JP2014137547A - 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】前サイクルの履歴による濃度変化(ゴースト)を抑制した画像が得られる画像形成装置の提供。
【解決手段】画像形成装置は、電子受容性化合物の少なくとも1種を含む下引き層を有する感光体12を備える。画像形成終了後、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、帯電部材14及び転写部材20に電圧を印加し且つ除電装置24により感光体12の表面を露光した状態で感光体12を回転する回復シーケンスを実行する制御部36を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
特許文献1には、「導電性支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体を用い、該感光層中にフタロシアニン系化合物を含有し、且つ該中間層が有機金属化合物及びシランカップリング剤、若しくはそれらからの生成物を含有し、感光体の一様帯電(charge)から次の帯電までの時間(tcycle)と帯電前露光(PCL)から次の一様帯電までの時間(tPCL-charge)が、tcycle≦3sec.tPCL-charge/tcycle≦0.5であることを特徴とする画像形成装置」が提案されている。
また、特許文献2には、「感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光をおこない静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像を現像する現像装置と、現像像を転写材に転写するため前記帯電装置の帯電極性とは逆極性の転写バイアスを印加する転写装置と、前記転写装置と逆極性のバイアスを印加する予備除電装置と、前記感光体の残留電荷を除電する除電装置とを備える画像形成装置において、前記感光体が導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と正孔輸送物質と特定の電子輸送物質とを含有する単一の層から成る感光層を有し、且つ前記予備除電装置の出力を制御する制御手段を有する画像形成装置」が提案されている。
また、特許文献3には、「作像の繰返しが連続すると前記感光体に残留電位上昇を生じる、感光体速度,作像用感光体帯電電位および作像後除電光量でなる、既定の作像条件で、前記感光体を駆動し帯電し前記光除電装置で除電する場合の、VL又はVRの上昇速度絶対値Aに対して、帯電は行わずに前記感光体を前記感光体速度で駆動し前記光除電装置から光を前記感光体に照射した場合のVL(VL:前記感光体を露光しベタ画像を形成する際のベタ画像部の感光体表面電位)又はVR(VR:除電後の感光体表面残留電位)の低下速度絶対値B又はCが、等しいか大きくなる光量を、前記光除電装置から感光体に照射する電子写真式画像形成装置」が提案されている。
特許第4233123号 特許第4850033号 特開2010−49190号公報
本発明の課題は、前サイクルの履歴による濃度変化(以下、「ゴースト」と称する)を抑制した画像が得られる画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を回転駆動する駆動部と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に電圧を印加する帯電部材用の電圧印加部と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成部と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像し、トナー画像を形成する現像部材と、
前記現像部材に電圧を印加する現像部材用の電圧印加部と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する転写部材用の電圧印加部と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する除電部と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させるように、前記駆動部、前記帯電部材用の電圧印加部、前記転写部材用の電圧印加部、及び前記除電部を制御する制御部と、
を備える画像形成装置。
(一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。)
請求項2に係る発明は、
前記制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記転写部材に印加するように、前記帯電部材用の電圧印加部、及び前記転写部材用の電圧印加部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
請求項3に係る発明は、
前記制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を前記転写部材に印加するように、前記帯電部材用の電圧印加部、及び前記転写部材用の電圧印加部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
請求項4に係る発明は、
前記制御部が、さらに前記現像部材に電圧を印加するように、前記現像部材用の電圧印加部を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項5に係る発明は、
前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項6に係る発明は、
前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)で示される関係である請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
・式(11):OP/PS≧2.2
(式(11)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。)
請求項7に係る発明は、
前記電子写真感光体の感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
前記電荷輸送層が、下記一般式(2)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体と、を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。


(一般式(2)中、R、R、R、R、R、及び、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは無置換のアリ−ル基を示す。m1及びn2は、各々独立に0又は1を示す。)


(一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、及び、R10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。Xは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、直鎖若しくは分岐アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。)
請求項8に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体の表面を帯電する第1工程と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する第2工程と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像し、トナー画像を形成する第3工程と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する第4工程と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する第5工程と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させる第6工程と、
を有する画像形成方法。
(一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。)
請求項9に係る発明は、
前記第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記転写部材に印加する請求項8に記載の画像形成方法。
請求項10に係る発明は、
前記第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を前記転写部材に印加する請求項8に記載の画像形成方法。
請求項11に係る発明は、
前記第6工程において、さらに前記現像部材に電圧を印加する請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
請求項12に係る発明は、
前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係である請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
請求項13に係る発明は、
前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)で示される関係である請求項8〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
・式(11):OP/PS≧2.2
(式(11)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。)
請求項14に係る発明は、
前記電子写真感光体の感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
前記電荷輸送層が、下記一般式(2)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体と、を含む請求項8〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法。


(一般式(2)中、R、R、R、R、R、及び、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは無置換のアリ−ル基を示す。m1及びn2は、各々独立に0又は1を示す。)


