JP4787052B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
この場合、現像ローラ上のトナーは、一成分現像方式では規制部材によるトナー層厚の規制等を受けており、二成分現像方式ではキャリアとの撹拌や磁気穂高さの規制等で機械的なストレスを受けているが、更に、現像ローラの高速回転によりトナーの受けるストレスは増大する。そこで、流動性を確保するため、トナー表面は微小な粒子(外添剤)で被覆されているが、機械的なストレスはトナーに対して外添剤の埋没及び分離等の影響を及ぼす。このような外添剤の埋没や分離によって、トナーと他部材間及びトナー間の付着力が増大し、転写率の低下、画像の一部、特に細線中央部が転写しない「中抜け」が発生しやすくなるという問題がある。その結果、外添剤の埋没や分離を抑制するため、機械的ストレスを低減する等の対策が採られているが、十分な効果が得られていない。
また、前記転写の「中抜け」現象は、像担持体と転写体間の圧力で圧縮されたトナーの付着力、特にトナーの帯電に依存しない非静電的付着力が大きくなり、転写電界によるクーロン力でトナーの転写を制御できなくなることが原因と考えられる。例えば特許文献3では、非静電的付着力の大きさの範囲を規定している。また、特許文献4及び特許文献5では、非静電的付着力のトナー粒径依存性の範囲を規定して「中抜け」を抑制している。
<1> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
前記トナーは、平均粒子径Daが100〜300nmの微粒子を含む外添剤で表面が被覆され、かつ
前記トナーと前記静電潜像担持体との間の非静電的付着力の平均値Fを、前記トナーの体積平均粒径Dtと、前記外添剤の平均粒子径Daとの積で割った値〔F/(Dt×Da)〕が、7.5×104N/m2以下であることを特徴とする画像形成装置である。該<1>に記載の画像形成装置においては、トナーを大粒径外添剤で被覆し、トナーの非静電的付着力F、トナー粒径Dt、外添剤粒径Daに関する値F/(Dt×Da)を適切な範囲にすることにより、転写効率が高く、中抜け等の画像不良が生じず、長期間使用しても安定して良好な画像が得られる。
<2> 少なくとも静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを有する画像形成要素を複数配列したタンデム型である前記<1>に記載の画像形成装置である。該<2>に記載の画像形成装置においては、各色のトナーについて、F/(Dt×Da)を適切な範囲にすることにより、転写効率が高く、中抜け等の画像不良が生じず、長期間使用しても安定して良好なカラー画像が得られる。
<3> 転写手段が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4> トナーの体積平均粒径Dtが2〜7μmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。該<4>に記載の画像形成装置においては、トナーの粒径を一定の範囲内にすることにより、画像品質の低下を抑制できる。
<5> トナーの形状係数SF1の平均値が100〜130である前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。該<5>に記載の画像形成装置においては、トナーの形状係数SF1の平均値が100〜130である球形トナーを用いることによって、ドットの均一性が良く、高画質な画像が得られる。
<6> トナーが、重合法により作製された重合トナーである前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。該<6>に記載の画像形成装置においては、重合法により球形トナーを作製するため、トナー形状及び粒径制御が容易であり、また、トナーの生産性も向上させることができる。
<7> トナー粒子1個の表面積に対する平均粒子径Daが100〜300nmの外添剤が付着した部分の面積の比率(外添剤被覆率)の平均値が5〜90%である前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。該<7>に記載の画像形成装置においては、外添剤被覆率が一定の範囲内になるように調整することにより、外添剤の埋没及び分離を抑制することができる。
<8> 外添剤が、疎水化処理されたシリカ、疎水化処理されたチタン、及び疎水化処理されたアルミナから選択される少なくとも1種である前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成装置である。該<8>に記載の画像形成装置においては、外添剤として疎水化処理されたシリカ、疎水化処理されたチタン、及び疎水化処理されたアルミナから選択される少なくとも1種を含有することにより、環境安定性に優れ、良好な転写特性が得られる。
<9> 静電潜像担持体の表面凹凸の周期の平均値Smと、トナーの体積平均粒径Dtとが、次式、Sm≧10Dtを満たす前記<1>から<8>のいずれかに記載の画像形成装置である。
前記トナーは、平均粒子径Daが100〜300nmの微粒子を含む外添剤で表面が被覆され、かつ
前記トナーと前記静電潜像担持体との間の非静電的付着力の平均値Fを、前記トナーの体積平均粒径Dtと、前記外添剤の平均粒子径Daとの積で割った値〔F/(Dt×Da)〕が、7.5×104N/m2以下であることを特徴とする画像形成方法である。該<10>に記載の画像形成方法においては、トナーを大粒径外添剤で被覆し、トナーの非静電的付着力F、トナー粒径Dt、外添剤粒径Daに関する値F/(Dt×Da)を適切な範囲にすることにより、転写効率が高く、中抜け等の画像不良が生じず、長期間使用しても安定して良好な画像が得られる。
<11> 少なくとも静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを有する画像形成要素を複数配列したタンデム型である画像形成装置を用いる前記<10>に記載の画像形成方法である。該<11>に記載の画像形成方法においては、各色のトナーについて、F/(Dt×Da)を適切な範囲にすることにより、転写効率が高く、中抜け等の画像不良が生じず、長期間使用しても安定して良好なカラー画像が得られる。
<12> 転写工程では、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを用いる前記<10>から<11>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<13> トナーの体積平均粒径Dtが2〜7μmである前記<10>から<12>のいずれかに記載の画像形成方法である。該<13>に記載の画像形成方法においては、トナーの粒径を一定の範囲内にすることにより、画像品質の低下を抑制できる。
<14> トナーの形状係数SF1の平均値が100〜130である前記<10>から<13>のいずれかに記載の画像形成方法である。該<14>に記載の画像形成方法においては、製造工程あるいは製造後の工程において球形化されたトナーを用いることにより、ドットの均一性が良く、高画質な画像が得られる。
