JP2012208468A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を一様に帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像とする現像手段と、前記トナー像を転写材上に転写する転写手段と、前記電子写真感光体を清掃するクリーニング手段と、前記クリーニング手段の下流かつ前記帯電装置の上流に配設され、前記電子写真感光体に当接し表面に循環材の皮膜を塗布形成する塗布手段とを備え、前記塗布手段は、塗布ブラシと塗布ブレードとを有し、前記電子写真感光体は、前記循環材よりなり質量膜厚が1分子層以上3分子層未満である循環型表面層を有し、該循環型表面層は、皮膜欠陥が10%未満であり、前記塗布手段による前記循環材の塗布量は、次に塗布する直前までに除去される前記循環材の除去量以下であることを特徴とする。
【選択図】図9
Description
また、潤滑剤を電子写真感光体表面へ塗布する方法が、とりわけ重合トナーのクリーニング性を高める方法として利用されている。この方法は、他に、電子写真感光体を帯電ハザードから保護する機能も担っており、少なからず装置寿命の延命に貢献している。
これは電子写真感光体の表面物性が耐久使用により変質し、異常画像の生成やクリーニング性能が不調となるためである。これでは原材料の発掘から廃棄、リサイクル化に至る画像形成装置のライフサイクルが従来の枠組みから超越することはできない。このため、これまでのような画像形成には大量のエネルギーと莫大な炭酸ガスの排出を改善することはできない。
更に、新造を控えられるリユース性能に優れる新規な電子写真感光体を用いた画像形成装置及び画像形成方法の提供を目的とする。
但し、前記得られた周波数成分は、下記のとおりである。
WRa(HHH):凹凸の一周期の長さが0.3μm〜3μmの帯域におけるRa
WRa(HHL):凹凸の一周期の長さが1μm〜6μmの帯域におけるRa
WRa(HMH):凹凸の一周期の長さが2μm〜13μmの帯域におけるRa
WRa(HML):凹凸の一周期の長さが4μm〜25μmの帯域におけるRa
WRa(HLH):凹凸の一周期の長さが10μm〜50μmの帯域におけるRa
WRa(HLL):凹凸の一周期の長さが24μm〜99μmの帯域におけるRa
WRa(LHH):凹凸の一周期の長さが26μm〜106μmの帯域におけるRa
WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
WRa(LLL):凹凸の一周期の長さが867μm〜1654μmの帯域におけるRa
但し、前記得られた周波数成分は、下記のとおりである。
WRa(HHH):凹凸の一周期の長さが0.3μm〜3μmの帯域におけるRa
WRa(HHL):凹凸の一周期の長さが1μm〜6μmの帯域におけるRa
WRa(HMH):凹凸の一周期の長さが2μm〜13μmの帯域におけるRa
WRa(HML):凹凸の一周期の長さが4μm〜25μmの帯域におけるRa
WRa(HLH):凹凸の一周期の長さが10μm〜50μmの帯域におけるRa
WRa(HLL):凹凸の一周期の長さが24μm〜99μmの帯域におけるRa
WRa(LHH):凹凸の一周期の長さが26μm〜106μmの帯域におけるRa
WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
WRa(LLL):凹凸の一周期の長さが867μm〜1654μmの帯域におけるRa
τ =fα+β (式1)
(−0.1 ≦ f ≦ 0)
τ; 循環材の質量膜厚(nm)
α; 塗布回数(ドラムの場合、ドラム回転数)
β; 任意定数
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
従来、電子写真感光体は消耗品として頻繁に交換して使用してきたが、本発明ではその必要がない。電子写真感光体は新たに製造することも回収することも不要であり、本発明の画像形成装置は省資源化による低環境負荷に対して極めて有利に働く。従来型の電子写真感光体である電子写真感光体を一度回収した後リサイクル使用する方法では本発明の形態に対してプリント一枚当たりのリサイクルコストの優位性に遠く及ぶことはできない。
循環材を除去した後に循環材を塗布する場合、仮に循環材が感光体から完全に除去されても直ちに塗布工程で循環材が塗布されることになる。そして、循環材が除去されるまでの間は感光体表面に循環材が滞留することになるため、循環材の清掃と塗布の繰り返し工程では感光体表面の循環材が完全に枯渇することは無い。より具体的には、例えば循環材の100%を除去した後に10%塗布すると、次の除去に至るまでは10%の循環材が塗布された状態になる。そして、次の除去工程で完全に除去された後、新たに10%の循環材が塗布されることになる。本発明はこの繰り返し工程を経るため、感光体表面の循環材が完全に枯渇することはない。
画像形成プロセスによって生じる損失分は、循環材全消費量のうち、ブラシによって粉体形成された循環材が飛散や落下によって感光体表面にコーティングできなかった分として、循環材塗布手段の周囲に滞留している粉末を回収することで計量することができる。また、循環材が感光体表面から除去された成分はクリーニング手段以降、一般には廃トナーボトルに至る経路に残留する分を回収することで計量することができる。トナーが含まれる場合は回収した全粉末の重量を求め、更にこの粉末について循環材濃度を分析することで、感光体表面から除去された循環材の質量を求めることができる。
循環材の全消費量に対して以上のプロセスによる損失分と感光体表面からの除去分の差分が生じる場合、帯電手段などの他のモジュールへの汚染分とみなされる。
電子写真感光体表面の循環材の付着効率は、塗布ブレードなどの循環材を塗布する部材と感光体とのなじみによって決定される。塗布ブレードを用いる場合、循環材を薄く均質にかつ隈無くコーティングするには感光体と塗布ブレードとの摺擦に際して、塗布ブレードが循環材を完全に堰き止めてしまっては効率が悪い。適度なギャップを形成したり、ビビリを防止したりすることが重要となる。
種々の外乱を含む画像形成プロセスに並行して循環材をコーティングする場合、この付着効率はプロセスに起因する損失とコーティングする下地表面層の汚染具合に起因する損失分を補償する必要がある。外乱の有無による循環材の付着効率差から損失分が算出される。
感光体の下地表面層に供給される循環材の供給量が循環材の除去量を超えない限り、循環型表面層の膜厚は蓄積することがないため増大しない。新品の感光体に対して、比較的初期の段階における循環型表面層の膜厚と、ある程度使用したときの循環型表面層の質量膜厚を求めることで判断が可能である。
少なくとも、塗布回数に対する質量膜厚の変化がゼロ以下の比例係数fであることが望ましく、比例係数fはより好ましくは下記式1の関係を満たすことが安定な表面の維持に有利である。
(−0.1 ≦ f ≦ 0)
τ; 循環材の質量膜厚(nm)
α; 塗布回数(ドラムの場合、ドラム回転数)
β; 任意定数
また、電子写真感光体の下地最表面層(下地表面層)の上に被膜する循環型表面層の欠陥は100%から被覆率を引いた値として算出する。被覆率は特許文献3に記載の方法に準じてXPS分析法から求める値である。質量膜厚は非特許文献1に記載の面密度(g/cm2)を密度(g/cm3)で割ることで長さすなわち質量膜厚を得ている。本発明の実施例で扱うステアリン酸亜鉛は一分子の厚みを5nmとして重なる分子数を厚みの単位として用いている。この厚みは特許文献4(特開2006−91047号公報)の段落[0021]に基づいている。
循環材を設ける場合とは、感光体ドラムを画像形成装置へ着荷するまでの非定常状態を指す。具体的には新たな感光体を画像形成装置に装着してから初期プリント1000枚以下を指す。
感光体表面へ循環材を設ける手段は、感光体表面の循環材塗布が不十分なために、画像形成装置のクリーニング機能が不十分な性状を利用して感光体表面に循環材を蓄積させても良いし、予め、セッティングパウダーなどを用いて塗布しても良い。
また、本発明の画像形成装置で用いる循環型表面層の塗布装置は既存の潤滑剤塗布手段を流用することが可能である。このため、本発明の画像形成装置は格別なコストアップを抑えることができる。
ここで、電子写真感光体下地表面層のJIS−B0601:2001で定義される算術平均粗さ(略号;Ra)を、ウェーブレット変換により凹凸の一周期の長さについて周波数成分に分離した個々の帯域における算術平均粗さを以下のように表すものとする。
WRa(HHL):凹凸の一周期の長さが1μm〜6μmの帯域におけるRa
WRa(HMH):凹凸の一周期の長さが2μm〜13μmの帯域におけるRa
WRa(HML):凹凸の一周期の長さが4μm〜25μmの帯域におけるRa
WRa(HLH):凹凸の一周期の長さが10μm〜50μmの帯域におけるRa
WRa(HLL):凹凸の一周期の長さが24μm〜99μmの帯域におけるRa
