JPH071404B2 - 電子写真平版印刷版材料 - Google Patents

電子写真平版印刷版材料

Info

Publication number
JPH071404B2
JPH071404B2 JP6104289A JP6104289A JPH071404B2 JP H071404 B2 JPH071404 B2 JP H071404B2 JP 6104289 A JP6104289 A JP 6104289A JP 6104289 A JP6104289 A JP 6104289A JP H071404 B2 JPH071404 B2 JP H071404B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive layer
electrophotographic
electrophotographic photosensitive
resin
printing plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6104289A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02240659A (ja
Inventor
宏治 佐藤
Original Assignee
新王子製紙株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 新王子製紙株式会社 filed Critical 新王子製紙株式会社
Priority to JP6104289A priority Critical patent/JPH071404B2/ja
Publication of JPH02240659A publication Critical patent/JPH02240659A/ja
Publication of JPH071404B2 publication Critical patent/JPH071404B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真平版印刷版材料に関するものであ
る。更に詳しく述べるならば、本発明は摩擦に起因する
印刷地汚れの発生のない、又は少ない電子写真平版印刷
版材料に関するものである。
〔従来の技術〕
電子写真法を利用したダイレクト製版用の印刷版材料
は、例えば、特公昭47-47610号、特公昭48-40002号、特
公昭48-18325号、特公昭51-15766号、特公昭51-25761号
などに開示されており、これらは、光導電性酸化亜鉛−
樹脂分散系の電子写真感光層を有するものである。この
ような印刷版は、安価で、比較的感度が高く、製版工程
が簡易であるという利点を有しており、広く実用に供さ
れている。
電子写真平版印刷版を製造するには、その印刷版材料を
製版機に供し、これに所望のパターンでコロナ帯電、露
光、現像および定着プロセスを施し、それによって、そ
の光導電層上に所望のパターンのトナー像を形成する方
法が一般に行われている。
上記現像工程を分類すると、トナーと鉄粉などのキャリ
ヤーとの混合物を用いる乾式現像方式と、トナーをアイ
ソパーなどの有機溶剤中に分散させた現像液を用いる湿
式現像方式とがある。
上記湿式現像方式を用いて製版した場合、得られる印刷
物において中間調の再現性が良好であり、解像性が優れ
ており、かつ、製版所要時間が短いなどの利点がある。
従って、この湿式現像方式による電子写真平版印刷版が
広く利用されている。
このような電子写真平版印刷材料は、電子写真材料とし
て一般的に要求される画像特性に加えて、平版印刷材料
として要求される各種特性を具備することが必要であ
る。
例えば、オフセット印刷用版材としては、電子写真感光
層表面をエッチ液で処理することによって非画像部を親
水性化することが可能であること、しかも印刷中に使用
される多量の湿し水に対して、優れた耐水性を有するこ
とが必要である。
印刷版材料の電子写真感光層は、一般に支持体上に、光
導電性顔料である酸化亜鉛、又は酸化チタンなどと、絶
縁性樹脂結合剤、増感染料、および溶剤からなる塗料を
塗布し乾燥して形成される。
電子写真感光層に用いられる絶縁性樹脂結合剤として
は、一般に、印刷の際の地汚れ発生を防止するため、親
水性の高いアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸
エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹
