JP2013231769A - 電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 像露光手段として面発光レーザーアレイを有する電子写真装置において、細線再現性の不具合が生じにくい電子写真装置を提供する。
【解決手段】 支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体、ならびに、像露光手段として解像度1200dpi以上の面発光レーザーアレイを有する電子写真装置において、該面発光レーザーアレイの解像度をカットオフ値として該下引き層の表面粗さをうねりと粗さに分離したとき、該うねりの算術平均粗さ(Wa)が0.1〜0.2μmであることを特徴とする電子写真装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真装置に関する。
電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、低価格および高生産性の利点から、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)を支持体上に設けてなる有機電子写真感光体が普及している。
像露光光として可干渉光が用いられる電子写真装置に電子写真感光体を用いる場合、感光層の膜厚差により、出力画像に干渉縞と呼ばれる画像欠陥が発生することがある。
特許文献1には、干渉縞の発生を抑えるために、支持体と感光層に間に下引き層を設け、下引き層の表面を粗面化する技術が開示されている。
下引き層の表面が粗面化された電子写真感光体を電子写真装置に搭載して画像出力を行うと、得られた画像に干渉縞は発生しにくくなるが、細線が途切れる、小文字がかすれる、などの不具合が生じやすくなる。特許文献2および3には、下引き層の表面粗さを最適化する技術が開示されている。
電子写真装置の像露光光に用いられる可干渉光の1つとしてレーザー光がある。最近は、高解像度の画像を得るために、レーザー光の本数を増加させて走査させることも行われるようになってきている。
特許文献3には、レーザー光の本数を増加させるために、アレイ化が容易な面発光レーザー(VCSEL:Vertilcal Cavity Emitting Laser)を像露光手段(光源)として用いる技術が開示されている。
特開2000−171996号公報 特開2010−186123号公報 特開2005−338445号公報 特開平5−294005公報
ところが、下引き層の表面が粗面化された従来の電子写真感光体を、像露光手段として面発光レーザーアレイを有する電子写真装置に搭載し、画像出力を行ったところ、細線が欠けたり途切れたりするという不具合(細線再現性の不具合)が生じやすかった。
本発明の目的は、像露光手段として面発光レーザーアレイを有する電子写真装置において、細線再現性の不具合が生じにくい電子写真装置を提供することである。
本発明は、支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体と、ならびに、像露光手段として解像度1200dpi以上の面発光レーザーアレイを有する電子写真装置において、
該面発光レーザーアレイの解像度をカットオフ値として該下引き層の表面粗さをうねりと粗さに分離したとき、該うねりの算術平均粗さ(Wa)が0.1〜0.2μmであることを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、像露光手段として面発光レーザーアレイを有する電子写真装置において、細線再現性の不具合が生じにくい電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真装置の1例を示す図である。 本発明の電子写真装置の他の1例を示す図である。 電子写真感光体の表面を粗面化する装置の1例を示す図である。 電子写真感光体の表面を粗面化する装置の他の1例を示す図である。 熱風を用いた表面処理を行うための表面処理装置の1例を示す図である。
電子写真装置は、
電子写真感光体、
該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、
帯電された該電子写真感光体の表面に像露光光を照射し、該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成するための像露光手段、
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーによって現像し、該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像手段、
該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写するための転写手段、
トナー像を転写材に転写した後に該電子写真感光体の表面に残留したトナーを除去し、該電子写真感光体の表面をクリーニングするためのクリーニング手段、および、
該電子写真感光体の表面に前露光光を照射し、該電子写真感光体の表面を除電するための前露光手段
を有するものが一般的である。また、上記各手段(プロセス手段)は、電子写真感光体の周囲を上記の順で配置されることが一般的である。また、近年は、クリーニング手段および/または前露光手段を有さない電子写真装置も考案されている。
〔帯電手段〕
帯電手段としては、例えば、コロナ帯電器、帯電ローラーなどが挙げられる。
コロナ帯電器としては、コロトロン、スコロトロンを用いたものが挙げられる。電子写真感光体を負帯電する場合は、スコロトロンの方がグリッドによって帯電が安定するので好ましい。スコロトロンの場合は、主に、枠体、グリッドおよびワイヤーで構成される。
コロナ帯電は、オゾンや窒素酸化物が多く発生するため、枠体に錆や変色が発生しやすい。そのため、枠体の材質としては、ステンレス鋼が好ましい。
グリッドは、ワイヤー製のもの、または、パターン化された形状・大きさの複数の穴を有する板状のものが好ましい。出力画像の均一性からは後者のものが好ましい。穴の大きさが小さいほど、画像均一性が良好になるが、必要な電源容量は大きくなりやすい。グリッドは、枠体と同様に錆や変色が発生しやすいので、その材質としては、ステンレス鋼が好ましい。また、グリッドの表面には防錆剤を塗布してもよい。
ワイヤーに印加する電圧は、−0.1〜−15kVであることが好ましい。また、利便性のため、前記電圧に相当する電流値によってワイヤーに印加する電圧値を制御してもよく、その場合の電流値としては、−20〜−1500mAであることが好ましい。
スコロトロンの場合、グリッドに印加する電圧は、制御性の観点から、−200〜−1500Vであることが好ましい。
電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)としては、−200〜−1500Vであることが好ましく、−400〜−900Vであることがより好ましい。
コロナ帯電は、電子写真感光体に非接触であるため、繰り返し使用時の電子写真感光体の表面の削れ量が少なく、電子写真感光体を長く使用できる利点があるが、画像流れを引き起こす帯電生成物が発生しやすい。また、電子写真感光体の表面が削れにくいため、帯電生成物が電子写真感光体の表面に堆積しやすく、高温高湿環境下では、画像流れが発生しやすい。特に、コロナ帯電器直下の電子写真感光体の表面には、帯電生成物が多く堆積しやすく、電子写真感光体が回転する方向に直交する方向(長手方向)に黒い帯状の画像欠陥が発生しやすい。その画像欠陥の低減のために、グリッドと電子写真感光体の間にシャッターを設け、電子写真感光体の表面に帯電生成物が堆積しにくい構成とすることもできる。
帯電ローラーは、一般的に、芯金、芯金上に形成された弾性層および弾性層上に形成された抵抗層(表面層)を有するものが一般的である。抵抗層は、帯電ローラー全体の抵抗を調整するために設けられる。
弾性層は、例えば、ブタジエン系ゴム、ヒドリンゴム、EPDM、ウレタンゴムなどの弾性体中に、金属酸化物(TiOなど)、カーボンブラックなどの導電性粒子を分散させて形成することができる。弾性層の硬度は、弾性体がソリッド系ゴムである場合は40〜70°であることが好ましく、スポンジ系ゴムである場合は30〜40°であることが好ましい。この硬度は、アスカーC硬度計を用い、加重1000gfの条件で測定される硬度である。
抵抗層(表面層)は、例えば、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムなどのゴムや、アクリル系樹脂、フッ化樹脂などのバインダー成分に、カーボンブラック、酸化スズなどの導電性粒子を分散させて形成することができる。
また、帯電ローラーは、製造コストや生産効率の観点から、支持体である芯金の周囲に型を用いて弾性層を形成した後、弾性層の周囲に抵抗層を浸漬塗布法(ディッピング法)やローラーコーティング法によって形成することが好ましい。
帯電ローラーの体積抵抗値は、10〜1012Ω・cmであることが好ましく、10〜1010Ω・cmであることがより好ましい。
帯電ローラーの静電容量が1×10−9F以下であることが好ましく、8×10−10F以下であることがより好ましい。
帯電ローラーの表面に凹部があると、この凹部内にトナーが詰まって画像欠陥が生じやすくなるため、帯電ローラーの表面は、平滑であることが好ましく、Rzjis(JIS B 0601−2001)で6μm以下が好ましい。
帯電ローラーと電子写真感光体との間の接触圧力(線圧)は、50〜2000g/cmであることが好ましく、100〜1000g/cmであることがより好ましい。
帯電ローラーを用いた接触帯電は、コロナ帯電と比較してオゾンや窒素酸化物の発生量が小さく、電源も小型化されるので、広く使用されている。
