JP5648382B2 - 電子写真感光体、並びに画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
クリーニングブレードのビビリやメクレが起こると、電子写真感光体表面が摩耗したり、傷が付くなどの問題も発生する。
<1> 支持体上に少なくとも感光層と表面層とを有する電子写真感光体において、
前記表面層が架橋樹脂を含有する架橋樹脂層であり、
前記表面層が互いに交差しない線状の溝を有し、前記線状の溝が前記電子写真感光体の軸方向と略平行であり、前記線状の溝の平均の幅が10μm以上50μm以下であり、前記線状の溝の平均の深さが0.1μm以上1μm以下であり、前記線状の溝の数が前記電子写真感光体の周方向の測定長さ1mm当たり20以上80以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 架橋樹脂が、トリアリールアミン構造を有する架橋性の電荷輸送物質に由来する構造単位を有する前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 架橋樹脂が、下記一般式(1)で表されるトリアリールアミン構造を有する架橋性の電荷輸送物質に由来する構造単位を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> 線状の溝が、レーザーアブレーションにより形成された前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> 感光層が、支持体側から電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体を少なくとも有する画像形成装置である。
<7> 更に、固体潤滑剤を前記電子写真感光体に供給する潤滑剤供給手段と、前記電子写真感光体に供給された前記固体潤滑剤を均一に塗布する潤滑剤塗布手段とを有する前記<6>に記載の画像形成装置である。
<8> 固体潤滑剤が、ステアリン酸亜鉛である前記<7>に記載の画像形成装置である。
<9> 更に、電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記電子写真感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、
前記トナーが重合トナーである前記<6>から<8>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<10> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体を少なくとも有するプロセスカートリッジである。
本発明の電子写真感光体は、支持体と、感光層と、表面層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の構成を有する。
前記支持体としては、体積抵抗値が1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
また、特開昭52−36016号公報に開示されているようなエンドレスニッケルベルト、又はエンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
前記感光層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質と電荷輸送物質を混在させた単層型感光層、電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型感光層が挙げられる。
前記積層型感光層としては、例えば、前記支持体側から電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層、前記支持体側から電荷輸送層と電荷発生層とをこの順に有する積層型感光層が挙げられる。これらの中でも、前記支持体側から電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層が、耐久性の点から好ましい。
前記電荷発生層は、電荷発生物質を少なくとも含有し、更に必要に応じて、樹脂などのその他の成分を含有する。
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系電荷発生物質、有機系電荷発生物質が挙げられる。
前記電荷発生層に必要に応じて用いられる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷発生物質100質量部に対し、500質量部以下が好ましく、10質量部〜300質量部がより好ましい。
前記真空薄膜作製法としては、例えば、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などが挙げられる。
前記キャスティング法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などが挙げられる。
前記キャスティング法においては、通常、塗工液が用いられる。
前記塗工液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質を必要に応じて前記樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等の公知の分散方法を用いて溶剤中に分散した塗工液が挙げられる。なお、前記樹脂の添加は、前記電荷発生物質の分散前及び分散後のどちらでも構わない。前記塗工液は、電荷発生物質、溶媒及び樹脂を主成分とするが、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤が含まれていてもよい。場合によっては、電荷発生層に後述の電荷輸送物質を添加することも可能である。
前記その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷発生物質100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。レベリング剤の場合には、前記電荷発生物質100質量部に対して、0.001質量部〜0.1質量部が好ましい。前記含有量が、前記下限値未満であると、感度劣化を起こすことがある。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を少なくとも含有し、更に必要に応じて、樹脂などのその他の成分を含有する。
