JP2568861B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2568861B2
JP2568861B2 JP62259805A JP25980587A JP2568861B2 JP 2568861 B2 JP2568861 B2 JP 2568861B2 JP 62259805 A JP62259805 A JP 62259805A JP 25980587 A JP25980587 A JP 25980587A JP 2568861 B2 JP2568861 B2 JP 2568861B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは静電特性及
び耐湿性に優れた電子写真感光体に関する。特にCPC感
光体として性能の優れたものに関する。
(従来の技術) 電子写真感光体は、所定の特性を得るため、あるいは
適用される電子写真プロセスの種類に応じて、種々の構
成をとる。
電子写真感光体の代表的なものとして、支持体上に光
導電層が形成されている感光体及び表面に絶縁層を備え
た感光体があり、広く用いられている。
支持体と少なくとも1つの広導電層から構成される感
光体は、最も一般的な電子写真プロセスによる、即ち帯
電、画像露光及び現像、更に必要に応じて転写による画
像形成に用いられる。
更には、ダイレクト製版用のオフセット原版として電
子写真感光体を用いる方法が広く実用されている。特に
近年、ダイレクト電子写真平板は数百枚から数千枚程度
の印刷枚数で高画質の印刷物を印刷する方式として重要
となってきている。
電子写真感光体の広導電層を形成するために使用する
結合剤は、それ自体の成膜性および光導電性粉体の結合
剤中への分散能力が優れるとともに、形成された記録体
層の基材に対する接着性が良好であり、しかも記録体層
の光導電層は帯電能力に優れ、暗減衰が小さく、光減衰
が大きく、前露光疲労が少なく、且つ、撮影時の湿度の
変化によってこれら特性を安定に保持していることが必
要である等の各種の静電特性および優れた撮像性を具備
する必要がある。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂
(特公昭34−6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35−1960号)、アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35−11219号)、酢酸ビニル樹脂
(特公昭41−2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41
−2426号)、アクリル樹脂(特公昭35−11216号)、ア
クリル酸エステル共重合体(例えば特公昭35−11219
号、特公昭36−8510号、特公昭41−13946号等)等が知
られている。
しかし、これらの樹脂を用いた電子写真感光材料にお
いては、1)光導電性粉体との親和性が不足し、塗工液
の分散性が不良となる、2)光導電層の帯電性が低い、
3)被写画像の画像部(特に網点再現性・解像力)の品
質が悪い、4)被写画像作成時の環境(例えば高温高
湿、低温低湿等)にその画質が影響されやすい、等のい
ずれかの問題があった。
光導電層の静電特性の改良方法として種々の方法が提
案されており、その1つの方法として、例えば、芳香族
環又はフラン環にカルボキシル基又はニトロ基を含有す
る化合物、あるいはジカルボン酸の無水物を更に組合せ
て、光導電層に共存させる方法が特公昭42−6878号及び
特公昭45−3073号に開示されている。しかし、これらの
方法によって改良された感光材料でもその静電特性は充
分でなく、特に光減衰特性の優れたものは得られていな
い。そこでこの感光材料の感度不足を改良するために、
光導電層中に増感色素を多量に加える方法が従来とられ
てきたが、このような方法によって作製された感光材料
は、白色度が著しく劣化し、記録体としての品質低下を
生じ、場合によっては感光材料の暗減衰の劣化を起こ
し、充分な複写画像が得られなくなってしまうという問
題を有していた。
一方、光導電層を用いる結着樹脂として樹脂の平均分
子量を調節して用いる方法が特開昭60−10254号に開示
されている。即ち、酸価4〜50のアクリル樹脂で平均分
子量が103〜104の分布の成分のものと、104〜2×105
分布の成分のものを併用することにより、静電特性(特
にPPC感光体としての繰り返し再現性)、耐湿性等を改
良する技術が記載されている。
更に、電子写真感光体を用いた平版印刷用原版の研究
が鋭意行なわれており、電子写真感光体としての静電特
性と印刷原版としての印刷特性を両立させた光導電層用
の結着樹脂として、例えば、特公昭50−31011号では、
フマル酸存在下で(メタ)アクリレート系モノマーと他
のモノマーと共重合させた、Mw1.8〜10×104でTg10〜80
℃の樹脂と、(メタ)アクリレート系モノマーとフマル
酸以外の他のモノマーとから成る共重合体とを併用した
もの、又特開昭53−54027号では、カルボン酸基をエス
テル結合から少なくとも原子数7個離れて有する置換基
をもつ(メタ)アクリル酸エステルを含む三元共重合体
を用いるもの、又特開昭54−20735号・特開昭57−20254
4号では、アクリル酸及びヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートを含む4元又は5元共重合体を用いるもの、
又特開昭58−68046号では、炭素数6〜12のアルキル基
を置換基とする(メタ)アクリル酸エステル及びカルボ
ン酸含有のビニルモノマーを含む3元共重合体を用いる
もの等が光導電層の不感脂化性の向上に効果があると記
載されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記した静電特性・耐湿特性に効果が
あるとされる樹脂であっても、現実に評価してみると特
に帯電性、暗電荷保持性、光感度の如き静電特性、光導
電層の平滑性等に問題があり、実用上満足できるもので
はなかった。
