JP6627723B2 - 電子写真感光体及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
(全体構成)
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置11は、タンデム方式のカラープリンターである。画像形成装置11は、プリンター本体12の内部に、記録紙(不図示)を収納する給紙カセット13と、給紙カセット13から記録紙を一枚ずつ給送する給紙部14と、給紙カセット13又は手差トレイ(不図示)から供給された記録紙に画像形成処理を行う画像形成処理部15と、給紙カセット13又は手差トレイから供給された記録紙を搬送する記録紙搬送経路16と、画像形成処理部15において形成されたトナー像を記録紙搬送経路16に沿って搬送される記録紙に転写する二次転写部17と、二次転写部17において転写されたトナー像を記録紙に定着する定着部18と、を備える。
画像形成処理部15は、例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を用いて画像形成処理を行うタンデム方式が採用されている。なお、以下の説明では、特に色指定に関する場合にのみ、各算用数字の符号に括弧書きで(Y,M,C,K)の色を付し、共通の場合には算用数字のみの符号を付して説明する。
感光体ドラム20は、支持体(基体)の表面に感光層が形成されてなる。ここでは、感光体ドラム20は、金属製の円筒状の素管20aと、素管表面に形成された感光層20bとからなる。なお、素管20aが本発明の「支持体」の一例に相当する。素管20aを形成する金属としては、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム等が挙げられる。感光層20bとしては、有機光伝導体を利用した有機感光層や無機光電体を利用した無機感光層等を利用できるが、耐久性の高さからシランガス等の蒸着等により製膜されたアモルファスシリコン感光層が好ましい。各感光体ドラム20は、その表面に露光ユニット25から出射されたビーム光に基づいて各色のトナー像を担持して中間転写ベルト22にトナー像を転写するためのものであり、図1に示すように、現像装置21と共に中間転写ベルト22の下方に配置されている。
各現像装置21は、基本的に同一構成のものが中間転写ベルト22の下方に回動移動方向に沿って列設されている。現像装置21は、結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する酸化チタン等の金属粒子からなるトナー外添剤(以下、単に外添剤ともいう)とを含むトナーを付着させて感光体ドラム20の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する。なお、現像装置21は従来公知のものを使用することができる。
中間転写ベルト22は、プリンター本体12内で駆動ローラーと従動ローラーとに水平方向に張架された無端ベルトであり、ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラーの回転に伴い画像形成動作に伴って循環駆動される。
トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22のトナー像の反射濃度を測定し、その検知値を制御部(図示せず)に出力する。なお、トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22の回動移動方向並びに回動移動方向と直交する幅方向のそれぞれに沿った複数箇所に設けることができる。この際、トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22の幅方向片側だけのトナー濃度を検知したのでは、例えば、中間転写ベルト22の幅方向両端側で濃度差が生ずる現象(片焼け現象)が発生した場合に対応できないため、幅方向両端付近に配置するのが好ましい。
図2に示すように、帯電装置26は、帯電ハウジング41内に、感光体ドラム20に接触してドラム表面に帯電バイアスを印加する帯電ローラー42と、帯電ローラー42をクリーニングするための帯電クリーニングローラー43とを有している。
クリーニング装置28は、記録紙幅方向(記録紙搬送方向に直交する方向)に奥行きのあるクリーニングハウジング50と、クリーニングハウジング50の内部下方寄りに配置されて図2において時計回り方向に回転することで記録紙幅方向の一方に回収トナーを搬送して廃トナー容器(図示せず)へと送り出す回収スパイラル51と、クリーニングハウジング50の外部下方寄りに取り付けられたクリーニングブレード52と、クリーニングハウジング50の内部上方寄りに配置されて感光体ドラム20の表面と接触する摺擦ローラー(クリーニングローラー)53と、クリーニングハウジング50内であって回収スパイラル51と摺擦ローラー53との間に配されたトナー送りガイド板54とを備えている。なお、回収トナーがクリーニングハウジング50から外部に漏れるのを防止するために、クリーニングシール55がクリーニングハウジング50の上流端に設けられている。
除電装置29は、感光体ドラム20の回転方向に沿って、一次転写ローラー27の下流側に配置されている。除電装置29には、図2に示すように、LED(発光ダイオード)57が用いられ、必要に応じて反射板が設けられる。また、除電装置29は、クリーニング装置28のクリーニングハウジング50の上面に取り付けられている。除電装置29は、除電光を感光体ドラム20に照射することにより、その表面の帯電電荷を除去し、次回の画像形成動作時における帯電工程のための準備を整える。
次に、画像形成装置100の画像形成手順について説明する。パーソナルコンピューター等の外部接続機器から画像データが入力されると、先ず、帯電装置26によって感光体ドラム20の表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット25によって感光体ドラム20の表面にビーム光を照射し、各感光体ドラム20上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置21には、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置21内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ19から各現像装置21にトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置21により感光体ドラム20上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット25からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