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記電荷輸送層に必要に応じて用いられる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、エポキシアクリレート等の光硬化樹脂等の樹脂がある。これらの中でも、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が、電荷移動特性が良好となる点で好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できる点で好ましい。また、機械的、化学的及び電気的安定性、密着性などの他に電荷輸送物質との相溶性が重要である。
前記その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送物質100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。レベリング剤の場合には、前記電荷輸送物質100質量部に対して、0.001質量部〜0.1質量部が好ましい。前記含有量が、前記下限値未満であると、感度劣化を起こすことがある。
前記表面層としては、架橋樹脂を含有する架橋樹脂層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記表面層が前記架橋樹脂層であることにより、前記表面層は耐摩耗性に優れ、クリーニングブレードや塗布ブレードにより前記表面層が削れにくいことから、前記表面層に形成された線状の溝が消失することがなく、長期間の繰り返しの使用に対しても、高画質画像が安定して形成できる。
前記架橋樹脂としては、架橋構造を有する樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記架橋樹脂を構成する構造単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリロイルオキシ基やスチリル基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基、アルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物などに由来する構造単位が挙げられる。
前記アクリロイルオキシ基やスチリル基を有する連鎖重合系の化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メタクリロイル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記トリメチロールプロパントリアクリレートに由来する構造単位の前記架橋樹脂における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐摩耗性に優れる点から、前記架橋樹脂の固形分100質量部に対して10質量部〜70質量部が好ましく、30質量部〜60質量部がより好ましい。
前記架橋性の電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷輸送物質に由来する構造及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、電荷輸送物質に由来する構造及びスチリル基を有する化合物、電荷輸送物質に由来する構造及び水酸基を有する化合物、電荷輸送物質に由来する構造及びアルコキシシリル基を有する化合物、電荷輸送物質に由来する構造及びイソシアネート基を有する化合物などが挙げられる。
前記電荷輸送物質に由来する構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トリアリールアミン構造であることが、高感度化の点で好ましい。
−フィラー
前記フィラーとしては、有機フィラー、無機フィラーが挙げられる。
前記有機フィラーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂粉末;シリコ−ン樹脂粉末、a−カーボン粉末などが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末;シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、α−アルミナ等のアルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物;フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物;チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げられる。これらの中でも、フィラーの硬度の点から無機フィラーを用いることが耐摩耗性の向上の点で好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、環境負荷の観点から、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールなどが好ましい。
前記UV照射光源の照度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50mW/cm2以上1,000mW/cm2以下が好ましい。前記照度が、50mW/cm2未満であると、架橋反応に時間を要することがあり、1,000mW/cm2を超えると、架橋反応の進行が不均一となることがあり、表面層に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生じたりすることがある。また、急激な架橋反応により内部応力が大きくなり、表面層にクラックや剥がれが発生することがある。
前記表面層は互いに交差しない線状の溝を有する。前記線状の溝は前記電子写真感光体の軸方向と略平行であり、前記線状の溝の平均の幅は10μm以上50μm以下であり、前記線状の溝の平均の深さは0.1μm以上1.0μm以下であり、前記線状の溝の数は前記電子写真感光体の周方向の測定長さ1mm当たり20以上80以下である。
