以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の最表面層に第1フッ素樹脂粒子に含ませる共に、トナーに外添剤として第2フッ素樹脂粒子を含ませる。そして、第1フッ素樹脂粒子の体積平均一次粒径D1とし、第2フッ素樹脂粒子の体積平均一次粒径をD2としたとき、下記式(1)で示される関係を満たす。なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジも同様である。
式(1):(D1×0.95)≦D2≦(D1×1.05)
ここで、像保持体の磨耗意を抑制するためには、トナーに外添剤としてフッ素樹脂粒子を含ませることがよい。しかし、トナー粒子が像保持体に供給される画像部では、フッ素樹脂粒子も供給されて像保持体の磨耗は抑制されることとなるが、トナー粒子が供給されない非画像部ではフッ素樹脂粒子も供給され難くいことから、画像部と非画像部とで像保持体の磨耗差が生じ、結果、像保持体の偏磨耗が生じやすくなる。
このため、像保持体の最表面層にも、フッ素樹脂粒子を含ませることで、上記偏磨耗が抑制され易くなる。一方で、単に、像保持体の最表面層とトナーとの双方にフッ素樹脂粒子を含ませると、トナーに含ませる外添剤(フッ素樹脂粒子等その他)等が例えば被転写体や中間転写体に付着し易くなってしまう。
そこで、本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の最表面層とトナーとの双方にフッ素樹脂粒子を含ませると共に、当該双方に含ませるフッ素樹脂粒子の体積平均粒径を特定の関係を満たすものを適用する。これにより、像保持体の表面の偏磨耗が抑制されると共に、トナーの外添剤等の付着に起因する汚れが抑制される。
また、本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の最表面層とトナーとの双方に含ませるフッ素樹脂粒子の樹脂種を同じにする、特に4フッ化エチレン樹脂粒子を適用することで、当該樹脂が同じでない場合に比べ、トナーの外添剤等の付着に起因する汚れが抑制される。ここで、樹脂種が同じとは、繰り返し単位構造種が同じであることを意味し、例えば、分子量等は異なっていてもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置では、中間転写方式を採用すると、直接転写方式を採用する場合に比べ、トナーの外添剤等の付着に起因する汚れが抑制される。
本実施形態に係る画像形成装置において、上記如く、像保持体の最表面層に含ませる第1フッ素樹脂粒子の体積平均一次粒径D1とし、トナーに外添剤として含ませる第2フッ素樹脂粒子の体積平均一次粒径をD2としたとき、上記式(1)で示される関係を満たすが、望ましくは下記式(2)を満たすことであり、より望ましくは下記式(3)を満たすことである。
式(2):(D1×0.95)≦D2≦(D1×1.05)
式(3):(D1×0.98)≦D2≦(D1×1.02)
ここで、フッ素樹脂粒子(第1フッ素樹脂粒子、第2フッ素樹脂粒子)の体積平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡を用い、任意の100個の一次粒子の直径(投影面積の円相当直径)を求め、その値から体積平均一次粒子径を算出して求めた値である。走査型電子顕微鏡としては例えば日本電子製JSM−6700F(FE−SEM/EDS)を用いることが出来、加速電圧としては、JSM−6700Fを用いた場合2〜5kV程度が好適であり、これは、装置や感光体の材料などによって適宜調整する必要がある。
本実施例に記載した体積平均一次粒子径は、感光体の場合は小片を切り出しカーボンテープ上に固定し、また、現像剤の場合はそのままカーボンテープ上に固定し、これらにグラファイトペースト及びPt−Pd蒸着を行いサンプルとし、上記日本電子製JSM−6700F(FE−SEM/EDS)を用い加速電圧2kV/5000倍で撮影し、一次粒子状の任意の100個のフッ素樹脂粒子像の径(投影面積円相当径)を測定する。その結果から体積平均一次粒子径を算出して求めた。
フッ素樹脂粒子(第1フッ素樹脂粒子、第2フッ素樹脂粒子)としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂、又はそれらの共重合体の粒子が挙げられるが、特に望ましくは4フッ化エチレン樹脂の粒子である。
フッ素系樹脂粒子(第1フッ素樹脂粒子、第2フッ素樹脂粒子)の体積平均粒径は0.05μm以上1μm以下が望ましく、より望ましく0.1μm以上0.5μm以下である。
フッ素系樹脂粒子のうち、像保持体の最表面層に含まれる第1フッ素樹脂粒子の含有量は、当該最表面層の固形分全量に対して1質量%以上15質量%以下が望ましく、より望ましくは1質量%以上12質量%以下である。
一方、フッ素系樹脂粒子のうち、トナーに外添剤として含まれる第2フッ素樹脂粒子の含有量は、トナー粒子に対して0.05質量%以上2.00質量%以下が望ましく、より望ましくは0.10質量%以上1.00質量%以下である。
以下、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジに適用する像保持体(以下、本実施形態に係る電子写真感光体と称する)について詳細に説明する。
本実施形態に係る電子写真感光体は、例えば、導電性支持体上に感光層を少なくとも有し、最表面層がフッ素樹脂粒子を含むものであれば、その層構成等に特に限定はない。本実施形態に係る感光層は、電荷輸送能と電荷発生能とを併せ持つ機能一体型の感光層であってもよいし、電荷輸送層と電荷発生層とを含む機能分離型の感光層であってもよい。さらには、下引き層、中間層及び保護層等のその他の層を必要に応じて設けてもよい。ここで、導電性とは体積抵抗率が107Ω・cm未満を意味する
本実施形態に係る電子写真感光体において、機能一体型の感光層が表面層となる場合には、該機能一体型の感光層にフッ素樹脂粒子が含有される。電荷輸送層と電荷発生層とを含む機能分離型の感光層のうちのいずれかの層が最表面層となる場合には、最表面層に該当する層にフッ素樹脂粒子が含有される。また、感光層上に最表面層として保護層が設けられる場合には、該保護層にフッ素樹脂粒子が含有される。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す断面図である。図1に係る電子写真感光体1は、導電性基体2上に下引き層4、電荷発生層5及び電荷輸送層6がこの順序で積層された構造を有しており、電荷発生層5及び電荷輸送層6が機能分離型の感光層3を構成している。ここで、電荷輸送層6は電子写真感光体1における表面層(導電性基体2から最も遠い側に配置される層)である。図1に示す電子写真感光体においては、電荷輸送層6にフッ素系樹脂粒子が含有される。
