JP4026647B2 - 金属固定高分子会合体とその製造方法 - Google Patents

金属固定高分子会合体とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4026647B2
JP4026647B2 JP2005030451A JP2005030451A JP4026647B2 JP 4026647 B2 JP4026647 B2 JP 4026647B2 JP 2005030451 A JP2005030451 A JP 2005030451A JP 2005030451 A JP2005030451 A JP 2005030451A JP 4026647 B2 JP4026647 B2 JP 4026647B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
polymer
poly
aggregate
skeleton
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005030451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006213887A (ja
JP2006213887A5 (ja
Inventor
光一郎 松木
承澤 李
仁華 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2005030451A priority Critical patent/JP4026647B2/ja
Publication of JP2006213887A publication Critical patent/JP2006213887A/ja
Publication of JP2006213887A5 publication Critical patent/JP2006213887A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4026647B2 publication Critical patent/JP4026647B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Description

本発明は金属とポリエチレンイミン鎖に親水性ポリマー鎖と疎水性ポリマー鎖が結合した自己組織化高分子からなる金属固定高分子会合体、及び該金属固定高分子会合体の製造方法に関する。
金属コロイドは1から数百ナノメートルの粒径を有するナノ粒子であり、その比表面積が著しく大きいことから、多分野から着目され、触媒、電子材料、磁気材料、光学材料、各種センサー、色材、医療検査用途等への応用が期待されている。また金属がナノサイズまで小さくなると表面エネルギーが増大するため、粒子表面での融点降下が生じるという性質を有する。よって金属コロイドを安定化するためには必ず保護剤で保護する必要がある。
金属コロイドの生成方法は溶液法や気相法等があるが、いずれの場合にも保護材の使用が不可欠である。これまでに様々な保護剤が提案されているが、一般的に界面活性剤より高分子化合物の方が保護剤としての効果があることが知られている。特にゼラチン、アルブミン等のたんぱく質や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子が保護剤として用いられた例が報告されている(特許文献1参照)。しかしながら水溶性高分子を保護剤とする金属コロイドは保存安定性が悪く、特に保護剤が凝集し易い粒子であった。また保護剤は金属コロイドの表面に物理的又は化学的に吸着又は結合しているが、このような水溶性高分子は金属コロイド表面との結合力に乏しいため金属コロイドを安定に保護できないという欠点があった。
金属コロイドを安定に保護する試みとして、ポリジエチルアミノエチルメタクリレート−ポリグリセロールモノメタクリレート−ポリエチレングリコール(PDEA−PGMA−PEG)のトリブロックコポリマーを使用した高分子会合体を使用する方法が開示されている(非特許文献1参照)。該トリブロックコポリマーによる高分子会合体は、PDEA鎖がコア部、PEG鎖が水中への分散安定性を担うシェル層を形成し、その中間にPGMA鎖からなる中間層を有する。該会合体は、PDEA鎖中のアミノ基によりコア部に金属コロイドを固定化し、該コア部周囲の中間層を形成するPGMA鎖の相互架橋により会合体形状を保持するものである。しかし、該会合体は、そのコアを形成するPDEA鎖が親水性のポリマー鎖であるため水中での会合力に乏しく、会合体形状を不安定にする要因を有していた。また、コア部に金属コロイドを固定するためには、実質的に会合体形状を保持している中間層の架橋密度を上げることができず、該会合体の保存安定性の向上には限界があった。
安定したコアを有する高分子会合体の例として、ポリスチレン粒子やポリメタクリル酸メチル粒子表面にポリアリルアミンやポリメタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル等のアミノ基含有ポリマーをグラフトした高分子を用いた報告がある。(非特許文献2、3、4参照。)しかし、これらの高分子会合体はシェル中で金属コロイドが生成するものであるため、金属コロイドの生成の際にシェル中の分子鎖が収縮するために分散安定性が悪化するのを避ける事ができなかった。
特開平8−27307 S.Liu, J.V.M.Weaver, M.Save, S.P.Armes, Langmuir 2002, 18, 8350. J.H.Youk, Polymer 2003, 44, 5053. Y.Mei, A.Wittemann, G.Sharma, M.Ballauff, Th.Koch, H.Gliemann, J.Horbach, Th.Schimmel, Macromolecules 2003, 36, 3452. G.Sharma, M.Ballauff, Macromolecules 2004, 25, 547.
本発明が解決しようとする課題は、各種媒体中で高い保存安定性と、優れた分散安定性とを有する金属固定高分子会合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高い分散性を有する層と、金属を固定する層、会合体の会合力を長く保持する層による3層構造の高分子会合体中に金属を固定した金属固定高分子会合体が上記課題を克服できる事を見出し。本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、ポリアルキレンイミン鎖(a)に、親水性ポリマー鎖(b)と、疎水性ポリマー鎖(c)とが結合した三元共重合体(X)が形成する高分子会合体中のポリアルキレンイミン鎖(a)に金属(Y)が固定化された金属固定高分子会合体を提供する。
さらに本発明は、ポリアルキレンイミン鎖(a)と、親水性ポリマー鎖(b)と、疎水性ポリマー鎖(c)とを有する三元共重合体(X)からなる高分子会合体が分散した水性媒体中に、金属(Y)の塩又はイオン溶液を加えて、前記高分子会合体中のポリアルキレンイミン鎖(a)に金属イオン(Y’)を配位させ、金属イオン(Y’)の自発還元又は必要に応じて還元剤により還元させて金属(Y)を固定化することを特徴とする金属固定高分子会合体の製造方法を提供する。
本発明の金属固定高分子会合体は、ポリアルキレンイミン鎖(a)に金属を安定に固定することが可能であり、且つ金属コロイドが生成することによってポリエチレンイミン鎖の収縮等に伴うモルフォルジー変化が生じても、ポリエチレンイミン鎖に結合した親水性ポリマー鎖(b)と疎水性ポリマー鎖(c)が、分散媒との高い親和力と、疎水性ポリマー鎖の相互作用による強い会合力によって優れた自己組織化能力を発現するため、分散媒中で長期に渡り安定な分散状態を保持できる高機能自己組織化ハイブリッド材料である。
また得られる金属固定高分子会合体は、1個の金属コロイド粒子を1個の高分子会合体中に保持することも可能であるが、1個の高分子会合体中に複数個の金属コロイド粒子を固定することも可能であり、その量をコントロールできる。従って種々の金属が有する化学的、電気的、磁気的特徴や、比表面積が大きい、表面エネルギーが高い、プラズモン吸収を有する等のコロイドとしての特徴、さらに自己組織化高分子会合体が有する分散性、保存安定性等の性質を効率よく発現できるため、多岐にわたる分野、例えば触媒、電子材料、磁気材料、光学材料、各種センサー、色材、医療検査用途等への応用が可能な金属固定高分子会合体である。
本発明の金属固定高分子会合体は、ポリアルキレンイミン鎖(a)に、親水性ポリマー鎖(b)と、疎水性ポリマー鎖(c)とが結合した三元共重合体(X)が形成する高分子会合体中のポリアルキレンイミン鎖(a)に金属(Y)が固定化されたものである。
本発明において使用する三元共重合体(X)を構成するポリアルキレンイミン鎖(a)は、金属が配位可能であり、金属(Y)を金属結晶粒子または金属コロイドとして固定化できる高分子鎖である。構造は二級アミンのアルキレンイミン単位を主な繰り返し単位とするポリマーであり、直鎖構造、分岐構造のいずれであってもよい。目的とする高分子会合体の粒径等に応じて直鎖構造、又は分岐構造を選択することができる。また粒径は高分子の構造だけでなく、ポリアルキレンイミン鎖(a)、親水性ポリマー鎖(b)、疎水性ポリマー鎖(c)の組成比の影響も大きく受けるため、構造面からのみアプローチすることはできないが、一般的には、比較的大粒径の場合は直鎖構造が好ましく、小粒径の場合は分岐構造が好ましい。
ポリアルキレンイミン鎖(a)の重合度は特に限定されるものではないが、低すぎると金属(Y)の固定が不十分であり、高すぎると高分子会合体が巨大粒子となるため、保存安定性に支障をきたすこととなる。しかし一般的に考えられる範囲の重合度であれば特に問題が生じることはない。得られる金属固定高分子会合体中の金属コロイドの固定化能力や高分子会合体の粒系の巨大化を防ぐ能力等がより優れた金属固定高分子会合体を得るためには、本発明の金属固定高分子会合体を構成するポリアルキレンイミン鎖(a)の重合度は3〜1000の範囲であることが好ましく、5〜500の範囲であることがより好ましい。
ポリアルキレンイミンは一般的に市販、又は合成可能な構造であれば、特に限定されることなく好適に使用することができる。中でも特に好ましい例を挙げるならば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等がよい。
本発明において使用する三元共重合体(X)を構成する親水性ポリマー鎖(b)は、三元共重合体(X)を水等の親水性溶媒中に分散した場合には、溶媒との高い親和性を有し、高分子会合体を形成した際に分散安定性を保持する高分子鎖である。また疎水性溶媒中に分散した場合は、疎水性ポリマー鎖相互間の強い会合力により高分子会合体のコアを形成する役割を有する高分子鎖である。親水性ポリマー鎖(b)の重合度は特に限定されるものではないが、親水性溶媒中に分散させる場合は、重合度が低すぎると分散安定性が悪化し、高すぎると会合体同士が凝集してしまう可能性が考えられる。また疎水性溶媒中に分散させる場合は、重合度が低すぎると高分子会合体の会合力が乏しくなり、高すぎると溶媒との親和性が保持できなくなる。しかし一般的に考えられる範囲の重合度であれば特に問題が生じることはない。得られる金属固定高分子会合体の会合力、及び分散安定性がより優れた金属固定高分子会合体を得るためには、本発明の金属固定高分子会合体を構成する親水性ポリマー鎖(b)の重合度は3〜1000が好ましい。