(一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、及び、R10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。Xは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、直鎖若しくは分岐アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。)
請求項15に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を回転駆動する駆動部と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に電圧を印加する帯電部材用の電圧印加部と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する転写部材用の転写部材用の電圧印加部と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する除電部と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させるように、前記駆動部、前記帯電部材用の電圧印加部、前記転写部材用の電圧印加部、及び前記除電部を制御する制御部と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
(一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。)
請求項1に係る発明によれば、上記特定の制御部を備えない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項2に係る発明によれば、制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を転写部材に印加するように制御する場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧を帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を転写部材に印加するように制御する場合に比べ、電子写真感光体の磨耗を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、制御部が、現像部材に電圧を印加するように制御しない場合に比べ、上記特定の制御部による制御時の電子写真感光体へのトナーの付着を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項5、6に係る発明によれば、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係でも、上記特定の制御部を備えない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、電子写真感光体が上記組成の電荷輸送層を有しても、上記特定の制御部を備えない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、第6工程を有さない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成方法が提供される。
請求項9に係る発明によれば、第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を転写部材に印加する場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成方法が提供される。
請求項10に係る発明によれば、第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧を帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を転写部材に印加する場合に比べ、電子写真感光体の磨耗を抑制する画像形成方法が提供される。
請求項11に係る発明によれば、第6工程において、現像部材に電圧を印加しない場合に比べ、第6工程実施時の電子写真感光体へのトナーの付着を抑制する画像形成方法が提供される。
請求項12、13に係る発明によれば、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係でも、第6工程を有さない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成方法が提供される。
請求項14に係る発明によれば、電子写真感光体が上記組成の電荷輸送層を有しても、上記特定の制御部を備えない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成方法が提供される。
請求項15に係る発明によれば、上記特定の制御部を備えない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られるプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の制御部を示すブロック図である。 本実施の形態の画像形成装置の制御部で行われる処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[画像形成装置]
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置10には、図1に示すように、例えば、電子写真感光体(以下「感光体」と称する)12が設けられている。感光体12は、円柱状とされ、駆動モータ27(駆動部の一例)にギア等の駆動力伝搬部材(不図示)を介して連結されており、当該駆動モータ27により、回転駆動(図1中の矢印A方向)される。
感光体12の周辺には、例えば、帯電装置15、潜像形成装置16、現像装置18、転写装置31、清掃装置22、及び除電装置24が、感光体12の回転方向に沿って順に配設されている。そして、本実施形態に係る画像形成装置10には、定着装置26も配設されている。
以下、画像形成装置10の各部の詳細について説明する。
感光体12は、例えば、導電性基体と、この導電性基体上に形成された下引き層と、この下引き層の上に形成された感光層と、から構成されている。この感光層は、電荷発生層と電荷輸送層との2層構造であってもよい。また、感光層は、最表面に保護層を設けた構成であってもよい。
そして、下引き層は、結着樹脂と、金属酸化物粒子と、一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種と、を含んで構成されている。
なお、感光体12の詳細な構成については、後述する。
帯電装置15は、感光体12の表面を帯電する。帯電装置15は、例えば、感光体12表面に接触または非接触で設けられ、感光体12の表面を帯電する帯電部材14、及び帯電部材14に帯電電圧を印加する電源28(帯電部材用の電圧印加部の一例)を含んで構成されている。電源28は、帯電部材14に電気的に接続されている。
帯電装置15の帯電部材14としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触方式の帯電器が挙げられる。また、帯電部材14としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。
帯電装置15(その電源28)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって、帯電部材14に帯電電圧を印加する。帯電部材14から帯電電圧を印加された帯電部材14は、印加された帯電電圧に応じた帯電電位に、感光体12を帯電させる。このため、電源28から印加される帯電電圧が調整されることで、感光体12は、異なる帯電電位に帯電される。
潜像形成装置16(潜像形成部の一例)は、帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する。
具体的には、例えば、潜像形成装置16は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって、帯電部材14により帯電された感光体12の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調した光Lを照射して、感光体12上に画像情報の画像に応じた静電潜像を形成する。
潜像形成装置16としては、例えば、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を像様に露光する光源を持つ光学系機器等が挙げられる。
現像装置18は、例えば、潜像形成装置16による光Lの照射位置より感光体12の回転方向下流側に設けられている。
現像装置18内には、例えば、トナーを含む公知の現像剤が収容されている。トナーは、例えば、現像装置18内で帯電された状態で収容されている。現像剤に含まれるトナーとしては、例えば、重合法により得られる体積平均粒子径3μm以上9μm以下のトナーが挙げられる。
現像装置18は、例えば、トナーを含む現像剤により、感光体12の表面に形成された静電潜像を現像する現像部材18Aと、現像部材18Aに現像電圧を印加する電源32(現像部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。この現像部材18Aは、例えば、電源32に電気的に接続されている。
現像装置18の現像部材18Aとしては、現像剤の種類に応じて選択されるが、例えば、磁石が内蔵された現像スリーブを有する現像ロールが挙げられる。
現像装置18(その電源32)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって現像部材18Aに現像電圧を印加する。現像電圧を印加された現像部材18Aは、該現像電圧に応じた現像電位に帯電される。
そして、現像電位に帯電された現像部材18Aは、例えば、現像装置18内に収容された現像剤を表面に保持して、現像剤に含まれるトナーを現像装置18内から感光体12表面へと供給する。感光体12上に供給されたトナーは、例えば、感光体12上の静電潜像に静電力により付着する。詳細には、例えば、感光体12と現像部材18Aとの向かい合う領域における電位差、すなわち、該領域における感光体12の表面の電位と現像部材18Aの現像電位との電位差によって、現像剤に含まれるトナーが感光体12の静電潜像の形成された領域に供給され、現像剤にキャリアが含まれている場合には、該キャリアは現像部材18Aに保持されたまま現像装置18内に戻る。これにより、例えば、感光体12上の静電潜像は、現像部材18Aから供給されたトナーによって現像されて、感光体12上には、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
転写装置31は、例えば、現像部材18Aの配設位置より感光体12の回転方向下流側に設けられている。
転写装置31は、例えば、感光体12の表面に形成されたトナー画像を記録媒体30A(被転写体の一例)へ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30(転写部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、感光体12との間で記録媒体30Aを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
転写部材20の転写部材20としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の非接触型転写帯電器が挙げられる。
転写装置31(その電源30)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって転写部材20に転写電圧を印加する。転写電圧を印加された転写部材20は、該転写電圧に応じた転写電位に帯電される。
転写部材20の電源30から転写部材20に、感光体12上に形成されたトナー像を構成するトナーとは逆極性の転写電圧が印加されると、例えば、感光体12と転写部材20との向かい合う領域(図1中、転写領域32A参照)には、感光体12上のトナー像を構成する各トナーを静電力により感光体12から転写部材20側へと移動させる電界強度の電界が形成される。
記録媒体30A(被転写体の一例)は、例えば、図示を省略する収容部に収容されており、この収容部から図示を省略する複数の搬送部材によって搬送経路34に沿って搬送(図1中矢印B方向)され、感光体12と転写部材20との向かい合う領域である転写領域32Aに到る。転写領域32Aに到った記録媒体30Aは、例えば、転写部材20に転写電圧が印加されることにより該領域に形成された電界によって、感光体12上のトナー像が転写される。すなわち、例えば、感光体12表面から記録媒体30Aへのトナーの移動により、記録媒体30A上にトナー像が転写される。
清掃装置22は、転写領域32Aより感光体12の回転方向下流側に設けられている。
清掃装置22は、トナー像を記録媒体30Aに転写した感光体12も付着した付着物を除去する。
清掃装置22は、感光体12上の残留トナーや紙粉等の付着物を除去する。清掃装置22としては、例えば、感光体12に対して線圧10g/cm以上150g/cm以下で接触する板状部材を有する構成が挙げられる。
除電装置24(除電部の一例)は、例えば、清掃装置22より感光体12の回転方向下流側に設けられている。
除電装置24は、トナー画像を転写した後、感光体12の表面を露光して除電する。
具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって、感光体12の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
除電装置24としては、例えば、例えば、タングステンランプ(例えば白色光)、発光ダイオード(LED:例えば赤色光)等の光源を照射する装置が挙げられる。
定着装置26は、例えば、転写領域32Aより記録媒体30Aの搬送経路34の搬送方向下流側に設けられている。
定着装置26は、例えば、記録媒体30A上に転写されたトナー像を定着する。
具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって、記録媒体30A上に転写されたトナー像を熱または熱及び圧力によって記録媒体30Aに定着する。
定着装置26としては、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
ここで、搬送経路34に沿って搬送されて感光体12と転写部材20との向かい合う領域(転写領域32A)を通過することによりトナー像を転写された記録媒体30Aは、例えば、図示を省略する搬送部材によってさらに搬送経路34に沿って定着装置26の設置位置に到り、記録媒体30A上のトナー像の定着が行われる。
トナー像の定着によって画像形成された記録媒体30Aは、図示を省略する複数の搬送部材によって画像形成装置10の外部へと排出される。
なお、感光体12は、除電装置24による除電後、再度、帯電装置15によって帯電電位に帯電される。
制御部36は、画像形成装置10の各部の動作を制御するように構成されている。
具体的には、制御部36は、図2に示すように、例えば、コンピュータとして構成され、CPU(Central Processing Unit)36A、RAM(Random Access Memory)36B、ROM(Read Only Memory)36C、不揮発性メモリ36D、及び入出力インターフェース(I/O)36Eがバス36Fを介して各々接続された構成となっている。
そして、I/O36Eには、感光体12(その駆動モータ27)、帯電装置15(その電源28)、潜像形成装置16、現像装置18(その電源32)、転写装置31(その電源30)、除電装置24、定着装置26等の画像形成装置10の各部が接続されている。
CPU36Aは、例えば、ROM36Cや不揮発性メモリ36Dに記憶されているプログラム(例えば、画像形成シーケンスや回復シーケンス等)の制御プログラム)実行し、画像形成装置10の各部の動作を制御する。RAM36Bは、ワークメモリとして使用される。ROM36Cや不揮発性メモリ36Dには、例えば、CPU30が実行するプログラムやCPU30の処理に必要なデータ等が記憶されている。なお、制御プログラムは、DVD等の外部の記録媒体により提供されてもよい。
次に、制御部36において実行される処理について説明する。
なお、本処理は、画像形成装置10の画像形成動作が終了後、実行される処理として説明する。
ここで、画像形成動作は、例えば、感光体12の表面を帯電する工程と、帯電された感光体12の表面に静電潜像を形成する工程と、トナーを含む現像剤により、感光体12の表面に形成された静電潜像を現像し、トナー画像を形成する工程と、感光体12の表面に形成されたトナー画像を記録媒体30Aへ転写する工程と、トナー画像を転写した後、電子写真感光体の表面を露光して除電する工程と、記録媒体30Aに転写したトナー画像を定着する工程を行う画像形成シーケンスである。
まず、図3に示すように、ステップ200では、画像形成終了指示を受けると、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の情報を取得する。そして、ステップ202に進む。
ここで、「連続して形成された同一の画像の出力数」とは、例えば、同一の画像が形成される記録媒体30Aが連続して出力された枚数(枚)に相当している。
一方、「画像形成のプロセス速度」とは、例えば、感光体12の回転速度(mm/s)又は記録媒体30Aの搬送速度(mm/s)に相当している。
これら画像形成情報は、例えば、画像形成指示の際、加えて、画像形成過程で追加で、印刷ジョブ情報としてROM36Cや不揮発性メモリ36Dに記憶され、その記憶された情報から取得する。
なお、画像形成終了指示は、例えば、画像形成終了を示す信号が入力されたか否かを判断する。この判断は、例えば、図示を省略する操作パネルが操作されて画像形成終了を示す信号が入力されたことを判別することによって行ってもよいし、画像形成処理する印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像の全ての印刷処理が終了したことを判別することによって行ってもよい。
次に、ステップ202では、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係か否かを判断する。
具体的には、例えば、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)(望ましくは下記式(11−1))で示される関係であるか否かを判定する。
・式(11): OP/PS≧2.2
・式(11−1): 5.0≧OP/PS≧2.2