脂、ブチラール樹脂などが使用されている。また、画像
品質、塗料物性、および塗膜の機械的強度を改善する目
的のために、アクリル酸、メタクリル酸およびマレイン
酸等の官能基を上記樹脂に共重合することが一般に行わ
れている。
しかしながら、上述のような樹脂結合剤を用いた電子写
真感光層は、表面強度が不十分であって、摩耗しやすい
という問題点を有している。このため、電子写真平版印
刷版材料の製造工程中、輸送中あるいは製版機中での送
行中に、電子写真感光層が圧力および摩擦によって損傷
しやすく、この傷がついた部分にはトナーが付着しやす
いため、このような版材から製造された印刷版を使用す
ると、印刷地汚れがしばしば発生する。
このような問題点を解消するために絶縁性樹脂結合剤と
して、ガラス転移温度の高い、ポリスチレン樹脂、又は
ポリメチルメタクリレート樹脂などを用いて電子写真感
光層の耐圧強度を高めることも試みられているが、この
ような樹脂結合剤を用いると、得られる感光層の柔軟性
および可撓性が低く、このため印刷版として使用した際
にクラックを生じやすく、耐刷力低下の原因となるなど
の問題点を生ずる。
また、塗膜強度を強くする方法として、感光層形成材料
中に含まれる絶縁性樹脂結合剤の配合比率を高くするこ
とも考えられるが、樹脂結合剤比を高くすると、それに
伴って酸化亜鉛の配合比が低下し、得られる感光層の光
導電性が低下し、良好な画像品質が得られず、またエッ
チング効果が不十分になり、得られた印刷物は全体的に
汚れのある不十分なものとなる。
電子写真感光層の機械的摩擦に起因する印刷地汚れを防
止する方法として、特開昭59−40654号には、オフセッ
ト印刷用酸化亜鉛感光材料において、その電子写真感光
層中に粒径20〜50μmの、アクリル−ブタジエン共重合
体で被覆された酸化亜鉛粒子を分散含有せしめて感光層
表面に多数突起部を形成し、それによって機械的摩擦に
起因する印刷地汚れの発生を少なくすることが記載され
ている。しかし、このアクリル−ブタジエン共重合体に
より被覆された酸化亜鉛粒子は、樹脂の可撓性が高すぎ
て粉砕が困難であるという問題点を有している。また、
アクリル−ブタジエン共重合体被覆酸化亜鉛粒子を使用
した印刷版は、電子写真性が低下し製版時にカブリを生
じ易く、また、印刷物に地汚れを発生しやすい。更にア
クリル−ブタジエン共重合体被覆酸化亜鉛粒子により形
成される突起部は、機械的摩耗に対して十分な硬度を有
していないなどの欠点があった。
本発明者らは、スチレン−ブタジエン共重合体により複
数個の酸化亜鉛微粒子を結着して得られる酸化亜鉛集合
体粒子を電子写真感光層中に分散含有せしめ、これによ
って感光層表面に多数の突起部を形成することを検討し
た。この場合は、摩擦に起因する印刷地汚れの発生をほ
ゞ解消することができたが、しかし、その機械的摩耗に
対する強度および硬度については一層の向上が望ましい
ものであった。
更にまた、前記アクリル−ブタジエン共重合体被覆酸化
亜鉛粒子を用いる方法およびスチレン−ブタジエン共重
合体による酸化亜鉛結着粒子を用いる方法には、とも
に、樹脂と酸化亜鉛の混合分散、乾燥、粉砕、分級など
という多くの工程を必要とするという問題点がある。
更に、本発明者らは、電子写真感光層中に、ベンゾグア
ナミン−ホルムアルデヒド縮合反応生成物を主成分とし
て含み、かつ10〜60μmの平均粒径を有する樹脂粒子を
分散含有させ、それによって前記電子写真感光層表面に
多数の突起部を形成させる方法について検討した。その
結果、摩擦に起因する印刷地汚れの発生を解消すること
ができた。しかし、摩擦に起因する印刷地汚れをなくす
ためには、樹脂粒子の粒径が30μm以上であることが好
ましく、しかし、粒径が30μm以上の樹脂粒子の含有率
が高くなると、印刷版および印刷物の画像が荒れてくる
という問題点が認められた。
また、平版印刷版の製版にあたり通常の光源の他に、He
−Neレーザー光、および半導体レーザー光などの種々の
波長の光線を使用することの可能な印刷版材料の開発も
強く望まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が解決しようとする課題は、従来の電子写真法を
用いる平版印刷材料の前記問題点を解消し、摩擦に起因
する印刷地汚れの発生がなく、又は少なく、かつ、画像
の荒れのない電子写真印刷版材料を提供することであ
る。
さらに本発明が解決しようとする他の課題は、He−Neレ
ーザー光、あるいは半導体レーザー光などの種々の波長
