JP2709405B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2709405B2
JP2709405B2 JP5638089A JP5638089A JP2709405B2 JP 2709405 B2 JP2709405 B2 JP 2709405B2 JP 5638089 A JP5638089 A JP 5638089A JP 5638089 A JP5638089 A JP 5638089A JP 2709405 B2 JP2709405 B2 JP 2709405B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは静電特性、
耐湿性及び耐久性の優れた電子写真感光体に関する。
(従来の技術) 電子写真感光体には所定の特性を得るため、あるいは
適用される電子写真プロセスの種類に応じて種々の構成
をとる。
電子写真感光体の代表的なものとして、支持体上に光
導電層が形成されている感光体及び表面に絶縁層を備え
た感光体があり、広く用いられている。支持体と少なく
とも1層の光導電層から構成される感光体は、最も一般
的な電子写真プロセスによる、即ち、帯電、画像露光及
び現像、更に必要に応じて転写による画像形成に用いら
れる。
更には、ダイレクト製版用のオフセット原版として電
子写真感光体を用いる方法が広く実用されている。
電子写真感光体の光導電層を形成するために使用する
結合剤は、それ自体の成膜性および光導電性粉末の結合
剤中への分散能力が優れるとともに、形成された記録体
層の基材に対する接着性が良好であり、しかも記録体層
の光導電層は帯電能力に優れ、暗減衰が小さく、光減衰
が大きく、前露光疲労が少く、且つ、撮像時の湿度の変
化によってこれら特性を安定に保持していることが必要
である等の各種の静電特性および優れた撮像性を具備す
る必要がある。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂
(特公昭34−6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35−1960号)、アルキッド樹脂、アレイン酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35−11219号)、酢酸ビニル樹脂
(特公昭41−2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41
−2426号)、アクリル樹脂(特公昭35−11216号)、ア
クリル酸エステル共重合体(例えば特公昭35−11219
号、特公昭36−8510号、特公昭41−13946号等)等が知
られている。
しかし、これらの樹脂を用いた電子写真感光材料にお
いては、1)光導電性粉体との親和性が不足し、塗工液
の分散性が不良となる、2)光導電層の帯電性が低い、
3)複写画像の画像部(特に網点再現性・解像力)の品
質が悪い、4)複写画像作成時の環境(例えば高温高
湿、低温低湿)にその画質が影響されやすい、5)感光
層の膜強度・接着性が充分でなく、特にオフセットマス
ターとして用いると、オフセット印刷時に、感光層の脱
離等が生じ印刷枚数が多くできない、等のいずれかの問
題があった。
光導電層の静電特性の改良方法として種々の方法が提
案されており、その1つの方法として例えば、芳香族環
又はフラン環にカルボキシル基又はニトロ基を含有する
化合物、あるいはジカルボン酸の無水物を更に組合せ
て、光導電層に共存させる方法が特公昭42−6878号、特
公昭45−3073号に開示されている。しかし、これらの方
法によって改良された感光材料でも、その静電特性は充
分でなく、特に光減衰特性の優れたものは得られていな
い。そこでこの感光材料の感度不足を改良するために、
光導電層中に増感色素を多量に加える方法が従来とられ
てきたが、このような方法によって作製された感光材料
は白色度が著しく劣化し、記録体としての品質低下を生
じ、場合によっては感光材料の暗減衰の劣化を起こし、
充分な複写画像が得られなくなってしまうという問題を
有していた。
一方、光導電層に用いる結着樹脂として樹脂の平均分
子量を調節して用いる方法が特開昭60−10254号に開示
されている。即ち、酸価4〜50のアクリル樹脂で平均分
子量が103〜104の分布の成分のものと104〜2×105の分
布の成分のものを併用することにより、静電特性(特に
PPC感光体としての繰り返し再現性が良好)、耐湿性等
を改良する技術が記載されている。
更に、電子写真感光体を用いた平版印刷用原版の研究
が鋭意行なわれており、電子写真感光体としての静電特
性と印刷原版としての印刷特性を両立させた光導電層用
の結着樹脂として、例えば、特公昭50−31011号では、
フアル酸存在下で(メタ)アクリレート系モノマーと他
のモノマーと共重合させた、Mw1.8×104〜10×104でTg1
0〜80℃の樹脂と、(メタ)アクリレート系モノマーと
フマル酸以外の他のモノマーとから成る共重合体とを併
用したもの、又特開昭53−54027号では、カルボン酸基
をエステル結合から少なくとも原子数7個離れて有する
置換基をもつ(メタ)アクリル酸エステルを含む三元共
重合体を用いるもの、又特開昭54−20735号、特開昭57
−202544号では、アクリル酸及びヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートを含む4元又は5元共重合体を用いる
もの、又特開昭58−68046号では、炭素数6〜12のアル
キル基を置換基とする(メタ)アクリル酸エステル及び
カルボン酸含有のビニルモノマーを含む3元共重合体を
用いるもの等が光導電層の不感脂化性の向上に効果があ
ると記載されている。しかし、上記した静電特性、耐湿
特性及び耐久性に効果があるとされる樹脂であっても、
現実に評価してみると特に帯電性、暗電荷保持性、光感
度の如き静電特性、光導電層の平滑性等に問題があり、
実用上満足できるものではなかった。
又、電子写真式平版印刷用原版として開発されたとす
る結着樹脂においても、現実に評価してみると前記の静
電特性、印刷物の地汚れ等に問題があった。
更に、これらの問題点を解決するために、結着樹脂と
して酸性基を重合体の側鎖に含有する共重合成分を0.05
〜10重量%含有する低分子量の樹脂(Mw103〜104)を用
いることにより、光導電層の平滑性及び静電特性を良好
にし、しかも地汚れのない画質を得ることが特開昭63−
217354号に、更にかかる低分子量樹脂を高分子量の樹脂
(Mw104以上)と組合せて用いることにより、上記特性
を阻害せずに光導電層の膜強度を充分ならしめ耐刷性を
向上させることが特願昭63−49817号、特開昭63−22014
8号及び同63−220149号に記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの樹脂を用いても、環境が高温
・高湿から低温・低湿まで著しく変動した場合における
安定した性能の維持においてはいまだ不充分であること
が判った。特に半導体レーザー光を用いたスキャニング
露光方式では、従来の可視光による全面同時露光方式に
比べ、露光時間が長くなり、また露光強度にも制約があ
ることから、静電特性、特に暗電荷保持特性、光感度に
対して、より高い性能が要求される。
本発明は、以上の様な従来の電子写真感光体の有する
課題を改良するものである。
本発明の目的は、複写画像形成時の環境が低温低湿あ
るいは高温高湿の如く変動した場合でも、安定して良好
な静電特性を維持し、鮮明で良質な画像を有する電子写
真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、静電特性に優れ且つ環境依存性
の小さいCPC電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、半導体レーザー光を用いたスキ
ャニング露光方式に有効な電子写真感光体を提供するこ
とである。
本発明の他の目的は、電子写真式平版印刷原版とし
て、静電特性(特に暗電荷保持性及び光感度)に優れ、
原画に対して忠実な複写画像を再現し、且つ、印刷物の
全面一様な地汚れはもちろん点状の地汚れをも発生させ
ず、また耐刷性の優れた平版印刷原版を提供することで
ある。
(課題を解決するための手段) 上記目的は無機光導電体及び結着樹脂を少なくとも含
有する光導電層を有する電子写真感光体において、該結
着樹脂が、下記一般式(I)で示される重量平均分子量
1×103〜2×104のマクロモノマーの少なくとも1種を
重合成分として含有し、且つ、重合体主鎖の片末端にの
み、−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基 及び {R1は炭化水素基又は−OR2(R2は炭化水素基を示す)
基を表わす}基から選ばれる少なくとも1つの酸性基を
結合して成るグラフト共重合体(樹脂〔A〕と称するこ
ともある)を少なくとも1種含有する事を特徴とする電
子写真感光体によって達成される。
一般式(I) 式(I)中、a1及びa2は、互いに同じでも異なっても
よく、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数
1〜8の炭化水素基、−COO−Z又は炭素数1〜8の炭
化水素基を介した−COO−Z(Zは炭素数1〜18の炭化
水素基を表わす)を表わす。
Xは、−COO−、−OCO−、 (l1、l2は1〜3の整数を示す)、 (P1は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表わ
す)、−CONHCONH−、−CONHCOO−、−O−、 又は−SO2−を表わす。
YはXと−O−とを連結する基を表わす。