(式(11)及び式(11−1)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。)
この関係の情報は、予めROM36Cや不揮発性メモリ36Dに記憶され、この記憶された情報に基づき、この関係の判断を行う。
なお、この関係の判断は、上記関係に限られず、例えば、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上(例えば記録媒体30Aの出力数が1000枚以上、望ましくは500枚以上)で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下(例えば440mm/s以下、望ましくは220mm/s以下)の関係である否かで判断してもよい。
ステップ202では、判断が肯定されるとステップ204に進み、判断が否定されると本処理を終了する。
次に、ステップ204では、直前の処理までに回復シーケンスA(後述)が連続して実行された回数がnA回以下か否かを判断する。回復シーケンスAの連続実行回数nAは、回復シーケンスB(後述)の連続実行回数nBよりも少ない回数(例えば、50回以下、望ましくは10回以下)であることがよい。
回復シーケンスAの連続実行回数は、例えば、回復シーケンスAの実行毎に、ROM36Cや不揮発性メモリ36Dにカウントして記憶しておき、そのカウント数から判断する。このカウント数は、回復シーケンスBを実行した場合、「0」にリセットされる。
ステップ204では、判断が肯定されるとステップ206に進み、判断が否定されるとステップ210に進む。
次に、ステップ206では、直前の処理までに回復シーケンスB(後述)が連続して実行された回数がnB回以上か否かを判断する。回復シーケンスBの連続実行回数nBは、回復シーケンスA(後述)の連続実行回数nAよりも多い回数(例えば、200回以下、望ましくは50回以下)であることがよい。
回復シーケンスBの連続実行回数は、例えば、回復シーケンスAの実行毎に、ROM36Cや不揮発性メモリ36Dにカウントして記憶しておき、そのカウント数から判断する。このカウント数は、回復シーケンスAを実行した場合、「0」にリセットされる。
ステップ206では、判断が肯定されるとステップ208に進み、判断が否定されるとステップ210に進む。
次に、ステップ208では、回復シーケンスAを実行する。
回復シーケンスAは、例えば、終了した画像形成時に印加されていた電圧を帯電部材14及び現像部材18Aに印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を転写部材20に印加し、且つ除電装置24により感光体12の表面を露光した状態で、感光体12を回転する。この回復シーケンスAは、駆動モータ27、電源28、電源30、電源32、及び除電装置24を制御することにより実行する。
回復シーケンスAにおいて、感光体12の回転速度は、例えば、105rpm以上210rpm以下とすることがよい。また、感光体12の回転数は、15回以上50回以下とすることがよい。
ここで、回復シーケンスAにおいて、例えば、帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧と、転写部材20に印加する電圧と、は逆極性の電圧とする。具体的には、例えば、帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧は負電圧とし、転写部材20に印加する電圧は正電圧とする。
また、帯電部材14、現像部材18A、及び転写部材20に印加する電圧は、直流電圧であってもよいし、交流電圧であってもよい。また、この電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳してもよい。
回復シーケンスAにより、感光体12が帯電(負帯電、正帯電)、露光が順次行われ、感光体12に蓄積された電荷(キャリア)が開放される。
なお、回復シーケンスAでは、現像部材18Aに電圧を印加しない態様であってもよい。
次に、ステップ210では、回復シーケンスBを実行する。
回復シーケンスBは、例えば、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を帯電部材14及び現像部材18Aに印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を転写部材20に印加し、且つ除電装置24により感光体12の表面を露光した状態で、感光体12を回転する。この回復シーケンスBは、駆動モータ27、電源28、電源30、電源32、及び除電装置24を制御することにより実行する。
回復シーケンスBにおいて、感光体12の回転速度は、例えば、105rpm以上210rpm以下とすることがよい。また、感光体12の回転数は、15回以上50回以下とすることがよい。
帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧は、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも200V以上500V以下低い電圧(絶対値)とすることがよい。
転写部材20に印加する電圧は、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも200V以上500V以下高い電圧(絶対値)とすることがよい。
ここで、回復シーケンスBにおいて、例えば、帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧と、転写部材20に印加する電圧と、は逆極性の電圧とする。具体的には、例えば、帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧は負電圧とし、転写部材20に印加する電圧は正電圧とする。
また、帯電部材14、現像部材18A、及び転写部材20に印加する電圧は、直流電圧であってもよいし、交流電圧であってもよい。また、この電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳してもよい。
回復シーケンスBにより、感光体12が帯電(負帯電、正帯電)、露光が順次行われ、感光体12に蓄積された電荷(キャリア)が開放される。
なお、回復シーケンスBでは、現像部材18Aに電圧を印加しない態様であってもよい。
そして、回復シーケンスA又はBを実行後、本処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置10では、一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物(アントラキノン構造を持つ電子受容性化合物)から選択される少なくとも1種を含む下引き層を有する感光体12を備えている。
そして、画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、帯電部材14及び転写部材20に電圧を印加し、且つ除電装置24により感光体12の表面を露光した状態で、感光体12を回転する回復シーケンスを実行する制御部36を備えている。制御部36は、駆動モータ27、電源28、電源30、電源32、及び除電装置24を制御して、この回復シーケンスを実行する。
この構成により、本実施形態に係る画像形成装置10では、ゴースト(前サイクルの履歴による濃度変化)を抑制した画像が得られる。
ここで、従来、下引き層に電子受容性化合物(特にアントラキノン構造を持つ電子受容性化合物)を配合することで、感光体12の残留電位発生を抑える技術が知られている。
しかしながら、下引き層に電子受容性化合物を配合すると、下引き層と感光層(例えば電荷発生層)との界面のエネルギー障壁が小さくなり、界面に蓄積した電荷(キャリア)が感光層(例えば電荷発生層、電荷輸送層)を通過し、感光体12の最表面に到達しやすくなってしまうと考えられる。すなわち、下引き層と感光層(例えば電荷発生層)との界面に蓄積した電荷(キャリア)が界面周囲の内部電場を歪め、局所的な高電場を作り出し、次サイクルの帯電時に電荷ブロッキング性(キャリアブロッキング性)が低下し易くなると考えられる。その結果、電子写真感光体の表面の帯電部(例えば潜像形成装置による非露光部)の電位低下をもたらし、前サイクルの履歴による濃度変化(具体的には前サイクルの作像履歴部が次サイクルで画像濃度低下)する現象(ゴースト)が生じ易くなると考えられる。
これは、特に、同一の画像を連続して出力した場合、蓄積電荷(蓄積キャリア)が出力回数に比例して増大するため、上記現象(ゴースト)も顕著に生じると考えられる。また、蓄積電荷(蓄積キャリア)は、画像形成のプロセス速度の低下に比例して増大するため、上記現象(ゴースト)も顕著に生じると考えられる。
これに対して、本実施形態に係る画像形成装置10では、画像形成終了後、蓄積電荷(蓄積キャリア)が増大する「連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係」のとき、制御部36により回復シーケンスを実行する。これにより、アントラキノン構造を持つ電子受容性化合物を含む下引き層を有する感光体12を備えても、画像形成終了後に、感光体12が帯電(負帯電、正帯電)、露光が順次行われ、感光体12に蓄積された電荷(キャリア)が開放される。
このため、本実施形態に係る画像形成装置10では、ゴーストを抑制した画像が得られる。
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、制御部36により回復シーケンスとして、回復シーケンスA及びBを実行する。具体的には、例えば、この回復シーケンスA及びBは、各回復シーケンスの連続実行回数に応じて、選択的に実行している。
回復シーケンスAは、回復シーケンスBに比べ、電荷(キャリア)開放能が高いが、感光体12の磨耗が促進され易い傾向がある。このため、回復シーケンスAを実行すると、ゴーストを抑制した画像が得られ易くなる。
回復シーケンスBは、回復シーケンスAに比べ、電荷(キャリア)開放能が低いが、感光体12の磨耗が低減され易い傾向がある。このため、回復シーケンスBを実行すると、感光体12の磨耗が抑制され易くなる。
よって、この回復シーケンスA及びBは、感光体12の磨耗抑制の観点から、回復シーケンスAよりも回復シーケンスBを多くなるように、選択的に実行することがよい。具体的には、例えば、回復シーケンスBを3回に対して、回復シーケンスAを1回の割合等で、各回復シーケンスを選択的に実行することがよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、回復シーケンスA及びBにおいて、現像部材18Aにも電圧を印加すると、回復シーケンスA及びB時の電子写真感光体へのトナーの付着が抑制される。これは。帯電部材14と現像部材18Aとの電位差が過剰に大きくなることが抑制されるためである。
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、制御部36により、回復シーケンスA及びBを選択的に実行する態様を示したが、これ限られず、回復シーケンスA及びBのいずれかを実行する態様であってもよい。
[感光体]
次に、本実施形態に係る画像形成装置10に備える感光体12の詳細について図面を参照しつつ説明する。
図4乃至図9は、本実施形態に係る感光体の層構成の例を示す概略図である。
図4に示す感光体は、導電性基体1と、導電性基体1の上に形成された下引き層2と、下引き層2の上に形成された感光層3と、から構成されている。
また、図5に示すように、感光層3は電荷発生層3Aと電荷輸送層3Bとの2層構造でもよい。さらに、図6及び図7に示すように、感光層3上又は電荷輸送層3B上に保護層5を設けてもよい。また、図8及び図9に示すように、下引き層2と感光層3との間又は下引き層2と電荷発生層3Aとの間に中間層4を設けてもよい。
なお、中間層4は、下引き層2と感光層3との間又は下引き層2と電荷発生層3Aとの間に設けた態様を示しているが、導電性基体1と下引き層2との間に設けてもよい。無論、中間層4を設けない態様であってもよい。
次に、感光体12の各要素について説明する。なお、符号は省略して説明する。
−導電性基体−
導電性基体としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、薄膜(例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の膜)を設けたプラスチックフィルム等、導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、導電性付与剤を塗布又は含浸させたプラスチックフィルム等が挙げられる。基体の形状は円筒状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
導電性基体として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
−下引き層−
下引き層は、結着樹脂と、金属酸化物粒子と、電子受容性化合物と、を含んで構成されている。
・結着樹脂
結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物等が挙げられる。また、これら樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂も挙げられる。
・金属酸化物粒子
金属酸化物粒子としては、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の粒子が挙げられる。
これらの中もで、金属酸化物粒子としては、細線再現性、残留電圧の上昇抑制の観点から、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛の粒子がよい。
金属酸化物粒子としては、望ましくは粒径が100nm以下、特に10nm以上100nm以下の導電粉が望ましく用いられる。ここでいう粒径とは、平均1次粒径を意味する。金属酸化物粒子の平均1次粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)により観察し測定される値である。
金属酸化物粒子の粒径が10nm以下の場合、金属酸化物粒子の表面積が大きくなり、分散液の均一性が低下する場合がある。一方、金属酸化物粒子の粒径が100nmを越える場合、2次粒子、又はそれ以上の高次粒子は1μm程度の粒径になると予想され、下引き層内で金属酸化物粒子の存在する部分と存在しない部分、いわゆる海島構造となりやすく、例えばハーフトーン濃度の不均一など画質欠陥が発生する場合がある。
金属酸化物粒子としては10Ω・cm以上1010Ω・cm以下の粉体抵抗とすることが望ましい。これにより、下引き層は、電子写真プロセス速度に対応した周波数で適切なインピーダンスを得ることが実現され易くなる。
金属酸化物粒子の抵抗値が10Ω・cmよりも低いと、インピーダンスの粒子添加量依存性の傾きが大きすぎて、インピーダンスの制御が難しくなる場合がある。一方、金属酸化物粒子の抵抗値が1010Ω・cmよりも高いと残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
金属酸化物粒子は、必要に応じて分散性等の諸特性の改善の目的で、少なくとも1種のカップリング剤で表面処理されていることがよい。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、及びアルミネート系カップリング剤から選ばれる少なくとも1種であることがよい。
具体的なカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ビス(ジオクチルピロホフェート)、イソプロピルトリ(N―アミノエチルーアミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのカップリング剤は2種以上を混合して使用してもよい。
カップリング剤の処理量は、金属酸化物粒子に対して、0.1質量%以上3質量%以下であることがよく、望ましくは0.3質量%以上2.0質量%以下、より望ましくは0.5質量%以上1.5質量%以下である。
なお、カップリング剤の処理量は、次のように測定する。
FT−IR法、29Si固体NMR法、熱分析、XPSなどの分析法があるが、FT−IR法が最も簡便である。FT−IR法では通常のKBr錠剤法でも、ATR法でもよい。少量の処理済金属酸化物粒子をKBrと混合し、FT−IRを測定することで、カップリング剤の処理量を測定する。
金属酸化物粒子は、上記カップリング剤で表面処理後、必要に応じて抵抗値の環境依存性等の改善のために熱処理を行ってもよい。熱処理温度は、例えば、150℃以上300℃以下、処理時間は30分以上5時間以下がよい。
金属酸化物粒子の含有量は、電気特性維持の観点から、30質量%以上60質量%以下が望ましく、35質量%以上55質量%以下がより望ましい。
・電子受容性化合物
電子受容性化合物は、下引き層に含有される金属酸化物粒子の表面と化学反応する材料、又は金属酸化物粒子の表面に吸着する材料であり、金属酸化物粒子の表面に選択的に存在し得る。
電子受容性化合物としては、一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物(アントラキノン構造を持つ電子受容性化合物)から選択される少なくとも1種が適用される。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す(つまりn11及びn12が同時に0を表さない)。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す(つまりn11’及びn12’が同時に0を表さない)。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す(つまりn14及びn13が同時に0を表さない)。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。
一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、R11、R11’、R12及びR12’が表す炭素数1以上10以下のアルキル基としては、直鎖状、又は分鎖状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルキル基としては、望ましくは1以上8以下のアルキル基、より望ましくは1以上6以下のアルキル基である。
11、R11’、R12及びR12’が表す炭素数1以上10以下のアルコシキ基(アルコキシル基)としては、直鎖状、又は分鎖状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコシキ基としては、望ましくは1以上8以下のアルコキシル基、より望ましくは1以上6以下のアルコキシル基である。
電子受容性化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。