の光線により記録可能な分光感度を有する電子写真平版
印刷版材料を提供することである。
〔課題を解決するための手段・作用〕
本発明の電子写真平版印刷版材料は導電性・耐水性支持
体と、前記支持体の一面状に形成され、かつ酸化亜鉛粒
子と、樹脂結合剤との混合物を主成分として含む電子写
真感光層と、を含み、前記支持体の、前記電子写真感光
層形成面側に金属層が形成されていること、および前記
電子写真感光層には、更に、ベンゾグアナミン−ホルム
アルデヒド縮合反応生成物を主成分とし、かつ4〜30μ
mの平均粒径を有する多数の樹脂粒子が分散含有されて
いて、それによって、前記電子写真感光層表面に多数の
突起部が形成されていること、を特徴とするものであ
る。
本発明の電子写真平版印刷版材料を添付図面を参照して
詳細に説明する。
第1図は本発明の平版印刷版の基本的な構造を示す断面
説明図である。
第1図において、基体1の電子写真感光層面側は、アル
ミニウムなどの金属からなる層2により被覆されてい
て、それによって導電性・耐水性支持体1aが形成されて
いる。この支持体1a上に、酸化亜鉛粒子6(多数の点に
より表示)と絶縁性樹脂結合剤7(マトリックスを形
成)との混合物を主成分として含む電子写真感光層3が
形成されており、この電子写真感光層3中に、更に平均
粒径4〜30μmのベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド
縮合反応生成物からなる粒子4が分散含有されており、
それによって電子写真感光層3の表面に多数の突起部5
が形成されている。電子写真感光層の厚さには格別の限
定はないが一般に20〜30μmである。
本発明に用いられる基体としては紙、紙とプラスチック
レジンフィルムとの積層体、又は合成紙からなるものを
用いることができる。基体の厚さに格別の限定はない
が、一般に100〜170μm程度のシート状材料を用いるこ
とが好ましい。
基体上に形成される金属層は、支持体に導電性を付与で
きるものであれば、その金属の種類に格別の限定はな
く、例えばアルミニウム、金、銀、錫、鉛、白金、およ
び黄銅などを用いることができるが、一般に価格、およ
び取り扱いの容易さなどを勘案し、アルミニウムを用い
ることが好ましい。金属層の厚さにも格別の限定はない
が、一般に5〜50μmであることが好ましく、過渡に薄
いときは、得られる支持体の表面(感光層形成側)を十
分に平滑にすることが困難であり、また過度に厚いとき
は、コストが高くなり経済的に不利となるばかりでな
く、得られる支持体、および印刷版が過度に剛直となっ
て取り扱いが不便になる。
金属層の形成方法にも格別の限定はないが、一般には、
基体上に、上記厚さを有する金属箔を貼着することによ
って形成することができる。また、金属層の表面に表面
保護、および感光層との接着性増強の目的で、アンカー
層、例えばポリアクリル樹脂エマルジョン単独、あるい
はポリアクリル樹脂エマルジョンとカゼインの混合物か
らなる層を設けてもよい。金属層の感光層と接着される
面は、できるだけ高い平滑度を有していることが好まし
い。
平版印刷版用酸化亜鉛感光材料は、一般に軟質樹脂を結
合剤として含んでいるので、その表面は柔らかく、従っ
て摩耗や損傷を受けやすいものである。このような柔ら
かな表面が機械的に摩擦されると、摩擦された部分の電
子写真感度が低下してしまい、この部分を露光しても電
位の減衰が少なくなり、従って現像工程において摩擦を
受けた部分にトナーが付着し、それが印刷物に印刷地汚
れをしばしば発生させ、画像を劣化させる原因となる。
しかしながら、本発明の電子写真感光層は、その表面に
特定の大きさの硬質粒子が散在して突起部を形成してい
るので、電子写真感光層自体の機械的摩耗を防止し、こ
れによって、印刷物における地汚れの発生を防止するこ
とができるのである。
また、支持体の電子写真感光層面側に、アルミなどの金
属層を配置することにより、樹脂粒子による突起部以外
の電子写真感光層表面を非常に平滑にすることができ、
使用する突起形成樹脂粒子の粒径も比較的小さいもの
で、十分な摩擦に対する強度を有する感光層表面を形成
することができるのである。
本発明におけるベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮
合樹脂粒子の平均粒径は4〜30μmであり、10〜20μm
に分級されたものを用いることが好ましい。樹脂粒子の
平均粒径が30μmより大きくなると、印刷版および印刷
物の画像が荒れてくる傾向がある。また、それが4μm
