JP2601288B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2601288B2
JP2601288B2 JP62257390A JP25739087A JP2601288B2 JP 2601288 B2 JP2601288 B2 JP 2601288B2 JP 62257390 A JP62257390 A JP 62257390A JP 25739087 A JP25739087 A JP 25739087A JP 2601288 B2 JP2601288 B2 JP 2601288B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは静電特性及
び耐湿性に優れた電子写真感光体に関する。特にCPC感
光体として性能の優れたものに関する。
(従来の技術) 電子写真感光体は、所定の特性を得るため、あるいは
適用される電子写真プロセスの種類に応じて、種々の構
成をとる。
電子写真感光体の代表的なものとして、支持体上に光
導電層が形成されている感光体及び表面に絶縁層を備え
た感光体があり、広く用いられている。
支持体と少なくとも1つの光導電層から構成される感
光体は、最も一般的な電子写真プロセスによる、即ち帯
電、画像露光及び現像、更に必要に応じて転写による画
像形成に用いられる。
更には、ダイレクト製版用のオフセット原版として電
子写真感光体を用いる方法が広く実用されている。特に
近年、ダイレクト電子写真平板は数百枚から数千枚程度
の印刷枚数で高画質の印刷物を印刷する方式として重要
となってきている。
電子写真感光体の光導電層を形成するために使用する
結合剤は、それ自体の成膜性および光導電性粉体の結合
剤中への分散が優れるとともに、形成された記録体層の
基材に対する接着性が良好であり、しかも記録体層の光
導電層は帯電能力に優れ、暗減衰が小さく、光減衰が大
きく、前露光疲労が少なく、且つ、撮像時の湿度の変化
によってこれら特性を安定に保持していることが必要で
ある等の各種の静電特性および優れた撮像性を具備する
必要がある。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂
(特公昭34−6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35−1960号)、アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35−11219号)、酢酸ビニル樹脂
(特公昭41−2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41
−2426号)、アクリル樹脂(特公昭35−11216号)、ア
クリル酸エステル共重合体(例えば特公昭35−11219
号、特公昭36−8510号、特公昭41−13946号等)等が知
られている。
しかし、これらの樹脂を用いた電子写真感光材料にお
いては、1)光導電性粉体との親和性が不足し、塗工液
の分散性が不良となる。2)光導電層の帯電性が低い、
3)複写画像の画像部(特に網点再現性・解像力)の品
質が悪い、4)複写画像作成時の環境(例えば高温高
湿、定温低湿等)にその画質が影響されやすい、等のい
ずれかの問題があった。
光導電層の静電特性の改良方法として種々の方法が提
案されており、その1つの方法として、例えば、芳香族
環又はフラン環にカルボキシル基又はニトロ基を含有す
る化合物、あるいはジカルボン酸の無水物を更に組合せ
て、光導電層に共存させる方法が特公昭42−6878号及び
特公昭45−3073に開示されている。しかし、これらの方
法によって改良された感光材料でもその静電特性は充分
でなく、特に光減衰特性の優れたものは得られていな
い。そこでこの感光材料の感度不足を改良するために、
光導電層中に増感色素を多量に加える方法が従来とられ
てきたが、このような方法によって作製された感光材料
は、白色度が著しく劣化し、記録体としての品質低下を
生じ、場合によっては感光材料の暗減衰の劣化を起こ
し、充分な被写画像が得られなくなってしまうという問
題を有していた。
一方、光導電層に用いる結着樹脂として樹脂の平均分
子量を調節して用いる方法が特開昭60−10254号に開示
されている。即ち、酸価4〜50のアクリル樹脂で平均分
子量が103〜104の分布の成分のものと104〜2×105の分
布の成分のものを併用することにより、静電特性(特に
PPC感光体としての繰り返し再現性)、耐湿性等を改良
する技術が記載されている。
更に、電子感真感光体を用いた平版印刷用原版の研究
が鋭意行なわれており、電子写真感光体としての静電特
性と印刷原版としての印刷特性を両立させた光導電層用
の結着樹脂として、例えば、特公昭50−31011号では、
フマル酸存在下で(メタ)アクリレート系モノマーと他
のモノマーと共重合させた、Mw1.8〜10×104でTg10〜80
℃の樹脂と、(メタ)アクリレート系モノマーとフマル
酸以外の他のモノマーとから成る共重合体とを併用した
もの、又特開昭53−54027号では、カルボン酸基をエス
テル結合から少なくとも原子数7個離れて有する置換基
をもつ(メタ)アクリル酸エステルを含む三元共重合体
を用いるもの、又特開昭54−20735号・特開昭57−20254
4号では、アクリル酸及びヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートを含む4元又は5元共重合体を用いるもの、
又特開昭58−68046号では、炭素数6〜12のアルキル基
を置換基とする(メタ)アクリル酸エステル及びカルボ
ン酸含有のビニルモノマーを含む3元共重合体を用いる