帯電ローラーに印加する電圧としては、直流電圧のみ(DC帯電)、直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧(AC/DC帯電)が挙げられる。
電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)としては、−200〜−1500Vであることが好ましく、−400〜−900Vであることがより好ましい。
DC帯電である場合、帯電ローラーに印加される電圧が低いため、電子写真感光体に対する負荷が小さく、電子写真感光体の表面の削れ量が少なく、電子写真感光体を長く使用できる利点があるが、帯電ローラーの表面の汚れが出力画像に現われやすい。
AC/DC帯電である場合、DC帯電と比較して帯電ローラーの表面の汚れは出力画像に現れにくいが、帯電ローラーに印加される電圧が高いため、電子写真感光体の削れ量が多くなりやすい。また、電子写真感光体が繰り返し使用されることにより、電子写真感光体の表面層の膜厚が減少すると、必要な帯電電位を確保するための電圧がより高くなるため、電子写真感光体の表面の削れ量がさらに多くなりやすい。
AC/DC帯電である場合、交流電圧の周波数に応じて、電子写真感光体が振動し、音が発生する場合がある。音を低減するために、電子写真感光体の支持体の内部に、樹脂、ゴムまたは金属製の挿入物を挿入してもよい。これらは、クリーニングブレードが、画像形成終了時に、電子写真感光体との摩擦抵抗の影響で変形した際に発する音に対しても、効果的である。
また、帯電ローラーの表面に付着した汚れ(トナーやその成分である外添剤、電子写真感光体の削れ粉など)を除去するために、帯電ローラー用のクリーニング部材を設けてもよい。
帯電ローラー用のクリーニング部材は、帯電ローラーの回転に対して従動で回転するようにしてもよいし、回転駆動系を用いて回転させてもよい。
帯電ローラー用のクリーニング部材は、接地(アース)してもよいし、電圧を印加してもよい。
帯電ローラー用のクリーニング部材の形状としては、例えば、ブラシ状(クリーニングブラシ)、ローラー状(クリーニングローラー)、ブレード状(クリーニングブレード)などが挙げられる。
帯電ローラー用のクリーニングブラシの繊維の材質としては、例えば、アクリル樹脂、ナイロン、アラミド樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂、ナイロン、アラミド樹脂が好ましい。
帯電ローラー用のクリーニングブラシの抵抗値は、10〜10Ω・cmであることが好ましく、10〜10Ω・cmであることがより好ましい。
帯電ローラー用のクリーニングブラシの繊維の太さは、0.11〜2.22mg/mであることが好ましく、0.22〜1.33mg/mであることがより好ましい。また、繊維の本数は、50〜500F/mmであることが好ましく、100〜350F/mmであることがより好ましい。繊維が太いほど、帯電ローラーの表面に付着した汚れを掻き取る効果が大きくなる。繊維が細いほど、単位面積当たりの本数を増やすことができる。
帯電ローラー用のクリーニングブラシの繊維の長さは、1〜7mmであることが好ましく、2〜5mmであることがより好ましい。繊維の長さが短いほど、見掛け上の腰が強くなり、帯電ローラーの表面に付着した汚れを掻き取る効果が大きくなる。また、繊維の長さが長いほど、帯電ローラーの回転振れによる接触ムラが生じにくくなり、汚れの除去が均一に行われやすくなる。また、繊維を所定の長さになるまで先端を刈り込む場合、繊維の長さが長い場合、刈り込み時に長さにムラが生じやすくなる。
帯電ローラー用のクリーニングローラーの材質としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ユリア樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもできるし、混合物または共重合体として2種以上を用いることもできる。
帯電ローラー用のクリーニング部材の表面に付着した汚れ(トナーやその成分である外添剤、電子写真感光体の削れ粉など)を除去するために、帯電ローラー用のクリーニング部材用のクリーニング部材を設けてもよい。
帯電ローラー用のクリーニング部材用のクリーニング部材の形状としては、例えば、板状(スクレーパー)、ブラシ状、ローラー状などが挙げられる。
帯電ローラー用のクリーニング部材用のクリーニング部材は、接地(アース)してもよいし、電圧を印加してもよい。
〔像露光手段〕
本発明において、像露光手段としては、解像度1200dpi以上の面発光レーザーアレイが用いられる。
面発光レーザーアレイのビーム数としては、5本以上であることが好ましく、8〜50本であることがより好ましく、16〜40本であることがより好ましく、32〜40本であることがより好ましい。
また、面発光レーザーアレイの発光点の配列は、高解像度化および高速化の観点から、3列以上×3列以上から10列以下×10列以下であることが好ましく、6列以上×6列以上であることがより好ましく、8列以上×8列以上であることがより好ましい。
また、本発明において、面発光レーザーアレイの解像度は、ドット再現性の観点から、1200dpi以上である。
像露光光(レーザー光)の波長としては、量子効率の観点から、電荷発生物質の吸収波長が最大になる波長の近傍の波長を用いることが好ましい。
〔現像手段〕
現像手段としては、例えば、現像ローラーおよびトナーを撹拌する手段を有する現像器が挙げられる。
現像ローラーに印加する電圧としては、直流電圧のみ、直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧が挙げられる。
トナーを撹拌する手段は、トナーが量的に均一になるように、電子写真感光体が回転する方向に直交する方向で回転している。
現像ローラーに直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加する場合、現像効率は、交流電圧の周波数やピーク間電圧によって調整することができる。
現像剤がトナーとキャリアを含む2成分現像剤である場合、現像ローラーの内部に磁性体を設け、その極性や位置を調整することにより、現像ローラーの表面にキャリアの穂を形成させたり、消失させたりすることができる。
〔転写手段〕
転写手段は、電子写真感光体と転写部材との間に転写材が送られる直接転写方式と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体に一次転写し、その後、二次転写部材によって転写材にトナー像を転写する中間転写方式とに大別される。
直接転写方式である場合、転写部材としては、電子写真感光体に接触させる場合、ローラー状、ブラシ状、ブレード状の部材が好ましく、電子写真感光体に接触させない場合、コロナ帯電器が好ましい。
中間転写体は、少なくとも表面は導電性であることが好ましい。
中間転写体の体積抵抗率は、10〜1014Ω・cmであることが好ましく、10〜1012Ω・cmであることがより好ましい。
中間転写体は、樹脂中に導電性物質を含有させてなる層を有することが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレンなどの樹脂またはゴムなどが挙げられる。導電性物質としては、例えば、カーボンブラックなどが挙げられる。
中間転写体の層構成は、単層型であってもよいし、積層型であってもよいが、中間転写体の表面に導電性物質や、転写効率を上げるための離形性を向上させる添加物などを分散させるためには、積層型であることが好ましい。
中間転写体の層構成は、樹脂層、弾性層、表面層の順に積層された3層構造からが好ましい。
樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体など)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体など)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂など)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、変性ポリカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもできるし、混合物または共重合体として2種以上を用いることもできる。
また、弾性層を構成する弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)としては、例えば、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系など)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもできるし、混合物または共重合体として2種以上を用いることもできる。
また、表面層を構成する材料としては、中間転写体の表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性が高まるものが好ましく、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂など樹脂、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムの弾性材料、フッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイトなどの粒子などが挙げられる。粒子は、1種を単独で用いることもできるし、材質または粒径が異なる2種以上を用いることもできる。
