JP2007086160A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、高画質かつ耐久性能に優れ長期使用時にも品質が低下することのない画像安定性に優れた画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも電子写真感光体と、感光体の外表面に電荷を付与する帯電手段と、帯電された感光体に光照射して静電潜像を形成させる露光手段と、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させる現像手段と、トナー像を転写材に転写する転写手段とを有し、前記トナーが少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と無機微粒子とを含有する、画像形成装置において、25℃、湿度50%の環境下、最終荷重を6mNとする、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いた硬度試験で測定した電子写真感光体の弾性変形率が45〜65%であり、該無機微粒子の個数平均粒径が60〜300nmであることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真感光体を有しトナーを用いて現像を行なう画像形成装置に関する。本発明の画像形成装置は、複写機やレーザープリンターおよび普通紙ファクシミリ等に応用される。
近年、情報産業の急速な発展に伴い、産業上又はオフィス用途として、高画質、低ランニングコストな画像記録が望まれてきている。これらの要望に対して電子写真法、熱転写法およびインクジェット法等の種々の方法が提案され、実用化されている。中でも電子写真法は、その高速印字性および高画質のメリットからオフィスで多用されているが、近年の多用な複写ニーズに伴い、カラー複写やグラフィック画像に対する需要や軽印刷分野も含めた多数枚低ランニングコストの要求はますます高まっている。
このような要求に対して、電子写真装置本体、感光体、現像剤、各種機能部材の各方面からのアプローチがなされており、例えば感光体においては、硬度の高い表面層を設けることにより飛躍的に削れ量が減少し、長寿命化が図れることが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。しかし、電子写真感光体の硬度が上がり、削れ量が減少することにより以下のような不具合も生じることが判明している。
電子写真装置内の帯電手段より発生する帯電生成物が電子写真感光体に堆積することにより、又は帯電手段からの通電に起因した電子写真感光体表面の劣化により、画像流れが発生する;電子写真感光体表面に残存するトナーを清掃するクリーニング部材と電子写真感光体表面の摩擦が増大することにより、クリーニング部材の鳴き、捲れが発生する;表面層の硬度が高い場合、クリーニング部材のエッジが欠ける現象が見られる等である。
また、現像器内のトナーの外添剤、転写紙の紙粉等が感光体上に堆積しても、電子写真感光体表面が削られることがないため、これら異物を起点に融着が発生したり、さらには融着部分におけるクリーニング部材の圧接により電子写真感光体表面に傷が発生する確率が増加したりするなどの問題が潜在している。
これら電子写真感光体の表面の劣化は、電子写真の各種プロセスや現像剤、機能部材との相関が大きく、未だ十分な解決手段を得るには至っていないのが現状である。
特に現像剤においては、高精細/高転写性による高画質化、耐久/環境を含めた高安定性を目指し、母体自体の小粒径化、母体および外添剤を含めた構成材料/処方改良検討がなされている。特に近年においては、現像性や転写性などの観点からさまざまな外添剤を付与する場合も多く、より詳しくは従来と比較して粒径の比較的大きな外添剤を使用する場合がある。これら現像剤と前記感光体との関与は非常に大きく、また一義的に決まるものではないため、最適な電子写真システムを構築することは難しい。
以上の説明から明らかなように、前述した従来の技術においては、高強度な電子写真感光体を用いるに際し、高画質かつ長期使用時の画像安定性の観点から十分満足のいく画像形成装置が提供できなかった。
特開平5−34944号公報 特開平5−66598号公報 特開平5−88525号公報 特開平5−224452号公報
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであって、高画質な画像を形成し、かつ耐久性能に優れ長期使用時にも品質が低下することのない画像安定性に優れた画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明は少なくとも電子写真感光体と、感光体の外表面に電荷を付与する帯電手段と、帯電された感光体に光照射して静電潜像を形成させる露光手段と、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させる現像手段と、トナー像を転写材に転写する転写手段とを有し、該トナーが少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と無機微粒子を含有する、画像形成装置において、25℃、湿度50%の環境下、最終荷重6mNとする、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いた硬度試験で測定した電子写真感光体の弾性変形率が45〜65%であり、該無機微粒子の個数平均粒径が60〜300nmであることを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明によれば、高画質かつ長期使用時にも品質が低下することのない画像安定性に優れた画像形成装置を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と無機微粒子とを含有し、該無機微粒子の個数平均粒径が60〜300nmであることを特徴とする。
前記結着樹脂の例には、熱可塑性結着樹脂等が含まれる。熱可塑性結着樹脂の具体例には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸、メタクリル酸等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体等が含まれる。これらの樹脂を単独で使用してもよいし、二種以上を併用して使用してもよい。前記結着樹脂は架橋構造を有していてもよい。
特に、トナー粒子を乳化重合凝集法又は懸濁重合法で製造する場合は、結着樹脂の分子量を調節するために、連鎖移動剤や架橋剤等を併用することもできる。
連鎖移動剤は、特に限定されるものではなく、連鎖移動剤の例には、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン;四臭化炭素等のハロゲン化合物;ジスルフィド類等が含まれる。
架橋剤の例には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の、不飽和結合を二個以上有するもの等が含まれる。架橋剤としては、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。
前記着色剤としては、公知の染料及び顔料を用いることができる。着色剤の例には、フタロシアニン系顔料、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、磁性粉、キナクリドン系顔料等が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレレート等の種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料;等が含まれる。これらの着色剤を単独で使用してもよいし、二種以上を併用して使用してもよい。
粒子状の前記着色剤の平均粒径としては、0.5μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましい。前記平均粒径が0.5μmを超えると、可視光の乱反射を防ぐことができず、また、粗大粒子が存在した場合、着色力、色再現性、OHP透過性に悪影響を及ぼすことがある。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー粒子間での着色剤含有量の偏在が抑制され、トナー中への着色剤の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
前記トナー粒子には、ワックスを配合することができる。前記ワックスは、トナー像の定着時に離型剤として機能するものであれば特に限定されない。
前記ワックスの例には、ポリエチレン等の低分子量ポリオレフィン類;熱、光により溶融又は軟化するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸ステアリル等のエステルワックス類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物;等が含まれる。
前記ワックスの融点は、好ましくは150℃以下であり、さらに好ましくは40〜130℃、特に好ましくは40〜110℃である。
ワックスの融点は、以下のごとく測定される。
測定装置には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。サンプルはアルミニウム製パンに収容して測定する。対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。得られた吸熱メインピークのピーク値を融点とする。
後述するようにトナー粒子を乳化重合凝集法により製造する場合は、粒子状のワックスを用いるが、そのワックスの粒子の平均粒径は、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。前記平均粒径が2.0μmを超えると、トナー間でワックスの含有量に偏りが生じやすく、長期に渡った画像の安定性に悪影響を及ぼすことがある。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると、トナー間での偏在が減少し、トナー中へのワックス粒子の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
前記トナー粒子は、必要に応じて帯電制御剤を含むことができる。前記帯電制御剤は、トナーの帯電特性を制御することができるものであれば特に限定されない。前記帯電制御剤の例には、四級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロム、亜鉛、ジルコニウム等の錯体化合物等の粒子が含まれる。なお、本発明における帯電制御剤は、水に溶解しにくい素材からなることが好ましい。
トナー粒子の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。前記トナー粒子の製造方法の例には、結着樹脂、着色剤及びワックスと、必要に応じて帯電制御剤等とを混練し、得られた混練物を冷却した後に粉砕し、得られた粉砕物を分級する混練粉砕法;重合により結着樹脂を形成する重合性単量体を乳化重合させて得られた分散液に、着色剤及びワックス、並びに必要に応じて帯電制御剤等を添加混合し、得られた混合液中の分散成分を凝集させ、得られた凝集物を熱、光融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;前記重合性単量体、着色剤及びワックスと、必要に応じて帯電制御剤等とを含有する液状又はスラリー状の重合性単量体組成物を水系溶媒に懸濁させ、この状態で前記組成物中の重合性単量体を重合させる懸濁重合法;結着樹脂、着色剤及びワックスと、必要に応じて帯電制御剤等とを含有する溶液又はスラリーを、水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;及び前記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらにこのコアに凝集粒子を付着させ、得られた粒子を加熱し融合させて、コアシェル構造を有するトナー粒子を製造する方法;等が含まれる。
前述したような方法で製造されたトナー粒子は、粒子形状の制御や表面状態の改質等を目的で、さらに処理されても良い。このような処理には公知の方法が用いられる。例えば前記混練粉砕法にて得られたトナー粒子の形状を、機械的衝撃力又は熱エネルギーで変化させる事もできる。
本発明に用いられるトナーには、少なくとも個数平均粒径が60〜300nmである無機微粒子が外添される。該無機微粒子の好ましい個数平均粒径は85〜300nmである。粒径が60nmより小さいと、転写性が劣る傾向にあり、300nmより大きいと、トナー母体から遊離しやすい弊害がある。
前記無機粒子の例には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等の、通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が含まれる。
前記無機微粒子の個数平均粒径は、5万倍に拡大したトナー粒子表面の写真から、中心付近に存在する無機微粒子の長径を10視野にわたり測定し、その平均値を数平均粒子径とすることにより求める。前記拡大写真は、例えばFE−SEM(日立制作所製S−4700)により得られる。
さらに本発明において用いられるトナーには、従来から一般的に使用されている個数平均粒径が10〜60nmである無機微粒子を外添あるいは内添するのが好ましい。
これら無機微粒子は、数種類を組み合わせて使用することも可能である。
本発明では、前記トナー粒子と外添剤とを混合してトナーとして用いることができる。トナー粒子及び外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等の公知の手段で混合することによって前記トナーを製造することができる。