ここで、「電子写真感光体の軸方向」を言い換えれば、前記電子写真感光体の面方向かつ周方向に対して直角方向である。
「線状の溝の平均の幅」とは、線状の溝の幅を任意に5箇所測定した際の平均値である。
「線状の溝の平均の深さ」とは、線状の溝の深さを任意に5箇所測定した際の平均値である。
「軸方向と略平行」とは、軸方向と平行のみならず、軸方向に対して0°の方向(平行)〜3°の方向までの範囲を指す。これら範囲であれば、本発明の効果を得ることができる。
前記線状の溝は、前記電子写真感光体の軸方向の端部まで形成されていてもよく、前記電子写真感光体が帯電される領域の端部まで形成されていてもよい。
前記レーザー照射による方法で使用するレーザーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェムト秒レーザー、エキシマレーザーなどが挙げられる。レーザー光の波長は、1,000nm以下であることが好ましい。
また、レーザー光源は固定しておき、感光体を軸方向に移動させることによっても、感光体表面の狙いの部分に線状の溝を形成することができる。
前記その他の構成としては、例えば、下引き層などが挙げられる。
前記支持体と前記感光層との間には、必要に応じて、前記下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
前記微粉末としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、又は金属窒化物などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などが挙げられる。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体を少なくとも有し、潤滑剤供給手段、潤滑剤塗布手段、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記電子写真感光体は、本発明の前記電子写真感光体である。
前記潤滑剤供給手段としては、固体潤滑剤を前記電子写真感光体に供給する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電子写真感光体に接触して回転するブラシ状ローラであり、該ブラシ状ローラが固体潤滑剤を摺擦し掻き取って該電子写真感光体上に固体潤滑剤を供給する手段が好ましい。
なお、撓みの程度を調整するため、例えばジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合してもよい。
前記潤滑剤塗布手段としては、前記電子写真感光体に供給された前記固体潤滑剤を均一に塗布する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布ブレード、塗布ローラが挙げられる。
また、前記ブレード支持体から突き出し、たわみを持たせることができるブレードの長さ、いわゆる自由長については、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に規定できるものではないが、1mm〜15mmが好ましく、2mm〜10mmがより好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばPFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂;フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマーなどが挙げられる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体表面を帯電させることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段が用いられる。
前記非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器及び針電極デバイス、固体放電素子、電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。これらの中でも、コロナ放電が特に好ましい。
前記コロトロン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
前記露光手段としては、帯電された前記電子写真感光体の表面を露光して静電潜像を形成することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接電子写真感光体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する手段である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合トナーが、画質向上の点から好ましい。
前記重合トナーとしては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー材料溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記転写手段としては、前記可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を記録媒体上に二次転写する手段が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有することが好ましい。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記クリーニング手段は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、定着手段、除電手段などが挙げられる。
前記定着手段は、記録媒体に転写された転写像を定着部材により定着させる手段であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行う手段であってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行う手段であってもよい。
