JP5549928B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
このように、従来の技術では、クリーニングブレードのメクレやビビリの防止とトナーすり抜けやフィルミングの抑制を両立することは難しかった。
本発明は、下記(1)〜(11)によって解決される。
(2)前記潤滑剤が金属石鹸であることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記潤滑剤供給手段が少なくとも1つのクリーニング要素の下流で潤滑剤を塗布することを特徴とする(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記画像形成装置は中間転写体を有する画像形成装置であって、中間転写体にも潤滑剤供給手段があり、該潤滑剤の被覆率が下記の関係を満たすことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
中間転写体における潤滑剤の被覆率<感光体における潤滑剤被覆率
(5)前記凸部に無機顔料を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記凸部に樹脂粒子を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記凸部に電荷輸送物質を含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
また、潤滑剤塗布ブラシが直前の感光体凸部接触による振動によって、振動しながら潤滑剤を削り、感光体に潤滑剤を塗布するため、潤滑剤の均一塗布と微量潤滑剤での高効率塗布が達成できる。
本発明に係る感光体の表面は、多数の凸部と該各凸部を取り囲む凹部を有する構成を備えている。
感光体表面の凸部の形状は、公知のレーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて測定できる。例えば、レーザー顕微鏡としてキーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、菱化システム社製の表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR型機、オリンパス社製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000、レーザーテック社製の3CCDリアルカラーコンフォーカル顕微鏡OPTELICS H1200等が利用できる。光学顕微鏡としては、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−500、オムロン社製3DデジタルマイクロスコープVC−7700が利用できる。電子顕微鏡としては、キーエンス社製の3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800などが利用できる。これらの顕微鏡を用いて凸部の形状、裾部の状態、配置、高さ或いは頂上部を観測し計測することが出来る。
本発明における感光体表面の凹凸形状の一例を図1に示す。図1の黒色部分が凸部を、白色の部分が凸部を取り囲む凹部であり、凸部が整列していると凹部は網目状になる。
本発明の感光体は、感光体表面に凸部を高さ・個数を制御して設けることにより、感光体のトナークリーニング性が向上し、感光体表面へのワックスなどの異物蓄積が発生することがなく、優れたトナークリーニング性と画像安定性を有する。この理由は、感光体表面の多数の凸部により、平滑な感光体表面に比べて、ブレードの押圧力、回転方向への引き込み力が均一に分散されることによって、トナークリーニング性および信頼性が向上するためである考えられる。更に、凸部を取り囲む網目状の凹部が連結しているため、異物が排出される経路を有し、異物の蓄積を防ぐため、優れた画像安定性を有する。
凸部の径及び高さは次のようにして求める。
感光体上の任意の10箇所の1mm2エリアを決め、次にそれぞれのエリア内の任意の2個(2個しか無い場合はその2個)の凸部の径と高さを求め、10エリアで合計20個の凸径と高さのDataを得、それぞれ平均して、凸部の径と高さとする。
凸部の径及び高さは、凸部が形成された表面のプロファイルから算出する。その算出方法を図2−1に示す。
まず凸部の直径は、任意の凸部の頂点を通るプロファイル上で、凸部両端の最下点であるx1とx2の表面の横方向の距離│x1−x2│とする。一つの凸部に対して任意の方向5点で測定し、その中で最大の値を凸部の直径とした。
次に、凸部の高さは、前記任意の凸部の頂点を通るプロファイル上においてその両端の裾の最下点を結ぶ線を基準線とし、凸部の頂点から感光体表面に垂直線を引いて、この垂直線と基準線との交点と凸部の頂点との距離を凸部の高さとした。
図2−2は好ましい凸部の形成状態の例を示す図である。
凸部の個数の測定には、レーザー顕微鏡を用いた。測定は、先ずドラムサンプルをワーク置き台に設置し、チルト調整して水平をあわせ、電子写真感光体の表面の3次元形状データを取り込んだ。その際、対物レンズは10倍の倍率を用い、面積1000μm四方当たりにおいて、解析画面の視野中で見える凸部の数をカウントして凸部の個数とした。
本発明の電子写真感光体の適した凸部の個数は、単位表面積(mm2)当たり2個〜5000個が好ましい。
1個以下の場合、クリーニングブレードと感光体の接触面積増加によるクリーニングブレード引込みが大きくなるため、トナークリーニング性が悪くなる。
このように、凸部はそれぞれ一つ一つが独立して存在する必要があるため、凸部の最長径によって許容できる個数が存在する。
凸部最長径が10μmの時は5000個/mm2、