より小さくなると、摩耗防止の効果が低下し、印刷物に
地汚れを生じやすくなる。
ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合樹脂粒子は、
電子写真感光層用塗布液の溶媒(一般にトルエンなどの
芳香族溶媒)に溶解しないため、これが電子写真感光層
の電子写真特性に悪影響を与えることはない。
本発明の電子写真感光層に、ベンゾグアナミン−ホルム
アルデヒド縮合樹脂粒子の代りに、他の有機顔料、例え
ば尿素樹脂顔料、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、
高密度ポリエチレン微粉体、デンプン、およびポリエス
テル樹脂粒子など、および無機顔料、例えば水酸化アル
ミニウム、アルミナ、球体シリカバルーン、球体アルミ
ノシリケート粒子、カルシウムメタシリケート、および
酸化チタンなどを用いると、摩擦に起因する印刷地汚れ
の発生の有無に関係なく、電子写真特性の劣化を生じ、
また、不感脂化性の劣化によると考えられる製版カブリ
と印刷地汚れを生じ、このため実用可能な電子写真印刷
版材料が得られない。
本発明の電子写真感光層は、前記の平均粒径4〜30μm
のベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合樹脂粒子
を、通常の光導電性酸化亜鉛−絶縁性樹脂結合剤系電子
写真感光層用塗布液中に混合分散し、この塗布液を導電
性および耐水性を有する支持体上に、膜厚が20〜30μm
(乾燥後)となるように塗布し、乾燥することにより形
成される。この電子写真感光層中において、前記樹脂粒
子は、感光層表面に多数の突起部を形成する。この突起
部の高さは4〜20μmとなることが好ましい。また、前
記樹脂粒子の添加量は、電子写真感光層塗布液の固形分
重量の0.1〜1.0重量%であることが好ましく、0.2〜0.6
重量%であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光層に用いられる絶縁性樹脂結合剤
は、単一種類の樹脂からなるものでもよく、または、2
種以上の樹脂結合剤を混合したものでもよい。このよう
な樹脂結合剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、メ
ラミン樹脂、プチラール樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、キシレン樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられ
る。
本発明の電子写真感光層は、酸化亜鉛の他に、主に、感
度などの電子写真特性を向上させる目的で、従来用いら
れてきた感光性染料や電子受容性物質など各種の増感剤
や添加剤を適宜含有していてもよい。また、半導体レー
ザの波長の光線に感度を持たせるため、感光層中に、波
長700〜1000nmの範囲の光線に感度の極大を有する下記
一般式(I)および(II)の化合物を増感剤として含有
させてもよい。
および 〔但し、上式中R1,R2およびR3は、それぞれ他から独立
に、−CH3,−C2H5、および−CH2−CH=CH2基から選ばれ
た1員を表わし、好ましくは−CH2−CH=CH2基であり、
XはBr,ClおよびI原子、並びにClO4および から選ばれた1員を表わし、好ましくはClO4である〕 本発明の印刷版材料から平版印刷版を製版するには、ま
ず通常の電子写真法に従い、暗所において、印刷版材料
の感光層の全面にコロナ帯電器などにより一様に帯電さ
せ、これにタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセ
ノンランプまたは蛍光燈などの光源を用いた反射画像露
光、透明陽画フィルムを通しての密着露光、あるいはHe
−Neレーザ、アルゴンレーザまたは半導体レーザなどの
レーザ光によるスキャニング露光を施して、電子写真感
光層上に静電潜像を形成し、この静電潜像を、常法によ
りトナーで現像し、これを加熱定着して、版上にトナー
画像を形成する。
このようにして得られた画像を有する印刷版の非画像部
に、通常の不感脂化処理液を用いて不感脂化処理を施
す。次にこの印刷版をオフセット印刷機に装着して印刷
に供する。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する
が、これらは本発明の内容を限定するものではない。な