本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれの現像剤としても用いることができる。一成分現像剤は、前記トナー粒子と前記外添剤とによって構成され、二成分現像剤は、前記トナー粒子と、前記外添剤と、磁性キャリアとによって構成される。二成分現像剤は、フルカラー画像を形成する際に好適に用いられるが、その色は特
に限定されず、また同系色の濃淡の異なるトナーを含んでいても良い。前記磁性キャリアには、マグネタイト等の磁性体粒子そのもの、磁性体粒子に樹脂を被覆したもの、樹脂粒子中に磁性体粒子を分散させたもの等の公知の磁性キャリアが用いられる。
次に本発明の画像形成装置における電子写真感光体について説明する。
前記電子写真感光体は、導電層支持体、および該導電層支持体上に形成された感光層を含む。
前記感光層は、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した構成;又は逆に電荷輸送層、電荷発生層をこの順に積層した構成;更には電荷発生材料と電荷輸送材料を結着樹脂中に分散した単層とした構成のいずれの構成をとることも可能である。
また、導電性支持体と感光層の間に導電層を有していてもよく、導電層と感光層の間に中間層を有していてもよい。更に、前記感光層は、感光層上に形成された保護層を有していてもよい。
本発明の特徴の一つは、電子写真感光体の耐久性能が向上していることである。この効果は、電子写真感光体の表面を構成する表面層が熱可塑性の高硬度樹脂又は硬化性樹脂を含むことにより達成されうる。また、本発明の電子写真感光体における表面層は、感光層の上に更に設けられる保護層である場合、又は感光層の一部である場合のいずれにおいても、電荷輸送性を有していることが好ましい。
前記電子写真感光体の表面層に含まれる硬化性樹脂とは、熱、光又は放射線照射により重合又は架橋反応により硬化された樹脂を意味する。
前記表面層は、
1)熱可塑性の高硬度樹脂を含む表面層用塗布液を、感光層又は電荷発生層上に塗布し、必要に応じて表面と塗布膜を乾燥させることで形成されてもよく、
2)熱、光又は放射線照射により、ラジカルなどの活性点を発生させて重合又は硬化することが可能な化合物(以下、「重合又は硬化化合物」とも称する)を含む表面層用塗布液を、感光層又は電荷発生層上に塗布し、形成された塗布膜に熱、光又は放射線照射させることで形成されてもよい。
表面層に含まれる前記熱可塑性の高硬度樹脂とは、例えば、変性ポリアクリレート、共重合型ポリアリレートなどが含まれる。
前記重合又は硬化化合物は、1)フェノール系、エポキシ系、アルコキシシラン系などの、熱による加水分解や縮合反応を経由して逐次重合あるいは架橋する化合物、2)熱や光又は放射線照射によりラジカルなどの活性点を発生させ、連鎖重合あるいは架橋することが可能な化合物、であれば特に制限はされないが、反応性や強度の点から、連鎖重合性官能基を有する化合物が好ましい。特に、前記重合又は硬化化合物は、反応性の高さ、反応速度の速さ又は材料の汎用性の点から、分子内に連鎖重合性官能基を有する化合物、特に不飽和重合性官能基を有する化合物であることが好ましい。前記不飽和重合性官能基の例には、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及びスチレン基などが特に好ましく含まれる。
さらに、前記重合又は硬化化合物は、分子内に二以上の不飽和重合性官能基を有する化合物であることが好ましい。これは、形成される電子写真感光体の表面層の硬度を十分に確保するためである。
また、前記重合又は硬化化合物は、モノマー、オリゴマー又はマクロマーのいずれであってもよい。
前述の通り、表面層は電荷輸送性を有していることが好ましく、正孔輸送性を有してい
ることがより好ましい。そのため、表面層に含まれる熱可塑性の高硬度樹脂や硬化性樹脂は、電荷輸送性又は正孔輸送性を有していてもよい。また、表面層に含まれる熱可塑性の高硬度樹脂や硬化性樹脂以外のその他の成分が電荷輸送性又は正孔輸送性を有していてもよい。
表面層の膜硬度や種々の電子写真特性の点から、後者のような電荷輸送性を有する熱可塑性の高硬度樹脂や硬化性樹脂を使用することが好ましい。また、電荷輸送性を有する硬化性樹脂は、電子写真プロセスや材料の汎用性の点からして、正孔輸送性を有することが更に好ましい。
電荷輸送性を有する熱可塑性の高硬度樹脂や硬化性樹脂とは、例えば、その構成単位の一部がトリフェニルアミン単位などのトリアリールアミン単位;トリアリールアルカン単位;スチルベン単位;ヒドラゾン単位;ベンジジン単位である樹脂であるか、又はピラゾリン単位などの複素環や縮合環を有する樹脂である。
電荷輸送性を有する硬化性樹脂は、電荷輸送性を有する重合又は硬化化合物、すなわち、不飽和重合性官能基を有する公知の正孔輸送性化合物や、公知の正孔輸送性化合物の一部に不飽和重合性官能基を付加した化合物を重合させることにより得ることができる。
表面層に前記電荷輸送性を有する熱可塑性の高硬度樹脂や硬化性樹脂を用いる場合は、この樹脂単独で表面層を形成してもよい。この樹脂単独で表面層を形成することにより、電荷輸送材料の可塑性による機械的強度の低下も避けることができ、高強度かつ電子写真特性に優れた表面層を形成することが可能となる。また、電荷輸送材料、及び電荷輸送性を有さない熱可塑性の高硬度樹脂や硬化性樹脂をさらに適宜混合することも可能である。
電荷輸送性を有さない熱可塑性の高硬度樹脂や硬化性樹脂を含む表面層は、電荷輸送性を有する任意の化合物を含むことが好ましい。電荷輸送性を有する化合物は、電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料から選択すればよい。
前記表面層とは、電子写真感光体の構成によって、保護層、電荷輸送層、電荷発生層、又は電荷発生材料と電荷輸送材料を結着樹脂中に分散した単層でありうる。電子写真感光体の構成は、電子写真特性、特に残留電位等の電気的特性及び耐久性の点より、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光層を有し、該電荷輸送層が表面層となる構成;又は前記電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光層上に更に保護層を形成し、該保護層が表面層となる構成;であることが好ましい。すなわち、好ましい表面層は電荷輸送層又は保護層である。特に好ましい表面層は、前記電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光層上に形成された保護層である。
本発明における電子写真感光体の表面層が(i)感光層の上に形成される保護層である場合、(ii)感光層の一部である電荷輸送層である場合、および(iii)単層型の感光層である場合、に分けて説明する。
(i)本発明における電子写真感光体の表面層が感光層の上に形成される保護層である場合について、以下に示す。
前記保護層の下層となる感光層の構成は、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光層、電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層した積層型感光層、又は単層型感光層のいずれの構成も可能であるが、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光層構成が好ましい。
前記電荷発生層に含まれる電荷発生材料の例には、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶型を有するフタロシアニン化合物、具体的には、例えばα、β、γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物;アン
トアントロン顔料;ジベンズピレンキノン顔料;ピラントロン顔料;トリスアゾ顔料;ジスアゾ顔料;モノアゾ顔料;インジゴ顔料;キナクリドン顔料;非対称キノシアニン顔料;キノシアニン;特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコーン;等が含まれる。
前記電荷発生層に含まれる結着樹脂の例には、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が含まれる。
前記電荷発生層は、前記電荷発生材料を該電荷発生材料に対して0.3〜4倍質量の結着樹脂、及び溶剤を含む混合物中に、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミル等を用いる方法で、充分に分散し;得られた分散液を導電性支持体上、導電層上、又は中間層上に塗布し、乾燥することによって形成される。または、電荷発生層は、前記電荷発生材料を蒸着した単独組成の膜として形成される。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
前記電荷輸送層に含まれる電荷輸送材料の例には、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリスチリルアントラセン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物;ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール及びカルバゾール等の複素環化合物;トリフェニルメタン等のトリアリールアルカン誘導体;トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体;フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体及びヒドラゾン誘導体等の低分子化合物;が含まれる。
前記電荷輸送層は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等の結着樹脂中に、前記電荷輸送材料を分散又は溶解した溶液を塗布液とし、該塗布液を用いて形成される。場合によっては該塗布液に重合又は硬化化合物を添加することも可能である。
表面層である前記保護層は、前述したように熱可塑性の高硬度樹脂や硬化性樹脂を含有することが好ましい。従って、前記保護層は、(1)熱可塑性の高硬度樹脂、又は(2)重合又は硬化化合物、を適当な溶剤に分散又は溶解させ、先の感光体層上に塗布した後、乾燥固化工程、又は重合あるいは架橋し硬化させる工程により形成される。さらに前記保護層は電荷輸送性を有していることが好ましい。従って、前記保護層は(3)上記(1)の中でも電荷輸送性を有する熱可塑性の高硬度樹脂、(4)前記(1)と電荷輸送性を有する化合物、(5)上記(2)の中でも硬化後に電荷輸送性を有する重合又は硬化化合物、又は(6)前記(2)と硬化後に電荷輸送性を有する化合物、を適当な溶剤に分散又は溶解させ、先の感光体層上に塗布した後、乾燥固化工程、又は重合あるいは架橋し硬化させる工程により形成されることが好ましい。
(ii)本発明における電子写真感光体の表面層が感光層の一部である電荷輸送層である場合について、以下に示す。
前記感光層の構成は、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光層、又は電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層した積層型感光層のいずれの構成も可能であるが、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光層構成が好ましい。前記電荷発生層は前述と同様に電荷発生材料、結着樹脂を用いて形成される。
表面層である前記電荷輸送層は、前述したように熱可塑性の高硬度樹脂又は硬化性樹脂を含有する。従って、該電荷輸送層は、(1)電荷輸送材料と熱可塑性の高硬度樹脂、(2)電荷輸送性を有する熱可塑性の高硬度樹脂、(3)電荷輸送材料と重合又は硬化化合物、又は、(4)硬化後に電荷輸送性を有する重合又は硬化化合物、を適当な溶剤に分散又は溶解させ、先の電荷発生層上に塗布した後、乾燥固化工程、又は重合あるいは架橋し硬化させる工程により形成される。
(iii)本発明における電子写真感光体の表面層が単層型の感光層である場合について、以下に示す。
前記単層型の感光層は、少なくとも電荷発生材料、電荷輸送材料、及び重合又は硬化化合物を分散又は溶解した溶液を調製し、これらを硬化させることにより形成させる感光層であることが好ましい。この場合の電荷発生材料、電荷輸送材料、及び重合又は硬化化合物は、本発明における電子写真感光体の表面層が保護層である場合と同様の化合物である。この場合においても先の積層型感光層を有する電子写真感光体と同様に、重合又は硬化化合物が電荷輸送性を有することが好ましい。
本発明の電子写真感光体の導電性支持体は、導電性を有するものであればよい。導電性支持体の例には、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム状又はシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム又は酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又は結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が含まれる。
導電性支持体と感光層の間に、導電性顔料や抵抗調節顔料等を分散した導電層を形成してもよい。この導電層は、前記顔料を分散させたことにより表面が粗面化される。電子写真装置における露光手段がレーザー光のような可干渉光を用いる場合に、得られる画像に干渉縞が現れることが多いため、何らかの手段をもって、導電性支持体を粗面化することが考えられている。前記導電層を設けることにより、支持体を粗面化した場合と同様の効果が得られる。更に、支持体上に形成された導電層は、支持体の欠陥を被覆することができるので、支持体の欠陥除去に対して対策を行う必要がない。導電層の膜厚としては0.2〜40μmが好ましく、より好ましくは1〜35μm、更に好ましくは5〜30μmである。