〔 〕内は繰り返し単位を表わし、nは1〜3の整数
を表わす。nが2以上のときは、〔 〕内のWは少なく
とも隣りの〔 〕内のWと異なる基を表わす。
Wは、 又はCH2 を表わす(r1及びr2は、互いに同じでも
異なってもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わ
す)。
Rは水素原子又は炭化水素基を表わす。
更に、結着樹脂が、上記樹脂〔A〕のうち、1×103
〜2×104の重量平均分子量を有するもの(以下この低
分子量の樹脂〔A〕を特に樹脂〔AL〕と称することもあ
る)のうちの少なくとも1種と、下記樹脂〔B〕、
〔C〕及び〔D〕のうちのいずれか1つの樹脂の少なく
とも1種とを含有して成る電子写真感光体により、更
に、電子写真感光体と機械的強度(印刷版として用いた
ときには耐刷性)が向上する。
樹脂〔B〕; 5×104〜5×105の重量平均分子量を有し、かつ−PO2H
2基、−SO3H基、−CO2H基及び (R1は上記と同一の内容を表わす)基並びに塩基性基を
含有しない樹脂。
樹脂〔C〕; 5×104〜5×105の重量平均分子量を有し、かつOH基
及び塩基性基から選択される少なくとも1種の官能基を
含有する共重合成分を0.1〜15重量%含有する樹脂。
樹脂〔D〕; 5×104〜5×105の重量平均分子量を有し、かつ、併
用する樹脂〔A〕に含まれる酸性基の含有量の50%以下
の含有量の酸性基を含有する共重合成分として含有する
樹脂又は樹脂〔A〕に含まれる酸性基のpKaより大きいp
Kaを有する、−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基及び (R3は炭化水素基を示す)基から選択される少なくとも
1種の酸性基を含有する共重合成分を含有する樹脂。
本発明の結着樹脂に供される樹脂〔A〕は、一般式
(I)で示されるポリエーテル構造を有する、一官能性
のマクロモノマーを、共重合成分として含有するグラフ
ト型共重合体であり、且つ該グラフト型共重合体の重合
体主鎖の片末端に酸性基(−PO3H2基、−SO3H基、−COO
H基及び/又は を結合する樹脂である。
該一般式(I)及び/又は(II)のマクロモノマーの
重合体中における共重合成分量は、100重量部当り、1
〜70重量部の割合で含有される。
又該主鎖末端に結合する酸性基の重合体中における存
在量は100重量部当り0.5〜10重量部の割合で存在する。
樹脂〔A〕の重量平均分子量は、1×103〜5×105
好ましいが、更に好ましくは、本発明の重合体の分子量
が1×103〜1.5×104と低分子量体の場合には、該マク
ロモノマーの存在量は、100重量部当り40〜70重量部及
び該主鎖末端結合酸性基の存在量は、100重量部当り3
〜10重量部とともに多い方がよい。一方重合体の分子量
が7×104〜5×105と高分子量の場合には、該マクロモ
ノマーの存在量は、100重量部当り1〜40重量部、及び
該主鎖末端結合酸性基の存在量は、100重量部当り0.1〜
2重量部とともに少ない方が良好である。
尚、本願明細書において、本発明の樹脂の重量平均分
子量(Mw)は、Mwが1千程度以上のポリマーにおいて実
験値として再現性のよい、「ポリスチレン換算によるGP
C法」に基づいた測定値を示す。ここで、本発明のマク
ロモノマーを共重合体成分として含有する樹脂は、溶液
中でそのポリマー鎖の存在状態が、ランダムポリマーの
ような線状ポリマーとは異なり、特異な形態(例えばポ
リマー鎖の絡まり合いなど)を示すため、見かけ上の分
子量(Mw)が小さくなることがある。
前述の如き従来公知の酸性基含有結着樹脂は主として
オフセットマスター用であって、膜強度保持による耐刷
性向上のためにその分子量は大きいものであり(例えば
5×104以上)、且つこれらの共重合体はランダム共重
合体であり酸性基含有の共重合体成分は、重合体主鎖に
ランダムに存在しているものであった。
これに対し、本発明で用いられる結着樹脂〔A〕は、
グラフト型共重合体であり、且つ樹脂中に含有される酸
性基が、重合体主鎖中にランダムに存在するものでな
く、主鎖の末端にのみ特定に結合された共重合体であ
る。
従って、重合体の主鎖から離れた特定の位置に存在す
る酸性基の部分が無機光導電体の化学量論的な欠陥に吸
着し、重合体の主鎖部分は、光導電体の表面をゆるやか
に且つ充分に被覆していると推定される。その事によ
り、光導電体のトラップを補償すると共に湿度特性を向
上させる一方、光導電体の分散が充分に行なわれ、凝集
を抑制することを見出した。即ち、重合体の重量平均分
子量が小さい場合は、光導電体の表面の被覆性がより向
上するものであり、高分子量体の場合は、ランダム共重
合体の場合に著しく顕著となる光導電体同志の凝集促進
の現象が抑制されることによるものと考えられる。従っ
て、光導電層表面の平滑性が滑らかとなる。
一方、電子写真式平版印刷原版として光導電層表面の
平滑性の粗らい感光体を用いると、光導電体である酸化
亜鉛粒子と結着樹脂の分散状態が適切でなく、凝集物が
存在する状態で光導電層が形成されるため、不感脂化処
理液による不感脂化処理をしても非画像部の親水化が均
一に充分に行なわれず、印刷時に印刷インキの付着を引
き起こし、結果として印刷物の非画像部の地汚れが生じ
てしまう。
一方、本発明に従う結着樹脂〔A〕が低分子量体の場
合においては、皮膜強度の脆弱化が懸念されたが、光導
電体を充分に分散し、該粒子表面に吸着、被覆させるこ
とにより、皮膜性が保持され、CPC感光体あるいは数千
枚の印刷枚数のオフセット原版としては充分な膜強度を
保有していることが見出された。更に酸性基を重合体主
鎖に連結する側鎖に含有するランダム共重合体樹脂に比
べて光感度が良好であることが判った。
従って、通常可視光〜赤外光域に光感度を保有させる
ために用いる分光増感色素は、光導電体に吸着すること
でその分光増感作用が充分機能するものであることか
ら、本発明の結着樹脂は、分光増感色素の吸着を阻害し
ないで光導電体と適切に相互作用するものと推定され
る。この作用は、近赤外〜赤外光の分光増感用色素とし
て特に有効なシアニン色素あるいはフタロシアニン系顔
料で特に顕著な効果を示した。
結着樹脂〔A〕の分子量が103より小さくなると、皮
膜形成能が低下し充分な膜強度が保てず、一方分子量が
5×105より大きくなると本発明の樹脂であっても電子
写真特性(特に初期電位、暗減衰保持率)が劣化するた
め好ましくない。特にかかる高分子量体の場合に酸性基
含有量が3重量%を越えるとかかる電子写真特性の劣化
が著しく、オフセットマスターとして用いたときに地汚
れが顕著となる。
結着樹脂〔A〕における主鎖末端に結合する酸性基含
有量が0.5重量%より少ないと、初期電位が低くて充分
な画像濃度を得ることができない。一方該酸性基含有量
が10重量%よりも多いと、分散性が低下し、膜平滑度及
び電子写真特性の高湿特性が低下し、更にオフセットマ
スターとして用いるときに地汚れが増大する。
該樹脂〔A〕のガラス転移点は、−10℃〜100℃の範
囲のものが好ましいが、より好ましくは−5℃〜85℃で
ある。
本発明のポリエーテル構造を有するマクロモノマーを
共重合成分として含有するグラフト共重合体樹脂に併せ
られるマクロモノマーについて、更に具体的に説明す
る。
一般式(I)のマクロモノマーにおいて、好ましく
は、a1及びa2は、互いに同じでも異なってもよく、各々
水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、
フッ素原子)、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基等)、−COOZ
又は−CH2COOZ(Zは、炭素数1〜8のアルキル基(例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基等)、炭素数7〜9の
アラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、3−
フェニルプロピル基等)又は置換されてもよいフェニル
基(例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メトキ
シフェニル基等)を表わす。
より好ましくは、a1、a2のうちのいずれか一方が水素
原子を表わす。
Xは、好ましくは、−COO−、−OCO−、−CO−、−CH
2COO−、CH2OCO−、−CONH−、−CONHCONH−、−CONHCO
O−又は を表わす。
P1は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基(例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−メトキ
シエチル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル
基、ベンジル基、メチルベンジル基、クロロベンジル
基、メトキシベンジル基、フェネチル基、フェニル基、
トリル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、ブ
チルフェニル基等)を表わす。
Yは、Xと−O−とを連結する基を表わし、直接結合
又は連結する基を表わす。連結する基を表わすYとして
は、ヘテロ原子を介していてもよい2価の連結基が挙げ
られ(ヘテロ原子としては、酸素原子、イオウ原子、又
は窒素原子を示す)、例えば、 CH=CH、−O−、−S−、 −COO−、−CONH−、−SO2−、−SO2NH−、−NHCOO−、
−NHCONH−等の結合単位の単独又は組合せの構成より成
るものである{但しb1、b2は同じでも異なってもよく各
々、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素