親水性ポリマー鎖(b)は一般的に市販、又は合成可能な親水性ポリマー鎖であれば特に限定されることなく好適に使用することができる。特に好ましい例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の如きポリアルキレンエーテル類、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール等の如きポリビニルアルコール類、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の如き水溶性のポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリアセチルエチレンイミン、ポリアセチルプロピレンイミン、ポリプロピオニルエチレンイミン、ポリプロピオニルプロピレンイミン等の如き親水性置換基を有するポリアシルアルキレンイミン類、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の如きポリアクリルアミド類等が挙げられる。
本発明において使用する三元共重合体(X)を構成する疎水性ポリマー鎖(c)は、三元共重合体(X)を水等の親水性溶媒中に分散した場合には、疎水性ポリマー鎖相互間の強い会合力により高分子会合体のコアを形成し、高分子会合体の強い会合力を担う役割を有する高分子鎖である。また疎水性溶媒中に分散した場合は、溶媒との高い親和性を有し、高分子会合体を形成した際に分散安定性を保持する高分子鎖である。疎水性ポリマー鎖(c)の重合度は特に限定されるものではないが、親水性溶媒中に分散させる場合は、低すぎると分散安定性が悪化し、高すぎると会合体同士が凝集してしまう可能性が考えられる。また疎水性溶媒中に分散させる場合は、低すぎると高分子会合体の会合力が乏しくなり、高すぎると溶媒との親和性が保持できなくなる。しかし一般的に考えられる範囲の重合度であれば特に問題が生じることはない。得られる金属固定高分子会合体の会合力、及び分散安定性がより優れた金属固定高分子会合体を得るためには、本発明の金属固定高分子会合体を構成する疎水性ポリマー鎖(c)の重合度は3〜1000の範囲であることが好ましく、5〜500の範囲であることがより好ましい。
疎水性ポリマー鎖(c)は一般的に市販、又は合成可能な疎水性ポリマー鎖であれば特に限定されることなく好適に使用することができる。特に好ましい例として、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリブロモメチルスチレン等の如きポリスチレン類、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシルエステル、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、等の如き非水溶性のポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリベンゾイルエチレンイミン、ポリベンゾイルプロピレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルプロピレンイミン、ポリ(N−(3−(パーフルオロオクチル)プロピオニル)エチレンイミン)、ポリ(N−(3−(パーフルオロオクチル)プロピオニル)プロピレンイミン)等の如き疎水性置換基を有するポリアシルアルキレンイミン類等を挙げることができる。
さらに疎水性ポリマーの代表的な例としてエポキシ樹脂類を挙げる事ができ、特に下記式(1)で表されるエポキシ樹脂は、その構造制御により、各種構造が有する特性を金属固定高分子会合体に付与できるため好ましい。
Figure 0004026647
さらにその構造例を詳細に示すと、上記式(1)中の置換基Xの例として、メチル基を有していてもよいキサンテン残基、具体的には、後述するキサンテン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基が挙げられ、なかでも、下記式(10)で表されるキサンテン骨格を有する二価の基は、溶解性が高いため好ましい。
Figure 0004026647
又は、下記式(11)
Figure 0004026647
(式(10)及び式(11)中、Aは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、p、p、p、pは各々独立して0〜3の整数を表し、p、pは各々独立して0〜2の整数を表す。)
上記式(1)中の置換基Xの例として、メチル基を有していてもよいビフェニレン残基、具体的には、後述するビフェニレン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基が挙げられ、なかでも、下記式(12)で表されるビフェニレン骨格を有する二価の基は、耐熱性が高いため好ましい。
Figure 0004026647
(式(12)中、R、Rは、メチル基を表し、p、pは各々独立して0〜4の整数を表す。)
上記式(1)中の置換基Xの例として、メチル基またはハロゲン原子を有していてもよいビスフェノール残基、具体的には、後述するジフェニルアルカン骨格またはジフェニルスルフォン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基が挙げられ、なかでも、下記式(13)で表されるビスフェノール骨格を有する二価の基は、溶解性が高いため好ましい。
Figure 0004026647
(式(13)中、Bは−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(C)−または−SO−を表し、R、R10はメチル基またはハロゲン原子を表し、p、p10は各々独立して0〜4の整数を表す。)
また、上記式(1)で表されるエポキシ樹脂中の置換基Xの例として、メチル基を有していてもよいキサンテン残基、具体的には、後述するキサンテン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物、又はキサンテン骨格を有する芳香族ジグリシジル化合物を由来とする二価の基が挙げられ、なかでも、上記式(10)又は(11)で表される二価の基は耐熱性と溶解性が高いため好ましい。
上記式(1)中の置換基Xの例として、メチル基を有していてもよいビフェニレン残基、具体的には、後述するビフェニレン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物、又はビフェニレン骨格を有する芳香族ジグリシジル化合物を由来とする二価の基が挙げられ、なかでも、上記式(12)で表される二価の基は耐熱性が高いため好ましい。
上記式(1)中の置換基Xの例として、メチル基またはハロゲン原子を有していてもよいビスフェノール残基、具体的には、後述するジフェニルアルカン骨格またはジフェニルスルフォン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物、又はジフェニルアルカン骨格またはジフェニルスルフォン骨格を有する芳香族ジグリシジル化合物を由来とする二価の基が挙げられ、なかでも、上記式(13)で表される二価の基は溶解性が高いため好ましい。
上記式(1)中の置換基Xの例として、水素添加ビスフェノール残基、具体的には、後述するジシクロヘキシルアルカン骨格を有する脂肪族ジグリシジル化合物を由来とする二価の基が挙げられ、なかでも下記式(14)で表される二価の基は溶解性と耐候性が高いため好ましい。
Figure 0004026647
(式(14)中、Dは−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−C(CH)(CHCH)−または−C(CH)(C)−を表し、R11、R12はメチル基またはハロゲン原子を表し、p11、p12は各々独立して0〜4の整数を表す。)
上記式(1)中の置換基Xの例として、アルキレン残基やポリオキシアルキレン残基、具体的には、後述するアルキレン骨格やポリオキシアルキレン骨格を有するジグリシジル化合物を由来とする二価の基があげられ、なかでも下記式(15)〜(17)で表される二価の基は柔軟性が高いため、それぞれ好ましく例示できる。
Figure 0004026647
Figure 0004026647
(式(16)中、qは0〜100の整数を表す。)
Figure 0004026647
(式(17)中、sは0〜100の整数を表す。)
上記に例示したようなX、Xは共に、繰り返し単位毎に異なっていても、またXとXとが同一であっても異なっていてもよい。X、X共に一分子中で選択する構造数に制限はないが、各々2種程度あれば、目的とする用途に適した性質を高分子会合体に付与することができる。
以上に挙げた疎水性ポリマー鎖(c)の代表例のなかでも、ポリクロロメチルスチレン、ポリブロモメチルスチレン、ポリ(メタ)アクリロイルエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルプロピレンイミン、及びエポキシ樹脂類等は、ポリアルキレンイミン鎖(a)及び親水性ポリマー鎖を側鎖に導入して、櫛型のブロックコポリマーを形成し、会合力の高い高分子会合体となる事ができる点で好ましい。
また、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等は直鎖状のブロックコポリマーであり、工業的にコスト面、取り扱いの容易さだけでなく、疎水性会合力の高さ等総合的に判断して好ましい疎水性ポリマーである。
本発明の金属固定高分子会合体を構成する三元共重合体(X)は、ポリアルキレンイミン鎖(a)に、親水性ポリマー鎖(b)と、疎水性ポリマー鎖(c)とが結合した共重合体であり、金属が安定に固定でき、且つ溶媒中で保存安定性の高い高分子会合体を形成できる能力を有している。ポリアルキレンイミン鎖(a)、親水性ポリマー鎖(b)、及び疎水性ポリマー(c)の詳細については上述した通りである。本三元共重合体は上述したポリアルキレンイミン鎖(a)、親水性ポリマー鎖(b)、及び疎水性ポリマー(c)それぞれの成分の組み合わせによって、直鎖型の三元共重合体と櫛型の三元共重合体を用いる事ができる。
該三元共重合体(X)の合成方法は、公知一般の合成方法を用いればよく、特に限定される方法ではない。数少ない例であるが代表的な方法として、リビング重合を用いる方法がある。リビングラジカル重合、リビングアニオン重合、配位アニオン重合、リビングカチオン重合、グループトランスファー重合(GTP)、原子移動ラジカル重合(ATRP)、イモータル重合等を用いる事ができる。
またポリアルキレンイミン鎖の合成は汎用的な方法で行ってよく、特に限定される方法ではない。一般的にはポリアシル化アルキレンイミン鎖の合成を経て、三元共重合体を合成した後、加水分解によりポリアルキレンイミン鎖を得る方法が好ましい。
重合順序は用いる重合方法、使用する開始剤等重合条件によって異なる。直鎖型三元共重合体の一般的な合成例として、上述したようなリビング重合によって、まず疎水性ポリマー鎖を合成し、続いてポリアシル化アルキレンイミン鎖、そして親水性ポリマー鎖を合成することによって三元共重合体を得た後、加水分解によりポリアルキレンイミン鎖を有する三元共重合体を合成する方法等が挙げられる。
同様に上述したようなリビング重合によって、まず親水性ポリマー鎖を合成し、続いてポリアシル化アルキレンイミン鎖、そして疎水性ポリマー鎖を合成することによって三元共重合体を得た後、加水分解によりポリアルキレンイミン鎖を有する三元共重合体を合成する方法等が挙げられる。
また直鎖型三元共重合体の一般的な2つ目の合成例として、リビング重合によって合成した高分子の活性リビング末端と、末端官能性高分子の縮合反応を組み合わせた合成例を挙げる事が出来る。例えば、上述したようなリビング重合によって疎水性ポリマーを合成し、続いてポリアシル化アルキレンイミンを合成し、活性リビング末端を有する二元共重合体と、末端官能性基を有する親水性ポリマー鎖を縮合させて、三元共重合体を合成し、加水分解によりポリアルキレンイミン鎖を有する三元共重合体を合成する方法等が挙げられる。
