JP5594715B2 - 重合性モノマーの製造方法及びグラフト共重合体 - Google Patents

重合性モノマーの製造方法及びグラフト共重合体 Download PDF

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本発明は、重合性モノマーの製造方法、及びその重合性モノマーを他の重合性モノマーと共重合させたグラフト共重合体に関する。
近年、材料の表面を改質することで、その付加価値を高める試みが様々な分野において広くなされている。特に、材料をナノスケールに加工した微粒子(以下、ナノ粒子という。)は、比表面積が非常に大きいため表面特性を変化させやすく、その親和性や生体内の付着性等の制御が可能であることから、触媒、色材、電子材料、光学材料、医薬品、化粧品等への応用が期待されている。
このようなナノ粒子の中でも、金ナノ粒子は、分散した状態では表面プラズモン吸収による鮮やかなピンク色を呈し、凝集した状態ではその色調が紫色に変化するという特徴的な性質を有する。そこで、金ナノ粒子を安定して分散させるとともに、金ナノ粒子の表面を機能化することにより、バイオテクノロジー分野で利用する試みが盛んになりつつある。
これまで、金ナノ粒子を安定に分散させる分散剤としては、Murrayらによってチオール基を有するポリエチレングリコール(PEG−SH)が報告されている(非特許文献1参照)。そこで、本件発明者らは、一方の末端に金表面への配位能の高いチオール基を有するとともに、他方の末端にリガンド導入用の官能基を有するポリエチレングリコール(ヘテロPEG)を開発し、報告している(非特許文献2参照)。このようなヘテロPEGに抗体、オリゴDNA、糖(糖鎖)等の種々のリガンドを導入すれば、分散した金ナノ粒子の表面にリガンドが提示されることとなり、実用的な診断・分析ナノ粒子として利用できると考えられる。
W. Peter Wuelfing, S. M. G., Deon T. Miles, Royce W. Murray; Journal of American Chemical Society; 1998; 120(48); p.12696−12697 Hidenori Otsuka, Y. A., Yukio Nagasaki, Kazunori Kataoka; Journal of American Chemical Society; 2001; 123(34); p.8226−8230 Tomomi Satomi, Koji Ueno, Hisatoshi Kobayashi, Junzo Tanaka, Yoshinori Mitamura, Tetsuya Tateishi, Hidenori Otsuka; Journal of Nanoscience and Nanotechnology; 2006; vol.6; p.1792−1796
ところで、非特許文献2に記載されているヘテロPEGは、単座配位子のように末端のチオール基の1点でのみ金ナノ粒子に配位するが、金ナノ粒子をより安定に分散させるためには、多座配位子のように多点で配位するものが好ましい。ここで、多点配位させるためには、チオール基を有する重合性モノマーをグラフト化することが考えられる。しかし、チオール基は反応性が高く、保護基を付けたとしても容易に脱保護され、架橋してしまうため、チオール基を有する重合性モノマーをグラフト化することは困難である。
一方、本件発明者らは、金ナノ粒子の表面を改質する表面改質剤として、一般式(I)で表される重合性モノマーと、一般式(II)で表される重合性モノマーとのグラフト共重合体を開発し、報告している(非特許文献3参照)。
このような表面改質剤は、ピリジル基が金ナノ粒子の表面に多点配位するため、金ナノ粒子をより安定に分散させることができるが、金ナノ粒子の表面を機能化することはできなかった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、改質対象となる材料の表面に多点配位し、かつ、該表面を機能化することが可能なグラフト共重合体に用いられる重合性モノマーの製造方法、及びその重合性モノマーを他の重合性モノマーと共重合させたグラフト共重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、以下のような本発明を完成するに至った。
[1]一般式(III)で表される重合性モノマー。
(式中、R1aは、重合性基を表し、R2aは、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、R3aは、末端にアジ基、フェニルアジ基、カルボキシル基、1級〜4級アミノ基、アセタール基、アルデヒド基、チオール基、ジスルフィド基、活性エステル基、トリアルコキシシリル基、及び重合性基から選ばれる官能基を有する有機基を表し、nは、5〜20000の任意の整数を表す。)
[2]前記R1aが一般式(IV)で表される基である[1]に記載の重合性モノマー。
(式中、R4aは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
[3]質量平均分子量が200〜80000である[1]又は[2]に記載の重合性モノマー。
[4]下記の(a)〜(e)の工程を順次行う、式(8)で表される重合性モノマーの製造方法。
(a)式(1)で表されるエチレングリコールの一方の末端の水酸基をテトラヒドロピラニル基で保護し、式(2)で表される化合物を得る第1の工程。