もの等が光導電層の不感脂化性の向上に効果があると記
載されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記した静電特性・耐湿特性に効果が
あるとされる樹脂であっても、現実に評価してみると特
に帯電性、暗電荷保特性、光感度の如き静電特性、光導
電層の平滑性等に問題があり、実用上満足できるもので
はなかった。
又、電子写真式平版印刷用原版として開発されたとす
る結着樹脂においても、現実に評価してみると前記の静
電特性、印刷物の地汚れ、等に問題があった。
本発明は、以上の様な従来の電子写真感光体の有する
問題点を改良するものである。
本発明の目的は、静電特性(特に暗電荷保特性及び光
感度)が向上し、原画に対し忠実な複写画像を再現する
高画質の電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、複写画像形成時の環境が低温低
湿あるいは高温高湿如く変動した場合でも、鮮明で良質
な画像を有する電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、静電特性に優れ且つ環境依存性
の小さいCPC電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、電子写真式平版印刷原版として
地汚れの発生を全く生じさせない印刷物を与える平版印
刷版を提供することである。
本発明の他の目的は併用し得る増感色素の種類による
影響をうけにくい電子写真感光体を提供することにあ
る。
(問題点を解決するための手段) 前記の問題点は、無機光導電材料及び結着樹脂を含有
する光導電層を導電性支持体上に有する電子写真式平版
印刷原版であって、該光導電層の結着樹脂が、1×103
〜1×104の重量平均分子量を有し、且つ−PO3H2基、−
SO3H基及び/又は−COOH基を含有する単量体A及び熱硬
化する官能基を含有する単量体Bを、単量体Aを0.05〜
10重量%及び単量体Bを1〜20重量%の共重合組成範囲
で共重合させて合成した樹脂を熱硬化したものであるこ
とを特徴とする電子写真式平版印刷原版によって解決さ
れる。
即ち、本発明に供される結着樹脂は、上記−PO3H
2基、SO3H基及び/又はCO2H基の酸性基及び熱硬化する
官能基を含有する重量平均分子量1万以下の樹脂であ
る。
好ましくは、該樹脂の重量平均分子量は5×103〜9
×103であり、該酸性基を含有する共重合成分の存在割
合は0.1〜8重量%、該熱硬化性の官能基を含有する共
重合成分の存在割合は1〜20重量%が好ましい。
前述の如き従来公知の酸性基含有結着樹脂は主として
オフセットマスター用であって、膜強度保持による耐刷
性向上のためにその分子量は大きいものであった(例え
ば5×104以上)。
これに対して、本発明では、結着樹脂は樹脂中に含有
される酸性基が無機光導電体の化学量論的な欠陥に吸着
し、且つ低分子量体であることから、光導電体の表面の
被覆性を向上させることで光導電体のトラップを補償す
ると共に湿度特性を向上させる一方、光導電体の分散が
充分に行なわれ、凝集を抑制することを見出した。
本発明の樹脂は、更に熱硬化性官能基を少なくとも1
種含有するものであり、該官能基が適宜ポリマー間を架
橋させることでポリマーの間の相互作用を強固に、膜と
しての強度を向上させるものである。従って本発明の樹
脂は、酸化亜鉛粒子表面と結着樹脂の適切な吸着・被覆
を疎外することなく、結着樹脂間の相互作用を強め、そ
の結果、皮膜強度がより向上する効果を有するものであ
る。
また、光導電体表面の平滑性が滑らかとなる。
一方、電子写真式平版印刷原版として光導電層表面の
平滑性の粗らい感光体を用いると、光導電体である無機
鉛粒子と結着樹脂の分散状態が適切でなく、凝集物が存
在する状態で光導電層が形成されるため、不感脂化処理
液による不感脂化処理をしても非画像部の親水化が均一
に充分に行なわれず、印刷時に印刷インキの付着を引き
起こし、結果として印刷物の非画像部の地汚れが生じて
しまう。
一方、本発明に従う結着樹脂の低分子量化によって、
皮膜強度の脆弱化が懸念されたが、光導電体を充分に分
散し、該粒子表面に吸着、被覆させることにより、被覆
性が保持され、CPC感光体あるいは数千枚の印刷枚数の
オフセット原版としては充分な膜強度を保有しているこ
とが見出された、結着樹脂の分子量が103より小さくな
ると、皮膜形成能が低下し十分な膜強度が保てない。一
方分子量が104より大きくなると電子写真特性(特に初
期電位、暗減衰保持率)が劣化するため好ましくない。
特にかかる高分子量体の場合に酸性基含有量3%を越え
るとかかる電子写真特性の劣化が著しく、オフセットマ
スターとして用いたときに地汚れが顕著となる。
結着樹脂における酸性基含有量が0.05重量%より少な
いと、初期電位が低くて十分な画像濃度を得ることがで
きない。一方該酸性基含有量が10重量%よりも多いと、
分散性が低下し、膜平滑度及び電子写真特性の高湿特性
が低下し、更にオフセットマスターとして用いるときに
地汚れが増大する。
又結着樹脂における熱硬化性の官能基含有量が1重量
%より少ないと、硬化反応不足で膜強度向上の効果を得
ることができず、一方該官能基含有量が20重量%よりも
多いと、膜の硬化度が高くなりすぎて、電子写真特性が
低下し、更に、オフセットマスターとして用いるときに
地汚れが増大するため好ましくない。
該樹脂のガラス転移点は−10℃〜100℃の範囲のもの
が好ましいが、より好ましくは−5℃〜80℃である。
該樹脂は、前記した物性を有していれば従来公知の樹
脂のいずれでもよく、例えば、ポリエステル樹脂、変性
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン共重合体、