WRa(LHH):凹凸の一周期の長さが26μm〜106μmの帯域におけるRa
WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
WRa(LLL):凹凸の一周期の長さが867μm〜1654μmの帯域におけるRa
循環材を塗布ブレードで電子写真感光体の下地表面層にコーティングして循環型表面層を形成する際に、塗布ブレードが循環材を完全に堰き止めてしまうとコーティングができなくなる。そこで適度な厚みのコーティング膜を形成するには、循環材を塗布ブレードからすり抜けさせて薄膜化するような塗布ブレードと下地表面層との間で動的なギャップを形成する必要がある。例えば、ゴム板の塗布ブレードを電子写真感光体に当接させて循環材をコーティングしようとするとき、塗布ブレードを一般のクリーニングブレードのように当接してしまっては上述の通り循環材を堰き止めてしまい、コーティングが覚束ない。循環材のコーティングを目的とする場合、動的なギャップ形成には電子写真感光体表面と塗布ブレード間の当接状態の制御だけでは不十分であり、当接状態の制御に加えて、電子写真感光体表面と塗布ブレードとの摺擦状態の制御が必要である。ここで、当接状態とは電子写真感光体表面と塗布ブレードとの当たり方を表し、摺擦状態は塗布ブレードと電子写真感光体のこすれ方を表す。
更に、循環材の効率的なコーティングを実現するため、循環材の消費量を低減できる効果が得られる。
また、循環材の消費率が過剰でないことも必要となる。循環材の消費率は画像形成プロセスで生じる電子写真感光体の走行距離に対する循環材投入量(mg/km)として定義する。
特に従来、一般に使用されてきた高級脂肪酸金属塩の多くは材料の性質面から有利である。この代表的な化合物であるステアリン酸亜鉛はラメラ構造をとり得る化合物である。ラメラ構造とは分子が規則的に折りたたまれて成す層が積み重なって配列する構造である。
このラメラ構造は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れてはがしやすい。この作用は循環材の循環を成立させるのに有利である。ステアリン酸亜鉛がせん断力を受けて均一に電子写真感光体表面を覆っていくラメラ構造の特性は、少量の循環材によって効果的に電子写真感光体表面を覆うことができる。
この方法で循環材を塗布する場合、その循環材の塗布状態を制御するには様々な方法がある。例えば、固形循環材と塗布ブラシとの接触圧力を高めたり、塗布ブラシの回転速度を制御したりする手段を考えることができる。また、画像形成情報に応じて、塗布ブラシの回転数を制御する試みもある。
特に、ステアリン酸亜鉛は、工業的規模で生産され、かつ多方面での使用実績があることから、コスト、品質、安定性、及び信頼性において最も好ましい材料である。
また、従来、潤滑剤の効率的な塗布方法として蓄積してきた豊富な塗布技術を応用しやすい有利性をもつ。
尚、一般に工業的に使われる高級脂肪酸金属塩は、その名称の化合物単体組成ではなく、多かれ少なかれ類似の他の脂肪酸金属塩、金属酸化物、及び遊離脂肪酸を含むものであり、本発明の脂肪酸金属塩もこの慣例に従う。
このような循環材を用いることで、循環型表面層の成立に対して高信頼性と低コスト化を享受することができる。また、潤滑剤の塗布技術として蓄積のある塗布技術を応用しやすい装置開発の利便性を得ることができる。
有機微粒子、無機微粒子などのフィラーの一部に、分散が困難で、表面粗さがミクロンオーダー以上しか得られないものやトゲ状の突起が多く、塗布ブレードやクリーニングブレードの刃こぼれを生じるものがあるが、金属酸化物フィラーはこのような不具合を抱えないものが多い。同じ理由から金属酸化物の含有量は下地表面層の1wt%以上20wt%以下が良い。金属酸化物含有量の下限と上限は下地表面層の形状制御が困難になる理由から規定している。
また、金属酸化物の併用により、機械的な強度が向上する効果は本発明においても同様に享受することができる。
この理由は今のところ明らかにしていないが、α−アルミナの高い硬度が下地表面層への創傷予防に効果があり、この効果がフィルミングの機会を与えにくくしていることや、循環材が不足してもα−アルミナの凹凸が電子写真感光体と塗布ブレードないしクリーニングブレードとの摺擦状態をある程度安定でいられる効果をもつためと考えている。
略球形のα−アルミナのフィラー粒径は多くの場合、0.01μm以上2μm以下、より好ましくは0.03μm以上1.5μm以下の場合、製膜時にトゲの様な極端な凹凸形成が抑制できるため、課題を解決する手段において前述した(2)に合致する形状を形成し易く有利である。
なお、帯電装置(12)には帯電装置(12)をクリーニングする帯電装置クリーナ(12c)が当接して設けられてなる。
これらのフィラーは電子写真感光体表面を棘状にさせないため、電子写真感光体と摺動する部材に与えるダメージを低減できる。
なお、塗布ブラシは、ブラシ、または機能上においてブラシに相当するスポンジローラなどの手段も適用できる。
本発明では、はじめに画像形成装置用部品の表面の状態についてJIS B0601に定める断面曲線を求め、その断面曲線である一次元データ配列を得る。
この断面曲線である一次元のデータ配列は、表面粗さ・輪郭形状測定機からデジタル信号として得てもよく、あるいは表面粗さ・輪郭形状測定機のアナログ出力をA/D変換して得てもよい。
また、サンプリング間隔は、1μm以下がよく、好ましくは0.2μm以上、0.5μm以下がよい。例えば、測定長12mmをサンプリング点数30720点で測定する場合、サンプリング間隔は0.390625μmとなり、本発明を実施するのに好適である。
すなわち、ウェーブレット変換では、元の信号を一回目のウェーブレット変換(Level 1)でL(Low−pass Components)とH(High−pass Components)に分解し、更に、このLに関して、ウェーブレット変換を施すことでLLとHLに分解する。ここで、元の信号に含まれる周波数成分 f が、分離する周波数 F と一致した場合は、f は丁度分離の境界になるので、分離後は、LとHの両方の、それぞれに分離される。この現象は、多重解像度解析では不可避な現象である。そこで、観察したい周波数帯域がこのようにウェーブレット変換の際に分離されてしまわないように、元の信号に含まれる周波数を設定することも重要である。
本発明では2回のウェーブレット変換を行うが、最初のウェーブレット変換を第一回目のウェーブレット変換(便宜上、MRA−1と記すことがある)、その後のウェーブレット変換を第二回目のウェーブレット変換(便宜上、MRA−2と記すことがある)と呼ぶことにする。一回目と二回目の変換を区別するため、便宜上、各周波数帯域の略号に接頭語として、H(一回目)とL(二回目)を付ける。
ここで、第一回目、及び第二回目のウェーブレット変換に使用するマザーウェーブレット関数としては各種のウェーブレット関数が使用可能であり、例えば、ドビッシー(Daubecies)関数、ハール(haar)関数、メーヤー(Meyer)関数、シムレット(Symlet)関数、そしてコイフレット(Coiflet)関数等が使用可能である。ここでDaubeciesはドベシィまたはドブシーと表記することがある。本発明ではハール関数を用いているが、必ずしもこれに制約される必要はない。
ここで、データ間引きは、データの周波数を上げる(横軸の対数目盛幅を拡げる)効果があり、例えば、第一回目のウェーブレット変換結果で得た一次元配列の配列数が30000であった場合、1/10の間引きを行うと、配列数が3000になる。
この場合、間引きが1/10より小さいと、例えば、1/5であると、データの周波数を上げる効果が少なく、第2回のウェーブレット変換を行い、多重解像度解析を行ってもデータはよく分離されない。
間引きの仕方は、例えば、間引きを1/100とする場合、100個のデータの平均値を求め、その平均値を代表の1点としている。
はじめに、電子写真感光体の表面形状を東京精密製Surfcom 1400Dで測定した。
ここで、一回の測定長は12mmであり、総サンプリング点数は30720であった。一度の測定では、これを四カ所測定した。測定した結果はパーソナルコンピューターに取り込み、これを本発明者等の作成したプログラムにより第一回目のウェーブレット変換と、そこで得た最低周波数成分に対する1/40の間引き処理、そして、第二回目のウェーブレット変換を行った。
図13には14個のグラフがあるが、縦軸は表面形状の変位であり単位はμmである。また横軸は長さであり、目盛は付けていないが測定長は12mmである。
従来の表面粗さ測定では図13(a)から算術平均粗さRa、最大高さRmax、Rz等を求めていた。
・グラフ(102)は、一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より1つ低い周波数成分であり、本発明ではこれをHHLと呼ぶ。