更に代表的な具体例としては、リビングラジカル重合、ATRP、リビングカチオン重合等を用いることによってリビング末端がハロゲン、トシル基等の電子吸引性末端を有する、疎水性ポリマー鎖とポリアシル化アルキレンイミン鎖からなる二元共重合体を合成する。
更にタイプの異なる例として、例えば末端にハロゲン、トシル基等の電子吸引性基を有する親水性ポリマーを開始剤に用い、リビングカチオン重合等によってポリアシル化アルキレンイミン鎖を合成し、リビング末端がハロゲン、トシル基等の電子吸引性末端を有する、親水性ポリマー鎖とポリアシル化アルキレンイミン鎖からなる二元共重合体を合成する方法が挙げられる。
櫛型三元共重合体の一般的な合成例として、公知慣用の方法で合成することができる。一般的には上述の直鎖型三元共重合体の合成例で述べたようなリビング重合反応を用いる方法、またリビング重合と同様に上述の直鎖型三元共重合体の合成例で述べたような官能性末端基を有するポリマーとの縮合反応を組み合わせて合成する方法等が挙げられる。
リビング重合反応を用いて櫛型三元共重合体を合成する代表的な例を挙げる。疎水性ポリマー鎖の置換基、または則鎖に複数個のハロゲン、トシル基等の電子吸引性基を有する高分子をリビング重合開始剤とし、リビングカチオン重合を用いてグラフと重合させ、ポリアシル化アルキレンイミンを則鎖とする櫛型二元共重合体を合成する。続いてリビング末端から、同様にリビングカチオン重合を用いて親水性ポリマー鎖を合成することによって、櫛型三元共重合体を合成する。その後加水分解によりポリアルキレンイミン鎖を有する櫛型三元共重合体をえることができる。
はじめにリビング開始剤として用いるポリマー鎖は親水性ポリマー鎖であってもよく、その場合は、ポリアシル化アルキレンイミン鎖を合成後、続けて疎水性ポリマー鎖を合成することによって、櫛の根本が親水性ポリマーの櫛型三元共重合体を合成することができる。
リビング重合反応と官能性末端基を有するポリマーとの縮合反応を組み合わせて合成する方法の代表を以下に述べる。上述したようなリビング重合、好ましい具体例を挙げると、ATRP、リビングカチオン重合等を用いることによってリビング末端がハロゲン、トシル基等の電子吸引性末端を有する疎水性ポリマーを合成し、続いてポリアシル化アルキレンイミン鎖を合成し、リビング末端を有する二元共重合体を得ることができる。
該リビング末端を有する二元共重合体と、ポリマー鎖の置換基、または側鎖に複数個の官能性末端基を有する親水性ポリマー鎖を縮合反応させることによって、櫛型三元共重合体を得ることができる。
上述した種々のリビング重合反応で使用される開始剤は特に限定されるものではないが、一般例としてATRPの場合はベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、1−(クロロエチル)ベンゼン、1−(ブロモエチル)ベンゼン等、ATRPの場合は助触媒として塩化銅、臭化銅等のような遷移金属ハライドと、ビピリジン、4,4‘−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン、メチル 2−ブロモプロピオネート、エチル 2−ブロモイソブチレート等によって形成される錯体の使用が一般例として好ましく挙げることができる。リビングカチオン重合の場合は臭化メチル、臭化エチル、メチルトシレート等が一般的に好適な例に挙げられる。
上述した縮合反応させる末端官能性基は、上述のリビング末端を有する共重合体と縮合反応しうる官能性基を末端に有した親水性ポリマー鎖であれば、特に限定されるものではない、上述の具体例の場合に合わせた例を示すと、官能性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。
縮合反応は公知慣用に用いられている塩基性化合物を一般的に使用することができる。リビング末端や末端官能基の種類、反応条件等によってその選択は異なるが、代表的な塩基性化合物の例を示すと、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド等の有機塩基等をあげることができる。
上述したようなリビング重合反応、あるいは縮合反応は反応溶媒を用いることなく行うこともできるが、公知慣用の一般的にリビング重合、または縮合反応に用いる反応溶媒を使用することが可能である。特に好ましい溶媒の例としては、一般的にアプロティック溶媒が好ましく使用することができる。なかでも特にN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等がより好ましい。
さらに三元共重合体について以下に詳細に説明する。上述した三元共重合体の代表例のなかでも特に好ましい例を以下に挙げる。特に三元共重合体の3成分のポリマーの好ましい組み合わせの例を説明する。
まず直鎖型の三元共重合体の組み合わせの好ましい例は、親水性ポリマー鎖(b)、あるいは疎水性ポリマー鎖(c)の置換基に反応性官能基を有しない場合である。代表例を示すと、ポリアルキレンイミン鎖(a)として、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等があり、親水性ポリマー鎖(b)として、ポリエチレングリコール、ポリアセチルエチレンイミン、ポリプロピオニルエチレンイミン等があり、疎水性ポリマー鎖(c)として、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリベンゾイルエチレンイミン等が挙げられる。如何なる組み合わせであってもよい。組み合わせの代表例としては、(親水性ポリマー鎖(b))−(ポリアルキレンイミン鎖(a))−(疎水性ポリマー鎖(c))の順に列記すると、(ポリエチレングリコール)−(ポリエチレンイミン)−(ポリベンゾイルエチレンイミン)トリブロックコポリマー、(ポリプロピオニルエチレンイミン)−(ポリエチレンイミン)−(ポリメタクリル酸メチル)トリブロックコポリマー、(ポリエチレングリコール)−(ポリエチレンイミン)−(ポリスチレン)トリブロックコポリマー等を挙げることができる。以下にこれらの組み合わせの代表的な製造方法を簡単に例示する。尚、該製造方法は以下に例示する方法、例えば溶媒、開始剤、触媒他、仕込み条件、仕込み方法、反応条件等に制限されるものではない。
まず(ポリエチレングリコール)−(ポリエチレンイミン)−(ポリベンゾイルエチレンイミン)トリブロックコポリマーの製造方法例であるが、トシル化したポリエチレングリコール モノメチルエーテルを高分子開始剤として、2−メチルオキサゾリンをジメチルアセトアミド中でリビングカチオン重合させた。反応終了後、続けて2−フェニルオキサゾリンをカチオンリビング重合させ、(ポリエチレングリコール)−(ポリアセチルエチレンイミン)−(ポリベンゾイルエチレンイミン)トリブロックコポリマーを得た。
さらにポリアセチルエチレンイミンセグメントを酸加水分解することにより、(ポリエチレングリコール)−(ポリエチレンイミン)−(ポリベンゾイルエチレンイミン)トリブロックコポリマーを合成した。
櫛型の三元共重合体の組み合わせとしては、親水性ポリマー鎖(b)、あるいは疎水性ポリマー鎖(c)の置換基に反応性官能基を有している場合である。親水性ポリマー鎖(b)の置換基に反応性官能基を有している場合の代表例を示すと、ポリアルキレンイミン鎖(a)として、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等があり、親水性ポリマー鎖(b)として、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、ポリ(メタ)アクリルアミド等があり、疎水性ポリマー鎖(c)として、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリベンゾイルエチレンイミン等が挙げられる。如何なる組み合わせであってもよい。
組み合わせの代表例としては、(親水性ポリマー鎖(b))−(ポリアルキレンイミン鎖(a))−(疎水性ポリマー鎖(c))の順に列記すると、(ポリビニルアルコール)−(ポリエチレンイミン)−(ポリスチレン)櫛形ブロックコポリマー、(ポリメタクリル酸ヒドロキシエチルエステル)−(ポリエチレンイミン)−(ポリベンゾイルエチレンイミン)櫛型ブロックコポリマー、(ポリアクリルアミド)−(ポリエチレンイミン)−(ポリメタクリル酸メチル)櫛型ブロックコポリマー等を挙げることができる。以下にこれらの組み合わせの代表的な製造方法を簡単に例示する。尚、該製造方法は以下に例示する方法に制限されるものではない。
まず(ポリビニルアルコール)−(ポリエチレンイミン)−(ポリスチレン)櫛型ブロックコポリマーの製造方法は、始めにスチレンモノマーをベンジルブロマイド、臭化銅、ビピリジンの共存下、トルエン中で原子移動ラジカル重合(ATRP)を行い、片末端臭素化したポリスチレンを合成した。これを高分子開始剤として2−メチルオキサゾリンをジメチルアセトアミド中でカチオンリビング重合させ、臭素末端(ポリアセチルエチレンイミン)−(ポリスチレン)ジブロックコポリマーを得た。
一方酢酸ビニルをジメチルアセトアミド中でナトリウムメトキシドを用いて部分的にアセチル基を加水分解し、−ONa部分に対し当モル以上の臭素末端(ポリアセチルエチレンイミン)−(ポリスチレン)ジブロックコポリマーの反応溶液を導入し、(ポリ酢酸ビニル)−(ポリアセチルエチレンイミン)−(ポリスチレン)櫛形ブロックコポリマーを得た。さらに酸加水分解することにより、(ポリビニルアルコール)−(ポリエチレンイミン)−(ポリスチレン)櫛型ブロックコポリマーを合成した。
同様に櫛型の三元共重合体の組み合わせとして、疎水性ポリマー鎖(c)の置換基に反応性官能基を有している場合がある。疎水性ポリマー鎖(c)の置換基に反応性官能基を有している場合の代表例を示すと、ポリアルキレンイミン鎖(a)として、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等があり、親水性ポリマー鎖(b)として、ポリエチレングリコール、ポリアセチルエチレンイミン、ポリプロピオニルエチレンイミン等があり、疎水性ポリマー鎖(c)として、エポキシ樹脂等が挙げられる。如何なる組み合わせであってもよい。
組み合わせの代表例としては、(親水性ポリマー鎖(b))−(ポリアルキレンイミン鎖(a))−(疎水性ポリマー鎖(c))の順に列記すると、(ポリプロピオニルエチレンイミン)−(ポリエチレンイミン)−(エポキシ樹脂)櫛型ブロックコポリマー、(ポリエチレングリコール)−(ポリエチレンイミン)−(エポキシ樹脂)櫛型ブロックコポリマー等を挙げることができる。以下にこれらの組み合わせの代表的な製造方法を簡単に例示する。尚、該製造方法は以下に例示する方法に制限されるものではない。
まず(ポリプロピオニルエチレンイミン)−(ポリエチレンイミン)−(エポキシ樹脂)櫛型ブロックコポリマーの製造方法例は、トシル化したエポキシ樹脂を高分子開始剤として、2−メチルオキサゾリンをジメチルアセトアミド中でリビングカチオン重合させ、続いて2−エチルオキサゾリンをリビングカチオン重合させることによって、(ポリプロピオニルエチレンイミン)−(ポリアセチルエチレンイミン)−(エポキシ樹脂)櫛型ブロックコポリマーを得た。さらにポリアセチルエチレンイミンセグメントをアルカリ加水分解することにより、(ポリプロピオニルエチレンイミン)−(ポリエチレンイミン)−(エポキシ樹脂)櫛型ブロックコポリマーを合成した。
(ポリエチレングリコール)−(ポリエチレンイミン)−(エポキシ樹脂)櫛型ブロックコポリマーの製造方法例は、トシル化したエポキシ樹脂を高分子開始剤として、2−メチルオキサゾリンをジメチルアセトアミド中でリビングカチオン重合させた。さらにポリエチレングリコール モノメチルエーテルを、上述で合成したコポリマーのトシル末端に反応させ、(ポリエチレングリコール モノメチルエーテル)−(ポリアセチルエチレンイミン)−(エポキシ樹脂)櫛型ブロックコポリマーを得た。
