JP2584288B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2584288B2
JP2584288B2 JP21530588A JP21530588A JP2584288B2 JP 2584288 B2 JP2584288 B2 JP 2584288B2 JP 21530588 A JP21530588 A JP 21530588A JP 21530588 A JP21530588 A JP 21530588A JP 2584288 B2 JP2584288 B2 JP 2584288B2
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    • G03G5/0589Macromolecular compounds characterised by specific side-chain substituents or end groups

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは静電特性及
び耐湿性に優れた電子写真感光体に関する。特にCPC感
光体として性能の優れたものに関する。
(従来の技術) 電子写真感光体は、所定の特性を得るため、あるいは
適用される電子写真プロセスの種類に応じて、種々の構
成をとる。
電子写真感光体の代表的なものとして、支持体上に光
導電層が形成されている感光体及び表面に絶縁層を備え
た感光体があり、広く用いられている。
支持体と少なくとも1つの光導電層から構成される感
光体は、最も一般的な電子写真プロセスによる、即ち帯
電、画像露光及び現像、更に必要に応じて転写による画
像形成に用いられる。
更には、ダイレクト製版用のオフセット原版として電
子写真感光体を用いる方法が広く実用されている。特に
近年、ダイレクト電子写真平板は数百枚から数千枚程度
の印刷枚数で高画質の印刷物を印刷する方式として重要
となってきている。
電子写真感光体の光導電層を形成するために使用する
結合剤は、それ自体の成膜性および光導電性粉体の結合
剤中への分散能力が優れるとともに、形成された記録体
層の基材に対する接着性が良好であり、しかも記録体層
の光導電層は帯電能力に優れ、暗減衰が小さく、光減衰
が大きく、前露光疲労が少なく、且つ、撮像時の湿度の
変化によってこれら特性を安定に保持していることが必
要である等の各種の静電特性および優れた撮像性を具備
する必要がある。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂
(特公昭34-6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35-1960号)、アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35-11219号)、酢酸ビニル樹脂(特
公昭41-2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41-2426
号)、アクリル樹脂(特公昭35-11216号)、アクリル酸
エステル共重合体(例えば特公昭35-11219号、特公昭36
-8510号、特公昭41-13946号等)等が知られている。
しかし、これらの樹脂を用いた電子写真感光材料にお
いては、1)光導電性粉体との親和性が不足し、塗工液
の分散性が不良となる。2)光導電層の帯電性が低い、
3)複写画像の画像部(特に網点再現性・解像力)の品
質が悪い、4)複写画像作成時の環境(例えば高温高
湿、低温低湿等)にその画質が影響されやすい、等のい
ずれかの問題があった。
光導電層の静電特性の改良方法として種々の方法が提
案されており、その1つの方法として、例えば、芳香族
環又はフラン環にカルボキシル基又はニトロ基を含有す
る化合物、あるいはジカルボン酸の無水物を更に組合せ
て、光導電層に共存させる方法が特公昭42-6878号及び
特公昭45-3073号に開示さている。しかし、これらの方
法によって改良された感光材料でもその静電特性は充分
でなく、特に光減衰特性の優れたものは得られていな
い。そこでこの感光材料の感度不足を改良するために、
光導電層中に増感色素を多量に加える方法が従来とられ
てきたが、このような方法によって作製された感光材料
は、白色度が著しく劣化し、記録体としての品質低下を
生じ、場合によっては感光材料の暗減衰の劣化を起こ
し、充分な複写画像が得られなくなってしまうという問
題を有していた。
一方、光導電層に用いる結着樹脂として樹脂の平均分
子量を調節して用いる方法が特開昭60-10254号に開示さ
れている。即ち、酸価4〜50のアクリル樹脂で平均分子
量が103〜104の分布の成分のものと104〜2×105の分布
の成分のものを併用することにより、静電特性(特にPP
C感光体としての繰り返し再現性)、耐湿性等を改良す
る技術が記載されている。
更に、電子感真感光体を用いた平版印刷用原版の研究
が鋭意行なわれており、電子写真感光体としての静電特
性と印刷原版としての印刷特性を両立させた光導電層用
の結着樹脂として、例えば、特公昭50-31011号では、フ
マル酸存在下で(メタ)アクリレート系モノマーと他の
モノマーと共重合させた、Mw1.8〜10×104でTg10〜80℃
の樹脂と、(メタ)アクリレート系モノマーとフマル酸
以外の他のモノマーとから成る共重合体とを併用したも
の、又特開昭53-54027号では、カルボン酸基をエステル
結合から少なくとも原子数7個離れて有する置換基をも
つ(メタ)アクリル酸エステルを含む三元共重合体を用
いるもの、又特開昭54-20735号・特開昭57-202544号で
は、アクリル酸及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートを含む4元又は5元共重合体を用いるもの、又特開
昭58-68046号では、炭素数6〜12のアルキル基を置換基
とする(メタ)アクリル酸エステル及びカルボン酸含有
のビニルモノマーを含む3元共重合体を用いるもの等が
光導電層の不感脂化性の向上に効果があると記載されて
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記した静電特性・耐湿特性に効果が
あるとされる樹脂であっても、現実に評価してみると特
