JP2549541B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
耐湿性及び耐久性の優れた電子写真感光体に関する。
適用される電子写真プロセスの種類に応じて種々の構成
をとる。
導電層が形成されている感光体及び表面に絶縁層を備え
た感光体があり、広く用いられている。支持体と少なく
とも1層の光導電層から構成される感光体は、最も一般
的な電子写真プロセスによる、即ち、帯電、画像露光及
び現像、更に必要に応じて転写による画像形成に用いら
れる。
子写真感光体を用いる方法が広く実用されている。
結合剤は、それ自体の成膜性、および光導電性粉体の結
合剤中への分散能力が優れるとともに、形成された記録
体層の基材に対する接着性が良好であり、しかも記録体
層の光導電層は帯電能力に優れ、暗減衰が小さく、光減
衰が大きく、前露光疲労が少く、且つ、撮像時の湿度の
変化によってこれら特性を安定に保持していることが必
要である等の各種の静電特性および優れた撮像性を具備
する必要がある。
(特公昭34−6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35−1960号)、アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35−11219号)、酢酸ビニル樹脂
(特公昭41−2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41
−2426号)、アクリル樹脂(特公昭35−11216号)、ア
クリル酸エステル共重合体(例えば特公昭35−11219
号、特公昭36−8510号、特公昭41−13946号等)等が知
られている。
いては、1)光導電性粉体との親和性が不足し、塗工液
の分散性が不良となる、2)光導電層の帯電性が低い、
3)複写画像の画像部(特に網点再現性・解像力)の品
質が悪い、4)複写画像作成時の環境(例えば高温高
湿、低温低湿)にその画質が影響されやすい、5)感光
層の膜強度・接着性が充分でなく、特にオフセットマス
ターとして用いると、オフセット印刷時に、感光層の脱
離等が生じ印刷枚数が多くできない、等のいずれかの問
題があった。
案されており、その1つの方法として例えば、芳香族環
又はフラン環にカルボキシル基又はニトロ基を含有する
化合物、あるいはジカルボン酸の無水物を更に組合せ
て、光導電層に共存させる方法が特公昭42−6878号、特
公昭45−3073号に開示されている。しかし、これらの方
法によって改良された感光材料でも、その静電特性は充
分でなく、特に光減衰特性の優れたものは得られていな
い。そこでこの感光材料の感度不足を改良するために、
光導電層中に増感色素を多量に加える方法が従来とられ
てきたが、このような方法によって作製された感光材料
は白色度が著しく劣化し、記録体としての品質低下を生
じ、場合によっては感光材料の暗減衰の劣化を起こし、
充分な複写画像が得られなくなってしまうという問題を
有していた。
分子量を調節して用いる方法が特開昭60−10254号に開
示されている。即ち、酸価4〜50のアクリル樹脂で平均
分子量が103〜104の分布の成分のものと104〜2×105の
分布の成分のものを併用することにより、静電特性(特
にPPC感光体としての繰り返し再現性が良好)、耐湿性
等を改良する技術が記載されている。
が鋭意行なわれており、電子写真感光体としての静電特
性と印刷原版としての印刷特性を両立させた光導電層用
の結着樹脂として、例えば、特公昭50−31011号では、
フマル酸存在下で(メタ)アクリレート系モノマーと他
のモノマーと共重合させた、Mw1.8〜10×104でTg10〜80
℃の樹脂と、(メタ)アクリレート系モノマーとフマル
酸以外の他のモノマーとから成る共重合体とを併用した
もの、又特開昭53−54027号では、カルボン酸基をエス
テル結合から少なくとも原子数7個離れて有する置換基
をもつ(メタ)アクリル酸エステルを含む三元共重合体
を用いるもの、又特開昭54−20735号・特開昭57−20254
4号では、アクリル酸及びヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートを含む4元又は5元共重合体を用いるもの、
又特開昭58−68046号では、炭素数6〜12のアルキル基
を置換基とする(メタ)アクリル酸エステル及びカルボ
ン酸含有のビニルモノマーを含む3元共重合体を用いる
もの等が光導電層の不感脂化性の向上に効果があると記
載されている。
果があるとされる樹脂であっても、現実に評価してみる
と特に帯電性、暗電荷保持性、光感度の如き静電特性、
光導電層の平滑性等に問題があり、実用上満足できるも
のではなかった。
る結着樹脂においても、現実に評価してみると前記の静
電特性、印刷性の地汚れ等に問題があった。
問題点を改良するものである。
感度)が向上し、原画に対し忠実な複写画像を再現する
高画質の電子写真感光体を提供することである。
湿あるいは高温高湿の如く変動した場合でも、鮮明で良
質な画像を有する電子写真感光体を提供することであ
る。
て、静電特性(特に暗電荷保持性及び光感度)に優れ、
原画に対して忠実な複写画像を再現し、且つ、印刷物の
全面一様な地汚れはもちろん点状の地汚れをも発生させ
ない平版印刷原版を提供することである。
とも含有する光導電層を有する電子写真感光体におい
て、該結着樹脂が、下記樹脂〔A〕の少なくとも1種と
樹脂〔B〕の少なくとも1種を含有して成る事を特徴と
する電子写真感光体により解決されることが見出され
た。
3H2基、−COOH基、−SO3H基及び−OH基から選択される
少なくとも1種の酸性基を含有する共重合成分を0.05〜
20重量%含有する樹脂。
基、−SH基、 基(Rは炭化水素基を示す)及び塩基性基を含有しない
樹脂。
置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、
デシル基、ドデシル基、2−クロロエチル基、2−メト
キシエチル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシプ
ロピル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラル
キル基(例えばベンジル基、フェネチル基、クロロベン
ジル基、メトキシベンジル基、メチルベンジル基等)、
炭素数5〜8の脂環式基(例えばシクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等)、又はアリール基(例えばフェニル
基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、
