JP2014137547A - 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成装置は、電子受容性化合物の少なくとも1種を含む下引き層を有する感光体12を備える。画像形成終了後、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、帯電部材14及び転写部材20に電圧を印加し且つ除電装置24により感光体12の表面を露光した状態で感光体12を回転する回復シーケンスを実行する制御部36を備える。
【選択図】図1
Description
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を回転駆動する駆動部と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に電圧を印加する帯電部材用の電圧印加部と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成部と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像し、トナー画像を形成する現像部材と、
前記現像部材に電圧を印加する現像部材用の電圧印加部と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する転写部材用の電圧印加部と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する除電部と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させるように、前記駆動部、前記帯電部材用の電圧印加部、前記転写部材用の電圧印加部、及び前記除電部を制御する制御部と、
を備える画像形成装置。
前記制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記転写部材に印加するように、前記帯電部材用の電圧印加部、及び前記転写部材用の電圧印加部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
前記制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を前記転写部材に印加するように、前記帯電部材用の電圧印加部、及び前記転写部材用の電圧印加部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
前記制御部が、さらに前記現像部材に電圧を印加するように、前記現像部材用の電圧印加部を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)で示される関係である請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
・式(11):OP/PS≧2.2
(式(11)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。)
前記電子写真感光体の感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
前記電荷輸送層が、下記一般式(2)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体と、を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体の表面を帯電する第1工程と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する第2工程と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像し、トナー画像を形成する第3工程と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する第4工程と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する第5工程と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させる第6工程と、
を有する画像形成方法。
前記第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記転写部材に印加する請求項8に記載の画像形成方法。
前記第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を前記転写部材に印加する請求項8に記載の画像形成方法。
前記第6工程において、さらに前記現像部材に電圧を印加する請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係である請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)で示される関係である請求項8〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
・式(11):OP/PS≧2.2
(式(11)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。)
前記電子写真感光体の感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
前記電荷輸送層が、下記一般式(2)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体と、を含む請求項8〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を回転駆動する駆動部と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に電圧を印加する帯電部材用の電圧印加部と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する転写部材用の転写部材用の電圧印加部と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する除電部と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させるように、前記駆動部、前記帯電部材用の電圧印加部、前記転写部材用の電圧印加部、及び前記除電部を制御する制御部と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項2に係る発明によれば、制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を転写部材に印加するように制御する場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧を帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