に帯電性、暗電荷保持性、光感度の如き静電特性、光導
電層の平滑性等に問題があり、実用上満足できるもので
はなかった。
又、電子写真式平版印刷用原版として開発されたとす
る結着樹脂においても、現実に評価してみると前記の静
電特性、印刷物の地汚れ、更には耐湿特性等に問題があ
った。
本発明は、以上の様な従来の電子写真感光体の有する
課題を改良するものである。
本発明の目的は、静電特性(特に暗電荷保持性及び光
感度)が向上し、原画に対し忠実な複写画像を再現する
高画質の電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、複写画像形成時の環境が低温低
湿あるいは高温高湿の如く変動した場合でも、鮮明で良
質な画像を有する電子写真感光体を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、静電特性に優れ且つ環境依存性
の小さいCPC電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、電子写真式平版印刷原版として
地汚れの発生を全く生じさせない印刷物を与える平版印
刷版を提供することである。
本発明の他の目的は併用し得る増感色素の種類による
影響をうけにくい電子写真感光体を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 前記の課題は、無機光導電材及び結着樹脂を少なくと
も含有する光導電層を有する電子写真感光体において、
該結着樹脂が、1×103〜2×104の重量平均分子量を有
し、且つ下記(i)及び(ii)の繰り返し単位を共重合
成分として含有する樹脂を少なくとも1種含有する事を
特徴とする電子写真感光体によって解決される。
(i)式(I)又は式(II)で示される少なくとも1
つの繰り返し単位30重量%以上 式(I) 式(II) (式中、X1及びX2は互いに独立に、それぞれ水素原子、
炭素数1〜10の炭化水素基、塩素原子臭素原子、−COY1
又は−COOY2(Y1及びY2は各々炭素数1〜10の炭化水素
基を示す)を表わす。但し、X1とX2がともに水素原子を
表わすことはない。W1及びW2は、−COO−とベンゼン環
を結合する、直接結合又は連結原子数1〜4個の連結基
を表わす。
(ii)−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基及び 基{Rは炭素数1〜10の炭化水素基又は−OR′(R′は
炭素数1〜10の炭化水素基を示す)を示す}の酸性基並
びに環状酸無水物含有基のうちの少なくとも1つの置換
基を含有する少なくとも1つの繰り返し単位0.5〜15重
量%。
更に、該結着樹脂に含有される樹脂が、上記(i)及
び(ii)の繰返し単位に加え更に下記(iii)の繰り返
し単位を共重合成分として含有する場合に、更に膜強度
が向上し、耐刷性に優れた電子写真感光体が得られるこ
とが判った。
(iii)熱及び/又は光硬化性官能基を含有する少な
くとも1つの繰り返し単位1〜20重量%。
本発明では、上記(i)、(ii)及び(iii)の各繰
り返し単位は、結着樹脂中にそれぞれ2種以上含有され
ていてもよい。
前述の如き従来公知の酸性基含有結着樹脂は主として
オフセットマスター用であって、膜強度保持による耐刷
性向上のためにその分子量は大きいものであった(例え
ば5×104以上)。
これに対して、本発明に用いられる、特定の置換基を
もつメタクリレート共重合成分を含有する酸性基及び/
又は環状酸無水物含有樹脂(以下特にことわらない限り
酸性基の語の中に環状酸無水物も含むものとする)は、
樹脂中に含有される酸性基が無機光導電体の化学量論的
な欠陥に吸着し、且つ低分子量体であることから、光導
電体の表面の被覆性を向上させることで光導電体のトラ
ップを補償すると共に湿度特性を飛躍的に向上させる一
方、光導電体の分散が充分に行なわれ、凝集を抑制する
ことを見出した。
また、光導電体表面の平滑性が滑らかとなる。電子写
真式平版印刷原版として光導電層表面の平滑性の粗らい
感光体を用いると、光導電体粒子と結着樹脂の分散状態
が適切でなく、凝集物が存在する状態で光導電層が形成
されるため、不感脂化処理液による不感脂化処理をして
も非画像部の親水化が均一に充分に行なわれず、印刷時
に印刷インキの付着を引き起こし、結果として印刷物の
非画像部の地汚れが生じてしまう。
一方、本発明に従う結着樹脂の低分子量化によって、
皮膜強度の脆弱化が懸念されたが、光導電体を充分に分
散し、該粒子表面に吸着、被覆させることにより、皮膜
性が保持され、CPC感光体あるいは数千枚の印刷枚数の
オフセット原版としては充分な膜強度を保有しているこ
とが見出された。
更に、本発明の樹脂が、更に熱及び/又は光硬化性官
能基を少なくとも1種含有する場合には、該官能基が適
宜ポリマー間を架橋させることでポリマーの間の相互作
用を強固に、膜としての強度を向上させることが判っ
た。従って、熱及び/又は光硬化性官能基を更に含有す
る本発明の樹脂は、無機光導電体粒子表面と結着樹脂の
適切な吸着・被覆を疎外することなく、更に結着樹脂間
の相互作用を強め、その結果、皮膜強度が向上する効果
を有するものである。
該結着樹脂において、重量平均分子量は1×103〜2
×104、好ましくは5×103〜1×104であり、式(I)
又は式(II)の繰り返し単位に相当する共重合成分
(i)の存在割合は30重量%以上、好ましくは50〜97重
量%であり、該酸性基を含有する共重合成分(ii)の存
在割合は0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%であ
り、該熱及び/又は光硬化性官能基を含有する共重合成
分(iii)が存在する場合におけるその存在割合は1〜2
0重量%である。該樹脂のガラス転移点は好ましくは−1
0℃〜100℃、より好ましくは−5℃〜80℃である。
結着樹脂の分子量が1×103より小さくなると、皮膜
形成が低下し十分な膜強度が保てない。一方分子量が2
×104より大きくなると電子写真特性(特に初期電位、
暗減衰保持率)が劣化するため好ましくない。特にかか
る高分子量体の場合に酸性含有量が3%を越えるとかか
る電子写真特性の劣化が著しく、オフセットマスターと
して用いたときに地汚れが顕著となる。
結着樹脂における酸性基含有量が0.5重量%より少な