以下、電子写真感光体1の各要素について説明する。
導電性基体2としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を塗布、または含浸させた紙、およびプラスチックフィルム等が挙げられる。導電性基体2の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
導電性基体2として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
下引き層4は、導電性基体2表面における光反射の防止、導電性基体2から感光層3への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。下引き層4の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体や、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物や、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末などの導電性物質等を結着樹脂に分散し、基体上に塗布したものが挙げられる。また、金属酸化物粒子は2種以上混合して用いてもよい。さらに、金属酸化物粒子へカップリング剤による表面処理を行うことで、粉体抵抗を制御して用いてもよい。
下引き層4に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが挙げられる。中でも、結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましい。
下引き層4中の金属酸化物粒子と結着樹脂との比率は特に制限されず、所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で設定される。
下引き層4の形成の際には、上記成分を特定の溶媒に加えた塗布液が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものでも使用される。
また、下引き層形成用塗布液中に金属酸化物粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる下引き層形成用塗布液を導電性基体2上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。下引き層4の膜厚は10μm以上が望ましく、15μm以上50μm以下がより望ましい。下引き層4には、表面粗さ調整のために下引き層中に樹脂粒子を添加してもよい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等が挙げられる。
また、表面粗さ調整のために下引き層4の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が挙げられる。
また、図示は省略するが、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために、下引き層4上に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。これらの化合物は、例えば、単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いる。
中間層の形成に使用される溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。また、これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かす溶剤であれば、いかなるものでも使用される。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
中間層は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす。したがって、中間層を形成する場合には、0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定される。また、この場合の中間層を下引き層4として使用してもよい。
電荷発生層5は、電荷発生材料を適当な結着樹脂中に分散して形成される。電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等も挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独または2種以上を混合して使用する。
電荷発生層5における結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これ等の結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷発生層5の形成の際には、上記成分を特定溶剤に加えた塗布液が使用される。かかる溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものでも使用される。
電荷発生材料を樹脂中に分散させるために、塗布液には分散処理が施される。分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる塗布液を下引き層4上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。電荷発生層5の膜厚は、望ましくは0.01μm以上5μm以下、より望ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲に設定される。
電荷輸送層6は電子写真感光体1における最表面層に相当し、前述の通り、フッ素系樹脂粒子が含有される。電荷輸送層6は、具体的には、例えば、電荷輸送層としての本来的機能を発現させるための電荷輸送材料と、塗膜として形成するために結着樹脂と、フッ素樹脂粒子とを含む。