さらにポリアセチルエチレンイミンセグメントを酸加水分解することにより、(ポリエチレングリコール)−(ポリエチレンイミン)−(エポキシ樹脂)櫛型ブロックコポリマーを合成した。
本発明の金属固定高分子会合体を構成するポリアルキレンイミン鎖(a)と、親水性ポリマー鎖(b)、疎水性ポリマー鎖(c)、各成分の鎖を構成する構成単位の比は、特に限定されるものではないが、特定成分の鎖が極端に長かったり、あるいは極端に短い鎖である場合は、金属固定高分子会合体の会合力、あるいは溶媒中への分散能力に乏しいものになる可能性が考えられる。しかしこのように会合力や分散能力に問題が生じるのは鎖の長さが極端な場合であって、一般的に考えられる範囲であれば特に危惧すべきことではない。強いて本発明の金属固定化高分子会合体の会合力、分散安定性及び保存安定性が高い条件を明示すると、各成分の鎖を構成する構成単位の比、(a):(b):(c)が100:1〜100000:1〜100000の範囲であることが好ましく、100:3〜10000:3〜10000の範囲であることがより好ましい。
本発明に使用する三元共重合体(X)は、金属(Y)を固定化するポリアルキレンイミン鎖(a)とは別に、三元共重合体(X)が溶媒中で会合体を形成する際に、コア部又はシェル部を形成する親水性ポリマー鎖(b)及び疎水性ポリマー鎖(c)を有する。上記したように、親水性ポリマー鎖(b)は、疎水性溶媒中で強い会合力を示し、親水性溶媒中では溶媒と高い親和性を示し、また、疎水性ポリマー鎖(c)は親水性溶媒中で強い会合力を示し、疎水性溶媒中では溶媒と高い親和性を示す。
本発明においては、このような金属固定化部、コア形成部及びシェル形成部を構造中に個別に有する三元共重合体(X)を使用することにより、金属を固定化して会合体を形成する際に、各種溶媒中でのコア部を形成するポリマー鎖相互の会合力の低下や、シェル部を形成するポリマー鎖の収縮等が生じず、会合体形成が金属の固定化により阻害されることがない。従って本発明の金属固定高分子会合体は、強い会合力により会合したコア部と、溶媒への優れた分散安定性を示すシェル部とを有するため溶媒中でも優れた保存安定性を有する。
本発明の金属固定高分子会合体を構成する金属(Y)の金属種としては、その金属種のイオンがポリアルキレンイミン鎖(a)と配位結合できるものであれば制限されず、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、半金属、ランタン系金属、ポリオキソメタレート類の金属化合物等の金属種を使用できる。なかでもイオン性の遷移金属であることが好ましく、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、マンガン、レニウム、モリブデン等の遷移金属であることがより好ましい。また金属固定高分子会合体を構成する金属(Y)は一種類であっても、二種類以上であってもよい。例示した遷移金属の中でも特に銀、金、パラジウム、白金は、その金属イオンがポリエチレンイミンに配位した後、室温または加熱状態で自発的に還元されるため特に好ましい遷移金属である。
本発明の金属固定高分子会合体を構成する金属(Y)の含有量は、特に限定されるものではないが、含有量が少なすぎると高分子会合体中に固定した金属の特性があらわれにくくなり、また多すぎると高分子会合体中の金属の重量が増し、その重量が高分子会合体の分散保持力を超えると、その金属固定高分子会合体は沈降することが考えられる。しかしこのように金属の効果があらわれなかったり、金属固定高分子会合体が沈降するのは極端な条件の場合であって、一般的に考えられる範囲であれば問題が生じることはない。敢えて金属固定高分子会合体の分散保持力が高く、且つ金属の高い特性があらわれる条件を例示すると、本発明の金属固定高分子会合体を構成する金属(Y)の含有量は、ポリアルキレンイミン鎖(a)を形成する全アルキレンイミン単位に対して1〜100モル%の範囲であることが好ましく、1から70モル%の範囲であることがより好ましい。
本発明の金属固定高分子会合体を構成する金属(Y)は、金属結晶粒子又は金属コロイドの状態で会合体中に固定化されている。該金属(Y)の金属結晶粒子又は金属コロイド粒子の粒子径は、一般的に高分子会合体中で生成可能な金属コロイドが形成する粒子径であれば全く問題ない。金属の粒子径が必要以上に大きい場合は、各々の高分子会合体に均一に固定されるべき金属が、不均一に固定される可能性があり、中には金属のない高分子会合体が混在すること等が考えられる。また金属の粒子径が異常に大きい場合は、高分子会合体の分散保持能力の限界を超え金属固定高分子会合体が沈降してしまう。しかし一般的な条件ではこのような高分子会合体の沈降等は生じないため、金属の粒子径について特に言及するものではない。金属固定高分子会合体がより高い分散安定性を有するためには、本発明の金属固定高分子会合体を構成する金属(Y)の粒子径が1〜50nmの微粒子であることが好ましく、5〜30nmの範囲であることがより好ましい。
本発明の金属固定高分子会合体の粒子径は、溶液中に安定に分散できるものであれば特に制限されるものではない。極端に大きすぎると分散せずに沈降する。中でも分散安定性の高い粒子径を示すならば、5〜5000nmが好ましく、10〜500nmの範囲であることがより好ましい。
本発明の金属固定高分子会合体の製造方法は、ポリアルキレンイミン鎖(a)と、親水性ポリマー鎖(b)と、疎水性ポリマー鎖(c)とを有する三元共重合体(X)からなる高分子会合体が分散した媒体中に、金属(Y)の塩又はイオン溶液を加えて、前記高分子会合体中のポリアルキレンイミン鎖(a)に金属イオン(Y’)を配位させ、金属イオン(Y’)の自発還元又は必要に応じて還元剤により還元させて金属(Y)を固定化することを特徴とすることにある。このようにして製造した金属固定高分子会合体は、分散安定性、保存特性に優れ、金属微粒子が有する発色、触媒、電気的機能等、様々な金属固定機能性分散体としての能力を有している。
本発明の金属固定高分子会合体の製造方法で用いる、ポリアルキレンイミン鎖(a)と、親水性ポリマー鎖(b)と、疎水性ポリマー鎖(c)とを有する三元共重合体(X)からなる高分子会合体は既に上述したものを用いる。該高分子会合体を分散させる媒体はO/W系であっても、W/O系のいずれも場合でもよい。目的に応じて親水性溶媒、あるいは疎水性溶媒、またはその混合溶媒を用いる事ができる。混合溶媒を用いる場合は混合比をO/W系の時は親水性溶媒を多く、W/O系の時は疎水性溶媒を多くして用いる。混合比は用いる三元共重合体(X)の種類によって異なるので、一概に限定することはできないが、一般的な目安として例を挙げるとO/W系の時は疎水性溶媒の5倍量以上の親水性溶媒を用い、W/O系の時は親水性溶媒の5倍量以上の疎水性溶媒を用いることが好ましい。
親水性溶媒の例としては、水、又は、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォンオキシド、ジオキシラン、ピロリドンなどの親水性有機溶媒、あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。
疎水性溶媒の例としては、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ブタノール、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、メトキシベンゼン、トルエン、キシレン等と、これらの混合溶媒が挙げられる。
三元共重合体(X)を媒体中に分散させる時は、一般的には室温で静置、又は攪拌を行うが、必要に応じては超音波処理、過熱処理等を同時に行ってもよい。また三元共重合体(X)の結晶性等によって媒体との親和性が異なるため、初期における媒体とのなじみが低い場合は、三元共重合体(X)の良溶媒を少量用いて、溶解又は膨潤させた後、媒体中へ分散させるとよい。超音波処理又は過熱処理を同時に行うとより効果的である。
親水性溶媒と疎水性溶媒を混合して用いる場合は、その混合方法、混合順序等特に制限を加える必要はなく、一般的な方法で行ってよい。三元共重合体(X)の種類や組成等のちがいによって各種溶媒との親和性、分散性に違いが生じることがあるので、目的に応じて、溶媒の混合比、混合順序、混合方法、混合条件等多少のコントロールを行うとより好ましい。
本発明の金属固定高分子会合体の製造方法で用いる金属(Y)は上述した通りである。実際に原料として用いる場合は金属塩やイオン溶液を使用する。ここで使用できる金属イオン(Y’)としては、水溶性金属化合物であればよく、金属カチオンと酸基アニオンとの塩類のもの、あるいは金属が酸基のアニオン中に含まれるものなどを用いることができる。
本発明の製造方法において使用する金属イオン(Y’)は、上記した金属(Y)の金属イオン、すなわち、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、半金属、ランタン系金属、ポリオキソメタレート類の金属化合物等の金属種を有する金属イオンを好ましく使用できる。
上記アルカリ金属イオンとしては、Li,Na,K,Cs等のイオンが挙げられる。アルカリ金属イオンの対アニオンとしては、Cl,Br,I,NO,SO,PO,ClO,PF,BF,FCSOなどを好適に用いることができる。
アルカリ土類金属イオンとしては、Mg,Ba,Ca等のイオンが挙げられる。
遷移金属系イオンとしては、それが遷移金属カチオン(Mn+)であっても、または遷移金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MO n−)、またはハロゲン類結合からなるアニオン(ML n−)であっても、錯体状態で好適に配位させることができる。なお、本明細書において遷移金属とは、周期表第3族のSc,Y、及び、第4〜12族で第4〜6周期にある遷移金属元素を指す。
遷移金属カチオンとしては、下記の遷移金属のカチオン(Mn+)、例えば、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,W,Os,Ir,Pt,Au,Hgの一価、二価、三価または四価のカチオンなどが挙げられる。これら金属カチオンの対アニオンは、Cl,NO,SO、またはポリオキソメタレート類アニオン、あるいはカルボン酸類の有機アニオンのいずれであってもよい。ただし、Ag,Au,Ptなど、ポリエチレンイミン骨格により還元されやすいものは、pHを酸性条件にする等、還元反応を抑制することで、錯体を調製することが好ましい。
また遷移金属アニオンとしては、下記の遷移金属アニオン(MO n−)、例えば、MnO,MoO,ReO,WO,RuO,CoO,CrO,VO,NiO,UOのアニオンが挙げられる。
さらに、下記の金属が含まれたアニオン(ML n−)、例えば、AuCl,PtCl,RhCl,ReF,NiF6,CuF6,RuCl,InClの如く、金属がハロゲンに配位されたアニオンも好適に錯体状態で配位させることができる。
また、半金属系イオンとしては、Al,Ga,In,Tl,Ge,Sn,Pb,Sb,Biのイオンが挙げられ、なかでもAl,Ga,In,Sn,Pb,Tlが好ましい。
ランタン系金属イオンとしては、例えば、La,Eu,Gd,Yb,Euなどの3価のカチオンが挙げられる。
これら金属イオンの中でも、上記したように、特に銀、金、パラジウム、白金の金属イオンはポリエチレンイミンに配位された後、室温または加熱状態で自発的に還元され、非イオン性の金属結晶粒子や金属コロイドに変換されるため好ましい。
また金属(Y)として使用する金属種は2種類以上であっても問題ない。異なる金属の塩またはイオンを同時に、または別々に加えることによって、高分子会合体内で異なる金属が還元反応を生じ、異なる金属結晶が生成するため、異なる金属による複合材料を含有した高分子会合体を得ることが出来る。