又、電子写真式平版印刷用原版として開発されたとす
る結着樹脂においても、現実に評価してみると前記の静
電特性、印刷物の地汚れ、等に問題があった。
本発明は、以上の様な従来の電子写真感光体の有する
問題点を改良するものである。
本発明の目的は、静電特性(特に暗電荷保持性及び光
感度)が向上し、原画に対し忠実な複写画像を再現する
高画質の電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、複写画像形成時の環境が低温低
湿あるいは高温高湿の如く変動した場合でも、鮮明で良
質な画像を有する電子写真感光体を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、静電特性に優れ且つ環境依存性
の小さいCPC電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、電子写真式平版印刷原版として
地汚れの発生を全く生じさせない印刷物を与える平版印
刷版を提供することである。
本発明の他の目的は併用し得る増感色素の種類による
影響をうけにくい電子写真感光体を提供することにあ
る。
(問題点を解決するための手段) 前記の問題点は、無機光導電材料及び結着樹脂を少な
くとも含有する光導電層を有する電子写真電子写真感光
体において、該結着樹脂が、1×103〜1×104の重量平
均分子量を有し、−PO3H2基、−SO3H基及び−COOH基か
ら選ばれる少なくとも1つの酸性基を含有する共重合成
分を0.05〜10重量%、並びに−OH基、−SH基及び−NHR
基(Rは炭素数1〜8のアルキル基又はアリール基を表
わす)、エポキシ基及びチオエポキシ基から選ばれる少
なくとも1つの置換基を含有する共重合成分を1〜20重
量%含有する樹脂を含有することから成り、且つ、有機
シラン系化合物、ポリイソシアネート系化合物、ポリオ
ール系化合物、ポリアミン系化合物、ポリエポキシ基含
有化合物及びエポキシ樹脂、メラミン樹脂並びにポリ
(メタ)アクリレート系化合物から選ばれる少なくとも
1つの架橋剤を共存させることを特徴とする電子写真感
光体によって解決される。
即ち、本発明に供される結着樹脂は、上記酸性基を含
有し、更に架橋剤を含有する。従って該架橋剤によって
橋かけされた重量平均分子量1万以下の樹脂である。
好ましくは、該樹脂の重量平均分子量は5×103〜9
×103であり、該酸性基を含有する共重合成分の存在割
合は0.1〜8重量%が好ましい。
又、本発明に用いられる架橋剤の使用量は結着樹脂量
に対し0.5〜30重量%、特に1〜10重量%であることが
好ましい。
前述の如き従来公知の酸性基含有結着樹脂は主として
オフセットマスター用であって、膜強度保持による耐刷
性向上のためにその分子量は大きいものであった(例え
ば5×104以上)。
これに対して、本発明では、結着樹脂は樹脂中に含有
される酸性基が無機光導電体の化学量論的な欠陥に吸着
し、且つ低分子量体であることから、光導電体の表面の
被覆性を向上させることで光導電体のトラップを補償す
ると共に湿度特性を向上させる一方、光導電体の分散が
充分に行なわれ、凝集を抑制することを見出した。
従って、光導電体表面の平滑性が滑らかとなる。
一方、電子写真式平版印刷原版として光導電層表面の
平滑性の粗らい感光体を用いると、光導電体である無機
粒子と結着樹脂の分散状態が適切でなく、凝集物が存在
する状態で光導電層が形成されるため、不感脂化処理液
による不感脂化処理をしても非画像部の親水化が均一に
充分に行なわれず、印刷時に印刷インキの付着を引き起
こし、結果として印刷物の非画像部の地汚れが生じてし
まう。
一方、本発明に従う結着樹脂の低分子量化によって、
皮膜強度の脆弱化が懸念されたが、光導電体を充分に分
散し、該粒子表面に吸着、被覆させることにより、皮膜
性が保持され、CPC感光体あるいは数千枚の印刷枚数の
オフセット原版としては充分な膜強度を保有している。
ここで本発明の如く架橋剤を共存させることで、樹脂間
の橋かけ構造を形成し、本発明の性能向上を損うことな
く膜強度の向上が行なわれた。従って、本発明の感光材
料は、環境条件が変動しても優れた静電特性を有し且
つ、膜強度も充分であり、オフセット原版として1万枚
以上の印刷枚数が可能となった。
結着樹脂の分子量が103より小さくなると、皮膜形成
能が低下し充分な膜強度が保てない。一方分子量が104
より大きくなると電子写真特性(特に初期電位、暗減衰
保持率)が劣化するため好ましくない。特にかかる高分
子量体の場合に酸性基含有量が3%を越えるとかかる電
子写真特性の劣化が著しく、オフセットタイマーとして
用いたときに地汚れが顕著となる。
結着樹脂における酸性基含有量が0.05重量%より少な
いと、初期電位が低くて充分な画像濃度を得ることがで
きない。一方該酸性基含有量が10重量%よりも多いと、
分散性が低下し、膜平滑度及び電子写真特性の高湿特性
が低下し、更にオフセットマスターとして用いるときに
地汚れが増大する。
該樹脂のガラス転移点は−10℃〜100℃の範囲のもの
が好ましいが、より好ましくは−5℃〜80℃である。
該樹脂は、前記した物性を有していれば従来公知の樹
脂のいずれでもよく、例えば、ポリエステル樹脂、変性
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、オレフイン共重合体、
ポリカーボネート樹脂、アルカン酸ビニル樹脂、アルカ
ン酸アリル樹脂、変性ポリアミド樹脂、フェノール樹
脂、脂肪酸変性アルキド樹脂、アクリル樹脂等が挙げら
れる。
更に具体的には、下記一般式(I)で示される単量体
を共重合体成分として、その総量で30重量%以上含有す
る(メタ)アクリル系共重合体を本発明の樹脂の例とし
て挙げることができる。
一般式(I) 一般式(I)において、Xは、水素原子、ハロゲン原
子(例えばクロロ原子、ブロモ原子)、シアノ基又は炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。R′は、炭素数1〜
18の置換されていてもよいアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデ
シル基、テトラデシル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基等)、炭素数2〜18の置換されていて
もよいアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、イ
ソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニ
ル基、オクテニル基等)、炭素数7〜12の置換されてい
てもよいアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル
基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、メチル
ベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されていてもよい
シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、シクロヘプチル基等)、アリール基(例え
ば、フェニル基、トリル基、キシル基、メシチル基、ナ
フチル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基等)等を表わ
す。
本発明の「酸性基を含有する共重合体成分」は例えば
一般式(I)と共重合し得る、該酸性基を含有するビニ
ル系化合物であればいずれでもよく、例えば、高分子学
会編「高分子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館
(1986年)等に記載されている。具体的には、アクリル
酸、α及び/又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセト
キシ体、α−アセトキシメチル体、α−(2−アミノ)
メチル体、α−クロロ体、α−ブロモ体、α−フロロ
体、α−トリブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロ
ロ体、β−ブロモ体、β−クロロ−β−メトキシ体、
α,β−ジクロロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、
イタコン酸半エステル類、イタコン酸半アミド類、クロ
トン酸、2−アルケニルカルボン酸類(例えば2−ペン
テン酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2−オクテン
酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、4−エチル−2−オ
クテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エステル類、
マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビ
ニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルボ
スホン酸、ジカルボン酸類のビニル基又はアリル基の半
エステル誘導体、及びこれらのカルボン酸又はスルホン
酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置換基中に該酸性
基を含有する化合物等が挙げられる。
又、本発明の樹脂と架橋剤との架橋効果を高めるため
に結着樹脂の共重合体成分として、−OH基、−SH基、−
NHR基{Rは炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等)
又はアリール基(例えばフェニル基、トリル基、メトキ
シフェニル基、ブチルフェニル基等)等を表わす}等の
如き解離性水素原子を少なくとも1種有する置換基を含
有する成分又はエポキシ基、チオエポキシ基等を含有す
る成分を更に存在させる。これらの極性基を含有する共
重合体成分の存在割合は、本発明の樹脂の1〜20重量%
であり、好ましくは3〜10重量%である。
該極性基を含有する共重合体成分は、例えば、一般式
(I)と共重合し得る、該極性基を含有するビニル系化
合物である。
具体的には、前記した「酸性基を含有する共重合体成
分」に記載したと同様の化合物の置換基中に該極性基を
含有する誘導体等が例として挙げられる。
更に、本発明の樹脂は、前記した一般式(I)の単量
体及び該酸性基を含有する単量体とともに、これら以外
の単量体を共重合成分として含有してもよい。
例えば、α−オレフィン類、アルカン酸ビニル又はア
リルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニルエーテル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、スチレン類、複素環ビニル類(例えばビニル
ピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビ
ニルチオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾー
ル、ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニルチアゾ
ール、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。特に酢酸
ビニル、酢酸アリル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、スチレン類等は、膜強度向上の点から好ましい
成分である。
本発明では、上記の如き本発明の樹脂を結着樹脂とし
て二種以上含有してもよい。
また、本発明以外の樹脂を併用することができ、本発
明の樹脂が10重量%以上、好ましくは30重量%以上、含
有されれば本発明の効果は達成できる。
本発明以外の樹脂としては、重量平均分子量5×104
以上で、−COOH、−SO3H、−PO3H2等の如きpK以下の酸
性基を含まない樹脂が好ましい。
本発明において用いられる架橋剤としては、通常架橋