電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、および上記した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電荷輸送層6に含まれる結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等があげられる。これ等の結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いる。ここで、絶縁性とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。以下、同様である。
また、電荷輸送層6には、フッ素系樹脂粒子が含まれるが、電荷輸送層6に、フッ素系樹脂粒子を分散させるための分散助剤として、フッ化アルキル基含有メタクリルコポリマーからなるフッ素グラフトポリマーを用いることがよい。
電荷輸送層6は、電荷輸送材料、結着樹脂、及びフッ素樹脂粒子の他に、必要に応じて用いられるその他添加剤を特定の溶剤に加えた塗布液を用いて形成される。
電荷輸送層6の形成に使用される溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、また、これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものでも使用される。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1乃至1:5が望ましい。
電荷輸送層6中にフッ素系樹脂粒子を分散させるための塗布液の分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる電荷輸送層層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層6の膜厚は、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
なお、画像形成装置中で発生するオゾンや窒素酸化物、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層を構成する各層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加してもよい。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機リン化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペン等の誘導体が挙げられる。また、電荷輸送層6中にシリコーンオイル等のレベリング剤を添加してもよい。
本実施形態の電子写真感光体においては、最表面層として保護層を設けてもよい。保護層は、電子写真感光体の帯電時の電荷輸送層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する為に用いられる。保護層は、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させた塗布液を感光層上に塗布することにより形成される。また、保護層は、電荷輸送性高分子材料、又はその架橋物を含んで構成させてもよい。なお、最表面層として保護層を設けた形態の場合、当該保護層にフッ素樹脂粒子を含ませる。
導電性材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体の担体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を被覆したもの等が挙げられる。
結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の公知の樹脂が用いられる。また、これらは必要に応じて互いに架橋させて使用してもよい。
保護層の膜厚は、1μm以上20μm以下であることが望ましく、2μm以上10μm以下であることがより望ましい。
保護層を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法が挙げられる。また、保護層を形成するための塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独であるいは2種以上を混合して用いるが、この塗布液が塗布される感光層を溶解しにくい溶剤を用いることが望ましい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジに適用するトナー(現像剤)(以下、本実施形態に係るトナーと称する)について詳細に説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子とフッ素樹脂粒子とを含むんで構成される。フッ素樹脂粒子は、トナー粒子の外添剤として当該トナー粒子表面に付着して含んでもよいし、当該トナー粒子と遊離して含んでいてもよい。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び必要に応じて帯電制御剤等の内添剤を含んで構成される。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体が挙げられる、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、結着樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が代表的なものとして挙げられる。
離型剤として、は低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものが挙げられるが、例えば、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が挙げられる。湿式製法でトナー粒子を製造する場合、帯電制御剤としては、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが望ましい。
トナー粒子、磁性材料を内包する磁性トナー粒子、及び磁性材料を含有しない非磁性トナー粒子のいずれであってもよい。
トナー粒子は、体積平均粒径は2μm以上12μm以下であることが望ましく、より望ましくは3μm以上9μm以下である。