<15> トナーが、重合法により作製された重合トナーである前記<10>から<14>のいずれかに記載の画像形成方法である。該<15>に記載の画像形成方法においては、重合法により球形トナーを作製するため、トナー形状及び粒径制御が容易であり、また、トナー生産性も向上させることができる。
<16> トナー粒子1個の表面積に対する平均粒子径Daが100〜300nmの外添剤が付着した面積の比率である被覆面積比率の平均値が5〜90%である前記<10>から<15>のいずれかに記載の画像形成方法である。該<16>に記載の画像形成方法においては、外添剤被覆率が一定の範囲内になるように調整することにより、外添剤の埋没及び分離を抑制することができる。
<17> 外添剤が、疎水化処理されたシリカ、疎水化処理されたチタン、及び疎水化処理されたアルミナから選択される少なくとも1種である前記<10>から<16>のいずれかに記載の画像形成方法である。該<17>に記載の画像形成方法においては、外添剤として疎水化処理されたシリカ、疎水化処理されたチタン、及び疎水化処理されたアルミナから選択される少なくとも1種を含有することにより、環境安定性に優れ、良好な転写特性が得られる。
<18> 静電潜像担持体の表面凹凸の周期の平均値Smと、トナーの体積平均粒径Dtとが、次式、Sm≧10Dtを満たす前記<10>から<17>のいずれかに記載の画像形成方法である。該<18>に記載の画像形成方法においては、表面凹凸周期の平均値がトナーの体積平均粒径の10倍以上となるような静電潜像担持体を用いることにより、粒状性の良好な画像が得られる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、定着手段、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、定着工程、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
この場合、前記画像形成装置は、少なくとも静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを有する画像形成要素を複数配列したタンデム型であることが好ましい。このタンデム方式では、前記イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の画像形成要素を搭載し、各々のトナー像を4つの画像形成要素で並列に作製し、記録媒体(転写紙)、又は中間転写体上で重なり合わせることから、高速にカラー画像を形成できる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」と称することがある)は、支持体と、該支持体上に、少なくとも感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
また、前記静電潜像担持体としては、第二の形態では、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。なお、前記第二形態では、電荷発生層、及び電荷輸送層は逆に積層しても構わない。
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板又はそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。また、厚み50〜150μmのニッケル箔でもよく、あるいは厚み50〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にアルミニウム蒸着等の導電加工を行ったものでもよい。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
前記複層型感光層は、電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有し、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前者の方法としては、例えばグロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層用塗工液を用いて、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
これらの中でも、沸点が40〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
前記電荷発生層用塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が挙げられる。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が挙げられる。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が挙げられる。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が挙げられる。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が挙げられる。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂としては、上述した材料を用いることができる。
前記その他の成分としては、例えば可塑剤、微粒子、各種添加剤、などが挙げられる。
前記バインダー樹脂及び電荷輸送物質としては、上述した材料を用いることができる。
前記保護層には、更に必要に応じて接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えても構わない。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1〜15μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
前記微粉末としては、例えば酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、又は金属窒化物などが挙げられる。
前記下引き層の厚みについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
前記樹脂としては、上記下引き層と同様のものの中から適宜選択して用いることができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器は、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至前記現像剤を用いて現像してトナー像(可視像)を形成する工程である。
前記トナーとしては、画像を形成するドットの均一性、高転写効率等の点から、製造工程、又は製造後の工程において球形化した略球形トナーが好適に用いられる。
ここで、製造後の工程において球形化したトナーとは、例えば、粉砕トナーを熱や機械的な力で球形化したトナーである。一方、製造工程において球形化したトナーとは、例えば、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法により作製されたトナーである。特に、重合法はトナーの形状及び粒径制御の容易性、生産性等の点で優れており、前記球形トナーの作製方法としては好適である。