(b)式(2)で表される化合物とエチレンオキシドとを反応させ、式(3)で表される化合物を得る第2の工程。
(式中、nは、5〜2000の任意の整数を表す。)
(c)式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物とを反応させ、式(5)で表される化合物を得る第3の工程。
(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Msはメシル基を表す。)
(d)式(5)で表される化合物のテトラヒドロピラニル基を脱保護し、式(6)で表される化合物を得る第4の工程。
(e)式(6)で表される化合物と式(7)で表される化合物とを反応させ、式(8)で表される化合物を得る第5の工程。
(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
[5]一般式(III)で表される重合性モノマー(A)と、ピリジル基を有する重合性モノマー(B)と、のグラフト共重合体。
(式中、R1aは、重合性基を表し、R2aは、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、R3aは、末端にアジ基、フェニルアジ基、カルボキシル基、1級〜4級アミノ基、アセタール基、アルデヒド基、チオール基、ジスルフィド基、活性エステル基、トリアルコキシシリル基、及び重合性基から選ばれる官能基を有する有機基を表し、nは、5〜20000の任意の整数を表す。)
[6]前記重合性モノマー(B)が、一般式(V)で表される[5]に記載のグラフト共重合体。
(式中、R1bは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2bは、炭素数1〜7のアルキレン基を表す。)
[7]前記重合性モノマー(A)と前記重合性モノマー(B)とのモル比が、1:99〜99:1である[5]又は[6]に記載のグラフト共重合体。
[8]一般式(III)におけるR3aの末端の官能基を介してリガンドが結合した[5]〜[7]のいずれかに記載のグラフト共重合体。
[9][5]〜[8]のいずれかに記載のグラフト共重合体が表面に吸着して改質された被改質体。
[10][5]〜[8]のいずれかに記載のグラフト共重合体が吸着して表面改質されたナノ粒子の分散液。
[11][5]〜[8]のいずれかに記載のグラフト共重合体から形成されるミセルの疎水性コアを反応場とするナノ粒子の製造方法。
本発明で製造される重合性モノマーは、一方の末端に重合性基を有するとともに、他方の末端にリガンド導入が可能なアジ基を有する。したがって、この重合性モノマーとピリジル基を有する重合性モノマーとのグラフト共重合体を合成することで、改質対象となる材料の表面に多点配位し、かつ、該表面を機能化することが可能なグラフト共重合体を得ることができる。
本発明のグラフト共重合体の分散安定性(酸化しやすい条件下)を示す図である。 本発明のグラフト共重合体の選択凝集性を示す図(透過型電子顕微鏡画像)である。 本発明のグラフト共重合体の糖認識性を示す図(UVスペクトル)である。 本発明のグラフト共重合体の凝集性を示す図(UVスペクトル)である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、詳細に説明する。
[重合性モノマー(A)]
本発明の重合性モノマー(A)は、下記一般式(III)で表されるものである。
上記一般式(III)中、R1aは、重合性基を表す。重合性基としては、特に限定されるものではないが、例えば下記一般式(IV)で表される基、ビニル基、アリル基、スチリル基、ビニルフェニルアルコキシ基等が挙げられる。
(式中、R4aは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
これらの中でも、上記一般式(IV)で表される基が好ましく、R4aが水素原子又はメチル基である(メタ)アクリロイル基が好ましい。重合性モノマー(A)は、この重合性基を介して、他の重合性モノマーと共重合することができる。
2aは、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましい。
nは、5〜2000の任意の整数を表し、10〜500であることが好ましい。改質対象としてナノ粒子を用いる場合、このnの数を変化させることにより、ナノ粒子の溶媒中における分散安定性を制御することができる。
3aは、末端にアジ基、フェニルアジ基、カルボキシル基、1級〜4級アミノ基、アセタール基、アルデヒド基、チオール基、ジスルフィド基、活性エステル基、トリアルコキシシリル基、及び重合性基から選ばれる官能基を有する有機基を表す。この有機基は、アジ基等の官能基を有していればよく、特に限定されないが、例えば末端にアジ基等を有するアルキル基等が挙げられる。重合性モノマー(A)は、この末端の官能基を介して、リガンドを導入することができる。
本発明の重合性モノマー(A)は、質量平均分子量(GPCによる測定)が200〜80000であることが好ましく、500〜20000であることがより好ましい。重合性モノマー(A)の質量平均分子量を上記範囲とすることで、改質対象としてナノ粒子を用いた場合であっても、溶媒中でより安定に分散させることができる。
[重合性モノマー(A)の合成方法]