トナー粒子の製造方法は、限定されるものではなく、例えば、1)結着樹脂、着色剤、離型剤、及び必要に応じて帯電制御剤等の内添剤を混練、粉砕、分級する混練粉砕して得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、2)結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、及び必要に応じて帯電制御剤等の内添剤の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、3)結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の内添剤の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、4)結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が適用される。また、トナー粒子は、上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに凝集粒子(樹脂粒子)を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用する。これらのトナー粒子の製造方法の中でも、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が望ましく、乳化重合凝集法が特に望ましい。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と外添剤としてのフッ素樹脂粒子とをヘンシェルミキサーやVブレンダー等で混合することによって製造される。また、本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添剤としてのフッ素樹脂粒子を外添してもよい。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子にフッ素樹脂粒子以外の他の外添剤を外添させてもよい。他の外添剤としては、電子写真感光体表面の付着物、劣化物除去の目的等とする外添剤であって、無機粒子、有機粒子、該有機粒子に無機粒子を付着させた複合粒子等が挙げられる。他の外添剤の外添剤としては、無機粒子が特に望ましい。
他の外添剤として好適な無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に挙げられる。
他の外添剤、特に無機粒子には疎水化処理を施された粒子であることがよい。疎水化処理を施すための材料としては、シランカップリング剤(例えばテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等)、シリコーンオイル、高級脂肪酸金属塩(ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)等が挙げられる。
本実施形態に係るトナーは、トナーのみで構成する一成分現像剤として適用してもよいし、トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤として適用してもよい。キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはこれらに樹脂被覆を施したものが挙げられる。また、トナーとキャリアとの混合割合は、公知の範囲で設定される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジを図面を参照しつつ説明する。なお、同様の機能を有する部材には、全図面を通じて同じ符合を付与し、その説明を省略することがある
。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。
この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。
本実施形態に係る画像形成装置1000は、図2に示すように、図の矢印B方向に回転する電子写真感光体(以下、感光体と称する)61と、電源65aから電力の供給を受けて、感光体61に接触しながら回転することで感光体61表面を帯電する帯電手段である帯電部材65とを備えている。
また、この画像形成装置1000には、感光体61に向けてレーザ光を発し、感光体61表面に、周囲より電位の高くなった静電潜像を形成する静電潜像形成手段である露光部67、黒色トナーを含む現像剤を用いて感光体61表面に形成された静電潜像にモノクロ(黒)のトナーを付着させることにより静電潜像を現像することでトナー画像を形成する画像形成手段である現像器64、トナー画像が形成された感光体61に、搬送されてくる用紙を押圧することで感光体61表面に形成されたトナー画像を被転写体である用紙上に転写する転写手段である転写ロール66、用紙上に転写されたトナー画像に対し熱および圧力を加えることで転写像の用紙への定着を行う定着手段である定着器70、感光体61に接触し、トナー画像の転写後に感光体61表面に付着したまま残留した残留トナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング装置62、トナー画像の転写後に感光体61に残留した電荷を除去する除電ランプ67aも備えられている。
この画像形成装置1000では、帯電部材65および感光体61は、いずれもロール状であってこれらのロールの両端は、いずれも支持部材100aに、ロールが回転する様態で支持されている。また、この支持部材100aには、上記の、クリーニング装置62および現像器64も接続されており、このように帯電部材65、感光体61、クリーニング装置62、および現像器64が支持部材100aに一体化されることで、プロセスカートリッジ100が構成されている。
画像形成装置1000にこのプロセスカートリッジが組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1000に備えられることとなる。このプロセスカートリッジ100が、本実施形態のプロセスカートリッジの一例に相当する。
以下、この画像形成装置1000における画像形成の動作について説明する。
この画像形成装置1000には、黒トナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器64にトナーの補給が行われる。また、トナー画像が転写されるために用いられる用紙は、用紙蓄積部材80の中に蓄えられており、ユーザから画像形成が指示されると用紙蓄積部材80から搬送されて、転写ロール66においてトナー画像の転写が行われた後、図の左方向に向かって搬送されていく。図2においては、この時の用紙搬送路が、左向きの矢印で示す経路として示されており、用紙はこの用紙搬送路を通って定着器70において、用紙上に転写された転写像の定着が行われた後、左方向に排出される。