前記定着部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行うことができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体を少なくとも有し、潤滑剤供給手段、潤滑剤塗布手段、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記電子写真感光体としては、本発明の電子写真感光体の説明において記載した電子写真感光体と同様の電子写真感光体が挙げられる。
前記潤滑剤供給手段としては、前記画像形成装置の説明において記載した前記潤滑剤供給手段と同様の潤滑剤供給手段が挙げられる。
前記潤滑剤塗布手段としては、前記画像形成装置の説明において記載した前記潤滑剤塗布手段と同様の潤滑剤塗布手段が挙げられる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができることが好ましい。
図7に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、前記電子写真感光体11は、回転しながら、前記帯電手段12による帯電、前記露光手段13による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、前記現像手段14でトナー現像され、該トナー現像は前記転写手段16により、記録媒体18に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の前記電子写真感光体11表面は、前記クリーニング手段17によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返す。
ではない。
<電子写真感光体の作製>
Al(アルミニウム)製支持体(外径40mmφ、軸方向の長さ34.7cmの円柱形ドラム)に、乾燥後の厚みが3.5μmになるように下記の下引き層用塗工液を浸漬塗工し、下引き層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6質量部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4質量部
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン 40質量部
(CR−EL、石原産業社製)
メチルエチルケトン 50質量部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式で表されるビスアゾ顔料 2.5質量部
シクロヘキサノン 200質量部
メチルエチルケトン 80質量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10質量部
下記構造式で表される低分子電荷輸送物質 10質量部
1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2質量部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
〔表面層塗工液〕
トリメチロールプロパントリアクリレート 9質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
下記構造式で表される架橋性の電荷輸送物質 9質量部
(アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−エチル)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
テトラヒドロフラン 100質量部
測定箇所5点の平均値において、溝の深さは0.4μm、溝の幅は11μm、溝の数は周方向の測定長さ1mm当たり25であった。
作製した電子写真感光体をプロセスカートリッジに装着し、画像露光光源655nmの半導体レーザーを用い、帯電ローラ及びクリーニングブレード、更にはステアリン酸亜鉛のステアリン酸亜鉛バー(ステアリン酸亜鉛成形体)、塗布ブラシ、及び塗布ブレードを装着した画像形成装置(株式会社リコー製、デジタルプリンターIPSIO SP810の改造機)にて、画像出力を行った。なお、前記塗布ブレードは、前記電子写真感光体にトレーディング方向で当接するように設置した。トナーは体積平均粒径6μmの重合トナーを用いた。常温常湿(25℃、60%RH)で、電子写真感光体のVd(暗部電位)を−800V、Vl(明部電位)を−200Vになるように電子写真感光体の初期電位を設定した。
紙は株式会社リコー製6200ペーパー(A4、T目)を使用した。テストチャートは写真画像と文字の混在したものであり、地肌部、ベタ黒部、中間調が評価できるものである。
固体潤滑剤の塗布状態が適切になっている、すなわち潤滑剤の効果を十分に発揮できるような被膜となっているかを確認する評価として、耐久試験における電子写真感光体の状態(傷や摩耗、フィルミング)、帯電ローラ、クリーニングブレードの状態(メクレやビビリ、摩耗)、出力画像(トナーのすり抜け)を評価した。何れも目視、及び光学顕微鏡にて正常部(耐久試験前の正常部)と劣化部(耐久試験後の劣化部)の比較を行った。耐久性試験では、画像濃度が50%で5万枚の連続した画像出力を行った。画像評価では、5万枚画像出力を行った後の1枚目〜10枚目の画像劣化を観察した。評価基準を以下に示す。評価結果を表1に示す。
電子写真感光体表面の状態(傷や摩耗)の評価基準は以下の通りである。
○:初期と比べてほとんど変化なし
△:初期と比べてわずかな変化認められるが、問題ない程度
×:傷、摩耗が激しく、初期の状態がほとんど残っていない
電子写真感光体のフィルミングの状態の評価基準は以下の通りである。
○:初期と比べてほとんど変化なし
△:初期と比べてわずかな異物の付着が認められるが、問題ない程度
×:異物の付着が激しく、初期の状態がほとんど残っていない
帯電ローラの評価基準は以下の通りである。
○:初期と比べてほとんど変化なし
△:初期と比べてわずかな変化認められるが、問題ない程度
×:異物付着が激しく、初期の状態がほとんど残っていない
クリーニングブレードの評価基準は以下の通りである。
○:初期と比べてほとんど変化なし
△:初期と比べてわずかな変化認められるが、問題ない程度
×:メクレ、ビビリが発生している、又は傷、摩耗が激しく若しくはエッジの欠けが発生し、初期の状態がほとんど残っていない