お、実施例中の「部」および「%」は、特に指示しない
限り、「重量部」、および「重量%」を表わす。
実施例1 下記組成: 酸化亜鉛(堺化学社製、商標:SAZEX #2000) 90部 ポリアクリル樹脂(三菱レイヨン社製、商標:LR−188)
25部 ローズベンガル 0.02部 トルエン 120部 の混合物を、サンドグラインダーで分散して混合を調製
し、次に、この混合液に、0.4部のベンゾグアナミン−
ホルムアルデヒド縮合樹脂粒子(日本触媒社製、商標:
エポスターL、平均粒径:16μm)を添加し、撹拌機で
撹拌分散し、電子写真感光層形成用塗布液を調製した。
支持体としては、秤量80g/m2の原紙の1面上に、厚さ10
μmのアルミニウムホイルをラミネートしてえられた複
合シートを使用した。このアルミニウムホイルの表面に
は、表面保護のために、そのラミネートと同時にアンカ
ー層を塗布した。このアンカー層はポリアクリル樹脂エ
マルジョン(サイデン化学社製、商標:サイビノールX
−19)60部およびカゼイン40部の混合物からなるもので
あった。
上記支持体上に、前記塗布液を塗布し、乾燥し、電子写
真感光層を形成した。この感光層の厚さは25μm(乾
燥)であった。感光層表面に形成された多数の突起部の
高さは15μm程度以下であった。
得られた電子写真平版印刷版材料の感光層の耐傷性を評
価するために、印刷版材料の試験片を、25℃、50%RHの
雰囲気の暗所に置いて24時間のコンディショニングを施
し、次にこの印刷版材料試験片の電子写真感光層表面
に、他の印刷版材料を、その裏面が接触するように重
ね、その上に3kgの錘(直径7cm)をのせて、上の版材を
20cm程度1回引っ張って、下の版材の感光層表面に損傷
を与えた。その後、この印刷版材料試験片を用いて製
版、印刷を行ない、損傷を与えた部分(特に非画像部に
ついて)の印刷地汚れの程度を官能的に評価をした。
製版、印刷は以下のようにして行なった。
すなわち、Itek社製235型製版機を用いて製版し、これ
にエッチ液(Itek社製品)による不感脂化処理を施した
後、オフセット印刷機(リョービ製2800CD、シンフロ
型)に装着して、印刷し、得られた印刷物の画質を、特
に摩擦に起因する地汚れを観察評価した。
その結果を第1表に示す。
実施例2 下記組成: 酸化亜鉛(堺化学社製、商標:SAZEX #2000) 90部 ポリアクリル樹脂(三菱レイヨン社製、商標:LR−188)
25部 増感剤:前記一般式(II)〔但し、式中R3はCH2−CH=C
H2基を表し、XはI原子を表す〕の化合物 0.02部 トルエン 120部 からなる混合液をサンドグラインダーで分散して混合液
を調製した。
次に前記混合液中に、実施例1と同様のベンゾグアナミ
ン−ホルムアルデヒド縮合樹脂粒子樹脂粒子(平均粒径
16μm)0.2部を添加して、電子写真感光層形成用塗布
液を調製した。
次に、この塗布液を用い、実施例1と同様にして電子写
真平版印刷材料を作成した。
得られた電子写真平版印刷版材料の試験片に25℃、50%
RHの雰囲気の暗所にて24時間のコンディショニングを施
した後に、実施例1と同様にして感光層表面に損傷を与
え、コロナ帯電器により一様に帯電させた後、所定のパ
ターンに従って半導体レーザ光(5mW、波長780nm)を照
射走査した。次にレーザ光照射された電子写真感光層
に、正帯電トナー(Itek社製)を用いて現像処理を施し
た。現像後、エッチ液(Itek社製品)で不感脂化処理し
た後、この試験片をオフセット印刷機(リョービ製2800
CD、シンフロ型)に装着して印刷し、得られた印刷物の
画質を、特に摩擦に起因する地汚れを観察評価した。
その結果を第1表に示す。
比較例1 下記組成: 酸化亜鉛(堺化学社製、商標:SAZEX #2000) 90部 ポリアクリル樹脂(三菱レイヨン社製、商標:LR−188)
25部 ローズベンガル 0.1部 トルエン 120部 の混合液をサンドグラインダーで分散して混合液を調製
した。この混合液を、樹脂粒子を混合することなく、そ
のまゝ電子写真感光層塗布液として用い、これを実施例
1と同様の支持体上に塗工して電子写真平版印刷材料を
製造した。得られた電子写真平版印刷材料を用い、実施
例1と同様にして、製版、印刷し、印刷地汚れを評価し
た。
結果を第1表に示す。
比較例2 支持体として、導電性・耐水性処理を施してある紙を用
いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真平版印
刷材料を製造した。得られた電子写真平版印刷材料を用