クロロフェニル基、メトキシフェニル基等)を表わす。
量の樹脂〔A〕と該酸性基、−SH基、 及び塩基性基を全く含まない高分子量の樹脂〔B〕とか
ら構成される。
−PO3H2基,−COOH基及び/又は−SO3H基が挙げられ
る。
〔A〕中の0.05〜20重量%であるが、より好ましくは0.
5〜10重量%である。樹脂〔A〕の重量平均分子量は1
×103〜1×104であるが、より好ましくは3×103〜9
×103である。
℃の範囲、より好ましくは−5℃〜80℃の範囲である。
4以上の樹脂である。より好ましくは重量平均分子量5
×104〜5×105である。
の範囲、より好ましくは10℃〜80℃である。
と無機光導電体の化学量論的な欠陥に吸着し、且つ低分
子量体であることから、光導電体の表面の被覆性を向上
させることで、光導電体のトラップを補償すると共に湿
度特性を向上させる一方、光導電体の分散が充分に行な
われ、凝集を抑制する。そして樹脂〔B〕は、樹脂
〔A〕のみでは不充分な光導電層の機械的強度を充分に
ならしめるものである。
少ないと、初期電位が低くて充分な画像濃度を得ること
ができない。一方、該酸性基含有量が20重量%よりも多
いと、分散性が低下し、膜平滑度及び電子写真特性の高
湿特性が低下し、更にオフセットマスターとして用いる
ときに地汚れが増大するため好ましくない。
酸性基が含有されると光導電体の分散が破壊され、凝集
物あるいは沈澱物が生成するかあるいはたとえ塗膜がで
きたとしても、得られた光導電体の静電特性は著しく低
下してしまったり、感光体表面の平滑度が粗くなり機械
的摩耗に対する強度等が悪化してしまう。
の粗い感光体を用いると、光導電体である酸化亜鉛粒子
と結着樹脂の分散状態が適切でなく、凝集物が存在する
状態で光導電層が形成されるため、不感脂化処理液によ
る不感脂化処理としても非画像部の親水化が均一に充分
に行なわれず、印刷時に印刷インキの付着を引き起こ
し、結果として印刷物非画像物の地汚れを生じてしま
う。
結着樹脂として用いる場合にも、光導電体と結着樹脂が
充分に吸着し、粒子表面を被覆し得るため、光導電層の
平滑性及び静電特性において良好で、しかも地汚れのな
い画質が得られ得るが、その膜強度がいまだ充分ではな
く、耐久性において満足すべき結果が得られない。
脂の吸着・被覆の相互作用が適切に行なわれ、且つ光導
電層の膜強度が保持されるものである。
の樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエステル樹脂、
変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、アルカン酸ビニル樹脂、変性ポリアミド樹脂、フ
ェノール樹脂、脂肪酸変性アルキド樹脂、アクリル樹脂
等が用いられる。
を共重合体成分として、その総量で30重量%以上含有す
る(メタ)アクリル系共重合体を樹脂〔A〕の例として
挙げることができる。
子(例えばクロロ原子、ブロモ原子)、シアノ基又は炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。R′は、炭素数1〜
18の置換されていてもよいアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル器、トリデ
シル基、テトラデジル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基等)、炭素数2〜18の置換されていて
もよいアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、イ
ソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニ
ル基、オクテニル基等)、炭素数7〜12の置換されてい
てもよいアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル
基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、メチル
ベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されていてもよい
シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、シクロヘプチル基等)、アリール基(例え
ば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、
ナフチル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル
基、クロロフェニル基、ジクロフェニル基等)を表わ
す。
一般式(I)と共重合し得る該酸性基を含有するビニル
系化合物であればいずれでもよい。例えば、高分子学会
編「高分子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館
(1986年)等に記載されている。具体的には、アクリル
酸、α及び/又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセト
キシ体、α−アセトキシメチル体、α−(2−アミノ)
メチル体、α−クロロ体、α−ブロモ体、α−フロロ
体、α−トリブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロ
ロ体、β−ブロモ体、α−クロロ−β−メトキシ体、
α,β−ジクロロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、
イタコン酸半エステル類、イタコン酸半アミド類、クロ
トン酸、2−アルケニルカルボン酸類(例えば2−ペン
テン酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2−オクテン
酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、4−エチル−2−オ
クテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エステル類、
マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビ
ニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルボン酸、ビニルホ
スホ酸、ジカルボン酸類のビニル基又はアリル基の半エ
ステル誘導体、及びこれらのカルボン酸、又はスルホン
酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置換基中に該酸性
