JP6132473B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
有機光導電性物質を含有する電子写真感光体は、電子写真感光体の機械的耐久性(耐摩耗性)を向上させることを目的として、電子写真感光体の表面層に硬化型樹脂を含有させる技術がある。
しかしながら、耐摩耗性の高い表面層は、クリーニングブレードとの摩擦力が大きくなり、クリーニング性能が低下しやすい傾向にある。
そこで、クリーニング性能の低下を抑制するため、電子写真感光体の表面層に複数の凹部を設ける方法がある。特許文献1には、電子写真感光体の表面層に所定の微細な凹部を設けることによって、上記のクリーニング性能の向上を図る技術が開示されている。また、特許文献2には、電子写真感光体の表面層に規則的な凹部をインプリンティング法によって形成することで、クリーニング性能の向上とゴーストの改良を図る技術が開示されている。インプリンティング法とは、凸部を有する型部材を電子写真感光体の表面に加圧接触して、凸部に対応する凹部を電子写真感光体の表面に形成する方法である。
特開2007−233355号公報 特開2011−022578号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、上述の凸部を有する型部材を電子写真感光体の表面に加圧接触して、凸部に対応する凹部を形成した電子写真感光体は、この凹部に起因する画像欠陥が発生しやすいことがわかった。具体的には、高精細画像の細線再現性が低下しやすく、クリーニング性能の向上との両立が十分とは言えるものではなかった。
本発明の目的は、インプリンティング法によって電子写真感光体の表面層の表面に凹部を形成する場合であっても、上述の細線再現性の低下を抑制した電子写真感光体の製造方法を提供することである。
本発明は、金属製の支持体上にポリビニルブチラール樹脂とイソシアネート化合物との硬化反応物である硬化型ウレタン樹脂を含有する下引き層を形成する工程、該下引き層上にポリビニルブチラール樹脂を含有する電荷発生層を形成する工程、該電荷発生層上に熱可塑性樹脂を含有する電荷輸送層を形成する工程、該電荷輸送層上に硬化型樹脂を含有する表面層を形成する工程、および該表面層の表面に、凸部を有する型部材を加圧接触させることによって、該凸部に対応する凹部を該表面層の表面に形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法であって、前記下引き層が、式(A)で示されるシランカップリング剤で表面処理されている金属酸化物粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。

(式(A)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜3のアルキル基を示す。Rは、炭素数が1〜3のアルキル基示す。Rは、式(R4−1)、(R4−2)及び(R4−3)のいずれかを示す。Rは、水素原子、フェニル基、または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)

(式(R4−1)、(R4−2)及び(R4−3)中、mは、1から3の整数である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
本発明によれば、インプリンティング法によって電子写真感光体の表面層の表面に凹部を形成する場合であっても、細線再現性の低下を抑制した電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の表面に型部材の表面の凸部を加圧接触させて、電子写真感光体の表面に凹部を形成するための装置の一例を示す図である。 電子写真感光体の実施例で用いた型部材の表面の凸部(凸形状)を示す図である。
本発明における電子写真感光体の好ましい構成の概略が図2に示される。
図2に示される電子写真感光体においては、金属製の支持体21、金属製の支持体上に形成された下引き層22、下引き層に形成された電荷発生層23、電荷発生層に形成された電荷輸送層24、電荷輸送層上に形成された表面に凹部26を有する表面層25が積層されている。
本発明者らは、本発明の電子写真感光体の製造方法が、細線再現性の低下を抑制する理由について以下のように考えている。
上述の細線再現性の低下は、電子写真感光体の表面層の表面に、凸部を有する型部材を加圧接触させる際、電子写真感光体にかかる加圧力により、電子写真感光体の各層の界面、特に下引き層と電荷発生層の界面での微小な剥がれ(密着性不良)が原因の1つであると推測される。特に、従来、下引き層には耐溶剤性の高いフェノール樹脂などの硬化型樹脂が好適に用いられているが、これによって下引き層の硬度が高くなると、上述の剥がれが顕著になる。これは、下引き層の硬度が高いことにより、膜深さ方向に加圧される加圧力が働く方向が、電子写真感光体の下引き層と電荷発生層の界面付近では、膜深さ方向から傾いた方向になるため、界面での剥がれが生じやすくなっているからであると推測している。
本発明の硬化型ウレタン樹脂を用いた下引き層は、フェノール樹脂を用いた下引き層に比べて硬度が低い。これにより、下引き層と電荷発生層の界面付近においても、加圧力が膜深さ方向に働きやすくなるため、上述のような界面での膜剥がれが生じにくくなると考えられる。
さらに、本発明においては、電荷発生層にポリビニルブチラール樹脂を用い、下引き層の硬化型ウレタン樹脂を得るためにポリビニルブチラール樹脂を用いており、両方の層で類似した樹脂を用いていることで、下引き層と電荷発生層と間の密着性を向上させているものと推測される。この下引き層と電荷発生層の密着性の向上により、膜剥がれの発生を十分に抑制できているものと考えられる。
一方、電荷発生層にポリビニルブチラール樹脂を用い、下引き層にポリビニルブチラール樹脂または同樹脂から得られる樹脂以外の樹脂(例えば、ポリアミド樹脂)を用いた場合では、上述の密着性の向上は十分に得られない。
なお、特開2008−233165号公報では、下引き層に硬化型ウレタン樹脂を用い、電子写真感光体の表面を研磨処理して粗面化している技術がある。この技術では、細線再現性の低下は発生しにくいが、研磨処理は、インプリンティング法に比べて、電子写真感光体の表面の制御(規則的な凹部を設けるなど)が難しい。
以下、本発明における電子写真感光体の構成を説明する。