・グラフ(103)は、一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より2つ低い周波数成分であり、本発明ではこれをHMHと呼ぶ。
・グラフ(104)は、一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より3つ低い周波数成分であり、本発明ではこれをHMLと呼ぶ。
・グラフ(105)は、一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より4つ低い周波数成分であり、本発明ではこれをHLHと呼ぶ。
・グラフ(106)は、一回目の多重解像度解析結果の最低周波数成分であり、本発明ではこれをHLLと呼ぶ。
このようにして、図13(b)では、それぞれのグラフに、算術平均粗さWRa、最大高さWRmax、十点平均粗さWRzを数値で示している。
ウェーブレット変換によって得られた粗さ曲線の算術平均粗さRa、最大高さRmax、および十点平均粗さRzの語頭に一般的な表記と区別するためWを付加している。
間引きした結果を図15に示す。図15では縦軸は表面凹凸であり、単位はμmである。また横軸に目盛は付けていないが、長さ12mmである。
・グラフ(108)は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より1つ低い周波数成分であり、これをLHLと呼ぶ。
・グラフ(109)は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より2つ低い周波数成分であり、これをLMHと呼ぶ。
・グラフ(110)は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より3つ低い周波数成分であり、これをLMLと呼ぶ。
・グラフ(111)は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より4つ低い周波数成分であり、これをLLHと呼ぶ。
・グラフ(112)は、二回目の多重解像度解析結果の最低周波数成分であり、これをLLLと呼ぶ。
したがって、表面粗さの周波数によって、図13(c)の6本のグラフでどこに現われるか決まってくる。
図10は本発明の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層(25)と電荷輸送層(26)と下地表面層(28)が設けられている。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状または円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨等により表面処理した管等を使用することができる。
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層(前記電荷発生層25と前記電荷輸送層26とが積層したもの)との間に下引き層(24)を設けることができる。下引き層は、接着性の向上、モアレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止等の目的で設けられる。
積層型電子写真感光体における各層のうち、電荷発生層(25)について説明する。
電荷発生層は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能(電荷発生能)をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成等帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた電子写真感光体の表面電荷を中和する機能(電荷輸送能)を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分ということができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにするとよい。なお、本発明における電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は理研計器社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1により一般的な方法で計測して得られた数値である。
下地表面層は電子写真感光体表面に製膜される保護層を指す。この保護層は樹脂(モノマー)成分を含有する塗料がコーティングされた後、重縮合反応によって架橋構造の樹脂が製膜される。樹脂膜が架橋構造をもつため電子写真感光体各層のなかで最も耐摩耗性が強靱である。また、架橋の電荷輸送性の構造単位が含まれるため電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示す。
本発明では電子写真感光体表面の粗さスペクトルが少なくとも、LLLからLHLの帯域に屈曲点をもたず、かつ、LHLからHMHの帯域に屈曲点を有し、かつ、WRa(LLH)が0.04μm未満であり、かつ、WRa(HLH)が0.005μm未満であることが重要である。このための電子写真感光体表面の特別な粗面化が必要となる。この具体的な方策として、表面形状の制御が期待される試薬類の添加として、下地表面層へのフィラーの配合、ゾル−ゲル系塗料の配合や種々ガラス転移点の異なる樹脂のポリマーブレンド、有機微粒子の添加、発泡剤の添加、シリコーンオイルの大量添加が挙げられる。また、表面層の製膜条件の制御として、塗料中に多量の水分を加えたり、種々沸点の異なる液体試薬を添加したりする手段が挙げられる。また、下地表面層用塗料をコーティングした直後の未硬化のウェット膜に対して、有機溶剤や水を散布する手段も考えられる。他に、架橋型樹脂膜を硬化した後、追加工として、サンドブラスト処理やラッピングフィルム等の研磨紙で表面研磨する手段も考えられる。
これらは東京化成社等の試薬メーカー、日本化薬社KAYARD DPCAシリーズ、同DPHAシリーズ等を入手することができる。
また、硬化を促進させたり、安定化させたりするためにチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社イルガキュア184等の開始剤を全固形分に対して5〜10wt%程度加えてもよい。
架橋性の電荷輸送材料としては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物が挙げられ、電荷輸送構造を含み(メタ)アクリロイルオキシ基を一つ以上有する化合物が利用できる。また、電荷輸送構造を含まない(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有するモノマーやオリゴマーと併用した組成の構成にしても良い。少なくとも塗工液中にこのような化合物を含有させて表面層を形成し、熱、光、或いは電子線、γ線等の放射線によるエネルギーを与えて架橋し硬化させることで下地表面層を形成できる。架橋性の電荷輸送材料としては、例えば、以下の一般式1にある電荷輸送性化合物が挙げられる。
フィラーを含有すると露光部電位が上昇することがあるがこれに対し酸化スズを混合すると露光部電位の上昇が解消されるため有効である。α−アルミナと比較して酸化スズは硬度が小さいため、上記のフィラーを酸化スズに変えていくと機械的強度の低下が認められる。これから、酸化スズの混合比率は混合フィラーの全重量に対して5wt%から50wt%が機械的強度と露光部電位の両立に有利な条件となる。
以下、図面に沿って本発明で用いられる画像形成装置を説明する。本発明の画像形成装置には後述する循環材を電子写真感光体表面に入力する手段が取り付けられる。簡単のため、この手段は画像形成装置の説明の後に別に説明する。
即ち、循環材(3A)及び塗布ブレード(3C)は、電子写真感光体(11)の移動方向において、クリーニング装置(17)の下流、且つ、帯電装置(12)の上流に配置されてなる。これらの配置関係については以下に示す他の実施の形態においても同様である。
図2においては、電子写真感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行われる。
即ち、図5に示される搬送転写ベルト(1G)を用いた直接転写方式にかえて、図6に示される中間転写ベルト(1F)を用いる構成とすることができる。
図6に示す例では、色ごとに電子写真感光体(11Y、11M、11C、11Bk)をもち、これらに形成された各色のトナー像を、ローラ(1C)により駆動張架されてなる中間転写ベルト(1F)上に1次転写手段(1D)により順次転写して積層し、フルカラー画像を形成する。次いで、中間転写ベルト(1F)はさらに駆動され、これに担持されてなるフルカラー画像は、2次転写手段(1E)と2次転写手段(1E)に対向して配置されてなるローラ(1C)との対向位置まで搬送される。そして、2次転写手段(1E)により転写材(18)に2次転写され、転写材上に所望の画像が形成される。