上記一般式(III)で表される本発明の重合性モノマー(A)のうち、R1aが上記一般式(IV)で表される基であり、R2aがエチレン基であり、R3aが末端にアジ基を有するアルキル基であるものは、例えば下記の(a)〜(e)の工程を順次行うことにより製造することができる。
(a)まず、下記式(1)で表されるエチレングリコールの一方の末端の水酸基をテトラヒドロピラニル基(THP基)で保護し、下記式(2)で表される化合物を得る。
(b)次に、式(2)で表される化合物とエチレンオキシドとを反応させ、式(3)で表される化合物を得る。
(式中、nは、5〜2000の任意の整数を表す。)
(c)次に、式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物とを反応させ、式(5)で表される化合物を得る。
(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Msはメシル基を表す。)
(d)次に、式(5)で表される化合物のテトラヒドロピラニル基を脱保護し、式(6)で表される化合物を得る。
(e)最後に、式(6)で表される化合物と式(7)で表される化合物とを反応させ、式(8)で表される化合物を得る。
(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
[グラフト共重合体]
本発明のグラフト共重合体は、上記一般式(III)で表される重合性モノマー(A)と、ピリジル基を有する重合性モノマー(B)と、をグラフト共重合させたものである。重合性モノマー(A)についての説明は省略する。
[重合性モノマー(B)]
重合性モノマー(B)は、重合性基を有する。重合性基としては、特に限定されるものではないが、例えば、重合性モノマー(A)と同様の基が挙げられる。
重合性モノマー(B)は、一般式(V)で表されることが好ましい。
ここで、R1bは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、水素基又はメチル基であることが好ましい。R2bは、炭素数1〜7のアルキレン基であり、炭素数2〜7のアルキレン基であることが好ましく、炭素数3〜5のアルキレン基であることがさらに好ましい。
[グラフト共重合体の合成方法]
本発明のグラフト共重合体は、重合性モノマー(A)と重合性モノマー(B)とからなる。重合性モノマー(A)と重合性モノマー(B)とのグラフト共重合に用いる重合開始剤は、特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の硫酸塩系重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の好適な使用量は、重合性モノマー(A)と重合性モノマー(B)との合計量に対して、0.1〜10質量%である。また、グラフト共重合体の分子量を調整するために、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、1−ブタンチオール等の連鎖移動剤を添加してもよい。
重合時間は、温度や所望の最終生成物の性質に依存するが、好ましくは30〜90℃、より好ましくは50〜70℃で、1〜48時間である。
グラフト共重合体の質量平均分子量(GPCによる測定)は、1000〜500000であることが好ましく、2000〜100000であることがより好ましい。なお、上記範囲とすることで、改質対象に界面安定性を付与することができる。
本発明のグラフト共重合体は、重合性モノマー(A)と重合性モノマー(B)とのモル比が、1:99〜99:1であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好ましい。重合性モノマー(A)と重合性モノマー(B)とのモル比を変化させることで、親疎水バランスを制御することができる。なお、上記範囲とすることで、改質対象となる材料の表面に安定に吸着させることができ、また、表面を改質された被改質体を溶媒中で安定に分散させることができる。
[グラフト共重合体の機能化]
本発明のグラフト共重合体は、上記一般式(III)におけるR3aの末端の官能基を介してリガンドを結合させることができる。リガンドとしては、各種糖(糖鎖)、抗体、ペプチド、オリゴDNA等が挙げられる。リガンドを結合させることにより、グラフト共重合体に種々の機能を付加することができる。
機能化は、上記一般式(III)におけるR3aの末端の官能基とリガンドとを反応させることにより行ってもよいし、リガンドに他の官能基を導入させた上で、該末端の官能基と反応させることにより行ってもよい。例えば、リガンドがラクトースの場合には、ラクトースにあらかじめアルキン基を導入した上で、グラフト共重合体が有する該末端の官能基と反応させる。
[機能化されたグラフト共重合体を用いた表面改質]
本発明のグラフト共重合体は、塩基性官能基であるピリジル基が改質対象である材料(被改質体)の表面に、多点配位により吸着する。この多点配位により、被改質体に安定に吸着することができる。被改質体は、塩基性官能基であるピリジル基が吸着しやすい酸性表面を有することが好ましい。酸性表面であれば、その種類や形態は限定されない。
被改質体としては、例えば、センサー、診断粒子、生体分子の分離基材、細胞培養基材等が挙げられる。