基を含有する化合物等が挙げられる。
単量体及び該酸性基を含有する単量体とともにこれら以
外の他の単量体を共重合成分として含有してもよい。
リルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニルエーテル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、スチレン類、複素環ビニル類(例えば、ビニ
ルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、
ビニルチオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾ
ール、ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニルチア
ゾール、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
量104〜3×105の樹脂である。樹脂のガラス転移点は0
℃〜120℃のものが好ましい。従来、電子写真用結着樹
脂として用いられているものはいずれを用いてもよく、
単独あるいは組合せて使用することもできる。例えば、
宮本晴視、武井秀彦 イメージング 1978 No.8 9〜
12,栗田隆治、石渡次郎、高分子,17,278〜284(1968)
等の総説引用の材料が挙げられる。
ニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビ
ニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び
共重合体、スチレン及びその誘導体、重合体及び共重合
体、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチ
レン共重合体、ブタジエン−不飽和カルボン酸エステル
共重合体、アクリロニトリロ共重合体、メタクリロニト
リロ共重合体、アルキルビニルエーテル共重合体、アク
リル酸エステル重合体及び共重合体、メタクリル酸エス
テル重合体及び共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マ
レイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリ
ルアミド共重合体、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹
脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、環化ゴム−メタアクリル酸エステル共重合体、
環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、窒素原子を含
有しない複素環を含有する共重合体(複素環として例え
ば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環、
ジオキサン環、ジオキソラン環、ラクトン環、ベンゾフ
ラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジオキセタン環
等)エポキシ樹脂等が挙げられる。
クリル酸エステル単量体を共重合体成分として、且つそ
の総量が30重量%以上含有されるメタアクリル系共重合
体あるいは重合体が挙げられる。一般式(I)の好まし
い具体例としては、前記内容と同様のものを挙げること
ができる。
としては、一般式(I)以外の単量体であってもよく、
例えば、α−オレフィン類、アルカン酸ビニル又はアリ
ルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニルエーテル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、スチレン類、複素環ビニル類〔例えば窒素原
子以外の非金属原子(酸素原子、イオウ原子等)を1〜
3個含有する5員〜7員環の複素環であり、具体的な化
合物として、ビニルチオフェン、ビニルジオキサン、ビ
ニルフラン等〕等が挙げられる。好ましい例としては、
例えば、炭素数1〜3のアルカン酸ビニル又はアリルエ
ステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ス
チレン及びスチレン誘導体(例えばビニルトルエン、ブ
チルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ジ
クロロスチレン、ブロモスチレン、エトキシスチレン、
等)等が挙げられる。
ては、例えば置換基を有していてもよいアミノ基及び窒
素原子含有の複素環基が挙げられる。
合は、使用する無機光導電材料の種類、粒径、表面状態
によって異なるが一般に樹脂〔A〕と樹脂〔B〕の用い
る割合は5〜80対95〜20(重量比)であり、好ましくは
15〜60対85〜40(重量比)である。
鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カド
ミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化
テルル、硫化鉛、等が挙げられる。
導電体100重量部に対して、結着樹脂を10〜100重量部な
る割合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
して併用することができる。例えば、宮本晴視、武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁,C.J.Young等,RCA
Review 15,469(1954)、清田航平等、電気通信学会論
文誌J 63−C (No.2),97(1980)、原崎勇次等,工
業化学雑誌66 78 及び188(1963)、谷忠昭,日本写
真学会誌35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系
色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、
シアニン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、
フタロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げら
れる。
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭50
−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130号、