本発明では、図9に示すように循環材(3A)を電子写真感光体表面に供給するための循環材供給手段として、循環材塗布装置(3)を上記の画像形成装置の全てについて設けている。この循環材塗布装置(3)は、塗布部材としてのファーブラシ(3B)、循環材(3A)、循環材をファーブラシ方向に押圧するための加圧バネ(不図示)、及び循環材(3A)を規制あるいは均しめ塗布するための塗布ブレード(3C)を有している。このときの循環材(3A)はバー状に成型された循環材である。ファーブラシ(3B)は電子写真感光体表面にブラシ先端が当接しており、軸を中心に回転することによって循環材(3A)をいったんブラシに汲み上げ、電子写真感光体表面との当接位置までブラシ上に担持搬送して電子写真感光体表面に塗布する。
<画像形成装置の作製>
−電子写真感光体の作製−
肉厚1mm、長さ352mm、外径Φ40mmのアルミニウムドラムに、下記組成の下引き層用塗料、電荷発生層用塗料、電荷輸送層用塗料を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。その上に下地表面層用塗料をスプレーで塗工した。スプレー塗工はスプレーガンにオリンポス社 PC−WIDE308を使用し、2.5kgf/cm2の霧化圧力でスプレーガンのノズル先端と電子写真感光体間の距離が50mmとなる位置で行った。吐出量は約3ccだった。
結果、3μmから4μmの下地表面層が形成された電子写真感光体を得た。
・アルキッド樹脂溶液 12質量部
(ベッコライト M6401−50,大日本インキ化学工業社製)
・メラミン樹脂溶液 8.0質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業社製)
・酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40質量部
・メチルエチルケトン 200質量部
・下記構造のビスアゾ顔料(リコー社製) 5.0質量部
・シクロヘキサノン 200質量部
・メチルエチルケトン 80質量部
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10質量部
・下記構造の電荷輸送物質 7.0質量部
・1%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業社製)
テトラヒドロフラン溶液 1質量部
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと
プロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.1質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・α−アルミナ
(スミコランダムAA−03、住友化学工業社製) 10質量部
・分散剤(ED−151、楠本化成社製) 1.0質量部
・テトラヒドロフラン 566質量部
ステアリン酸亜鉛(日本油脂製、ジンクステアレートGF200)を蓋付きのガラス製容器に入れ、160℃から250℃に温度制御したホットスターラーにより、攪拌しつつ溶融した。
予め150℃に加熱した内寸法12mm×8mm×350mmのアルミニウム製の金型を満たすように、攪拌溶融した該保護剤を流し込み、木製の台の上で40℃まで放冷後、固形物を型から外し、反り防止のため重りを乗せ室温まで冷却した。
冷却後、長手方向の両端を切断し、底面を切削して6mm×6mm×322mmの角柱形状の保護剤バーを作成した。
保護剤バーの底面に両面テープを貼り付け金属製支持体に固定した。
循環材塗布装置は循環材を電子写真感光体に供給する手段と電子写真感光体に供給された循環材をコーティングする手段を併せて画像形成装置に取り付けた。
循環材の供給手段は、支持体に保持されるように角柱状に成形した固形状のステアリン酸亜鉛を所定の消費量となるようなバネ定数の加圧スプリングで塗布ブラシに加圧し、塗布ブラシが回転することよりステアリン酸亜鉛を削って電子写真感光体上に削り粉を設ける装置を取り付けた。加圧バネはバネ定数と循環材の消費量との関係から適当なものを選んだ。ここでは循環材の消費率(感光体への塗布量に加えて、塗布ブラシからの飛散及び落下による損失分などを含み、循環材の減少する量を意味する。)が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.039N/mmの引張ばねを使用した。支持体の両サイドに一点支持の可動式のフィンを取り付け、これに引張ばねをまわすことで、ばねの引っ張り応力によって塗布ブラシと循環材との接触圧を調整した。
塗布ブラシは金属シャフトにファーブラシを貼り合わせた純正品をそのまま用いた。この塗布ブラシは電子写真感光体面移動方向に対してカウンター方向に回転するようにした。
塗布ブレードは鋼板のブレードホルダーに前記電子写真感光体に:19°で当接する方向に支持されたポリウレタンゴム(ShoreA硬さ;84、反発弾性;52%、厚さ;1.3mm)を用いた。
尚、予め循環材の塗布量(感光体への塗布量)を算出したところ、実施例1及び後述する実施例2〜4、並びに比較例4、比較例7、比較例10、比較例13、比較例16が75mg/km、後述する比較例1、比較例3、および比較例18〜23が15mg/km、比較例6、比較例9、比較例12、および比較例15が40mg/km、比較例2および比較例5が115mg/km、比較例8、比較例11、比較例14、および比較例17が140mg/kmだった。
(1)電子写真感光体表面形状の測定
電子写真感光体の表面形状の測定は、表面粗さ・輪郭形状測定機(東京精密社、Surfcom 1400D)を用い、ピックアップ:E−DT−S02Aを取り付け、測定長さ;12mm、総サンプリング点数;30,720、測定速度;0.06mm/sの条件で行った。
測定により取得した電子写真感光体の表面形状の一次元データ配列をウェーブレット変換して、HHHからHLLに至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−1)を行った。更にここで得たHLLの一次元データ配列に対してデータ配列数が1/40に減少するように間引きした一次元データ配列を作り、該間引きした一次元データ配列に対して更にウェーブレット変換を行って、LHHからLLLに至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−2)を行った。そして、得られた合計12個の各周波数成分について算術平均粗さを計算した。
前記表面形状の測定を一つの電子写真感光体につき70mm間隔で4箇所行い、それぞれの箇所に対して前記各周波数成分についての算術平均粗さの計算を行った。
なお、ウェーブレット変換にはMATLAB(The MathWorks社製)のWavelet Toolboxをそのまま利用した。上述の通り、本発明では2度に分けてウェーブレット変換を行った。
4箇所の各周波数成分の算術平均粗さの平均値を、測定結果の各周波数成分の算術平均粗さ(WRa)とした。
測定結果を表2に示す。また、表面粗さスペクトルを図18に示す。
全ベタパターンで1000枚の連続プリント試験を行った後、電子写真感光体を画像形成装置から取り出した。試験に於いて、電子写真感光体の帯電条件をDCバイアス成分を−760V、AC成分はVppを2.6kV、AC帯電電流条件を1.58mAに設定し、皮膜に与える帯電によるダメージを加速した。
取り出した電子写真感光体の試験終了時における塗布ブレード下流かつ、現像部上流部分の循環型表面層の皮膜欠陥と層厚をそれぞれXPS分析とXRF分析から求めた。XPS分析はPHI製
Quantera SXMを用い、□10mmのエリアを任意10点について分析を行った。XRF分析は、予め、ICP−AES分析で得られる亜鉛分析値とXRF分析値との検量線データを用意し、XRF分析で得られる強度をICP−AES分析値に対比して付着量を求めた。付着量は皮膜欠陥が多い場合、見かけ上、層厚が薄くなり、皮膜部分の厚みが推定できない。そこで、XRFから算出される質量膜厚をXPSから算出される被覆率で割った値を平均的な層厚として算出した。
ICP−AES分析は硫酸と硝酸で分解した検液に対して島津製作所製ICPS−7500を用いて分析した。XRF分析はリガク社製ZSX−100eを用い、□34mmのサイズで電子写真感光体表面から剥離したフィルムを対象に分析を行った。
更に、共焦点顕微鏡で電子写真感光体の上と同じ部分の表面を観察した。共焦点顕微鏡はレーザーテック社製OPTELICS H1200を用い、10倍、20倍及び、100倍の対物レンズに変えて画像データを収集した。このうち、10倍の対物レンズによって得られる□1.776mmの観察で識別される電子写真感光体表面の異物(フィルミング)の面積比率を画像解析ソフトimage J(アメリカ国立衛生研究所製)のAnalyze Particlesコマンドで算出した。