種類としては、例えば、シリカ、アルミナ等の金属酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム等の金属塩、カーボンブラック、メソポーラスカーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素素材、ガラスファイバー、カーボンファイバー等の無機繊維素材、金、銀、鉄、銅等の金属、半金属酸化物、半導体等が挙げられる。なお、金属の場合には、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト等の遷移金属が好ましい。また、該金属種は、1種類であっても、2種類以上であってもよい。還元反応の容易さや取り扱いの容易さの面から、金、銀、白金がさらに好ましい。
形態としては、基材やナノ粒子等が挙げられる。改質対象がナノ粒子である場合には、溶媒中に安定に分散させることができる。なお、溶媒は、水であっても、有機溶媒であってもよく、酸化しやすい条件や高イオン強度条件であってもよい。
本発明のグラフト共重合体を改質対象である材料の表面に吸着させる方法は、特に限定されないが、例えば、吸着法、ディップコート法等が挙げられる。
本発明のグラフト共重合体は、上記のように改質対象に安定に吸着することができる。したがって、例えば、ナノ粒子を改質対象とし、感染症やガンの標的細胞や組織を認識する機能を有する糖鎖や抗体をリガンドとして結合させたグラフト共重合体は、診断用の細胞・組織センシングプローブやアクティブ・ターゲティング・ドラックデリバリーシステム(能動的・標的指向性DDS)に好適に利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[重合性モノマー(A)の合成]
アルゴン雰囲気下、式(11)で表されるエチレングリコール(アルドリッチ製)12.0g(200mmol)に脱水ジクロロメタン(WAKO社製)20mlを添加した。次いで、パラトルエンスルホン酸一水和物(TsOH・HO)(アルドリッチ製)380mg(2mmol)を加え、これに3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(アルドリッチ製)8.41g(100mmol)を滴下ロートで10分間かけて添加し、1時間撹拌した。その後、少量のトリエチルアミン(TEA)(WAKO製)により反応を停止させ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、クロロホルム(WAKO製)にて3回抽出後、濃縮した。その濃縮液をカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカ(WAKO製),溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=2/1)により精製し、式(12)で表される化合物を得た(収量:6.72g,収率23%)。反応スキームを以下に示す。
式(12)で表される化合物146mg(1mmol)をアルゴン置換し、アルゴンフロー下で蒸留テトラヒドロフラン(THF)(WAKO製)を15ml入れ、カリウムナフタレン(アルドリッチ製)THF溶液(1.1mmol)を入れた。液体窒素中で冷却したエチレンオキシド(住友3M製)2.5ml(50mmol)をあらかじめ冷却したシリンジで採取し、重合容器に入れ、2日間撹拌した。ジイソプロピルエーテル(WAKO製)で再沈殿し、式(13)で表されるTHP−PEG−OHを得た(収量:2.09g,収率:95%)。反応スキームを以下に示す。
3−ブロモ−1−プロパノール(500mmol)をアルゴン置換し、脱水THFを添加後、アジ化ナトリウム12g(500mmol)を加えて120分撹拌し、式(14)で表されるアジドプロパノールを得た。アジドプロパノール13.7g(135mmol)をアルゴン置換し、脱水THF 250mlを添加した。TEA 20.6ml(148mmol)と塩化パラトルエンスルホニル(MsCl)(アルドリッチ製)11.5ml(148mmol)を加え、1時間撹拌した。セライト濾過の後、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、酢酸エチル(WAKO製)で抽出し、脱水硫酸マグネシウム(WAKO製)で脱水後、濃縮し、式(15)で表される化合物を得た(収量:24.0g,収率:99%)。反応スキームを以下に示す。なお、n(数平均重合度)は56であった。
式(13)で表されるTHP−PEG−OH 300mg(0.15mmol)をアルゴン置換し、脱水THF 6mLを添加後、水素化ナトリウム(NaH)(WAKO製)1.18mg(0.75mmol)加え、15分間撹拌した。式(15)で表されるメシルアジドプロパンエーテル1.269mg(1.5mmol)を加え、1日撹拌した。セライト濾過の後、30倍量のジイソプロピルエーテル(DIPE)(WAKO製)で再沈殿し、真空凍結乾燥により式(16)で表されるTHP−PEG−Nを回収した(収量:286mg,回収率:92%)。反応スキームを以下に示す。
アルゴン雰囲気下で、式(16)で表されるTHP−PEG−N 250mg(0.125mmol)をメタノール(MeOH)(WAKO製)30mlに溶解し、パラトルエンスルホン酸(TsOH)(WAKO製)2.4mg(0.0125mmol)を加え、1日撹拌した。その後、濃縮し、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタン(WAKO製)で4回抽出した。さらに濃縮後、ベンゼン(WAKO製)で希釈し、30倍量のDIPEにより再沈澱を行い、真空凍結乾燥により式(17)で表されるOH−PEG−Nを回収した(収量:231mg,回収率:91%)。反応スキームを以下に示す。