前記導電層に用いられる樹脂の例には、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が含まれる。
前記導電性顔料及び抵抗調節顔料の例には、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等の金属、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの、または金属酸化物等が含まれる。金属酸化物の例には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウ
ム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ等が含まれる。これらを単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。
前記導電層は、前記導電性顔料や抵抗調節顔料等を前記樹脂中に分散又は溶解した溶液を塗布液とし、該塗布液を用いて形成される。場合によっては、重合又は硬化化合物を塗布液に添加することも可能である。
本発明においては、導電性支持体(又は導電層)と感光層の間にバリアー機能と接着機能を備えた中間層を設けることができる。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、導電性支持体の保護、導電性支持体の欠陥の被覆、導電性支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
前記中間層の材料の例には、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が含まれる。これらの材料をそれぞれ適した溶剤に溶解した溶液を導電性支持体(又は導電層)上に塗布し、乾燥することによって、中間層は形成される。中間層の膜厚は0.1〜2μm程度であることが好ましい。
本発明において、中間層、感光層等には各種添加剤を添加することが出来る。添加剤の例には、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の劣化防止剤;フッ素系樹脂微粒子等の滑材;等が含まれる。
本発明における感光体は、支持体上に各層を形成するための溶液を順次に塗布することにより製造され得る。
この各層を形成するために溶液を塗布する方法の例には、浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等の公知の塗布方法が含まれ、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。また、蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法も適宜選択できる。
本発明における感光体の表面層は、1)熱可塑性の高硬度樹脂を含む溶液を塗布して形成されてもよいが、2)熱、光又は放射線照射により、ラジカルなどの活性点を発生させて重合又は硬化することが可能な化合物(重合又は硬化化合物)を含む溶液を塗布し、得られた塗布膜に熱、光又は放射線を照射して形成してもよい。
熱、又は光照射による重合又は硬化には、反応開始剤が必要とされるが、放射線照射による重合又は硬化には開始剤が必要とされない。よって、放射線照射による重合又は硬化することが好ましい。
重合または硬化のために照射される放射線とは、特開2000−66425号公報において開示されたものと同様に、電子線及びγ線等が挙げられ、装置の大きさ、安全性、コスト、汎用性等、種々の点から電子線が好ましい。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型等のいずれの形成も使用することが出来る。
電子線照射により表面層を形成する場合において、電子写真感光体の電気特性及び耐久性能を十分に発現させる上で、電子線の加速電圧、吸収線量が非常に重要なファクターである。加速電圧は300KV以下が好ましく、最適には150KV以下である。また、線量は好ましくは1〜100Mrad(1×10〜1×10Gy)の範囲、より好ましくは1〜50Mrad(1×10〜5×10Gy)の範囲である。加速電圧が300
KVを超えたり、線量が100Mrad(1MGy)を超えると、電子写真感光体への劣化が起こり易い傾向にあることは該公報において示されるとおりである。電子線の加速電圧及び線量を調整しても、得られる電子写真感光体は耐久性能が十分ではなく、更なる耐久性能の向上が必要とされていたが、重合・架橋の効率を上げるために加熱を併用することで、線量を低く抑えたまま十分な硬度を発現出来る硬化膜の製造方法が既に特開2004−12986号公報にて開示されている。
本発明における電子写真感光体の、後述する方法により測定した表面の弾性変形率が、好ましくは45〜65%、特に好ましくは50〜65%である。弾性変形率を前記範囲とすることにより、耐久時における電子写真感光体表面への傷の発生、現像剤等の融着が抑制され得る。また、後述する方法により測定・算出した感光体表面のユニバーサル硬さ値(HU)は150〜220N/mmであることが好ましい。それにより、傷に対して抑制効果が得られる場合がある。
ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率は以下の如く測定される。
電子写真感光体を、23℃/50%RHの環境下に24時間放置後、以下の硬度測定を行う。圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより連続的硬さが求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定する。圧子としては対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用することができる。具体的には、最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1secの保持時間で273点)測定する。
フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を図22に示す。また、フィシャースコープH100V(Fischer社製)によって本発明の電子写真感光体を測定した結果の1例を図23に示す。これらの図中、縦軸は荷重F(mN)を、横軸は押し込み深さh(μm)を示す。これらの図は、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた時の結果を示している。
本発明において、ユニバーサル硬さ値(以下、HUともいう)は、最終荷重6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)により求めることができる。
Figure 2007086160
弾性変形率は、圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めることができ、具体的には下記式により求めることができる;
弾性変形率=We/Wt
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図22中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、
弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−Cで囲まれる面積を示している。
本発明における電子写真感光体は、高硬度な表面層を有するため、一般的な感光体と比較して大幅に耐久時の感光体表面層の削れ量が少ないが、一方、表面が劣化しやすいことは前述の通りである。この表面の劣化を解決するために、感光体表面を粗面化することは有効な手段の一つである。粗面化された感光体の表面としては、大きく分けて[I]周方向にスジ状の連続した凹凸形状を有する表面と[II]ディンプル形状の凹凸形状を有する表面が挙げられる。
まず、本発明における電子写真感光体の表面が[I]周方向にスジ状の連続した凹凸形状を有する場合について説明する。
本発明における電子写真感光体において、周方向にスジ状の連続した凹凸形状を有するとは、電子写真感光体の表面形状が周方向に形成された溝と平坦部の組み合わせからなることである(図5参照)。感光体表面における溝の該溝幅が0.5〜40μmであり、かつ単位長さ1000μmあたりの溝本数密度が20〜1000であることが好ましい。
上記「単位長さ1000μm」とは、電子写真感光体の回転軸方向に、感光体表面において任意に選んだ長さ1000μmをいう。
電子写真感光体の表面に形成される溝の溝幅が40μmを超えると、画像形成装置において、クリーニングブレードの追従性が不十分となりやすく、クリーニング性がやや低下し、現像剤がクリーニングブレードをすり抜ける傾向にある。
電子写真感光体の表面に形成される溝の溝本数密度が20より小さいと、クリーニング手段としてクリーニングブレードを有する画像形成装置において、通紙枚数の増加によりクリーニングブレードのエッジ部に欠けが生じクリーニング不良となり、画像上に黒スジ画像が発生し易い又はトナー成分の固着による融着を生じ、画像上白点画像となって現れる傾向がある。一方、クリーニングレスの画像形成装置においては、電子写真感光体の圧接部に不具合を生じる可能性がある。具体的には、帯電手段の汚れ、現像手段中の現像剤の帯電性劣化、転写手段の傷発生等が挙げられる。 また、電子写真感光体の表面に形成される溝の溝本数密度が1000を超えると、文字再現性が劣る傾向にあったり、特に低湿環境下においてはトナーがクリーニングブレードをすり抜けるというクリーニング不良が発生する傾向にある。
前記電子写真感光体の表面形状において、前記平坦部の幅も0.5〜40μmであることがより好ましい。平坦部の幅が40μmを超えると、クリーニング手段としてクリーニングブレードを有する画像形成装置において、電子写真感光体表面やトナーの構成材料、各種プロセス条件にもよるが、電子写真感光体とブレード間のトルクが上昇し易く、クリーニング不良が発生し易い。
更には前記電子写真感光体の表面形状において、前記単位長さ1000μmあたりの溝i本(20≦i≦1000)の各溝幅W1〜Wi(μm)の合計長さが下記関係式(2)を満たすことが特に好ましい。
Figure 2007086160
前記溝幅の合計長さが800μmを超えると、クリーニング手段としてクリーニングブレードを有する画像形成装置において、電子写真感光体表面やトナーの構成材料、各種プロセス条件にもよるが、電子写真感光体とブレード間のトナーがすり抜け易く、クリーニング不良が発生し易い。一方、前記溝幅の合計長さが200μmより小さいと、電子写真感光体とブレード間のトルクが上昇し易く、クリーニング不良が発生し易い。
なお、本発明における電子写真感光体の表面の溝幅、平坦部の幅及び溝本数密度は、例えば非接触3次元表面測定機(商品名:マイクロマップ557N、(株)菱化システム製)を用いて次のように測定される。マイクロマップの光学顕微鏡部に5倍の二光束干渉対物レンズを装着し電子写真感光体をレンズ下に固定し、表面形状画像をWaveモードでCCDカメラを用いて干渉像を垂直走査させて3次元画像を得る。得られる画像の範囲は1.6mm×1.2mmである。得られた画像を解析し、データとして単位長さ1000μm当たりの溝本数、溝幅が得られる。このデータを基に溝幅、溝本数の解析が可能となる。
また、溝幅、溝本数に関しては、マイクロマップ以外にも市販のレーザー顕微鏡(超深度形状測定顕微鏡VK−8550、VK−9000((株)キーエンス製)、走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000(オリンパス(株)製)、リアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130(レーザーテック(株)製))、デジタルマイクロスコープVHX−100、VH−8000((株)キーエンス製))等により、電子写真感光体表面画像を得、それを基に画像処理ソフト(例えばWinROOF(三谷商事(株)製))を用い溝幅、溝本数を求めることも可能である。
また、3次元非接触形状測定装置(NewView5032(ザイゴ(株)製))等を用いればマイクロマップと同様に測定することが可能である。
また、電子写真感光体の表面の表面粗さRz(十点平均粗さ)は0.3〜1.3μmが好ましい。0.3μm未満や1.3μmを超える場合にはクリーニング性能が低下する傾向にある。なお、本発明において電子写真感光体の表面の表面粗さRzは、溝の深さを表す指標となる。
本発明においては、最大表面粗さRmaxと表面粗さRzの差(Rmax−Rz)は0.3μm以下が好ましく、より好ましくは0.2μm以下である。最大表面粗さRmaxと表面粗さRzの差(Rmax−Rz)が0.3μmを超えると、ハーフトーン画像上で濃淡ムラが生じ易い傾向がある。
表面粗さ(最大表面粗さRmax及び十点平均粗さRz)はJIS B0601(1982)に準じて測定される。測定装置の例には、接触式面粗さ測定機(商品名:サーフコーダSE3500、(株)小坂研究所製)が含まれ、以下の測定条件で測定される。
検出器:R2μm、0.7mNのダイヤモンド針、フィルタ:2CR、カットオフ値:0.8mm、測定長さ:2.5mm、送り速さ:0.1mm。
本発明の感光体表面における「溝」と「傷」は、その最大表面粗さRmax及び十点平均粗さRzの差(Rmax−Rz)により区別されうる。「Rmax−Rz」が0.3μm以下であれば「溝」であり、0.3μmを超えるものであれば「傷」であると定義されうる。
図5に本発明における電子写真感光体表面の溝の形状を示す。(a)が周方向に対して略並行すなわち傾きが0°である溝形状、(b)が周方向に対して10°の傾きを有する溝形状、(c)が周方向に対して±30°の傾きを有し重畳された溝形状を示す。
クリーニング手段としてクリーニングブレードを有する画像形成装置において、クリー