前記トナーの形状係数SF1は、下記数式1で表され、面積はトナーの投影面積、最大長はトナーの投影像における最大長を示し、SF1が100に近いほど球形となる。
<数式1>
SF1=100×(最大長)2×π/(面積×4)
前記SF1は、具体的には、トナーを電子顕微鏡等の高倍率の顕微鏡での観察と、トナー画像に対する画像計測により求めることができる。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸性基や塩基性基を有するものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させて、官能基を導入することができる。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、離型剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて、樹脂微粒子、帯電制御剤等のその他の成分を含む。
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
前記混合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノフージョン等の各種混合装置を用いた公知の方法を用いることができる。外添剤を混合する直前に外添剤をほぐす処理を行う、緩い条件から強い条件に段階的に混合する等の工夫を行い、大粒径外添剤を均一に一定以上の被覆率で付着させることができる。
前記疎水化処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像器の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像器における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セロソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部である。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
表層材料としては、表層は弾性材料による感光体への汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてクリーニング性、二次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上の組み合わせを使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上又は粒径が異なるものの組み合わせを分散させて使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
前記ベルトの製造方法は限定されるものではなく、例えば、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、液体塗料を噴霧し膜を形成させるスプレー塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型,外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け,加硫研磨を行う方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することが一般的である。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
まず、感光体ドラム21は帯電ローラ22によって表面を一様に帯電される。図3の例では、帯電ローラを用いて感光体ドラム21を帯電しているが、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電を用いてもよい。なお、帯電ローラを用いた帯電は、コロナ帯電を用いた場合よりもオゾン発量が少ない利点がある。
次に、現像装置24によって、静電潜像が形成された感光体ドラム21上にトナー像が形成される。
ここで、現像装置24が、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像装置である場合の構成例を図4に示す。この例では、現像剤がスクリュー41によって攪拌及び搬送され、現像スリーブ42に供給される。現像スリーブ42に供給される現像剤はドクターブレード43によって規制され、供給される現像剤量はドクターブレード43と現像スリーブ42との間隔であるドクターギャップによって制御される。ドクターギャップが小さすぎると、現像剤量が少なすぎて画像濃度不足になり、逆にドクターギャップが大きすぎると、現像剤量が過剰に供給されて感光体ドラム21上にキャリア付着が発生するという問題が生じる。現像スリーブ42には、周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤が現像スリーブ42上にチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。
また、ドクターギャップは、現像ギャップと同程度か、あるいはやや大きくする必要がある。感光体ドラム21のドラム径やドラム線速、現像スリーブ42のスリーブ径やスリーブ線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決まる。ドラム線速に対するスリーブ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1.1以上にすることが好ましい。なお、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。
なお、図4では、現像装置として二成分現像装置を用いているが、本発明は二成分現像装置に限定されるものではなく、現像スリーブ上に形成したトナー薄層を電界で感光体上に現像する一成分現像装置を用いてもよい。
未定着のトナー像が載った記録媒体26は、定着ローラ28と加圧ローラ29によって記録媒体26に一定の熱と圧力が加わり、トナー像が記録媒体26上に定着される。なお、定着温度を一定に保つために、定着ローラ28にはサーミスタ(不図示)が接触しており、定着ローラ28の温度制御を行っている。定着ローラを用いた定着方式は、熱効率が高く、安全性に優れ、小型化が可能で、低速から高速まで適用範囲が広い。
感光体ドラム21上に残留したトナーは、クリーニング装置30によって除去されるが、クリーニング装置としてはクリーニングブレードを用い、クリーニングローラやクリーニングブラシ等を併用してもよい。また、これらのクリーニング部材にトナーと逆極性の電圧を印加して、クリーニングの効率を高めることもできる。
図3及び図5に示すような画像形成装置を長期間使用すると、消費されずに現像装置内で機械的なストレスを受けたトナーは、表面に被覆されている外添剤がトナー内部に埋没したり、トナーから分離したりするため、トナー母粒子と他部材間及びトナー母粒子間の接触が増え、接触面積が増大するため、トナーと他部材間及びトナー間の付着力が増大する。トナー付着力が増大すると、転写電界によるクーロン力でトナーを感光体から分離できなくなるため、転写率が低下する。また、付着力の大きなトナーで形成されたトナー層が、転写時の圧力で圧縮されると、トナー付着力、特にトナーの帯電に依存しないファンデルワールス力や液架橋力等の非静電的付着力が増大し、トナーの凝集が発生し、中抜けが生じやすくなる。