なお、一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物(アントラキノン構造を持つ電子受容性化合物)と共に。他の電子受容性化合物を併用してもよい。
他の電子受容性化合としては、キノン系、クマリン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、アントシアニン系、フラボン系、フラーレン系、ルテニウム錯体、キサンテン系、ベンゾキサジン系、ポルフィリン系の材料が挙げられる。
他の電子受容性化合を併用する際の、全電子受容性化合物に占める一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物の割合は、50質量%以上がよく、望ましくは75質量%以上である。
電子受容性化合物の含有量は、化学反応又は吸着する相手である金属酸化物粒子の金属酸化物粒子の表面積及び含有量と、各材料の電子輸送能力から決められるが、通常は0.1質量%以上20質量%以下の範囲がよく、より望ましくは0.5質量%以上10質量%以下の範囲である。
電子受容性化合物の含有量が0.1質量%以下であるとアクセプター物質の効果が発現し難い場合がある。逆に、電子受容性化合物の含有量が20質量%を越えると金属酸化物粒子同士の凝集を引き起こし易くなり、金属酸化物粒子が下引き層内で分布が不均一になり易く、良好な導電路を形成しにくくなる場合がある。そのため、残留電位が上昇し、ゴーストを発生させるだけでなく、黒点の発生、ハーフトーン濃度の不均一が発生する場合がある。
その他添加剤としては、樹脂粒子が挙げられる。露光装置にレーザー等のコヒーレント光を用いた場合、モアレ像を防止することがよい。そのためには。下引き層の表面粗さを、使用する露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)以上1/2λ以下に調整することがよい。そこで、樹脂粒子を下引き層中に添加すると、表面粗さの調整が実現される。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメチルメタアクリレート(PMMA)樹脂等が挙げられる。
また、その他添加剤としては、上記に限られず、周知の添加剤も挙げられる。
下引き層の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた下引き層形成用塗布液が使用される。下引き層形成用塗布液は、例えば、金属酸化物粒子、必要に応じて、電子受容性化合物その他添加剤を予備混合あるいは予備分散したものを、結着樹脂に分散させてことで得られる。
下引き層形成用塗布液を得るために用いる溶剤としては前述した結着樹脂を溶解する公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系の溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは2種類以上混合して用いてもよい。
下引き層形成用塗布液に金属酸化物粒子を分散させる方法としては公知の分散方法が用いられる。例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどが挙げられる。
下引き層形成用塗布液の塗布方法としては浸漬塗布法、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法など公知の塗布方法が用いられる。
下引き層は、ビッカース強度が35以上50以下であることが望ましい。
下引き層の厚みは、画像の粒状性向上の観点から、15μm以上が望ましく、15μm以上30μm以下であることがより望ましく、20μm以上25μm以下が更に望ましい。
−中間層−
中間層は、例えば、下引き層と感光層との間に、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために、必要に応じて設けられるものである。また、中間層は、導電性基体と下引き層との間に設けてもよい。
中間層に用いられる結着樹脂としては、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。これらの化合物は、単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いてもよい。中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど点から好適である。
中間層の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた中間層形成用塗布液が使用される。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
なお、中間層は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こすことがある。したがって、中間層を形成する場合には、0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定することがよい。また、この場合の中間層を下引層として使用してもよい。
−電荷発生層−
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含んで構成される。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着膜で構成されていてもよい。
電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層を構成する結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、例えば10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷発生層の形成の際には、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液が使用される。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、望ましくは0.01μm以上5μm以下、より望ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲に設定される。
−電荷輸送層−
電荷輸送層は、電荷輸送材料と、必要に応じて結着樹脂と、を含んで構成される。
電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、及び上記した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層を構成する結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等があげられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
なお、電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は、例えば10:1乃至1:5が望ましい。
特に、電荷輸送層としては、一般式(2)で示される電荷輸送材料と、一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体(以下、「特定のポリカーボネート共重合体」と称する)と、を含んで構成されていることがよい。この構成の電荷輸送層は、電荷の移動度が高まり、ゴーストを抑制した画像が得られ易くなる。