剤として用いられる化合物を使用することができる。具
体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブッ
ク」大成社刊(1981年)高分子学会編「高分子データハ
ンドブック「基礎編」培風館(1986年)等に記載されて
いる化合物を用いることができる。
例えば、有機シラン系化合物(例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン等のシランカップリング剤等)、ポリイソ
シアナート系化合物(例えば、トルイレンジイソシアナ
ート、O−トルイレンジイソシアナート、ジフェニルメ
タンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシ
アナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシ
アナート、高分子ポリイソシアナート等)、ポリオール
系化合物(例えば、1,4ブタンジオール、ポリオキシプ
ロピレングリコール、ポリオキシアルキレングリコー
ル、1,1,1−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン
系化合物(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシ
プロピル化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、
変性脂肪族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合
物及びエポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ
樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹
脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著
「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)、等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)アクリ
レート系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏
延編「オリゴマー」講談社(1976年)、大森英夫「機能
性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記
載された化合物類が挙げられ、具体的には、ポリエチレ
ングリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコール
アクリラート、1,6−ヘキサンジオールアクリラート、
トリメチロールプロパントリアクリラート、ペンタエリ
スリトールポリアクリラート、ビスフェノールA−ジグ
リシジルエーテルジアクリラート、オリゴエステルアク
リラート:これらのメタクリラート体等がある)を挙げ
ることができる。
本発明の結着樹脂は、感光層形成物を塗布した後、架
橋される。架橋を行なうためには、例えば、乾燥条件を
高温度及び/又は長時間とするか又は塗布溶剤の乾燥
後、更に加熱処理することが好ましい。例えば60℃〜12
0℃で5〜120分間処理する。上述の反応促進剤を併用す
ると、より穏やかな条件で処理することができる。
又、架橋は少なくとも本発明の樹脂同志で行なわれる
べきであるが、他の樹脂との間になされてもよい。特に
本発明の樹脂と重量平均分子量2×104以上の樹脂とが
架橋されていることが好ましい。
本発明に使用する無機光導電材料としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カド
ミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化
テルル、硫化鉛等が挙げられる。
好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。
無機光導電材料に対して用いる結着樹脂の総量は、光導
電体100重量部に対して結着樹脂を10〜100重量部なる割
合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視:武井秀
彦;イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等、R
CA Review15、469(1954)、清田航平等、電気通信学会
論文誌J63−C(No.2)、97(1980)、原崎勇次等、工
業化学雑誌66、78及び188(1963),谷忠昭、日本写真
学会誌35、208(1972)等の総説引例のカーボニウム系
色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えばオキソノール、メロシアニン色素、シアニ
ン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素年)、フタロ
シアニン色素(金属を含有していてもよい)等が挙げら
れる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン系色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を
中心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭5
0−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130
号、特開昭53−82353号、米国特許第3052540号、米国特
許第4054450号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙
げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としてはF.M.