ニングブレードと電子写真感光体表面との接触面積を少なくし、より良好なクリーニング性能を得るためには、前記溝の傾きは周方向に対して±90°未満が好ましく、特には±45°未満であることが好ましい。また、電子写真感光体表面の周方向と溝と角度を持たせることにより、クリーニングブレードエッジ等の電子写真感光体に接している部材に挟まった異物が除去され易いため、感光体表面の周方向と溝とに角度を持たせることが好ましく、更には溝が重畳されている場合がより好ましい。
本発明において、前記周方向にスジ状の連続した凹凸形状を有する感光体は、以下のような手段により製造することができる。
製造手段の例には、1)電子写真感光体の表面を物理的に研磨することによって、前記表面形状をコントロールする、2)粗面化された支持体上に感光層/保護層を塗布する工程において支持体の表面形状を電子写真感光体表面まで維持させる、3)感光層/保護層を塗布した後、乾燥前あるいは硬化前の流動性のある状態において粗面化する、などの手段が含まれる。以下において、1)の手段を説明する。
本発明における電子写真感光体の製造に用いる粗面化手段として、研磨シートを含む研磨機の一例を図1に示す。研磨シート1は中空の軸αに巻かれており、軸αにシートが送られる方向と逆方向に、研磨シート1に張力が与えられるようモータ(不図示)が配置されている。研磨シート1は矢印方向に送られ、ガイドローラ2−1、2−2を介してバックアップローラ3を通り、研磨後のシートはガイドローラ2−3、2−4を介してモータ(不図示)により巻き取り手段5に巻き取られる。研磨は、基本的に未処理の研磨シートが電子写真感光体表面に常時圧接され、電子写真感光体表面を粗面化することで行われる。研磨シート1は基本的には絶縁性であるので、シートの接する部位はアースに接地されたもの、又は導電性を有するものを用いることが好ましい。
研磨機に用いられる前記研磨シートの例には、分散された研磨砥粒を含む結着樹脂が基材に塗布されたシート、すなわち、1)図3に示すように、研磨砥粒8が結着樹脂7により基材6に固着されたシート、2)図4に示すように、切っ先が立っている研磨砥粒8が結着樹脂7−1及び7−2により基材6に固着されているシートが含まれる。図4に示されるシートは、結着樹脂7−1および研磨砥粒8を静電塗布した後、結着樹脂7−2を塗布して形成され、研磨砥粒8の切っ先を安定させている。
前記研磨砥粒の例には、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、ダイヤモンド、酸化鉄、ダイヤモンド、酸化セリウム、コランダム、珪石、窒化珪素、窒化硼素、炭化モリブデン、炭化珪素、炭化タングステン、チタンカーバイト及び酸化珪素等が含まれる。研磨砥粒の平均粒径は好ましくは0.01〜50μmであり、より好ましくは1〜15μmである。粒径が小さいと、本発明において好適な溝の深さ、溝の幅が得られず、大きいとRmax−Rzの差が大きくなり、ハーフトーン画像上のムラ、傷が画に出る等の不具合を生じる傾向がある。なお、研磨砥粒の平均粒径は、遠心沈降法で測定されたメジアン径D50を指す。
研磨砥粒はバラツキのある粒径分布を有していても良いが、その粒度分布は制御されている方が好ましい。平均粒径は同じでも大粒径側の粒子を除くことにより、Rmax−Rz≦0.3の数値をより低減させることが可能となる。別の目的として、シートの生産時、平均粒径のバラツキを抑えることが可能となり、その結果、本発明における電子写真感光体表面の表面粗さ:Rzのバラツキを抑えることが可能となる。
研磨砥粒の番手は研磨砥粒の粒径と相関があり、番手数が小さい方が研磨砥粒の平均粒径が大きい。番手が大きいすなわち研磨砥粒が小さく制御された方が均一に研磨でき、一
方番手が小さいすなわち研磨砥粒が大きい方が研磨が不均一になりやすく、部分的に力がかかりやすいため傷が発生しやすい。本発明において研磨シートに分散される研磨砥粒の番手の範囲は、500〜20000が好ましく、より好ましくは1000〜3000が好ましい。
研磨シートに用いられる結着樹脂の例には、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂及び防黴性樹脂等が含まれる。熱可塑性樹脂の例には、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ウレタンエラストマー及びポリアミド−シリコーン樹脂等が含まれる。熱硬化性樹脂の例には、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂及びアルキッド樹脂等が含まれる。
研磨シートの結着樹脂膜厚は、1〜100μmが好ましい。結着樹脂膜厚が厚いと結着樹脂の膜厚にムラが生じ、その結果、研磨シート表面の凹凸が大きくなり、電子写真感光体を研磨した際、Rmax−Rz≦0.3を保ち難い。一方、結着樹脂膜厚が薄過ぎると研磨砥粒がシートから脱落し易くなる。
研磨シートに用いられる基材の例には、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂及びポリフェニルスルホン樹脂等が含まれる。研磨シートの基材厚は10〜150μmが好ましく、より好適には15〜100μmである。研磨シートの基材厚が薄いと、研磨シートをバックアップローラで電子写真感光体表面に押し当てた際に押し当て圧のムラにより、研磨シートのよれが生じ、電子写真感光体表面の凹部は数mm程度の未研磨部、凸部は深溝を生じ、ハーフトーン画像上濃度ムラとなって現れ、好ましくない。基材厚が厚いと、シート自体の硬度が高くなり、研磨砥粒分布ムラ、押し当て圧のムラ等を電子写真感光体表面に反映させることになり、本発明が所望する溝密度の範囲を逸脱する場合がある。
本発明に用いられる研磨シートの例には、次のような市販のものが含まれる。例えば、レフライト(株)製MAXIMA、MAXIMA Tタイプ;(株)KOVAX製ラピカ;住友3M(株)製マイクロフィニッシングフィルム、ラッピングフィルム;三共理化学(株)製ミラーフィルム、ラップングフィルム;日本ミクロコーティング(株)製ミポックス等が含まれる。
研磨シートの送りスピードは10〜500mm/minの範囲が好ましい。送りスピードが10mm/minより遅いと電子写真感光体表面を研磨した研磨シートが再度電子写真感光体表面に接触することとなり、電子写真感光体表面への深傷の発生、表面溝のムラ、研磨シート表面の結着樹脂の付着等を生じる場合があり好ましくない。
また、所望の溝形状を有する感光体が得られるように、異なる研磨シートで、複数回の研磨処理を行なうことができる。例えば、1)番手の小さい研磨砥粒が分散されたシートで研磨した後、より番手の大きい研磨砥粒が分散されたシートで研磨するか、2)番手の大きい研磨砥粒が分散されたシートで研磨した後、より番手の小さい研磨砥粒が分散されたシートで処理するか、3)ある研磨砥粒が分散されたシートで研磨した後、該研磨砥粒と番手数が同じであっても、成分が異なる(すなわち硬度が異なる)研磨砥粒が分散されたシートで研磨することができる。
1)の方法によれば、電子写真感光体表面に粗い溝の表面に更に細かい溝を重畳させることが可能となり、2)の方法によれば、研磨溝のムラを低減させることが可能となる。また、3)の方法によれば、電子写真感光体表面の溝形状をより最適化することが可能となる。
また、番手の異なる研磨砥粒が分散された研磨シートで粗面化することにより、溝の内部に堆積した電子写真感光体表面の削れ粉を取り除く効果が得られる。この番手の異なる研磨砥粒が分散された研磨シートでの粗面化において、上記1)の場合に特に効率よく効果が発揮される。また、図25のように粗面化工程において番手の異なる研磨砥粒が分散された研磨シートを同時に用いることも可能である。番手の異なる研磨砥粒が分散された研磨シートの送り方向は、互いに同一方向でも対向方向でもよく、互いに同期して回転方向を変更してもよい。
研磨機に用いられる前記バックアップローラ3の材質の例には、金属や樹脂等が含まれる。電子写真感光体の表面を粗面化する工程において、電子写真感光体の円筒振れ、バックアップローラ3の円筒振れ、研磨シート1のバックアップローラ回転軸方向(以後、回転軸方向を「スラスト方向」と称す。)の研磨圧分布等により、電子写真感光体表面の研磨圧分布ムラが生じる場合があるので、それらを吸収することを考慮するとバックアップローラ3の材質は樹脂が好ましい。更に、ムラを吸収することを第一に考えるとバックアップローラの材質は発泡性樹脂がより好ましい。また、研磨シートは基本的に絶縁性であり、電子写真感光体表面が摩擦帯電により帯電を生じやすい。この帯電による電圧の上昇を抑える目的として、前記発泡性樹脂の中でも、バックアップローラ3の材質は導電性を有するものがより好ましい。
しかしバックアップローラが導電性を有しても、研磨シート1表面と電子写真感光体表面には導電性が介在しないので研磨シート1及び電子写真感光体表面は研磨中、少なからず帯電する。各々の抵抗等により、帯電電圧は異なるが、高いものは数KVまで帯電する可能性がある。そのため粗面化工程中に電子写真感光体表面、研磨シート、及びそのニップ部等に除電エアーや静電エアー等を吹付けてもよい。
バックアップローラに発泡性樹脂を用いた場合、その硬度が低いと、電子写真感光体に対する押し当て圧を上げてもバックアップローラの変形を生じ、所望の溝幅、溝の深さ、溝本数密度等が得られない。そのため、バックアップローラが発泡性樹脂の場合、その硬度の下限値はアスカーC硬度で10が好ましい。一方、その硬度の上限値は、感光体表面の溝本数密度、溝幅、Rmax−Rz≦0.3を満足させるためにアスカーC硬度で70が好ましい。より好ましいバックアップローラの硬度はアスカーC硬度で15〜65であり、更には25〜60である。
アスカーC硬度10〜70を満たすバックアップローラの材質としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、フッ素ゴム及びフェノール樹脂等の材質が挙げられる。
アスカーC硬度は、エラストン社製ゴム硬度計ESC型(SRIS0101/タイプC)をバックアップローラに接触させて測定される。
バックアップローラに発泡性樹脂を用いた場合、発泡性樹脂の穴部に異物が溜まり易いので、研磨シート及びバックアップローラの界面には異物が入り込まないよう十分注意することが必要である。場合によっては、常時バックアップローラに空気等を吹付けることも有効である。バックアップローラの材質としては、発泡性樹脂以外にも、ショアA硬度で好ましくは5〜70、より好ましくは10〜40を満足する樹脂であれば、通常の樹脂においても本発明で特定する電子写真感光体表面の溝形状を形成させることができる。
ショアA硬度5〜70を満たすバックアップローラの材質としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、フッ素ゴム及びフェノール樹脂等が挙げられる。
ショアA硬度は、エラストン社製ゴム硬度計ESA型(JIS 6253/ISO76
19 タイプA)をバックアップローラに接触させて測定される。
バックアップローラの電子写真感光体に対する押し当て圧は、研磨砥粒の種類及び粒径、研磨シートに分散される研磨砥粒の番手、研磨シートの基材厚、砥粒シートの結着樹脂膜厚、バックアップローラの硬度、電子写真感光体の表面を構成する表面層の硬度により最適値は異なるが、0.005〜15N/mの範囲であれば、所望の電子写真感光体の表面の溝形状を形成することができる。
電子写真感光体4は、図1に示されるように、研磨シート1を介してバックアップローラ3と対向した位置に置かれる。この際、研磨シート1の基材側からバックアップローラが所望の設定値でバックアップローラ3に所定時間押し当てられ、電子写真感光体表面が粗面化される。電子写真感光体の回転方向は、研磨シート1の送られる方向と同一、もしくは対向していてもよい。又は研磨途中で変更されてもよい。
バックアップローラ3は、電子写真感光体表面に所望の溝を形成させる手段として有効な手段であるが、研磨シート1の張力のみで研磨することも可能である。バックアップローラ3を介さずに研磨シート1の張力のみで電子写真感光体表面に溝を形成させる方法で研磨してもよい。
図2に研磨シート1の張力のみで電子写真感光体表面を研磨する場合の一例を示す。図1と異なる点はバックアップローラ3が無く、電子写真感光体4の表面に形成される溝の形状の制御は、主に研磨シート1に分散される研磨砥粒の番手、研磨シートの電子写真感光体4への押し当て圧、研磨時間等で決定される。
電子写真感光体の表面層の硬度が高い場合(例えば表面に硬化性樹脂が含まれる場合)、研磨シートの張力のみでは電子写真感光体表面に接する圧が低いため、本発明が特定する電子写真感光体表面の溝形状を得られない場合があるので、バックアップローラを用いる方が良い。
なお、本発明における電子写真感光体の表面の溝形状(溝幅、溝本数密度、表面粗さ等)は、例えば粗面化手段として研磨シートを用いる場合は、研磨シートの送りスピード、パックアップローラの押し当て圧、研磨砥粒の粒径、形状、研磨シートに分散される研磨砥粒の番手、研磨シートの結着樹脂膜厚、基材厚等を適宜選択することにより調整され得る。
図5の(b)に示されるような10°の角度で溝を形成させる手段の例を、図6に示す。図6において研磨シート1が矢印A方向に巻き取られ、同方向の矢印X方向にバックアップローラ3が受け軸(不図示)を中心に従動で回転する。電子写真感光体4は矢印Yの回転方向に回転している。研磨シート1を介して電子写真感光体4とバックアップローラ3とが互いに対向し、加圧された状況で電子写真感光体4を点線の矢印B方向に移動させることにより角度を有する溝が形成される。電子写真感光体の周方向に対する溝の角度は、研磨シート1及び電子写真感光体4の送りスピード、電子写真感光体4の回転回数等により調整される。