測定結果を表3に示す。
(1)と(2)に供する画像形成装置とは別に、これと同じ構成の画像形成装置をもう1機用意し、プリント試験を行った。プリント試験は、コピー用紙の通紙方向に対して平行となる幅34mm、長さ210mmの帯と幅34mm長さ105mmの帯が並ぶパターン画像を連続10万枚プリントした。試験はシアン現像ステーションで行った。
10万枚のプリント試験を行った後、画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンの地肌汚れを目視により、以下の基準で評価した。電子写真感光体の粗さスペクトルを図18に示す。また、結果を表4に示す。
5; 極めて優れている
4; 優れている
3; 問題なし
2; 僅かにくすんだ感触を受けるが実際の使用では問題ない
1; くすんだ感触を受ける
実施例1の循環材の消費率が75mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.023N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の循環材の消費率が175mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.055N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の循環材で使用したステアリン酸亜鉛をオレイン酸亜鉛(関東化学社)に変えた以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図19に示す。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の電子写真感光体の下地表面層で用いた一次粒子径が0.3μmのα−アルミナを一次粒子径が0.5μmのα−アルミナ(住友化学社製、AA−05)に変え、循環材の消費率が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.037N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の電子写真感光体の下地表面層用塗料を下記の塗料に変えた以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図20に示す。評価結果を表2から表4に示す。
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと
プロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.1質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・α−アルミナ
(スミコランダムAA−03、住友化学工業社製) 9質量部
・α−アルミナ用分散剤(ED−151、楠本化成社製) 0.9質量部
・酸化スズ
(NanoTek SnO2,シーアイ化成社品) 1質量部
・酸化スズ用分散剤(ED−152、楠本化成社製) 0.1質量部
・テトラヒドロフラン 566質量部
実施例1の電子写真感光体の下地表面層で用いた一次粒子径が0.3μmのα−アルミナを一次粒子径が0.7μmのα−アルミナ(住友化学社製、AA−07)に変え、循環材の消費率が75mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.03N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図21に示す。評価結果を表2から表4に示す。
比較例3の循環材の消費率が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.05N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例3と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
比較例3の循環材の消費率が175mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.07N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例3と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の電子写真感光体の下地表面層用塗料を下記の塗料に変え、循環材の消費率が75mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.03N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図22に示す。評価結果を表2から表4に示す。
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと
プロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.1質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・α−アルミナ
(スミコランダムAA−03、住友化学工業社製) 7質量部
・分散剤(BYK−P104、ビックケミー社製) 0.2質量部
・テトラヒドロフラン 566質量部
比較例6の循環材の消費率が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.05N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例6と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
比較例6の循環材の消費率が175mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.07N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例6と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の電子写真感光体の下地表面層で用いた分散剤を共栄社化学社製DOPA33に変え、循環材の消費率が75mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.027N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図23に示す。評価結果を表2から表4に示す。
比較例9の循環材の消費率が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.045N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例9と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
比較例9の循環材の消費率が175mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.063N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例9と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の電子写真感光体の下地表面層で用いたα−アルミナを有機フィラー(綜研化学社製、機能性微粒子MP−300)に変え、分散剤を除き、更に、循環材の消費率が75mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.025N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図24に示す。評価結果を表2から表4に示す。
比較例12の循環材の消費率が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.042N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例12と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
比較例12の循環材の消費率が175mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.058N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例12と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の電子写真感光体の下地表面層で用いたα−アルミナと分散剤を除き、テトラヒドロフランを566質量部から504質量部に変え、更に、循環材の消費率が75mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.029N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図25に示す評価結果を表2から表4に示す。