前記〔F/(Dt×Da)〕が7.5×104(N/m2)を超えると、画像形成装置を長期間使用したときに、「中抜け」等の画像不良や転写率の低下が発生することがある。
トナー層中ではトナー同士が静電的に反発しあっているが、トナー間の非静電的付着力によりトナーはトナー層中に拘束されている。このため、トナー間の非静電的付着力が小さすぎると、トナーがトナー層から分離しやすく、分離したトナーが画像周辺に付着することにより、「画像のにじみ」が発生しやすい。前記非静電的付着力を測定したトナーについて「画像のにじみ」についても評価した結果、〔F/(Dt×Da)〕が2.0×104(N/m2)以上で「画像のにじみ」が発生しにくいことがわかった。
また、カラー画像を形成する場合は、色によって転写性にバラツキがあると、良好な画像品質が得られないため、各色のトナーが、いずれも上記〔F/(Dt×Da)〕の条件を満足する必要がある。
トナーの非静電的付着力を測定する方法としては、トナーの付着している物体からトナーを分離するのに必要な力を見積もる方法が一般的である。前記トナーを分離させる方法としては、例えば、遠心力、振動、衝撃、空気圧、電界、磁界等を用いた方法が知られている。これらの中でも、遠心力を利用した方法は定量化が容易であり、かつ測定精度が高い点から、トナーと感光体間の付着力を測定する方法として特に好ましい。
図1は、トナー付着力測定装置の測定セルの説明図である。図1において、1は測定セルであり、この測定セル1は、トナーを付着させた試料面2aを有する試料基板2と、試料基板2から分離したトナーを付着させる付着面3aを有する受け基板3と、試料基板2の試料面2aと受け基板3の付着面3aの間に設けられたスペーサ4から構成される。図2は、遠心分離装置の一部断面図である。
図2において、5は遠心分離装置であり、この遠心分離装置5は、測定セル1を回転させるロータ6と、保持部材7を備えている。ロータ6は、自身の回転中心軸9に対して垂直な断面で穴形状であり保持部材7を設置する試料設置部8を有している。保持部材7は、棒状部7aと、棒状部7aに設けられ測定セル1を保持するセル保持部7b、測定セル1をセル保持部7bから押し出すための穴部7c、棒状部7aを試料設置部8に固定する設置固定部7dを備えている。セル保持部7bは、測定セル1を設置したときに、測定セル1の垂直方向がロータの回転中心軸9に垂直となるように構成される。
まず、試料基板2上に直接感光体を形成するか、又は感光体の一部を切り出して試料基板2上に接着剤で貼り付ける。次に、未帯電のトナーを試料基板2上の感光体(試料面2a)上に付着させる。
次に、図1に示すように、試料基板2、受け基板3、及びスペーサ4を用いて測定セル1を構成する。測定セル1を、保持部材7をロータ6の試料設置部8に設置したときに、試料基板2が受け基板3とロータ6の回転中心軸9の間になるように、保持部材7のセル保持部7bに設置する。保持部材7を、測定セル1の垂直方向がロータの回転中心軸9に垂直となるように、ロータ6の試料設置部8に設置する。遠心分離装置5を稼働してロータ6を一定の回転数で回転させる。試料基板2に付着したトナーは回転数に応じた遠心力を受け、トナーの受ける遠心力がトナーと試料面2a間の付着力よりも大きい場合は、トナーが試料面2aから分離し、付着面3aに付着する。
<数式2>
Fc=m×r×(2πf/60)2
<数式3>
m=(π/6)×ρ×d3
<数式4>
Fc=(π3/5400)×ρ×d3×r×f2
全ての設定回転数について遠心分離を実施後、各回転数の受け基板3の付着面3aに付着したトナーの粒径を計測する。トナー粒径の測定は、光学顕微鏡で付着面3a上のトナーを観察し、CCDカメラを通して付着面の画像を画像処理装置に入力し、画像処理装置を用いて各トナーの粒径測定を行うことができる。ある回転数で分離したトナーの付着力は、トナーが分離した回転数における遠心力よりも小さく、分離する前の回転数における遠心力よりも大きいので、前記数式1により両者の遠心力を計算し、その平均値をトナーの付着力とした。なお、トナー付着力の平均値Fは、各トナーの付着力の常用対数について算術平均値Aを算出し、F=10Aから求めることができる。
<トナーAの作製>
−グラフトカーボンブラックの作製−
スチレンモノマー40質量部、カーボンブラック(MA100、三菱化成株式会社製)20質量部、及び重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を加え、スリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、及び温度計を取り付けた500ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、フラスコ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で6時間、60rpmにて撹拌し、グラフトカーボンブラックを作製した。
・スチレンモノマー・・・50質量部
・n−ブチルメタクリレート・・・14.5質量部
・1,3−ブタンジオールジメタアクリレート・・・0.5質量部
・t−ブチルアクリルアミドスルフォン酸・・・3質量部
・低分子量ポリエチレン(三井石油化学株式会社製、三井ハイワックス210P)・・・2質量部
・上記グラフトカーボンブラック・・・30質量部
得られた重合粒子Aについて、以下のようにして測定した、体積平均粒径が5.2μm、形状係数SF1の平均値が112であった。
体積平均粒径は、コールターカウンター法により測定した。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターマルチサイザーやマルチサイザーIIe(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について説明する。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1質量%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。各チャンネルの粒径の値は、それぞれ、2.24μm;2.83μm;3.56μm;4.49μm;5.66μm;7.13μm;8.98μm;11.31μm;14.25μm;17.96μm;22.63μm;28.51μm;35.92μmを用いた。
形状係数SF1の平均値は、電子顕微鏡用観察基板にトナーを付着させ、トナーの付着した観察基板を金でコーティングし、トナーを走査電子顕微鏡(日立製作所製、S−4500)で観察し、トナーの画像をパーソナルコンピュータに取り込み、画像処理ソフト(Media Cybernetics製、Image−Pro Plus)を用いて、トナーの投影面積及び最大長を求め、下記数式1によりSF1を計算した。100個以上のトナーについてSF1を計測し、SF1の平均値を求めた。
<数式1>
SF1=100×(最大長)2×π/(面積×4)