を転写部材に印加するように制御する場合に比べ、電子写真感光体の磨耗を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、制御部が、現像部材に電圧を印加するように制御しない場合に比べ、上記特定の制御部による制御時の電子写真感光体へのトナーの付着を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項5、6に係る発明によれば、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係でも、上記特定の制御部を備えない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、電子写真感光体が上記組成の電荷輸送層を有しても、上記特定の制御部を備えない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項9に係る発明によれば、第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を転写部材に印加する場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成方法が提供される。
請求項10に係る発明によれば、第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧を帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を転写部材に印加する場合に比べ、電子写真感光体の磨耗を抑制する画像形成方法が提供される。
請求項11に係る発明によれば、第6工程において、現像部材に電圧を印加しない場合に比べ、第6工程実施時の電子写真感光体へのトナーの付着を抑制する画像形成方法が提供される。
請求項12、13に係る発明によれば、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係でも、第6工程を有さない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成方法が提供される。
請求項14に係る発明によれば、電子写真感光体が上記組成の電荷輸送層を有しても、上記特定の制御部を備えない場合に比べ、ゴーストを抑制した画像が得られる画像形成方法が提供される。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置10には、図1に示すように、例えば、電子写真感光体(以下「感光体」と称する)12が設けられている。感光体12は、円柱状とされ、駆動モータ27(駆動部の一例)にギア等の駆動力伝搬部材(不図示)を介して連結されており、当該駆動モータ27により、回転駆動(図1中の矢印A方向)される。
感光体12は、例えば、導電性基体と、この導電性基体上に形成された下引き層と、この下引き層の上に形成された感光層と、から構成されている。この感光層は、電荷発生層と電荷輸送層との2層構造であってもよい。また、感光層は、最表面に保護層を設けた構成であってもよい。
そして、下引き層は、結着樹脂と、金属酸化物粒子と、一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種と、を含んで構成されている。
なお、感光体12の詳細な構成については、後述する。
具体的には、例えば、潜像形成装置16は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって、帯電部材14により帯電された感光体12の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調した光Lを照射して、感光体12上に画像情報の画像に応じた静電潜像を形成する。
現像装置18内には、例えば、トナーを含む公知の現像剤が収容されている。トナーは、例えば、現像装置18内で帯電された状態で収容されている。現像剤に含まれるトナーとしては、例えば、重合法により得られる体積平均粒子径3μm以上9μm以下のトナーが挙げられる。
そして、現像電位に帯電された現像部材18Aは、例えば、現像装置18内に収容された現像剤を表面に保持して、現像剤に含まれるトナーを現像装置18内から感光体12表面へと供給する。感光体12上に供給されたトナーは、例えば、感光体12上の静電潜像に静電力により付着する。詳細には、例えば、感光体12と現像部材18Aとの向かい合う領域における電位差、すなわち、該領域における感光体12の表面の電位と現像部材18Aの現像電位との電位差によって、現像剤に含まれるトナーが感光体12の静電潜像の形成された領域に供給され、現像剤にキャリアが含まれている場合には、該キャリアは現像部材18Aに保持されたまま現像装置18内に戻る。これにより、例えば、感光体12上の静電潜像は、現像部材18Aから供給されたトナーによって現像されて、感光体12上には、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
転写装置31は、例えば、感光体12の表面に形成されたトナー画像を記録媒体30A(被転写体の一例)へ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30(転写部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、感光体12との間で記録媒体30Aを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
転写部材20の電源30から転写部材20に、感光体12上に形成されたトナー像を構成するトナーとは逆極性の転写電圧が印加されると、例えば、感光体12と転写部材20との向かい合う領域(図1中、転写領域32A参照)には、感光体12上のトナー像を構成する各トナーを静電力により感光体12から転写部材20側へと移動させる電界強度の電界が形成される。
清掃装置22は、トナー像を記録媒体30Aに転写した感光体12も付着した付着物を除去する。
清掃装置22は、感光体12上の残留トナーや紙粉等の付着物を除去する。清掃装置22としては、例えば、感光体12に対して線圧10g/cm以上150g/cm以下で接触する板状部材を有する構成が挙げられる。
除電装置24は、トナー画像を転写した後、感光体12の表面を露光して除電する。
具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって、感光体12の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
定着装置26は、例えば、記録媒体30A上に転写されたトナー像を定着する。