本発明の下引き層は、硬化型樹脂の一種である硬化型ウレタン樹脂を含有する。また、本発明で用いられる硬化型ウレタン樹脂は、ポリオール樹脂の一種であるポリビニルブチラール樹脂と、イソシアネート化合物との硬化反応物である。好ましくは、重量平均分子量が30000〜60000のポリビニルブチラール樹脂と、イソシアネート基またはブロック化されたイソシアネート基を複数有するイソシアネート化合物との硬化反応物である。重量平均分子量が30000〜60000のポリビニルブチラール樹脂を用いて得られた硬化型ウレタン樹脂は、下引き層の硬度をより適度にすることができ、上述の界面での膜剥がれが更に抑制され、細線再現性がさらに向上する。
下引き層は、ポリビニルブチラール樹脂およびイソシアネート化合物を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を加熱(加熱硬化)させることによって形成することができる。下引き層用塗布液中のポリビニルブチラール樹脂の含有量は、下引き層用塗布液の固形分の全質量に対して5質量%以上20質量%以下が好ましい。また、下引き層用塗布液中のイソシアネート化合物の含有量は、下引き層用塗布液の固形分の全質量に対して5質量%以上20質量%以下が好ましい。
下引き層には、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。金属酸化物粒子の種類としては、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムを含有する粒子が挙げられる。これらのうち、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛を含有する粒子が好ましい。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子であってもよい。下引き層中の金属酸化物粒子の含有量は、下引き層の全質量に対して60質量%以上80質量%以下であることが好ましい。また、金属酸化物粒子の好ましい比表面積の範囲は、16m/g以上24m/g以下である。
上記シランカップリング剤の中でも、下記式(A)で示されるアミノシランカップリングを用いて表面処理することが好ましい。
式(A)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜3のアルキル基を示す。Rは、炭素数が1〜3のアルキル基、または炭素数が1〜3のアルコキシ基を示す。Rは、下記式(R4−1)、(R4−2及び(R4−3)のいずれかを示す。Rは、水素原子、フェニル基、または炭素数1〜3のアルキル基を示す。
式(R4−1)、(R4−2)及び(R4−3)中、mは、1から3の整数である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基を示す。
また、金属酸化物粒子のシランカップリング剤による表面処理量は、金属酸化物粒子の質量に対するシランカップリング剤の質量の割合(質量%)をAとし、金属酸化物粒子の比表面積(m/g)をBとしたとき、A/Bで定義される表面処理量が下記式(B)を満足することが好ましい。より好ましくは、下記式(C)を満足することである。
0.010≦A/B≦0.060・・・(B)
0.025≦A/B≦0.050・・・(C)。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。下引き層の膜厚が10μm以上であると、金属製の支持体の硬度の影響を十分に軽減できる膜厚であり、上記硬化型ウレタン樹脂を用いたことによる下引き層の適度な硬度を十分に活かすことができるため、下引き層と電荷発生層との界面の剥がれをさらに低減できると考えられる。また、下引き層の膜厚は、30μm以下であることが好ましい。
下引き層には、さらに、ベンゾフェノン化合物などの添加剤、有機樹脂微粒子、レべリング剤を含有させてもよい。
本発明で用いられる支持体は、金属製の支持体である。本発明においては、金属には合金も含まれる。上記硬化型ウレタン樹脂は、金属製の支持体に対して密着性が高い材料である。金属製の支持体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、亜鉛などの金属または合金製の支持体が挙げられる。アルミニウムやアルミニウム合金性の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることもできる。また、金属製の支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金、または酸化インジウム−酸化スズ合金等の導電性材料の薄膜を形成したものも挙げられる。また、支持体の形状としては、円筒状やベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。
支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、またはアルマイト処理を施してもよい。
金属製の支持体上には、上記下引き層が設けられる。
下引き層上には、電荷発生層が設けられる。電荷発生層は、ポリビニルブチラール樹脂を含有する。電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質をポリビニルブチラール樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター又は液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質とポリビニルブチラール樹脂との割合は、1:0.3〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