いと、初期電位が低くて十分な画像濃度を得ることがで
きない。一方該酸性基含有量が15重量%よりも多いと、
分散性が低下し、膜平滑度及び電子写真特性の高湿特性
が低下し、更にオフセットマスターとして用いるときに
地汚れが増大する。
更に結着樹脂における熱及び/又は光硬化性の官能基
が存在する場合に、その含有量が1重量%より少ないと
硬化反応不足で硬化性官能基による膜強度向上の効果を
得ることができず、一方該官能基含有量が20重量%より
も多いと膜の硬化度が高くなりすぎて電子写真特性が低
下し、更に、オフセットマスターとして用いるときに地
汚れが増大するため好ましくない。
本発明の結着樹脂において共重合成分として30重量%
以上含有される繰り返し単位(i)は前記式(I)又は
(II)で示される。
式(I)において、好ましいX1及びX2としてそれぞれ
水素原子、塩素原子及び臭素原子のほかに、好ましい炭
化水素基として、炭素数1〜4のアルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数
7〜9のアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル
基、3−フェニルプ ロピル基、クロロベンジル基、ジ
クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル
基、メトキシベンジル基、クロロメチルベンジル基
等)、アリール基(例えばフェニル基、トリル基、キシ
リル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、クロ
ロフェニル基、ジクロロフェニル基等)、並びに−COY1
及び−COOY2(好ましいY1及びY2としては上記の好まし
い炭化水素基として記載したものを挙げることができ
る)を挙げることができる。但し、X1及びX2がともに水
素原子を表わす事はない。
式(I)において、W1は、−COO−とベンゼン環を結
合する、直接結合又はCH2 n(nは1〜3の整数を表
わす)、−CH2CH2OCO−、CH2Om(mは1又は2の整
数を表わす)、−CH2CH2O−等の如き連結原子数1〜4
個の連結基を表わす。
式(II)におけるW2はW1と同一の内容を表わす。
本発明に用いられる、式(I)又は(II)で示される
繰り返し単位(i)の具体例を以下に挙げる。しかし、
本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の樹脂〔A〕における「酸性基を含有す
る繰り返し単位(ii)」において、好ましい酸性基は−
PO3H2基、−SO3H基、−COOH基、 、環状酸無水物含有基である。
基において、Rは炭化水素基又はOR′(R′は炭化水素
基を表わす)を表わし、R及びR′は好ましくは炭素数
1〜22の脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プル
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル
基、2−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、
アリル基、クロトニル基、ブテニル基、シクロヘキシル
基、ベンジル基、フエネチル基、3−フエニルプロピル
基、メチルベンジル基、クロロベンジル基、フルオロベ
ンジル基、メトキシベンジル基等)、又は置換されても
よいアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、エチ
ルフエニル基、プロピルフエニル基、クロロフエニル
基、ブロモフエニル基、クロロメチルフエニル基、ジク
ロロフエニル基、メトキシフエニル基、シアノフエニル
基、アセトアミドフエニル基、アセトフエニル基、ブト
キシフエニル基等)等を表わす。
また、環状酸無水物含有基とは、少くとも1つの環状
酸無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水物
としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカルボ
ン酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無
水物環、グルタコン酸無水物環、マレイン酸無水物環、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ〔2,2,
2〕オクタンジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これ
らの環には、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のア
ルキル基等が置換されていてもよい。
又、芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタル
酸無水物環、ナフタレンジカルボン酸無水物環、ピリジ
ン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン−ジカルボン酸
無水物環等が挙げられ、これらの環は、例えば、塩素原
子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ヒドロキシル
基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシルカルボニル基
(アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基等)等が置換されていてもよい。
本発明の「酸性基を含有する繰り返し単位(ii)」に
相当する共重合成分は、例えば式(I)又は式(II)で
示される繰り返し単位に相当するメタクリレート単量体
と共重合し得る、該酸性基を含有するビニル系化合物で
あればいずれでもよく、例えば、高分子学会編「高分子
データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館(1986年)等
に記載されている。具体的には、アクリル酸、α及び/
又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセトキシ体、α−
アセトキシメチル体、α−(2−アミノ)エチル体、α