具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36の制御によって、記録媒体30A上に転写されたトナー像を熱または熱及び圧力によって記録媒体30Aに定着する。
トナー像の定着によって画像形成された記録媒体30Aは、図示を省略する複数の搬送部材によって画像形成装置10の外部へと排出される。
なお、感光体12は、除電装置24による除電後、再度、帯電装置15によって帯電電位に帯電される。
具体的には、制御部36は、図2に示すように、例えば、コンピュータとして構成され、CPU(Central Processing Unit)36A、RAM(Random Access Memory)36B、ROM(Read Only Memory)36C、不揮発性メモリ36D、及び入出力インターフェース(I/O)36Eがバス36Fを介して各々接続された構成となっている。
そして、I/O36Eには、感光体12(その駆動モータ27)、帯電装置15(その電源28)、潜像形成装置16、現像装置18(その電源32)、転写装置31(その電源30)、除電装置24、定着装置26等の画像形成装置10の各部が接続されている。
CPU36Aは、例えば、ROM36Cや不揮発性メモリ36Dに記憶されているプログラム(例えば、画像形成シーケンスや回復シーケンス等)の制御プログラム)実行し、画像形成装置10の各部の動作を制御する。RAM36Bは、ワークメモリとして使用される。ROM36Cや不揮発性メモリ36Dには、例えば、CPU30が実行するプログラムやCPU30の処理に必要なデータ等が記憶されている。なお、制御プログラムは、DVD等の外部の記録媒体により提供されてもよい。
なお、本処理は、画像形成装置10の画像形成動作が終了後、実行される処理として説明する。
ここで、画像形成動作は、例えば、感光体12の表面を帯電する工程と、帯電された感光体12の表面に静電潜像を形成する工程と、トナーを含む現像剤により、感光体12の表面に形成された静電潜像を現像し、トナー画像を形成する工程と、感光体12の表面に形成されたトナー画像を記録媒体30Aへ転写する工程と、トナー画像を転写した後、電子写真感光体の表面を露光して除電する工程と、記録媒体30Aに転写したトナー画像を定着する工程を行う画像形成シーケンスである。
ここで、「連続して形成された同一の画像の出力数」とは、例えば、同一の画像が形成される記録媒体30Aが連続して出力された枚数(枚)に相当している。
一方、「画像形成のプロセス速度」とは、例えば、感光体12の回転速度(mm/s)又は記録媒体30Aの搬送速度(mm/s)に相当している。
これら画像形成情報は、例えば、画像形成指示の際、加えて、画像形成過程で追加で、印刷ジョブ情報としてROM36Cや不揮発性メモリ36Dに記憶され、その記憶された情報から取得する。
具体的には、例えば、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)(望ましくは下記式(11−1))で示される関係であるか否かを判定する。
・式(11): OP/PS≧2.2
・式(11−1): 5.0≧OP/PS≧2.2
(式(11)及び式(11−1)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。)
なお、この関係の判断は、上記関係に限られず、例えば、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上(例えば記録媒体30Aの出力数が1000枚以上、望ましくは500枚以上)で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下(例えば440mm/s以下、望ましくは220mm/s以下)の関係である否かで判断してもよい。
回復シーケンスAの連続実行回数は、例えば、回復シーケンスAの実行毎に、ROM36Cや不揮発性メモリ36Dにカウントして記憶しておき、そのカウント数から判断する。このカウント数は、回復シーケンスBを実行した場合、「0」にリセットされる。
ステップ204では、判断が肯定されるとステップ206に進み、判断が否定されるとステップ210に進む。
回復シーケンスBの連続実行回数は、例えば、回復シーケンスAの実行毎に、ROM36Cや不揮発性メモリ36Dにカウントして記憶しておき、そのカウント数から判断する。このカウント数は、回復シーケンスAを実行した場合、「0」にリセットされる。
ステップ206では、判断が肯定されるとステップ208に進み、判断が否定されるとステップ210に進む。
回復シーケンスAは、例えば、終了した画像形成時に印加されていた電圧を帯電部材14及び現像部材18Aに印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を転写部材20に印加し、且つ除電装置24により感光体12の表面を露光した状態で、感光体12を回転する。この回復シーケンスAは、駆動モータ27、電源28、電源30、電源32、及び除電装置24を制御することにより実行する。
ここで、回復シーケンスAにおいて、例えば、帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧と、転写部材20に印加する電圧と、は逆極性の電圧とする。具体的には、例えば、帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧は負電圧とし、転写部材20に印加する電圧は正電圧とする。
また、帯電部材14、現像部材18A、及び転写部材20に印加する電圧は、直流電圧であってもよいし、交流電圧であってもよい。また、この電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳してもよい。
なお、回復シーケンスAでは、現像部材18Aに電圧を印加しない態様であってもよい。
回復シーケンスBは、例えば、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を帯電部材14及び現像部材18Aに印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を転写部材20に印加し、且つ除電装置24により感光体12の表面を露光した状態で、感光体12を回転する。この回復シーケンスBは、駆動モータ27、電源28、電源30、電源32、及び除電装置24を制御することにより実行する。
帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧は、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも200V以上500V以下低い電圧(絶対値)とすることがよい。
転写部材20に印加する電圧は、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも200V以上500V以下高い電圧(絶対値)とすることがよい。