得られたトナーAを電子顕微鏡用観察基板に付着させ、トナーAの付着した観察基板を金でコーティングし、トナーAを走査電子顕微鏡(日立製作所製、S−4500)で観察し、トナーの画像をパーソナルコンピュータに取り込み、画像処理ソフト(Media Cybernetics社製、Image−Pro Plus)を用いて外添剤の付着している部分の面積を計測し、トナー表面積に対する外添剤の付着している部分の面積の比率を計算して外添剤被覆率を求めた。なお、外添剤被覆率はトナー10個について測定した平均値で表される。実施例1のトナーAでは、トナー母粒子表面に均一に付着し、トナー間の被覆率差も小さく、トナーAの外添剤被覆率の平均値は19.3%となった。
なお、外添剤の平均粒子径Daは、外添剤被覆率の測定時に、トナー表面に付着している各外添剤の粒径を計測し、その平均値を算出することにより求めた。
トナーAの比率が5質量%となるように、トナーAと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して、実施例1の二成分現像剤を作製した。
−電荷発生層の形成−
下記構造式(A)で表されるビスアゾ顔料0.4質量部をブチラール樹脂(エスレックBL−S、積水化学株式会社製)の5質量%テトラヒドロフラン溶液4質量部、及びテトラヒドロフラン7.6質量部とともにボールミリングし、ミリング後、テトラヒドロフランを加えて、2質量%に希釈し、電荷発生層用塗布液を調製した。
得られた電荷発生層用塗布液を、切削粗面処理を行った直径90mmのアルミニウム製ドラムA上に浸漬法により塗布し、乾燥させて、厚み1μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(B)で表される正孔輸送物質6.0質量部と、感光体バインダー樹脂としてシクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成株式会社製、TS2050)9.0質量部を、テトラヒドロフラン67質量部に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。
得られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に、浸漬法により塗布し、乾燥させて、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
以上により、実施例1の感光体ドラムを作製した。得られた実施例1の感光体ドラムの表面形状を日本真空技術社製の触針式表面形状測定器DEKTAKを用いて測定した結果、表面凹凸の周期の平均値は470μmであり、トナーの体積平均粒径5.2μmの約90倍となった。
次に、遠心分離法を用いて、実施例1のトナーAと、感光体と間の非静電的付着力を測定した。
まず、実施例1の感光体ドラムから、直径7mmの円板状に切り出し、遠心分離に使用する直径8mmの試料基板上に接着剤を用いて貼り付けた。未帯電のトナーAを圧縮空気によって感光体上に付着させ、遠心分離法を用いてトナーと感光体間の非静電的付着力Fを測定し、F/(Dt×Da)を求めた。なお、非静電的付着力の測定に使用した装置及び測定条件は、以下のとおりである。
〔装置及び測定条件〕
・遠心分離装置:日立工機社製CP100α(最高回転数:100,000rpm、最大加速度:800,000g)
・ロータ:日立工機社製アングルロータP100AT
・画像処理装置:デジモ社製Image HyperII
・試料基板と受け基板:直径8mm、厚み1.5mmの円板であり、材料はアルミニウム
・スペーサ:外径8mm、内径5.2mm、厚み1mmでのリングであり、材料はアルミニウム
・保持部材:直径13mm、長さ59mmの円筒であり、材料はアルミニウム
・ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距離:64.5mm
・設定回転数f:1,000rpm、1,600rpm、2,200rpm、2,700rpm、3,200rpm、5,000rpm、7,100rpm、8,700rpm、10,000rpm、15,800rpm、22,400rpm、31,600rpm、50,000rpm、70,700rpm、86,600rpm、100,000rpm
カラー複写機(株式会社リコー製、Imagio Color 4000)に、実施例1の現像剤と感光体を用いて、現像剤を交換後の初期の画像及び5万枚の連続複写後、一次転写における転写率測定、及び中抜け画像の評価を実施した。
なお、カラー複写機(株式会社リコー製、Imagio Color 4000)では、現像は二成分現像方式、転写は中間転写ベルト方式を用いている。なお、このカラー複写機(株式会社リコー製、Imagio Color 4000)を改造し、外部信号によって任意のタイミングで作像プロセスを止められるようにした。また、感光体ドラム上への潤滑剤塗布機構を取り外した。
感光体ドラム上にベタ画像を現像し、一次転写の途中で作像プロセスを止め、感光体ドラムユニットと転写ベルトユニットを複写機から取り出し、感光体上に現像された単位面積当たりのトナー質量(M/A)PCと、転写ベルト上に転写した単位面積当りのトナー質量(M/A)Tをサックイン法で測定し、以下の数式5から転写率を求めた。サックイン法では、感光体等に付着したトナーを真空ポンプなどによって吸引し、吸引したトナーの質量Mを計測し、トナーの吸引面積Aから転写率を求める。
<数式5>
転写率=100×(M/A)T/(M/A)PC
画像評価は、文字や写真の混在した単色の画像を用いて、画像の一部が欠ける中抜け画像の発生状況、及び粒状性を評価した。中抜け及び粒状性に対する4段階の評価見本を用意し、画像を目視及びCCD顕微鏡カメラ(キーエンス社製、ハイパーマイクロスコープ)によって観察し、評価見本と比較することによって、以下に示す4段階で評価した。
〔評価基準〕
4:問題が無い
3:ほぼ問題が無い
2:やや問題がある
1:問題がある
実施例1のF/(Dt×Da)は6.13×104(N/m2)であり、実施例1の現像剤及び感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は4、初期の転写率は97.5%、5万枚連続複写後の転写率は95.4%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、重合粒子Aに対し、疎水化処理した平均粒径120nmのシリカAを7質量%となるように配合した以外は、実施例1と同様にして、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーBを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を計測すると、トナーBの外添剤被覆率の平均値は31%であった。
次に、トナーBの比率が5質量%となるように、トナーBと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して実施例2の二成分現像剤を作製した。
また、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定及び画像評価を実施した。