い、実施例1と同様にして、製版、印刷し、印刷地汚れ
を評価した。
結果を第1表に示す。
比較例3 平均粒径16μmのベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド
縮合樹脂粒子(日本触媒社製)の代わりに、平均粒径3
2.0μmの同樹脂粒子を0.1部用いたこと以外は、実施例
1と同様にして、電子写真平版印刷材料を製造した。得
られた電子写真平版印刷材料を用い、実施例1と同様に
して、製版、印刷し、印刷地汚れを評価した。
その結果を第1表に示す。
比較例4 支持体として導電性・耐水性処理を施してある紙を用い
たこと以外は、比較例3と同様にして電子写真平版印刷
材料を製造した。得られた電子写真平版印刷材料を用
い、実施例1と同様にして、製版、印刷し、印刷地汚れ
を評価した。
結果を第1表に示す。
比較例5 電子写真感光層塗布液の増感剤として、前記一般式(I
I)〔但し、式中R3はCH2−CH=CH2基を表し、XはI原
子を表す〕の化合物を用いたこと以外は、比較例1と同
様にして電子写真平版印刷材料を製造した。得られた電
子写真平版印刷材料を用い、実施例2と同様にして、製
版、印刷し、印刷地汚れを評価した。
結果を第1表に示す。
第1表が明瞭に示しているように、本発明に係る実施例
1,2の印刷版材料の電子写真感光層は、強制的摩擦に対
して耐性があり、かつそれによって地汚れのない印刷物
を与えることのできるものであった。
しかし、比較例1,5では、感光層表面に突起部が形成さ
れていないため、摩擦により電子写真感光層表面が損傷
され易く、このため多数の印刷地汚れが発生した。
比較例2では、支持体の平滑度がアルミなどの金属層を
有する支持体に比べ低いため、つまり支持体表面が粗い
ため、粒径の小さなベンゾグアナミン−ホルムアルデヒ
ド縮合樹脂粒子による摩擦防止効果が消去されてしまう
ものと考えられる。
比較例3では、強制的摩擦に対して耐性があり、印刷時
に地汚れがない印刷物を得ることができたが、30μm以
上の大きな粒径を有する樹脂粒子が含まれていたため、
画像ベタ部のチラツキ、細線画像のかすれなどのような
画像劣化が発生していた。
比較例4では、比較例2のようにベンゾグアナミン−ホ
ルムアルデヒド縮合樹脂粒子による効果が消されること
なく、強制的摩擦に対して耐性があり、印刷時に地汚れ
がない印刷物を得ることができたが、比較例3と同様に
画像劣化の問題点が発生した。
〔発明の効果〕
本発明の電子写真平版印刷版材料において、支持体とし
て、その電子写真感光層側面にアルミニウムなどの金属
層を有するものを用い、かつ電子写真感光層中に、平均
粒径4〜30μmのベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド
縮合樹脂粒子を分散、含有させることにより、摩擦など
による電子写真感光層の損傷がなく、又は少なく、この
ため印刷地汚れもなく、又は少なく、品質に優れた画像
を形成することのできる電子写真平版印刷版材料を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の平版印刷版の構成を表す断面説明図
である。 1……基体、1a……支持体、 2……金属層、3……電子写真感光層、 4……ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合反応生
成物を含む樹脂粒子 5……突起部、 6……酸化亜鉛粒子(点により表示)、 7……樹脂結合剤(マトリックスを形成)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性・耐久性支持体と、 前記支持体の一面状に形成され、かつ酸化亜鉛粒子と、
    樹脂結合剤との混合物を主成分として含む電子写真感光
    層と、を含み、 前記支持体の、前記電子写真感光層形成面側に金属層が
    形成されていること、および前記電子写真感光層には、
    更に、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合反応生
    成物を主成分とし、かつ4〜30μmの平均粒径を有する
    多数の樹脂粒子が分散含有されていて、それによって、
    前記電子写真感光層表面に多数の突起部が形成されてい
    ること、を特徴とする電子写真平版印刷版材料。