ここで、回復シーケンスBにおいて、例えば、帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧と、転写部材20に印加する電圧と、は逆極性の電圧とする。具体的には、例えば、帯電部材14及び現像部材18Aに印加する電圧は負電圧とし、転写部材20に印加する電圧は正電圧とする。
また、帯電部材14、現像部材18A、及び転写部材20に印加する電圧は、直流電圧であってもよいし、交流電圧であってもよい。また、この電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳してもよい。
なお、回復シーケンスBでは、現像部材18Aに電圧を印加しない態様であってもよい。
そして、画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、帯電部材14及び転写部材20に電圧を印加し、且つ除電装置24により感光体12の表面を露光した状態で、感光体12を回転する回復シーケンスを実行する制御部36を備えている。制御部36は、駆動モータ27、電源28、電源30、電源32、及び除電装置24を制御して、この回復シーケンスを実行する。
この構成により、本実施形態に係る画像形成装置10では、ゴースト(前サイクルの履歴による濃度変化)を抑制した画像が得られる。
しかしながら、下引き層に電子受容性化合物を配合すると、下引き層と感光層(例えば電荷発生層)との界面のエネルギー障壁が小さくなり、界面に蓄積した電荷(キャリア)が感光層(例えば電荷発生層、電荷輸送層)を通過し、感光体12の最表面に到達しやすくなってしまうと考えられる。すなわち、下引き層と感光層(例えば電荷発生層)との界面に蓄積した電荷(キャリア)が界面周囲の内部電場を歪め、局所的な高電場を作り出し、次サイクルの帯電時に電荷ブロッキング性(キャリアブロッキング性)が低下し易くなると考えられる。その結果、電子写真感光体の表面の帯電部(例えば潜像形成装置による非露光部)の電位低下をもたらし、前サイクルの履歴による濃度変化(具体的には前サイクルの作像履歴部が次サイクルで画像濃度低下)する現象(ゴースト)が生じ易くなると考えられる。
これは、特に、同一の画像を連続して出力した場合、蓄積電荷(蓄積キャリア)が出力回数に比例して増大するため、上記現象(ゴースト)も顕著に生じると考えられる。また、蓄積電荷(蓄積キャリア)は、画像形成のプロセス速度の低下に比例して増大するため、上記現象(ゴースト)も顕著に生じると考えられる。
このため、本実施形態に係る画像形成装置10では、ゴーストを抑制した画像が得られる。
回復シーケンスAは、回復シーケンスBに比べ、電荷(キャリア)開放能が高いが、感光体12の磨耗が促進され易い傾向がある。このため、回復シーケンスAを実行すると、ゴーストを抑制した画像が得られ易くなる。
回復シーケンスBは、回復シーケンスAに比べ、電荷(キャリア)開放能が低いが、感光体12の磨耗が低減され易い傾向がある。このため、回復シーケンスBを実行すると、感光体12の磨耗が抑制され易くなる。
よって、この回復シーケンスA及びBは、感光体12の磨耗抑制の観点から、回復シーケンスAよりも回復シーケンスBを多くなるように、選択的に実行することがよい。具体的には、例えば、回復シーケンスBを3回に対して、回復シーケンスAを1回の割合等で、各回復シーケンスを選択的に実行することがよい。
次に、本実施形態に係る画像形成装置10に備える感光体12の詳細について図面を参照しつつ説明する。
図4乃至図9は、本実施形態に係る感光体の層構成の例を示す概略図である。
また、図5に示すように、感光層3は電荷発生層3Aと電荷輸送層3Bとの2層構造でもよい。さらに、図6及び図7に示すように、感光層3上又は電荷輸送層3B上に保護層5を設けてもよい。また、図8及び図9に示すように、下引き層2と感光層3との間又は下引き層2と電荷発生層3Aとの間に中間層4を設けてもよい。
導電性基体としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、薄膜(例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の膜)を設けたプラスチックフィルム等、導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、導電性付与剤を塗布又は含浸させたプラスチックフィルム等が挙げられる。基体の形状は円筒状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
下引き層は、結着樹脂と、金属酸化物粒子と、電子受容性化合物と、を含んで構成されている。
結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物等が挙げられる。また、これら樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂も挙げられる。
金属酸化物粒子としては、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の粒子が挙げられる。
これらの中もで、金属酸化物粒子としては、細線再現性、残留電圧の上昇抑制の観点から、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛の粒子がよい。
金属酸化物粒子の粒径が10nm以下の場合、金属酸化物粒子の表面積が大きくなり、分散液の均一性が低下する場合がある。一方、金属酸化物粒子の粒径が100nmを越える場合、2次粒子、又はそれ以上の高次粒子は1μm程度の粒径になると予想され、下引き層内で金属酸化物粒子の存在する部分と存在しない部分、いわゆる海島構造となりやすく、例えばハーフトーン濃度の不均一など画質欠陥が発生する場合がある。
金属酸化物粒子の抵抗値が104Ω・cmよりも低いと、インピーダンスの粒子添加量依存性の傾きが大きすぎて、インピーダンスの制御が難しくなる場合がある。一方、金属酸化物粒子の抵抗値が1010Ω・cmよりも高いと残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、及びアルミネート系カップリング剤から選ばれる少なくとも1種であることがよい。
具体的なカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ビス(ジオクチルピロホフェート)、イソプロピルトリ(N―アミノエチルーアミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのカップリング剤は2種以上を混合して使用してもよい。
FT−IR法、29Si固体NMR法、熱分析、XPSなどの分析法があるが、FT−IR法が最も簡便である。FT−IR法では通常のKBr錠剤法でも、ATR法でもよい。少量の処理済金属酸化物粒子をKBrと混合し、FT−IRを測定することで、カップリング剤の処理量を測定する。
電子受容性化合物は、下引き層に含有される金属酸化物粒子の表面と化学反応する材料、又は金属酸化物粒子の表面に吸着する材料であり、金属酸化物粒子の表面に選択的に存在し得る。