実施例2のF/(Dt×Da)は5.25×104(N/m2)であり、実施例2の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は4、初期の転写率は98.3%、5万枚連続複写後の転写率は96.8%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、重合粒子Aに対し、疎水化処理した平均粒径200nmのシリカBを8質量%となるように配合した以外は、実施例1と同様にして、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーCを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、外添剤被覆率の平均値は17.2%となった。トナーCの比率が5質量%となるように、トナーCと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して、実施例3の二成分現像剤を作製した。
次に、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定及び画像評価を実施した結果、実施例3のF/(Dt×Da)は5.95×104(N/m2)であり、実施例3の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は4、初期の転写率は97.1%、5万枚連続複写後の転写率は95.9%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、重合粒子Aに対し、疎水化処理した平均粒径120nmのシリカAを3質量%となるように配合した以外は、実施例1と同様にして、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーDを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーDの外添剤被覆率の平均値は15.3%となった。
次に、トナーDについて、疎水化処理した平均粒径14nmのシリカCをトナー量の1質量%となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーEを作製した。
次に、トナーEの比率が5質量%となるように、トナーEと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して、実施例4の二成分現像剤を作製した。
次に、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定、及び画像評価を実施した結果、実施例4のF/(Dt×Da)は4.45×104(N/m2)であり、実施例4の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は4、初期の転写率は98.9%、5万枚連続複写後の転写率は95.8%で、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、重合粒子Aに対し、疎水化処理した平均粒径120nmのシリカAを0.5質量%となるように配合した以外は、実施例1と同様にして、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーFを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーFの外添剤被覆率の平均値は3.7%であった。
次に、トナーFの比率が5質量%となるように、トナーFと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して比較例1の二成分現像剤を作製した。
また、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定、及び画像評価を実施した結果、比較例1のF/(Dt×Da)は8.13×104(N/m2)であり、比較例1の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期の中抜け及び粒状性の評価は2、5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は1、初期の転写率は91.2%、5万枚連続複写後の転写率は82.1%で、長期間使用により転写率及び画像品質が低下した。結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、重合工程で、TKホモミキサー(特殊機化社製)の回転数を5000rpmとした以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径が6.7μm、形状係数SF1の平均値が117の重合粒子Bを得た。
得られた重合粒子Bに対し、疎水化処理した平均粒径120nmのシリカAを3.5質量%となるように配合した以外は、実施例1と同様にして、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーGを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーGの外添剤被覆率の平均値は22.4%であった。
次に、トナーGの比率が5質量%となるように、トナーGと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して実施例5の二成分現像剤を作製した。
また、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定、及び画像評価を実施した結果、実施例5のF/(Dt×Da)は5.54×104(N/m2)であり、実施例5の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は4、初期の転写率は97.9%、5万枚連続複写後の転写率は96.1%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例5において、重合粒子Bに対し、疎水化処理した平均粒径120nmのシリカA
を6.5質量%となるように配合した以外は、実施例5と同様にして、ヘンシェルミキサ
ーによって攪拌混合処理し、トナーHを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーHの外添剤被覆率の平
均値は33.8%であった。
次に、トナーHの比率が5質量%となるように、トナーHと、キャリアA(株式会社リ
コー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して参考例6の二成分現像剤を作製した。
また、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定、及び画像評価を実
施した結果、実施例6のF/(Dt×Da)は3.73×104(N/m2)であり、参考例6の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け
及び粒状性の評価は4、初期の転写率は98.7%、5万枚連続複写後の転写率は97.
