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開2001−330973号公報の一般式(1)〜一般式(6)に例示される芳香族ポリカーボネートが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または二種以上の混合物として用いることができる。特に特開2001−330973号公報の例示化合物は静電特性面の性能が良好であり有用である。
高分子電荷輸送物質は架橋性樹脂表面層を積層する際、低分子型の電荷輸送物質と比べて、架橋性樹脂表面層へ電荷輸送層を構成する成分の滲みだしが少なく、架橋性樹脂表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から、架橋性樹脂表面層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
電荷輸送層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニル、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。このうち、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートは電荷輸送成分のバインダー成分として用いる場合、電荷移動特性が良好な性能を示すものが多く、有用である。
これらの高分子化合物は単独または二種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマー二種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送層の改質に際して電気的に不活性な高分子化合物を用いる場合にはフルオレン等の嵩高い骨格をもつカルドポリマー型のポリエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、C型ポリカーボネートのようなビスフェノール型のポリカーボネートに対してフェノール成分の3,3’部位がアルキル置換されたポリカーボネート、ビスフェノールAのジェミナルメチル基が炭素数2以上の長鎖のアルキル基で置換されたポリカーボネート、ビフェニルまたはビフェニルエーテル骨格をもつポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンの様な長鎖アルキル骨格を有するポリカーボネート(例えば、特開平7−292095号公報に記載)やアクリル樹脂、ポリスチレン、水素化ブタジエンが有効である。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は、電荷輸送層の全固形分に対して50wt%以下とすることが好ましい。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、その使用量は40〜200phr、好ましくは70〜100phr程度が適当である。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜200重量部、好ましくは80〜150重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
また電荷輸送層に二種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.10eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにするとよい。
尚、本発明における電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は理研計器社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1により一般的な方法で計測して得られた数値である。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70phr以上とすることが好ましい。また、電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体およびこれらの構造を主鎖または側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
電荷輸送層塗料を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
さらに、電荷輸送層中に一般的に電荷輸送層に用いられる公知の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
この電荷輸送層を表面層として採用しても良いし、また必要により電荷輸送層の上層には保護層を積層してもよい。電荷輸送層の膜厚は、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合、10〜40μm程度が適当であり、より好ましくは15〜30μm程度が適当である。
本発明では、保護層を感光層の上に設けることもできる。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また保護層を用いる場合、該保護層中にフィラー材料を添加してもよい。フィラー材料としては、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料とがあり、有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カ−ボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。
これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。フィラ−の一次粒径の平均は、0.01〜0.8μmであることが保護層等の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。また、保護層に電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を添加することは、画質向上に対して有効な手段である。
また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど、さらにはポリウレタン、メラミン樹脂などの熱硬化型樹脂、アクリルモノマー、アクリルト゛ナーを主成分とするUV硬化型樹脂など公知の材料を保護層として用いることができる。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができる。
<画像形成装置>
次に、図面を用いて本発明の画像形成方法、並びに、画像形成装置をより詳しく説明する。
図10は、本発明の画像形成方法、及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
感光体(10)は図10中の矢印の方向に回転し、感光体(10)の周りには、帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、除電部材(18)等が配置される。除電部材(18)が省略されることもある。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電部材(11)により、感光体(10)表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材(12)により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像部材(13)により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ(14)により転写部位に送られた転写紙(15)に、転写部材により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材(17)によりクリーニングされる。ついで、感光体上に残存する電荷は、除電部材(18)により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図10に示すように、感光体(10)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電部材(11)、転写部材(16)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電部材あるいはブラシ状の帯電部材等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