図7及び図8を用いて、図5(c)に示されるような重畳された溝を形成する手段の例を説明する。図7において研磨シート1が矢印A方向に巻き取られ、同方向の矢印X方向にバックアップローラ3が受け軸(不図示)を中心に回転する。それと同時に、バックアップローラ3を保持する部材が点線で示される矢印B方向に揺動することにより、研磨シート1も同様に揺動し重畳された溝が形成される。角度は前述のように電子写真感光体4、バックアップローラ3の揺動幅、周期の変更、研磨シート1の送りスピードにより調整される。図8の場合は、図7と異なり研磨シート1が巻き取られる際、電子写真感光体4が矢印Y方向に回転すると同時に電子写真感光体4を保持する部材により点線で示される
矢印B方向に揺動される。溝の角度は図6と同様の設定で調整される。
電子写真感光体の周方向に対する溝の角度は、(株)キーエンス製のカラーレーザー顕微鏡(超深度形状測定顕微鏡VK−8550)を用い、電子写真感光体を20倍の対物レンズで観察し、周方向に対しての角度を測定することにより得られる。
研磨シートで電子写真感光体表面を粗面化すると、形成された溝の内部に、感光体表面の削れ粉が堆積する場合がある。特に、形成された溝の両端部には、感光体表面の削れ粉が堆積しやすく、当該両端部には盛り上がりが生じることもある。
この様な削れ粉が堆積した感光体を、画像形成装置に装着して画出しを行なうと、トナー又はトナーに外添された微粉などにより溝内部の削れ粉が掻き出されたり;クリーニングブレードにより、両端の盛り上がりや、溝内部に堆積した削れ粉が削り取られる場合がある。
掻き出される削れ粉又は削り取られる削れ粉の量が多いと、その削れ粉がクリーニングブレードエッジに固着し、正常なクリーニングが維持されず、形成される画像に黒又は白スジが表れることがある。また、通紙を続行すると電子写真感光体表面に融着が生じ、画像上白点として現れる傾向がある。
従来は電子写真感光体表面の削れ粉が潤滑剤として機能していたが、本発明の電子写真感光体のように硬度の高い表面層を有する場合は、ブレードエッジに削れ粉が存在することにより電子写真感光体の表面に傷が発生したり、トナーが電子写真感光体表面に融着したりという問題が生じる。また、電子写真感光体表面の削れ粉が少なすぎると、潤滑剤としての機能が低くなり、感光体の表面が劣化しやすくなるとともに、ブレードエッジなどに付着した削れ粉による電子写真感光体表面への傷の発生やトナーの電子写真感光体表面への融着という問題がさらに助長される。これらの問題は、現像剤の材料種類や画像形成システムにも大きく依存するが、電子写真感光体の削れ量を支配する一要因として挙げられる帯電について、多大な放電劣化のダメージを受ける接触帯電と比較してよりダメージの少ないコロナ帯電の場合には、電子写真感光体の削れ量自体が減少し、結果として上記弊害が助長される傾向にある。
そこで、本発明における表面に溝を有する感光体は、下記に示される条件でブレードを前記電子写真感光体に当接させ、前記電子写真感光体を回転させたときに、ブレードエア面に対して垂直方向を高さ方向として、ブレードエア面上に堆積する「削れ粉の最大高さ」を規定値以下とすることが好ましい。前記「削れ粉の最大高さ」が低いほど、寿命の長い電子写真感光体であり得る。
感光体をブレードで削る具体的な条件は以下の通りである。
測定環境23℃/50%RHにおいてクリーニングブレードの材質としてウレタン(硬度77°)を用い、線圧1.5〜3.5g/mmをかけ、作動時間90sec。
このときのブレードエア面上に堆積する削れ粉の最大高さが、0.1〜5μmの範囲を有する電子写真感光体であることが好ましい。
「ブレードエア面上に堆積する削れ粉の最大高さ」とは、上記条件でブレードを電子写真感光体に当接させ、電子写真感光体を回転させたときにブレードエア面上に堆積した削れ粉量のことである。図19に削れ粉の最大高さを測定する方法の模式図を示す。図20にブレードエア面上に堆積した削れ粉をレーザー顕微鏡((株)キーエンス製カラーレーザー顕微鏡(超深度形状測定顕微鏡VK−8550))に50倍の対物レンズを用いて、ブレードエア面から観察した画像を示す。「堆積する削れ粉の最大高さ」とは、具体的には、超深度形状測定顕微鏡VK−8550により、ブレードエア面に堆積した削れ粉を、ブレード当接面からブレード当接面と直行方向(Y方向)に削れ粉があるところまで測定し、その後ブレードエア面とブレードエア面に対して垂直方向(Z方向)に堆積した削れ
粉最上部との距離(高さ)を自動的に測定し、その距離が最大(最大高さ)のものとする。なお、ブレードエア面については、図21に示す。
削れ粉の最大高さが上記範囲を満たさない場合、清掃工程を施し、前記「削れ粉の最大高さ」を調製することが好ましい。清掃工程は、粗面化工程と同時又は粗面化工程後に行なえばよい。
前記清掃工程について以下に説明する。
図9に粗面化工程とともに清掃工程を行う場合の一例を示す。研磨シート1が矢印a方向に移動し、電子写真感光体4が矢印b方向に回転している。その際、清掃部材が電子写真感光体に対向するよう回転しつつ圧接され、電子写真感光体表面に堆積する削れ粉を除去する。なお、前記清掃部材は、ブラシ、ローラー、テープ、及びブレードのいずれの形状でも構わない。
清掃時間は研磨時間と同等でもよいし、研磨時間終了後、バックアップローラ3が電子写真感光体4から離間した後も電子写真感光体表面に接触させ、清掃時間のみ延長させてもよい。
研磨シート1は絶縁性なので粗面化工程中に帯電を生じる。接触している電子写真感光体4も光導電性ではあるが研磨シート1に接触しているためか帯電を生じる。削れ粉自体も帯電していると思われる。図9においてバックアップローラ3、電子写真感光体4及び清掃部材であるブラシ11はアースに接地しているが、必要に応じて、研磨シート1、電子写真感光体4、ブラシ11に、帯電、除電、光照射等の手段を施し、削れ粉がブラシ11に捕集されるように帯電系列を施してもよい。これらの手段を行う場合を考慮すると、清掃部材は導電性を有することが好ましいと思われる。
粗面化工程における、電子写真感光体4の回転方向は、研磨シート1の送り方向と同等、対向、又は粗面化途中で回転方向を反対にしてもよい。回転方向を逆にする回数や時間等は、前述の削れ粉最大高さが上記範囲を満たすように決定されればよい。粗面化工程により生じる削れ粉、溝端部の盛上り等は、電子写真感光体の回転方向に方向性を持っていると思われるので電子写真感光体を逆回転させることによりそれらが、掻き取られる、又は剥がれる傾向にある。
図9に清掃部材としてブラシを用いた例を示す。
図9に示されるブラシ11は常に電子写真感光体4に対して、対向部位において対向して回転する。ブラシ11を連続使用すると、削れ粉等がブラシ穂先に捕集され、性能を維持できなくなるのでさらにブラシ穂先より削れ粉を取り除く手段を設けることが好ましい。
図10及び図11に、清掃手段のブラシ穂先から粗面化により研磨された削れ粉を取り除く手段の一例を示す。図10にはブラシ11にある程度侵入している板状の削れ粉掻きとり部材12(以下、「スクレーパ」と称す)が示されている。スクレーパ12の侵入部の長さ範囲はブラシ11の穂長、電子写真感光体の真直度、粗面化工程の電子写真感光体の回転軸及び電子写真感光体の平行度等の相関を考慮して、0.2〜5mmの範囲が好ましく、より好ましい範囲は0.5〜2.5mmである。スクレーパ12及びブラシ11はアースに接地されているが、それぞれに電圧を印加して、スクレーパ12に削れ粉が堆積できるようにしてもよい。ブラシ11が接触しているスクレーパ12の領域には、削れ粉が堆積してゆくので定期的に清掃することが好ましい。
図11は、ブラシ11に正の電圧を印加したローラ13を接触させて、ブラシ11から
負に帯電した削れ粉を取り除く例を示す。正の電圧を印加するため、ローラ13の材質は金属であることが好ましいが、導電性樹脂でもよい。ローラ13には捕集された削れ粉を回収するブレード14が取り付けられている。ブレード14は、一例として金属板金に接着されたゴムブレードが挙げられるが、ローラ13より削れ粉が捕集されるのであればこれに限らない。ブレード14のローラ接触部には捕集された削れ粉が堆積されるので、清掃することが必要である。
なお、電子写真感光体の清掃に用いられるブラシは複数でもよく、材質、外径、回転数、回転方向、清掃時間等は必ずしも同じでなくてもよい。ブラシの材質としては、例えば、アクリル、ポリアミド、アラミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルポリエステル、ポリブチレンテレフタレート及びポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。溝内の削れ粉を掻き取る、溝両端部の盛上りを取る等の目的から硬い材質のほうが好ましい。また、削れ粉を掻き取り、更に、ブラシから吐き出す能力があるものを選んだ方が良い。この中では、アクリル、ポリアミド及びアラミド等が好ましい。
前述のようにブラシの材質は導電性を有することが好ましく、導電性を有するブラシが接地又は電圧印加されていることを考えると、ブラシは低抵抗であることが好ましく、具体的には10〜10Ω・cmの抵抗値を有することが好ましい。
前記ブラシの太さとしては1〜20デニール(0.11〜2.22mg/m)が好ましく、より好ましくは2〜12デニール(0.22〜1.33mg/m)である。細いと溝内まで侵入可能である一方、腰が弱く掻き取り能力が落ちる傾向があり、太いと溝の削れ粉が掻き取れなくなる傾向がある。
前記ブラシの穂長は1〜10mmが好ましく、より好ましくは2〜7mmである。ブラシは作製後、所望の長さまで先端を刈り込み調整されるが、穂長が長い場合、腰の強い材質を用いた場合でも刈り込み時の長さにムラを生じる可能性があり、またその長さのため腰が弱くなる傾向がある等の理由から、ブラシ穂長の上限は10mmである。短い方が見かけ上腰は強くなるが、電子写真感光体の円筒振れ、粗面化装置の軸の真直度からブラシ穂長の下限は1mmと思われる。
図17に清掃部材としてローラを用いた例を示す。粗面化工程時、同時にローラ19を電子写真感光体4に圧接させ、ブレード14によりローラ19に付着した削れ粉が掻き取られるようになっている。ローラ19の材質としては、粘着性を有するもの、金属又は導電性樹脂、発泡性樹脂等が用いられる。粘着性を有するものをローラに用いる場合は、ブレード14を配置せずにローラ19を電子写真感光体4に押し当て、削れ粉をローラ19側に移動させた方が効率的でありローラ19の長寿命化に効果的である。金属又は導電性樹脂をローラに用いる場合、アースを接地させるか電圧を印加し、削れ粉が電子写真感光体4の表面からローラ19に回収されるようにすることが好ましい。発泡性樹脂をローラに用いる場合、電子写真感光体4に圧接させた時、ローラ19の発泡部位に削れ粉が埋め込まれるような構成を有することが好ましい。また、導電性且つ発泡性を有するローラを用いることも好ましい。
また、図16に清掃部材として粘着テープを用いた例を示す。粗面化工程と同時に清掃用バックアップローラ18で粘着テープを押し当てて矢印c方向にテープを送り出し、電子写真感光体表面の清掃後、該テープを巻き取る。清掃用バックアップローラ18の材質は、電子写真感光体4に粘着テープ17を密着させるため、金属又は硬度の高い樹脂が好ましい。
図12に清掃部材としてブレードを用いた例を示す。清掃部材にブレードを用いる場合
、ブレード14のエッジに削れ粉が必要以上に堆積すると、掻き取り効果低減と共に電子写真感光体表面に傷を生じる問題もあるため、生産を考慮する場合には定期的にエッジを清掃する手段又は新品のブレードに交換する手段を設ける方がよい。また、不図示の供給手段により、例えばトナーに用いる外添剤又はそれに類似する粒子を供給して、削れ粉の除去に役立ててもよい。前記ブレードの材質の例には、ウレタン、シリコーンゴム、弗素系ゴム及びアクリルニトリルブタジエンゴム等が含まれる。
図15に、図11に示す清掃手段と図12に示す清掃手段を組み合わせた例を示す。
図13に第一の清掃工程終了後に、第二の清掃工程として乾式あるいは湿式の清掃部材10を電子写真感光体に当接させ、電子写真感光体上に残留する削れ粉を更に除去する方法の一例を示す。
前述の方法により研磨及び清掃工程を終了した電子写真感光体4に対して、乾式あるいは湿式の前記清掃部材10が矢印a方向に移動し、前記電子写真感光体4が矢印b方向に回転する。この時、清掃部材10は所定の圧力でバックアップローラ3によって電子写真感光体に圧接されながら、第二の清掃工程が行なわれる。清掃時間は任意であり、また清掃部材の回転方向は、感光体との当接点において電子写真感光体の回転方向と反対の方向(以後、「カウンター方向」と称す)であっても構わない。清掃部材の例としては、ウレタンやメラミンを材質とする発泡シートや発泡スポンジが挙げられ、湿式の場合はイオン交換水又はアルコール類等の電子写真感光体を浸食しない溶剤を含有させて使用する。
本発明における清掃工程は、粗面化工程の後、電子写真感光体を液体に浸漬し且つ振動させることにより行われてもよい。用いる液体としては、水や有機溶剤等が挙げられる。有機溶剤を用いる場合は感光層が溶出しないものを用いた方がよく、例えば、アルコール系やケトン系が好ましい。また、表面層を形成する塗布液に用いる溶剤を用いてもよい。上記の中から選択された溶剤中に電子写真感光体を所定時間浸漬させる。浸漬とともに超音波洗浄器により電子写真感光体を微振動させると削れ粉除去が効率的に行われる。
次に本発明における電子写真感光体の表面が、[II]ディンプル形状の凹凸を有する場合について説明する。
本発明における電子写真感光体の、ディンプル形状の凹凸を有する表面(以下、「ディンプル形状の表面」ともいう)の形状は、できるだけ円形に近い、孤立した凹部を多数有する形状であり、いわゆるディンプル形状と称される。
凹部はできるだけ孤立して存在し;凹凸形状は適度な粗さ、適度な凹凸間隔を有し、適度な凹部と凸部の比率を有していることが好ましい。特に、凹部がスジ状に連なっておらず、かつ凹部はランダムに、且つ均一に存在しており、その存在の仕方に方向性がないことが好ましい。
前記ディンプル形状の表面十点平均粗さRzjisは、0.3〜2.5μmであることが好ましく、更には0.4〜2.0μmであることが好ましい。ここで、表面の十点平均粗さRzjisとは、感光体の周方向または回転軸方向に掃引して測定されるが、いずれの方向に掃引して測定されたRzjisも上記の範囲にあることが好ましい。