一般式(2)中、R、R、R、R、R、及び、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは無置換のアリ−ル基を示す。m1及びn2は、各々独立に0又は1を示す。
一般式(2)中、R、R、R、R、R、及び、Rで示される基のうち、アルキル基としては炭素数1以上20以下のアルキル基がよい。アルコキシル基としては炭素数1以上20以下のアルコキシル基がよい。アリール基を置換する置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルキル基、アリール基が挙げられる。
一般式(2)中、R、R、R、R、R、及び、Rとしては、上記の中でも、水素原子、アルキル基、又は、アルコキシル基が望ましく、水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のアルコキシル基が望ましい。
一般式(2)中、m1は1が望ましく、n2は1が望ましい。
一般式(2)で示される電荷輸送材料の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。


一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、及び、R10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。
、R、R、及びR10は、水素原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、又は炭素数6以上12以下のアリール基を示すことが望ましく、水素原子、メチル基、フェニル基を示すことが望ましい。
Xは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、直鎖若しくは分岐アルキレン基(望ましくは炭素数1以上12以下)、又は、シクロアルキレン基(望ましくは炭素数3以上12以下)を表す。
特定のポリカーボネート共重合体において、一般式(3)で表される繰り返し単位と、一般式(4)で表される繰り返し単位と、共重合比(下記具体例におけるm:n比に相当)は、例えば、m:n=95:5以上5:95以下の範囲、50:50以上5:95以下の範囲、30:70以上10:90以下の範囲が挙げられる。
特定のポリカーボネート共重合体は、例えば、4,4′−ジヒドロキシビフェニル化合物等の原料を用い、ホスゲン等の炭酸エステル形成性化合物との重縮合又はビスアリールカーボネートとのエステル交換反応等の方法によって合成する。
特定のポリカーボネート共重合体の粘度平均分子量としては、例えば、20000以上100000以下が挙げられ、30000以上80000以下であってもよく、40000以上70000以下であってもよい。
特定のポリカーボネート共重合体の具体例を例示するが、これらに限定されるものではない。