原子)、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜12の脂
肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基、ベンジル基、フェネチル基、2−クロロエチル基、
2−シアノエチル基、等)等を表わし、P2は前記P1と同
一の内容を表わす}。
Wは 又はCH2 を表わす {但し、r1、r2は互いに同じでも異なってもよく、水素
原子又は炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基等)を表わす}。
〔 〕内は繰り返し単位を表わし、nは1〜3の整数
を表わす。但し、nが2以上のときは、〔 〕内のWは
少なくとも隣りの〔 〕内のWと異なる基を表わし、例
えば、以下の如き組合せが考えらえる(以下の各例にお
いて、w1、w2及びw3は各々異なる基を表わし、Wと同一
の内容を表わす)。
−X−Y−Ow1−OR −X−Y−Ow1−O〕w2−OR −X−Y−Ow1−O〕w2−O〕w3−OR −X−Y−Ow1−O〕w2−O〕w1−OR Rは、水素原子又は、炭化水素基を表わす。炭化水素
基としては、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル
基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
テトラデシル基、オクタデシル基、2−メトキシエチル
基、3−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−
エトキシエチル基等)、炭素数7〜9の置換されてもよ
いアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、3
−フェニルプロピル基、メチルベンジル基、ジメチルベ
ンジル基、メトキシベンジル基、クロロベンジル基
等)、炭素数5〜8の脂環式基(例えばシクロペンチル
基、シクロヘキシル基等)、炭素数6〜12の置換されて
もよい芳香族基(例えば、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、クロロフェニル基、ブロモフェニ
ル基、アルコキシフェニル基(アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基
等)、アセトキシフェニル基、メチル−クロロ−フェニ
ル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、デシル
フェニル基等)等が挙げられる。
一般式(I)におけるマクロモノマーの で表わされる部分の具体例として、次の例が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、以下の各
例において、aは−H、−CH3、−CH2COOCH3、−Cl、−
Br又は−CNを表わし、bは−H又は−CH3を表わし、l
は1又は2の整数を表わし、mは2〜12の整数を表わ
し、kは3又は4の整数を表わす。
一般式(I)で示されるポリエーテル型のマクロモノ
マーは、従来公知の合成法によって製造することができ
る。即ち、カルボン酸類又はアルコール類とエポキサイ
ド類あるいはテトラヒドロフラン類とのカチオン重合に
より合成する方法により得られる。具体的には、P.F.Re
mpp and E.Fra−nta,Adv:Polym.Sci.58,3(1984),R.As
ami,M.Takaki,K.Kita and E.Asakura,Makromol.Chem.18
6,685(1985),R.Asami and M.Takaki,Makromol.Chem.S
uppl.,12,163(1985),P.Rempp,P.Lutz,P.Masson and
E.Franta,Makromol.Chem.,Suppl.8,3(1984),相田卓
三,井上祥平,有機合成協会誌、43,300(1985)等に記
載の合成法によって合成することができる。
以下に、本発明に供される一般式(I)で示されるマ
クロモノマーについての具体例を示すが、本発明の範囲
はこれらに限定されるものではない。また、各例におい
て、a、b、l、m、kは前記と同一の内容を表わす。
本発明の結着樹脂は、前記した一般式(I)のマクロ
モノマーを共重合成分とするグラフト共重合体であり、
他の共重合成分としては、前記した結着樹脂の物性を満
足し、且つ該マクロモノマーとラジカル共重合し得る単
量体であればいずれでもよい。
好ましくは、下記一般式(II)で示される単量体を共
重合成分として共重合体中の30重量%〜99重量%含有す
る。
一般式(II) 一般式(II)において、b1、b2は式(I)中のa1、a2
と同一の内容を表わし、より好ましくは、水素原子又は
メチル基を表わす。
X1は−COO−、−OCO−又は−O−を表わし、好ましく
は−COO−を表わす。
R0は、炭素数1〜18の炭化水素基を表わす。好ましく
は、炭素数1〜18の置換されていてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、2−メト
キシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ
プロピル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル
基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2,3−ジヒ
ドロキシプロピル基、3−カニバモイルプロピル基
等)、炭素数7〜12の置換されていてもよいアラルキル
基(例えばベンジル基、フェネチル基、メトキシベンジ
ル基、エトキシベンジル基、メチルベンジル基、ジメチ
ルベンジル基、クロロベンジル基、ジクロロベンジル
基、ジブロモベンジル基、アセトキシベンジル基、シア
ノベンジル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル
基等)、炭素数5〜8の置換されていてもよいシクロア
ルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基等)、置換されていてもよいアリ
ール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、
メシチル基、ナフチル基、メトキシフェニル基、エトキ
シフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル
基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、クロロブ
ロモフェニル基、アセトキシフェニル基、アセチルフェ
ニル基、クロロ−メチル−フェニル基、ブロモ−メチル
−フェニル基、シアノフェニル基、メトキシカルボニル
フェニル基等)等を表わす。
更に、本発明の樹脂は、前記した一般式(I)のマク
ロモノマー及び一般式(II)の単量体とともにこれら以
外の他の単量体を共重合成分として含有してもよい。
例えば、α−オレフィン類、アルカン酸ビニル又はア
リルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニルエーテル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、スチレン類、複素環ビニル類(例えば、ビニ
ルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、
ビニルチオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾ
ール、ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニルチア
ゾール、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
但し、これら他の単量体は、共重合体中20重量%以上
を越えることはない。
本発明のグラフト共重合体において、マクロモノマー
に相当する共重合成分が1重量%以下となると、感光層
塗布物としての分散が充分に行なわれなくなってしま
う。又は70重量%を越えると、一般式(II)との共重合
が充分に進行しなくなり、所望のグラフト共重合体以外
に一般式(II)の単量体あるいは他の単量体のみの重合
体が形成してしまう。更には、これらの樹脂を用いて分
散すると、光導電体との凝集が発生してしまう。
樹脂〔A〕はこれらグラフト型共重合体の主鎖の末端
に酸性基(−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基、 を結合させた樹脂である。ここでR1及びR2が表わす炭化
水素基としては、式(I)のRの炭化水素基と同一の内
容を表わす。これらの樹脂の製造方法として、具体的に
は、該酸性基又は後に変換して該酸性基に代えることの
できる官能基を含有する重合開始剤を用いる方法、ある
いは該酸性基又は後に該酸性基に変換できる官能基を含
有する連鎖移動剤を用いる方法、前記両者を併用する方
法、更には、アニオン重合法において停止反応を利用
し、該官能基を導入する方法等を用いて製造することが
できる。
例えば、P.Dreyfuss,R.P.Quirk,Encycl,Polym.Sci.En
g.7,551(1987)、V.Percec,Appl.Polym.Sci.285,95(1
985)、P.F.Rempp,E.Franta,Adv.Polym.Sci.58,1(198
4)、Y.Yamashita,J.Appl.Polym.Sci.Appl.Polym.Symp.