ポリカーボネート樹脂、アルカン酸ビニル樹脂、アルカ
ン酸アリル樹脂、変性ポリアミド樹脂、フェノール樹
脂、脂肪酸変性アルキド樹脂、アクリル樹脂等が挙げら
れる。
更に具体的には、下記一般式(I)で示される単量体
を共重合体成分として、その総量で30重量%以上含有す
る(メタ)アクリル系共重合体を本発明の樹脂の例とし
て挙げることができる。
一般式(I) 一般式(I)において、Xは、水素原子、ハロゲン原
子(例えばクロロ原子、ブロモ原子)、シアノ基又は炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。R′は、炭素数1〜
18の置換されていてもよいアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデ
シル基、テトラデシル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基等)、炭素数2〜18の置換されていて
もよいアルケニル基(例えばビニル基、アリル基、イソ
プロペニル基、ブデニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル
基、オクテニル基等)、炭素数7〜12の置換されていて
もよいアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル
基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、メチル
ベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されていてもよい
シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、シクロヘプチル基等)、アリール基(例えば
フェニル基、トリル基、キシル基、メシチル基、ナフチ
ル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、クロ
ロフェニル基、ジクロロフェニル基等)を表わす。
本発明の「酸性基を含有する共重合体成分」は例えば
一般式(I)と共重合し得る、該酸性基を含有するビニ
ル系化合物であればいずれでもよく、例えば、高分子学
会編「高分子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館
(1986年)等に記載されている。具体的には、アクリル
酸、α及び/又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセト
キシ体、α−アセトキシメチル体、α−(2−アミノ)
メチル体、α−クロロ体、α−ブロモ体、α−フロロ
体、α−トリブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロ
ロ体、β−ブロモ体、α−クロロ−β−メトキシ体、
α,β−ジクロロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、
イタコン酸半エステル類、イタコン酸半アミド酸、クロ
トン酸、2−アルケニルカルボン酸類(例えば2−ペン
テン酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2−オクテン
酸、4−メチル−2−ヘキサン酸、4−エチル−2−オ
クテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エステル類、
マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビ
ニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホ
スホ酸、ジカルボン酸類のビニル基又はアリル基の半エ
ステル誘導体、及びこれらのカルボン酸又はスルホン酸
のエステル誘導体、アミド誘導体の置換基中に該酸性基
を含有する化合物等が挙げられる。
又、本発明の「熱硬化反応を行なう官能基」は、前記
の酸性基(PO3H2基、SO3H基、CO2H基)以外の官能基で
あって、例えば、遠藤剛、「熱硬化性高分子の精密化
(C.M.C(株)、1986年刊)、原崎勇治「最新バインダ
ー技術便覧」第II−1章(総合技術センター、1985年
刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開
発」(中部経営開発センター出版部、1985年刊)、大森
英三「機能性アクリル系樹脂」(テクノシステム,1985
年刊)等の総説に引例の官能基を用いることができる。
例えば−OH基、−SH基、−NH2基、−NHR2基(R2
R′と同一の内容を表わす) −CONHCH2OR3{R3は、水素原子又は炭素数1〜8のアル
キル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基等を表わす})、−N
=C=O基又は {a1,a2は、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素
原子、臭素原子等)、炭素数1〜4のアルキル基(例え
ばメチル基、エチル基等)を表わす}等を挙げることが
できる。又該重合性二重結合基として、具体的には、−
CH2=CH−、 CH2=CH−NHCO−、CH2=CH−CH2−NHCO−、CH2=CH−SO
2−、CH2=CH−CO−、CH2=CH−O−、CH2=CH−S−等
を挙げることができる。
該官能基の群から選択される官能基を少なくとも1種
含有する樹脂は、該官能基を1種又はそれ以上含有する