−クロロ体、α−ブロモ体、α−フルオロ体、α−トリ
ブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロロ体、β−ブ
ロモ体、α−クロロ−β−メトキシ体、α,β−ジクロ
ロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、イタコン酸半エ
ステル類、イタコン酸半アミド類、クロトン酸、2−ア
ルケニルカルボン酸類(例えば2−ペンテン酸、2−メ
チル−2−ヘキセン酸、2−オクテン酸、4−メチル−
2−ヘキセン酸、4−エチル−2−オクテン酸等)、マ
レイン酸、マレイン酸半エステル類、マレイン酸半アミ
ド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニルベンゼンスル
ホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸,ジカル
ボン酸類のビニル基又はアリル基の半エステル誘導体、
及びこれらのカルボン酸又はスルホン酸のエステル誘導
体、アミド誘導体の置換基中に該酸性基を含有する化合
物等が挙げられる。
「酸性基含有の繰返し単位(ii)」について例示する。
また、本発明の繰り返し単位(iii)における「熱及
び/又は光硬化性官能基」とは、熱及び光のうちの少な
くともいずれかにより樹脂の硬化反応を行なう官能基を
いう。
光硬化性官能基として具体的には、乾英夫,永松元太
郎,「感光性高分子」(講談社、1977年刊)、角田隆
弘,「新感光性樹脂」(印刷学会出版部、1981年刊)、
G.E.Green and B.P,Strark,J.Macro.Sci.Reas.Macro
Chem.,C21(2),187〜273(1981〜82)、C.G.Ratte
y,「Photopolymirization of Surface Cootings」
(A.Wiley InterScience Pub.1982年刊)、等の総説
に引例された光硬化性樹脂として従来公知の感光性樹脂
等に用いられる官能基が用いられる。
また本発明における「熱硬化性官能基」は、前記の酸
性基以外の官能基であって、例えば、遠藤剛、「熱硬化
性高分子の精密化」(C.M.C(株)、1986年刊)、原崎
勇次「最新バインダー技術便覧」第II−I章(総合技術
センター、1985年刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成
・設計と新用途開発」(中部経営開発センター出版部、
1985年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」(テク
ノシステム,1985年刊)等の総説に引例の官能基を用い
ることができる。
例えば−OH基、−SH基、−NH2基、−NHR1基〔R1は炭
化水素基を表わし、例えば炭素数1〜10の置換されても
よいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、2
−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノ
エチル基等)、炭素数4〜8の置換されてもよいシクロ
アルキル基(例えばシクロヘプチル基、シクロヘキシル
基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基
(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロ
ピル基、クロロベンジル基、メチルベンジル基、メトキ
シベンジル基等)、置換されてもよいアリール基(例え
ばフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル
基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル
基等)等が挙げられる〕、 −CONHCH2OR2〔R2は水素原子又は炭素数1〜8のアルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基等)を表わす〕、−N=
C=O基及び 基{a1,a2は、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩
素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基等)を表わす}等を挙げる
ことができる。又該重合性二重結合基として、具体的に
は、CH2=CH−、CH2=CH−CH2−、 CH2=CH−NHCO−、CH2=CH−CH2−、NHCO−、CH2=CH−
SO2−、CH2=CH−CO−、CH2=CH−O−、CH2=CH−S−
等を挙げることができる。
本発明において、結着樹脂に該硬化性官能基の群から
選択される官能基を少なくとも1種含有させる方法とし
て、重合体に高分子反応で導入する方法、又は該官能基
を1種又はそれ以上含有する1種又はそれ以上の単量体
と前記した一般式(I)又は(II)の繰り返し単位に相
当する単量体及び「酸性基含有の共重合体成分」に相当
する単量体と共重合反応する方法等により得られる。
高分子反応は、従来公知の低分子合成反応の方法をそ
のまま用いることができ、例えば、日本化学会編、「新
実験化学講座14巻、有機化合物の合成と反応〔I〕〜
〔V〕」、(丸善株式会社刊)、岩倉義男、栗田恵輔著
「反応性高分子」等の総説引例の公知文献等に詳細に記
載されている。
一方、該「光及び/又は熱硬化反応を行なう官能基」
を含有する単量体の例としては、例えば一般式(I)又
は(II)の繰り返し単位に相当する単量体と共重合し得
る、該官能基を含有するビニル系化合物を挙げることが
できる。具体的には、前記した「酸性基含有の化合物」
と同様の化合物の置換基中に該官能基を含有するもの等
が挙げられる。
「熱/光硬化性官能基」含有の繰返し単位(iii)に
ついて例示する。
更に、本発明の樹脂は、前記した一般式(I)又は
(II)の繰り返し単位に相当する単量体、該酸性基を含
有する単量体及び任意の該光及び/又は熱硬化性官能基
を含有する単量体とともに、これら以外の他の単量体を
共重合成分とて含有してもよい。
例えば、α−オレフィン類、アルカン酸ビニル又はア
リルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニルエーテル類、アクリル酸エステル類、メタク