Hammer、「The Cyanine Dyes and Related Compounds」
等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的には、
米国特許第3047384号、米国特許第3110591号、米国特許
第3121008号、米国特許第3125447号、米国特許第312817
9号、米国特許第3132942号、米国特許第3622317号、英
国特許第1226892号、英国特許第1309274号、英国特許第
1405898号、特公昭48−7814号、特公昭55−18892号等に
記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外−赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、特
開昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−5034
号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭56
−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044号、
特開昭61−27551号、米国特許第3619154号、米国特許第
4175956号、「Research Disclosure」1982年、216、第1
17〜118頁等に記載のものが挙げられる。
本発明の感光体は種々の増感色素を併用させても、そ
の性能が増感色素により変動しにくい点でも優れてい
る。
更には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られて
いる電子写真感光層用各種添加剤を併用することもでき
る。例えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)
第12頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えばハロゲ
ン、ベンゾキノン、クラニル、酸無水物、有機カルボン
酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の開発
・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出版部
(1986年)の総説引例のパリアリールアルカン化合物、
ヒンダートフェノール化合物、p−フェニレンジアミン
化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は特に限定的ではないが、
通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部であ
る。
光導電層の厚さは1〜100μ,特に10〜50μが、好適
である。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ,特に0.05〜0.5μ、が好適である。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μ、特には10〜30μが好適である。
絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる樹脂として
は、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酸ピ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコ
ーン樹脂の熱可塑性樹脂および硬化性樹脂が適宜用いら
れる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に言って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等、が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男,電子写真,14、(No.1)、第2〜11頁(1
975)、森賀弘之、「入門特殊紙の化学」高分子刊行会
(1975)、M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4
(6),第1327〜1417頁(1970)等に記載されているも
の等を用いる。
(実施例) 以下に本発明を実施例により例証するが、本発明の内
容がこれらに限定されるものではない。
合成例1 エチルメタクリレート95g、アクリル酸5g及びトルエ
ン200gの混合溶液を窒素気流下90℃の温度に加温した
後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