式(17)で表されるOH−PEG−N 200mg(0.1mol)をアルゴン置換し、脱水THFを添加後、NaH 12mg(0.5mmol)を加え、15分間撹拌した。蒸留無水メタクリル酸(アルドリッチ製)298μl(2mmol)を加え、1日撹拌した。セライト濾過後、30倍量のDIPEで再沈殿に精製を行い、真空凍結乾燥により式(18)で表される化合物を回収した(収量:185mg,収率:91%)。反応スキームを以下に示す。
[重合性モノマー(B)の合成]
<4−ピリジンプロパノール−メタクリレートの合成>
式(19)で表される4−ピリジンプロパノール(アルドリッチ社製)6.85g(50mmol)と、式(20)で表されるメタクリル酸(アルドリッチ社製)4.73g(55mmol)と、4−(1−ピロリジニル)ピリジン(アルドリッチ社製)740mg(5mmol)と、を脱水ジクロロメタン(WAKO社製)100mlに溶解後、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(アルドリッチ社製)11.3g(55mmol)を加え、室温で1時間反応させた。ろ過により、不溶性尿素を除去後、減圧下で溶媒を除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカ(WAKO社製)、溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)により、精製し、式(21)で表される4−ピリジンプロパノール−メタクリレートを得た(収量:8.5124g,収率82.8%)。反応スキームを以下に示す。
[グラフト共重合体(Py−g−PEG)の合成]
上記合成法により得られた式(18)で表される化合物(重合性モノマー(A))800mg(0.33mmol)と、同じく上記合成法により得られた式(21)で表される4−ピリジンプロパノール−メタクリレート(重合性モノマー(B))228mg(1mmol)と、AIBN 1.6mg(0.01mmol)と、をDMF 10mlに溶解し、凍結脱気を3回行った。その後、60℃で24時間撹拌した。20倍量の溶媒(ジエチルエーテル(アルドリッチ社製)/イソプロピルアルコール(WAKO社製)=体積比20/1)で再沈殿を行い、真空凍結乾燥により、式(22)で表されるグラフト重合体(Py(3)−g(25.8%)−PEG)を回収した(収量:638mg,収率:62%)。ここで、Py(3)とは、一般式(V)で表される重合性モノマー(B)のR2bのアルキレン基の炭素数が3であることを意味し、g(25.8%)とは、ポリエチレングリコール(PEG)とピリジン(Py)との共重合率が25.5%であることを意味する。反応スキームを以下に示す。
[Lac−propargylの合成]
式(23)で表されるD−ラクトース(アルドリッチ製)25g(73mmol)に、24当量のピリジン(WAKO製)141ml(1.75mol)と、無水酢酸(WAKO製)166ml(1.75mol)と、を加え、室温で3日間撹拌した。セライト濾過後、濃縮・真空乾燥を行い、クロロホルムに溶解させた。氷浴中で、ジエチルエーテルを少しずつ、結晶が析出するまで加えた。この結晶を再度、クロロホルムに溶解させ、ジエチルエーテルを少しずつ、結晶が析出するまで加えた。これを真空乾燥し、式(24)で表されるAc−lactoseを得た。
次に、アルゴン雰囲気下で、式(24)で表されるAc−lactose 10g(14.4mmol)に、脱水ジクロロメタン40mlを加え、0℃に冷却した。これに、プロパルギルアルコール(WAKO製)991mg(17.6mmol)を加え、Ac−lactoseに対して3当量の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(WAKO製)5.91ml(44.1mmol)をゆっくりと滴下し、0℃で1時間撹拌後、常温で1日撹拌した。これをクロロホルムで希釈し、水、炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインの順で洗浄し、脱水硫酸マグネシウムを加え、濾過後、濃縮した。これを少量のDMFに溶解させ、アルゴン雰囲気下、60℃で0.5当量の酢酸ヒドラジン(WAKO製)を678mg(7.35mmol)加え、30分間撹拌した。これに、少量の炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水で希釈後、酢酸エチルで3回抽出し、水で3回、ブラインで洗浄し、脱水硫酸マグネシウムを加え、濾過後、濃縮した。これをカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカ(WAKO製),溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=3/4)により、精製し、真空乾燥後、式(25)で表されるAc−lactose−propargylを得た。