凸部最長径が100μmの時は50個/mm2、
凸部最長径が500μmの時は2個/mm2、が上限の個数となる。
本発明に係わる凸部を形成する方法は、表面層までが形成された感光体の上にメッシュを配置し、感光体とメッシュがつれ回りするようにして、このメッシュを通して感光体に凸形成材料をスプレー塗布して、感光体上に凸を形成する方法がある、この場合メッシュの目開き、メッシュと感光体との距離や、凸形成液の組成などで、径、高さなどの凸部形状を調整することが出来る。
また、他の方法では、スクリーン印刷法を利用し、回転した感光体上に凸形成物質を印刷し、感光体表面に凸形状を形成する方法がある。この場合、スクリーンの目開きと凸形成液固形分で凸部の形状を決定できる。
本発明に係わる凸部の形成方法としてはインクジェット方式が最も適している。
以下、凸部の形成方法について、スプレー塗布方式、インクジェット方式を更に詳しく説明する。
以下、スプレー方法について述べる。
スプレー塗工法としては公知の方法が利用できる。図3にスプレー塗工装置の概要を示す。
図示しない回転駆動装置によって、マスクを巻きつけた感光体ドラムを所定の速度で回転させておく。次いでスプレーガンを有する移動塗布体に塗工液と気体を所定の圧力で供給しつつ、感光体ドラムの軸方向にオシレート(移動)させ、霧状にした塗工液を感光体ドラムに吹き付けて塗布膜を形成できるようにしたものである。
以上のようにして、感光体表面をメッシュで覆い、メッシュ上からスプレー塗布することで感光体最表層と異なる凸部を感光体上に形成することが出来る。
凸部の最長径は10〜500μmの範囲が好適であるので、使用できるメッシュとしては30メッシュ〜635メッシュを利用することが出来る。
インクジェット方式は凸部形成液を微滴化し、感光体表面層に直接吹き付けて凸部を形成する方法である。
図4はコンティニュアス型インクジェット装置の概略図である。
ポンプによってノズルから連続的機に押し出されたインク(塗工液)は超音波発振器によって微細な液滴になる。この液滴は電極によって電荷を与えられ、必要に応じて偏向電極によって起動を曲げられて、印刷面(感光体表面)に到達する。偏向電極で曲げられなかった塗工液はガターと呼ばれる回収口に吸い込まれ再びインクタンクに戻る。
凸部形成においては、塗工液固形分、ポンプ流量、液滴間隔、ノズル径、ヘッド送り速度などによって感光体状の凸部の径、高さ、面積あたりの個数を調節することが出来る。
図5はサーマル方式、図6はピエゾ方式である。
サーマル方式はインクの詰まった微細管の一部にヒーターを取り付け、このヒーターを瞬時に加熱することにより、インク内に気泡を発生させて、インクを噴射する原理である。
ピエゾ方式はインクの詰まった微細管の一部にピエゾ素子を取り付けて、このピエゾ素子に電圧を加えることで素子を変形させて液滴を噴出させる方式である。
凸部の材料構成を感光体最表層の材料構成と異なる様にするためには、溶剤以外の有効成分を最表層と凸部とで少なくとも1種異なる様に凸部形成液を準備する必要がある。
特に凸部の材料として、最表層には含まれない硬化性樹脂、または無機顔料を用いた場合には耐摩耗性に優れ、本発明の効果の持続性が高くなる。
凸部の材料として、最表層には含まれない樹脂粒子を用いた場合には凸部の潤滑性、離型性を確保することが出来、クリーニング性、転写性が更に良好になる。
[架橋樹脂]
表面凸部を構成する材料として、架橋樹脂を用いてもよい。塗料がコーティングされた後、重合反応或いは重縮合反応によって架橋構造の樹脂が形成される。樹脂膜が架橋構造をもつため耐摩耗性が強靱である。また、架橋性の電荷輸送材料が配合された場合には電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示す。
表面凸部に含有させる電荷輸送材料としては、公知の電荷輸送性化合物を用いることができる。重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性の点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基およびアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を架橋させる系が特に好ましい。熱、光、放射線を用いて架橋硬化できる。架橋性樹脂は3次元に架橋されていることが好ましい。
3官能以上のバインダー成分はカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートないしジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含有させるとよい。これにより架橋膜自体の耐摩耗性が向上したり、強靱性が増大したりすることが多い。
これらは東京化成社等の試薬メーカー、日本化薬社KAYARD DPCAシリーズ、同DPHAシリーズ等を入手することができる。
また、硬化を促進させたり、安定化させたりするためにチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社イルガキュア184等の開始剤を全固形分に対して5〜10wt%程度加えてもよい。
ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、炭素だけで構成されるのではなく、水素、酸素、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素等の他の元素が含有されていてもかまわない。
また、フィラー微粒子の平均一次粒径は、0.1〜1.0μmであることが光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