1種又はそれ以上の単量体Bと、前記した一般式(I)
の単量体、及び「酸性基含有の共重合体成分」に相当す
る単量体Aと共重合反応する方法により得られる。
一方、該「熱硬化反応を行なう官能基」を含有する単
量体としては、例えば一般式(I)と共重合し得る、該
官能基を含有するビニル系化合物を挙げることができ
る。具体的には、前記した「酸性基含有の化合物」と同
様の化合物の置換基中に該官能基を含有するもの等が挙
げられる。
更に、本発明の樹脂は、前記した一般式(I)の単量
体、該酸性基を含有する単量体及び該熱硬化性官能基を
含有する単量体とともに、これら以外の他の単量体を共
重合成分として含有してもよい。
例えば、α−オレフィン類、アルカン酸ビニル又はア
リルエステル類、アクリロニトリル、メタクリルニトリ
ル、ビニルエーテル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、スチレン類、複素環ビニル類(例えばビニル
ピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビ
ニルチオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾー
ル、ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニルチアゾ
ール、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。特に酢酸
ビニル、酢酸アリル、アクリロニトリル、メタクリルニ
トリル、スチレン類等は、膜強度向上の点から好ましい
成分である。
本発明では、感光層膜中での架橋反応を促進させるた
めに、必要に応じて反応促進剤を添加してもよい。官能
基間の化学結合を形成する反応様式の場合には、例えば
有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸等)架橋剤等が挙げられ
る。
架橋剤としては、具体的には、山下晋三、金子東助編
「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載さ
れている化合物等を用いることができる。例えば、通常
用いられる有機シラン、ポリウレタン、ポリイソシアナ
ートの如き架橋剤、エポキシ樹脂、メラミン樹脂の如き
硬化剤等を用いることができる。
重合性反応様式の場合には、重合開始剤(過酸化物、
アゾビス系化合物等が挙げられ、好ましくは、アゾビス
系重合開始剤である)、多官能重合性基含有の単量体
(例えばビニルメタクリレート、アリルメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ジビニルコハク酸エステ
ル、ジビニルアジピン酸エステル、ジアリルコハク酸エ
ステル、2−メチルビニルメタクリレート、ジビニルベ
ンゼン等)等が挙げられる。
また、本発明の結着樹脂を用いる場合には熱硬化処理
が行われる。この熱硬化処理は従来の感光体作製時の乾
燥条件を厳しくすることにより行うことができる。例え
ば、60℃〜120℃で5分〜120分間処理すればよい。上述
の反応促進剤を併用すると、より穏やかな条件で処理す
ることが可能となる。
本発明に使用する無機光導電材料としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カド
ミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化
テルル、硫化鉛等が挙げられる。
好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。
無機光導電材料に対して用いる結着樹脂の総量は、光導
電体100重量部に対して結着樹脂を10〜100重量部なる割
合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視:武井秀
彦;イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等,RC
A Review 15、469(1954)、清田航平等,電気通信学会
論文誌 J63−C(No.2)、97(1980)、原崎勇次等、
工業化学雑誌66、78及び188(1963)、谷忠昭、日本写
真学会誌35、208(1972)等の総説引例のカーボニウム
系色素、ジ−フェニルメタン色素、トリフェニルメタン
色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチ
ン色素(例えばオキソノール色素、メロシアニン色素、
シアニン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等、フ
タロシアニン色素(金属を含有していてもよい)等が挙
げられる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン系色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を
中心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭5
0−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130
号、特開昭53−82353号、米国特許第3052540号、米国特
許第4054450号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙
げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素のポリメチン色素としては、F.M.