画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンの地肌汚れを目視により、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:問題なし
△:出力画像に、極めて僅かなトナーのすり抜けによるスジ又は若干の濃度ムラがある
×:出力画像にトナーのすり抜けによるスジ又は濃度ムラが明確にある
電子写真感光体、帯電ローラ、及びクリーニングブレードの評価、並びに画像評価を下記基準により総合評価した。結果を表1に示す。
○:電子写真感光体、帯電ローラ、及びクリーニングブレードの評価、並びに画像評価において、×が1つもない。
×:電子写真感光体、帯電ローラ、及びクリーニングブレードの評価、並びに画像評価において、×が1つ以上ある。
実施例1において、表面形状の加工条件を照射エネルギー2.5mWに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは0.1μm、溝の幅は10μm、溝の数は周方向の測定長さ1mm当たり25であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、表面形状の加工条件を照射エネルギー3.2mWに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは1μm、溝の幅は14μm、溝の数は周方向の測定長さ1mm当たり25であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、表面形状の加工を、4つの加工跡が並んで1つの溝を形成するように4回連続して加工し1つの溝を作製した後、10μm間隔をおいて、次に4回連続して加工することを繰り返し以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは0.4μm、溝の幅は40μm、溝の数は周方向の測定長さ1mm当たり20であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、表面形状の加工条件を、加工ピッチを12.5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは0.4μm、溝の幅は10μm、溝の数は周方向の測定長さ1mm当たり80であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、固体潤滑剤としてステアリン酸カルシウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは0.4μm、溝の幅は11μm、溝の数は周方向の測定長さ1mm当たり25であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、表面形状の加工を施さなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面形状を観察したところ、溝は形成されていなかった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、電子写真感光体の周方向に平行な線状の溝を形成するように表面形状の加工を行った以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは0.4μm、溝の幅は11μm、溝の数は軸方向の測定長さ1mm当たり25であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、電子写真感光体の軸方向に対して45°の方向に平行な線状の溝を形成するように表面形状の加工を行った以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは0.4μm、溝の幅は11μm、溝の数は溝に対して直角方向の測定長さ1mm当たり25であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、実施例1と同様の表面形状の加工した後、電子写真感光体の周方向に平行な線状の溝を形成するように同じ加工条件で加工を行った以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さが0.4μm、溝の幅が11μm、溝の数が溝に対して直角方向の測定長さ1mm当たり25の溝が、90°で交差していた。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例3において、比較例3と同様に表面形状の加工した後、電子写真感光体の周方向に平行な線状の溝を形成するように同じ加工条件で加工を行った以外は、比較例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さが0.4μm、溝の幅が11μm、溝の数が溝に対して直角方向の測定長さ1mm当たり25の溝が、45°で交差していた。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、表面形状の加工条件を照射エネルギー2.1mWに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは0.05μm、溝の幅は10μm、溝の数は周方向の測定長さ1mm当たり25であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、表面形状の加工条件を照射エネルギー4.0mWに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
形成された表面形状を測定したところ、測定箇所5点の平均値において、溝の深さは2.0μm、溝の幅は30μm、溝の数は周方向の測定長さ1mm当たり25であった。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例2において、表面層塗工液を下記の表面層塗工液に代えた以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製し、該電子写真感光体表面に電子写真感光体の軸方向に平行な線状の溝を形成した。
〔表面層塗工液〕