リル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミ
ド類、スチレン類、複素環ビニル類(例えばビニルピロ
リドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニル
チオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾール、
ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニルチアゾー
ル、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
本発明では、特に光及び/又は熱硬化性官能基を含有
する場合に、感光層膜中での架橋反応を促進させるため
に、必要に応じて反応促進剤を添加してもよい。官能基
間の化学結合を形成する反応様式の場合には、例えば有
機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸等)架橋剤等が挙げられ
る。
架橋剤としては、具体的には、山下晋三、金子東助編
「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載さ
れている化合物等を用いることができる。例えば、通常
用いられる有機シラン、ポリウレタン、ポリイソシアナ
ートの如き架橋剤、エポキシ樹脂、メラミン樹脂の如き
硬化剤等を用いることができる。
重合性反応様式の場合には、重合開始剤(過酸化物、
アゾビス系化合物等が挙げられ、好ましくは、アゾビス
系重合開始剤である)、多官能重合性基含有の単量体
(例えばビニルメタクリレート、アリルメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ジビニルコハク酸エステ
ル、ジビニルアジピン酸エステル、ジアリルコハク酸エ
ステル、2−メチルビニルメタクエレート、ジビニルベ
ンゼン等)等が挙げられる。
更に光架橋反応性の官能基を含有する樹脂の場合には
増感剤、光重合体単量体等を添加してもよい。具体的に
は前記した感光性樹脂に関する総説に引例された化合物
等を用いることができる。
また、本発明において、熱硬化性官能基を含有する結
着樹脂を用いる場合には熱硬化処理が行われる。この熱
硬化処理は従来の感光体作製時の乾燥条件を厳しくする
ことにより行うことができる。例えば、60℃〜120℃で
5分〜120分感処理すればよい。光架橋性官能基を含有
する樹脂を用いる場合は、感光層形成物を塗布した後
に、電子線、X線、紫外線あるいはプラズマ光照射をす
ることにより架橋され、これは乾燥中のみならず、その
前あるいは後でもいずれでもよく、上記乾燥条件の加熱
により反応はより促進する。熱及び/又は光硬化性官能
基を含有する場合に、上述の反応促進剤を併用すると、
より穏やかな条件で処理することが可能となる。
本発明に使用する無機光導電材料としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カド
ミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化
テルル、硫化鉛等が挙げられる。好ましくは、酸化亜
鉛、酸化チタン等が挙げられる。無機光導電材料に対し
て用いる結着樹脂の総量は、光導電体100重量部に対し
て結着樹脂を10〜100重量部なる割合、好ましくは15〜5
0重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視:武井秀
彦:イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等、R
CA Review 15,469(1954)、清田航平等、電気通信学会
論文誌J63-C(No.2)、97(1980)、原崎勇次等、工業
化学雑誌6678及び188(1963)、谷忠昭、日本写真学
会誌35、208(1972)等の総説引例のカーボニウム系色
素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、
キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン色素
(例えばオキソノール色素、メロシアニン色素、シアニ
ン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、フタロ
シアニン色素(金属を含有していてもよい)等が挙げら
れる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン系色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を
中心に用いたものとしては、特公昭51-452号、特開昭50
-90334号、特開昭50-114227号、特開昭53-39130号、特
開昭53-82353号、米国特許第3052540号、米国特許第405
4450号、特開昭57-16456号等に記載のものが挙げられ
る。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Hammer、「The Cyanine Dyes and Related Compound
s」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、米国特許第3047384号、米国特許第3110591号、米国
特許第3121008号、米国特許第3125447号、米国特許第31
28179号、米国特許第3132942号、米国特許第3622317
号、英国特許第1226892号、英国特許第1309274号、英国
特許第1405898号、特公昭48-7814号、特公昭55-18892号
等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47-840号、特開
昭47-44180号、特公昭51-41061号、特開昭49-5034号、
特開昭49-45122号、特開昭57-46245号、特開昭56-35141
号、特開昭57-157254号、特開昭61-26044号、特開昭61-
27551号、米国特許第3619154号、米国特許第4175956