帯電部材65が感光体61を帯電させる際には、帯電部材65に電圧が印加される。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される感光体の帯電電位に応じて正または負の50V以上2000V以下が望ましく、100V以上1500V以下がより望ましい。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧が400V以上1800V以下が望ましく、800V以上1600V以下がさらに望ましい。交流電圧の周波数は50Hz以上20,000Hz以下、望ましくは100Hz以上5,000Hz以下である。
帯電部材65としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。帯電部材65は、感光体61に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも感光体61と同じ周速度で回転し、帯電手段として機能するが、帯電部材65に駆動手段を取り付け、感光体61とは異なる周速度で回転させて帯電させてもよい。
露光部67としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザ、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光する光学系装置等が適用される。
現像器64としては、一成分系、二成分系等の正規又は反転現像剤を用いた従来より公知の現像装置等が適用される。
転写手段としては、転写ロール66等の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
クリーニング装置62は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等が適用されるが、これらの中でもクリーニングブレードが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置は、除電ランプ67aが備えられているため、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高められる。なお、本実施形態に係る画像形成装置においては必要に応じて除電ランプ67aを備えていればよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の第二の例を示す全体構成図である。
この実施形態の画像形成装置1001は、片面出力用のカラープリンタである。
この画像形成装置1001には、図の矢印Bk,Bc,Bm,By方向にそれぞれ回転する、電子写真感光体である感光体61K,61C、61M,61Yが備えられている。ここで、感光体61K,61C、61M,61Yが、本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
また、各感光体の周囲には、各感光体に接触しながら回転することで感光体表面を帯電する帯電手段である帯電部材65K,65C,65M,65Y、帯電した各感光体上にレーザ光の照射によりブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色についての静電潜像を形成する静電潜像形成手段である露光部67K,67C,67M,67Y、各感光体上の静電潜像を各色のトナーを含む現像剤で現像して各色のトナー画像を形成する画像形成手段である現像器64K,64C,64M,64Yが備えられている。
この画像形成装置1001では、上記の各構成要素のうち、ブラック用の、帯電部材65K、感光体61K、クリーニング装置62K、および現像器64Kは、一体化されてプロセスカートリッジ100Kの構成要素となっており、同様に、シアン用の、帯電部材65C、感光体61C、クリーニング装置62C、現像器64Cの組、マゼンタ用の、帯電部材65M、感光体61M、クリーニング装置62M、現像器64Mの組、および、イエロー用の、帯電部材65Y、感光体61Y、クリーニング装置62Y、現像器64Yの組が、それぞれ一体化されてプロセスカートリッジ100C,100M,100Yの構成要素となっている。画像形成装置1001にこれら4つのプロセスカートリッジが組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1001に備えられることとなる。これらのプロセスカートリッジ100K,100C,100M,100Yそれぞれが、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例に相当する。
また、この画像形成装置1001には、各感光体上で形成された各色のトナー画像の転写(1次転写)を受けて1次転写像を運搬する中間転写体である中間転写ベルト50、中間転写ベルト50への各色のトナー画像の1次転写が行われる1次転写ロール66K,66C,66M,66Y、用紙への2次転写が行われる2次転写ロール対69、用紙上の2次転写されたトナー画像の定着を行う定着手段である定着器70、4つの現像器にそれぞれの色成分のトナーをそれぞれ補給する、4つのトナーカートリッジ40K,40C,40M,40Y、用紙を蓄える用紙蓄積部材80も備えられている。
なお、本実施形態に係る被転写体とは、電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体から直接、紙等の被転写体に転写する場合は、紙等が被転写体である。また、中間転写体を用いる場合には、中間転写体が被転写体である。
ここで、中間転写ベルト50は、駆動ロール50aから駆動力を受けながら2次転写ロール69bと駆動ロール50aとにより張力が付与された状態で図の矢印A方向に循環移動する。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト50を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト50のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いられる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いてもよい。
次に、この画像形成装置1001における画像形成の動作について説明する。