次に、アルゴン雰囲気下で、式(25)で表されるAc−lactose−propargyl 1.65g(2.43mmol)に、メタノール8mlと、ナトリウムメトキシド(アルドリッチ製)262mg(4.86mmol)と、を加え、1日撹拌した。これに陽イオン交換樹脂を加え、セライト濾過後、軽く濃縮し、結晶が析出するまでジエチルエーテルを加えた。これを濾過し、真空乾燥し、式(26)で表されるLac−propargylを得た(収量:836mg,収率:33%(最終生成物))。反応スキームを以下に示す。
[ラクトース修飾グラフト共重合体の合成]
上記合成法により得られた式(22)で表されるグラフト共重合体(Py(3)−g(25.8%)−PEG)200mg(0.008mmol)と、式(26)で表されるLac−propargyl 135mg(0.37mmol)と、をt−ブチルアルコール(WAKO製)7mlと、水4mlと、に溶解させた。硫酸銅(II)五水和物(WAKO製)18.2mg(0.073mmol)と、アスコルビン酸ナトリウム(WAKO製)28.9mg(0.146mmol)と、をそれぞれ水1.5mlに溶解させてから加え、2日間撹拌した。これを濃縮し、5日間の透析後、真空凍結乾燥により、式(27)で表されるPy(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseを回収した(収量:205mg,収率:92%)。反応スキームを以下に示す。
[分散安定性の検討]
上記と同様の方法により合成されたPy(1)−g(20.5%)−PEG、Py(3)−g(22.3%)−PEG、Py(5)−g(64.1%)−PEG、及びSH−PEG−MeO(日本油脂社製、No.4E4E0F02)を用いて高分子ミセル溶液(0.2mg/ml)をそれぞれ形成した。これらの高分子ミセル溶液3mlに、塩化金酸(アルドリッチ社製)を0.2Mになるように混合し、室温にて24時間撹拌した。その後、還元剤としてヒドラジン(WAKO社製)水溶液50μl(0.1mg/ml)を加えて、反応させた。次いで、反応後の溶液に0.1MのKBrを加え、酸素を通気し、試験溶液を得た。これらの試験溶液について、金ナノ粒子の最大吸収波長(540nm)における吸光度を経時的に測定することで、金ナノ粒子の分散安定性を評価した。結果を図1に示す。
本発明のグラフト共重合体であるPy(1)−g(20.5%)−PEG、Py(3)−g(22.3%)−PEG、及びPy(5)−g(64.1%)−PEGを用いて調製した金ナノ粒子は、代表的な表面改質剤であるSH−PEG−MeOを用いて調製した金ナノ粒子に比して、非常に優れた分散安定性を示した。また、この分散安定性は、一般式(V)で表される重合性モノマー(B)のR2bのアルキレン基の炭素数が多いほど、高まることが確認された。
[選択凝集性の検討]
Py(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseと、Py(3)−g(25.8%)−PEG−Mannoseと、を用いて形成した高分子ミセルの疎水性コアをナノ反応場として利用し、金ナノ粒子の調製を行った。
<ラクトースを表面に有する金ナノ粒子(5nm)>
Py(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseを、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(WAKO製)に溶解し、透析膜(分画分子量約10000)に入れ、DMAに対して300倍量の水に対して、4日間透析を行うことでミセルを形成させた。このミセル溶液3ml(0.2mg/ml)に、塩化金酸(アルドリッチ社製)を0.2mMになるように混合し、室温にて24時間撹拌した。その後、還元剤としてヒドラジン(WAKO社製)水溶液50μl(0.1mg/ml)を加えて、反応させた。
<ラクトースを表面に有する金ナノ粒子(40nm)>
Py(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseを、DMAに溶解し、透析膜(分画分子量約10000)に入れ、DMAに対して300倍量の水に対して、4日間透析を行うことでミセルを形成させた。この溶液3ml(0.2mg/ml)に、塩化金酸(アルドリッチ社製)を0.6mMになるように混合し、室温にて24時間撹拌した。その後、還元剤としてヒドラジン(WAKO社製)水溶液50μl(0.1mg/ml)を加えて、反応させた。
<マンノースを表面に有する金ナノ粒子(40nm)>
Py(3)−g(25.8%)−PEG−Mannoseを、DMAに溶解し、透析膜(分画分子量約10000)に入れ、DMAに対して300倍量の水に対して、4日間透析を行うことでミセルを形成させた。この溶液3ml(0.2mg/ml)に、塩化金酸(アルドリッチ社製)を0.6mMになるように混合し、室温にて24時間撹拌した。その後、還元剤としてヒドラジン(WAKO社製)水溶液50μl(0.1mg/ml)を加えて、反応させた。なお、Py(3)−g(25.8%)−PEG−Mannoseは、Py(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseと同様の方法により糖鎖を修飾させて得た。
上記方法により調製した金ナノ粒子の凝集性の確認を、透過型電子顕微鏡(TEM)(HITACHI H―9500、HITACHI社製)にて行った。
ラクトースを表面に有する金ナノ粒子(40nm)とラクトースを表面に有する金ナノ粒子(5nm)に対して20mg/mL濃度のRCA120レクチンを添加したところ、8時間後の凝集はラクトースを表面に有する金ナノ粒子(40nm)とラクトースを表面に有する金ナノ粒子(5nm)の混合凝集であった(図2(A))。