号、「Research Disclosure」1982年、216、第117〜118
頁等に記載のものが挙げられる。
本発明の感光体は種々の増感色素を併用させても、そ
の性能が増感色素により変動しにくい点でも優れてい
る。
更には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られて
いる電子写真感光層用各種添加剤を併用することもでき
る。例えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)
第12頁の総説引例の電子受容性化合物(例えばハロゲ
ン、ベンゾキノン、クラニル、酸無水物、有機カルボン
酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の開発
・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出版部
(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン化合物、
ヒンダートフェノール化合物、p−フェニレンジアミン
化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は特に限定的ではないが、
通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部であ
る。
光導電層の厚さは1〜100μ、特に10〜50μ、が好適
である。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ、特に0.05〜0.5μが好適である。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μ、特には10〜30μ、が好適である。
絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる樹脂として
は、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酸ビ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂の熱可塑性
樹脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に言って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等、が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、電子写真、14、(No.1)、第2〜11頁
(1975)、森賀弘、「入門特殊紙の化学」高分子刊行会
(1975)、M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A-4
(6)、第1327〜1417頁(1970)等に記載されているも
の等を用いる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
合成例1 2,6−ジクロロフェニルメタクリレート95g、アクリル
酸5g及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下90℃の温
度に加温した後、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)6gを加え、8時間反応させた。得られた共重合体
(1)の重量平均分子量は8,500、ガラス転移点は60℃
であった。
合成例2 エチルメタクリレート95g、アクリル酸5g及びトルエ
ン200gの混合溶液を窒素気流下90℃の温度に加温した
後、アゾビスイソブチロニトリル6.0gを加え8時間反応
させた。得られた共重合体(A)の重量平均分子量は85
00、ガラス転移点42℃であった。
合成例3 エチルメタクリレート98g、アクリル酸2g及びトルエ
ン200gの混合溶液を窒素気流下75℃の温度に加温した
後、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)1.5gを加
え、8時間反応させた。得られた共重合体(B)の重量
平均分子量は32,000、ガラス転移点は45℃であった。
実施例1 合成例1で製造した共重合体(1)40g(固形分量と
して)、酸化亜鉛200g、下記構造式で示されるヘプタメ
チンシアニン色素0.02g、フタル酸無水物0.10g及びトル
エン300gの混合物をボールミル中で2時間分散して感光
層形成物を調整し、これを導電処理した紙に、乾燥付着
量が20g/m2となる様にワイヤーバーで塗布し、100℃で3
0秒感乾燥した。次いで暗所で20℃、65%RHの条件下で2
4時間放置することにより電子写真感光材料を作製し
た。
比較例A 実施例1で用いた共重合体(1)の代わりに合成例2
で製造した共重合体(A)40g(固形分量として)用い
る以外は実施例1と同様にして比較用電子写真感光体A
を製造した。
比較例B 実施例1で用いた共重合体(1)の代わりに合成例3
で製造した共重合体(B)40g(固形分量として)を用
いる以外は実施例1と同様にして比較用電子写真感光体
Bを製造した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、静電特
性、撮像性及び環境条件を30℃、80%RHとした時の撮像
性を調べた。更に、これらの感光材料をオフセットマス
ター用原版として用いた時の光導電性の不感脂化性(不
感脂化処理後の光導電層の水との接触角で表わす)及び
印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べた。
撮像性及び印刷性は、全自動製版ELP404V(富士写真
フィルム(株)製)に現像剤ELP-Tを用いて露光・現像
処理して画像を形成し、不感脂化液ELP-Eを用いてエッ
チングプロセッサーでエッチングして得られた平版印刷
版を用いて調べた(なお、印刷機にはハマダスター
(株)製ハマダスター800SX型を用いた)。
以上の結果をまとめて、表−1に示す。