4つの感光体61K,61C、61M,61Yは、帯電部材65K,65C,65M,65Yによりそれぞれ帯電され、さらに露光部67K,67C,67M,67Yから照射されるレーザ光を受けて各感光体上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器64K,64C,64M,64Yによってそれぞれの色のトナーを含む現像剤で現像されてトナー画像が形成される。このようにして形成された各色のトナー画像は、各色に対応した1次転写ロール66K,66C,66M,66Yにおいて、中間転写ベルト50上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、多色の1次転写像が形成される。
そして、この多色の1次転写像は、中間転写ベルト50により2次転写ロール対69まで運搬されていく。一方、多色の1次転写像の形成と呼応して、用紙が用紙蓄積部材80から取り出されて搬送ロール81によって搬送され、さらに位置合せロール対82によって位置を整えられる。そして、2次転写ロール対69によって、上述の多色の1次転写像が、搬送されてきた用紙に転写(2次転写)され、さらに定着器70によって用紙上の2次転写像に定着処理が施される。定着処理後、定着像を有する用紙は、送出ロール対83を通過して、排紙受け84に排出される。
以上が、この画像形成装置1001における画像形成の動作についての説明である。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態の電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段、帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、現像剤を用いて前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する画像形成手段、前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写手段及び転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも一種と、を一体に有し、画像形成装置本体から脱着される構成であればよい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中、「部」とは「質量部」を意味する。なお、実施例12〜14は参考例に該当する。
(トナー粒子の作製)
−樹脂粒子分散液の調製−
スチレン370g、n−ブチルアクリレート30g、アクリル酸8g、ドデカンチオール24g、及び四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11000の樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40質量%であった。
−着色剤分散液の調製−
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6g
・イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤を調製した。
−離型剤分散液の調製−
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃) 100g
・カチオン性界面活性剤 (サニゾールB50:花王(株)製) 5g
・イオン交換水 240g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調製した。
−トナー粒子の作製−
・樹脂粒子分散液 234部
・着色剤分散液 30部
・離型剤分散液 40部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
・イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、体積平均粒径D50が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、体積平均粒径D50は5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26部の樹脂粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調製した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー粒子を得た。トナー粒子の体積平均粒径D50が5.9μmであった。
(キャリアの製造)
・フェライト粒子(平均粒径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン/メタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。このキャリアは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
(現像剤の作製)
−現像剤1の作製−
上記トナー粒子100部に、ルチル型酸化チタン(粒径20nm,n−デシルトリメトキシシラン処理)1部、シリカ(粒径40nm,シリコーンオイル処理,気相酸化法)2.0部、酸化セリウム(平均粒径0.7μm)1部、及びPTFE粒子(体積平均一次粒径:0.110μm) 0.2部を5Lヘンシェルミキサーで周速30m/s×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー1を得た。
また、上記キャリア100部とトナー1:8部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより、現像剤1を得た。
−現像剤2の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.200μmの粒子を用いた以外は、現像剤1と同様の手法で現像剤2を得た。
−現像剤3の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.103μmの粒子を用いた以外は、現像剤1と同様の手法で現像剤3を得た。
−現像剤4の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.106μmの粒子を用いた以外は、現像剤1と同様の手法で現像剤4を得た。
−現像剤5の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.114μmの粒子を用いた以外は、現像剤1と同様の手法で現像剤5を得た。
−現像剤6の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.117μmの粒子を用いた以外は、現像剤1と同様の手法で現像剤6を得た。