樹脂層や弾性層には、抵抗値調節用の導電性物質(導電剤)導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケルなどの金属の粒子、酸化スズ、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化スズ複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化スズ複合酸化物(ITO)などの導電性の金属酸化物の粒子などが挙げられる。また、導電性の金属酸化物の粒子は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの絶縁性粒子を被覆したものでもよい。
また、中間転写体の表面に付着した汚れ(トナーやその成分である外添剤、電子写真感光体の削れ粉など)を除去するために、中間転写体用のクリーニング部材を設けてもよい。また、転写効率の向上のために、中間転写体の表面を研磨する手段を設けてもよい。
一次転写手段の形状としては、ローラー状、ブレード状、ブラシ状などの部材や、コロナ帯電器などが挙げられる。一次転写手段により。帯電手段とは逆の極性の帯電が行われる。一次転写手段が、ローラー状、ブレード状など、中間転写体に接触する手段の場合、一次転写手段と中間転写体との間の接触圧力(線圧)は、0.5〜100g/cmであることが好ましく、5〜50g/cmであることがより好ましい。
〔クリーニング手段〕
クリーニング手段の形状としては、例えば、ブレード状(クリーニングブレード)、ブラシ状(クリーニングブラシ)などが挙げられる。
クリーニングブレードの材質としては、例えば、ポリウレタン、シリコーン、ニトリル、パーフロン、フッ素系、クロロプレン、EPDM、NBR、エピクロルヒドリン、天然ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、ポリウレタンが好ましい。また、クリーニングブレードの表面には樹脂を塗布してもよい。クリーニングブレードの表面に塗布する樹脂としては、例えば、クリーニングブレードの材質よりも硬度の高い樹脂、研磨剤が添加された樹脂、無機粒子が添加された樹脂などである。電子写真感光体に圧接されるクリーニングブレードの端面の硬度を上げ、クリーニングブレードの削れや欠けを低減する効果がある。また、クリーニングブレードの表面に塗布する樹脂としては、潤滑性を有する樹脂、潤滑性粒子が添加された樹脂なども挙げられる。電子写真感光体の表面とクリーニングブレードの端面の滑り性が向上する効果がある。また、クリーニングブレードの表面にはイソシアネート化合物を用いて硬化層を形成してもよい。電子写真感光体に圧接されるクリーニングブレードの端面の硬度を上げ、クリーニングブレードの削れや欠けを低減する効果がある。
クリーニングブレードの硬度は、23℃/40〜60%RHの環境下で55〜85°であることが好ましく、65〜80°であることがより好ましい。
クリーニングブレードの厚さは、0.5〜5mmであることが好ましく、1〜3.5mmであることがより好ましい。
クリーニングブレードと電子写真感光体との間の接触圧力(線圧)は、0.8〜55g/cmであることが好ましく、1.3〜40g/cmであることがより好ましい。加圧方法としては、例えば、クリーニングブレードの侵入量を規定する方法、バネを用いる方法などあるが、バネを用いた方法が、荷重が均一化されるので好ましい。
クリーニングブラシの繊維の材質としては、例えば、アクリル樹脂、ナイロン、アラミド樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂、ナイロン、アラミド樹脂が好ましい。
クリーニングブラシの抵抗値は、10〜10Ω・cmであることが好ましく、10〜10Ω・cmであることがより好ましい。
クリーニングブラシの繊維の太さは、0.11〜2.22mg/mであることが好ましく、0.22〜1.33mg/mであることがより好ましい。また、繊維の本数は、50〜500F/mmであることが好ましく、100〜350F/mmであることがより好ましい。繊維が太いほど、電子写真感光体の表面に付着した汚れを掻き取る効果が大きくなる。繊維が細いほど、単位面積当たりの本数を増やすことができる。
クリーニングブラシの繊維の長さは、1〜7mmであることが好ましく、2〜5mmであることがより好ましい。繊維の長さが短いほど、見掛け上の腰が強くなり、電子写真感光体の表面に付着した汚れを掻き取る効果が大きくなる。また、繊維の長さが長いほど、電子写真感光体の回転振れによる接触ムラが生じにくくなり、汚れの除去が均一に行われやすくなる。また、繊維を所定の長さになるまで先端を刈り込む場合、繊維の長さが長い場合、刈り込み時に長さにムラが生じやすくなる。
〔前露光手段〕
前露光手段は、帯電手段の上流で、かつ、クリーニング手段の下流に設けられることが一般的である。また、電子写真感光体の残留電位が高い場合や、メモリーにより電子写真感光体に急峻な電位が残留している場合は、クリーニング手段の下流および上流の両方に設けられることもある。
前露光手段がクリーニング手段の上流に設けられる理由としては、以下の理由が挙げられる。
電子写真感光体が小径の円筒状であったり、電子写真感光体の回転の周速が速かったりすると、前露光手段から帯電手段までに要する時間が短くなる。そして、電子写真感光体のキャリアの移動速度が遅いと、前露光光の照射によって電子写真感光体に発生したキャリアが電子写真感光体の感光層内を通過し終える前に帯電が開始してしまう可能性がある。そうすると、電子写真感光体の表面の帯電電位が感光層中に残存したキャリアによりキャンセルされ、所定の帯電電位が得られない状態が発生する。これを回避するために、キャリアが感光層中を通過し終える時間程度に、前露光手段から帯電手段までに要する時間を確保することが必要となる。
前露光手段の光源としては、例えば、ハロゲンランプ、LED、冷陰極管などが挙げられる。
前露光光の波長は、電荷発生物質(電子写真感光体)の吸収波長により選択され、具体的には、300〜800nmの範囲にあることが好ましい。
前露光光の光量は、電子写真感光体の表面を帯電手段によって所定の電位Vd(V)に帯電した後、像露光手段からの像露光光と同じ波長の光を照射し、Vd/2(V)となる光量の3〜20倍が好ましい。
次に、現像手段に用いられるトナー(現像剤)について説明する。
トナーに用いられる結着樹脂としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類の単独重合体または共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのビニル基を有するエステル類の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルニトリル類の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類の単独重合体または共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニル縮合系樹脂、および、これらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもできるし、2種以上を用いることもできる。
トナーに用いられるワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したもの;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;および、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。これらの中でも、高湿環境下における繰り返し使用時の出力画像濃度の低下を抑制する観点から、炭化水素系ワックスが好ましく、その中でも、脂肪族炭化水素系ワックスがより好ましい。
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、耐熱保存性およびホットオフセット性の改善の観点から、55〜140℃の範囲にあることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークを55℃以上にすることで、ワックスが保管時に溶解することを抑制でき、その結果、耐熱保存性を向上させることができる。また、ワックスの最大吸熱ピークを140℃以下とすることで、定着時にワックスが溶融し、巻きつきを抑制することができる。
トナーに用いられる着色剤としては、以下のものが挙げられる。なお、着色剤には、顔料または染料を単独で使用することもできるが、フルカラー画像の画質向上の観点から、染料と顔料とを併用することが好ましい。
ブラック用の着色剤としては、例えば、カーボンブラック;磁性体;イエロー用の着色剤とマゼンタ用の着色剤とシアン用の着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。
マゼンタ用の着色剤と用いられる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、185、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
マゼンタ用の着色剤として用いられる染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1などの油溶染料、C.I.べーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料などが挙げられる。