特開昭53−82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許
第4,054,450号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙
げられる。
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Hamer「The Cyanine Dyes and Related Compounds」
等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的には、
米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、米国
特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国特許
第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許第3,
622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,309,
274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48−7814号、特
公昭55−18892号等に記載の色素が挙げられる。
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、特
開昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−5034
号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245、特開昭56−
35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044号、特
開昭61−27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許等
4,175,956号、「Research Disclosure」1982年、216、
第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。本発明の感
光体は種々の増感色素を併用させても、その性能が増感
色素により変動しにくい点において優れている。更に
は、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られている電
子写真感光増用各種添加剤を併用することもできる。例
えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)第12頁
等の総説引例の電子受容性化合物(例えば、ハロゲン、
ベンゾキノン、クロラニル、酸無水物、有機カルボン酸
等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の開発・
実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出版部
(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン化合物、
ヒンダートフェノール化合物、p−フェニルレンジアミ
ン化合物等が挙げられる。
が、通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部
である。
好適である。
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μm,特には0.05〜0.5μmが好適である。
目的として絶縁層を付設させる場合もある。この時は絶
縁層は比較的薄く設定され、感光体を特定の電子写真プ
ロセスに用いる場合に設けられる絶縁層は比較的厚く設
定される。
10〜50μmに設定される。
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフエニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μm、特には10〜30μmが好適である。
は、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酸ビ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂の熱可塑性樹
脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
ることができる。一般に云って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等、が使用できる。
て、坂本幸男,電子写真,14,(No.1),p2〜11(197
5),森賀弘之,「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(1
975),M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4(6),
第1327〜1417頁(1970)等に記載されているもの等を用
いる。
がこれらに限定されるものではない。
ン200gの混合溶液を窒素気流下90℃の温度に加温した
後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
6gを加え、10時間反応させた。得られた共重合体〔A〕
−1の重量平均分子量は7800、ガラス転移点は45℃であ
った。
液を窒素気流下70℃の温度に加温した後、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.5gを加え、10時間反応させた。得られ
た共重合体〔B〕−1の重量平均分子量は63000、ガラ
ス転移点は48℃であった。
ン200gの混合溶液を窒素気流下70℃の温度に加温した
後、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを加え、10時間反
応させた。得られた共重合体〔B〕−2の重量平均分子
量は60000、ガラス転移点は50℃であった。
ン200gの混合溶液を窒素気流下70℃の温度に加温した
後、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを加え、10時間反
応させた。得られた共重合体〔B〕−3の重量平均分子
量は61000、ガラス転移点は50℃であった。
として)、合成例2で製造した樹脂〔B〕−1を30g
(固形分量として)、酸化亜鉛200g、ローズベンガル0.