JP6104289A 1989-03-15 1989-03-15 電子写真平版印刷版材料 Expired - Lifetime JPH071404B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6104289A JPH071404B2 (ja) 1989-03-15 1989-03-15 電子写真平版印刷版材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6104289A JPH071404B2 (ja) 1989-03-15 1989-03-15 電子写真平版印刷版材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02240659A JPH02240659A (ja) 1990-09-25
JPH071404B2 true JPH071404B2 (ja) 1995-01-11

Family

ID=13159796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6104289A Expired - Lifetime JPH071404B2 (ja) 1989-03-15 1989-03-15 電子写真平版印刷版材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH071404B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5399452A (en) * 1992-01-27 1995-03-21 Fuji Xerox Co., Ltd. Electrophotographic photoreceptor
JP5565171B2 (ja) * 2010-07-30 2014-08-06 株式会社リコー 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02240659A (ja) 1990-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4444858A (en) Method of preparing a lithographic printing plate
US3869285A (en) Plate-making master and method for producing a printing plate which does not require dampening water
JPS6035750A (ja) エツチング可能な長時間用電子写真印刷版およびその製造方法
JPH071404B2 (ja) 電子写真平版印刷版材料
JPS5814319B2 (ja) 平版又はオフセツト印刷用版及びその製法
JPH05173350A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ
US3653886A (en) Preparation of printing forms by the ionic polymerization of photoconductors
JPH0611876A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ
JPH07110607A (ja) 電子写真平版印刷版材料
JPH0541983B2 (ja)
GB1567844A (en) Process of making printing plates from photosenistive silver halide materials
JPH02115860A (ja) 電子写真平版印刷版材料
JP2572219B2 (ja) 電子写真感光体
JP2003186220A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3781528B2 (ja) 電子写真式平版印刷版
JPH02173656A (ja) 電子写真平版印刷版材料
JPH067273B2 (ja) 電子写真平版印刷版材料
JP2568861B2 (ja) 電子写真感光体
JPH01257862A (ja) 電子写真平版印刷版
JP2667036B2 (ja) レーザー光用電子写真平版印刷版材料
JPS6380262A (ja) 電子写真感光体
JPH06186788A (ja) レーザー光用電子写真平版印刷版材
JP2977680B2 (ja) 電子写真式平版印刷版用修正剤
JPH01269944A (ja) 電子写真感光体
JPS5922218B2 (ja) 印刷原版用感光材料