R11、R11’、R12及びR12’が表す炭素数1以上10以下のアルコシキ基(アルコキシル基)としては、直鎖状、又は分鎖状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコシキ基としては、望ましくは1以上8以下のアルコキシル基、より望ましくは1以上6以下のアルコキシル基である。
他の電子受容性化合としては、キノン系、クマリン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、アントシアニン系、フラボン系、フラーレン系、ルテニウム錯体、キサンテン系、ベンゾキサジン系、ポルフィリン系の材料が挙げられる。
他の電子受容性化合を併用する際の、全電子受容性化合物に占める一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物の割合は、50質量%以上がよく、望ましくは75質量%以上である。
電子受容性化合物の含有量が0.1質量%以下であるとアクセプター物質の効果が発現し難い場合がある。逆に、電子受容性化合物の含有量が20質量%を越えると金属酸化物粒子同士の凝集を引き起こし易くなり、金属酸化物粒子が下引き層内で分布が不均一になり易く、良好な導電路を形成しにくくなる場合がある。そのため、残留電位が上昇し、ゴーストを発生させるだけでなく、黒点の発生、ハーフトーン濃度の不均一が発生する場合がある。
また、その他添加剤としては、上記に限られず、周知の添加剤も挙げられる。
下引き層形成用塗布液を得るために用いる溶剤としては前述した結着樹脂を溶解する公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系の溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは2種類以上混合して用いてもよい。
下引き層形成用塗布液に金属酸化物粒子を分散させる方法としては公知の分散方法が用いられる。例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどが挙げられる。
中間層は、例えば、下引き層と感光層との間に、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために、必要に応じて設けられるものである。また、中間層は、導電性基体と下引き層との間に設けてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含んで構成される。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着膜で構成されていてもよい。
電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送材料と、必要に応じて結着樹脂と、を含んで構成される。
電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、及び上記した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は、例えば10:1乃至1:5が望ましい。
R7、R8、R9、及びR10は、水素原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、又は炭素数6以上12以下のアリール基を示すことが望ましく、水素原子、メチル基、フェニル基を示すことが望ましい。
Xは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、直鎖若しくは分岐アルキレン基(望ましくは炭素数1以上12以下)、又は、シクロアルキレン基(望ましくは炭素数3以上12以下)を表す。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、積層構造からなる感光体では帯電時の電荷輸送層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する為に設ける。
そのため、保護層は、架橋物(硬化物)を含んで構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、反応性電荷輸送材料と必要に応じて硬化性樹脂とを含む組成物の硬化層、硬化性樹脂に電荷輸送材料を分散させた硬化層等の周知の構成が挙げられる。また、保護層は、結着樹脂に電荷輸送材料を分散させた層で構成してもよい。
保護層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
単層型の感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、結着樹脂、電荷発生材料、電荷輸送材料を含んで構成される。これら材料については、電荷発生層や電荷輸送層で説明したものと同様である。
単層型の感光層において、電荷発生材料の含有量は10質量%以上85質量%以下程度が望ましく、より望ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、電荷輸送材料の含有量は5質量%以上50質量%以下とすることが望ましい。
単層型の感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。単層型感光層の厚さは5μm以上50μm以下程度が望ましく、10μm以上40μm以下とするのがさらに望ましい。
本実施形態に係る電子写真感光体において、感光層や保護層には、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加してもよい。
また、感光層や保護層には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を添加してもよい。
また、感光層や保護層には、各層を形成する塗布液にレベリング剤としてシリコーンオイルを添加し、塗膜の平滑性向上させてもよい。
(感光体1)
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m2/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学社製)0.75質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
この塗布液を、浸漬塗布法にて塗布速度220mm/minで直径40mmのアルミニウム基体上に塗布し、180℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ24μmの下引き層を得た。