シアン用の着色剤として用いられる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、3、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
シアン用の着色剤として用いられる染料としては、例えば、C.I.ソルベントブルー70などが挙げられる。
イエロー用の着色剤として用いられる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20などが挙げられる。
イエロー用の着色剤として用いられる染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー162などが挙げられる。
トナーの着色剤の使用量は、トナーの結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。
トナーは、結着樹脂およびワックスを含有するトナー粒子に、流動性の向上のため、外添剤として無機微粉体が添加されているものが好ましい。外添剤としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル、それらの混合物などの疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
外添剤としては、個数平均粒径が5〜300nmの外添剤を用いることが好ましく、耐ストレス性の向上の観点からは、80〜300nmの外添剤を用いることがより好ましい。個数平均粒径が80〜300nmの外添剤は、繰り返し使用時などにトナー粒子の表面に埋め込まれたとしても、粒径が大きいため、流動性の低下を抑制することができる。流動性の低下を抑制することで、繰り返し使用時の出力画像濃度の低下を抑制することができる。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜5.0質量部の範囲で使用されることが好ましい。
トナー粒子と外添剤との混合は、例えば、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いることができる。
トナーは、トナー表面近傍のワックス比率をコントロールし、耐久性能と画像の面内のグロス均一性を両立させる観点から、粉砕後または分級後に熱風を用いてトナーの表面処理を行うことが好ましい。
上記熱風を用いた表面処理としては、熱風でトナーの表面を溶融状態にすることができ、かつ、熱風で処理されたトナーを冷風で冷却できる装置を用いる処理が好ましい。そのような装置としては、例えば、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)などが挙げられる。
また、トナーとしては、微粉砕物を得た後、熱風により表面処理を行い、続いて分級をすることにより得られたトナーであることが好ましい。または、あらかじめ分級したものを、熱風により表面処理を行ってもよい。
図5を用いて上記熱風を用いた表面処理の方法を説明する。
図5は、上記熱風を用いた表面処理を行うための表面処理装置の一例を示す図である。具体的には、微粉砕物(ここでは「トナー粒子」ともいう)を得た後、本表面処理装置に供給する。そして、トナー粒子供給口21から供給されたトナー粒子27は、高圧エア供給ノズル28から噴射されるインジェクションエアにより加速され、その下方にある気流噴射部材23へ向かう。気流噴射部材23からは拡散エアが噴射され、この拡散エアによりトナー粒子が外側方向へ拡散する。このとき、インジェクションエアの流量と拡散エアの流量とを調節することにより、トナーの拡散状態をコントロールすることができる。また、トナー粒子の融着の抑制を目的として、トナー粒子供給口21の外周、表面処理装置の外周および移送配管29の外周には、冷却ジャケット26が設けられている。なお、該冷却ジャケットには冷却水(好ましくは、エチレングリコールなどの不凍液)を通水することが好ましい。一方、拡散エアにより拡散したトナー粒子は、熱風供給口22から供給された熱風により、トナー粒子の表面が処理される。このとき、熱風の吐出温度は100〜300℃であることが好ましく、150〜250℃であることがより好ましい。熱風の温度が低すぎると、トナー粒子の表面を溶融状態にすることができない場合がある。また、熱風の温度が高すぎると、溶融状態が進みすぎることで、ワックスを過度にトナー表面に偏析させてしまう場合や、トナー粒子同士の合一に起因する、トナー粒子の粗大化や融着が生じる場合がある。
熱風により表面が処理されたトナー粒子は、表面処理装置の上部の外周に設けた冷風供給口24から供給される冷風により冷却される。このとき、表面処理装置内の温度分布の制御、トナー粒子の表面状態をコントロールする目的で、表面処理装置の本体の側面に設けた第2の冷風供給口25から冷風を導入することが好ましい。第2の冷風供給口25の出口としては、スリット形状、ルーバー形状、多孔板形状、メッシュ形状などの形状を採用することができ、導入方向は中心方向へ水平、表面処理装置の壁面に沿う方向が、目的に応じて選択可能である。
このとき、上記冷風温度は、−50〜10℃であることが好ましく、−40〜8℃であることがより好ましい。また、上記冷風は除湿された冷風であることが好ましい。具体的には、冷風の絶対水分量が5g/m以下であることが好ましく、3g/m以下であることがより好ましい。
これらの冷風温度が低すぎると、装置内の温度が下がりすぎてしまい、本来の目的である熱による処理が十分になされず、トナーの表面を溶融状態にすることができない場合がある。また、冷風温度が高すぎると、装置内における熱風ゾーンの制御が不十分になり、表面処理時にワックスを過度にトナー表面に偏析させてしまうことがある。
その後、冷却されたトナー粒子は、ブロワーで吸引され、移送配管29を通じて、サイクロンなどで回収される。
トナーとしては、トナー単独で構成される一成分系現像剤として使用することも可能であるが、トナーと磁性キャリアを含む二成分系現像剤としても用いることができる。
磁性キャリアとしては、例えば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどの元素から選ばれる元素単独または複合のフェライトで構成されるキャリアが挙げられる。また、磁性体が樹脂中に分散されている磁性体含有樹脂キャリアコアの表面に樹脂成分を含有する磁性体含有樹脂キャリアや、多孔質磁性体(多孔質フェライトを含む)に樹脂が含浸された樹脂含浸キャリアなども、磁性キャリアの例として挙げられる。
次に、本発明の電子写真感光体について説明する。
本発明に用いられる電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有するものである。
〔支持体〕
電子写真感光体に用いられる支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル、亜鉛などの金属(合金)製の支持体が挙げられる。アルミニウム製またはアルミニウム合金製の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることもできる。また、金属製または樹脂製支持体上に、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などの導電性材料の薄膜を形成したものも支持体の例として挙げられる。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状などが挙げられる。これらの中でも、円筒状が好ましい。
支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆などを目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる導電層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を加熱乾燥(熱硬化)させることによって形成することができる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
導電層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
導電層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
〔下引き層〕
本発明において、下引き層は、出力画像におけるゴースト現象の抑制の観点から、金属酸化物粒子および下記一般式(1)で示される化合物を含有することが好ましい。
Figure 2013231769
式(1)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、または、アミノ基を示す。ただし、R〜R10の少なくとも1つは、アミノ基、または、ヒドロキシ基を示す。Xは、カルボニル基、または、ジカルボニル基を示す。
下引き層に金属酸化物粒子と上記式(1)で示される化合物を含有させることでゴースト現象が抑制される理由について、本発明者らは、以下のように推測している。
上記式(1)で示される化合物は、アミノ基またはヒドロキシ基を有するベンゾフェノン化合物である。そして、上記式(1)で示される化合物は、ベンゾフェノン構造を有することにより双極子モーメントが高く、電荷を引き寄せやすいと考えられる。そして、上記式(1)で示される構造を有することにより、上記式(1)で示される化合物と金属酸化物粒子とが相互作用して、分子内電荷移動錯体(複合体)を形成していると考えられる。上記式(1)で示される化合物と金属酸化物粒子との分子内電荷移動錯体が下引き層中に形成されることで、電荷(電子)を受け取りやすい状態になると推測している。これにより、感光層(電荷発生層)からの電子の受け取り、および、金属酸化物粒子から電子を引き寄せて金属酸化物粒子間での電子の授受をスムーズにさせることにより、ゴーストを抑制していると推測している。