比較例15の循環材の消費率が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.048N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例15と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
比較例15の循環材の消費率が175mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.067N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例15と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の電子写真感光体の下地表面層用塗料を下記の塗料に変え、循環材の消費率が75mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.021N/mmの引張ばねを使用した以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。電子写真感光体の粗さスペクトルを図26に示す
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10質量部
・下記構造の電荷輸送物質 7質量部
(スミコランダム AA−03、住友化学社製)
・分散剤(ビックケミー社、BYK−P104) 0.014質量部
・テトラヒドロフラン 280質量部
・シクロヘキサノン 80質量部
比較例18の電子写真感光体の下地表面層で用いたα−アルミナと分散剤を除き、テトラヒドロフランを566質量部から504質量部に変え、更に、循環材の消費率が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.036N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例18と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
比較例18の循環材の消費率が175mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.05N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例18と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
実施例1の循環材塗布装置を以下の装置に変えた以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
循環材塗布装置は循環材を電子写真感光体に供給する手段と電子写真感光体に供給された循環材をコーティングする手段を併せて画像形成装置に取り付けた。
循環材の供給手段は、支持体に保持されるように角柱状に成形した固形状のステアリン酸亜鉛を所定の消費量となるようなバネ定数の加圧スプリングで塗布ブラシに加圧し、塗布ブラシが回転することよりステアリン酸亜鉛を削って電子写真感光体上に削り粉を設ける装置を取り付けた。加圧バネはバネ定数と循環材の消費量との関係から適当なものを選んだ。ここでは循環材の消費率が75mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.2N/mmの圧縮ばねを使用した。支持体の両サイドに圧縮ばね取り付け、ばねの応力によって塗布ブラシと循環材との接触圧を調整した。
塗布ブラシは金属シャフトにファーブラシを貼り合わせたクリーニングブラシ純正品をそのまま用いた。この塗布ブラシは電子写真感光体面移動方向に対してカウンター方向に回転するようにした。
塗布ブレードは鋼板のブレードホルダーに前記電子写真感光体に:19°で当接する方向に支持されたポリウレタンゴム(ShoreA硬さ;84、反発弾性;52%、厚さ;1.3mm)を用いた。
比較例21の循環材の消費率が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.47N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例18と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
比較例21の循環材の消費率が175mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.66N/mmの引張ばねを使用した以外は比較例22と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2から表4に示す。
<画像形成装置の作製>
−電子写真感光体の作製−
肉厚1mm、長さ352mm、外径Φ40mmのアルミニウムドラムに、下記組成の下引き層用塗料、電荷発生層用塗料、電荷輸送層用塗料を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。その上に下地表面層用塗料をスプレーで塗工した。スプレー塗工はスプレーガンにオリンポス社 PC−WIDE308を使用し、2.5kgf/cm2の霧化圧力でスプレーガンのノズル先端と電子写真感光体間の距離が50mmとなる位置で行った。吐出量は約3ccだった。
結果、3μmから4μmの下地表面層が形成された電子写真感光体を得た。
尚、下地表面層用塗料の調製に際し、ミルベースの分散時間を種々変えることで表面形状を意図的に制御した。電子写真感光体の粗さスペクトルを図34に示す。
・アルキッド樹脂溶液 12質量部
(ベッコライト M6401−50,大日本インキ化学工業社製)
・メラミン樹脂溶液 8.0質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業社製)
・酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40質量部
・メチルエチルケトン 200質量部
・下記構造のビスアゾ顔料(リコー社製) 5.0質量部
・シクロヘキサノン 200質量部
・メチルエチルケトン 80質量部
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10質量部
・下記構造の電荷輸送物質 7.0質量部
・1%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業社製)
テトラヒドロフラン溶液 1質量部
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと
プロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.1質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・α−アルミナ
(スミコランダムAA−03、住友化学工業社製) 10質量部
・分散剤(ED−151、楠本化成社製) 1.0質量部
・テトラヒドロフラン 566質量部
ステアリン酸亜鉛(日本油脂製、ジンクステアレートGF200)を蓋付きのガラス製容器に入れ、160℃から250℃に温度制御したホットスターラーにより、攪拌しつつ溶融した。
予め150℃に加熱した内寸法12mm×8mm×350mmのアルミニウム製の金型を満たすように、攪拌溶融した該保護剤を流し込み、木製の台の上で40℃まで放冷後、固形物を型から外し、反り防止のため重りを乗せ室温まで冷却した。
冷却後、長手方向の両端を切断し、底面を切削して6mm×6mm×322mmの角柱形状の保護剤バーを作成した。
保護剤バーの底面に両面テープを貼り付け金属製支持体に固定した。
循環材塗布装置は循環材を電子写真感光体に供給する手段と電子写真感光体に供給された循環材をコーティングする手段を併せて画像形成装置に取り付けた。
循環材の供給手段は、支持体に保持されるように角柱状に成形した固形状のステアリン酸亜鉛を所定の消費量となるようなバネ定数の加圧スプリングで塗布ブラシに加圧し、塗布ブラシが回転することよりステアリン酸亜鉛を削って電子写真感光体上に削り粉を設ける装置を取り付けた。加圧バネはバネ定数と循環材の消費量との関係から適当なものを選んだ。ここでは循環材の消費率(感光体への塗布量に加えて、塗布ブラシからの飛散及び落下による損失分などを含み、循環材の減少する量を意味する。)が125mg/kmとなる条件として、ばね定数が0.039N/mmの引張ばねを使用した。支持体の両サイドに一点支持の可動式のフィンを取り付け、これに引張ばねをまわすことで、ばねの引っ張り応力によって塗布ブラシと循環材との接触圧を調整した。