次に、電荷輸送材料として下記構造式1を示す化合物(一般式(2)において、n2=1、m1=1、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6が全てHのもの、トリス[4−(4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエニル)フェニル]アミン)を4質量部、結着樹脂として、下記構造式2および下記構造式3の繰り返し単位からなるポリカーボネート共重合体(構造式(A3)で示される例示化合物:粘度平均分子量40000)6質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部を混合して、テトラヒドロフラン24質量部及びトルエン11質量部を混合溶解して、混合溶解液Bを得た。
この混合溶解液B液に4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液Aを加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cm2まで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、フッ素変性シリコーンオイル(商品名:FL−100 信越化学工業社製)を5ppm添加し、十分に撹拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に24μmの厚さで塗布して135℃で25分間乾燥して電荷輸送層を形成した。
下引き層の形成において、電子受容性化合物を使用しない以外は、感光体1と同様にして、目的の電子写真感光体を得た。このようにして得た電子写真感光体を感光体2とした。
下引き層の形成において、電子受容性化合物として例示化合物(1−1)を用いた以外は、感光体1と同様にして、目的の電子写真感光体を得た。このようにして得た電子写真感光体を感光体3とした。
電荷輸送層の形成において、電荷輸送材料として例示化合物(2−2)を用いた以外は、感光体1と同様にして、目的の電子写真感光体を得た。このようにして得た電子写真感光体を感光体4とした。
表1に従った感光体を、画像形成装置としての富士ゼロックス社製「700 Didital Color Press」に搭載した。この画像形成装置は、帯電部材14へ印加する帯電電圧、現像部材18Aへ印加する電圧、及び転写部材20へ印加する電圧を可変するように改造してある。
そして、この画像形成装置により、表1に従った条件で、同一の画像(幅2mm、長さ200mm、画像密度60%の帯画像)をA4サイズの用紙に連続して出力した。
その画像形成終了後、表1に従った回復シーケンスを実行した。そして、以下の評価を行った。
ゴーストの評価は、回復シーケンスを実行後(但し、比較例1は同一画像の連続出力後)、28℃85RH%の周辺環境下で、画像密度30%の全面ハーフトーン画像をA4サイズの用紙に出力した。当該のハーフトーン画像上の濃度変化を目視することにより評価した。
◎:未発生
○:微小な濃度変化発生
△:濃度変化発生
×:顕著な濃度変化発生
摩耗量の評価は、同一画像の連続出力、及び画像形成終了後の回復シーケンスを実行する動作を20000回繰り返した後(但し、比較例1は同一画像の連続出力を20000回繰り返した後)、渦電流式膜厚測定装置(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて感光体の膜厚を測定し、予め測定しておいた感光体の膜厚との差(μm)を求め、耐摩耗性の指標とした。
◎:<1μm
○:1μm〜3μm
△:>3μm
また、回復シーケンスAを実行した実施例1等は、回復シーケンスBを実行した実施例2等に比べ、ゴーストの評価について良好な結果が得られたことがわかる。
また、回復シーケンスBを実行した実施例2等は、回復シーケンスAを実行した実施例1等に比べ、感光体の磨耗量トの評価について良好な結果が得られたことがわかる。
Claims (15)
- 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を回転駆動する駆動部と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に電圧を印加する帯電部材用の電圧印加部と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成部と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像し、トナー画像を形成する現像部材と、
前記現像部材に電圧を印加する現像部材用の電圧印加部と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する転写部材用の電圧印加部と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する除電部と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させるように、前記駆動部、前記帯電部材用の電圧印加部、前記転写部材用の電圧印加部、及び前記除電部を制御する制御部と、
を備える画像形成装置。
(一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。) - 前記制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記転写部材に印加するように、前記帯電部材用の電圧印加部、及び前記転写部材用の電圧印加部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部が、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を前記転写部材に印加するように、前記帯電部材用の電圧印加部、及び前記転写部材用の電圧印加部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部が、さらに前記現像部材に電圧を印加するように、前記現像部材用の電圧印加部を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)で示される関係である請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
・式(11):OP/PS≧2.2
(式(11)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。) - 前記電子写真感光体の感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
前記電荷輸送層が、下記一般式(2)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体と、を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(一般式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、及び、R6は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは無置換のアリ−ル基を示す。m1及びn2は、各々独立に0又は1を示す。)