電荷発生層上には、電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は、熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、硬化型樹脂を含有する表面層に対する密着性の高さや、ポリビニルブチラール樹脂を含有する電荷発生層に対する密着性の高さから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙げられる。電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送層における電荷輸送物質熱可塑性樹脂との割合は、熱可塑性樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などなどが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は5μm〜40μmであることが好ましく、特には10μm〜35μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。また、フッ素原子含有樹脂粒子やシリコーン含有樹脂粒子などを含有させても良い。また、金属酸化物粒子や無機粒子を含有してもよい。
電荷輸送層上には、表面層が形成される。表面層は、硬化型樹脂を含有する。硬化型樹脂としては、硬化型フェノール樹脂、硬化型メラミン樹脂、硬化型エポキシ樹脂、硬化型アクリル樹脂、硬化型メタクリル樹脂などが挙げられるが、硬化型アクリル樹脂または硬化型メタクリル樹脂であることが好ましい。さらに、硬化型アクリル樹脂、硬化型メタクリル樹脂は、アクリル基、メタクリル基を有する電荷輸送性化合物を重合させることによって硬化させた樹脂であることが好ましい。硬化させる反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。
表面層は、硬化型樹脂のモノマーまたはオリゴマーを溶剤に溶解させて得られる表面層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
表面層の膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
表面層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などが挙げられる。
また、電子写真感光体の表面層には、導電性粒子、シリコーンオイル、ワックス、ポリテトラフルオロエチレン粒子などのフッ素原子含有樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素などの潤滑剤を含有させてもよい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法の如き塗布方法を用いることができる。
次に、表面層の表面に凹部を形成する工程について説明する。本発明では、表面層の表面に、凸部を有する型部材を加圧接触させることによって、該凸部に対応する凹部を該表面層の表面に形成する。このような凹部形成方法は、インプリンティング法とも呼ばれる。
図3は、電子写真感光体の表面に型部材の表面の凸部を加圧接触させて、電子写真感光体の表面に凹部を形成するための装置(圧接形状転写加工装置)の一例を示す図である。
図3に示す圧接形状転写加工装置によれば、被加工物である電子写真感光体2−1を回転させながら、その表面(周面)に連続的に型部材2−2を接触させ、加圧させながら型部材2−2を移動させる。これにより、電子写真感光体2−1を回転させながら、その表面(周面)に連続的に型部材を加圧接触させ、型部材の凸部を電子写真感光体の表面に転写して電子写真感光体の表面に凹部を形成することができる。なお、電子写真感光体の表面に凹凸形状を効率的に転写する観点から、電子写真感光体や型部材を加熱してもよい。
また、型部材2−2は、表面に凸部を有する転写層、金属層および弾性層の3つの層から構成される型部材が好ましい。また、転写層および弾性層が一体となった層および弾性層の2つの層で構成される型部材であってもよい。
加圧部材2−3の材質としては、例えば、金属、金属酸化物、プラスチック、ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、機械的強度、寸法精度、耐久性の観点から、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。加圧部材2−3は、その上面に型部材2−2が設置される。また、下面側の支持部材(不図示)および加圧システム(不図示)により、支持部材2−4に支持された電子写真感光体2−1の表面に、型部材2−2を所定の圧力で接触させることができる。また、支持部材2−4を加圧部材2−3に対して所定の圧力で押し付けてもよいし、支持部材2−4および加圧部材2−3を互いに押し付けてもよい。
型部材の表面(転写層の表面)の凸部は、例えば、微細な表面加工された(凸部を有する)金属や、表面にレジストによりパターニングをしたものや、微粒子が分散された樹脂フィルムや、微細な凸部を有する樹脂フィルムに金属コーティングを施したものなどが挙げられる。また、転写層としては、上述の凸部を形成する材料と同じであることが好ましく、アルミニウム、ニッケル、各種ステンレス鋼などが用いられる。金属層としては、アルミニウム、ニッケル、各種ステンレス鋼などが用いられる。弾性層としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
次に、型部材の表面の凸部は、例えば、平面部に多数の凸部が形成されている形状が挙げられる。凸部の形状としては、例えば、凸部を上から見たときの形が、円、楕円、正方形、長方形、三角形、四角形、六角形などが挙げられる。また、凸部の断面形状は、例えば、三角形、四角形、多角形などのエッジを有するものや、連続した曲線からなる波型や、三角形、四角形、多角形のエッジの一部または全部を曲線に変形したものなどが挙げられる。
表面層の表面に形成された凹部の最長径は、20μm以上80μm以下が好ましい。また、凹部の深さは、0.5μm以上5μm以下が好ましく、凹部の面積率は、表面層の全体に対して3%以上35%以下であることが好ましい。これらの凹部の最長径、深さ、面積率は、電子写真感光体の表面をレーザー顕微鏡などの顕微鏡を用いて観察して断面プロファイルを取得し、顕微鏡に付属の画像解析ソフトにより、この断面プロファイルを画像解析することで求めることができる。
次に、図1に本発明の電子写真感光体及びプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流成分に交流成分を重畳した電圧、又は直流成分のみの電圧のどちらでもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)7に順次転写されていく。転写材7は、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)9によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、電子写真感光体1は、画像形成に繰り返し使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