1%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示
す。
実施例5において、重合粒子Bに対し、疎水化処理した平均粒径200nmのシリカB
を9質量%となるように配合した以外は、実施例5と同様にして、ヘンシェルミキサーに
よって攪拌混合処理し、トナーIを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーIの外添剤被覆率の平
均値は45.3%であった。
次に、トナーIの比率が5質量%となるように、トナーIと、キャリアA(株式会社リ
コー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して参考例7の二成分現像剤を作製した。
また、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定、及び画像評価を実
施した結果、参考例7のF/(Dt×Da)は2.86×104(N/m2)であり、参考例7の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け
及び粒状性の評価は4、初期の転写率は99.2%、5万枚連続複写後の転写率は97.
8%で、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、重合工程でTKホモミキサー(特殊機化社製)の回転数を10,000rpmとした以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径が4.2μm、形状係数SF1の平均値が109の重合粒子Cを得た。
得られた重合粒子Cに対し、疎水化処理した平均粒径120nmのシリカAを4.5質量%となるように配合した以外は、実施例1と同様にして、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーJを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーJの外添剤被覆率の平均値は17.0%であった。
次に、トナーJの比率が5質量%となるように、トナーJと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して実施例8の二成分現像剤を作製した。
次に、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定、及び画像評価を実施した結果、実施例8のF/(Dt×Da)は6.35×104(N/m2)であり、実施例8の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は4、初期の転写率は96.8%、5万枚連続複写後の転写率は94.5%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例8において、重合粒子Cに対し、疎水化処理した平均粒径120nmのシリカAを1質量%となるように配合した以外は、実施例8と同様にして、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌混合処理し、トナーKを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーKの外添剤被覆率の平均値は5.3%であった。
次に、トナーKの比率が5質量%となるように、トナーKと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して比較例2の二成分現像剤を作製した。
また、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定及び画像評価を実施した結果、比較例2のF/(Dt×Da)は7.88×104(N/m2)であり、比較例2の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期の中抜け及び粒状性の評価は3、5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は2、初期の転写率は92.6%、5万枚連続複写後の転写率は85.7%であり、長期間使用により転写率及び画像品質が低下した。結果を表1及び表2に示す。
下記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で、十分撹拌混合した後、ロールミルを用いて130〜140℃の温度で30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、ハンマーミルを用いて得られた混練物を1mm〜2mmに粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して、体積平均粒径が5.9μm、形状係数SF1の平均値が142である不定形粒子Aを作製した。
・ポリエステル樹脂(質量平均分子量=25万)・・・80質量部
・スチレン−メチルメタアクリレート共重合体・・・20質量部
・ライスワックス(酸価15)・・・5質量部
・カーボンブラック(三菱化成工業社製、#44)・・・8質量部
・含金属モノアゾ染料・・・3質量部
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーLの外添剤被覆率の平均値は11.0%であった。
次に、トナーLに対し、疎水化処理した平均粒径14nmのシリカCを1質量%となるように配合した以外は、実施例1と同様にして、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーMを作製した。
次に、トナーMの比率が5質量%となるように、トナーMと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して、実施例9の二成分現像剤を作製した。
また、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定、及び画像評価を行った結果、実施例9のF/(Dt×Da)は5.63×104(N/m2)であり、実施例9の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は4、初期の転写率は96.1%、5万枚連続複写後の転写率は94.1%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例9において、不定形粒子Aに、疎水化処理した平均粒径120nmのシリカAを1.2質量%となるように配合した以外は、実施例9と同様にして、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理し、トナーNを作製した。
また、実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定すると、トナーNの外添剤被覆率の平均値は4.2%であった。
次に、トナーNの比率が5質量%となるように、トナーNと、キャリアA(株式会社リコー製、Imagio Color 4000で使用しているキャリア)とを混合して、比較例3の二成分現像剤を作製した。
また、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定及び画像評価を実施した結果、比較例3のF/(Dt×Da)は8.0×104(N/m2)であり、比較例3の現像剤及び実施例1の感光体を用いた場合の初期の中抜け及び粒状性の評価は2、5万枚連続複写後の中抜け及び粒状性の評価は1、初期の転写率は87.8%、5万枚連続複写後の転写率は78.2%であり、長期間使用により転写率及び画像品質が低下した。結果を表1及び表2に示す。