(一般式(3)及び一般式(4)中、R7、R8、R9、及び、R10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。Xは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、直鎖若しくは分岐アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。) - 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体の表面を帯電する第1工程と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する第2工程と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された前記静電潜像を現像し、トナー画像を形成する第3工程と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する第4工程と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する第5工程と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させる第6工程と、
を有する画像形成方法。
(一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。) - 前記第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧を前記転写部材に印加する請求項8に記載の画像形成方法。
- 前記第6工程において、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも低い電圧を前記帯電部材に印加し、終了した画像形成時に印加されていた電圧よりも高い電圧を前記転写部材に印加する請求項8に記載の画像形成方法。
- 前記第6工程において、さらに前記現像部材に電圧を印加する請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、連続して形成された同一の画像の出力数が予め定めた出力数以上で、且つ画像形成のプロセス速度が予め定めた速度以下の関係である請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度の予め定めた関係が、下記式(11)で示される関係である請求項8〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
・式(11):OP/PS≧2.2
(式(11)中、OPは、連続して形成された同一の画像の出力数(枚)を示す。PSは、画像形成のプロセス速度(mm/s)を示す。) - 前記電子写真感光体の感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
前記電荷輸送層が、下記一般式(2)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体と、を含む請求項8〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(一般式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、及び、R6は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは無置換のアリ−ル基を示す。m1及びn2は、各々独立に0又は1を示す。)
(一般式(3)及び一般式(4)中、R7、R8、R9、及び、R10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。Xは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、直鎖若しくは分岐アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。) - 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、結着樹脂、金属酸化物粒子、並びに、下記一般式(1−1)及び下記一般式(1−2)で示される電子受容性化合物から選択される少なくとも1種を含む下引き層と、前記下引き層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を回転駆動する駆動部と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に電圧を印加する帯電部材用の電圧印加部と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体へ転写する転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する転写部材用の転写部材用の電圧印加部と、
前記トナー画像を転写した後、前記電子写真感光体の表面を露光して除電する除電部と、
画像形成終了後、その終了した画像形成情報のうち、連続して形成された同一の画像の出力数及びその画像形成のプロセス速度が予め定めた関係のとき、前記帯電部材及び前記転写部材に電圧を印加し、且つ前記除電部により前記電子写真感光体の表面を露光した状態で、前記電子写真感光体を回転させるように、前記駆動部、前記帯電部材用の電圧印加部、前記転写部材用の電圧印加部、及び前記除電部を制御する制御部と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
(一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n11、n11’、n12、n12’、n13、及びn14は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n11及びn12の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n11’及びn12’の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。n14及びn13の少なくとも一方は1以上3以下の整数を示す。m11、m11’m12及びm12’は、各々独立に0又は1の整数を示す。r11は2以上10以下の整数を示す。R11、R11’、R12及びR12’は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコシキ基を表す。)
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