また、転写手段として、例えば、ベルト状やドラム状の中間転写体を用いた中間転写方式の転写手段を採用してもよい。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールの如き案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11としている。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
金属製の支持体として、直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダー(アルミニウム合金製の円筒)を用いた。
次に、金属酸化物粒子として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(重量平均分子量:40000、商品名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶剤に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−102、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径2.5μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部、下記構造式(1)で示される化合物0.2部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)製、重量平均分子量:40000)10部、および、シクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した。分散後、酢酸エチル700部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を前記下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥させることによって、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(2)で示される化合物(電荷輸送物質)30部、下記式(3)で示される化合物(電荷輸送物質)60部、下記式(4)で示される化合物10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部、下記式(5)で示される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラーH、日本ゼオン(株)製)20部、1−プロパノール20部の混合溶剤を、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過した。その後、下記式(6)で示される化合物90部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン70部、および、1−プロパノール70部を上記混合溶剤に加えた。これをポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)で濾過することによって、表面層用塗布液を調製した。
この表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を大気中において10分間50℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧150kV、ビーム電流3.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmで回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであった。引き続いて、窒素雰囲気下にて、塗膜が25℃から125℃になるまで30秒かけて昇温させ、塗膜の加熱を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は15ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜が25℃になるまでを自然冷却し、大気中において塗膜が100℃になる条件で30分間加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層を形成した。実施例1において、表面層は、上記式(6)で示される化合物に由来する硬化型アクリル樹脂を含有する。
このようにして、表面に凹部を形成する前の電子写真感光体(凹部形成前の電子写真感光体)を作製した。
次に、概ね図3に示す構成の圧接形状転写加工装置に、型部材を設置し、作製した凹部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。型部材は、弾性層(シリコンゴム)、金属層(ステンレス)、転写層(ニッケル)のものを用いた。転写層が有する凹凸形状は、概ね図4に示す形状のランダム(誤差拡散法(Floyd&Steinberg法)による。)な凸部を平面に配置したものを用いた。図4において、転写層が有する凹凸形状は、最長径(型部材上の凸部を上から見たときの最長径のこと。)Xmが50μmであり、高さHが6μmのドーム型形状であり、この凸部形状が転写層の表面全体に占める面積は5%であった。加工時には、電子写真感光体の表面の温度が110℃になるように電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、電子写真感光体と加圧部材を押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させた。このようにして、電子写真感光体の表面(周面)の全面に凹部を形成した。
このようにして、表面に凹部を有する電子写真感光体を製造した。