05g及びトルエン300gの混合物をボールミル中で2時間
分散して、感光層形成物を調製し、これを導電処理した
紙に、乾燥付着量が22g/m2となる様に、ワイヤーバーで
塗布し、110℃で1分間乾燥し、ついで暗所で20℃65%R
Hの条件下で24時間配置することにより、電子写真感光
材料を作製した。
1及び〔B〕−1の代わりに、樹脂〔A〕−1のみを40
g(固形分量として)用いる以外は実施例1と同様の操
作で電子写真感光材料Aを製造した。
みを40g(固形分量として)用いる以外は実施例1と同
様の操作で電子写真感光材料Bを製造した。
みを40g(固形分量として)用いる以外は実施例1と同
様の操作で電子写真感光材料Cを製造した。
10g(固形分量として)及び合成例4で製造した樹脂
〔B〕−3を30g(固形分量として)用いる以外は実施
例1と同様の操作で電子写真感光材料Dを製造した。
度、静電特性、撮像性及び環境条件を30℃,80%RHとし
た時の撮像性を調べた。更に、これらの感光材料をオフ
セットマスター用原版として用いた時の光導電性の不感
脂化性(不感脂化処理後の光導電層の水との接触角で表
わす)及び印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べた。
フィルム(株)製)に現像剤ELP−Tを用いて、露光・
現像処理して、画像を形成し、不感脂化液ELP−Eを用
いてエッチングプロセッサーでエッチングして得られた
平版印刷版を用いて調べた(なお、印刷機にはハマダス
ター(株)製ハマダスター800SX型を用いた)。
ある。
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
(新東科学(株)製)を用いて荷重50g/cm2のものでエ
メリー紙(#1000)で1000回繰り返し擦り摩耗粉を取り
除き感光層の重量減少から残膜率(%)を求め機械的強
度とした。
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で60秒間静置した後の電位V70を測
定し、60秒間暗減衰させた後の電位の保持性即ち、暗減
衰保持率〔DRR(%)を(V70/V10)×100(%)で求め
た。
た後、該光導電層表面を照度2.0ルックスの可視光で照
射し、表面電位(V10)が1/10に減衰するまでの時間を
求め、これから露光量E1/10(ルックス・秒)を算出す
る。
全自動製版機ELP−404V(富士写真フイルム(株)製)
で製版して得られた複写画像(カブリ、画像の画質)を
目視評価した。
%RHで実施した。
ルム(株)製)を用いて、エッチングプロセッサーに1
回通して光導電層面を不感脂化処理した後、これに蒸留
水2μの水滴を乗せ、形成された水との接触角を、ゴ
ニオメーターで測定する。
ム(株)製)で製版して、トナー画像を形成し、上記
(注3)と同条件で不感脂化処理しこれをオフセットマ
スターとして、オフセット印刷機(ハマダスター(株)
製ハマダスター800SX型)にかけ上質紙上に500枚印刷
し、全印刷物の地汚れを目視により判定する。これを印
刷物の地汚れIとする。
し、且つ、印刷時の湿し水を2倍に希釈した他は、前記
の地汚れIと同様の方法で試験する。IIの場合は、Iよ
りも厳しい条件で印刷したことに相当する。
処理し、印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に
問題が生じないで印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多
い程、耐刷性が良好がことを表わす)。
反射濃度計で測定できる)。
光導電層の平滑性及び静電特性が良好で、実際の複写画
像も地カブリがなく、複写画質も鮮明であった。このこ
とは、光導電体と結着樹脂が充分に吸着し且つ粒子表面
を被覆していることによるものと推定される。
場合でも、不感脂化処理液による不感脂化処理が充分に
進行し、非画像部の水との接触角が15度以下と小さく充
分に親水化されている。実際に印刷して印刷物の地汚れ
を観察しても、全く認められなかった。しかし、比較例
Aの場合は、光導電層の強度試験、及び耐刷試験を行な
うと、膜強度が充分でなく、耐久性に大きな問題を生じ
た。