なお、特開昭58−017450号公報には、電荷輸送物質の紫外線による劣化の抑制を目的として、下引き層にベンゾフェノン化合物を含有されることが開示されている。しかしながら、特開昭58−017450号公報には、金属酸化物粒子を含有させることが記載されておらず、金属酸化物粒子を含有させない場合、上述した金属酸化物粒子とベンゾフェノン化合物との相互作用はなく、ゴースト現象を抑制する効果は乏しいと考えられる。
以下に、上記式(1)で示される化合物の具体的な例示化合物を示す。
Figure 2013231769
Figure 2013231769
これらの中でも、上記式(1)中のR〜R10の3つ以上がヒドロキシ基であるものが金属酸化物粒子との相互作用の観点から好ましい。さらに、上記例示化合物の中でも、低温低湿環境下における繰り返し使用時のゴースト現象の抑制の観点から、上記式(1−1)、(1−4)、(1−12)、(1−22)または(1−25)で示される化合物が好ましい。また、上記式(1)で示される化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、上記式(1)で示される化合物の下引き層における含有量は、金属酸化物粒子に対して0.05〜4質量であることが好ましい。0.05質量%以上であれば、上記式(1)で示される化合物と金属酸化物粒子とが十分に相互作用し、ゴースト現象を抑制する効果が十分に得られる。4質量%以下であれば、上記式(1)で示される化合物同士の相互作用が抑えられて、ゴースト現象を抑制する効果が十分に得られる。
また、上記式(1)で示される化合物は、アミノ基またはヒドロキシ基を有しているため、化合物の保管状態によっては水分量が増加することがあるが、水分量が6質量%以下であればゴースト現象を抑制する効果が十分に得られる。
下引き層に、金属酸化物粒子および上記式(1)で示される化合物を含有させる場合、さらに結着樹脂を含有させることが好ましい。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリプロピレンなどが挙げられる。これらの中でも、ポリウレタンが好ましい。
下引き層は、上記材料を溶剤に溶解(分散)させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。
分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。
また、下引き層用塗布液が金属酸化物粒子を含有する場合、下引き層用塗布液に含まれる水分量は、金属酸化物粒子の分散安定性の観点から、5質量%以下であることが好ましい。
下引き層における結着樹脂の含有量は、下引き層の塗膜の均一性の観点から、金属酸化物粒子に対して10〜50質量%であることが好ましい。
下引き層に用いられる金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムを含有する粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子であってもよい。
下引き層には、さらに、有機樹脂粒子、レベリング剤を含有させてもよい。
下引き層の膜厚は、0.5〜30μmであることが好ましく、1〜25μmであることがより好ましい。
また、下引き層中に残留する上記溶剤の量は、電子写真特性の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
〔感光層〕
下引き層上には、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)が形成される。
感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を単一の層に含有する単層型感光層と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷発生層とに分離した積層型(機能分離型)の感光層とが挙げられる。本発明においては、電荷発生層上に電荷輸送層を有する順層型の感光層が好ましい。
本発明に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。これら電荷発生物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましく、その中でも、フタロシアニン顔料がより好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、電荷発生効率の観点から、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリビニルアセタール、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。これらは、1種を単独で用いることもできるし、混合物または共重合体として2種以上を用いることもできる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層における電荷発生物質と結着樹脂の割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷発生物質が0.3〜10質量部であることが好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
電荷発生層には、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明で用いられる電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これら電荷輸送物質の中でも、電荷の移動度の観点から、トリアリールアミン化合物が好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリアリレート、ポリカーボネートが好ましい。これらは、1種を単独で用いることもできるし、混合物または共重合体として2種以上を用いることもできる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層における電荷輸送物質と結着樹脂の割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3〜10質量部であることが好ましい。
電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、電荷輸送層用塗布液の塗膜の乾燥温度は、60〜150℃であることが好ましく、80〜130℃であることがより好ましい。また、電荷輸送層用塗布液の塗膜の乾燥時間は、10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、プロパノールやブタノールなどのアルコール系溶剤(特に炭素原子数3以上のアルコール)、アニソール、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
電子写真感光体の電荷輸送層が1層である場合、その電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、8〜30μmであることがより好ましい。電荷輸送層を積層構成とした場合、支持体側の電荷輸送層の膜厚は5〜30μmであることが好ましく、表面側の電荷輸送層の膜厚は1〜10μmであることが好ましい。
電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
〔保護層〕
本発明においては、感光層(電荷輸送層、電荷発生層)上に、該感光層を保護し、耐摩耗性やクリーニング性の向上などを目的として、保護層(第二電荷輸送層)を設けてもよい。
保護層は、結着樹脂を有機溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
保護層に用いられる樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどが挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能を有するモノマーや高分子の電荷輸送物質を種々の架橋反応を用いて硬化させることによって保護層(第二電荷輸送層)を形成してもよい。好ましくは、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合または架橋させることによって硬化させた層を保護層(第二電荷輸送層)とすることである。連鎖重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。硬化させる反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)などが挙げられる。
保護層の膜厚は、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜7μmであることがより好ましい。
保護層には、導電性粒子などを必要に応じて添加することもできる。
また、電子写真感光体の表面層(電荷輸送層または保護層)には、シリコーンオイル、ワックス、ポリテトラフルオロエチレン粒子などのフッ素原子含有樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素などの潤滑剤を含有させてもよい。
上記各層用の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法、ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