これら金属のように自発的に還元しない金属、あるいは自発的な還元が不十分である金属を使用する場合には、還元剤により、前記高分子会合体中のポリエチレンイミン鎖に配位結合した金属イオンを還元させる工程を経ることにより金属結晶を形成させることができる。また、上記の自発的に還元する金属イオンを使用する場合においても、必要に応じて他の還元剤を併用して還元させることもできる。
本発明の製造方法において使用できる還元剤としては、水素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素アンモニウム、アルデヒド、ヒドラジンなどが例として挙げられる。
本発明の製造方法で使用する金属(Y)の塩またはそのイオン溶液を、高分子会合体が分散した媒体中に加える時は、O/W系またはW/O系にかかわらず、そのまま、または水溶液に調整して加えるとよい。前述したように銀、金、パラジウム、白金等の金属イオンはポリエチレンイミンに配位された後、室温または加熱状態で自発的に還元されるため、そのまま室温で静置または攪拌するとよい。加熱する場合は三元共重合体(X)の種類や使用する金属(Y)、媒体等によって温度は異なるが、一般的には100℃以下で還元させるのがよい。より好ましくは40〜80℃である。
本発明の製造方法で使用する還元剤を、高分子会合体が分散した媒体中に加える時は、O/W系またはW/O系にかかわらず、そのまま、または水溶液に調整して加えるとよい。還元剤を使用する場合の温度は、使用する三元共重合体(X)の種類、金属(Y)、還元剤、媒体の組み合わせ等によって異なるが、一般的には室温〜100℃で静置、又は攪拌するのがよい。
本発明の金属固定高分子会合体はこれまで述べてきたように、触媒、電子材料、磁気材料、光学材料、各種センサー、色材、医療検査用途等の非常に幅広い分野で利用可能で、様々な機能を有する金属コロイドが、あらゆる媒体中で長期間安定に分散するため、容易に使用でき、その効果は高効率であり、且つ長時間機能を発現することが可能である。また本発明の金属固定高分子会合体の製造方法は、複雑な工程や緻密な条件設定等をほとんど必要としないため、容易に長期間安定で分散性に優れた材料を提供する事が可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、分子構造名については以下のように省略形で示す。ただしエポキシ樹脂についてのみ商品名で示した。
PEI : ポリエチレンイミン
PEG : ポリエチレングリコール
PEGM : ポリエチレングリコールモノメチルエーテル
PBEI : ポリベンゾイルエチレンイミン
PVAC : ポリビニルアセテート
PVAL : ポリビニルアルコール
EPOP : エポキシポリマー
(EPICLON AM−040−P (DIC社製))
PSt : ポリスチレン
PMMA : ポリメタクリル酸メチル
MOZ : メチルオキサゾリン
EOZ : エチルオキサゾリン
POZ : フェニルオキサゾリン
DMA : N,N−ジメチルアセトアミド
[三元共重合体の合成]
(合成例1) (PEG−PEI−PBEIトリブロックコポリマーの合成)
[ポリエチレングリコールのトシル化反応]
100mlの三口ナスフラスコにマグネティックスターラを入れ、数平均分子量(Mn)が約2000のPEGMを10g(エチレングリコールユニット(以下、EGと略記):5.1mmol)秤取り、クロロホルム15gを加えて溶解した後、ピリジン4g(51mmol)を加え攪拌した。フラスコには窒素ガスを導入する導入管とガスを排気する排気管を装備し、残った口は共栓をした。
別途三角フラスコにトシルクロライド 4.9g(25.5mmol)秤取り、クロロホルム15gを加えて溶解した。
PEGM等を入れた三口ナスフラスコを氷浴中で攪拌しながら、トシルクロライドのクロロホルム溶液を滴下した。滴下後、発熱が治まったことを確認し、40℃に昇温、4時間反応させた。反応終了後、クロロホルムを30g加えて希釈し、分液ロ−トへ移した。そして該クロロホルム溶液を300gの2.5NHCl水溶液で2回、300gの10%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、さらに300gの水で2回洗浄した。得られたクロロホルム溶液は硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した後、エバポレータで濃縮した。これをヘキサン中に攪拌しながら加えて沈殿させ、室温で15時間、真空乾燥した。収率は81%であった。H−NMRスペクトルより各ピークの帰属を行い、目的の化合物であることを確認した。(2.4ppm:トシル基中のメチル基、3.3ppm:PEGM末端のメチル基、3.6ppm:PEGのEG鎖、7.3〜7.8ppm:トシル基中のベンゼン環)
[リビングカチオン重合]
二口ナスフラスコにマグネティックスターラを入れておき、三方コックと共栓を取付けて密栓し、真空脱気を繰り返し行うことによって内部を十分に窒素置換した。前述のトシル化したポリエチレングリコール(以下、PEG−Tsと略記)を1.5g(EGユニット:34mmol)秤取り、共栓を開けて素早く秤取ったPEG−Tsをフラスコ内に入れた後、再度窒素置換を行った。次にシリンジを用いてMOZ 3ml(34mmol)と、DMA 30mlを三方コックから窒素ガスを流しながらフラスコ内に加えた。密栓後、100℃のオイルバス中で22時間攪拌した。冷却後、シリンジを用いてPOZ 4.7g(34mmol)を三方コックから窒素ガスを流しながらフラスコ内に加えた。そして密栓後、100℃のオイルバス中で111時間攪拌した。
得られた反応溶液は冷却後、酢酸エチル150gとヘキサン150gの混合溶媒中に攪拌しながら添加し、沈殿させた。デカンテ−ションによって、容器の壁に付着した沈殿物を分離し、15gのメタノールに溶解させた。これを酢酸エチル150gとヘキサン150gの混合溶媒中に攪拌しながら添加し、再沈させた。分散した再沈物をろ過し、80℃で真空乾燥した。収率は89%であった。
H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、生成物の構造を確認した(2.1ppm:PAEIのアセチル基、3.4ppm:PAEIとPBEIのCHCH、3.6ppm:PEG、7.0〜7.7ppm:PBEIのベンゾイル基)。これより、得られた生成物はPEG−PAEI−PBEIトリブロックコポリマーであり、各ブロックの組成はPEG:PAEI:PBEI=31:32:37であった。
[酸加水分解反応]
100mlナスフラスコに実施例1のようにして合成したPEG−PAEI−PBEIトリブロックコポリマー1.7g(アセチルエチレンイミンユニット(以下、AEIと略記):5.7mmol)を秤取り、5NHCl水溶液3.5g(HCl:17.1mmol)を加え、マグネティックスターラを入れて共栓をした。超音波洗浄器で1時間処理して分散させた後、90℃で10時間攪拌した。冷却後反応溶液をアセトン200g中に攪拌しながら加えた。生じた沈殿をろ過し、水10gに溶解した。再度アセトン200g中に攪拌しながら加えて再沈させ、ろ過した。60℃で真空乾燥し、目的のPEG−PEI−PBEIトリブロックコポリマーを得た。収率は90%であった。1H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、2.1ppmのアセチル基由来のピークが消失していること等、生成物の構造を確認した。得られた生成物はPEG−PAEI−PBEIトリブロックコポリマーであった。
[アンモニア処理]
上述の操作で得られたPEG−PEI−PBEIトリブロックコポリマーを全てH2O5gに溶かし透析チューブに入れ、0.5%アンモニア水で一晩透析処理を行い、引き続き水中で透析を行い、5〜6回水を取替えた後、透析チューブ中の水溶液にエタノールを加えてエバポレータで溶媒を留去し、さらに80℃で15時間真空乾燥したサンプルのH−NMRスペクトルより求めた。PEG:PEI:PBEI=29:32:39であった。アンモニア水で透析処理したサンプルのH−NMRスペクトルの各ピークを説明すると、2.2ppm:PEI、2.8ppm:PEG、3.4ppm:PBEIのCHCH、7.0〜7.7ppm:PBEIのベンゾイル基である。
(合成例2) PEG−PEI−EPOP櫛形ブロックコポリマーの合成
[EPOPのトシル化反応]
100mlの三口ナスフラスコにマグネティックスターラを入れ、EPOP(AM−040−P)2g(エポキシ基+水酸基:7.9mmol)秤取り、クロロホルム10gを加えて溶解した後、ピリジン6.2g(79mmol)を加え攪拌した。フラスコには窒素ガスを導入する導入管とガスを排気する排気管を装備し、残った口は共栓をした。
別途三角フラスコにトシルクロライド7.5g(39.5mmol)秤取り、クロロホルム15gを加えて溶解した。
EPOP等を入れた三口ナスフラスコを氷浴中で攪拌しながら、トシルクロライドのクロロホルム溶液を滴下した。滴下後、発熱が治まったことを確認し、40℃に昇温、4時間反応させた。反応終了後、クロロホルムを20g加えて希釈し、分液ロ−トへ移した。そして該クロロホルム溶液を100gの2.5NHCl水溶液で2回、100gの10%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、さらに100gの水で2回洗浄した。得られたクロロホルム溶液は硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した後、エバポレータで濃縮した。これをヘキサン中に攪拌しながら加えて沈殿させ、室温で15時間、真空乾燥した。収率は91%であった。H−NMRスペクトルより各ピークの帰属を行い、目的の化合物であることを確認した。主なピークの帰属を以下に示す。1.6ppm:EPOP中のBisA骨格のメチル基、2.4ppm:トシル基中のメチル基、6.6〜7.3ppm:EPOP中のBisA骨格のフェニレンの水素、7.3〜7.8ppm:トシル基中のベンゼン環である。
[MOZのリビングカチオン重合]
二口ナスフラスコにマグネティックスターラを入れておき、三方コックと共栓を取付けて密栓し、真空脱気を繰り返し行うことによって内部を十分に窒素置換した。前述のトシル化したEPOP(以下、EPOP−Tsと記す)を0.30g(トシル基:0.71mmol)秤取り、共栓を開けて素早く秤取ったEPOP−Tsをフラスコ内に入れた後、再度窒素置換を行った。次にシリンジを用いてMOZ 3ml(34mmol)と、DMA 30mlを三方コックから窒素ガスを流しながらフラスコ内に加えた。密栓後、100℃のオイルバス中で86時間攪拌した。
[PEGの縮合反応]
EPOP−TsよりMOZをリビングカチオン重合したDMA反応溶液に数平均分子量2000のPEGM 2.78g(1.42mmol)と炭酸カリウム 0.49g(3.55mmol)を加えた後、100℃、48時間反応させた。
反応後は酢酸エチル/ヘキサン=1/1(wt/wt)混合溶液で再沈、洗浄を行った。生成物はろ過後、80℃で真空乾燥した。
H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、生成物の構造を確認した(1.6ppm:EPOPのメチル基、2.1ppm:PAEIのアセチル基、3.4ppm:PAEIのCHCH、3.6ppm:PEG、7.0〜7.7ppm:EPOPのフェニル基)。これより、得られた生成物はPEG−PAEI−EPOP櫛型ブロックコポリマーであり、各ブロックの組成はPEG:PAEI:EPOP=49.3:49.7:1.0であった。
[酸加水分解反応]
100mlナスフラスコに実施例1のようにして合成したPEG−PAEI−EPOP櫛型ブロックコポリマー2.0g(AEI:15.2mmol)を秤取り、5NHCl水溶液4.57g(HCl:22.8mmol)を加え、マグネティックスターラを入れて共栓をした。超音波洗浄器で1時間処理して分散させた後、90℃で10時間攪拌した。