Hammer、「The Cyanine Dyes and Related Compounds」
等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的には、
米国特許第3047384号、米国特許第3110591号、米国特許
第3121008号、米国特許第3125447号、米国特許第312817
9号、米国特許第3132942号、米国特許第3622317号、英
国特許第1226892号、英国特許第1309274号、英国特許第
1405898号、特公昭48−7814号、特公昭55−18892号等に
記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチレン色素として、特開昭47−840号、
特開昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−50
34号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭
56−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044
号、特開昭61−27551号、米国特許第3619154号、米国特
許第4175956号、「Research Disclosure」1982年、21
6、第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。
本発明の感光体は種々の増感色素を併用させても、そ
の性能が増感色素により変動しにくい点でも優れてい
る。
更には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られて
いる電子写真感光層用各種添加剤を併用することもでき
る。例えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)
第12頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えばハロゲ
ン、ベンゾキノン、クラニル、酸無水物、有機カルボン
酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の開発
・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出版部
(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン化合物、
ヒンダートフェノールアルカン化合物、p−フェニレン
ジアミン化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は特に限定的ではないが、
通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部であ
る。
光導電層の厚さは1〜100μ、特に10〜50μ、が好適
である。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ,特に0.05〜0.5μが好適である。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μ、特には10〜30μ、が好適である。
絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる樹脂として
は、代表的なものは、ポリステレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酸ビ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラニン樹脂、シリコーン樹脂の熱可塑性
樹脂および硬化性樹脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は。従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に言って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の期待に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等、が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、電子写真、14、(No.1)、第2〜11頁
(1975)、森賀弘之、「入門特殊紙の化学」光分子刊行
会(1975)、M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4
(6)、第1327〜1417頁(1970)等に記載されているも
の等を用いる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
合成例1 エチルメタクリレート88g、N−(ブトキシメチル)
メタクリルアミド7g、アクリル酸5g n−ドデシルメルカ
プタン3g、及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下70
℃の温度に加温した後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)1.5gを加え、10時間反応させた。得