36,193(1981)、R.Asami,M.Takaki,Makromol.Chem.Sup
pl.12,163(1985)等の総説引例の合成方法によって製
造することができる。
本発明の電子写真感光体においてその優れた電子写真
特性を保持しつつ、より大きな機械的強度が望まれる場
合がある。この目的の為には、グラフト型共重合体の主
鎖に熱及び/又は光硬化性官能基を導入する手法が適用
できる。
即ち、本発明では、前記した式(I)のマクロモノマ
ー及び好ましくは一般式(II)で示されるモノマーとと
もに、少なくとも1種の熱及び/又は光硬化性官能基を
含有するモノマーを共重合成分として含有することが好
ましい。かかる熱及び/又は光硬化性官能基が適宜ポリ
マー間を架橋させることでポリマーの間の相互作用を強
固に、膜としての強度を向上させるものである。従っ
て、かかる熱及び/又は光硬化性官能基を更に含有する
本発明の樹脂は、酸化亜鉛粒子表面と結着樹脂の適切な
吸着・被覆を疎外することなく、結着樹脂間の相互作用
を強め、その結果、皮膜強度がより向上する効果を有す
るものである。
本発明の熱及び/又は光硬化性官能基とは熱及び光の
うちの少なくともいずれか一方で樹脂を硬化し得る官能
基をいう。
本発明の「熱硬化性官能基(熱硬化反応を行なう官能
基)」は、例えば、遠藤剛「熱硬化性高分子の精密化」
(C.M.C(株)、1986年刊)、原崎勇次「最新バインダ
ー技術便覧」第II−I章(総合技術センター、1985年
刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開
発」(中部経営開発センター出版部、1985年刊)、大森
英三「機能性アクリル系樹脂」(テクノシステム、1985
年刊)等の総説に引例の官能基を用いることができる。
例えば−OH基、−SH基、−NH2基、−NHR11基(R11
炭化水素基を表わし、具体的には式(II)のR0と同一の
内容を表わす)、 −CONHCH2OR12(R12は、水素原子又は炭素数1〜8のア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等)−N=C=O基
又は {g1及びg2は、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩
素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基等)を表わす}等を挙げる
ことができる。又該重合性二重結合基として、具体的に
は、CH2=CH−、CH2=CH−CH2−、 CH2=CH−NHCO−、CH2=CH−CH2−NHCO−、CH2=CH−
SO2−、CH2=CH−CO−、CH2=CH−O−、CH2=CH−S
−、等を挙げることができる。
本発明の「光硬化性官能基」としては、例えば、角田
隆弘、「感光性樹脂」印刷学会出版部(1972年)、永松
元太郎、乾英夫、「感光性高分子」講談社(1977年)G.
A.Delgenne,“Encyclepedia of Polyemer Science and
Technology,Supplemant."Vol1(1976年)等に記載の官
能基を用いることができる。具体的には、アリルエステ
ル基、ビニルエステル基等の付加重合体基、シンナモイ
ル基、置換されてもよいマレイイミド環基等の二量化基
等が挙げられる。
本発明において、熱及び/又は光硬化性官能基を含有
する樹脂を合成するには、該熱及び/又は光硬化性官能
基を含有する共重合体成分として該熱及び/又は光硬化
性官能基を含有する単量体を用いればよい。
本発明の樹脂が該熱硬化性官能基を含有する場合に
は、感光層膜中で架橋反応を促進させるために、必要に
応じて反応促進剤を添加してもよい。官能基間の化学結
合を形成する反応様式の場合には、例えば有機酸(酢
酸、プロピオン酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸等)、架橋剤等が挙げられる。
架橋剤としては、具体的には、山下晋三、金子東助編
「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載さ
れている化合物等を用いることができる。例えば、通常
用いられる有機シラン、ポリウレタン、ポリイソシアナ
ートの如き架橋剤、エポキシ樹脂、メラミン樹脂の如き
硬化剤等を用いることができる。
重合性反応様式の場合には、重合開始剤(過酸化物、
アゾビス系化合物等が挙げられ、好ましくは、アゾビス
系重合開始剤である)、多官能重合性基含有の単量体
(例えばビニルメタクリレート、アリルメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ジビニルコハク酸エステ
ル、ジビニルアジピン酸エステル、ジアリルコハク酸エ
ステル、2−メチルビニルメタクリレート、ジビニルベ
ンゼン等)等が挙げられる。
また、本発明において、かかる熱硬化性官能基を含有
する結着樹脂を用いる場合には熱硬化処理が行われる。
この熱硬化処理は従来の感光体作製時の乾燥条件を厳し
くすることにより行うことができる。例えば、60℃〜12
0℃で5分〜120分間処理すればよい。上述の反応促進剤
を併用すると、より穏やかな条件で処理することが可能
となる。
本発明では、更に、結着樹脂に、低分子量(重量平均
分子量1×103〜2×104の樹脂〔AL〕と前述の高分子量
(重量平均分子量5×104〜5×105)の樹脂〔B〕、
〔C〕及び〔D〕のうちのいずれか1つとを含有させる
と、更に電子写真感光体の機械的強度が向上する。
樹脂〔B〕〜〔D〕は、樹脂〔A〕のみでは不充分な
光導電層の機械的強度を充分にならしめるものである。
また、低分子量の樹脂〔AL〕と高分子量の樹脂〔B〕
〜〔D〕のいずれかとを併用した本発明の電子写真感光
体は、電子写真式平版印刷用原版として用いた場合でも
光導電体層表面の平滑性が良好であり、且つ、光導電体
である酸化亜鉛粒子が結着剤中で充分に分散しているた
め、不感脂化処理液による不感脂化処理をすると、非画
像部の親水化が均一に充分行なわれる印刷時の印刷イン
キの非画像部への付着が抑えられ1万枚といった多数枚
の印刷物を印刷しても地汚れを生じないものである。
即ち、本発明において、樹脂〔AL〕と樹脂〔B〕〜
〔D〕のうちのいずれかとを併用すると、無機光導電体
と結着樹脂の吸着・被覆の相互作用が適切に行なわれ、
且つ光導電層の膜強度がより良好に保持されるものであ
る。
樹脂〔AL〕において、共重合体中における該マクロモ
ノマー(式(I))の存在量は、樹脂〔AL〕100重量部
中、40〜70重量%である。樹脂〔AL〕の重量平均分子量
は好ましくは1×103〜1.5×104、より好ましくは、3
×103〜1.0×104である。
本発明に供される結着樹脂において、低分子量の樹脂
〔AL〕と、該酸性基及び塩基性基を全く含まない高分子
量の樹脂〔B〕とを組合わせて用いる場合について詳述
する。
本発明に用いることのできる樹脂〔B〕は重合体主鎖
及び末端のいずれにも前記した酸性基(樹脂〔A〕に含
まれる主鎖末端酸性基)を含有しない、かつ塩基性基も
含有しない重量平均分子量5×104〜5×105の樹脂であ
る。より好ましくは重量平均分子量8×104〜3×105
ある。
樹脂〔B〕のガラス転移点は好ましくは0℃〜120℃
の範囲、より好ましくは10℃〜80℃である。
樹脂〔B〕としては、従来、電子写真用結着樹脂とし
て用いられるものはいずれを用いてもよく、単独あるい
は組合せて使用することもできる。例えば、宮原晴視、
武井秀彦、「イメージング」1978No.8 9〜12、栗田隆
治、石渡次郎、「高分子」、17,278〜284(1968)等の
総説引用の材料が挙げられる。
具体的には、オレフィン重合体及び共重合体、塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビ
ニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び
共重合体、スチレン及びその誘導体、重合体及び共重合
体、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチ
レン共重合体、ブタジエン−不飽和カルボン酸エステル
共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタクリロニト
リル共重合体、アルキルビニルエーテル共重合体、アク
リル酸エステル重合体及び共重合体、メタクリル酸エス
テル重合体及び共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マ
レイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリ
ルアミド共重合体、水酸基変性シリコン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ケトン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカ
ルボキシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、環化ゴム−メタアクリル酸
エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重
合体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合体
(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン
環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソラン環、ラ
クトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3
−ジオキセタン環等)エポキシ樹脂等が挙げられる。
更に具体的には、下記一般式(III)で示される少な
くとも1種の単量体を(共)重合体成分として、その総
量で30重量%以上含有する(メタ)アクリル系共重合体
又は重合体を樹脂〔B〕の例として挙げることができ
る。
一般式(III) 式(IV)中、d3は、水素原子、ハロゲン原子(例えば
クロロ原子、ブロモ原子)、シアノ基又は炭素数1〜4
のアルキル基を表わし、好ましくは炭素数1〜4のアル
キル基を表わす。R′は、炭素数1〜18の置換されてい
てもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基
等)、炭素数2〜18の置換されていてもよいアルケニル
基(例えばビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブ
テニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基
等)、炭素数7〜14の置換されていてもよいアラルキル
基(例えばベンジル基、フェネチル基、メトキシベンジ
ル基、エトキシベンジル基、メチルベンジル基等)、炭
素数5〜8の置換されていてもよいシクロアルキル基
(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、トリ
ル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、メトキシ
フェニル基、エトキシフェニル基、クロロフェニル基、
ジクロロフェニル基等)を表わす。R′は好ましくは炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数7〜14の置換されても
よいアラルキル基(特に好ましくは、アラルキル基とし
て置換されてもよいベンジル基、フェネチル基、ナフチ
ルメチル基、2−ナフチルエチル基が挙げられる)、又
は置換されてもよい、フェネチル基もしくはナフチル基