また、電子写真感光体の表面は、クリーニングブレードの鳴き、ビビり、めくれの低減のために、特許第3938209号公報や特許第4027407号公報に記載されているような粗面化処理をしてもよい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、電子写真感光体の各製造例においては、それぞれ評価に必要な本数だけ電子写真感光体を製造した。
〔下引き層の形成例1〕
支持体(導電性支持体)として、直径30.52mm(肉厚1.0mm)、長さ370mmのアルミニウムシリンダーを用いた。
次に、金属酸化物粒子としての酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌しながら混合し、これに、シランカップリング剤としてのN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、6時間130℃で加熱して乾燥させることによって、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオールとしてブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15部を、メチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶剤に溶解させて溶液を得た。この溶液に、上記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、上記式(1−1)で示される化合物(東京化成工業(株)製、水分量:0.4質量%)0.8部を加え、これを、横型サンドミル(商品名:UVM−20:アイメックス(株)製、ベッセル容量:20リットル)に入れ、23±3℃雰囲気下で分散処理した。横型サンドミルには、直径0.8mmのガラスビーズが21kg内添されている。分散処理時の分散ディスク回転数は800rpm、流量は600ml/分に設定した。この条件で3回分散処理した。分散処理後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、および、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(PMMA粒子)(商品名:TECHPOLYMER SSX−102、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径:2.5μm)5.6部を加えて攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液の水分量を測定したところ、0.5質量%であった。なお、上記式(1−1)で示される化合物の水分量および下引き層用塗布液の水分量の測定は、カールフィッシャー水分計を用いて行った。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
この下引き層の表面を、非接触光干渉計(商品名:バートスキャンR5500G、(株)菱化システム)を用いて3次元の粗さ測定を行った。なお、内部レンズ:×0.5、測定用CCDカメラ:1/3インチで、×10の対物レンズを選択すると、電子写真感光体の長手方向に0.947mm、周方向に0.710mmの画像が得られる。
表面の測定データを得た後、円筒体のデータを平面に展開した。測定されていない箇所はデータがないため、画像上黒く描かれる。画面内のFILLを指定することによってデータが補間され、測定画面全域に黒い箇所がない凹凸形状が得られる。このように加工した画像を、ANALYZEDを指定してデータ保存した。
次に、VS−Viewerの解析ソフトの中のうねり/粗さ解析ソフトを選択した。このソフトは、選択された画像のデータをカットオフ値より大きい周期の凹凸をうねり、小さい周期の凹凸を粗さと分離する機能を有している。カットオフ値=解像度の数値としているため、うねりのデータは解像度より大きい凹凸を示している。解像度より大きい凹凸を抽出しているため、画像の再現性と相関があるものと考えられる。
ただし、解像度が1200dpi未満の低い場合は、細線再現性と得られたWaの相関があまり見受けられない。
保存したデータを開き、サンプリング数:1、カットオフ値に解像度に相当する数値を入力した。今回は解像度として2400dpiを選び、それに相当する数値として11(μm)を入力し、設定した。パラメータを設定した後、画面上の変換をクリックすると、データが出力される。そのデータの1つにうねりの算術平均粗さWaがある。
電子写真感光体の長手方向に、塗布上端から30、110、185、260、340mmの位置において測定した。また、90°ごとに回転させた後に、同様にして、塗布上端から30、110、185、260、340mmの位置において測定した。長手方向:5点、周方向:4点の測定を行った。以上のようにデータを得て、その平均値を下引き層の表面のうねりの算術平均粗さ(Wa)とする。
下引き層の形成例1で形成した下引き層の表面の算術平均粗さ(Wa)は、0.143であった。
〔電子写真感光体の製造例1〕
下引き層の形成例1で形成した下引き層の上に、以下の各層を順に形成した。
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、および、下記構造式(A)で示される化合物0.04部
Figure 2013231769
を、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。その後、この液を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置に入れ、23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理し、分散処理後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.21μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(B)で示される化合物(電荷輸送物質)50部、下記構造式(C)で示される化合物(電荷輸送物質)50部、
Figure 2013231769
および、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)100部を、クロロベンゼン650部およびジメトキシメタン150部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、液が均一になってから1日間放置した後、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を60分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層(第一電荷輸送層)を形成した。
次に、下記構造式(D)で示される化合物(連鎖重合性官能基であるアクリル基を有する電荷輸送物質)36部、
Figure 2013231769
ポリテトラフルオロエチレン粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)4部、および、n−プロパノール60部を超高圧分散機に入れ、分散混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間アルミニウムシリンダーを回転させながら塗膜に電子線を照射し、塗膜を硬化させた。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が120℃になる条件で3分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が100℃になる条件で30分加熱処理を行い、膜厚が5μmである保護層(第二電荷輸送層)を形成した。
このようにして、支持体、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層(第一電荷輸送層)および保護層(第二電荷輸送層)をこの順に有する電子写真感光体を製造した。
次に、このように製造された電子写真感光体の表面を、図3に示す研磨装置を用いて研磨し、粗面化処理を行った。研磨シート18は巻き取り機構(不図示)で矢印方向に巻き取られる。電子写真感光体19は矢印方向に回転する。バックアップローラー20は矢印方向に回転する。研磨条件としては、研磨シート18として理研コランダム社製の研磨シート(商品名:GC♯3000、基層シート厚:75μm)を用い、バックアップローラー20としては硬度20°のウレタンローラー(外径:50mm)を用い、侵入量:2.5mm、シート送り量:400mm/sとして、研磨シートの送り方向と電子写真感光体の回転方向を同一として、30秒間研磨した。
研磨した後の電子写真感光体の表面粗さは、表面粗さ測定機(商品名:SE700,SMB−9、(株)小坂研究所製)を用いて、下記の条件で測定した。
電子写真感光体の長手方向に、塗布上端から30、110、185、260、340mmの位置において測定した、また、90°手前に回転させた後、同様にして塗布上端から30、110、185、260、340mmの位置において測定した。計10点の測定を行い、その平均値は、JIS B 0601−2001規格で、Ra=0.045μmであった。測定条件は、測定長さ:2.5mm、カットオフ値:0.8mm、送り速さ:0.1mm/s、フィルタ特性:2CR、レベリング:直線(全域)とした。
〔下引き層の形成例2〕