られた共重合体(I)の重量平均分子量は8,500、ガラ
ス転移点は45℃であった。
合成例2 エチルメタクリレート95g、メタクリル酸5g及びトル
エン200gの混合溶液を窒素気流下75℃の温度に加温した
後、アゾビスイソブチロニトリル1.0gを加え8時間反応
させた。得られた共重合体(II)の重量平均分子量は45
000、ガラス転移点は48℃であった。
合成例3 エチルメタクリレート100g及びトルエン200gの混合溶
液を窒素気流下90℃の温度に加温した後、2−2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6gを加え、10
時間反応させた。得られた共重合体(III)の重量平均
分子量は7500、ガラス転移点は45℃であった。
実施例1 合成例1で製造した共重合体(I)40g(固形分量と
して)、酸化亜鉛200g、ローズベンガル0.05g、ジクロ
ロ無水マレイン酸0.2g及びトルエン300gの混合物をボー
ルミル中で2時間分散して感光層形成物を調整し、これ
を導電処理した紙に、乾燥付着量が22g/m2となる様にワ
イヤーバーで塗布し、100℃で30分間乾燥した。次いで
暗所で20℃、65%RHの条件下で24時間放置することによ
り電子写真感光材料を作製した。
比較例A 実施例1で用いた共重合体(I)の代わりに合成例2
で製造した共重合体(II)40g(固形分量として)を用
いる以外は実施例1と同様にして比較用電子感光体Aを
製造した。
比較例B 実施例1で用いた共重合体(I)の代わりに合成例3
で製造した共重合体(III)40g(固形分量として)用い
る以外は実施例1と同様にして比較用電子写真感光体B
を製造した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、静電特
性、撮像性及び環境条件を30℃,80%RHとした時の撮像
性を調べた。更に、これらの感光材料をオフセットマス
ター用原版として用いた時の光導電性の不感脂化性(不
感脂化処理後の光導電層の水との接着角で表わす)及び
印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べた。
撮像性及び印刷性は、全自動製版ELP404V(富士写真
フィルム(株)製)に現像剤ELP−Tを用いて露光・現
像処理して画像を形成し、不感脂化液ELP−Eを用いて
エッチングプロセッサーでエッチングして得られた平版
印刷版を用いて調べた(なお、印刷機にはハマダスター
(株)製ハマダスター800SX型を用いた)。
以上の結果をまとめて、表−1に示す。
表−1に基した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料は、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量ccの条件にて、その平滑度
(sec/cc)を測定した。
注2)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−458型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で60秒間静置した後の電位V70を測
定し、60秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即ち、暗
減衰保持率〔DRR(%)〕を、(V70/V10)×100(%)
で求めた。又、コロナ放電により光導電層表面を−400V
に帯電させた後、該光導電層表面を照度2.0ルックスの
可視光で照射し、表面電位(V10)が1/10に減衰するま
での時間を求め、これから露光量E1/10(ルックス・
秒)を算出する。
注3)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、全
自動製版機ELP−404V(富士写真フィルム(株)製)で
製版して得られた被写画像(カブリ、画像の画質)を目
視評価した。撮像時の環境条件は、20℃65%RH(I)と
30℃80%RH(II)で実施した。
注4)水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理ELP−E(富士写真フィル
ム(株)製)を用いて、エッチングプロセッサーに1回
通して光導電層面を不感脂化処理した後、これに蒸留水
2μの水滴を乗せ、形成された水との接触各をゴニオ
メーターで測定する。
注5)印刷物の地汚れ: 各感光材料を全自動製版機ELP404V(富士写真フィル
ム(株)製)で製版してトナー画像を形成し、上記(注
3)と同条件で不感脂化処理し、これをオフセットマス
ターとしてオフセット印刷機(ハマダスター(株)製ハ
マダスター800SX型)にかけ上質紙上に500枚印刷し、全
印刷物の地汚れを目視により判定する、これを印刷物の
地汚れIとする。
印刷物の地汚れIIは、不感脂化処理液を5倍に希釈
し、且つ、印刷時の湿し水を2倍に希釈した他は、前記
の地汚れIと同様の方法で試験する。IIの場合は、Iよ
りも厳しい条件で印刷したことに相当する。
注6)耐刷性: 上記注5)の印刷汚れIの評価条件で各感光材料を処