6gを加え、10時間反応させた。得られた共重合体(I)
の重量平均分子量は7800、ガラス転移点は45℃であっ
た。
合成例2 エチルメタクリレート95g、メタクリル酸5g及びトル
エン200gの混合溶液を窒素気流下75℃の温度に加温した
後、アゾビスイソブチロニトリル1.0gを加え8時間反応
させた。得られた共重合体〔II〕の重量平均分子量は45
000、ガラス転移点は48℃であった。
合成例3 エチルメタクリレート100g及びトルエン200gの混合溶
液を窒素気流下90℃の温度に加温した後、2,2′−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6gを加え、10時
間反応させた。得られた共重合体(III)の重量平均分
子量は7500、ガラス転移点は45℃であった。
実施例1 合成例1で製造した共重合体(I)40g(固形分量と
して)、酸化亜鉛200g、ローズベンガル0.05g及びトル
エン300gの混合物をボールミル中で2時間分散した。次
にこの分散物にビスフェノールA−ジグリシジルエーテ
ル5g及びp−トルエンスルホン酸0.1gを加え、ボールミ
ル中で更に10分間分散して、感光層形成物を調整し、こ
れを導電処理した紙に、乾燥付着量が22g/m2となる様に
ワイヤーバーで塗布し、100℃で1時間乾燥した。次い
で暗所で20℃、65%HRの条件下で24時間放置することに
より電子写真感光材料を作製した。
比較例A 合成例1で製造した共重合体(I)40g(固形分量と
して)、酸化亜鉛200g、ローズベンガル0.05g及びトル
エン300gの混合物をボールミル中で2時間分散し、感光
層形成物を調整し、これを導電処理した紙に、乾燥付着
量が22g/m2となる様にワイヤーバーで塗布し、110℃で3
0秒間乾燥した。次いで暗所で20℃、60%RHの条件下で2
4時間放置することにより電子写真感光体Aを作製し
た。
比較例B 比較例Aで用いた共重合体(I)の代わりに合成例2
で製造した共重合体(II)40g(固形分量として)を用
いる以外は比較例Aと同様にして比較用電子写真感光体
Bを製造した。
比較例C 結着樹脂として、合成例1で製造した共重合体(I)
20g(固形分量として)及び合成例2で製造した共重合
体(II)20g(固形分量として)用いる以外は比較例A
と同様にして比較用電子写真感光体Cを製造した。
比較例D 比較例Aで用いた共重合体(I)の代わりに合成例3
で製造した共重合体(III)40g(固形分量として)を用
いる以外は比較例Aと同様にして比較用電子写真感光体
Dを製造した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、静電特
性、撮像性及び環境条件を30℃,80%RHとした時の撮像
性を調べた。更に、これらの感光材料をオフセットマス
ター用原版として用いた時の光導電層の不感脂化性(不
感脂化処理後の光導電層の水との接触角で表わす)及び
印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べた。
撮像性及び印刷性は、全自動製版ELP404V(富士写真
フイルム(株)製)に現像剤ELP−Tを用いて、露光・
現像処理して画像を形成し、不感脂化液ELP−Eを用い
てエッチングプロセッサーでエッチングして得られた平
版印刷版を用いて調べた(なお、印刷機にはハマダスタ
ー(株)製ハマダスター800SX型を用いた)。
以上の結果をまとめて、表−1に示す。
表−1に記した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料は、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室注で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で60秒間静置した後の電位V70を測
定し、60秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即ち、暗
減衰保持率〔DRR(%)〕を、(V70/V10)×100(%)
で求めた。又、コロナ放電により光導電層表面を−400V
に帯電させた後、該光導電層表面を照度2.0ルックスの
可視光で照射し、表面電位(V10)が1/10に減衰するま
での時間を求め、これから露光量E1/10(ルックス・
秒)を算出する。
注3)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、全
自動製版機ELP−404V(富士写真フイルム(株)製)で
製版して得られた複写画像(カブリ、画像の画室)を目
視評価した。撮像時の環境条件は、20℃65%RH(I)と
30℃80%RH(II)で実施した。