本発明においては、潤滑剤を感光体表面に供給するための潤滑剤供給手段が必須の構成要件である。
潤滑剤供給手段の例を図7に示す。
この潤滑剤供給手段3Cは、塗布部材としてのファーブラシ3B、固体潤滑剤3A、固体潤滑剤3Aをファーブラシ3B方向に押圧するための加圧バネ3Dを有している。このときの固体潤滑剤3Aはバー状に成型された固体潤滑剤である。ファーブラシ3Bは感光体表面にブラシ先端が当接しており、軸を中心に回転することによって固体潤滑剤3Aを一端ブラシに汲み上げ、感光体表面との当接位置までブラシ上に担持搬送して感光体表面に入力する。また、経時で固体潤滑剤3Aがファーブラシ3Bに掻き削られて減少してもファーブラシ3Bに接触しなくならないように、加圧バネ3Dによって所定の圧力で固体潤滑剤3Aがファーブラシ3B側に押圧されている。これによって、微量の固体潤滑剤3Aでも常に均一にファーブラシ3Bに汲み上げられる。
中間転写体における潤滑剤の被覆率<感光体における潤滑剤被覆率
本発明に係わる潤滑剤の被覆率はX線光電子分光分析装置(XPS)により求めることが出来る。XPS分析法によるとサンプルの極表面のみの元素が検出される。
XPSではサンプル極表面の水素以外の元素全てを検出するから、感光体表面の潤滑剤の塗布状況(被覆率)を評価するには適している。被覆率の求め方は、潤滑剤塗布前の感光体のXPS分析結果1と潤滑剤そのもののXPS分析結果2を基本情報とし、潤滑剤にあって感光体にない構成元素に注目し、潤滑剤の被覆率が増加するに従って、注目元素が感光体のXPS分析結果1から潤滑剤のXPS分析結果2へ近づくことを利用し、求めることが出来る。
例えば、潤滑剤がステアリン酸亜鉛、感光体が有機感光体の場合、潤滑剤の亜鉛に注目して感光体上の潤滑剤被覆率を求めることが出来る。
以下、感光体、画像形成装置について本発明に適用できる技術について述べる。
図9は本発明の更には別の層構成を有する感光体の一例を模式的に示す断面図である。導電性支持体21、下引き層25、電荷発生層26、電荷発生層27の上に表面層28が設けられ、表面層上に凸部が形成されている。
導電性支持体21としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状または円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研摩などにより表面処理した管などを使用することができる。
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層24を設けることができる。下引き層は、接着性の向上、モワレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は通常、樹脂を主成分とする。通常、下引き層の上に感光層を塗布するため、下引き層に用いる樹脂は有機溶剤に難溶である熱硬化性樹脂が相応しい。特に、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂は以上の目的を十分に満たすものが多く、特に好ましい材料である。樹脂はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いて適度に希釈したものを塗料とすることができる。
微粒子はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とする。
下引き層は以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などで支持体上に成膜する。必要な場合、加熱硬化することで形成される。
下引き層の膜厚は2〜5μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にするとよい。
[電荷発生層]
積層型感光体における各層のうち、電荷発生層25について説明する。電荷発生層は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分と言うことができる。
電荷輸送物質に用いることのできる材料としては、低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
高分子電荷輸送物質は架橋樹脂表面層を積層する際、低分子型の電荷輸送物質と比べて、架橋樹脂表面層へ電荷輸送層を構成する成分の滲みだしが少なく、架橋樹脂表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から、架橋樹脂表面層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
これらの高分子化合物は単独または二種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマー二種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、その使用量は40〜200phr、好ましくは70〜100phr程度が適当である。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜200重量部、好ましくは80〜150重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにするとよい。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70phr以上とすることが好ましい。また、電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体およびこれらの構造を主鎖または側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法、並びに、画像形成装置を詳しく説明する。