冷却後反応溶液をアセトン100g中に攪拌しながら加えた。生じた沈殿をろ過し、水10gに溶解した。再度アセトン100g中に攪拌しながら加えて再沈させ、ろ過した。80℃で真空乾燥し、目的のPEG−PEI−EPOP櫛型ブロックコポリマーを得た。収率は92%であった。
1H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、2.1ppmのアセチル基由来のピークが消失していることより生成物の構造を確認した。得られた生成物はPEG−PEI−EPOP櫛型ブロックコポリマーであった。
[アンモニア処理]
上述の操作で得られたPEG−PEI−EPOP櫛型ブロックコポリマーを全てHO5gに溶かし透析チューブに入れ、0.5%アンモニア水で一晩透析処理を行い、引き続き水中で透析を行い、5〜6回水を取替えた後、透析チューブ中の水溶液にエタノールを加えてエバポレータで溶媒を留去し、さらに80℃で15時間真空乾燥した。
(合成例3) PPEI−PEI−EPOP櫛形ブロックコポリマーの合成
[EPOPのトシル化反応]
合成例2のEPOPのトシル化反応の同様に行い、同様のEPOP−Ts生成物を得た。
[MOZとEOZのリビングカチオン重合]
二口ナスフラスコにマグネティックスターラを入れておき、三方コックと共栓を取付けて密栓し、真空脱気を繰り返し行うことによって内部を十分に窒素置換した。前述のEPOP−Tsを0.30g(トシル基:0.71mmol)秤取り、共栓を開けて素早く秤取ったEPOP−Tsをフラスコ内に入れた後、再度窒素置換を行った。次にシリンジを用いてMOZ 3ml(34mmol)と、DMA 30mlを三方コックから窒素ガスを流しながらフラスコ内に加えた。密栓後、100℃のオイルバス中で86時間攪拌した。
冷却後、シリンジを用いてEOZ 4.7g(34mmol)を三方コックから窒素ガスを流しながらフラスコ内に加えた。そして密栓後、100℃のオイルバス中で91時間攪拌した。得られた反応溶液は冷却後、酢酸エチル150gとヘキサン150gの混合溶媒中に攪拌しながら添加し、沈殿させた。デカンテ−ションによって、容器の壁に付着した沈殿物を分離し、10gのメタノールに溶解させた。これを酢酸エチル150gとヘキサン150gの混合溶媒中に攪拌しながら添加し、再沈させた。分散した再沈物をろ過し、80℃で真空乾燥した。収率は94%であった。
H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、生成物の構造を確認した(1.1ppm:PPEIのメチル基、2.1ppm:PAEIのアセチル基、2.4ppm:PPEIのCH、3.4ppm:PPEIとPAEIのCHCH、7.0〜7.7ppm:EPOPのフェニル基)。これより、得られた生成物はPPEI−PAEI−EPOP櫛型ブロックコポリマーであり、各ブロックの組成はPPEI:PAEI:EPOP=48.9:49.8:1.3であった。
[酸加水分解反応]
100mlナスフラスコに実施例1のようにして合成したPPEI−PAEI−EPOP櫛型ブロックコポリマー2.0g(AEI:15.3mmol)を秤取り、5NHCl水溶液4.59g(HCl:22.9mmol)を加え、マグネティックスターラを入れて共栓をした。超音波洗浄器で1時間処理して分散させた後、90℃で10時間攪拌した。
冷却後反応溶液をアセトン100g中に攪拌しながら加えた。生じた沈殿をろ過し、水10gに溶解した。再度アセトン100g中に攪拌しながら加えて再沈させ、ろ過した。80℃で真空乾燥し、目的のPPEI−PEI−EPOP櫛型ブロックコポリマーを得た。収率は85%であった。
1H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、2.1ppmのアセチル基由来のピークが消失していることより生成物の構造を確認した。得られた生成物はPPEI−PEI−EPOP櫛型ブロックコポリマーであった。
[アンモニア処理]
上述の操作で得られたPPEI−PEI−EPOP櫛型ブロックコポリマーを全てH2O5gに溶かし透析チューブに入れ、0.5%アンモニア水で一晩透析処理を行い、引き続き水中で透析を行い、5〜6回水を取替えた後、透析チューブ中の水溶液にエタノールを加えてエバポレータで溶媒を留去し、さらに80℃で15時間真空乾燥した。
(合成例4) PVAL−PEI−PBEI櫛形ブロックコポリマー
[PBEI−PAEI−Tsジブロックコポリマーの合成]
二口ナスフラスコにマグネティックスターラを入れておき、三方コックと共栓を取付けて密栓し、真空脱気を繰り返し行うことによって内部を十分に窒素置換した。メチルトシレートを0.127g(0.68mmol)秤取り、共栓を開けて素早くフラスコ内に入れた後、再度窒素置換を行った。次にシリンジを用いてPOZ を4.7ml(34mmol)と、DMA 30mlを三方コックから窒素ガスを流しながらフラスコ内に加えた。密栓後、100℃のオイルバス中で22時間攪拌した。冷却後、シリンジを用いてMOZ 3.0ml(34mmol)を三方コックから窒素ガスを流しながらフラスコ内に加えた。そして密栓後、100℃のオイルバス中で111時間攪拌した。得られた反応溶液は冷却後、酢酸エチル150gとヘキサン150gの混合溶媒中に攪拌しながら添加し、沈殿させた。デカンテ−ションによって、容器の壁に付着した沈殿物を分離し、10gのメタノールに溶解させた。これを酢酸エチル150gとヘキサン150gの混合溶媒中に攪拌しながら添加し、再沈させた。分散した再沈物をろ過し、80℃で真空乾燥した。収率は81%であった。
H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、生成物の構造を確認した(2.1ppm:PAEIのアセチル基、3.4ppm:PBEIとPAEIのCHCH、7.0〜7.7ppm:PBEIのベンゾイル基)。これより、得られた生成物はPBEI−PAEI−Tsジブロックコポリマーであり、各ブロックの組成はPBEI:PAEI=52:48であった。
[部分けん化PVACとPBEI−PAEI−Tsジブロックコポリマーの縮合反応]
重量平均分子量12800のPVAC 15.8g(アセチル基:184mmol)をDMA 30mlに溶解した溶液を室温で攪拌しながら、酢酸ナトリウム 1.97g(9.19mmol)を20分かけて滴下した後、続けて室温で30分反応させた。これに上述で合成したPBEI−PAEI−Tsジブロックコポリマー 5.4g(Ts:0.45mmol)をDMA 10mlに溶解した溶液を室温で20分かけて滴下した後、50℃に昇温し、12時間反応させた。
得られた反応溶液は冷却後、酢酸エチル100gとヘキサン200gの混合溶媒中に攪拌しながら添加し、沈殿させた。デカンテ−ションによって、容器の壁に付着した沈殿物を分離し、15gのメタノールに溶解させた。これを酢酸エチル100gとヘキサン200gの混合溶媒中に攪拌しながら添加し、再沈させた。分散した再沈物をろ過し、80℃で真空乾燥した。収率は94%であった。
H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、生成物の構造を確認した(1.9ppm:PVACのアセチルオキシ基、2.2ppm:PAEIのアセチル基、3.4ppm:PAEIとPBEIのCHCH、4.8ppm:PVAC主鎖のCH、7.0〜7.7ppm:PBEIのベンゾイル基)。これより、得られた生成物はPVAC−PAEI−PBEI櫛型ブロックコポリマーであり、各ブロックの組成はPVAC:PAEI:PBEI=78:10:12であった。
[酸加水分解反応]
上述で得られたPVAC−PAEI−PBEI櫛型ブロックコポリマー 19gを5NHCl水溶液 80g中に分散させた。反応は90℃、6h行った。
冷却後反応溶液をアセトン100g中に攪拌しながら加えた。生じた沈殿をろ過し、水10gに溶解した。再度アセトン100g中に攪拌しながら加えて再沈させ、ろ過した。80℃で真空乾燥し、目的のPVAL−PEI(HCl)−PBEI櫛型ブロックコポリマーを得た。収率は82%であった。
1H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い、2.2ppmアセチル基由来のピークが消失、4.8ppmPVAC主鎖CH由来のピークが消失、3.8ppmPVAL主鎖CH由来のピーク強度が増大している等より生成物の構造を確認した。得られた生成物はPVAL−PEI(HCl)−PBEI櫛型ブロックコポリマーであった。
[アンモニア処理]
上述の操作で得られたPVAL−PEI(HCl)−PBEI櫛型ブロックコポリマー8.6gをHO 5gに溶かし透析チューブに入れ、0.5%アンモニア水で一晩透析処理を行い、引き続き水中で透析を行い、5〜6回水を取替えた後、透析チューブ中の水溶液にエタノールを加えてエバポレータで溶媒を留去し、さらに80℃で15時間真空乾燥した。
(実施例1)
[高分子会合体水溶液1−1]
合成例1で得たPEG−PEI−PBEIトリブロックコポリマー 10mg(EIユニット:0.039mmol)をHO 5g中に加温し溶解させる。この時の高分子会合体の平均粒径は約100nm、狭い粒径分布であった。また可視吸収スペクトルは350nm以下にのみ吸収を有していた。
[金属固定高分子会合体水溶液1−1−1]
[高分子会合体水溶液1−1]にテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物 0.8mg(0.0019mmol)を加え、軽く振り混ぜ溶解させた後室温で静置した。混合した直後は薄い黄色であったが、時間と共に変化し、翌日には赤味を帯び、3日後には綺麗なワインレッドの溶液となった。この時平均粒径約100nm、粒径分布は狭く、金属導入前と変化がないことがわかった。
可視吸収スペクトル測定により約540nmにピークが生じた。金コロイドが生成すると540nm付近に特徴的なプラズモン吸収スペクトルのピークを生じることが既に報告されていることから、これはテトラクロロ金(III)酸ナトリウムがポリエチレンイミンにより還元され、0価の金コロイドが生成したことがわかった。
[金属固定高分子会合体水溶液1−1−2]
硝酸銀の混合する量を、1.0mg、2.0mg、4.0mg、(0.0097mmol、0.019mmol、0.039mmol)と変化させたこと以外は、全て[金属固定高分子会合体水溶液1−1−1]と同様に行った。平均粒径及び粒径分布は全て金導入前と同じ結果であった。
可視吸収スペクトル測定によるプラズモン吸収スペクトルは、銀コロイドの特徴的な420nmのピーク強度が硝酸銀の混合する増加量に伴って強くなることを認めた。つまり硝酸銀の混合する増加量に伴って、生成した銀コロイドの数が増加したためであることを確認した。
[高分子会合体水溶液1−2]
合成例1で得たPEG−PEI−PBEIトリブロックコポリマー 10mg(EIユニット:0.039mmol)をメタノール 0.25g中に加温し溶解させる。このメタノール溶液をシリンジでHO 5g中に攪拌しながらゆっくり滴下する。この時の高分子会合体の平均粒径は約100nm、狭い粒径分布であった。また可視吸収スペクトルは350nm以下にのみ吸収を有していた。
[金属固定高分子会合体水溶液1−2−1]
[高分子会合体水溶液1−2]にテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物 0.8mg(0.0019mmol)を加え、軽く振り混ぜ溶解させた後室温で静置した。混合した直後は薄い黄色であったが、時間と共に変化し、翌日には赤味を帯び、3日後には綺麗なワインレッドの溶液となった。平均粒径及び粒径分布は金属導入前と変化がないことがわかった。可視吸収スペクトル測定により約540nmにプラズモン吸収スペクトルピークが生じており、金コロイドが生成したことが確認できた。