下引き層の形成例1において、支持体(導電性支持体)として、直径84mm(肉厚3.0mm)、長さ370mmのアルミニウムシリンダーを用いた以外は、下引き層の形成例1と同様にして下引き層を形成した。
下引き層の形成例2で形成した下引き層の表面の算術平均粗さ(Wa)は、0.143であった。
〔電子写真感光体の製造例2〕
下引き層の形成例2のように支持体上に下引き層を形成した後、電子写真感光体の製造例1と同様にして、その下引き層の上に電荷発生層、電荷輸送層(第一電荷輸送層)および保護層(第二電荷輸送層)をこの順に形成した。なお、保護層を形成する際の電子線の加速電圧は150kVに変更し、吸収線量は1.5kGyに変更した。
次に、このように製造された電子写真感光体の表面を、図4に示すブラスト装置を用いて、粗面化処理を行った。
ブラスト条件は、ブラストノズル−電子写真感光体間の距離:100mm、ブラストノズル径:10mm、ブラスト圧:0.25MPa、ブラストガン移動スピード:400mm/s、電子写真感光体の回転数:100rpm、ブラストビーズ(商品名:UB−13L、(株)ユニオン製、粒径:38〜53μm)、ブラストビーズの供給量:200g/minとした。ブラストの工程は2回行った。
ブラスト処理した後の電子写真感光体の表面粗さは、電子写真感光体の製造例1と同様にして測定した。その結果、その平均値は、JIS B 0601−2001規格で、長手方向のRzjis=0.78μmであった。
〔トナーの結着樹脂の製造例1〕
冷却管、攪拌機、および、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。
テレフタル酸 22.6部
無水トリメリット酸 1.7部
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 75.6部
チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート) 0.2部
その後、200℃に加熱し、窒素を導入しながら、生成する水を除去しながら10時間反応させ、その後、10mmHgに減圧し、1時間反応させて、トナーの結着樹脂1を合成した。
GPCで求めたトナーの結着樹脂1の分子量は、重量平均分子量(Mw):6200、数平均分子量(Mn):2500であり、ピーク分子量(Mp):2900であり、ガラス転移点は55℃、軟化点は93℃であった。
〔トナーの結着樹脂の製造例2〕
冷却管、攪拌機、および、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。
テレフタル酸 17.2部
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 76.6部
チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート) 0.2部
その後、220℃に加熱し、窒素を導入しながら、生成する水を除去しながら10時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸17.2部を加え、180℃に加熱し、2時間反応させて、トナーの結着樹脂2を合成した。
GPCで求めた樹脂2の分子量は、重量平均分子量(Mw):125000、数平均分子量(Mn):6400、ピーク分子量(Mp):14800であり、ガラス転移点は61℃、軟化点は141℃であった。
〔ワックス偏在制御樹脂の製造例〕
反応容器中に下記材料を入れ、十分溶解させた。
キシレン 25.0部
低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール660P:軟化点 145℃) 9.3部
これに、さらに、
スチレン 68.5部
メチルメタクリレート 3.6部
アクリロニトリル 9.0部
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート 2.7部
キシレン 15.0部
の混合溶液を180℃で4時間かけて滴下後、さらに170℃で1時間保持した後、有機溶剤を留去した。得られた樹脂を冷延・固化後、粉砕して、ビニル系共重合体とポリプロピレンがグラフト結合したワックス偏在制御樹脂1を得た。
得られたワックス偏在制御樹脂1をビーカー中で180℃に加熱したところ、分離したり、白濁を生じることはなかった。
〔トナーの製造例〕
トナーの結着樹脂1 50.0部
トナーの結着樹脂2 50.0部
ワックス偏在制御樹脂 5.0部
フィッシャー・トロプシュワックス(DSC最大吸熱ピーク105℃) 3.5部
フィッシャー・トロプシュワックス(DSC最大吸熱ピーク78℃) 3.5部
C.I.ピグメントブルー15:3 5.0部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。
次に、得られた微粉砕物を図5に示す表面改質装置により表面改質を行った。表面改質時の条件として、原料供給速度が2.0kg/hr、熱風流量が4.5m/min、熱風の吐出温度が210℃、冷風温度が3℃、冷風流量が3.0m/min、絶対水分量が3g/mで表面改質を行った。次に、コアンダ効果を利用した風力分級機(エルボジェットラボEJ−L3、日鉄鉱業社製)で分級しで微粉および粗粉を同時に分級除去、トナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1 100.0部に、無機微粉体として、個数平均粒径が40nmでありi−ブチルトリメトキシシランで処理された酸化チタン粒子1.0部、および、個数平均粒径が200nmでありヘキサメチルジシラザンで処理されたゾルゲル法シリカ粒子を2.0部を添加し、ヘンシェルミキサー(商品名:FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合することによって、シアントナーを得た。
得られたシアントナーの重量平均粒径(D4)は5.6μmであり、平均円形度は0.965であった。
〔細線再現性の評価1〕
上記電子写真感光体の製造例1および製造例2で製造された電子写真感光体を、図1に示す電子写真装置に搭載した。C(シアン)ステーションの現像剤のトナーには、上記トナーの製造例で製造されたシアントナーを用いた。このような電子写真装置で画像出力を行った。
図1に示す電子写真装置に関して簡単に説明する。図1に示す電子写真装置として具体的に用いたのは、キヤノン(株)製のカラーデジタル複写機、imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO(商品名)の改造機である。改造点は、全色用の像露光手段1に、発光点が6×6の二次元に配列された面発光レーザーアレイを用い、解像度を2400dpiとした点である。また、別の改造点として、図1中の最も右側の外径の大きい電子写真感光体のスコロトロン方式のコロナ帯電のグリッドと電子写真感光体の中間にシャッター2を設けた。シャッター2は、高温高湿環境下における画像流れの抑制を目的としている。
図1中、左から外径の小さい電子写真感光体が3本、外径の大きい電子写真感光体が1本配置されており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の色順に配置されている。
Y、M、Cステーションにおいては、帯電ローラーを用いた接触帯電手段3によって電子写真感光体の表面を帯電する。帯電ローラーには、トナーの外添剤の付着の抑制のため、帯電ローラー用のクリーニングローラー4が接触している。
前露光手段5には、発する光の波長が650nmであるLEDが用いられ、全色のステーションにおいて、クリーニング手段の上流に保持されている。
クリーニングブレード6は、バネ(不図示)による加圧によって電子写真感光体に圧接されている。
現像手段12には、2成分現像剤が350g充填されている。トナー(T)とキャリア(D)のT/(T+D)比は9.0%である。現像手段は、電子写真感光体と同方向に回転する現像スリーブ13、および、現像剤の撹拌手段(不図示)を有している。
各電子写真感光体の下側には、中間転写体(中間転写ベルト)14、および、中間転写体14を介して、電子写真感光体と対向した位置に1次転写ローラー15が設けられている。中間転写体14の下部に、Y、M、Cステーションの電子写真感光体を温めるヒーター16が設けられている。
Kステーションには、画像流れの抑制を目的とした、電子写真感光体の内面に密接したヒーター7が装着されている。電子写真感光体の表面温度を測定する温度検知センサー8の検知した温度に従い、動作が制御される。なお、ヒーターの動作の設定温度は、35〜45℃であることが好ましい。温度が低すぎると、画像流れを抑制する効果が小さくなり、温度が高すぎると、トナーが固着する可能性がある。
また、Kステーションには、画像濃度を安定化するために、像露光〜現像手段の間に電子写真感光体の電位を検知する電位センサー9を設けている。連続画像形成中の非画像形成時間に電位を読み取る、または、画像形成終了後に電子写真感光体の電位を読み取り、次回の画像形成の帯電条件および像露光条件の調整を行う。
また、Kステーションには、高温高湿環境下でのハーフトーン画質向上の目的のために、現像〜転写間に、コロトロン方式のコロナ帯電のポスト帯電器10を有している。上記の電子写真感光体の表面温度を測定する温度検知センサーの検知温度に従い、動作が制御される。
また、Kステーションのクリーニング手段の下流側には、画像流れの抑制および転写残トナーの掻き取り性の向上を目的に、電子写真感光体と同方向に回転するクリーニングブラシ11を設けている。
各色用の電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)Vdを−700V、像露光後電位(明部電位)Vlを−200V、現像のカブリ取り電位Vbackを−550Vという帯電条件、像露光条件および現像条件とし、1ラインの細線、1ラインの非画像を繰り返した画像を各色ごとに形成させた。