一方、画像露光部材(12)、除電部材(18)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体(10)に光が照射される。但し、除電工程における感光体(10)への露光は、感光体(10)に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体(10)に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
感光体表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっているが、このような異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、それらが感光体に付着することによって、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。したがって、上記の理由により感光体と紙とが直接接触しない構成であることが高画質化の点からより好ましい。
現像部材(13)により、感光体(10)上に現像されたトナーは、転写紙(15)に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、感光体(10)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング部材(17)により、感光体(10)から除去される。
このクリーニング部材は、クリーニングブレードあるいはクリーニングブレードとクリーニングブラの両者が併用されることもある。
本発明による感光体は、高光感度ならびに高安定化を実現したことから小径感光体に適用できる。したがって、上記の感光体がより有効に用いられる画像形成装置あるいはその方式としては、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備し、それによって並列処理を行なう、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に極めて有効に使用される。上記タンデム方式の画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(C)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、更にそれらに対応した少なくとも4本の感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べ極めて高速なフルカラー印刷を可能としている。
図11は、本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図11において、感光体(10C(シアン)),(10M(マゼンタ)),(10Y(イエロー)),(10K(ブラック))は、ドラム状の感光体(10)であり、これらの感光体(10C,10M,10Y,10K)は、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(11C,11M,11Y,11K)、現像部材(13C,13M,13Y,13K)、クリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)が配置されている。
この帯電部材(11C,11M,11Y,11K)と、現像部材(13C,13M,13Y,13K)との間の感光体(10)の裏面側より、図示しない露光部材からのレーザー光(12C,12M,12Y,12K)が照射され、感光体(10C,10M,10Y,10K)に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような感光体(10C,10M,10Y,10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(19)に沿って並置されている。
転写搬送ベルト(19)は、各画像形成ユニット(20C、20M、20Y、20K)の現像部材(13C,13M,13Y,13K)と、クリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)との間で感光体(10C,10M,10Y,10K)に当接しており、転写搬送ベルト(19)の感光体(10)側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写部材(16C,16M,16Y,16K)が配置されている。各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図11に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)において、感光体(10C,10M,10Y,10K)が、感光体10と連れ周り方向に回転する帯電部材(11C,11M,11Y,11K)により帯電され、次に、感光体(10)の外側に配置された露光部(図示せず)でレーザー光(12C,12M,12Y,12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に現像部材(13C,13M,13Y,13K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材(13C,13M,13Y,13K)は、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(10C,10M,10Y,10K)上で作られた各色のトナー像は転写ベルト(19)上で重ねられる。
転写紙(15)は給紙コロ(21)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(22)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写部材(23)に送られる。転写ベルト(19)上に保持されたトナー像は転写部材(23)に印加された転写バイアスと転写ベルト(19)との電位差から形成される電界により、転写紙(15)上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着部材(24)により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(10C,10M,10Y,10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)で回収される。
図11に示したような、中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。
中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
なお、図11の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、K(ブラック)、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20C,20M,20Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
前記プロセスカートリッジとは、図12に示すように、感光体(10)を内蔵し、他に帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、及び除電部材を含んだ1つの装置(部品)である。
上記のタンデム方式による画像形成装置は、複数のトナー像を一度に転写できるため高速フルカラー印刷が実現される。