注4)水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液ELP−E(富士写真フイ
ルム(株)製)を用いて、エッチングプロセッサーに1
回通して光導電層面を不感脂化処理した後、これに蒸留
水2μの水滴を乗せ、形成された水との接触角をゴニ
オメーターで測定する。
注5)印刷物の地汚れ: 各感光材料を全自動製版機ELP404V(富士写真フイル
ム(株)製)で製版して、トナー画像を形成し、上記
(注3)と同条件で不感脂化処理し、これをオフセット
マスターとしてオフセット印刷機(ハマダスター(株)
製ハマダスター800SX型)にかけ上質紙上に500枚印刷
し、全印刷物の地汚れを目視により判定する。これを印
刷物の地汚れIとする。
印刷物の地汚れIIは、不感脂化処理液を5倍に希釈
し、且つ、印刷時の湿し水を2倍に希釈した他は、前記
の地汚れIと同様の方法で試験する。IIの場合は、Iよ
りも厳しい条件で印刷したことに相当する。
注6)耐刷性: 上記注5)の印刷汚れIの評価条件で各感光材料を処
理し、印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問
題が生じないで印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多い
程、耐刷性が良好なことを表わす)。
注7)D.M.(画像濃度): ベタ部分のトナー画像濃度でMax値を示す(スクベス
反射濃度計で測定できる)。
表−1に示す様に、本発明及び比較例Aの感光材料
は、光導電層の平滑性及び静電特性が良好で、実際の複
写画像も値カブリがなく複写画質も鮮明であった。この
ことは光導電体と結着樹脂が充分に吸着し、且つ、粒子
表面を被覆していることによるものと推定される。同様
の理由で、オフセットマスター原版として用いた場合で
も不感脂化処理液による不感脂化処理が充分に進行し、
非画像部の水との接触角が15度以下と小さく、充分に親
水化されていることが判る。実際に印刷して印刷物の地
汚れを観察しても地汚れは全く認められなかった。本発
明の樹脂と同様の組成をもつ共重合体であって、重量平
均分子量が大きい場合の比較例Bは、光導電層の平滑性
が著しく悪くなり、更に、静電特性、特にDRRが悪化し
てしまった。オフセット原版として用いても、不感脂化
処理後の非画像部の水との接触角が35度と大きく、実際
に印刷しても刷り出しから地汚れが発生した。このこと
は、結着樹脂の分子量が大きくなることによって、光導
電体粒子への吸着とともに粒子間の凝集を引き起こし、
悪影響をもたらすものと推定される。
比較例Cは、同一組成の共重合体で分子量の異なるも
のを組み合せたものであるが、高分子量体の凝集作用が
生じ、結果として高分子量体のみの感光体と同程度の性
能に低下してしまった。
酸性基を含有しない樹脂を用いた比較例Dは、光導電
層の平滑性は良好で、不感脂化処理後の非画像部の親水
化度は十分に進行した。しかし、電子写真特性、特に初
期電位及び暗電荷保持性が著しく悪く、複写画像の画像
濃度が著しく低下した。従って、オフセット原版として
用いて印刷すると、非画像部の親水化は十分で地汚れは
発生しないが、画像部の濃度が低くトナー部分が少ない
ため、印刷インキ受容性が低下し、刷り出しから500枚
程で画像部のインキの乗りが不足してしまい、画線部の
切れやベタ画像が白抜けを生じた(着肉不良)。このこ
とは、酸性基を含有しない低分子量樹脂は光導電体を分
散する程度の相互作用を有するが、光導電体との吸着が
不充分で、静電特性を満足するには致らないものと推定
される。他方、合成例1においてアクリル酸含量を12重
量%として同様に結着樹脂を作成し、実施例1と同様に
して感光層形成物を調整したが、ダンゴ状乃至モチ状と
なってしまい分散塗布液とすることができなかった。
又、本発明の感光材料と比較例Aの感光材料をオフセ
ット原版として多数枚印刷した所、本発明の原版のみ
が、1万枚以上印刷しても良好な画質の印刷物が得られ
た。
以上のことより、本発明の樹脂を用いた場合にのみ静
電特性及び印刷適性を満足する電子写真感光体が得られ
る。
実施例2〜10 樹脂として、表−2に示す共重合体を合成例1の製造
条件と同様に操作して製造した。
実施例1で用いた共重合体(I)の代わりに表−2に
示す各樹脂40g(固形分量として)を用いる他は実施例
1と同様の操作して、各感光体を製造し、実施例1と同
様に各特性を測定した。各感光体の光導電層表面の平滑
性はすべて80(sec/cc)以上で平滑であった。静電特性
及び撮像性についての結果を表−3に示した。
本発明の感光材料はいずれも帯電性、暗電荷保持率、
光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿(30℃、80%