表−1に示した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料は、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP-428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で60秒間静置した後の電位V70を測
定し、60秒間減衰させた後の電位の保持性、即ち、暗減
衰保持率〔DRR(%)を、(V70/V10)×100(%)で求
めた。又、コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯
電させた後、該光導電層表面をカリウム−アルミニウム
−ヒ素半導体レーザー(発振波長830nm)光で照射し、
表面電位(V10)が1/10に減衰するまでの時間を求め、
これから露光量E1/10(erg/cm2)を算出する。
測定時の環境条件は、20℃,65%RH(I)と30℃,80%
RH(II)で行なった。
注3)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、各
感光材料を、−6KVで帯電し、光源として2.8mW出力のガ
リウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長
830nm)を用いて、感光材料表面上で、64erg/cm2の照射
量下、ピッチ25μm及びスキャニング速度300m/secのス
ピードで露光後、液体現像剤として、ELP-T(富士写真
フィルム(株)製)を用いて、現像し、定着することで
得られた複写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価し
た。撮像時の環境条件は、20℃65%RH(I)30℃80%RH
(II)で実施した。
注4)水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液ELP-E(富士写真フィル
ム(株)製)を用いて、エッチングプロセッサーに1回
通して光導電層面を不感脂化処理した後、これに蒸留水
2μlの水滴を乗せ、形成された水との接触角をゴニオ
メーターで測定する。
注5)耐刷性 上記注3)の撮像性と同様にして、製版した後、上記
注4)と同条件で不感脂化処理し、これをオフセットマ
スターとしてオフセット印刷機(桜井製作所(株)製オ
リバー52型)にかけ上質紙を印刷用紙として用いて、印
刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問題が生じ
ないで印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多い程、耐刷
性が良好なことを表わす)。
表−1に示す様に、本発明の感光材料は、光導電層の
平滑性及び静電特性が良好で、実際の複写画像も地カブ
リがなく複写画質も鮮明であった。このことは光導電体
と結着樹脂が充分に吸着し、且つ、粒子表面を被覆して
いることによるものと推定される。同様の理由で、オフ
セットマスター原版として用いた場合でも不感脂化処理
液による不感脂化処理が充分に進行し、非画像部の水と
の接触角が15度以下と小さく、充分に親水化されている
ことが判る。実際に印刷して印刷物の地汚れを観察して
も地汚れは全く認められなかった。
本発明の樹脂と同様の酸成分を含有し、低分子量体で
あるが、エチルメタクリレートを共重合成分とする共重
合体を用いた比較例Aは、常温常湿での静電特性及びそ
の版を用いた印刷特性においては、本発明の場合と殆ん
ど変わらない良好な結果を示したが、高温高湿下での静
電特性が悪化し、V10,D.R.R.及びE1/10のいずれもが低
下してしまい、実際の複写画像も充分な画質のものでは
なかった。
又、比較例Aと同様の〔エチルメタクリレート/アク
リル酸〕共重合体であって、重量平均分子量が大きい場
合の比較例Bは、光導電層の平滑性が著しく悪くなり、
更に静電特性、特にDRRが悪化してしまった。オフセッ
ト原版として用いても、不感脂化処理後の非画像部の水
との接触角が25〜30度と大きく、かつバラツキが大き
く、実際に印刷しても刷り出しから地汚れが発生した。
このことは、結着樹脂の分子量が大きくなることによっ
て、光導電体粒子への吸着とともに粒子間の凝集が引き
起こされ、悪影響をもたらすものと推定される。
以上のことより、本発明の樹脂を用いた場合にのみ静
電特性及び印刷適性を満足する電子写真感光体が得られ
る。
実施例2〜19 樹脂として、表−2に示す共重合体と合成例1の製造
条件と同様に操作して製造した。
得られた樹脂(2)〜(19)の各樹脂の重量平均分子
量は7,000〜8,000であった。
実施例1で用いた共重合体(1)の代わりに表−2に
示す各樹脂40g(固形分量として)を用いる他は実施例
1と同様に操作して、各感光体を製造し、実施例1と同
様に各特性を測定した。各感光体の光導電層表面の平滑
性はすべて80(sec/cc)以上で平滑であった。静電特性
及び撮像性についての結果を表−3に記した。
本発明の感光材料はいずれも帯電性、暗電荷保持率、
光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿(30℃、80%
RH)の過酷な条件においても地カブリの発生や細線飛び
の発生等のない鮮明な画像を与えた。
実施例20〜36 樹脂として表−4に示す共重合体(各樹脂の重量平均
分子量は6,500〜9,500)を、実施例1において用いた樹
脂(1)の代わりに用い、他は実施例1と同様に操作し
て各感光材料を作製した。
実施例1と同様に各特性を測定した。各感光体の光導
電層表面の平滑性はすべて80(sec/cc)以上で平滑であ
った。静電特性についての結果を表−4に併せ記した。
本発明の感光材料はいずれも帯電性、暗電荷保持率、
光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿(30℃、80%
RH)の過酷な条件においても地カブリの発生や細線飛び
の発生等のない鮮明な画像を与えた。
実施例37 本発明の樹脂として下記の化学構造の共重合体を用い
た。
該樹脂40g,酸化亜鉛200g、ローズベンガル0.05g、無水
フタル酸0.01g及びトルエン300gの混合物をボールミル
中で2時間分散した。次に、この分散物にアリルメタク
リレート10g及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.