得られた画像をレーザー顕微鏡で確認したところ、全色とも、1ラインの欠け、途切れがない良好な画像が得られた。
Y、M、C、Kステーションのいずれの電子写真感光体も、うねりの算術平均粗さWaが0.143と、本発明の条件(0.1〜0.2μm)を満たす場合は、細線の再現性が良好となった。
〔細線再現性の評価2〕
上記電子写真感光体の製造例2で製造された電子写真感光体を、図2に示す電子写真装置に搭載して、画像出力を行った。
図2に示す電子写真装置に関して簡単に説明する。図2の電子写真装置として具体的に用いたのは、キヤノン(株)製のカラーデジタル複写機、imagePRESS C7010VP(商品名)の改造機であり、図2は、その1ステーションの概略図である。改造点は、像露光手段に、発光点が6×6の二次元に配列された面発光レーザーアレイを用い、解像度を2400dpiとした点である。また、別の改造点として、全色の電子写真感光体に、スコロトロン方式のコロナ帯電器のグリッドと電子写真感光体の中間にシャッターを設けた。シャッターは、高温高湿環境下における画像流れの抑制を目的としている。
細線再現性の評価1におけるKステーションと異なる点は、現像手段の現像スリーブが複数本あることと、現像器近傍の温度を40℃以下に制御している(不図示)ことである。いずれも、高速で連続的に画像出力した場合でも、画像安定性を保つための手段である。また、他の異なる点として、前露光手段がクリーニング手段の上流および下流の両方に設けられている点が挙げられる。また、他の異なる点として、電子写真感光体の表面にY、M、C色の数cm四方の画像を転写させ、その濃度を検知し、現像条件にフィードバックするトナー濃度検知手段17を有している。
各色用の電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)Vdを−700V、像露光後電位(明部電位)Vlを−200V、現像のカブリ取り電位Vbackを−550Vという帯電条件、像露光条件および現像条件とし、1ラインの細線、1ラインの非画像を繰り返した画像を各色ごとに形成させた。
得られた画像をレーザー顕微鏡で確認したところ、全色とも、1ラインの欠け、途切れのない良好な画像が得られた。
うねりの算術平均粗さWaが0.143と、本発明の条件(0.1〜0.2μm)を満たす場合は、細線の再現性が良好となった。
〔下引き層の形成例3〕
下引き層の形成例1において、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(PMMA粒子)の量を9.3部とした以外は、下引き層の形成例1と同様にして下引き層を形成した。
下引き層の形成例3で形成した下引き層の表面の算術平均粗さ(Wa)は、0.186であった。
〔下引き層の形成例4〕
下引き層の形成例1において、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(PMMA粒子)の量を2.8部とした以外は、下引き層の形成例1と同様にして下引き層を形成した。
下引き層の形成例4で形成した下引き層の表面の算術平均粗さ(Wa)は、0.118であった。
〔電子写真感光体の製造例3〕
下引き層の形成例3のように支持体上に下引き層を形成した後、電子写真感光体の製造例1と同様にして、その下引き層の上に電荷発生層、電荷輸送層(第一電荷輸送層)および保護層(第二電荷輸送層)をこの順に形成し、電子写真感光体を製造した。
〔電子写真感光体の製造例4〕
下引き層の形成例4のように支持体上に下引き層を形成した後、電子写真感光体の製造例1と同様にして、その下引き層の上に電荷発生層、電荷輸送層(第一電荷輸送層)および保護層(第二電荷輸送層)をこの順に形成し、電子写真感光体を製造した。
〔細線再現性の評価3〕
細線再現性の評価1に用いた電子写真装置のYステーションに、上記電子写真感光体の製造例4で製造された電子写真感光体を搭載し、Mステーションに上記電子写真感光体の製造例3で製造された電子写真感光体を搭載して、細線再現性の評価1と同様にして、画像出力を行った。
Y色、M色のいずれも、細線の欠け、途切れのない良好な画像が得られた。
〔下引き層の形成例5〕
下引き層の形成例2で用いた支持体(導電性支持体)と同様の支持体を用いた。
次に、以下の成分からなる溶液をボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、分散液を調製した。
酸素欠損型酸化スズ(SnO)の被覆層を有する硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率:200Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率):60%) 60部
酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製) 15部
フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分70%) 43部
2−メトキシ−1−プロパノール 50部
メタノール 50部
この分散液に、以下の成分を添加して攪拌することによって、導電層用塗布液を調整した。
シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製) 3.6部
シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製) 0.015部
この導電層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布(上端未塗布長さを2mmとした)し、得られた塗膜を48分間、150℃に調整された熱風乾燥機中で乾燥および硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
下引き層の形成例5で形成した下引き層の表面の算術平均粗さ(Wa)は、0.265であった。
〔電子写真感光体の製造例5〕
下引き層の形成例5のように支持体上に下引き層を形成した後、電子写真感光体の製造例2と同様にして、その下引き層の上に電荷発生層、電荷輸送層(第一電荷輸送層)および保護層(第二電荷輸送層)をこの順に形成し、電子写真感光体を製造した。
〔細線再現性の評価4〕
キヤノン(株)製のカラーデジタル複写機、imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO(商品名)の像露光手段は、面発光レーザーアレイではなく、複数本のレーザーを用いており、解像度は600dpiである。
この電子写真装置のY、M、Cステーションに上記電子写真感光体の製造例1で製造された電子写真感光体を搭載し、Kステーションに上記電子写真感光体の製造例3で製造された電子写真感光体を搭載し、細線再現性の評価1と同様にして、画像出力を行った。
得られた画像をレーザー顕微鏡で確認したところ、Kステーションのみ、1ラインの欠けがやや見られるが、途切れのない実用上問題のない画像が得られた。Y、M、Cステーションは、欠けもなく良好な画像が得られた。
像露光手段が、面発光レーザーアレイのような構成でなく、かつ、解像度が1200dpi未満であれば、実用上問題のない画像が得られた。
1 像露光手段
2 シャッター
3 接触帯電手段
4 クリーニングローラー
5 前露光手段
6 クリーニングブレード
7 ヒーター
8 温度検知センサー
9 電位センサー
10 ポスト帯電器
11 クリーニングブラシ
12 現像手段
13 現像スリーブ
14 中間転写体
15 一次転写ローラー
16 ヒーター
17 トナー濃度検知手段
18 研磨シート
19 電子写真感光体
20 バックアップローラー
21 トナー粒子供給口
22 熱風供給口
23 気流噴射部材
24 冷風供給口
25 第二の冷風供給口
26 冷却ジャケット
27 トナー粒子
28 高圧エア供給ノズル
29 移送配管

Claims (5)

  1. 支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体、ならびに、像露光手段として解像度1200dpi以上の面発光レーザーアレイを有する電子写真装置において、
    該面発光レーザーアレイの解像度をカットオフ値として該下引き層の表面粗さをうねりと粗さに分離したとき、該うねりの算術平均粗さ(Wa)が0.1〜0.2μmであることを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記下引き層が、金属酸化物粒子および下記一般式(1)で示される化合物を含有する請求項1に記載の電子写真装置。
    Figure 2013231769

    (式(1)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、または、アミノ基を示す。ただし、R〜R10の少なくとも1つは、アミノ基、または、ヒドロキシ基を示す。Xは、カルボニル基、または、ジカルボニル基を示す。)
  3. 前記下引き層が、結着樹脂としてポリウレタンを含有する請求項1または2に記載の電子写真装置。
  4. 前記ポリウレタンが、ブチラール樹脂およびブロック化イソシアネートから得られるポリウレタンである請求項3に記載の電子写真装置。
  5. 前記下引き層が、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真装置。
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