用分散物を調整できない程に凝集状態が進行した。比較
例Cで酸成分を減量した高分子量の樹脂のみを用いた
所、得られた感光体は感光層表面の平滑性が著しく悪化
し、静電特性、印刷性ともに実用不可能な程に悪化し
た。これは光導体と結着樹脂は吸着するが、更に光導電
体粒子間の凝集を生じてしまうことによるものと思われ
る。
が含有された樹脂を用いた比較例Dの場合でも比較例C
と同様の結果となった。
性、膜強度、静電特性及び印刷性の全ての点において良
好なものであった。
合成例1の樹脂〔A〕−1の製造条件と同様に操作して
製造した。
成例2で製造した樹脂〔B〕−1 30g(固形分量とし
て)を用いた他は、実施例1と同様の操作で行い感光材
料を製造した。
の平滑性及び膜強度は実施例1の試料とほぼ同等お特性
を示した。静電特性及び撮像性についての結果を表−3
に記した。
率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿の(30℃
80%RH)の過酷な条件においても、地カブリの発生のな
い鮮明な画像をえた。
ト48.5g、メタクリル酸3g及びトルエン200gの混合溶液
を、窒素気流下105℃の温度に加温した後、アゾビスイ
ソブチロニトリル10gを加え、8時間反応させた。
転移点は40℃であった。
で製造した樹脂〔B〕−1 20g、酸化亜鉛200g、下記
構造式で示されるヘプタメチンシアニン色素0.02g、フ
タル酸無水物0.15g及びトルエン300gの混合物をボール
ミル中で2時間分散して感光層形成物を調整した。それ
以外は実施例1と同様に操作して電子写真感光材料を作
製した。
ト48.5g、メタクリル酸3g及びトルエン200gの混合溶液
を窒素気流下、70℃の温度に加温した後、アゾビスイソ
ブチロニトリル10gを加え、8時間反応させた。
ス転移点は54℃であった。結着樹脂として、共重合体の
みを40g(固形分量として)用いた他は、実施例17と同
様にして比較用感光材料Eを作製した。
イザーを用いて静電特性を測定した。但し光源として
は、ガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発
振波長830nm)を用いた。その結果を表−4に記した。
R)が著しく低下した(見かけ上、E1/10が小さく、光
感度が高いのは、このD.R.Rが低いことに起因してい
る)。前記の比較例Cに比べてD.R.Rが更に悪化してい
る。この事は、従来公知の樹脂では、併用する分光増感
色素の種類の影響を著しく、受け易いという問題を有す
ることを示す。これに対して本発明の結着樹脂は、分光
増感色素の化学構造が大きく変わっても、帯電性・暗電
荷保持性及び光感度とともに非常に優れている感光材料
を提供するものである。
に示す樹脂〔B〕とを(1/1)重量比で組合わせて用い
た他は、実施例1と同様の操作で各感光材料を製造し
た。実施例1と同様の操作で、各感光材料の平滑性、膜
強度及び静電特性を測定し、その結果を表−5に併せて
示した。
光導電層の強度、静電特性いずれも良好であり、実際の
複写画像も高温高湿(30℃,80%RH)下でさえ、地カブ
リのない鮮明画質であった。
性、撮像性、更には印刷物の地汚れ、耐刷性のいずれに
おいても優れた性能を有する電子写真感光材料が得られ
る。
と併用させても、優れた光電導層の平滑性、静電特性等
を有することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】無機光導電材料及び結着樹脂を少なくとも
含有する光導電層を有する電子写真感光体において、該
結着樹脂が、下記樹脂〔A〕の少なくとも1種と樹脂
〔B〕の少なくとも1種を含有して成る事を特徴とする
電子写真感光体。 (i)樹脂〔A〕 1×103〜1×104の重量平均分子量を有し、かつ−PO3H
2基、−COOH基、−SO3H基及び−OH基から選択される少
なくとも1種の酸性基を含有する共重合成分を0.05〜20
重量%含有する樹脂。 (ii)樹脂〔B〕 3×104以上の重量平均分子量を有し、かつ上記酸性
基、−SH基、 基(Rは炭化水素基を示す)及び塩基性基を含有しない
樹脂。
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