図10は、本発明の電子写真プロセス、及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電部材(11)により、感光体(10)表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材(12)により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像部材(13)により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ(14)により転写部位に送られた転写紙(15)に、転写部材により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材(17)によりクリーニングされる。ついで、感光体上に残存する電荷は、除電部材(18)により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
図11において、感光体(10C(シアン)),(10M(マゼンタ)),(10Y(イエロー)),(10K(ブラック))は、ドラム状の感光体(10)であり、これらの感光体(10C,10M,10Y,10K)は、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(11C,11M,11Y,11K)、現像部材(13C,13M,13Y,13K)、クリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)が配置されている。
そして、このような感光体(10C,10M,10Y,10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(25)に沿って並置されている。
中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
前記プロセスカートリッジとは、図10に示すように、感光体(10)を内蔵し、他に帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、及び除電部材を含んだ1つの装置(部品)である。
しかし、感光体が少なくとも4本を必要とすることから、装置の大型化が避けられず、また使用されるトナー量によっては、各々の感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
それに対し、本発明による感光体は、高光感度ならびに高安定化が実現されたことにより小径感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4本の感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
(感光体Aの作製)
Al製支持体(外径40mmφ)に、下記処方の下引き層用塗工液を乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、130℃20分の加熱乾燥を行い、下引き層を形成した。
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン 50部
・電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
・凸部形成用液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−エチル)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
以上の様にして、図8構成の感光体を得た。
作成した感光体の表面を3CCDリアルカラーコンフォーカル(共焦点)顕微鏡OPTELICS H1200(レーザーテック社)を用いて、対物レンズ20倍で観察した結果、凸部の径が50μm、凸部の高さが1.5μm、凸部の1mm四方あたりの個数が9個の凸部を持つ感光体Aが得られた。
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層までは感光体Aと同様にして、電荷輸送層まで同じ感光体を15本形成した。
ついで、電荷輸送層上に表1の条件で凸部形成液を着滴し、感光体B〜Pを得た
潤滑剤塗布機構としては図7に示したような構成の潤滑剤供給手段を図10の装置のクリーニング装置17の下流に配置し、感光体上に潤滑剤が塗布される機構とした。
このときの潤滑剤はステアリン酸亜鉛を使用した。
その他の作像条件は次の通りとした。
トナーは、円形度0.985、体積平均粒径4.3μmの重合トナーを用いた。クリーング方式はブレードクリーニング方式とし、ブレードはポリウレタンゴム、ゴム硬度(ShoreA)72、ブレード当接方式はカウンター、クリーニング角度80°、食い込み量0.8mm、当接圧0.2N/cm。
帯電方式はDCローラー帯電方式とした。
異常画像は白紙、ハーフトーン、黒ベタの各画像で、目視判定を行った。
すり抜け性は5%画像を10枚作像しクリーニングブレードのすぐ下流に配置したフェルト部材に溜まるクリーニングブレードをすり抜けたトナーのトナー量から以下に記載する評価基準で判定した。
○ : トナー汚れなし
△ : 僅かにトナー汚れ有り
× : トナー汚れが多く繰り返し使用は困難
評価結果を表3に示す。
感光体に対して潤滑剤供給手段を設け、かつ感光体表面に最長径が10〜500μm、凸部の高さが0.5〜5μmであり、凸部の個数が該感光体の表面層の表面1mm四方当たり2〜5000個である凸部を形成することが有効であった。