得られた電子写真感光体の表面を、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:VK−9500)で50倍レンズにより拡大観察し、電子写真感光体の表面に設けられた凹部の最長径、深さ、面積率を測定した。観察時には、電子写真感光体の長手方向に傾きが無いように、また、周方向については、電子写真感光体の円弧の頂点にピントが合うように、調整を行った。得られた結果については、付属の画像解析ソフトにより、画像処理高さデータを選択し、フィルタタイプメディアンでフィルタ処理を行った。上記観察によって、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは2.5μm、開口部最長径は50μm、および面積率は5%であった。
得られた電子写真感光体を評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のシアンステーションに装着し、細線再現性の試験評価を行った。
まず、23℃、湿度50%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
細線再現性の評価は、濃度が1.40±0.10になるように現像コントラストを調整し、ライン画像(A4縦サイズ紙にて、1ライン、3スペース)を1200dpiの出力解像度で配列したテストチャートを作成した。そのテストチャートを出力した画像によって電子写真感光体の解像度(細線再現性)の評価を行った。具体的には、出力画像をスキャナー(商品名:CanoScan9900F、キヤノン(株)製)を使って1600dpiの解像度で読み取り、読み取った画像データとテストチャートの元データを比較した。読み取った画像データについて、テストチャート(元データ)ラインからの抜け、ズレ部分の面積を算出し、その数値によって電子写真感光体の解像度の評価を行った。得られた結果は、比較例1の電子写真感光体の解像度の値をリファレンスとした場合の相対評価で、以下のように評価した。以下の基準でランク付けを行なった。結果を表1に示す。なお、クリーニング性は実施例全てにおいて良好であった。
A:細線再現性に非常に優れ、鮮明な画像
B:細線再現性に優れ、鮮明な画像
C:細線再現性、画像の均一性が若干低下しているものの、良好な画像
D:細線再現性が低下しているが、実用的には問題の無い画像
E:細線再現性が著しく低下している画像。
〔実施例2〜6〕
下引き層に用いられるポリビニルブチラール樹脂の重量平均分子量、下引き層の膜厚を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価を行なった。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
表面層に用いられる上記式(6)で示される化合物を下記式(7)で示される化合物に変更した以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を製造し、評価を行なった。結果を表1に示す。実施例7において、表面層は、下記式(7)で示される化合物に由来する硬化型メタクリル樹脂を含有する。
〔実施例8〜15〕
表面層を、以下のものに変更し、電子写真感光体の表面に形成する凹部の形状を以下に示すように変更した以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を製造し、評価を行なった。結果を表1に示す。
下記式(8)で示される化合物13部、フェノール樹脂13部(群栄化学 PL4852)、およびn−ブタノール75部を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れて分散処理し、表面層用塗布液を調製した。この表面層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜40分間150℃で乾燥させて、膜厚が5μmの表面層を形成した。
実施例8において、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは2.5μm、開口部最長径は50μm、および面積率は5%であった。実施例9において、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは4.0μm、開口部最長径は50μm、および面積率は5%であった。実施例10において、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは1.5μm、開口部最長径は50μm、および面積率は5%であった。実施例11において、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは2.5μm、開口部最長径は70μm、および面積率は5%であった。実施例12において、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは2.5μm、開口部最長径は25μm、および面積率は5%であった。実施例13において、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは2.5μm、開口部最長径は50μm、および面積率は15%であった。実施例14において、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは2.5μm、開口部最長径は50μm、および面積率は30%であった。実施例14において、電子写真感光体の表面に形成された凹部の平均深さは2.5μm、開口部最長径は50μm、および面積率は35%であった。
〔比較例1〕
下引き層を、以下のものに変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価を行なった。評価を行なった。結果を表1に示す。
ルチル型酸化チタン粒子(数平均一次粒径50nm、ジメチルポリシロキサン表面処理)5.6部、下記式(9)で示される繰り返し構造を有するポリアミド樹脂1.0部、およびエタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン混合液10部を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れて分散処理し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液をアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を20分間120℃で乾燥させて、膜厚が2μmの下引き層を形成した。
〔比較例2〕