マンノースを表面に有する金ナノ粒子(40nm)とラクトースを表面に有する金ナノ粒子(5nm)に対して20mg/mL濃度のRCA120レクチンを添加したところ、8時間後の凝集はラクトースを表面に有する金ナノ粒子(5nm)だけの選択的凝集であった(図2(B))。
マンノースを表面に有する金ナノ粒子(40nm)とラクトースを表面に有する金ナノ粒子(5nm)に対して20mg/mL濃度のRCA120レクチンと20mg/mL濃度のConAレクチンを添加したところ、8時間後の凝集はマンノースを表面に有する金ナノ粒子(40nm)だけの凝集とラクトースを表面に有する金ナノ粒子(5nm)だけの凝集が別々に形成する選択的凝集であった(図2(C))。
[糖認識性の検討]
上記合成方法により得られたPy(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseを用いて形成した高分子ミセルの疎水性コアをナノ反応場として利用し、金ナノ粒子の調製を行った。調製方法は、上記と同様とした。
Py(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseを、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(WAKO製)に溶解し、透析膜(分画分子量約10000)に入れ、DMAに対して300倍量の水に対して、4日間透析を行うことでミセルを形成させた。このミセル溶液3ml(0.2mg/ml)に、塩化金酸(アルドリッチ社製)を0.2mMになるように混合し、室温にて24時間撹拌した。その後、還元剤としてヒドラジン(WAKO社製)水溶液50μl(0.1mg/ml)を加えて、反応させた。
Py(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseで被覆された金ナノ粒子分散液に、ガラクトースを特異的に認識するレクチンであるRCA120レクチン(WAKO製)を5,10,20,50mg/ml添加し、それぞれの8時間後のUVスペクトルを紫外可視球光分光光度計(Agilent 8453A Diod Array,Agilent社製)にて測定した(図3参照)。
図3のaは、RCA120レクチン未添加、bは5mg/ml添加、cは10mg/ml添加、dは20mg/ml添加、eは50mg/ml添加、fはeに過剰量のラクトースを添加し、再分散させたときの溶液を示す。
Py(3)−g(25.8%)−PEG−Lactoseで被覆された金ナノ粒子は、当初、分散状態であったが、RCA120レクチンを添加すると凝集し、過剰量のフリーのラクトースを添加すると再分散した。
aからeへの吸光度変化は、分散状態の金ナノ粒子が、粒子表面のラクトースとレクチンとの相互作用により、凝集したことを示している。また、eからfへの吸光度変化は、フリーのラクトースを添加することにより、金ナノ粒子が再分散したことを示している。このことから、本発明のグラフト共重合体による糖認識性は、可逆的であることがわかった。
[凝集性の検討]
<連鎖移動剤(CDB)の合成>
マグネシウム(12.7mmol,310mg)を二径ナスフラスコ中、減圧下でよく撹拌させてから、Ar置換をし、THFを加えた。式(28)で表されるブロモベンゼン(12.7mmol,1eq,1.33ml)をゆっくり加え、室温で1時間、60℃で15分間撹拌させた。次に、氷浴中で二硫化炭素(14.0mmmol,1.1eq,846μl)をゆっくり加え、0℃で1.5時間、室温で30分間撹拌させた。これを氷水に入れ、1N HClで酸性化させてからジエチルエーテルで抽出した。MgSOで乾燥、ろ過してから濃縮、真空乾燥させた(式(29)で表されるDTBAの生成)。DTBA(6.13mmol,946mg)をCClに溶かしてから二径ナスフラスコに入れ、次いでα−メチルスチレン(9.19mmol,1.5eq,1.19ml)、トシル酸一水和物(290mg)を加え、Ar雰囲気下で一晩加熱還流させた。反応物をクロロホルムで薄め、NaHCOaqで2回、NaClaqで1回洗浄した。MgSOで乾燥、ろ過してから濃縮、真空乾燥させた。粗生成物をカラム(Hexane)にかけ、濃縮、真空乾燥させて、式(30)で表されるCDBを得た。反応スキームを以下に示す。
CDBのH NMRの結果を以下に示す。
H NMR(CDCl):δ
7.85(2H,dd,J=8.2,1.2Hz)
7.56−7.54(2H,m)
7.47(1H,dq,J=11.4,2.7Hz)
7.34−7.30(4H,m)
7.22(1H,tt,J=7.3,1.3Hz)
2.01(6H,s)
<グラフト共重合体(Py−g−PEG)の合成>
上記合成法により得られた式(21)で表される4−ピリジンプロパノール−メタクリレート(重合性モノマー(B))と、式(31)で表される化合物(重合性モノマー(A):Hetero−PEG)と、式(32)で表される化合物(重合性モノマー(A):MeO−PEG)と、式(30)で表される連鎖移動剤であるCDBと、AIBNとをDMFに溶解し、凍結脱気を3回行った。その後、60℃で24時間撹拌した。20倍量の溶媒(ジエチルエーテル(アルドリッチ社製)/イソプロピルアルコール(WAKO社製)=体積比20/1)で再沈殿を行い、真空凍結乾燥により、式(33)で表されるグラフト重合体(Py−g−PEG)を回収した。反応スキームは以下に示す。また、合成したグラフト重合体(Py−g−PEG)の組成を表1に示す。