電荷輸送層は、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成される。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
電荷輸送層の膜厚は、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、積層構造からなる感光体では帯電時の電荷輸送層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する為に設ける。
そのため、保護層は、架橋物(硬化物)を含んで構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、反応性電荷輸送材料と必要に応じて硬化性樹脂とを含む組成物の硬化層、硬化性樹脂に電荷輸送材料を分散させた硬化層等の周知の構成が挙げられる。また、保護層は、結着樹脂に電荷輸送材料を分散させた層で構成してもよい。
保護層は、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液を用いて形成される。
保護層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
保護層の厚みは1μm以上20μm以下、望ましくは2μm以上10μm以下が適当である。
(単層型の感光層)
単層型の感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、結着樹脂、電荷発生材料、電荷輸送材料を含んで構成される。これら材料については、電荷発生層や電荷輸送層で説明したものと同様である。
単層型の感光層において、電荷発生材料の含有量は10質量%以上85質量%以下程度が望ましく、より望ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、電荷輸送材料の含有量は5質量%以上50質量%以下とすることが望ましい。
単層型の感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。単層型感光層の厚さは5μm以上50μm以下程度が望ましく、10μm以上40μm以下とするのがさらに望ましい。
(その他)
本実施形態に係る電子写真感光体において、感光層や保護層には、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加してもよい。
また、感光層や保護層には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を添加してもよい。
また、感光層や保護層には、各層を形成する塗布液にレベリング剤としてシリコーンオイルを添加し、塗膜の平滑性向上させてもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置10は、上記構成に限れず、周知の構成、例えば、感光体12に形成したトナー像を中間転写体に転写した後、記録媒体30Aに転写する中間転写方式の画像形成装置を採用してもよいし、タンデム方式の画像形成装置を採用してもよい。ここで、中間転写方式の画像形成装置の場合、中間転写体が被転写体の一例に相当し、一次転写部材が転写部材の一例に相当する。
以下、本実施の形態の画像形成装置を実施例によって具体的に説明するが、これらの実施例によって限定されるものではない。また、以下において特に指定のない場合「部」は「質量部」を表し、「%」は「質量%」を表す。
[感光体の作製]
(感光体1)
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学社製)0.75質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛粒子60質量部と、上記特定の電子受容性化合物として例示化合物(1−6)1.2質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15質量部と、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い、分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部とを添加し、下引き層形成用塗布液を得た。下引き層形成用塗布液の塗布温度(24℃)における粘度は235mPa・sであった。
この塗布液を、浸漬塗布法にて塗布速度220mm/minで直径40mmのアルミニウム基体上に塗布し、180℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ24μmの下引き層を得た。
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部およびn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用塗布液を得た。電荷発生層形成用塗布液の塗布温度(24℃)における粘度は1.8mPa・sであった。この塗布液を前記下引き層上に浸漬塗布法にて塗布速度65mm/minで浸漬塗布し、150℃で10分間乾燥して電荷発生層を得た。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子8質量部(平均粒径:0.2μm)と、フッ化アルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量30000)0.01質量部とを、テトラヒドロフラン4質量部、トルエン1質量部とともに20℃の液温に保ち、48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液Aを得た。
次に、電荷輸送材料として下記構造式1を示す化合物(一般式(2)において、n2=1、m1=1、R、R、R、R、R、及びRが全てHのもの、トリス[4−(4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエニル)フェニル]アミン)を4質量部、結着樹脂として、下記構造式2および下記構造式3の繰り返し単位からなるポリカーボネート共重合体(構造式(A3)で示される例示化合物:粘度平均分子量40000)6質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部を混合して、テトラヒドロフラン24質量部及びトルエン11質量部を混合溶解して、混合溶解液Bを得た。
この混合溶解液B液に4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液Aを加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、フッ素変性シリコーンオイル(商品名:FL−100 信越化学工業社製)を5ppm添加し、十分に撹拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に24μmの厚さで塗布して135℃で25分間乾燥して電荷輸送層を形成した。
以上の工程を経て、目的の電子写真感光体を得た。このようにして得た電子写真感光体を感光体1とした。