Rzjisが0.3μm未満であると、粗面化による本発明の改善効果が得られず、2.5μmを超えると、得られる画像に粗面化に由来するガサツキが現れ、またクリーニングブレードからのトナーのすり抜けが多くなる。
また、感光体の周方向または回転軸方向に掃引して測定されたRzjisは、互いに大きく異ならない値であることが好ましい。前記の通り、ディンプル形状の表面は、方向性無く凹部を有することが好ましいからである。
前記ディンプル形状の表面の、凹凸の平均間隔RSmは、5〜120μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。ここで、凹凸の平均間隔RSmは、感光体の周方向または回転軸方向に掃引して測定されるが、何れの方向に掃引して測定されたRSmも上記の範囲内にあることが好ましい。
RSmが5μmより小さいと粗面化した効果が十分に得られず、120μmより大きいとトナーのすり抜けなどのクリーニング不良が発生しやすくなる。
特に電子写真感光体とクリーニングブレードが速度差をもって当接されるクリーニング工程を含む画像形成に適用される電子写真感光体の、前記凹凸の平均間隔RSmは、適切な範囲に調製されることが好ましい。
また周方向に掃引して測定された凹凸の平均間隔平均間隔RSm(C)の値と、回転軸方向に掃引して測定された凹凸の平均間隔RSm(D)の値の比率、RSm(D)/RSm(C)が、0.6〜1.5であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましく、つまり1に近いほど好ましい。前記の通り、ディンプル形状の表面は、方向性なく凹部を有することが好ましいからである。
前記ディンプル形状の表面の十点平均粗さ(Rzjis)、凹凸の平均間隔(RSm)は、JIS B0601(2001)に準じて測定される。例えば、表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダSE3500型、(株)小坂研究所製)で測定される。
前記ディンプル形状の表面の凹部の個数は、10000μmあたり5〜50個であることが好ましい。これらディンプル形状の表面の凹部の個数が上限を上回ったり、下限を下回ったりする場合には粗面化した効果が得られ難くなる傾向にある。
前記ディンプル形状の表面の凹部の平均アスペクト比は、0.5〜0.95であることが好ましい。平均アスペクト比が0.5未満であると、クリーニング性能が低下したり、高温高湿下において画像流れが発生しやすくなる傾向にある。
前記ディンプル形状の表面の凹部の個数及びその平均アスペクト比は、例えば表面形状測定システム(Surface Explorer SX−520DR型機、(株)菱化システム製)を使用して測定される。
前記測定は、先ず感光体ドラムサンプルをワーク置き台に設置し、チルト調整して水平にあわせ、ウエーブモードで感光体表面の3次元形状データを取り込む。その際、対物レンズは50倍の倍率を用いて100μm×100μmの視野観察で行う。次に、データ解析ソフト中の、粒子解析プログラムを用いて表面の等高線データを表示する。
ディンプル形状の表面の凹部、面積等を求める際の孔解析パラメータは、最長径上限:50μm、最長径下限:1μm、深さ下限:0.1μm、体積下限:1μm以上である。
前記ディンプル形状の表面の凹部の個数は、上記100μm×100μmの視野で観察して、解析画面上ディンプル形状の表面の凹部と見える部分(すなわち、最長径が1〜50μmの範囲にあって、かつ深さが0.1〜2.5μmの範囲にある部分)の個数をカウントする。
前記ディンプル形状の表面の凹部の平均アスペクト比は、上記と同じ視野、同じ解析条件から、識別できるディンプル形状の表面の凹部のアスペクト比の平均値を意味する。前記アスペクト比は、ディンプル形状の表面の凹部の縦横の比率を計算して得る。
前記ディンプル形状の表面は、電子写真感光体の表面層を任意の方法で製膜するか、粗面化することで得られる。
ただし、前記ディンプル形状の表面は何等かの機械的粗面化法を用いて得られることが
好ましい。数ある機械的粗面化法の中でも、ディンプル形状を形成する方法として、乾式のブラスト法と湿式のホーニング法が好ましい。更に、乾式のブラスト法を用いることが湿度条件に敏感な電子写真感光体を水等の溶媒に接触させることなく粗面化できるのでより好ましい。
前記ブラスト加工の方法の例には、圧縮空気を用いて噴射する方法、モータを動力として噴射する方法等が含まれる。精密に感光体の粗面化を制御することが可能で、かつ設備の簡易性という点において、圧縮空気を用いる方法が好ましい。
前記ブラスト法に用いる研磨材の材質の例には、酸化アルミニウム、ジルコニア、炭化ケイ素、ガラス等のセラミック系、ステンレス、鉄、亜鉛等の金属系、ポリアミド、ポリカーボネート、エポキシ、ポリエステル等の樹脂系が含まれる。特に粗面化効率およびコスト面から、ガラス、酸化アルミニウム、ジルコニアが好ましい。
本発明において用いられるブラスト加工装置の例を図24に示す。容器(不図示)に貯留されている研磨材は2−4の経路よりノズルに導かれ、2−3の経路より導入された圧縮エアを用いて噴射ノズル2−1より噴射され、ワーク支持体2−6により支持され自転している電子写真感光体(ワーク)2−7に衝突する。2−5はブラスト砥粒である。
このときノズル2−1とワーク2−7の距離はノズル固定冶具2−2やノズル固定アーム2−9により調整されて決められる。ノズル2−1は通常ワーク2−7の回転軸方向に対して移動しながら粗面化処理を行い、ノズル支持体2−8がワークの回転軸方向に移動することによりワーク表面をムラ無く粗面化処理することができる。
このとき、ノズルと感光体表面の最短距離は適当な間隔に調整する必要がある。この距離が過剰に近い、若しくは遠いと加工効率が落ちる、若しくは所望の粗面化が行えない場合がある。噴射の動力に用いる圧縮空気の圧力も適度な圧力に調整する必要がある。このように、製膜完成後の感光体を粗面化することで、本発明における電子写真感光体を生産性よく製造できる。
本発明における電子写真感光体表面のディンプル形状を形成するための粗面化は電子写真感光体下地の導電性基体の面形状に係わらず、行うことができる。特に、有機感光層の製膜法が浸漬塗布法の場合、しばしば製膜された面は非常に平滑で、仮に下地を粗面化したとしてもその面形状を反映することはない。
本発明のディンプル状表面形状を機械的粗面化を施して形成する場合、有機感光体を最終的に使用する層まで製膜した後、感光体の最表面層上から粗面化することが好ましい。
前述[I]の電子写真感光体の周方向に連続したスジ状の凹凸を形成する粗面化手段においては、研磨シートを使用するために、感光体表面層や研磨シート自身からの削れ粉が感光体表面に残留しやすく、現像剤の感光体表面への融着を助長しやすい傾向にあった。一方、[II]のようなディンプル形状の凹凸をブラスト加工により電子写真感光体表面に形成する場合には、感光体表面層の削れ粉が発生しないため、現像剤の感光体表面への融着は非常に発生しにくい点で[II]の電子写真感光体は有利である。
本発明の画像形成装置は、前述のトナーを用い、かつ、前述の電子写真感光体を有するという点以外は通常の画像形成装置とすることができる。図18に本発明における電子写真感光体を有する画像形成装置の例の概略構成を示す。
図18は、電子写真感光体4を負に帯電させた場合の一例を示している。図18において、ドラム状の電子写真感光体4は、軸20を中心に矢印z方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体4は、回転過程において、一次帯電手段21によりその周面に負の所定電位の均一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)からの露光光22を受ける。こうして電子写真感光体4の周面に静電潜像
が順次形成されて行く。
形成された静電潜像は、次いで現像手段23によりトナー現像される。現像されたトナー像は、不図示の給紙部から、電子写真感光体4の回転と同期に取り出されて、電子写真感光体4と転写手段24との間に給紙された転写材25に、転写手段24により順次転写されていく。像転写を受けた転写材25は、電子写真感光体4の面から分離されて像定着手段26へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の電子写真感光体4の表面は、クリーニング手段27によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光光28により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段21が帯電ローラ等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、一次帯電手段21、現像手段23及びクリーニング手段27等の構成手段のうち、一つ又は複数を電子写真感光体4と一体に結合してプロセスカートリッジとして、複写機やレーザービームプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段21、現像手段23及びクリーニング手段27の少なくとも一つを電子写真感光体4と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
露光光22は、画像形成装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、又はセンサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
本発明における電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は質量部を表す。
(トナー(A)の製造)
スチレン−ブチルアクリレート共重合体(共重合比80:20) 100部
C.I.ピグメントレッド 4部
2,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のAl化合物 2部
エステルワックス(軟化点:75℃) 3部
飽和ポリエステル樹脂 5部
前記材料を予め混合し、二軸押し出し機にて130℃で溶融混練を行い溶融混練物を得た。この溶融混練物をハンマーミルにて粗砕し、1mmメッシュパスのトナー粗砕物を得た。更にこのトナー粗砕物を、ジェット気流を利用した衝突式粉砕機で微粉砕した後、風力分級し、体積平均粒径7.5μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の100部に対して、疎水性シリカ1(個数平均粒径:10nm)を1.0部、疎水性シリカ2(個数平均粒径:110nm)を1.0部、酸化チタン(個数平均粒径:50nm)を0.8部とを、ヘンシェルミキサーで外添してトナー(A)を得た。
(トナー(B)の製造)
トナー(A)の製造において、疎水性シリカ2を疎水性シリカ3(個数平均粒径:27
0nm)とした以外はトナー(A)の製造と同様にしてトナー(B)を得た。
(トナー(C)の製造)
トナー(A)の製造において、疎水性シリカ2を疎水性シリカ4(個数平均粒径:85nm)とした以外はトナー(A)の製造と同様にしてトナー(C)を得た。
(トナー(D)の製造)
トナー(A)の製造において、疎水性シリカ2を添加しない以外はトナー(A)の製造と同様にしてトナー(D)を得た。
(感光体A−1の製造)
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)600部、酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)150部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)430部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.15部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)36部、及び2−メトキシ−1−プロパノール500部/メタノール500部からなる溶液を、約20時間ボールミルで分散し、導電層用塗料を調製した。このようにして調製した導電層用塗料をアルミニウムシリンダ(外径30mm)上に浸漬法によって塗布し、150℃で50分間加熱して硬化させることにより、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部とメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部とをメタノール400部/n−ブタノール200部の混合液に溶解した溶液を、前記導電層の上に浸漬塗布し、100℃で20分間加熱して乾燥することにより、膜厚が0.45μmの中間層を形成した
次に、CuKα特性X線回折のブラック角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン20部、下記構造式(1)のカリックスアレーン化合物0.2部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)10部及びシクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬コーティング法で前記中間層の上に塗布し、80℃で20分間加熱して乾燥することにより、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
Figure 2007086160
次いで下記構造式(2)の正孔輸送化合物70部及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)100部を、モノクロロベンゼン600部及びメチラール200部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗料を調製した。この電荷輸送層用塗料を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、100℃で40分間加熱して乾燥することにより、膜厚が21μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2007086160