塗布ブラシは金属シャフトにファーブラシを貼り合わせた純正品をそのまま用いた。この塗布ブラシは電子写真感光体面移動方向に対してカウンター方向に回転するようにした。
塗布ブレードは鋼板のブレードホルダーに前記電子写真感光体に:19°で当接する方向に支持されたポリウレタンゴム(ShoreA硬さ;84、反発弾性;52%、厚さ;1.3mm)を用いた。
尚、予め循環材の塗布量(感光体への塗布量)を算出したところ、75mg/kmであった。
他方、循環材消費量の40%は感光体表面へ供給していない粉体として回収することができた。塗布ブラシからの飛散と落下に因るものと推定した。更に、XRF(X-ray Fluorescence)分析から回収トナー中に含まれる循環材濃度を求めたところ、循環材消費量の60%分に相当した。
以上の電子写真感光体と画像形成装置を用いて、感光体ドラムが2500回転および25000回転相当の全ベタパターンでプリント試験を行った後、電子写真感光体を電子写真装置から取り出した。このときのプリント枚数は前者が951枚、後者は9500枚だった。
循環材付着量を求めるため、試験停止時に感光体表面を4MPaの圧縮エアーでエアーブローしたのち、感光体ドラム周方向について試験停止時における循環材塗布部から僅かに離れた下流側部分を□34mmのサイズで長手方向に等間隔に3カ所剥離した。
剥離したフィルムを上述の方法によりXRF分析による質量膜厚を算定した。評価結果を表5に記す。
また、上記の他に、実施例1と同様にして、電子写真感光体表面形状の測定、電子写真感光体表面の循環性試験、および画像評価を行った。
実施例5の下地表面層用塗料の分散剤(ED−151、楠本化成社製)1.0重量部を、分散剤(ED−151、楠本化成社製)0.35重量部と分散剤(WK−13E、共栄社化学社)0.65重量部に変えた以外は実施例5と同様にして電子写真感光体、循環材、循環材塗布装置を得た。更に、実施例5と同様に試験を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図35に示す。
実施例5の下地表面層用塗料の分散剤(ED−151、楠本化成社製)1.0重量部を、分散剤(スーパーダインV−201、竹本油脂社製)1重量部に変えた以外は実施例5と同様にして電子写真感光体、循環材、循環材塗布装置を得た。更に、実施例5と同様に試験を行った。電子写真感光体の粗さスペクトルを図36に示す。
比較例8の電子写真感光体、画像形成装置を用いた他は実施例5と同様の試験を行った。
実施例3は実施例1の電子写真感光体の下地表面層の造形に1次粒子径が0.5μmのα−アルミナを利用するものである。実施例1に対して機械強度の向上が期待できるものである。耐久試験後の電子写真感光体は極僅かにフィルミングが観察されるが、新品と区別出来ない程度の様相だった。
実施例4は実施例1の電子写真感光体の下地表面層に酸化スズを加えたものである。酸化スズを加えることで、電子写真感光体の残留電位特性が改善できる。この場合も、耐久試験後に極僅かなフィルミングを観察することはできるが新品と区別出来ない程度のものである。
比較例2は実施例1と類似の構成で、一般的な潤滑剤を塗布する条件に類似する画像形成装置である。この場合、電子写真感光体のクリーニング性や感光体表面は低い摩擦性が持続される。このときの電子写真感光体の循環型表面層の相当する循環材の層厚は3分子層であった。耐久試験後の電子写真感光体表面は循環材と思われる多数の砂状の粒が付着していた。この場合の電子写真感光体をリユースするには感光体表面の再生加工が必要となる。
循環材消費量が直接感光体表面に付着する量とは相関関係は無く、循環材が十分に電子写真感光体表面を覆えていないと思われる。この場合の電子写真感光体をリユースするには感光体表面の再生加工が必要となる。
11 電子写真感光体
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
15 トナー
16 転写装置
17 クリーニング装置
18 印刷メディア(印刷用紙、OHP用スライド)
19 定着装置
1A 除電装置
1B クリーニング前露光装置
1C 駆動手段
1D 第1の転写装置
1E 第2の転写装置
1F 中間転写体
1G 搬送転写ベルト
<図8について>
1F 中間転写体
3A 固体循環材
3B 塗布ブラシ
11 電子写真感光体
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
17 クリーニング装置
3C 塗布ブレード
<図9について>
3 循環材塗布装置
3A 循環材
3B 塗布ブラシ
3C 塗布ブレード
<図10、図11について>
21 導電性支持体
24 下引き層
25 電荷発生層
26 電荷輸送層
28 下地表面層
<図18について>
41 測定対象である電子写真感光体
42 表面粗さを測定するプローブを取り付けた治具
43 上記治具を測定対象に沿って移動させる機構
44 表面粗さ計
45 信号解析を行うパーソナルコンピューター
<図13について>
101 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分
102 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より一つ低い周波数成分
103 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より二つ低い周波数成分
104 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より三つ低い周波数成分
105 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より四つ低い周波数成分
106 一回目の多重解像度解析結果の最低周波数成分
107 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分
108 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より一つ低い周波数成分
109 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より二つ低い周波数成分
110 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より三つ低い周波数成分
111 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より四つ低い周波数成分
112 二回目の多重解像度解析結果の最低周波数成分
<図14について>
121 一回目の多重解像度解析における最高周波成分の帯域
122 一回目の多重解像度解析における最高周波成分より一つ低い周波数成分の帯域
123 一回目の多重解像度解析における最高周波成分より二つ低い周波数成分の帯域
124 一回目の多重解像度解析における最高周波成分より三つ低い周波数成分の帯域
125 一回目の多重解像度解析における最高周波成分より四つ低い周波数成分の帯域
126 一回目の多重解像度解析における最低周波数成分の帯域
<図16について>
127 二回目の多重解像度解析における最高周波成分の帯域
128 二回目の多重解像度解析における最高周波成分より一つ低い周波数成分の帯域
129 二回目の多重解像度解析における最高周波成分より二つ低い周波数成分の帯域
130 二回目の多重解像度解析における最高周波成分より三つ低い周波数成分の帯域
131 二回目の多重解像度解析における最高周波成分より四つ低い周波数成分の帯域
132 二回目の多重解像度解析における最低周波数成分の帯域
Claims (13)
- 所定の方向に回転駆動される電子写真感光体と、
該電子写真感光体表面を一様に帯電させる帯電手段と、
前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を前記電子写真感光体から転写材上に転写する転写手段と、
当該トナー像が転写された後の電子写真感光体を清掃するクリーニング手段と、
前記電子写真感光体の回転駆動方向に対して、前記クリーニング手段の下流かつ前記帯電装置の上流に配設されてなり、前記電子写真感光体に当接し当該電子写真感光体表面に循環材の皮膜を塗布形成する塗布手段と、を備える画像形成装置であって、
前記塗布手段は、塗布ブラシと、塗布ブレードとを有し、
前記電子写真感光体は、前記循環材よりなり質量膜厚が1分子層以上3分子層未満である循環型表面層を有し、
該循環型表面層は、皮膜欠陥が10%未満であり、