RH)の苛酷な条件においても地カブリの発生や細線飛び
の発生等のない鮮明な画像を与えた。
又、各感光材料をオフセット原版として用いて、1万
枚印刷した所、いずれも良好な画質の印刷物を得た。
実施例11〜12 下記組成の本発明の共重合体(11)及び(12)を合成
例1と同様の操作で製造した。
実施例1において、共重体(I)の代わりに、これら
の各樹脂をそれぞれ用い、又、ビスフェノールA−ジグ
リシジルエーテル及びp−トルエンスルホン酸の代わり
に1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート10gを用いた他
は、実施例1と同様に操作して、各電子写真感光体を作
製した。
実施例1と同様に操作して、静電特性及び撮像性を測
定し、又オフセット原版として1万枚以上の印刷を行な
った。
本発明の感光体はいずれも優れた特性を示した。
実施例13 エチルメタクリレート41.5g、ベンジルメタクリレー
ト48.5g、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート7g、
メタクリル酸3g及びトルエン200gの混合溶液を、窒素気
流下105℃の温度に加温した後、アゾビスイソブチロニ
トリル10gを加え、8時間反応させた。
得られた共重合体の重量平均分子量は6500、ガラス転
移点は40℃であった。このようにして得られた共重合体
40g(固形分量として)、酸化亜鉛200g、下記構造式で
示されるヘプタメチンシアニン色素0.02g、フタル酸無
水物0.15g及びトルエン300gの混合物をボールミル中で
2時間分散した。次に、1,6−ヘキサメチレンジイソシ
アナート8gを添加してボールミルで10分間更に分散して
感光層形成物を調整した。以下は、実施例1と同様に操
作して電子写真感光体を作製した。
比較例E エチルメタクリレート48.5g、ベンジルメタクリレー
ト48.5g、メタクリル酸3g及びトルエン200gの混合溶液
を窒素気流下70℃の温度に加温した後、アゾビスイソブ
チロニトリル10gを加え8時間反応させた。このように
して得られた共重合体の重量平均分子量は36,000、ガラ
ス転移点は54℃であった。この樹脂を用いて、実施例13
と同様にして、但し架橋剤は含有させずに、感光体Eを
作製した。
これらの感光材料を実施例1と同様にペーパーアナラ
イザーを用いて静電特性を測定した。但し光源としては
ガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波
長830nm)を用いた。その結果を表−4に記した。
比較例Eは、平滑性が悪く且つ暗電荷保持性(D.R.
R)が著しく低下した(見かけ上E1/10が小さく感光度
が高いのは、このD.R.R.が大きいことに起因してい
る)。比較例Eは前記の比較例Bに比べてD.R.R.が更に
悪化している。このことは、従来公知の樹脂は併用する
分光増感色素の種類の影響を著しく受け易いという問題
を有することを示す。これに対して本発明の結着樹脂
は、分光増感色素の化学構造が大きく変わっても、帯電
性、暗電荷保持性及び光感度ともに非常に優れている感
光材料を提供するものである。
(発明の効果) 本発明に従えば、光導電層の平滑性、静電特性、撮像
性更には不感脂化性及び地汚れにおいて優れた電子写真
感光体を得ることができる。
更には、本発明の感光材料は非常に高い耐刷性を有す
る。
更に、本発明の電子写真感光材料は種々の増感色素と
併用させても、優れた光導電層の平滑性、静電特性等を
有することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機光導電材料及び結着樹脂を少なくとも
    含有する光導電層を有する電子写真感光体において、該
    結着樹脂が、1×103〜1×104の重量平均分子量を有
    し、−PO3H2基、−SO3H基及び−COOH基から選ばれる少
    なくとも1つの酸性基を含有する共重合成分を0.05〜10
    重量%、並びに−OH基、−SH基及び−NHR基(Rは炭素
    数1〜8のアルキル基又はアリール基を表わす)、エポ
    キシ基及びチオエポキシ基から選ばれる少なくとも1つ
    の置換基を含有する共重合成分を1〜20重量%含有する
    樹脂を含有することから成り、且つ、有機シラン系化合
    物、ポリイソシアネート系化合物、ポリオール系化合
    物、ポリアミン系化合物、ポリエポキシ基含有化合物及
    びエポキシ樹脂、メラミン樹脂並びにポリ(メタ)アク
    リレート系化合物から選ばれる少なくとも1つの架橋剤
    を共存させることを特徴とする電子写真感光体。
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