(置換基としては、塩素原子、臭素原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、アセチル基、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基等が挙げられ、これら置換基
は、2ないし3個置換されていてもよい)を表わす。
更には、樹脂〔B〕において上記(メタ)アクリル酸
エステルと共重合する成分としては、一般式(III)以
外の単量体であってもよく、例えば、α−オレフィン
類、アルカン酸ビニル又はアリルエステル類、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、ビニルエーテル類、ア
クリルアミド類、メタクリルアミド類、スチレン類、複
素環ビニル類〔例えば窒素原子以外の非金属原子(酸素
原子、イオウ原子等)を1〜3個含有する5員〜7員環
の複素環であり、具体的な化合物として、ビニルチオフ
ェン、ビニルジオキサン、ビニルフラン等〕等が挙げら
れる。好ましい例としては、例えば、炭素数1〜3のア
ルカン酸ビニル又はアリルエステル類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、スチレン及びスチレン誘導体
(例えばビニルトルエン、ブチルスチレン、メトキシス
チレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモス
チレン、エトキシスチレン等)等が挙げられる。
一方、本発明に用いられ得る樹脂〔B〕が含有しない
塩基性基としては、例えば置換基を有していてもよいア
ミノ基及び窒素原子含有の複素環基が挙げられる。
次に本発明に供される結着樹脂において、上記した低
分子量の樹脂〔AL〕と、OH基及び塩基性基のうちの少な
くとも1種を含有する高分子量の樹脂〔C〕とを組合わ
せて用いる場合について詳述する。
樹脂〔C〕において、−OH基及び/又は塩基性基を含
有する共重合成分の割合は、樹脂〔C〕中の0.05〜15重
量%であるが、より好ましくは0.5〜10重量%である。
樹脂〔C〕の重量平均分子量は5×104〜5×105である
が、好ましくは8×104〜105である。樹脂〔C〕のガラ
ス転移点は好ましくは0℃〜120℃の範囲、より好まし
くは10℃〜80℃である。
本発明においては、樹脂〔C〕中のOH基成分あるいは
塩基性基成分は光導電体粒子界面及び樹脂〔AL〕と弱い
相互作用を有し、光導電体分散物の分散物を安定化する
とともに、皮膜形成後の膜強度をより向上させる効果を
有するものと考えられる。しかし、これらの成分の樹脂
〔C〕中での割合が15重量%を越えてしまうと水分の影
響を受ける様になり、光導電層の耐湿性が低下してしま
う。
樹脂〔C〕は、前記した物性を有していれば、樹脂
〔B〕で記載した如き従来公知の樹脂が使用可能であ
る。
更に具体的には、前述の一般式(III)で示される単
量体を共重合体成分としてその総量で30重量%以上含有
する(メタ)アクリル系共重合体を樹脂〔C〕の例とし
て挙げることができる。
樹脂〔C〕中に含有される「OH基及び/又は塩基性基
を含有する共重合成分」は、前述の一般式(III)と共
重合し得る該置換基(OH基及び/又は塩基性基)を含有
したビニル系化合物であればいずれでも用いることがで
きる。該塩基性基としては、例えば下記一般式(IV)で
示されるアミノ基及び窒素原子含有の複素環基を挙げる
ことができる。
一般式(IV) 式(IV)中、R13及びR14は、各々同じでも異なっても
よく、各々水素原子、置換されてもよいアルキル基(例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデ
シル基、オクタデシル基、2−ブロモエチル基、2−ク
ロロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエ
チル基、2−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル
基等)、置換されてもよいアルケニル基(例えばアリル
基、イソプロペニル基、4−ブチニル基等)、置換され
てもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチ
ル基、クロロベンジル基、メチルベンジル基、メトキシ
ベンジル基、ヒドロキシベンジル基等)、脂環式基(例
えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリー
ル基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メ
シチル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、ク
ロロフェニル基等)等を表わす。更にR13とR14は、ヘテ
ロ原子を介してもよい炭化水素基で連結していてもよ
い。
更に窒素原子含有の複素環としては、窒素原子を1〜
3個含有する5員環ないし7員環から成る複素環が挙げ
られ、又これらの複素環は、更にベンゼン環、ナフタレ
ン環等で縮合環を形成したものでもよい。更にこれらの
環は置換基を含有していてもよい。具体的には、例えば
ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン
環、ピペラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イン
ドリジン環、インドール環、2H−ピロール環、3H−イン
ドール環、インダゾール環、プリン環、モルホリン環、
イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノ
キサジン環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェ
ナジン環、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン
環、イミダゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾリン環、
ピペリジン環、ピペラジン環、キナクリジン環、インド
リン環、3,3−ジメチルインドレニン環、3,3−ジメチル
ナフトインドレニン環、チアゾール環、ベンゾチアゾー
ル環、ナフトチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオ
キサゾール環、ナフトオキサゾール環、セレナゾール
環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、オ
キサゾリン環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾー
ル環、モルホリン環、ピロリドン環、トリアゾール環、
ベンゾトリアゾール環、トリアジン環等が挙げられる。
これらのOH基及び/又は塩基性基は、例えば高分子学
会編「高分子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館
(1986年)等に記載されている如き、ビニル基含有のカ
ルボン酸又はスルホン酸から誘導されるエステル誘導体
又はアミド誘導体の置換基中に含有させることにより、
所望の単量体が得られる。例えば2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、3−ヒドロキシ−2−クロロメタクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキ
シルメタクリレート、10−ヒドロキシデシルメタクリレ
ート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、
N−(3−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N
−(α,α−ジヒドロキシメチル)エチルメタクリルア
ミド、N−(4−ヒドロキシブチル)メタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−
(N,N−ジエチルアミノエチル)メタクリレート、3−
(N,N−ジメチルプロピル)メタクリレート、2−(N,N
−ジメチルエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシスチ
レン、ヒドロキシメチルスチレン、N,N−ジメチルアミ
ノメチルスチレン、N,N−ジエチルアミノメチルスチレ
ン、N−ブチル−N−メチルアミノメチルスチレン、N
−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等各種の単
量体が挙げられる。窒素原子含有の複素環を有するビニ
ル化合物としては、例えば前記した「高分子データ・ハ
ンドブッック〔基礎編〕」第175〜181頁、D.A.Tomalia,
「Reactive Heteracyclic Monomers」chap 1 of“Funct
ional Monomers Vol.2",Marcel DeRRer Icn.N.Y.(197
4)、L.S.LusRin「Basic Monomers」chap 3 of“Functi
onal Monomers Vol.2"、MarcelDeRRer Inc.N.Y.(197
4)等に記載された化合物が挙げられる。
更に、樹脂〔C〕は、以上述べたOH基及び/又は塩基
性基を含有する単量体とともにこれら以外の他の単量体
を共重合成分として含有してもよい。例えば、樹脂
〔B〕で他の共重合成分として含有し得るとして記載し
たと同様の単量体を具体例として挙げることができる。
次いで、本発明に供される結着樹脂において、上記低
分子量の樹脂〔AL〕と、樹脂〔AL〕に含まれる酸性基の
含有量の50%以下、好ましくは30%以下の含有量の酸性
基を共重合成分の側鎖として、又は樹脂〔AL〕に含まれ
る酸性基よりもpKaの大きい酸性基を共重合成分の側鎖
として、含有する高分子量の樹脂〔D〕とを組合わせて
用いる場合について詳述する。
樹脂〔D〕の重量平均分子量は5×104〜5×105であ
るが、7×104〜4×105が好ましい。
樹脂〔D〕の重合体側鎖に含有される酸性基は樹脂
〔D〕中に0.05〜3重量%の割合で含有されることが好
ましい。より好ましくは0.1〜1.5重量%である。また下
記表−Aの組み合せで酸性基を樹脂〔D〕中に含ませる
ことが好ましい。
樹脂〔D〕のガラス転移点は好ましくは0℃〜120℃
の範囲、より好ましくは0℃〜100℃である。更に好ま
しくは10℃〜80℃である。
樹脂〔D〕は、樹脂〔AL〕に比べ、光導電体粒子に対
して、非常に弱い相互作用を示し、緩やかに被覆する機
能をもち、樹脂〔AL〕の機能を何ら疎外することなく、
樹脂〔AL〕のみでは不充分な光導電層の機械的強度を充
分にならしめるものである。
更に、樹脂〔D〕中の側鎖の酸性基含有量が3重量%
を越えると、樹脂〔D〕の光導体粒子への吸着が生じ、
光導電体の分散が破壊され、凝集物あるいは沈澱物が生
成してしまい、塗膜ができない状態になってしまうかあ
るいはたとえ塗膜ができたとしても得られた光導電体の
静電特性は著しく低下してしまったり、感光体表面の平
滑度が粗らくなり機械的摩耗に対する強度が悪化してし
まうため好ましくない。
樹脂〔D〕における において、R3は更に具体的には、例えば炭素数1〜12の
置換されていてもよいアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、2−クロロエチル基、2−
メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、3−メトキ
シプロピル基等)、炭素数7〜12の置換されていてもよ
いアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、ク
ロロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルベンジル
基等)、炭素数5〜8の置換されていてもよい脂環式基
(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)又は
置換されていてもよいアリール基(例えばフェニル基、
トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、クロ
ロフェニル基、メトキシフェニル基等)を表わす。
樹脂〔D〕は、前記した物性を有していれば従来公知
の樹脂のいずれでもよく、例えば樹脂〔B〕にて記載し
た従来公知の樹脂を用いることができる。
更に具体的には、前述の一般式(III)で示される単
量体を共重合体成分としてその総量で30重量%以上含有
する(メタ)アクリル系共重合体を樹脂〔D〕の例とし
て挙げることができる。
本発明に供される樹脂〔D〕における「酸性基を含有
する共重合体成分」は、例えば前記の一般式(III)と
共重合し得る酸性基を含有するビニル系化合物であれば
いずれでも用いることができる。例えば、高分子学会編
「高分子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館(19
86刊)等に記載されている。具体的には、アクリル酸、
α及び/又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセトキシ
体、α−アセトキシメチル体、α−(2−アミノ)メチ
ル体、α−クロロ体、α−ブロモ体、α−フロロ体、α
−トリブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロロ体、
β−ブロモ体、α−クロロ−β−メトキシ体、α,β−
ジクロロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、イタコン
酸半エステル類、イタコン酸半アミド類、クロトン酸、
2−アルケニルカルボン酸類(例えば2−ペンテン酸、
2−メチル−2−ヘキセン酸、2−オクテン酸、4−メ
チル−2−ヘキセン酸、4−エチル−2−オクテン酸
等)、マレイン酸、マレイン酸半エステル類、マレイン
酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニルベン
ゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホ酸、
ジカルボン酸類のビニル基又はアリル基の半エステル誘
導体、及びこれらのカルボン酸又はスルホン酸のエステ
ル誘導体、アミド誘導体の置換基中に該酸性基を含有す
る化合物が挙げられる。
これらの化合物の具体例として以下のものを挙げるこ
とができる。但し、以下の各例において、eは−H、−
CH3、−Cl、−Br、−CN−、−CH2COOCH3又は−CH2COOH
を示し、fは−H又は−CH3を示し、n1は2〜18の整数
を示し、m1は1〜12の整数を示し、l1は1〜4の整数を
示す。
更に、本発明の樹脂〔D〕はそれぞれ、前記した一般
式(III)の単量体及び酸性基を含有する単量体ととも
に、これら以外の他の単量体を共重合成分として含有し
てもよい。例えば、樹脂〔B〕で他の共重合成分として
含有し得るとして記載したと同様の単量体を具体例とし
て挙げることができる。
更に、本発明の樹脂〔AL〕及び樹脂〔C〕又は〔D〕
の他に他の樹脂を併用させることもできる。それらの樹
脂としては、例えば、アルキッド樹脂、ポリブチラール
樹脂、ポリオレフィン類、エチレン−酸ビ共重合体、ス
チレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリレート
ブタジエン樹脂、アルカン酸ビニル樹脂等が挙げられ
る。
上記他の樹脂は、本発明の樹脂を用いた全結着樹脂量
〔AL〕及び〔C〕又は〔D〕の30%(重量比)を越える
と本発明の効果(特に静電特性の向上)が失われる。
本発明に用いる樹脂〔AL〕と樹脂〔B〕〜〔D〕のい
ずれかの樹脂との使用量の割合は、使用する無機光導電
材料の種類、粒径、表面状態によって異なるが、一般に
樹脂〔AL〕と樹脂〔B〕〜〔D〕のいずれかの用いる割
合は5〜80対95〜20(重量比)であり、好ましくは15〜
60対85〜40(重量比)である。
樹脂〔AL〕と樹脂〔B〕〜〔D〕のいずれかの重量平
均分子量の比は、好ましくは1.2以上、より好ましくは
2.0以上である。
本発明に使用する無機光導電材料としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カド
ミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化
テルル、硫化鉛、等が挙げられる。
無機光導電材料に対して用いる結着樹脂の総量は、光
導電体100重量部に対して、結着樹脂を10〜100重量部な
る割合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視、武井秀
彦、「イメージング」1973(No.8)第12頁、C.J.Young
等、RCA Review15,469(1954)、清田航平等、電気通信
学会論文誌J63C(No.2),97(1980)、原崎勇次等、工
業化学雑誌66 78及び188(1963)、谷忠昭、日本写真学
会誌35、208(1972)、等の総説引例のカーボニウム系
色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、
シアニン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、
フタロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げら
れる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭50
−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130号、
特開昭53−82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許
第4,054,450号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙
げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Hamer「The Cyanine Dyes and Related Compounds」
等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的には、
米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、米国
特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国特許
第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許第3,
622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,309,
274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48−7814号、特
公昭55−18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光増
感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、特開
昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−5034
号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭56
−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044号、
特開昭61−27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許
第4,175,956号、「Research Disclosure」1982年、21
6、第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。本発明
の感光体は種々の増感色素を併用させても、その性能が
増感色素により変動しにくい点において優れている。更
には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られている
電子写真感光層用各種添加剤を併用することもできる。
例えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)第12
頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えば、ハロゲ
ン、ベンゾキノン、クロラニル、酸無水物、有機カルボ
ン酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の開
発・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出版
部(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン化合
物、ヒンダートフェノール化合物、P−フェニレンジア
ミン化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部
である。
光導電層の厚さは1〜100μ、特に10〜50μが好適で
ある。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ、特に0.05〜0.5μが好適である。
感光体の保護および耐久性、暗減衰特性の改善等を主
目的として絶縁層を付設させる場合もある。この時は絶
縁層は比較的薄く設定され、感光体を特定の電子写真プ
ロセスに用いる場合に設けられる絶縁層は比較的厚く設
定される。
後者の場合、絶縁層の厚さは、5〜70μ、特には、10
〜50μに設定される。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μ、特には10〜30μが好適である。
絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる樹脂として
は、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酸ビ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂の熱可塑性樹
脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に云って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、「電子写真」、14(No.1)、P2〜11(19
75)、森賀弘之、「入門特殊紙の化学」高分子刊行会
(1975)、M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4
(6)、第1327〜第1417頁(1970)等に記載されている
もの等を用いる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂〔A〕の合成例1:(A−1) ベンジルメタクリレート60g、メチルアクリレート20
g、下記構造のマクロモノマー(MM−1)20g及びトルエ
ン200gの混合物を、窒素気流下に温度70℃に加温した。
4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(略称A.C.V)1.