しかし、感光体が少なくとも4本を必要とすることから、装置の大型化が避けられず、また使用されるトナー量によっては、各々の感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
それに対し、本発明による感光体は、高光感度ならびに高安定化が実現されたことにより小径感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4本の感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
(実施例1)
Al製支持体(外径40mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
・下引き層用塗工液
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン 50部
この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
この電荷発生層上に下記構造の電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、加熱乾燥させ、膜厚22μmの電荷輸送層とした。
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
テトラヒドロフラン 80部
シリコーンオイル 0.002部
電荷輸送層を形成後、感光体ドラム周面に1インチにおける網目の数が100の金属メッシュ(開口率36.5%)を撒きつけた。このときの撒きつける向きは、メッシュの網目が感光体の回転方向に対して45度になるように設定した。その上から下記構成の凸部形成用塗工液を用いて、ドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;16.5mm/s、吐出量4.5ml/min、吹きつけ圧力;2.5kgf/cm2、吹きつけ回数;1回の条件でスプレー塗工を行い、10分間の指触乾燥を行った。続いて、感光体ドラムから金属メッシュを取り外して、このドラムとUV硬化ランプから120mm距離を置いて、ドラムを回転させながらUV硬化を施した。この位置でのUV硬化ランプ照度は550mW/cm2(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ社製による測定値)であった。また、ドラムの回転速度は25rpmとした。UV硬化を行う際、アルミニウムドラム内に30℃の水を循環させて連続3分間、UV硬化した。その後、130℃にて30分間加熱乾燥した。作成した感光体の表面を3CCDリアルカラーコンフォーカル(共焦点)顕微鏡OPTELICS H1200(レーザーテック社)を用いて、対物レンズ20倍で観察した。凸部の高さ、最長径、個数は、本文中に説明した内容で、それぞれ10回の測定の平均値として、凸部の最長径が250μm、凸部の高さが2.0μm、凸部の単位表面積(mm2)あたりの個数が16個の凹凸形状を持つ感光体が得られた。
・凸部形成用塗料
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−
エチル)
光重合開始剤 2部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
作成した電子写真感光体を電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、画像露光光源655nmの半導体レーザーを用い、帯電ローラ及びクリーニングブレード、さらにはステアリン酸亜鉛のステアリン酸亜鉛バー、ステアリン酸亜鉛塗布ブラシ、およびステアリン酸亜鉛塗布ブレード装着した画像形成装置((株)リコー製デジタルプリンターIPSIO SP810の改造機)を、さらに1動作100枚のコピーごとに1mm逆回転する改造をおこない、画像出力を行った。トナーは体積平均粒径6μmの重合トナーを用いた。常温常湿(25℃、60%RH)で、感光体のVd(暗部電位)を−800V、Vl(明部電位)を−200Vになるように感光体の初期電位を設定した。
紙は(株)リコー製6200ペーパー(A4、T目)を使用した。テストチャートは写真画像と文字の混在したものであり、地肌部、ベタ黒部、中間調が評価できるものである。
評価項目は、耐久試験におけるトナーのクリーニング性(トナーすり抜け)、クリーニングブレードの状態(メクレやビビリ、摩耗)、感光体の状態(傷や摩耗)、出力画像の評価である。何れも目視、光学顕微鏡にて正常部を劣化部の比較を行った。耐久性試験は、1動作100枚のコピー試験を繰り返して、トータル10万枚の画像出力をおこなった。画像評価は5万枚後と10万枚後の画像(1〜10枚目)の画像劣化を観察した。評価ランクを以下に示す。
(1)トナーすり抜け
画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンのトナーのする抜けによるスジ及び濃度ムラを目視により、以下の基準で評価した。
ランク○:問題なし
ランク△:出力画像に、トナーのすり抜けによるスジもしくは濃度ムラが明確にあり
ランク×:出力画像の複数位置にトナーのすり抜けによるスジもしくは濃度ムラが明
確にあり
(2)クリーニングブレードエッジ摩耗量
試験終了後に回収したクリーニングブレードのエッジ部分をレーザー顕微鏡(キーエンス社VK−8500)で観察した。評価は以下の基準で行った。
○: クリーニングブレードのエッジが残っている状態
△: エッジの一部が摩耗している状態
×: エッジが無くなり摩耗が激しい状態
(3)感光体表面の観察
試験後の感光体表面をレーザー顕微鏡(キーエンス社VK−8500)で観察した。評価は以下の基準で行った。
○:問題なし
△:わずかにフィルミングが認められる、もしくは表面に傷が認められる
×:大きなフィルミングが発生している、もしくは表面に傷が多数認められる
(4)画像評価
画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンの地肌汚れを目視により、以下の基準で評価した。
○:優れている
△:僅かに地肌汚れが認められるが実際の使用では問題ない
×:著しい地肌汚れ
(実施例2)
実施例1において、画像形成装置を1動作100枚のコピーごとに1mm逆回転する改造を、電源投入時に1mm逆回転する改造をおこない、電源を投入し100枚連続してコピー試験をおこなった後に電源を切り、再び電源を投入し100枚連続してコピー試験をおこなうことを繰り返して、トータル10万枚の画像形成をおこなった以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価をおこなった。
(実施例3)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに250個の網目を持つメッシュ(開口率35.8%)に変更
(実施例4)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・スプレーの吐出量を5.5ml/minに変更
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに500個の網目を持つメッシュ(開口率25.8%)に変更
(実施例5)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料にアルミナ微粒子(AA03:住友化学製 平均一次粒径0.37μm)を1部を加えた
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに50個の網目を持つメッシュ(開口率39.3%)に変更
(実施例6)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料のテトラヒドロフランを200部に変更
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに50個の網目を持つメッシュ(開口率39.3%)に変更
(実施例7)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料を以下のものに変更