感光体Aと同様の感光体を4本準備し、図11に示すような構成の画像形成装置の各色の作像ユニットに組み込んだ(20C、20M、20Y、20K)。各クリーニング部材(17K、17C、17M、17Y)のすぐ下流に図10に示したと同様の機構(感光体に接触しているブラシに固体潤滑剤が押圧されている機構)を有する潤滑剤塗布装置を配置した。このとき潤滑剤はステアリン酸亜鉛を用いた。以上のようにして実施例13の画像形成装置を得た。
凸部形成液に2部のAl2O3(平均粒径0.3μm)を加えた以外は実施例13と全く同様にして画像形成装置を得た。
[実施例15]
凸部形成液のバインダーを熱硬化型のポリウレタン樹脂に変更した以外は実施例13と同様にして画像形成装置を得た。
[実施例16]
凸部形成液に2部のポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.2μm)を加えた以外は実施例15と同様にして画像形成装置を得た。
固体潤滑剤をテトラフルオロエチレンに変更した以外は実施例14と同様にして画像形成装置を得た。
[実施例18]
固体潤滑剤をオレイン酸銅に変更した以外は実施例14と同様にして画像形成装置を得た。
[実施例19]
固体潤滑剤をポリフッ化ビニリデンに変更した以外は実施例14と同様にして画像形成装置を得た。
実施例14の画像形成装置の中間転写ベルトに図10と同様の潤滑剤塗布機構を取り付けさらに潤滑剤の供給量を感光体側の供給量以上にするため、潤滑剤の押圧力を感光体への潤滑剤押圧力の2倍に高めた画像形成装置を得た。
このときの潤滑剤被覆率はXPSによる亜鉛原子量から求めると感光体80%、中間転写ベルト90%であった。
実施例20と同様の構成の画像形成装置を準備し、中間転写ベルトへの潤滑剤供給量を減らすため、潤滑剤の押圧力を感光体への押圧力の1/2に弱めた画像形成装置を得た。
このときの潤滑剤被覆率はXPSによる亜鉛原子量から求めると感光体80%、中間転写ベルト60%であった。
感光体Aの電荷輸送層までを形成した(凸部を形成しない)感光体Uを潤滑剤供給がない図11のシステムに組み込んで画像形成装置を得た。
[比較例8]
感光体に対して潤滑剤を供給する装置を配置した他は比較例7と同様にして画像形成装置を得た。潤滑剤はステアリン酸亜鉛とした。
[比較例9]
感光体Rを用いた他は比較例7と同様にした画像形成装置を得た。
また、潤滑剤の減少量も凸を形成しない比較例8と比べて十分に少なく、高効率で潤滑剤が塗布、維持されていることがわかった。
また、潤滑剤塗布ブラシが直前の感光体凸部接触による振動によって、振動しながら潤滑剤を削り、感光体に潤滑剤を塗布するため、潤滑剤の均一塗布と微量潤滑剤での高効率塗布が達成できる。
31 感光体
35 クリーニングブレード
3A 固体潤滑剤
3B ファーブラシ
3C 潤滑剤供給手段
3D 加圧バネ
21 導電性支持体
25 下引き層
26 電荷発生層
27 電荷輸送層
28 表面層
31 凸部
10 感光体
11 帯電部材
12 画像露光部材
13 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16 転写部材
17 クリーニング部材
18 除電部材
10感光体
10C,10M,10Y,10K 感光体
11C,11M,11Y,11K 帯電部材
12C,12M,12Y,12K レーザー光
13C,13M,13Y,13K 現像部材
15 転写紙
16C,16M,16Y,16K 転写部材
17C,17M,17Y,17K クリーニング部材
19 転写搬送ベルト
20C、20M、20Y、20K 画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材
24 定着部材
25 転写搬送ベルト
Claims (7)
- 表面層の上に表面層とは異なる素材で独立した凸部が形成された感光体と該感光体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを備えた画像形成装置であって、前記表面層の結着樹脂が熱可塑性樹脂であって、かつ該凸部の結着樹脂が硬化性樹脂を含み、前記感光体に形成された凸部の形状は、凸部の最長径が10〜500μmで、凸部の高さが0.5〜5μmであり、凸部の個数が前記感光体の表面層の単位表面積(mm2)当たり2〜5000個であり、前記潤滑剤供給手段が塗布ブラシであることを特徴とする画像形成装置。
- 前記潤滑剤が金属石鹸であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記潤滑剤供給手段が少なくとも1つのクリーニング要素の下流で潤滑剤を塗布することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置は中間転写体を有する画像形成装置であって、中間転写体にも潤滑剤供給手段があり、該潤滑剤の被覆率が下記の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
中間転写体における潤滑剤の被覆率<感光体における潤滑剤被覆率 - 前記凸部に無機顔料を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記凸部に樹脂粒子を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記凸部に電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
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