下記構造式で表される低分子電荷輸送物質 2質量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 2質量部
テトラヒドロフラン 70質量部
シクロヘキサノン 25質量部
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様に画像形成装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例1では、電子写真感光体に表面形状の加工を行っていないため、表面が非常に平滑であった。そのため、塗布ブレードにより電子写真感光体表面に適切な圧力が掛からず、固体潤滑剤の被膜化が十分に行われていないために、潤滑性が十分ではなかった。そのため、電子写真感光体が摩耗してしまっていた。また、フィルミングの発生があり、帯電ローラの汚れ、クリーニングブレードのメクレが発生し、画像評価も良好ではなかった。
比較例2では、電子写真感光体に、電子写真感光体の周方向に平行な線状の溝が成されているものの、塗布ブレードにより電子写真感光体表面に適切な圧力が掛からず、固体潤滑剤の被膜化が十分に行われておらず、また形成した溝に溜まった異物が吐き出されず、電子写真感光体表面の劣化が大きかった。また、フィルミングの発生があり、帯電ローラの汚れがあり、画像評価も良好ではなかった。
比較例3では、電子写真感光体に、電子写真感光体の軸方向に対して斜め(45°)に平行な線状の溝が形成されているものの、比較例2と同様に、形成した溝に溜まった異物が十分に吐き出されず、電子写真感光体表面の劣化が大きかった。また、フィルミングの発生があり、帯電ローラの汚れがあり、画像評価も良好ではなかった。
比較例4では、電子写真感光体に、電子写真感光体の軸方向及び周方向それぞれに対して平行な線状の傷が交差して形成されているものの、フィルミングの発生があり、画像評価も良好ではなかった。
比較例5では、電子写真感光体に、電子写真感光体の軸方向及び軸方向に対して斜め(45°)方向それぞれに対して平行な線状の溝が交差して形成されているものの、フィルミングの発生があり、画像評価も良好ではなかった。
比較例6では、電子写真感光体に、電子写真感光体の軸方向に平行な線状の溝が形成されているもののが、溝の深さが浅すぎるため、塗布ブレードにより電子写真感光体表面に適切な圧力が掛からず、固体潤滑剤の被膜化が十分に行われていないために、潤滑性が十分ではなかった。そのため、電子写真感光体が摩耗してしまっていた。また、フィルミングの発生があり、帯電ローラの汚れ、クリーニングブレードのビビリが発生し、画像評価も良好ではなかった。
比較例7では、電子写真感光体に、電子写真感光体の軸方向に平行な線状の溝が形成されているもののが、溝の深さが深すぎるため、出力画像の品質が悪かった。また、フィルミングの発生があり、帯電ローラの汚れ、クリーニングブレードのエッジ欠けが発生し、画像評価も良好ではなかった。
比較例8では、電子写真感光体の表面層が架橋樹脂層ではないため、電子写真感光体の軸方向に平行な線状の溝が、耐久試験後において消失しており、塗布ブレードにより電子写真感光体表面に適切な圧力が掛からず、固体潤滑剤の被膜化が十分に行われていないために、潤滑性が十分ではなかった。そのため、電子写真感光体が摩耗してしまっていた。また、フィルミングの発生があり、帯電ローラの汚れがあり、画像評価も良好ではなかった。
3 線状の溝
11 電子写真感光体
12 帯電手段
13 露光手段
14 現像手段
15 トナー
16 転写手段
17 クリーニング手段
18 印刷メディア(印刷用紙、OHP用スライド)
19 定着手段
1A 除電手段
1B クリーニング前露光手段
1C 駆動手段
1D 第1の転写手段
1E 第2の転写手段
1F 中間転写体
1G 搬送転写ベルト
20 潤滑剤供給手段
21 潤滑剤塗布手段
31 電子写真感光体
32 レーザー光
33 レーザー光源
500 固体潤滑剤
502 ファーブラシ
503 ブレード
Claims (10)
- 支持体上に少なくとも感光層と表面層とを有する電子写真感光体において、
前記表面層が架橋樹脂を含有する架橋樹脂層であり、
前記表面層が互いに交差しない直線状の溝を有し、前記直線状の溝が前記電子写真感光体の軸方向と略平行であり、前記直線状の溝の平均の幅が10μm以上50μm以下であり、前記直線状の溝の平均の深さが0.1μm以上1μm以下であり、前記直線状の溝の数が前記電子写真感光体の周方向の測定長さ1mm当たり20以上80以下であることを特徴とする電子写真感光体。
ここで、略平行とは軸方向と平行のみならず、軸方向に対して0°の方向〜3°の方向までを指す。 - 架橋樹脂が、トリアリールアミン構造を有する架橋性の電荷輸送物質に由来する構造単位を有する請求項1に記載の電子写真感光体。
- 架橋樹脂が、下記一般式(1)で表されるトリアリールアミン構造を有する架橋性の電荷輸送物質に由来する構造単位を有する請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 直線状の溝が、レーザーアブレーションにより形成された請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 感光層が、支持体側から電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体を少なくとも有する画像形成装置。
- 更に、固体潤滑剤を前記電子写真感光体に供給する潤滑剤供給手段と、前記電子写真感光体に供給された前記固体潤滑剤を均一に塗布する潤滑剤塗布手段とを有する請求項6に記載の画像形成装置。
- 固体潤滑剤が、ステアリン酸亜鉛である請求項7に記載の画像形成装置。
- 更に、電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記電子写真感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、
前記トナーが重合トナーである請求項6から8のいずれかに記載の画像形成装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体を少なくとも有するプロセスカートリッジ。
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