(感光体2)
下引き層の形成において、電子受容性化合物を使用しない以外は、感光体1と同様にして、目的の電子写真感光体を得た。このようにして得た電子写真感光体を感光体2とした。
(感光体3)
下引き層の形成において、電子受容性化合物として例示化合物(1−1)を用いた以外は、感光体1と同様にして、目的の電子写真感光体を得た。このようにして得た電子写真感光体を感光体3とした。
(感光体4)
電荷輸送層の形成において、電荷輸送材料として例示化合物(2−2)を用いた以外は、感光体1と同様にして、目的の電子写真感光体を得た。このようにして得た電子写真感光体を感光体4とした。
[実施例1〜7、比較例1〜2]
表1に従った感光体を、画像形成装置としての富士ゼロックス社製「700 Didital Color Press」に搭載した。この画像形成装置は、帯電部材14へ印加する帯電電圧、現像部材18Aへ印加する電圧、及び転写部材20へ印加する電圧を可変するように改造してある。
そして、この画像形成装置により、表1に従った条件で、同一の画像(幅2mm、長さ200mm、画像密度60%の帯画像)をA4サイズの用紙に連続して出力した。
その画像形成終了後、表1に従った回復シーケンスを実行した。そして、以下の評価を行った。
−ゴーストの評価−
ゴーストの評価は、回復シーケンスを実行後(但し、比較例1は同一画像の連続出力後)、28℃85RH%の周辺環境下で、画像密度30%の全面ハーフトーン画像をA4サイズの用紙に出力した。当該のハーフトーン画像上の濃度変化を目視することにより評価した。
◎:未発生
○:微小な濃度変化発生
△:濃度変化発生
×:顕著な濃度変化発生
−感光体の磨耗量−
摩耗量の評価は、同一画像の連続出力、及び画像形成終了後の回復シーケンスを実行する動作を20000回繰り返した後(但し、比較例1は同一画像の連続出力を20000回繰り返した後)、渦電流式膜厚測定装置(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて感光体の膜厚を測定し、予め測定しておいた感光体の膜厚との差(μm)を求め、耐摩耗性の指標とした。
◎:<1μm
○:1μm〜3μm
△:>3μm
上記結果から、本実施例では、ゴーストの発生が抑制されていることがわかる。
また、回復シーケンスAを実行した実施例1等は、回復シーケンスBを実行した実施例2等に比べ、ゴーストの評価について良好な結果が得られたことがわかる。
また、回復シーケンスBを実行した実施例2等は、回復シーケンスAを実行した実施例1等に比べ、感光体の磨耗量トの評価について良好な結果が得られたことがわかる。
また、実施例1において、回復シーケンスAを実行後に、感光体の表面を観察したところ、現像剤(トナー)の付着は観察されなかったのに対して、現像部材に電圧を印加しないで、回復シーケンスAを実行したところ、感光体の表面に、現像剤(トナー)が付着されているのが確認された。
10 画像形成装置,12 感光体,14 帯電部材,16 潜像形成装置,18A 現像部材,20 転写部材,24 除電装置,26 定着装置,27 駆動モータ,28 電源,30 電源,32 電源,36 制御部