実施例1における感光体の代わりに、アルミニウム製ドラムの切削粗面処理条件を変えた別のアルミニウム製ドラムBを用いて、実施例1と同様にして、実施例10の感光体ドラムを作製した。
実施例1と同様にして、実施例10の感光体ドラムの表面形状を日本真空技術社製の触針式表面形状測定器DEKTAKを用いて測定した結果、表面凹凸の周期の平均値は47μmであり、トナーAの体積平均粒径5.2μmの約9倍となった。
トナーA、実施例1の二成分現像剤、実施例10の感光体を用いて、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定及び画像評価を実施した。
実施例10のF/(Dt×Da)は6.28×104(N/m2)であり、実施例1の現像剤及び実施例10の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜けの評価は4、粒状性の評価は3、初期の転写率は97.9%、5万枚連続複写後の転写率は96.3%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
実施例1における感光体の代わりに、アルミニウム製ドラムの切削粗面処理条件を変えた別のアルミニウム製ドラムCを用いて、実施例1と同様にして、実施例11の感光体ドラムを作製した。
実施例1と同様にして、実施例11の感光体ドラムの表面形状を日本真空技術社製の触針式表面形状測定器DEKTAKを用いて測定した結果、表面凹凸の周期の平均値は27μmであり、トナーGの体積平均粒径6.7μmの約4倍となった。
トナーG、実施例5の二成分現像剤、実施例11の感光体を用いて、実施例1と同様にして、非静電的付着力の測定、転写率測定及び画像評価を実施した。
実施例11のF/(Dt×Da)は5.67×104(N/m2)であり、実施例5の現像剤及び実施例11の感光体を用いた場合の初期及び5万枚連続複写後の中抜けの評価は4、粒状性の評価は3、初期の転写率は97.4%、5万枚連続複写後の転写率は95.9%であり、長期間使用しても安定して良好な画像が得られた。結果を表1及び表2に示す。
2 試料基板
2a 試料面
3 受け基板
3a 付着面
4 スペーサ
5 遠心分離装置
6 ロータ
7 保持部材
7a 棒状部
7b セル保持部
7c 穴部
7d 設置固定部
8 試料設置部
9 回転中心軸
21 感光体ドラム
22 帯電装置
23 露光装置
24 現像装置
25 転写装置
26 記録媒体
27 定着装置
28 定着ローラ
29 加圧ローラ
30 クリーニング装置
31 除電装置
41 スクリュー
42 現像スリーブ
43 ドクターブレード
51 イエロー画像形成装置
51a 感光体ドラム
51b 帯電装置
51c 露光装置
51d 現像装置
51e 転写装置
51f クリーニング装置
51g 除電装置
52 マゼンタ画像形成装置
53 シアン画像形成装置
54 ブラック画像形成装置
55 中間転写ベルト
56 転写装置
57 記録媒体
58 クリーニング装置
Claims (15)
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該
静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒
体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
前記トナーは、平均粒子径Daが100〜300nmの微粒子を含む外添剤で表面が被
覆され、かつ
前記トナーと前記静電潜像担持体との間の非静電的付着力の平均値Fを、前記トナーの
体積平均粒径Dtと、前記外添剤の平均粒子径Daとの積で割った値〔F/(Dt×Da)
〕が、4.45×10 4 N/m 2 以上、7.5×104N/m2以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナーが、トナー母粒子に対して外添剤が3質量%以上添加されている請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記トナーが、平均粒子径Daが100〜300nmの微粒子のみを含む外添剤で表面が被覆されている請求項1から2のいずれかに記載の画像形成装置。
- 少なくとも静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを有する
画像形成要素を複数配列したタンデム型である請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 転写手段が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、
該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを有する
請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。 - トナーの体積平均粒径Dtが2〜7μmである請求項1から5のいずれかに記載の画像
形成装置。 - トナーの形状係数SF1の平均値が100〜130である請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
- トナーが、重合法により作製された重合トナーである請求項1から7のいずれかに記載
の画像形成装置。 - トナー粒子1個の表面積に対する平均粒子径Daが100〜300nmの外添剤が付着
した部分の面積の比率(外添剤被覆率)の平均値が5〜90%である請求項1から8のい
ずれかに記載の画像形成装置。 - 外添剤が、疎水化処理されたシリカ、疎水化処理されたチタン、及び疎水化処理された
アルミナから選択される少なくとも1種である請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置。 - 静電潜像担持体の表面凹凸の周期の平均値Smと、トナーの体積平均粒径Dtとが、次
式、Sm≧10Dtを満たす請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。 - 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用
いて現像してトナー像を形成する現像工程と、該トナー像を記録媒体に転写する転写工程
とを少なくとも含む画像形成方法において、
前記トナーは、平均粒子径Daが100〜300nmの微粒子を含む外添剤で表面が被
覆され、かつ
前記トナーと前記静電潜像担持体との間の非静電的付着力の平均値Fを、前記トナーの
体積平均粒径Dtと、前記外添剤の平均粒子径Daとの積で割った値〔F/(Dt×Da)
〕が、4.45×10 4 N/m 2 以上、7.5×10 4 N/m 2 以下であることを特徴とする画像形成方法。 - 少なくとも静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを有する
画像形成要素を複数配列したタンデム型である画像形成装置を用いる請求項12に記載の画像形成方法。 - 転写工程では、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と
、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを用い
る請求項12から13のいずれかに記載の画像形成方法。 - 静電潜像担持体の表面凹凸の周期の平均値Smと、トナーの体積平均粒径Dtとが、次
式、Sm≧10Dtを満たす請求項12から14のいずれかに記載の画像形成方法。
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