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
・下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
・アルミナ微粒子(AA03:住友化学製 平均一次粒径0.37μm) 1部
・分散剤(ビックケミー社、BYK−P104) 0.0125部
・テトラヒドロフラン 80部
・シリコーンオイル 0.002部
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに50個の網目を持つメッシュ(開口率39.3%)に変更
・凸部形成用塗料を塗布後、UV硬化をおこなわず、加熱乾燥させた。
(実施例8)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料にシリカ微粒子(KMPX100:信越化学製)を1部を加えた
(実施例9)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料に酸化チタン微粒子(CR97:石原産業製)を1部を加えた
(実施例10)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料を以下のものに変更
・パーフロロアルコキシ樹脂粒子(MPE−056、三井フロロケミカル製):
3.3部
・分散助剤(モディパーF210、日本油脂製): 1.0部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 4部
・テトラヒドロフラン: 200部
・シクロヘキサン: 60部
・凸部形成用塗料を塗布後、UV硬化をおこなわず、加熱乾燥させた。
(実施例11)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・実施例1の凸部形成用塗料のテトラヒドロフランを67部に変更
・凸部形成用塗料を図7に示したようなコンティニュアス方式のインクジェット塗布装置(ノズル径50μm)に投入し、電荷輸送層まで形成された感光体に対して液滴ピッチ周方向14μm軸方向14μmにて等間隔に着滴させ、10分間の指触乾燥を行った。その後実施例1と同様にUV硬化をおこなった。
(比較例1)
実施例1において、凸部形成をしないこと以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
(比較例2)
実施例2において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに32個の網目を持つメッシュ(開口率38.4%)に変更
・スプレーの吐出量を5.5ml/minに変更
(比較例3)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに5000個の網目を持つメッシュに変更
(比較例4)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・スプレーの吹き付け回数を3回に変更
(比較例5)
実施例5において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
・凸部形成用塗料のテトラヒドロフランを400部に変更
(比較例6)
実施例1において、凸部形成の条件を以下のように変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
・凸部形成用塗料
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
・下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
・テトラヒドロフラン 80部
・シリコーンオイル 0.002部
・感光体に撒きつけるマスクを1インチあたりに200個の網目を持つメッシュ(開口率36.8%)に変更
・凸部形成用塗料を塗布後、UV硬化をおこなわず、加熱乾燥させた。
(比較例7)
実施例1において、画像形成装置を1動作100枚のコピーごとに1mm逆回転する改造をせず、感光体が逆回転しない画像形成装置を用いたこと以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、画像形成をおこない、評価をおこなった。
以上のように製造した実施例1〜10、比較例1〜7の感光体の凸部の形状を表1に示す。
作成した感光体の評価を行った結果を表2に示す。
以上の結果から明らかなように、所定のタイミングで感光体を逆方向に駆動させ、かつ感光体表面に最長径が10〜500μm、凸高さが0.5〜5.0μmであり、凸部の個数が該感光体の表面層の単位表面積(mm2)当たり2〜5000個である凸部を形成することで、10万枚もの画像出力をおこなった場合でも、クリーニングブレード摩耗が抑制され充分なクリーニング性を得ることができた。
感光体を逆方向に駆動させる改造をおこなっていない比較例7は、感光体表面に設けられた凸形状により5万枚まではきわめて良好であったが、10万枚ではブレードのエッジが無くなり、トナーすり抜けや地肌汚れが発生し、感光体表面に一部フィルミングが認められた。
本発明によれば、感光体表面に設けられた凸形状により、ブレードめくれ、ビビリなどのクリーニング初期の副作用はもとより解決でき、所定のタイミングで感光体を逆方向に駆動させることでクリーニングブレードのエッジ劣化が著しく抑制でき、長期に渡り高画質が保てる要綱な画像形成装置が得られる。
(図2、図3)
1 感光体
30 ブレード
(図10、図11、図12)
10 感光体
10C,10M,10Y,10K 感光体
11 帯電部材
11C,11M,11Y,11K 帯電部材
12 画像露光部材
12C,12M,12Y,12K レーザー光
13 現像部材
13C,13M,13Y,13K 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16 転写部材
16C,16M,16Y,16K 転写部材
17 クリーニング部材
17C,17M,17Y,17K クリーニング部材
18 除電部材
19 転写搬送ベルト
20C、20M、20Y、20K 画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材
24 定着部材
特許第2520270号公報 特許第3585197号公報 特開2001−166521号公報 特公平6−82221号公報 特開2002−196523号公報 特開2001−66814号公報 特開2007−233356号公報 特許第3963473号公報 特開2007−233359号公報 特開2009−31499号公報

Claims (8)

  1. 表面層の表面に表面層とは異なる素材で凸部が形成された感光体と、その感光体に当接して配置された少なくとも1本のブレードによって感光体上のトナー粉を除去するためのクリーニング装置とを有する画像形成装置であって、前記凸部が樹脂粒子を含有し、該感光体に形成された凸部の形状は、最長径が10〜500μm、凸高さが0.5〜5.0μmであり、凸部の個数が、該電子写真感光体の表面層の単位表面積(mm2)当たり2〜5000個であり、かつ前記感光体は非画像形成時に所定のタイミングで画像形成時の回転方向に対して逆方向に回転駆動することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の一動作終了時に行われることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の動作前に行われることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1〜10mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記凸部が無機顔料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記凸部が架橋性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
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