[金属固定高分子会合体水溶液1−2−2]
テトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物の混合する量を、1.5mg、3.1mg、4.6mg、(0.0039mmol、0.0077mmol、0.0116mmol)と変化させたこと以外は、全て[金属固定高分子会合体水溶液1−2−1]と同様に行った。平均粒径及び粒径分布は全て金導入前と同じ結果であった。
可視吸収スペクトル測定によるプラズモン吸収スペクトルは540nmのピーク強度が[金属固定高分子会合体水溶液1−2−1]の結果より、増加するテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物の混合する量に伴って、強くなることが認めた。つまりテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物の混合する増加量に伴って、生成した金コロイドの数が増加したためであることを確認した。
[金属固定高分子会合体水溶液1−2−3]
硝酸銀の混合する量を、1.0mg、2.0mg、4.0mg、(0.0097mmol、0.019mmol、0.039mmol)と変化させたこと以外は、全て[金属固定高分子会合体水溶液1−2−1]と同様に行った。平均粒径及び粒径分布は全て金導入前と同じ結果であった。
可視吸収スペクトル測定によるプラズモン吸収スペクトルは、銀コロイドの特徴的な420nmのピーク強度が硝酸銀の混合する増加量に伴って強くなることを認めた。つまり硝酸銀の混合する増加量に伴って、生成した銀コロイドの数が増加したためであることを確認した。
[高分子会合体水溶液1−3]
合成例1の酸加水分解後に得たPEG−PEI(HCl)−PBEIトリブロックコポリマー 10mg(EIユニット:0.039mmol)をHO 5g中に加温し溶解させる。この時の高分子会合体の平均粒径は約100nm、狭い粒径分布であった。また可視吸収スペクトルは350nm以下にのみ吸収を有していた。
[金属固定高分子会合体水溶液1−3−1]
[高分子会合体水溶液1−3]にテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物 0.7mg(0.0017mmol)を加え、軽く振り混ぜ溶解させた後室温で静置した。混合した直後は薄い黄色であったが、時間と共に変化し、翌日には赤味を帯び、7日後には綺麗なワインレッドの溶液となった。平均粒径及び粒径分布は金属導入前と変化がないことがわかった。可視吸収スペクトル測定により約540nmにプラズモン吸収スペクトルピークが生じており、金コロイドが生成したことが確認できた。
(実施例2)
[高分子会合体水溶液2−1]
合成例2で得たPEG−PEI−EPOP櫛形ブロックコポリマー 10mg(EIユニット:0.033mmol)をメタノール 0.25g中に加温し溶解させる。このメタノール溶液をシリンジでHO 5g中に攪拌しながらゆっくり滴下する。この時の高分子会合体の平均粒径は約30nm、狭い粒径分布であった。また可視吸収スペクトルは350nm以下にのみ吸収を有していた。
[金属固定高分子会合体水溶液2−1−1]
[高分子会合体水溶液2−1]にテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物 0.7mg(0.0017mmol)を加え、軽く振り混ぜ溶解させた後室温で静置した。混合した直後は薄い黄色であったが、時間と共に変化し、翌日には赤味を帯び、3日後には綺麗なワインレッドの溶液となった。平均粒径及び粒径分布は金属導入前と変化がないことがわかった。可視吸収スペクトル測定により約540nmにプラズモン吸収スペクトルピークが生じており、金コロイドが生成したことが確認できた。
(実施例3)
[高分子会合体水溶液3−1]
合成例3で得たPPEI−PEI−EPOP櫛形ブロックコポリマー 10mg(EIユニット:0.051mmol)をメタノール 0.25g中に加温し溶解させる。このメタノール溶液をシリンジでHO 5g中に攪拌しながらゆっくり滴下する。この時の高分子会合体の平均粒径は約30nm、狭い粒径分布であった。また可視吸収スペクトルは350nm以下にのみ吸収を有していた。
[金属固定高分子会合体水溶液3−1−1]
[高分子会合体水溶液3−1]にテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物 1.0mg(0.0026mmol)を加え、軽く振り混ぜ溶解させた後室温で静置した。混合した直後は薄い黄色であったが、時間と共に変化し、翌日には赤味を帯び、3日後には綺麗なワインレッドの溶液となった。平均粒径及び粒径分布は金属導入前と変化がないことがわかった。可視吸収スペクトル測定により約540nmにプラズモン吸収スペクトルピークが生じており、金コロイドが生成したことが確認できた。
(実施例4)
[高分子会合体水溶液4−1]
合成例4で得たPVAL−PEI−PBEI櫛形ブロックコポリマー 10mg(EIユニット:0.018mmol)をメタノール 0.25g中に加温し溶解させる。このメタノール溶液をシリンジでHO 5g中に攪拌しながらゆっくり滴下する。この時の高分子会合体の平均粒径は約30nm、狭い粒径分布であった。また可視吸収スペクトルは350nm以下にのみ吸収を有していた。
[金属固定高分子会合体水溶液4−1−1]
[高分子会合体水溶液4−1]にテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物 0.4mg(0.00089mmol)を加え、軽く振り混ぜ溶解させた後室温で静置した。混合した直後は薄い黄色であったが、時間と共に変化し、翌日には赤味を帯び、3日後には綺麗なワインレッドの溶液となった。平均粒径及び粒径分布は金属導入前と変化がないことがわかった。可視吸収スペクトル測定により約540nmにプラズモン吸収スペクトルピークが生じており、金コロイドが生成したことが確認できた。

Claims (7)

  1. 重合度3〜1000の直鎖状ポリエチレンイミン鎖(a)に、
    ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリアセチルエチレンイミン、ポリアセチルプロピレンイミン、ポリプロピオニルエチレンイミン、ポリプロピオニルプロピレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる一種以上の重合度3〜1000の親水性ポリマー鎖(b)と、
    ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリブロモメチルスチレン、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシルエステル、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、ポリベンゾイルエチレンイミン、ポリベンゾイルプロピレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルプロピレンイミン、ポリ(N−(3−(パーフルオロオクチル)プロピオニル)エチレンイミン)、ポリ(N−(3−(パーフルオロオクチル)プロピオニル)プロピレンイミン)及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる一種以上の重合度3〜1000の疎水性ポリマー鎖(c)と、
    が結合した三元共重合体(X)が、粒子径5〜5000nmの範囲で溶液に分散して形成する高分子会合体中の直鎖状ポリエチレンイミン鎖(a)に、粒子径が1〜50nmの銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、マンガン、レニウム及びモリブデンからなる群から選ばれる一種以上の遷移金属の微粒子(Y)が配位することで該微粒子が高分子会合体に固定化されていることを特徴とする金属固定高分子会合体。
  2. 前記遷移金属の微粒子(Y)の含有量が、前記直鎖状ポリエチレンイミン鎖(a)を形成する全エチレンイミン単位に対して1〜100モル%の範囲にある請求項1記載の金属固定高分子会合体。
  3. 前記親水性ポリマー鎖(b)が、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びポリプロピオニルエチレンイミンからなる群から選ばれる一種以上の親水性ポリマー鎖である請求項1記載の金属固定高分子会合体。
  4. 前記疎水性ポリマー鎖(c)が、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、エポキシ樹脂及びポリベンゾイルエチレンイミンからなる群から選ばれる一種以上の疎水性ポリマー鎖である請求項1記載の金属固定高分子会合体。
  5. 前記遷移金属の微粒子(Y)が、銀、金、パラジウム及び白金からなる群から選ばれる一種以上の遷移金属の微粒子である請求項1記載の金属固定高分子会合体。
  6. 前記エポキシ樹脂が、下記一般式(1)
    Figure 0004026647
    〔式(1)中、nは繰り返し数を表し、Xはキサンテン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基、ビフェニレン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基、ジフェニルアルカン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基またはジフェニルスルフォン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基であり、Xはキサンテン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基、キサンテン骨格を有する芳香族ジグリシジル化合物を由来とする二価の基、ビフェニレン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基、ビフェニレン骨格を有する芳香族ジグリシジル化合物を由来とする二価の基、ジフェニルアルカン骨格若しくはジフェニルスルフォン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を由来とする二価の基、ジフェニルアルカン骨格若しくはジフェニルスルフォン骨格を有する芳香族ジグリシジル化合物を由来とする二価の基、ジシクロヘキシルアルカン骨格を有する脂肪族ジグリシジル化合物を由来とする二価の基、又はアルキレン骨格若しくはポリオキシアルキレン骨格を有するジグリシジル化合物を由来とする二価の基であり、X、Xは共に、繰り返し単位毎に異なっていても、またXとXとが同一であっても異なっていてもよい。〕
    で表されるエポキシ樹脂である請求項1記載の金属固定高分子会合体。
  7. 重合度3〜1000の直鎖状ポリエチレンイミン鎖(a)に、
    ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリアセチルエチレンイミン、ポリアセチルプロピレンイミン、ポリプロピオニルエチレンイミン、ポリプロピオニルプロピレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる一種以上の重合度3〜1000の親水性ポリマー鎖(b)と、
    ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリブロモメチルスチレン、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシルエステル、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、ポリベンゾイルエチレンイミン、ポリベンゾイルプロピレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリロイルプロピレンイミン、ポリ(N−(3−(パーフルオロオクチル)プロピオニル)エチレンイミン)、及びポリ(N−(3−(パーフルオロオクチル)プロピオニル)プロピレンイミン)からなる群から選ばれる一種以上の重合度3〜1000の疎水性ポリマー鎖(c)と、
    が結合した三元共重合体(X)が、粒子径5〜5000nmの範囲で水性媒体中に分散してなる高分子会合体の該水性媒体中に、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、マンガン、レニウム及びモリブデンからなる群から選ばれる一種以上の遷移金属の塩、又は銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、マンガン、レニウム及びモリブデンからなる群から選ばれる一種以上の遷移金属のイオン溶液を加えて、前記高分子会合体中の直鎖状ポリエチレンイミン鎖(a)に、該金属のイオン(Y’)を配位させ、該イオン(Y’)の自発還元により還元させ、粒子径が1〜50nmの金属の微粒子とし、該微粒子が前記高分子会合体に配位することで固定化されることを特徴とする金属固定高分子会合体の製造方法。
JP2005030451A 2005-02-07 2005-02-07 金属固定高分子会合体とその製造方法 Active JP4026647B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005030451A JP4026647B2 (ja) 2005-02-07 2005-02-07 金属固定高分子会合体とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005030451A JP4026647B2 (ja) 2005-02-07 2005-02-07 金属固定高分子会合体とその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006213887A JP2006213887A (ja) 2006-08-17
JP2006213887A5 JP2006213887A5 (ja) 2007-03-01
JP4026647B2 true JP4026647B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=36977367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005030451A Active JP4026647B2 (ja) 2005-02-07 2005-02-07 金属固定高分子会合体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4026647B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102199407A (zh) * 2011-03-18 2011-09-28 中科院广州化学有限公司 高分散型纳米银和高性能导电胶

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007099930A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Dainippon Ink & Chem Inc トリブロックコポリマー及びその製造方法
JP4026662B1 (ja) * 2006-08-01 2007-12-26 大日本インキ化学工業株式会社 金属ナノ粒子分散体とその製造方法
JP4026664B1 (ja) * 2006-08-03 2007-12-26 大日本インキ化学工業株式会社 金属ナノ粒子分散体、およびその製造方法
JP2008081545A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Dainippon Ink & Chem Inc 水性着色材料及び粉末状着色材料
KR101041880B1 (ko) 2007-05-16 2011-06-16 디아이씨 가부시끼가이샤 은 함유 나노 구조체의 제조 방법 및 은 함유 나노 구조체
WO2009115506A2 (de) * 2008-03-19 2009-09-24 Basf Se Mit derivatisierten polyethyleniminen oder polyvinylaminen stabilisierte metall-nanopartikel
WO2009157393A1 (ja) * 2008-06-23 2009-12-30 Dic株式会社 反転印刷用導電性インキ
JP5553516B2 (ja) * 2009-02-24 2014-07-16 ライオン株式会社 金属超微粒子分散体およびその製造方法
DE112010004973T5 (de) * 2009-12-22 2013-02-28 Dic Corp. Leitpaste für Siebdruckverfahren
DE112010004960T5 (de) * 2009-12-22 2012-12-06 Dic Corporation Leitpaste für Siebdruckverfahren
KR20170040368A (ko) 2013-04-24 2017-04-12 디아이씨 가부시끼가이샤 금속 나노 입자 보호 폴리머, 금속 콜로이드 용액 및 그들의 제조 방법
WO2016093223A1 (ja) 2014-12-11 2016-06-16 Dic株式会社 銀ペースト及びこれを用いて得られる導電性成形加工物
JP6748999B2 (ja) * 2016-08-26 2020-09-02 国立大学法人横浜国立大学 接着剤組成物
JP6811275B2 (ja) * 2018-03-22 2021-01-13 富士フイルム株式会社 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体用組成物
CN114520066B (zh) * 2022-03-29 2024-02-06 衡阳思迈科科技有限公司 一种耐候性导电银浆及其制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102199407A (zh) * 2011-03-18 2011-09-28 中科院广州化学有限公司 高分散型纳米银和高性能导电胶

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006213887A (ja) 2006-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4026647B2 (ja) 金属固定高分子会合体とその製造方法
Bakravi et al. Synthesis of gelatin‐based biodegradable hydrogel nanocomposite and their application as drug delivery agent
JP4026662B1 (ja) 金属ナノ粒子分散体とその製造方法
JP4257621B2 (ja) 銀含有ナノ構造体の製造方法及び銀含有ナノ構造体
JP4632984B2 (ja) 樹枝状ポリマーのナノコンポジット
JP3594803B2 (ja) 貴金属又は銅のコロイド溶液及びその製造方法並びに塗料組成物及び樹脂成型物
US7670509B2 (en) Composite nanofiber, composite nanofiber association, complex structure, and production method thereof
Carlsson et al. Modification of cellulose model surfaces by cationic polymer latexes prepared by RAFT-mediated surfactant-free emulsion polymerization
TWI363771B (en) Organo-inorganic compound nanofiber, organo-inorganic compound structrue, and method for producing the same
WO2008018123A1 (fr) Dispersion de nanoparticules métalliques et leur procédé de production
JP3883556B2 (ja) 有機無機複合ナノファイバ、有機無機複合構造体及びこれらの製造方法
JP2008045024A (ja) 金属ナノ粒子分散体を用いて得られる成形加工物、金属積層板及び塗膜
TW200829638A (en) Novel nanoparticles
JP3978440B2 (ja) シリカ/ポリマー/金属複合材料及びその製造方法
JP4101271B2 (ja) 針状表面微粒子及びその製造方法
Sakamoto et al. Recent advances in the self-assembly of sparsely grafted amphiphilic copolymers in aqueous solution
JP4428568B2 (ja) 金ナノプレートの製造方法
JP2004346429A (ja) 貴金属又は銅のコロイド溶液及びその製造方法並びに塗料組成物及び樹脂成型物
JP4026663B1 (ja) 金属ナノ粒子分散体の製造方法
JP4026664B1 (ja) 金属ナノ粒子分散体、およびその製造方法
JP5467447B2 (ja) 表面改質剤、該表面改質剤により改質された被改質体及びナノ粒子の分散液、並びにナノ粒子の製造方法
JP5095288B2 (ja) ポリマー/シリカ複合ナノ構造体、ポリマー/金属類/シリカ複合ナノ構造体及びシリカ系無機構造体の製造方法
JP2007099930A (ja) トリブロックコポリマー及びその製造方法
JP3978443B2 (ja) シリカ/金属錯体複合材料及びその製造方法
KR101276096B1 (ko) 공중합체로 코팅된 금속 나노 입자의 제조 방법 및 이에 의하여 제조된 공중합체로 코팅된 금속 나노 입자

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070112

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070112

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20070112

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20070201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070613

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071001

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4026647

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131019

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250