次いで、下記構造式(3)の正孔輸送性化合物450部、及びポリテトラフルオロエチレン粒子(ダイキン工業製:ルブロンL2)50部をn−プロピルアルコール800部に混合した後分散処理を行い、保護層用塗料を調整した。この保護層用塗料を前記電荷輸送層上に塗布した後、大気中50℃で10分間乾燥した。
Figure 2007086160
その後窒素中において加速電圧150kV、線量15KGyの条件で前記アルミニウムシリンダを回転させながら2秒間電子線照射を行い、引き続いて窒素中において25℃か
ら120℃までおよそ100秒かけて昇温させ硬化反応を行った。なお電子線照射及び加熱硬化反応中の酸素濃度は10ppmであった。その後大気中において、100℃で30分の後加熱処理を行って、膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体A−1を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体A−2の製造)
感光体A−1の製造において、保護層用塗料のポリテトラフルオロエチレン粒子(ダイキン工業製:ルブロンL2)を190部とし、n−プロピルアルコールを800部とした以外は感光体A−1の製造と同様に感光体を作製し、電子写真感光体A−2を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体A−3の製造)
感光体A−1の製造において、保護層用塗料のポリテトラフルオロエチレン粒子(ダイキン工業製:ルブロンL2)を300部とし、n−プロピルアルコールを700部とした以外は感光体A−1の製造と同様に感光体を作製し、電子写真感光体A−3を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体A−4の製造)
感光体A−1の製造において、保護層用塗料のポリテトラフルオロエチレン粒子(ダイキン工業製:ルブロンL2)を0部とし、n−プロピルアルコールを750部とした以外は感光体A−1の製造と同様に感光体を作製し、電子写真感光体A−4を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体A−5の製造)
感光体A−1の製造において、保護層用塗布液を次のように変更した。
下記一般式(4)で示される電荷輸送性化合物100部、及びトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランの加水分解縮合物を主成分とする熱硬化型シリコーン樹脂(商品名:トスガード510、東芝シリコーン(株)製)を結着樹脂の不揮発分が130部になるように添加し、2−プロパノールを添加して塗布液全体の固形分が30質量%になるように調製した。
Figure 2007086160
この塗布液を用いて、前記電荷輸送層上に保護層を塗布したのち、130℃で60分間熱処理させることにより硬化させて、膜厚が5μmの表面保護層を形成し、電子写真感光体A−5を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および
弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体A−6の製造)
感光体A−1の製造において、保護層用塗布液を次のように変更した。
一般式(2)で示される正孔輸送化合物30部及び下記構造式(5)で示される共重合型ポリアリレート樹脂(共重合比m:n=7:3、重量平均分子量:130000)50部を、モノクロロベンゼン400部/ジメトキシメタン50部に溶解して調製し、保護層用塗工液とした。これを上記電荷輸送層上にスプレー塗布し、120℃に調整された熱風乾燥機中に60分間投入し加熱乾燥させ、膜厚が5μmの保護層を形成し、電子写真感光体A−6を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007086160
(感光体A−7の製造)
感光体A−1の製造において、一般式(3)で示される正孔輸送性化合物450部を、一般式(3)で示される正孔輸送性化合物300部と下記一般式(6)で示されるアクリルモノマー150部とした以外は、感光体A−1の製造と同様にして感光体を作製し、電子写真感光体A−7を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007086160
(感光体A−8の製造)
感光体A−4の製造において、一般式(3)で示される正孔輸送性化合物450部を、一般式(3)で示される正孔輸送性化合物400部と一般式(6)で示されるアクリルモノマーを50部とし、線量15KGyを7.5KGyにした以外は、感光体A−4と同様にして感光体を作製し、電子写真感光体A−8を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体I−1の製造)
感光体A−1の製造において、保護層を形成せず、電荷輸送層の膜厚を26μmとした以外は感光体A−1の製造と同様に感光体を作製し、電子写真感光体I−1を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体I−2の製造)
感光体A−3の製造において、電子線の線量を5KGyに変更した以外は感光体A−3の製造と同様に感光体を作製し、電子写真感光体I−2を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体I−3の製造)
感光体A−2の製造において、電子線の線量を5KGyに変更した以外は感光体A−2の製造と同様に感光体を作製し、電子写真感光体I−3を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
(感光体I−4の製造)
感光体A−2の製造において、窒素中加熱の到達温度を100℃に変更した以外は感光体A−2の製造と同様に感光体を作製し、電子写真感光体I−4を得た。
得られた電子写真感光体の一部の硬度試験を行い、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007086160
(実施例A−1)
複写機(商品名:GP55、キヤノン(株)製)を2成分現像システムに改造し、上記電子写真感光体A−1、および、上記トナー(A)を用いて22℃/55%RHの環境下で、50000枚の通紙耐久実験を行い、画像傷発生の有無(◎:なし、○:ハーフトーンにてごく軽微な数本の傷あり、△:ハーフトーンにて数本の傷あり、×:ハーフトーン全面に傷あり)、画像におけるクリーニング(CLN)性評価(○:CLN不良なし、×:CLN不良発生)を確認した。また、耐久後のドラム表面を観察し、現像剤の融着の有無(◎:なし、○:数箇所の融着あり、△:長手方向全面に軽微な融着あり、×:画像に出る融着あり)を確認した。さらに、電子写真感光体の削れ高さを実機削れ高さとして測定した。なお削れ高さは、渦電流式膜厚計(カールフィッシャー社製)を使用し、初期の膜厚と通紙後の膜厚の差分として得た。また、通紙耐久はプリント1枚ごとに1回停止する間欠モードとした。結果を表2に示す。
(実施例A−2〜8、比較例I−1〜4)
上記トナー(A)と電子写真感光体A−2〜8、I−1〜4をそれぞれ用いて、実施例A−1と同様に評価した。結果を表2に示す。
(比較例I−5)
上記電子写真感光体A−1とトナー(D)を用いて、実施例A−1と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2007086160
(感光体B−1の製造)
アルミニウムシリンダを外径84mmのものに変更した以外は、感光体A−1と同様に電子写真感光体を作製した。次いで、図1に示した装置において、研磨シート(商品名:C−2000(富士写真フィルム(株)製)、研磨砥粒:Si−C(平均粒径:9μm)、基材:ポリエステルフィルム(厚さ:75μm)を用い、研磨シート送りスピード:150mm/min、電子写真感光体回転数:50rpm、押し当て圧:3.0N/m、シート及び電子写真感光体の回転方向はカウンター方向、バックアップローラは外径:直径4cm、アスカーC硬度:40のものを用い、150sec間、粗面化を行い、電子写真感光体B−1を作製した。なお電子写真感光体は複数本準備し、表面形状測定用と実機耐久検討用を別とした。
電子写真感光体の表面の溝及び表面粗さを測定したところ、単位長さ1000μmあたりの溝本数密度は350、溝幅は9.5μm以下、Rzは0.60μm、Rmaxは0.69μmであった。
なお、溝の測定は、非接触3次元表面測定機(商品名:マイクロマップ557N、(株)菱化システム製)を用いて次のように行った。具体的には、マイクロマップの光学顕微鏡部に5倍の二光束干渉対物レンズを装着し、電子写真感光体をレンズ下に固定し、表面形状画像をWaveモードでCCDカメラを用いて干渉像を垂直走査させて3次元画像を得る。得られる画像の範囲は1.6mm×1.2mmである。得られた画像において、電子写真感光体のスラスト方向の単位長さ1000μm当たりの溝幅及び溝本数を解析した。なお溝幅は0.5μm以上のものをカウントし、データは電子写真感光体のスラスト方向3点、各スラスト方向で円周方向4点の計12点で解析を行った。
表面粗さは、接触式表面粗さ測定機(商品名:サーフコーダSE3500、(株)小坂研究所製)を用いた。検出器:R2μm、0.7mNのダイヤモンド針、フィルタ:2CR、カットオフ値:0.8mm、測定長さ:2.5mm、送り速さ:0.1mmとし、JIS規格1982で最大表面粗さRmax及び十点平均面粗さRzのデータを求めた。電子写真感光体のスラスト方向3点、各スラスト方向で円周方向4点の計12点で測定を行いその平均値を求めた。
作製された電子写真感光体B−1に、23℃/50%RHの環境下で線圧:2g/mmで、ウレタンのブレード(硬度77°)を圧接させ、周速150mm/secで90sec回転させた後、ブレードエッジのエア面上に掻き取られた研磨後の削れ粉の最大高さをカラーレーザー顕微鏡(商品名:VK−8550、(株)キーエンス製)で測定した結果、3.7μmであった。
これら、電子写真感光体B−1の溝幅、溝本数密度、式(1)より算出された各溝幅の合計長さ、表面粗さ(Rz)、最大表面粗さ(Rmax)、Rz−Rmaxの値、削れ粉の最大高さなどの表面性数値パラメータを表3に示す。
(感光体B−2〜9の製造)
感光体B−1の製造において、研磨条件を変更し、表3のような表面性数値パラメータの電子写真感光体を作製した。
(感光体B−10の製造)
感光体B−1の製造において、粗面化と同時に図12に示すようなブレードに加えて、図10に示すブラシを感光体に接触させることによって削れ粉を除去した。ブラシは芯金が直径12mm、穂長が5mm、毛の材質:アクリル、抵抗値:10Ω・cm、太さ:6デニール(0.66mg/m)、本数:150F/mmで、電子写真感光体への侵入量
:1mmとし、カウンター方向に60rpmで回転させた。ブラシには削れ粉を除去するためのスクレーパーを当接してある。スクレーパーは材質:アルミニウム、厚さ:3mm、ブラシに対する侵入部の長さ:1.5mm、アースに設置した。ブレードは材質:ウレタン、硬度:80°、設定圧:3g/mmとした。粗面化終了後、さらに研磨シートのみを離間させ、清掃工程を5分間行い、電子写真感光体B−10を作製した。得られた感光体B−10の表面を感光体B−1と同様に表面性数値パラメータを表3に示す。なお、「電子写真感光体への侵入量」とは、ブラシ繊維の先端部分が感光体の内側に無抵抗で侵入したと仮定した場合の、その侵入の量を意味する。
(感光体B−11)
感光体B−10の製造において5分間の清掃工程後、さらに図13に示すような洗浄装置を用いて、第二の清掃工程を行なった。スクラブシート(商品名:マスターテック、ビューラー社製)を用い、シート送りスピード:10mm/min、電子写真感光体回転数:60rpm、押し当て圧:15N/m、シートおよび感光体の回転方向は対向部にお
いてカウンター方向、バックアップローラーは外径:直径4cm、アスカーC硬度:40のものを用い、300sec間第二の清掃工程を行い、電子写真感光体B−11を作製した。得られた感光体B−11の溝幅、溝本数密度、式(1)より算出された値、表面粗さ(Rz)、最大表面粗さ(Rmax)、Rz−Rmaxの値、削れ粉の最大高さなどの表面性数値パラメータを感光体B−1と同様に測定し、表3に示す。
(感光体II−1〜7)
感光体B−1において研磨条件を変更し、表3のような表面性数値パラメータの電子写真感光体を作製した。
Figure 2007086160
(実施例B−1)
複写機(商品名:iRC6800、キヤノン(株)製)を負帯電の有機電子写真感光体が装着できるように改造し、上記電子写真感光体B−1および上記トナー(A)を2成分現像器に投入した装置を用いて、22.5℃/5%RHの環境下で、A4単色5枚間欠で100000枚の通紙耐久実験を行い、耐久後のドラム上融着の観察(◎:なし、○:数箇所の融着あり、△:長手方向全面に軽微な融着あり、×:画像に出る融着あり)、クリーニングブレードのエアー面へのトナー裏周り観察(◎:裏周りなし、○:ブレードスラスト方向に部分的に少量のトナー裏周りあり、△:ブレードスラスト方向全体にトナー裏周りあり、×:大量にトナー裏周りあり)によってクリーニング性を評価した。結果を表4に示す。
(実施例B−2〜11)
上記トナー(A)と電子写真感光体B−1〜11をそれぞれ用いて、実施例B−1と同様に評価した。結果を表4に示す。
(実施例B−12)
上記トナー(B)と電子写真感光体B−1を用いて、実施例B−1と同様に評価した。結果を表4に示す。
(実施例B−13)
上記トナー(C)と電子写真感光体B−1を用いて、実施例B−1と同様に評価した。結果を表4に示す。