以下、本実施形態の感光体ドラム20の特徴部分である感光層20bの特性について説明する。本実施形態の感光体ドラム20は、使用初期における感光層20bの表面に、素管20aの軸方向に延びる細長状の凸部60(図3、図4参照)が多数形成されている。また、感光体ドラム20の周方向(回転方向)及び軸方向(長手方向)における凸部60の平均間隔SmをそれぞれSm1、Sm2とするとき、Sm1<Sm2を満たす。なお、この表面状態は、少なくとも感光体ドラム20の使用初期(使用開始時の状態であり、換言すると、工場出荷後の状態である。)に有していればよい。また、平均間隔Smは触針式2次元粗さ測定器を用いて1994年版のJISB0601で規定されている表面粗さ測定法により測定される。
図3及び図4は、それぞれ本実施形態の感光体ドラム20の感光層20bの表面を軸方向及び周方向から見たときの稜線を示す模式図である。図5は、Sm1<Sm2である本実施形態の感光体ドラム20とクリーニングブレード52との実際の接触部分を示す概念図である。また、図6は、Sm1=Sm2である従来の感光体ドラム20とクリーニングブレード52との接触部分を示す概念図である。
使用初期の感光層20b表面の算術平均粗さRaは、20[nm]以上100[nm]以下の範囲内にあればよい。算術平均粗さRaが20[nm]より小さい場合、クリーニングブレード52と感光体ドラム20との摩擦が大きくなり、長期間の使用によってクリーニングブレード52が摩耗し、画像不良に至る外添剤のすり抜け量が多くなる。つまり、長期間に亘って良好な画像を得ることができない。一方、算術平均粗さRaが100[nm]より大きい場合、クリーニングブレード52と感光層20b表面との隙間が大きくなる。そのため、耐久印字の比較的早い段階から外添剤のすり抜け、およびそれに起因する帯電ローラー26の汚染が始まってしまい、感光体ドラム20の表面の帯電ムラによる画像不良が発生する。
感光体ドラム20の使用初期における感光層20bのDUH硬度が500[kgf/mm2]以上1200[kgf/mm2]以下の範囲にあることが好ましい。DUH硬度が500[kgf/mm2]より小さくなると、クリーニングブレード52や摺擦ローラー53との接触により、感光体ドラム20の感光層20bが摩耗しやすく、長期間の使用ができないためである。この観点からは、DUH硬度が高い方が好ましい。このため、DUH硬度の上限は、現在使用することができる最も硬度の高い感光層20bの硬度で規定されている。なお、DUH硬度とは、ダイナミック超微小硬度計(DUHシリーズ、島津製作所社製)により測定された押しこみ硬度(マルテンス硬度)を指す。
平均間隔Sm1、Sm2、及び算術平均粗さRaは、感光体ドラム20の表面における画像形成領域の全域において、上記範囲であることが好ましい。
トナーには外添剤として導電性研磨微粒子である酸化チタンやシリカが外添されているが、感光層20b表面の算術平均粗さRaが大きい場合は、クリーニングブレード52が追従できない凹凸の隙間から外添剤がすり抜けていく。そのため、本実施形態の感光体ドラム20に用いるトナーの外添剤は一次平均粒子径が10nm以上であることが好ましい。
凹凸の形成方法に関しては、例えばアルミ製の素管20aに対して、痕跡窪みをもたらす雄型を配設し、加圧プレートを圧接させて所望の表面形状を得た後、素管20aの外周面にアモルファスシリコンの感光層20bを成膜する方法、またはバイト加工においてバイト(切削工具)を軸方向に往復運動させながら素管20aを回転させて素管20aの外周面にバイト目を作成した後、アモルファスシリコンの感光層20bを成膜する方法が挙げられる。特に後者は、バイトの移動速度、素管20aの回転速度を調整することで所望の凹凸間隔を適宜得ることができる。
鏡面加工を施したアルミニウム製の素管20aの外周面に、図8に示したバイト加工により多数のバイト目(切削痕)を形成した。バイト加工時の素管20aの回転速度v1を0.5mm/sec、バイトの移動速度v2を1mm/secとした。その後、素管20aの外周面にアモルファスシリコンにより感光層20bを形成して感光体ドラム20(本発明1)を作製した。感光層20bは表面の算術平均粗さRaが4[nm]〜60[nm]の範囲内になるように形成されている。
本発明1の感光体ドラム20及び本発明1と同様の方法で、凹凸の算術平均粗さRa、平均間隔Sm1、Sm2を変化させた感光体ドラム20(本発明2〜6、比較例1〜3)を作成した。図1、図2に示した構成の画像形成装置11に本発明2〜6、比較例1〜3の感光体ドラム20を搭載して耐久試験を行った。試験条件としては、低温低湿環境(10℃、10%)で印字率25%のハーフトーン画像を連続印字し、印字画像を目視により観察して外添剤のすり抜けを評価した。
20 感光体ドラム(電子写真感光体)
20a 素管(支持体)
20b 感光層
52 クリーニングブレード
60 凸部
Claims (6)
- 筒状の支持体と、
該支持体の外周面に形成される感光層と、を有し、
使用初期における前記感光層の表面に、前記支持体の軸方向に延びる細長状の凸部が多数形成されており、
使用初期における前記感光層表面の軸方向における算術平均粗さをRa、前記支持体の周方向および軸方向における前記感光層表面の凹凸の平均間隔をそれぞれSm1、Sm2とするとき、Ra≦100[nm]、Sm1<Sm2、1[μm]≦Sm1≦10[μm]、10[μm]≦Sm2≦20[μm]を満たすことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記RaがRa≧20[nm]を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層表面のDUH硬度が500kgf/mm 2 以上1200kgf/mm 2 以下の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層は、アモルファスシリコンにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触するように配置され、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング部材と、
を備える画像形成装置。 - 前記電子写真感光体にトナーを供給する現像装置を備え、
前記トナーは、結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを含み、
前記外添剤の一次平均粒子径が10nm以上であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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