0gを加え4時間撹拌した。更に、A.C.V.0.4gを加え2時
間、その後更にA.I.V.0.2gを加え3時間撹拌した。得ら
れた共重合体の重量平均分子量(略称▲▼)は4.5
×104であった。
本発明の樹脂〔A〕の合成例2〜7:(A−2)〜(A−
7) 樹脂〔A〕の合成例1において、マクロモノマー(MM
−1)を下表−1に示すマクロモノマーに代えた他は、
合成例1と同様に反応させて、下表−1の樹脂〔A〕を
各々合成した。得られた共重合体の▲▼は、4×10
4〜5.5×104であった。
本発明の樹脂〔A〕の合成例8:A−8 ベンジルメタクリレート60g、下記構造のマクロモノ
マー(MM−8)40g、トルエン150g及びイソプロピルア
ルコール50gの混合溶液を窒素気流下に温度80℃に加温
した。
A.C.V.5.0gを加え4時間撹拌した。更にA.C.V.1.0gを
加え、2時間、その後にA.C.V.0.5gを加え、3時間撹拌
した。
得られた共重合体の重量平均分子量は8.3×103であっ
た。
本発明の樹脂〔A〕の合成例9:(A−9) ベンジルメタクリレート50g、下記構造のマクロモノ
マー(MM−9)50g、チオグリコール酸4.0g及びトルエ
ン200gの混合溶液を、窒素気流下に温度75℃に加温し
た。2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(略称:A.I.B.
N.)1.5gを加え4時間撹拌し、更にA.I.B.N.0.4gを加え
2時間、その後、更にA.I.B.N.0.2gを加え3時間撹拌し
た。得られた共重合体の重量平均分子量は7.0×103であ
った。
実施例1及び比較例A 樹脂の合成例1の樹脂(A−1)40g(固形分量とし
て)、酸化亜鉛200g、下記構造のシアニン色素〔I〕0.
018g、無水フタル酸0.10g及びトルエン300gの混合物を
ボールミル中で2時間分散して、感光層形成物を調製
し、これを導電処理した紙に、乾燥付着量が200g/m2
なる様に、ワイヤーバーで塗布し、110℃で30秒間乾燥
し、ついで暗所で20℃65%RHの条件下で24時間放置する
ことによりり、電子写真感光材料を作製した。
比較例A 実施例1において結着樹脂として用いた樹脂(A−
1)の代わりに、下記構造の樹脂(P−1)のみを40g
用いる以外は実施例1と同様の操作で電子写真感光材料
を作製した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、膜強
度、静電特性、撮像性及び環境条件を30℃80%RHとした
時の撮像性を調べた。更に、これらの感光材料をオフセ
ットマスター用原版として用いた時の光導電性の不感脂
化性(不感脂化処理後の光導電層の水との接触角で表わ
す)及び印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べた。
以上の結果をまとめて、表−2に示した。
表−2に示した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1) 光導電層の平滑性: 得られた感光材料は、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2) 光導電層の機械的強度: 得られた感光材料面をヘイドン−14型表面性試験材
(新東化学(株)製)を用いて荷重50g/cm2のものでエ
メリー紙(#1000)で1000回繰り返し採り摩耗粉を取り
除き感光層の重量減少から残膜率(%)を求め機械的強
度とした。
注3):静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で180秒間静置した後の電位V180
測定し、180秒間暗減衰させた後の電位の保持性即ち、
暗減衰保持率〔DRR(%)を(V180/V10)×100(%)〕
で求めた。
又コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電させ
た後、波長780nmの単色光で照射し、表面電位(V10)が
1/10に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/10(erg/cm2)を算出する。
注4) 撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。次に
−5KVで帯電し、光源として2.8mW出力のガリウム−アル
ミニウム−ヒ素、半導体レーザー(発振波長780nm)を
用いて、感光材料表面上で64erg/cm2の照射量下、ピッ
チ25μm及びスキャニング速度300m/secのスピードで露
光後液体現像剤として、ELP−T(富士写真フィルム
(株)製)を用いて現像し、定着することで得られた複
写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。
撮像時の環境条件は20℃65%RHと30℃80%RHで実施し
た。
注5) 水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液ELP−EX(富士写真フィ
ルム(株)製)を用いて、エッチングプロセッサーに1
回通して光導電層面を不感脂化処理した後、これに蒸留
水2μの水滴を乗せ、形成された水との接触角を、ゴ
ニオメーターで測定する。
注6) 耐刷性 各感光材料を、上記注4)と同条件で、製版して、ト
ナー画像を形成し、上記注5)と同条件で不感脂化処理
し、これをオフセットマスターとして、オフセット印刷
機(桜井製作所(株)製オリバー52型)にかけ、印刷物
の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問題が生じない
で印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多い程、耐刷性が
良好なことを表わす)。
注7):Dm(画像濃度) ベタ部分のトナー画像濃度でMax値を示す(マクベス
反射濃度計で測定できる)。
表−2に示す様に、本発明の感光材料及び比較例Aは
光導電層の平滑性及び静電特性が良好で、実際の複写画
像も地カブリがなく複写画質も鮮明であった。このこと
は光導電体と結着樹脂が適切に吸着し且つ粒子表面を被
覆しており、且つ分光増感色素の吸着を阻害していない
ことによるものと推定される。
同様の理由で、オフセットマスター原版として用いた
場合でも、不感脂化処理液による不感脂化処理が充分に
進行し、非画像部の水との接触角が15度以下と小さく充
分に親水化されている。実際に印刷して印刷物の地汚れ
を観察しても、全く認められなかった。
しかし、比較例Aの場合は、膜強度は充分であった
が、静電特性、特にD.R.Rが著しく低下してしまい、実
際に撮像しても、充分な複写画像が得られなかった。E
1/10が見かけ上小さくなったのは、D.R.R.が低下してし
まったものであり、光照射で導電性を生ずるいわゆる光
導電性が良好なためとは異なるものであった。この事
は、従来のランダム共重合体である樹脂では、酸化亜粒
子の表面を過度に且つ強く被覆してしまい、色素の粒子
表面への吸着を阻害し静電特性を劣化させており、又、
不感脂化処理をしても酸化亜鉛のエッチングが充分に進
行しないという事を示すと推定される。
以上から、本発明の感光材料が光導電層の平滑性、膜
強度、静電特性及び印刷性の全ての点において良好なも
のであった。
実施例2〜7 実施例1において、樹脂(A−1)40gの代わりに、
前記樹脂〔A〕の合成例2〜7で製造した各樹脂(A−
2)〜(A−7)を40g用いた他は、実施例1と同様の
操作で各感光材料を製造した。実施例1と同様の操作
で、各感光材料の平滑性、膜強度及び静電特性を測定
し、表−3に記した。
本発明の各感光材料は帯電性、暗電荷保持率、光感度
に優れ、実際の複写画像も高温高湿(30℃、80%RH)の
過酷な条件においても地カブリの発生や細線飛びの発生
等のない鮮明な画像を与えた。更に、オフセットマスタ
ー原版として印刷した所、非画像部に地カブリのない鮮
明な画像の印刷物を7000枚以上印刷することができた。
実施例8 実施例1において、樹脂(A−1)40gの代わりに、
樹脂(A−8)8g(固形分として)及びポリ(エチルメ
タクリレート)(重量平均分子量3.4×105)〔樹脂(B
−1)〕32gを用いた他は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製した。得られた感光体は、実施例1と同
様に各特性を測定した。
光導電層表面の平滑性は98(sec/cc)で平滑であっ
た。V10:−580V,D.R.R:86%,E1/1027(erg/cm2)であ
り、(30℃、80%RH)における撮像性でも良好な画質で
あった。
本発明の感光材料は帯電性、暗電荷保持率、光感度に
優れ、実際の複写画像も高温高湿(30℃、80%RH)の過
酷な条件においても地カブリの発生や細線飛びの発生等
のない鮮明な画像を与えた。更に、オフセットマスター
原版として印刷した所、非画像部に地カブリのない鮮明
な画像の印刷物を1万枚以上印刷することができた。
実施例9 実施例8において、樹脂(A−8)8gの代わりに、樹
脂(A−3)8g、樹脂(B−1)の代わりに、ポリ(ブ
チルメタクリレート)(重量平均分子量3.4×105)〔樹
脂(B−2)〕32gを用いた他は実施例8と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。
実施例1と同様に各特性を測定したところ、各感光体
の光導電層表面の平滑性は100(sec/cc)で平滑であっ
た。V10;−570V,D.R.R.;87%,E1/1029(erg/cm2)であ
り、(30℃、80%RH)における撮像性でも良好な画質で
あった。更に、オフセットマスター原版として印刷して
も1万枚以上印刷することができた。
実施例10〜15 本発明の樹脂〔A〕の合成例9において、チオグリコ
ール酸4gの代わりに、表−4のメルカプト化合物(連鎖
移動剤)を各4g用いた他は、上記合成例9と同様にし
て、各樹脂〔A〕を製造した。
樹脂(A−8)8gの代わりにこれら各共重合体を用い
て、実施例8と同様の条件で処理し、各感光材料を作製
した。
本発明の感光体はいずれも優れた特性を示した。又、
オフセットマスター原版として印刷した所、1万枚以上
の印刷物を得た。
実施例16〜25 (樹脂A−16の合成) 2,6−ジクロロフェニルメタクリレート60g、マクロモ
ノマー(MM−9)40g、チオグリコール酸2g、トルエン1
50g及びエタノール50gの混合物を窒素気流下、温度80℃
に加温した。A.C.V3gを加え4時間反応し、更にA.C.V1.