理し、印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問
題が生じないで印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多い
程、耐刷性が良好なことを表わす)。
注7)D.M(画像濃度): ベタ部分のトナー画像濃度でMax値を示す(マクベス
反射濃度計で測定できる)。
表−1に示す様に、本発明の感光材料は、光導電層の
平滑性及び静電特性が良好で、実際の複写画像も地カブ
リがなく複写画質も鮮明であった。このことは光導電体
と結着樹脂が充分に吸着し、且つ、粒子表面を被覆して
いることによるものと推定される。同様の理由で、オフ
セットマスター原版として用いた場合でも不感脂化処理
液による不感脂化処理が充分に進行し、非画像部の水と
の接触角が15度以下と小さく、充分に親水化されている
ことが判る。実際に印刷して印刷物の地汚れを観察して
も地汚れは全く認められなかった。側鎖に酸性基を含有
する共重合体であって、重量平均分子量が大きい場合の
比較例Aは、光導電層の平滑性が著しく悪くなり、更
に、静電特性、特にDRRが悪化してしまった。オフセッ
ト原版として用いても、不感脂化処理後の非画像部の水
との接触角が35度と大きく、実際に印刷しても刷り出し
から地汚れが発生した。このことは、結着樹脂の分子量
が大きくなることによって、光導電体粒子への吸着とと
もに粒子間の凝集を引き起こし、悪影響をもたらすもの
と推定される。
酸性基を含有しない樹脂を用いた比較例Bは、光導電
層の平滑性は良好で、不感脂化処理後の非画像部の親水
化度は十分に進行した。しかし、電子写真特性、特に初
期電位及び暗電荷保持性が著しく悪く、被写画像の画像
濃度が著しく低下した。従って、オフセット原版として
用いて印刷すると、非画像部の親水化は十分で地汚れは
発生しないが、画像部の濃度が低くトナー部分が少ない
ため、印刷インキ受容性が低下し、刷り出しから500枚
程で画像部のインキの乗りが不足してしまい、画線部の
切れやベタ画像が白抜けを生じた(着肉不良)。このこ
とは、酸性基を含有しない低分子量樹脂は光導電体を分
散する程度の相互作用を有するが、光導電体との吸着が
不充分で、静電特性を満足するには到らないものと推定
される。他方、合成例1においてアクリル酸含量を12重
量%として同様に結着樹脂を作製し、実施例1と同様に
して感光層形成物を調整したが、ダンゴ状乃至モチ状と
なってしまい分散塗布液とすることができなかった。
以上のことにより、本発明の樹脂を用いた場合にのみ
静電特性及び印刷適性を満足する電子写真感光体が得ら
れる。
実施例2〜15 樹脂として、表−2に示す共重合体を合成例1の製造
条件と同様に操作して製造した。
得られた樹脂例2〜15の各樹脂の重量平均分子量は7,
000〜8,000であった。
実施例1で用いた共重合体(I)の代わりに表−2に
示す各樹脂40g(固形分量として)を用いる他は実施例
1と同様に操作して、各感光体を製造し、実施例1と同
様に各特性を測定した。各感光体の光導電層表面の平滑
性はすべて80(sec/cc)以上で平滑であった。静電特性
及び撮像性についての結果を表−3に記した。 本発明
の感光材料はいずれも帯電性、暗電荷保持率、光感度に
優れ、実際の被写画像も高温高湿(30℃、80%RH)の苛
酷な条件においても地カブリの発生や細線飛びの発生等
のない鮮明な画像を与えた。
実施例16 エチルメタクリレート48.5g、ベンジルメタクリレー
ト48.5g、メタクリル酸8g及びトルエン200gの混合溶液
を、窒素気流下105℃の温度に加温した後、アゾビスイ
ソブチロニトリル10gを加え、8時間反応させた。
次に、この反応混合物にグリシンジルメタクリレート
10.1g、n−ドデシルジメチルアミン0.5g及びハイドロ
キノン1.0gを添加し、反応温度80℃にて16時間反応させ
た。
得られた共重合体の重量平均分子量は6500、ガラス転
移点は40℃であった。このようにして得られた共重合体
40g(固形分量として)、酸化亜鉛200g、下記構造式で
示されるヘプタメチンシアニン色素0.02g、フタル酸無
水物0.15g及びトルエン300gの混合物をボールミル中で
2時間分散した。この分散物に、アゾビス(イソブチロ
ニトリル)1.0gを加え、前記ボールミル中10分間分散し
て感光層形成物を調整した。以下、乾燥条件を80℃1時
間とした他は実施例1と同様に操作してて電子写真感光
材料を作製した。
比較例C エチレメタクリレート48.5g、ベンジルメタクリレー
ト48.5g、メタクリル酸3g及びトルエン200gの混合溶液
を窒素気流下70℃の温度に加温した後、アゾビスイソブ
チロニトリル10gを加え8時間反応させた、このように
して得られた共重合体の重量平均分子量は36,000、ガラ
ス転移点は54℃であった。この樹脂を用いて、実施例16
と同様にして感光体Cを作製した。
これらの感光材料を実施例1と同様にペーパーアナラ
イザーを用いて静電特性を測定した。但し光源として
は、ガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発
振波長830nm)を用いた。その結果を表−4に記した。
比較例Cは、平滑性が悪く且つ暗電荷保持性が(D.R.