<ラクトース修飾グラフト共重合体の合成>
上記合成法により得られた式(33)で表されるグラフト共重合体(Py−g−PEG)と、式(26)で表されるLac−propargylと、を水に溶解させた。硫酸銅(II)五水和物(WAKO製)と、アスコルビン酸ナトリウム(WAKO製)とをそれぞれ水に溶解させてから加え、2日間撹拌した。これを濃縮し、5日間の透析後、真空凍結乾燥により、式(34)で表されるPy−g−PEG−Lactoseを回収した。反応スキームを以下に示す。また、合成したグラフト重合体(Py−g−PEG)の数平均分子量(Mn)、分散度(Mw/Mn)、PEGとPyとの共重合比率(PEG/Py)、PEG及びPyのユニット数、Hetero−PEGとMeO−PEGとの割合を表2に示す。なお、数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)により、PEGとPyとの共重合比率(PEG/Py)、PEG及びPyのユニット数、Hetero−PEGとMeO−PEGとの割合は、NMRにより測定した。
<金ナノ粒子の調製>
クエン酸還元法により調製した0.2mMの金コロイド溶液16mlに、表2に示すPy−g−PEG−Lactose(0.5mg/ml)を4ml添加し、3日間振とうした。その後、超遠心分離(50000rpm,10min)により未吸着のPy−g−PEG−Lactoseを除去し、沈澱した金ナノ粒子をPBS緩衝液(150mM NaCl)にて、超遠心分離(50000rpm,10min)を3回繰り返すことにより洗浄し、Py−g−PEG−Lactoseで被覆された金ナノ粒子を調製した。この金ナノ粒子の分散液に、ガラクトースを特異的に認識するRCA120レクチン(WAKO製)を20μg/ml、又はマンノースを特異的に認識するレクチンであるConA(コスモバイオ製)を50μg/mlになるように添加し、UVの最大吸収波長の変化からPy−g−PEG−Lactoseで被覆された金ナノ粒子の凝集性を評価した(図4参照)。なお、ConAは、Py−g−PEG−Lactose(A)で被覆された金ナノ粒子の分散液に添加した(図では、A’とした)。UVスペクトルの測定には、紫外可視球光分光光度計(Agilent 8453A Diod Array,Agilent社製)を用いた。
Py−g−PEG−Lactoseで被覆された金ナノ粒子は、当初、分散状態であったが、RCA120レクチンを添加すると時間の経過とともに凝集した。また、ラクトースの導入に必要な官能基であるアジ基を有するHetero−PEGの割合が多いほど、高い凝集性を示した(A〜D)。これに対し、ConAを添加したものは凝集性を示さなかった(A’)。なお、図示していないが、Hetero−PEGを含まないものは、凝集性を示さなかった(E)。

Claims (7)

  1. 下記の(a)〜(e)の工程を順次行う、式(8)で表される重合性モノマーの製造方法。
    (a)式(1)で表されるエチレングリコールの一方の末端の水酸基をテトラヒドロピラニル基で保護し、式(2)で表される化合物を得る第1の工程。
    (b)式(2)で表される化合物とエチレンオキシドとを反応させ、式(3)で表される化合物を得る第2の工程。
    (式中、nは、5〜2000の任意の整数を表す。)
    (c)式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物とを反応させ、式(5)で表される化合物を得る第3の工程。
    (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Msはメシル基を表す。)
    (d)式(5)で表される化合物のテトラヒドロピラニル基を脱保護し、式(6)で表される化合物を得る第4の工程。
    (e)式(6)で表される化合物と式(7)で表される化合物とを反応させ、式(8)で表される化合物を得る第5の工程。
    (式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
  2. 式(8)で表される重合性モノマー(A)と、一般式(V)で表される重合性モノマー(B)と、のグラフト共重合体。
    (式中、 は、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、nは、5〜20000の任意の整数を表す。)
    (式中、R 1b は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R 2b は、炭素数1〜7のアルキレン基を表す。)
  3. 前記重合性モノマー(A)と前記重合性モノマー(B)とのモル比が、1:99〜99:1である請求項に記載のグラフト共重合体。
  4. 式(8)におけるアジ基を介してリガンドが結合した請求項2又は3に記載のグラフト共重合体。
  5. 請求項のいずれかに記載のグラフト共重合体が表面に吸着して改質された被改質体。
  6. 請求項のいずれかに記載のグラフト共重合体が吸着して表面改質されたナノ粒子の分散液。
  7. 請求項のいずれかに記載のグラフト共重合体から形成されるミセルの疎水性コアを反応場とするナノ粒子の製造方法。
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