0gを加え4時間反応した。得られた共重合体の重量平均
分子量は8.5×103であった。
(感光体の作成) 上記樹脂(A−16)9g(固形分量として)、下記表−
5で示される樹脂〔C〕各31g、下記構造式で示される
ヘプタメチンシアニン色素〔II〕0.02g、フタル酸無水
物0.15g及びトルエン300gの混合物をボールミル中で2
時間分散して感光層形成物を調整した。以下は、実施例
1と同様に操作して電子写真感光体を作製した。
これらの感光材料を実施例1と同様にペーパーアナラ
イザーを用いて静電特性を測定した。但し光源としては
ガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波
長830nm)を用いた。その結果を表−6に記した。
実施例26〜37 下記構造の樹脂(A−17)6g、下記表−7の樹脂
〔D〕を各34g、前記のシアニン色素〔I〕0.018g、無
水マレイン酸0.15g、酸化亜鉛200g及びトルエン300gの
混合物をボールミル中で2時間分散して感光層形成物を
調整した。以下は、実施例1と同様にして電子写真感光
体を作製した。
本発明の感光材料はいずれも帯電性、暗電荷保持率、
光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿(30℃、80%
RH)の過酷な条件においても地カブリの発生や細線飛び
の発生等のない鮮明な画像を与えた。
更に実施例1と同様にして製版した後オフセットマス
ター原版として印刷しても1万枚印刷しても地汚れの発
生のない鮮明な画質の印刷物が得られた。
実施例38〜43及び比較例B 下記構造の樹脂(A−18)7.5g、下記表−8の樹脂
〔B〕〜〔D〕各々32.5g、酸化亜鉛200g、ウラニン0.0
2g、ローズベンガル0.04g、ブロムフェノールブルー0.0
3g、無水フタル酸0.20g及びトルエン300gの混合物をボ
ールミル中で2時間分散して感光層形成物を調整し、こ
れを導電処理した紙に、乾燥付着量が22g/m2となる様に
ワイヤーバーで塗布し、110℃で1分間乾燥した。次い
で暗所で20℃、65%RHの条件下で24時間放置することに
より各電子写真感光体を作製した。
比較例B 実施例38において、結着樹脂(A−18)7.5g及び樹脂
〔B〕32.5gの代わりに、結着樹脂として前記樹脂(P
−1)40gを用いた他は、実施例38と同様にして、電子
写真感光体を作製した。
注8) 静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で60秒間静置した後の電位V70を測
定し、60秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即ち、暗
減衰保持率〔DRR(%)〕を、(V70/V10)×100(%)
で求めた。又、コロナ放電により光導電層表面を−400V
に帯電させた後、該光導電層表面を照度2.0ルックスの
可視光で照射し、表面電位(V10)が1/10に減衰するま
での時間を求め、これから露光量E1/10(ルックス・
秒)を算出する。
なお、ここで印刷用のオフセット原版は以下の如き条
件で製版した。
各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、全
自動製版機ELP−404V(富士写真フィルム(株)製)でE
LP−Tをトナーとして用いて製版して得られた複写画像
(カブリ、画像の画質)を目視評価した。撮像時の環境
条件は、20℃65%RH(I)と30℃80%RH(II)で実施し
た。
本発明の各感光体及び比較例Bは、分光増感色素を可
視光域で増感する3種の色素に置き換えた例である。こ
こで用いた色素類の場合は、従来のランダム共重合体を
結着樹脂に用いた比較例Bにおいても、電子写真特性は
満足すべきものであったが、オフセットマスター原版と
して用いて印刷した所、非画像部の不感脂化処理が充分
でなく、刷り出しから地汚れが発生した。
本発明の各感光材料は、そうした現象は見られず、80
00枚以上の鮮明な画質で地カブリのない印刷物が得られ
た。
(発明の効果) 本発明によれば優れた静電特性及び機械的強度を有す
る電子写真感光体が得られる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機光導電体及び結着樹脂を少なくとも含
    有する光導電層を有する電子写真感光体において、該結
    着樹脂が、下記一般式(I)で示される重量平均分子量
    1×103〜2×104のマクロモノマーの少なくとも1種を
    重合成分として含有し、且つ重合体主鎖の片末端にの
    み、−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基及び {R1は炭化水素基又は−OR2(R2は炭化水素基を示す)
    基を表わす}基から選ばれる少なくとも1つの酸性基を
    結合して成るグラフト共重合体(樹脂〔A〕)を少なく
    とも1種含有する事を特徴とする電子写真感光体。 一般式(I) 式(I)中、a1及びa2は、互いに同じでも異なってもよ
    く、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1
    〜8の炭化水素基、−COO−Z又は炭素数1〜8の炭化
    水素基を介した−COO−Z(Zは炭素数1〜18の炭化水
    素基を表わす)を表わす。 Xは、−COO−、−OCO−、 (l1、l2は1〜3の整数を示す)、−CO−、 (P1は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表わ
    す)、−CONHCONH−、−CONHCOO−、−O−、 又は−SO2−をを表わす。 YはXと−O−とを連結する基を表わす。 〔 〕内は繰り返し単位を表わし、nは1〜3の整数を
    表わす。nが2以上のときは、〔 〕内のWは少なくと
    も隣りの〔 〕内のWと異なる基を表わす。 Wは、 又はCH2 を表わす(r1及びr2は、互いに同じでも
    異なってもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わ
    す) Rは水素原子又は炭化水素基を表わす。
  2. 【請求項2】該樹脂〔A〕が1×103〜2×104の重量平
    均分子量を有し、かつ該結着樹脂が更に下記樹脂〔B〕
    を含有して成ることを特徴とする請求項(1)記載の電
    子写真感光体。 樹脂〔B〕; 5×104〜5×105の重量平均分子量を有し、かつ−PO3H
    2基、−SO3H基、−CO2H基及び {R1は上記と同一の内容を表わす)基並びに塩基性基を
    含有しない樹脂。
  3. 【請求項3】該樹脂〔A〕が1×103〜2×104の重量平
    均分子量を有し、かつ該結着樹脂が更に下記樹脂〔C〕
    を含有して成ることを特徴とする請求項(1)記載の電
    子写真感光体。 樹脂〔C〕; 5×104〜5×105の重量平均分子量を有し、かつOH基及
    び塩基性基から選択される少なくとも1種の官能基を含
    有する共重合成分を0.1〜15重量%含有する樹脂。
  4. 【請求項4】該樹脂〔A〕が1×103〜2×104の重量平
    均分子量を有し、かつ該結着樹脂が更に下記樹脂〔D〕
    を含有して成ることを特徴とする請求項(1)記載の電
    子写真感光体。 樹脂〔D〕; 5×104〜5×105の重量平均分子量を有し、かつ、併用
    する樹脂〔A〕に含まれる酸性基含有量の50%以下の含
    有量の酸性基を含有する共重合成分を含有する樹脂又は
    樹脂〔A〕に含まれる酸性基のpKaより大きいpKaを有す
    る、−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基及び (R3は炭化水素基を示す)基から選択される少なくとも
    1種の酸性基を含有する共重合成分を含有する樹脂。
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