R)が著しく低下した(見かけ上、E1/10が小さく光感
度が高いのは、このD.R.R.が大きいことに起因してい
る)。比較例Cは前記の比較例Aに比べてD.R.R.が更に
悪化している。このことは、従来公知の樹脂は併用する
分光増感色素の種類の影響を著しく受け易いという問題
を有することを示す。これに対して本発明の結着樹脂
は、分光増感色素の化学構造が大きく変わっても、帯電
性、暗電荷保持性及び光感度ともに非常に優れている感
光材料を提供するものである。
実施例17 ベンジルメタクリレート92g、チオグリシジルメタク
リレート5g、アクリル酸3g、n−ドデシルメルカプタン
5g及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下温度50℃に
加温した後、2,2−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)5gを加え、10時間反応させた。
得られた共重合体の重量平均分子量は7800、ガラス転移
点は25℃であった。
得られた共重合体40g(固形分量として)を実施例1
で用いた樹脂の代わりに使用し、他は実施例1と同様に
して感光材料を作製した。
本発明の感光材料は、いずれも帯電性、暗電荷保持
率、光感度に優れ、実際の被写画像も高温・高湿(30℃
−80%RH)の過酷な条件においても、地カブリの発生の
ない、鮮明な画像を与えた。
更に、これをオフセットマスターの原版として用いて
印刷した所、1万枚でも鮮明な画質の印刷物を得た。
実施例18 本発明の樹脂として下記の化学構造の共重合体(ガラ
ス転移点45℃)を用いた。
重量平均分子量8,500 該樹脂を40g、酸化亜鉛200g、ローズベンガル0.05g、無
水フタル酸0.01g及びトルエン300gの混合物をボールミ
ル中で2時間分散した。次に、この分散物にアリルメタ
クリレート10g及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
0.5gを加え、ボールミル中10分間分散して、感光層形成
物を調整した。
これを導電処理した紙に、乾燥付着量が25g/m2となる
様にワイヤーバーで塗布し、100℃で30分間乾燥した。
次いで暗所で20℃、65%RHの条件下で24時間放置するこ
とにより電子写真感光体を作製した。
これを、実施例1と同様の装置で製版し、次いでエッ
チング処理して印刷機で印刷した。製版後得られたオフ
セット印刷用マスタープレートの濃度は1.0以上で、画
質は鮮明であった。又、1万枚印刷後の印刷物の画質は
地カブリのない鮮明な画質のものであった。
実施例19〜24 実施例18において、本発明の樹脂の代わりに表5に示
される共重合体を用いた他は実施例18と同様に操作して
各感光体材料を作製した。
これを実施例1と同様の装置で製版した所、得られた
オフセット印刷用マスタープレートの濃度は1.0以上で
画質は鮮明であった。更にエッチング処理して印刷機で
印刷した所、1万枚印刷後の印刷物は、カブリのない鮮
明な画質であった。
(発明の効果) 本発明に従えば、光導電層の平滑性、静電特性、撮像
性更には不感脂化性及び地汚れにおいて優れた電子写真
感光体を得ることができる。
更には、本発明の感光材料は充分に高い耐刷性を有す
る。
更に、本発明の電子写真感光体は種々の増感色素と併
用させても、優れた光導電層の平滑性、静電特性等を有
することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機光導電材料及び結着樹脂を含有する光
    導電層を導電性支持体上に有する電子写真式平版印刷原
    版であって、該光導電層の結着樹脂が、1×103〜1×1
    04の重量平均分子量を有し、且つ−PO3H2基、−SO3H基
    及び/又は−COOH基を含有する単量体A及び熱硬化する
    官能基を含有する単量体Bを、単量体Aを0.05〜10重量
    %及び単量体Bを1〜20重量%の共重合組成範囲で共重
    合させて合成した樹脂を熱硬化したものであることを特
    徴とする電子写真式平版印刷原版。
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