Claims (15)

  1. 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を回転駆動する駆動部と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電部材と、
    前記帯電部材に電圧を印加する帯電部材用の電圧印加部と、
    帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成部と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像し、トナー画像を形成する現像部材と、
    前記現像部材に電圧を印加する現像部材用の電圧印加部と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する転写部材と、
    前記転写部材に電圧を印加する転写部材用の電圧印加部と、
    前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する除電部と、
    画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させるように、前記駆動部、前記帯電部材用の電圧印加部、前記転写部材用の電圧印加部、及び前記除電部を制御する制御部と、
    を備える画像形成装置。

    (一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。)
  2. 前記制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記転写部材に印加するように、前記帯電部材用の電圧印加部、及び前記転写部材用の電圧印加部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を前記転写部材に印加するように、前記帯電部材用の電圧印加部、及び前記転写部材用の電圧印加部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部が、さらに前記現像部材に電圧を印加するように、前記現像部材用の電圧印加部を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)で示される関係である請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
    ・式(11):OP/PS≧2.2
    (式(11)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。)
  7. 前記電子写真感光体の感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
    前記電荷輸送層が、下記一般式(2)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体と、を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。



    (一般式(2)中、R、R、R、R、R、及び、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは無置換のアリ−ル基を示す。m1及びn2は、各々独立に0又は1を示す。)



    (一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、及び、R10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。Xは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、直鎖若しくは分岐アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。)
  8. 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体の表面を帯電する第1工程と、
    帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する第2工程と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像し、トナー画像を形成する第3工程と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する第4工程と、
    前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する第5工程と、
    画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させる第6工程と、
    を有する画像形成方法。

    (一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。)
  9. 前記第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記転写部材に印加する請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 前記第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を前記転写部材に印加する請求項8に記載の画像形成方法。
  11. 前記第6工程において、さらに前記現像部材に電圧を印加する請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. 前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係である請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  13. 前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)で示される関係である請求項8〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
    ・式(11):OP/PS≧2.2
    (式(11)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。)
  14. 前記電子写真感光体の感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
    前記電荷輸送層が、下記一般式(2)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体と、を含む請求項8〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法。



    (一般式(2)中、R、R、R、R、R、及び、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは無置換のアリ−ル基を示す。m1及びn2は、各々独立に0又は1を示す。)



    (一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、及び、R10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。Xは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、直鎖若しくは分岐アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。)
  15. 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を回転駆動する駆動部と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電部材と、
    前記帯電部材に電圧を印加する帯電部材用の電圧印加部と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する転写部材と、
    前記転写部材に電圧を印加する転写部材用の転写部材用の電圧印加部と、
    前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する除電部と、
    画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させるように、前記駆動部、前記帯電部材用の電圧印加部、前記転写部材用の電圧印加部、及び前記除電部を制御する制御部と、
    を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。

    (一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。)
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