当該画像形成装置における画像形成サイクルの1サイクル当たりで、前記塗布手段による前記循環材の塗布量は、当該塗布手段が次の画像形成サイクルで塗布する直前までに前記電子写真感光体表面から除去される前記循環材の除去量以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に順に積層されてなる感光層、下地表面層及び前記循環型表面層と、を備え、
前記下地表面層は、
(I)表面粗さ・輪郭形状測定機により測定して一次元データ配列を作成し、
(II)該一次元データ配列を、多重解像度解析によってウェーブレット変換して高周波数成分から低周波数成分に至るまでの6個の周波数成分に分離し、
(III)次いで、得られた6個の周波数成分の中で最低周波数成分の一次元データ配列に対して、データ配列数が1/10〜1/100に減少するように間引きした一次元データ配列を作成し、
(IV)更に、多重解像度解析によってウェーブレット変換して高周波数成分から低周波数成分に至るまでの、追加の6個の周波数成分に分離して、
(V)前記(II)及び(IV)で得られた周波数成分のうち、WRa(HLL)を除く合計11個の算術平均粗さWRa(LLL)からWRa(HHH)の対数を左から右に順に線で結ぶことで得られる曲線に対して、少なくとも、LLLからLHLの帯域に屈曲点をもたず、かつ、LHLからHMHの帯域に屈曲点を有し、かつ、WRa(LLH)が0.04μm未満であり、かつ、WRa(HLH)が0.005μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
但し、前記得られた周波数成分は、下記のとおりである。
WRa(HHH):凹凸の一周期の長さが0.3μm〜3μmの帯域におけるRa
WRa(HHL):凹凸の一周期の長さが1μm〜6μmの帯域におけるRa
WRa(HMH):凹凸の一周期の長さが2μm〜13μmの帯域におけるRa
WRa(HML):凹凸の一周期の長さが4μm〜25μmの帯域におけるRa
WRa(HLH):凹凸の一周期の長さが10μm〜50μmの帯域におけるRa
WRa(HLL):凹凸の一周期の長さが24μm〜99μmの帯域におけるRa
WRa(LHH):凹凸の一周期の長さが26μm〜106μmの帯域におけるRa
WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
WRa(LLL):凹凸の一周期の長さが867μm〜1654μmの帯域におけるRa - 前記下地表面層は、三次元架橋構造を有する樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記下地表面層は、平均1次粒子径が0.2μm以上0.5μm以下のα−アルミナを含有してなることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体最表面である循環型表面層は、ラメラ構造の化合物を含有してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体最表面である循環型表面層は、ステアリン酸亜鉛を含有してなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体の表面を一様に帯電させる帯電工程と、
前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を前記電子写真感光体から転写材上に転写する転写工程と、
当該トナー像が転写された後の電子写真感光体を清掃するクリーニング工程と、
前記クリーニング工程の後、かつ、前記帯電工程の前に、塗布ブラシと、塗布ブレードとを有する塗布手段を前記電子写真感光体に当接させながら、前記電子写真感光体表面に循環材の皮膜を塗布形成する塗布工程と、を備える画像形成方法であって、
前記塗布工程は、前記循環材を塗布して、前記循環材よりなり質量膜厚が1分子層以上3分子層未満である循環型表面層を前記電子写真感光体表面に形成し、かつ、前記循環型表面層の前記電子写真感光体表面における皮膜欠陥が10%未満であり、
当該画像形成方法における画像形成サイクルの1サイクル当たりで、前記塗布工程による前記循環材の塗布量は、次の画像形成サイクルにおける塗布工程で塗布する直前までに前記電子写真感光体表面から除去される前記循環材の除去量以下であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に順に積層されてなる感光層、下地表面層及び前記循環型表面層と、を備え、
前記下地表面層は、
(I)表面粗さ・輪郭形状測定機により測定して一次元データ配列を作成し、
(II)該一次元データ配列を、多重解像度解析によってウェーブレット変換して高周波数成分から低周波数成分に至るまでの6個の周波数成分に分離し、
(III)次いで、得られた6個の周波数成分の中で最低周波数成分の一次元データ配列に対して、データ配列数が1/10〜1/100に減少するように間引きした一次元データ配列を作成し、
(IV)更に、多重解像度解析によってウェーブレット変換して高周波数成分から低周波数成分に至るまでの、追加の6個の周波数成分に分離して、
(V)前記(II)及び(IV)で得られた周波数成分のうち、WRa(HLL)を除く合計11個の算術平均粗さWRa(LLL)からWRa(HHH)の対数を左から右に順に線で結ぶことで得られる曲線に対して、少なくとも、LLLからLHLの帯域に屈曲点をもたず、かつ、LHLからHMHの帯域に屈曲点を有し、かつ、WRa(LLH)が0.04μm未満であり、かつ、WRa(HLH)が0.005μm未満であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
但し、前記得られた周波数成分は、下記のとおりである。
WRa(HHH):凹凸の一周期の長さが0.3μm〜3μmの帯域におけるRa
WRa(HHL):凹凸の一周期の長さが1μm〜6μmの帯域におけるRa
WRa(HMH):凹凸の一周期の長さが2μm〜13μmの帯域におけるRa
WRa(HML):凹凸の一周期の長さが4μm〜25μmの帯域におけるRa
WRa(HLH):凹凸の一周期の長さが10μm〜50μmの帯域におけるRa
WRa(HLL):凹凸の一周期の長さが24μm〜99μmの帯域におけるRa
WRa(LHH):凹凸の一周期の長さが26μm〜106μmの帯域におけるRa
WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
WRa(LLL):凹凸の一周期の長さが867μm〜1654μmの帯域におけるRa - 前記下地表面層は、三次元架橋構造を有する樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
- 前記下地表面層は、平均1次粒子径が0.2μm以上0.5μm以下のα−アルミナを含有してなることを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成方法。
- 前記電子写真感光体最表面である循環型表面層は、ラメラ構造の化合物を含有してなることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記電子写真感光体最表面である循環型表面層は、ステアリン酸亜鉛を含有してなることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 所定の方向に回転駆動される電子写真感光体と、
該電子写真感光体表面を一様に帯電させる帯電手段と、
前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を前記電子写真感光体から転写材上に転写する転写手段と、
当該トナー像が転写された後の電子写真感光体を清掃するクリーニング手段と、
前記電子写真感光体の回転駆動方向に対して、前記クリーニング手段の下流かつ前記帯電装置の上流に配設されてなり、前記電子写真感光体に当接し当該電子写真感光体表面に循環材の皮膜を塗布形成する塗布手段とを備える画像形成装置であって、
前記塗布手段は、塗布ブラシと、塗布ブレードとを有し、
前記電子写真感光体は、前記循環材よりなり質量膜厚が1分子層以上3分子層未満である循環型表面層を有し、
該循環型表面層は、皮膜欠陥が10%未満であり、
当該画像形成装置における前記電子写真感光体表面に形成される前記循環材の質量膜厚は、2500回塗布時及び25000回塗布時の質量膜厚から得られる質量膜厚と、前記循環材の塗布回数と、の関係において、下記式1の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
τ =fα+β (式1)
(−0.1 ≦ f ≦ 0)
τ; 循環材の質量膜厚(nm)
α; 塗布回数(ドラムの場合、ドラム回転数)
β; 任意定数
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