5gを加え、ボールミル中10分間分散して、感光層形成物
を調整した。
これを導電処理した紙に、乾燥付着量が25g/m2となる
様にワイヤーバーで塗布し、80℃で1時間、更に100℃
で30分間乾燥した。次いで暗所で20℃、65%RHの条件下
で24時間放置することにより電子写真感光体を作製し
た。
得られた感光材料は、実施例1と同様の方法で静電特
性を測定した。但し、光減衰露光量(E1/10)は、コロ
ナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電させた後、該
光導電表面を照度2.0ルックスの可視光で照射し、表面
電位(V10)が1/10に減衰するまでの時間を求め、これ
から露光量E1/10(ルックス・秒)を算出した。結果
は、V10:−620V,D.R.R=92%,E1/10=6.31ux.secであ
った。
更に、これを全自動製版機ELP404VでELP-Tトナーを用
いて製版した所、得られたオフセット印刷用マスタープ
レートの濃度は1.0以上で画質は鮮明であった。更に、
エッチング処理をして、印刷機で印刷した所、7000枚印
刷後の印刷物は、非画像部のカブリがなく、画像も鮮明
であった。又(30℃、80%RH)の環境条件で、同様に静
電特性、撮像性及び印刷性を測定したが、常温常湿のと
きとの差は認められなかった。
実施例38〜43 実施例37において、本発明の樹脂(37)の代わりに、
下記表−5に示される共重合体を用いる以外は、実施例
37と同様に操作して、各電子写真感光材料を作製した。
これを実施例37と同様の装置で製版した所、得られた
オフセット印刷用マスタープレートの濃度は1.0以上で
画質は鮮明であった。更にエッチング処理して印刷機で
印刷した所、7,000枚印刷後の印刷物は、カブリのない
鮮明な画質であった。
実施例44及び45 実施例37において、本発明の樹脂(37)の代わりに、
下記表−6に示される共重合体を用いる以外は、実施例
37と同様にして各感光材料を作製した。但し、塗布後の
乾燥条件を110℃、2時間とした。
これを、実施例37と同様の装置で製版し、次いでエッ
チング処理して印刷機で印刷した。製版後得られたオフ
セット印刷用マスタープレートの濃度は1.1以上で、画
質は鮮明であった。又、5000枚印刷後の印刷物の画質は
地カブリのない鮮明な画質のものであった。
(発明の効果) 本発明に従えば、光導電層の平滑性、静電特性、撮像
性更に不感脂化性及び地汚れにおいて優れた電子写真感
光体を得ることができ、特に高温高湿下の如き苛酷な条
件下においても、これらの優れた特性は維持される。
更には、本発明の感光材料は数千枚程度の充分に高い
耐刷性を有する。結着樹脂が更に熱及び/又は光硬化性
官能基を含有する共重合成分を含有する場合には、かか
る耐刷性が更に向上する。
更に、本発明の電子写真感光体は種々の増感色素と併
用させても、優れた光導電層の平滑性、静電特性等を有
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 228/00 MNR C08F 228/00 MNR 230/02 MNS 230/02 MNS C08L 33/04 LJA C08L 33/04 LJA

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機光導電材料及び結着樹脂を少なくとも
    含有する光導電層を有する電子写真感光体において、該
    結着樹脂が、1×103〜2×104の重量平均分子量を有し
    且つ下記(i)及び(ii)の繰り返し単位を共重合成分
    として含有する樹脂を少なくとも1種含有する事を特徴
    とする電子写真感光体。 (i)式(I)又は式(II)で示される少なくとも1つ
    の繰り返し単位30重量%以上 式(I) 式(II) (式中、X1及びX2は互いに独立に、それぞれ水素原子、
    炭素数1〜10の炭化水素基、塩素原子、臭素原子、−CO
    Y1又は−COOY2(Y1及びY2は各々炭素数1〜10の炭化水
    素基を示す)を表わす。但し、X1とX2がともに水素原子
    を表わすことはない。W1及びW2はそれぞれ−COO−とベ
    ンゼン環を結合する、直接結合又は連結原子数1〜4個
    の連結基を表わす。) (ii)−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基及び 基{Rは炭素数1〜10の炭化水素基又は−OR′(R′は
    炭素数1〜10の炭化水素基を示す)を示す}の酸性基並
    びに環状酸無水物含有基のうちの少なくとも1つの置換
    基を含有する少なくとも1つの繰り返し単位0.5〜15重
    量%
  2. 【請求項2】該結着樹脂に含有される樹脂が、(i)及
    び(ii)の繰返し単位の外に更に下記(iii)の繰り返
    し単位を共重合成分として含有する樹脂である請求項
    (1)記載の電子写真感光体。 (iii)熱及び/又は光硬化性官能基を含有する少なく
    とも1つの繰り返し単位1〜20重量%。
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