(比較例II−1〜7)
上記トナー(A)と電子写真感光体II−1〜7をそれぞれ用いて、実施例B−1と同様に評価した。結果を表4に示す。これら比較例は、表面形状が所定の数値範囲を超えると、CLN性能が低下する傾向にあった。また削れ粉量が所定量を超えると融着が悪化する傾向にあった。
(比較例II−8)
上記トナー(D)と電子写真感光体B−1をそれぞれ用いて、実施例B−1と同様に評価した。結果を表4に示す。比較例II−8は感光体上の融着が大幅に悪化した。
Figure 2007086160
(感光体C−1の製造)
アルミニウムシリンダを外径84mmのものに変更した以外は、感光体A−1と同様に電子写真感光体を作製した後、図24に示す乾式ブラスト装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にてブラスト処理を行った。
研磨材砥粒:球状ガラスビーズ、平均粒径が30μm(商品名:UB−01L (株)ユニオン製)を使用した。エア吹き付け圧力:3.5kgf/cm、ブラストガン移動速度:430mm/s、ワーク(感光体)回転速度:288rpm、ブラストガン吐出口と感光体の距離:100mm、砥粒吐出角度:90°、砥粒供給量:200g/min、
ブラスト回数:片道×2回。
更に、圧縮エアを吹き付けることによって、感光体表面に残存付着した研磨材を除去し、電子写真感光体C−1を作製した。
この電子写真感光体C−1の表面層の表面形状を測定したところ、表5に示すような数値であった。測定は、表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダSE3500型、(株)小坂研究所製)を使用して行った。RzjisおよびRSmの感光体周方向の測定は、上記装置用の円周粗さ測定装置を使用して行った。測定条件として、測定長:0.4mm、測定速度:0.1mm/sで測定した。RSm測定時のノイズカットのベースラインレベル設定値は、レベル設定=10%で測定した。
また、この感光体の表面層の10000μmあたりのディンプルの個数を表面形状測定システム(Surface Explorer SX−520DR型機、(株)菱化システム製)を使用して測定および計算を行った。
(感光体C−2〜6、感光体III−1〜3の製造)
感光体C−1の製造において、ブラスト条件を変更し、表5のような表面性数値パラメータの電子写真感光体を作製した。
Figure 2007086160
(実施例C−1)
複写機(商品名:iRC6800、キヤノン(株)製)を負帯電の有機電子写真感光体が装着できるように改造し、上記電子写真感光体C−1および上記トナー(A)を2成分現像器に投入した装置を用いて、22.5℃/5%RHの環境下で、A4単色5枚間欠で100000枚の通紙耐久実験を行い、耐久後のドラム上融着の観察(◎:なし、○:数箇所の融着あり、△:長手方向全面に軽微な融着あり、×:画像に出る融着あり)、クリーニングブレードのエアー面へのトナー裏周り観察(◎:裏周りなし、○:ブレードスラスト方向に部分的に少量のトナー裏周りあり、△:ブレードスラスト方向全体にトナー裏周りあり、×:大量にトナー裏周りあり)によってクリーニング性を評価した。結果を表6に示す。
(実施例C−2〜6)
上記トナー(A)と電子写真感光体C−1〜6をそれぞれ用いて、実施例C−1と同様に評価した。結果を表6に示す。
(実施例C−7)
上記トナー(B)と電子写真感光体C−1を用いて、実施例C−1と同様に評価した。結果を表6に示す。
(実施例C−8)
上記トナー(C)と電子写真感光体C−1を用いて、実施例C−1と同様に評価した。結果を表6に示す。
(比較例III−1〜3)
上記トナー(A)と電子写真感光体III−1〜3をそれぞれ用いて、実施例C−1と同様に評価した。結果を表6に示す。比較例III−1〜3は、所定の数値範囲を超えるものはCLN性能が低下する傾向にあった。
(比較例III−4)
上記トナー(D)と電子写真感光体C−1を用いて、実施例C−1と同様に評価した。結果を表6に示す。比較例III−4は、CLN性能が大幅に低下した。
Figure 2007086160
本発明の電子写真感光体を粗面化させる粗面化手段の概略図である。 本発明の電子写真感光体を粗面化させる他の粗面化手段の概略図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法に用いられる研磨シートの一例の概略図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法に用いられる研磨シートの他の一例の概略図である。 本発明の電子写真感光体の表面層の形状を示す図(a)〜(c)である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程における動作方法を示す図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程における他の動作方法を示す図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程における他の動作方法を示す図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程とブラシによる清掃工程とを説明する図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の清掃工程に用いられる清掃手段を説明する図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の清掃工程に用いられる他の清掃手段を説明する図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程とブレードによる清掃工程とを説明する図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程及び第一の清掃工程後に行う第二の清掃工程を説明する図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程とブレード及び磁気ブラシによる清掃工程とを説明する図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程とブラシ及びブレードによる清掃工程とを説明する図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程と粘着テープによる清掃工程とを説明する図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程とローラによる清掃工程とを説明する図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略図である。 本発明の電子写真感光体の削れ粉量の測定方法を説明する図である。 本発明の電子写真感光体の削れ粉がブレードに堆積したものをレーザー顕微鏡で撮影した画像を示す。 本発明の電子写真感光体の削れ粉が堆積するブレードのエア面を説明する図である。 本発明の電子写真感光体の弾性率及びユニバーサル硬度を測定する出力チャートの概略図である。 本発明の電子写真感光体の弾性率及びユニバーサル硬度を測定した例である。 本発明のブラスト装置の概略図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法の粗面化工程において、研磨シートを同時に用いた粗面化工程を説明する図である。
符号の説明
1:研磨シート
2−1〜2−4:ガイドローラ
3:バックアップローラ
4:電子写真感光体
5:巻き取り手段
6:基材
7:結着樹脂
8:研磨砥粒
10:清掃部材
11:ブラシ
12:スクレーパ
13:ローラ
14:ブレード
15:磁気ブラシ
16:容器
17:粘着テープ
18:バックアップローラ
19:ローラ
20:軸
21:一次帯電手段
22:露光光
23:現像手段
24:転写手段
25:転写材
26:像定着手段
27:クリーニング手段
28:前露光光
2−1:ノズル
2−2:ノズル固定冶具
2−3:突出エア供給管
2−4:ブラスト砥粒供給管
2−5:ブラスト砥粒
2−6:ワーク固定冶具
2−7:ワーク(電子写真感光体)
2−8:ノズル支持体
2−9:ノズル固定アーム

Claims (14)

  1. 少なくとも電子写真感光体と、感光体の外表面に電荷を付与する帯電手段と、帯電された感光体に光照射して静電潜像を形成させる露光手段と、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させる現像手段と、トナー像を転写材に転写する転写手段とを有し、前記トナーが少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と無機微粒子とを含有する、画像形成装置において、
    25℃、湿度50%の環境下、最終荷重を6mNとする、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いた硬度試験で測定した前記電子写真感光体の弾性変形率が45〜65%であり、
    前記トナーに含有される該無機微粒子の個数平均粒径が60〜300nmであること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 前記電子写真感光体の表面層が少なくとも硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記硬度試験において、荷重6mNで押し込んだ時の電子写真感光体のユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記電子写真感光体の表面形状が、周方向に連続的に形成された溝と平坦部の組合せからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記電子写真感光体の表面の溝において、該溝幅(W)が0.5〜40μmであり、かつ単位長さ1000μmあたりの溝本数密度が20〜1000であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記電子写真感光体の表面形状において、前記単位長さ1000μmあたりの溝i本(20≦i≦1000)の各溝幅W1〜Wi(μm)の合計長さが下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
    Figure 2007086160
  7. 前記電子写真感光体の表面の表面粗さRz(十点平均粗さ)が0.3〜1.3μmであり、かつ
    Rmax(最大表面粗さ)とRzの差(Rmax−Rz)が0.3μm以下であること
    を特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 下記条件でブレードを前記電子写真感光体に当接させ、前記電子写真感光体を回転させたときに、ブレードエア面に対して垂直方向を高さ方向として、ブレードエア面上に堆積する削れ粉の最大高さが0.1〜5μmであることを特徴とする請求項4〜7のいずれか
    一項に記載の画像形成装置。
    ブレード材質:硬度77°のウレタン(測定環境23℃、50%RH)
    電子写真感光体とブレードとの線圧:1.5〜3.5g/mm
    作動時間:90sec
  9. 前記電子写真感光体の表面が、ディンプル形状の凹凸を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記電子写真感光体の表面の、
    周方向に掃引して測定した十点平均粗さRzjis(A)が0.3〜2.5μmであり、
    回転軸方向に掃引して測定した十点平均粗さRzjis(B)が0.3〜2.5μmであり、
    周方向に掃引して測定した凹凸の平均間隔RSm(C)が5〜120μmであり、
    回転軸方向に掃引して測定した凹凸の平均間隔RSm(D)が5〜120μmである
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記電子写真感光体の表面の十点平均粗さRzjis(A)が0.4〜2.0μmであり、Rzjis(B)が0.4〜2.0μmであり、凹凸の平均間隔RSm(C)が20〜80μmであり、RSm(D)が20〜80μmであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 最長径が1〜50μmの範囲にあって、かつ深さが0.1〜2.5μmの範囲にあるディンプル形状の凹部の個数が、前記電子写真感光体の周面の10000μmあたり5〜50個である請求項9〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記最長径が1〜50μmの範囲にあって、かつ深さが0.1〜2.5μmの範囲にあるディンプル形状の凹部の平均アスペクト比が0.50〜0.95である請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 電子写真感光体の外表面に電荷を付与して帯電させる工程と、帯電された感光体に光照射して静電潜像を形成する工程と、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させる現像工程と、トナー像を転写材に転写する転写工程とを含み、前記トナーが少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と無機粒子とを含有する、画像形成方法において、
    25℃、湿度50%の環境下、最終荷重を6mNとする、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いた硬度試験で測定した該電子写真感光体の弾性変形率が45〜65%であり、
    該無機微粒子の個数平均粒径が60〜300nmであることを特徴とする画像形成方法。
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