下引き層を、以下の第一の下引き層、第二の下引き層に変更して形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価を行なった。結果を表1に示す。
酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、および、メタノール50部を、ボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この第一の下引き層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を1時間140℃で加熱し、硬化させることによって、膜厚15μmの第一の下引き層を形成した。
次に、共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、第二の下引き層用塗布液を調製した。この第二の下引き層用塗布液を第一の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚0.45μmの第二の下引き層を形成した。
〔比較例3〕
実施例1において、電荷発生層のポリビニルブチラール樹脂をポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ200、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し評価を行なった。結果を表1に示す。
表1において、「ポリビニルブチラール樹脂 重量平均分子量」は、下引き層に含有させる硬化型ウレタン樹脂を得るために用いられたポリビニルブチラール樹脂の重量平均分子量を示す。
表1の結果から、実施例と比較例1、3の対比から、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いた場合、下引き層とポリビニルブチラール樹脂を含有する電荷発生層との密着性が十分ではないため、膜剥がれが生じやすく細線再現性が低下すると考えられる。実施例と比較例2の対比から、第一の下引き層に含有させるフェノール樹脂は、本発明のウレタン樹脂と比較して硬度が高いため、膜剥がれが生じやすく細線再現性が低下すると考えられる。つまり、下引き層に硬化型ウレタン樹脂を含有し、本発明の電子写真感光体の製造方法によって製造された電子写真感光体であれば、細線再現性の効果が十分に得られる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
21 支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面層
26 凹部
2−1 電子写真感光体
2−2 型部材
2−3 加圧部材
2−4 電子写真感光体の支持部材

Claims (9)

  1. 金属製の支持体上にポリビニルブチラール樹脂とイソシアネート化合物との硬化反応物である硬化型ウレタン樹脂を含有する下引き層を形成する工程、
    該下引き層上にポリビニルブチラール樹脂を含有する電荷発生層を形成する工程、
    該電荷発生層上に熱可塑性樹脂を含有する電荷輸送層を形成する工程、
    該電荷輸送層上に硬化型樹脂を含有する表面層を形成する工程、および
    該表面層の表面に、凸部を有する型部材を加圧接触させることによって、該凸部に対応する凹部を該表面層の表面に形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法であって、
    前記下引き層が、式(A)で示されるシランカップリング剤で表面処理されている金属酸化物粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

    (式(A)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜3のアルキル基を示す。Rは、炭素数が1〜3のアルキル基示す。Rは、式(R4−1)、(R4−2)及び(R4−3)のいずれかを示す。Rは、水素原子、フェニル基、または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)

    (式(R4−1)、(R4−2)及び(R4−3)中、mは、1から3の整数である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
  2. 前記金属酸化物粒子の、前記式(A)で示されるシランカップリング剤による表面処理量:(金属酸化物粒子の質量に対するシランカップリング剤の質量の割合(質量%))/(金属酸化物粒子の比表面積(m/g))が、0.010以上0.060以下である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記金属酸化物粒子の、前記式(A)で示されるシランカップリング剤による表面処理量が、0.025以上0.050以下である請求項2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記表面層に含有させる前記硬化型樹脂が、硬化型アクリル樹脂または硬化型メタクリル樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記下引き層に含有させる前記硬化型ウレタン樹脂が、重量平均分子量が30000〜60000のポリビニルブチラール樹脂と、イソシアネート基またはブロック化されたイソシアネート基を複数有するイソシアネート化合物との硬化反応物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記下引き層の膜厚が10μm以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記電荷輸送層に含有させる前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記金属製の支持体が、アルミニウム合金製の支持体である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 前記金属酸化物粒子を酸化亜鉛粒子である請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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