−現像剤7の作製−
PTFE粒子に代えて、体積平均一次粒径:0.110μmのポリフッ化ビニリデン粒子を用いた以外は現像剤1と同様の手法で現像剤7を得た。
−現像剤8の作製−
PTFE粒子に代えて、体積平均一次粒径:0.200μmのポリフッ化ビニリデン粒子を用いた以外は現像剤1と同様の手法で現像剤8を得た。
(感光体の作製)
−感光体1の作製−
酸化亜鉛:(平均粒径70nm:テイカ社製)100部をトルエン450部メタノール50部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25部を添加し、サンドグラインダーミルにて1時間分散した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行ったのち室温まで冷却し、解砕して表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理酸化亜鉛33部、ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)6部及びメチルエチルケトン25部を30分間混合した後、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)5部、シリコーンボール(トスパール120、東芝シリコーン社製)3部及びレベリング剤(シリコーンオイルSH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部を上記の混合液に添加し、サンドミルにて2時間の分散処理を行い、下引き層用塗布液を得た。
この塗布液を30mmφのアルミニウム支持体上に浸漬塗布し、160℃、100分間乾燥硬化することにより、膜厚20μmの下引層を形成した。
次に、電荷発生材料として、Cu−kα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用い、その15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10部およびn−ブチルアルコール300部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン20部とN,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン20部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60部とをテトロヒドロフラン280部及びトルエン120部に十分に溶解混合した後、PTFE粒子(体積平均一次粒径:0.110μm) 8部とフッ素含有グラフトポリマー0.3部を加え、さらに混合した後、高圧ホモジナイザーを用いて分散し、PTFE粒子分散液を作製した。得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚34μmの電荷輸送層を形成した。
−感光体2の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.200μmの粒子を用いた以外は、感光体1と同様の手法で感光体2を得た
−感光体3の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.103μmの粒子を用いた以外は、感光体1と同様の手法で感光体3を得た。
−感光体4の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.106μmの粒子を用いた以外は、感光体1と同様の手法で感光体4を得た。
−感光体5の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.114μmの粒子を用いた以外は、感光体1と同様の手法で感光体5を得た。
−感光体6の作製−
PTFE粒子として、体積平均一次粒径:0.117μmの粒子を用いた以外は、感光体1と同様の手法で感光体6を得た。
(実施例1)
前記感光体1と前記現像剤1を富士ゼロックス社製DocuCenter C3300(中間転写方式)に搭載し、22℃/55%RH環境下で黒単色・画像面積5%の同一画像(画像パターン)のプリントをA4用紙で8万枚の印字した後に、画像面積30%の全面ハーフトーン画像を印字して評価した。画像パターンの画像部と非画像部の濃度をマクベス濃度計で測定した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
−評価基準−
○:画像部と非画像部との濃度差が0.015以下
○−:画像部と非画像部との濃度差が0.15を超えて0.03以下
△:画像部と非画像部との濃度差が0.03を超えて0.05以下
×:画像部と非画像部との濃度差が0.05を超えて
また、用紙や中間転写体に付着した汚れについて、次のように評価した。前記画像パターンの評価と同様に、記感光体1と前記現像剤1を富士ゼロックス社製DocuCenter C3300(中間転写方式)に搭載し、22℃/55%RH環境下で黒単色・画像面積5%の同一画像(画像パターン)のプリントをA4用紙で8万枚の印字した後に、用紙の汚れは画像入力のない(画像面積0%)のパターンを印字して、画像パターンの画像部と非画像部の濃度をマクベス濃度計で測定した。また中間転写体については、中間転写体の表面を直接、画像パターンの画像部と非画像部の濃度をマクベス濃度計で測定した。
評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
−評価基準−
○:画像部と非画像部との濃度差が0.005以下
○−:画像部と非画像部との濃度差が0.005を超えて0.01以下
△: 画像部と非画像部との濃度差が0.01を超えて0.02以下
×: 画像部と非画像部との濃度差が0.02を超えて
(比較例1〜9、実施例2〜11)
表1に従って、感光体種及び現像剤種を変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例12〜14)
富士ゼロックス社製DocuCenter C3300(中間転写方式)に代えて、富士ゼロックス社製DocuCenter−III 3000(直接転写方式)を適用した以外は、実施例1、2、3と同様の評価を行った。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、画像部と非画像部との濃度が小さく感光体の偏磨耗が抑制されていることがわかる。また、本実施例では、比較例に比べ、用紙や中間転写体への付着汚れが抑制されてることがわかる。